JP2015085771A - 乗物用シートのヘッドレスト - Google Patents
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Abstract
【課題】可動側ヘッドレスト部と固定側ヘッドレスト部と、可動側ヘッドレスト部が固定側ヘッドレスト部に対して移動することを規制するために使用されるロック装置と、を備えた乗物用シートのヘッドレストに対して、乗物に加速がかけられていない状態においてはロック装置のロック状態が解除できないようにすること。
【解決手段】ベースとなる固定側ヘッドレスト部22と、固定側ヘッドレスト部22に対して上及び/又は下方向に摺動可能な可動側ヘッドレスト部21と、可動側ヘッドレスト部21の上及び/又は下方向への摺動を規制するロック装置23と、を備える乗物用シートのヘッドレスト2であって、乗物が加速されることによって、可動側ヘッドレスト部21の上及び/又は下方向への摺動の規制を解除可能とする解除操作が行われる構成とする。
【選択図】図2
【解決手段】ベースとなる固定側ヘッドレスト部22と、固定側ヘッドレスト部22に対して上及び/又は下方向に摺動可能な可動側ヘッドレスト部21と、可動側ヘッドレスト部21の上及び/又は下方向への摺動を規制するロック装置23と、を備える乗物用シートのヘッドレスト2であって、乗物が加速されることによって、可動側ヘッドレスト部21の上及び/又は下方向への摺動の規制を解除可能とする解除操作が行われる構成とする。
【選択図】図2
Description
本発明は、乗物用シートに関する。詳しくは、ヘッドレストを備えた乗物用シートに関する。
従来から、ヘッドレストを備えた乗物用シートが広く知られている。また、ヘッドレストを固定側ヘッドレスト部と可動側ヘッドレスト部とに分け、可動側ヘッドレスト部を上下方向に移動可能な構成とすることで鞭打ち症の発生を抑制可能であることが知られている(特許文献1)。
特許文献1に記載されているヘッドレストは、通常時、可動側ヘッドレスト部が固定側ヘッドレスト部に対して上下移動することを規制するロック装置が働いたロック状態となっている。一方、後面衝突(以下、「後突」と称することにする。)が生じたような場合においては、可動側ヘッドレスト部を後方側へ押し込むことで、前記ロック状態を解除したアンロック状態とすることが可能である。
特許文献1に記載されているヘッドレストは、通常時、可動側ヘッドレスト部が固定側ヘッドレスト部に対して上下移動することを規制するロック装置が働いたロック状態となっている。一方、後面衝突(以下、「後突」と称することにする。)が生じたような場合においては、可動側ヘッドレスト部を後方側へ押し込むことで、前記ロック状態を解除したアンロック状態とすることが可能である。
しかしながら、特許文献1に記載の技術においては、可動側ヘッドレスト部を後側に押圧すればロック装置のロック状態をアンロック状態とすることが可能となるものである。したがって、乗物が停止している状態で可動側ヘッドレスト部を後側に押圧したとしても、アンロック状態とされてしまうものであった。
本発明は、上記した点に鑑みて創案されたものであって、本発明が解決しようとする課題は、可動側ヘッドレスト部と固定側ヘッドレスト部と、可動側ヘッドレスト部が固定側ヘッドレスト部に対して移動することを規制するために使用されるロック装置と、を備えた乗物用シートのヘッドレストに対して、乗物に加速がかけられていない状態においてはロック装置のロック状態が解除できないようにすることにある。特に、乗物が衝突することによってロック装置のロック状態が解除可能となるようにすることにある。
上記課題を解決するために、本発明は次の手段をとる。
先ず、第1の発明は、ベースとなる固定側ヘッドレスト部と、固定側ヘッドレスト部に対して上及び/又は下方向に摺動可能な可動側ヘッドレスト部と、可動側ヘッドレスト部の上及び/又は下方向への摺動を規制するロック装置と、を備える乗物用シートのヘッドレストであって、乗物が加速されることによって、可動側ヘッドレスト部の上及び/又は下方向への摺動の規制を解除可能とする解除操作が行われることを特徴とする。
先ず、第1の発明は、ベースとなる固定側ヘッドレスト部と、固定側ヘッドレスト部に対して上及び/又は下方向に摺動可能な可動側ヘッドレスト部と、可動側ヘッドレスト部の上及び/又は下方向への摺動を規制するロック装置と、を備える乗物用シートのヘッドレストであって、乗物が加速されることによって、可動側ヘッドレスト部の上及び/又は下方向への摺動の規制を解除可能とする解除操作が行われることを特徴とする。
この第1の発明によれば、ベースとなる固定側ヘッドレスト部と、固定側ヘッドレスト部に対して上及び/又は下方向に摺動可能な可動側ヘッドレスト部と、可動側ヘッドレスト部の上及び/又は下方向への摺動を規制するロック装置と、を備える乗物用シートのヘッドレストに関し、乗物が加速されることによって、可動側ヘッドレスト部の上及び/又は下方向への摺動の規制を解除可能とする解除操作が行われるため、乗物が加速されていない状態で誤操作により解除操作が行われることを抑制することが可能である。
第2の発明は、第1の発明であって、ロック装置には変位可能に配置された錘を備えており、乗物が加速されてヘッドレストにおける錘の相対的な位置が変位することによって、解除操作が行われることを特徴とする。
この第2の発明によれば、第1の発明におけるロック装置には変位可能に配置された錘を備えており、乗物が加速されてヘッドレストにおける錘の相対的な位置が変位することによって、解除操作が行われる構成であるため、電気的な制御を必要とせず、簡易な構成で誤操作を抑制することが可能である。
第3の発明は、第1又は第2の発明であって、ヘッドレストが後側に加速する前に解除操作が行われることを特徴とする。
この第3の発明によれば、第1又は第2の発明におけるヘッドレストが後側に加速する前に解除操作が行われるため、乗員の頭部がヘッドレストに接触する前に解除操作が行われることになり、可動側ヘッドレスト部が適切なタイミングで摺動させることが可能となる。
本発明によれば、可動側ヘッドレスト部と固定側ヘッドレスト部と、可動側ヘッドレスト部が固定側ヘッドレスト部に対して移動することを規制するために使用されるロック装置とを備えた乗物用シートのヘッドレストに対して、乗物用シートに加速が働いていない状態においてはロック装置が解除できないようにすることが可能となる。特に、乗物が衝突することによってのみロック装置のロック状態が解除可能となるようにすることが可能となる。
以下に、本発明を実施するための形態について、適宜図面を用いながら説明する。
なお、本明細書における前後方向、上下方向、左右方向などの方向は、図1に示したXが前方向、Yが左方向、Zが上方向と規定される。例えば、通常、乗員が着座した際に視界に入るほうが前方で、視界に入らない後頭部側が後方となる。
本実施の形態における乗物は車両であり、主に乗員の背中と対向することになるシートバック3と、主に乗員の大腿部と対向することになるシートクッション4と、主に乗員の頭部PHと対向することになるヘッドレスト2とを備えたものである。
本実施の形態のヘッドレスト2は、その一部にクッション性のあるパッド部材を配置した構成である。また、ヘッドレスト2はシートバック3に備えられたヘッドレストサポート31に対してヘッドレストステー221を挿入することで固定されており、その固定位置の高さは複数の選択肢の中から選択可能な構成である。なお、パッド部材は乗物用シート1において一般的に使用されている部材を使用しており、具体的には、パッド部材として弾力のある発泡ウレタンを使用している。
なお、本明細書における前後方向、上下方向、左右方向などの方向は、図1に示したXが前方向、Yが左方向、Zが上方向と規定される。例えば、通常、乗員が着座した際に視界に入るほうが前方で、視界に入らない後頭部側が後方となる。
本実施の形態における乗物は車両であり、主に乗員の背中と対向することになるシートバック3と、主に乗員の大腿部と対向することになるシートクッション4と、主に乗員の頭部PHと対向することになるヘッドレスト2とを備えたものである。
本実施の形態のヘッドレスト2は、その一部にクッション性のあるパッド部材を配置した構成である。また、ヘッドレスト2はシートバック3に備えられたヘッドレストサポート31に対してヘッドレストステー221を挿入することで固定されており、その固定位置の高さは複数の選択肢の中から選択可能な構成である。なお、パッド部材は乗物用シート1において一般的に使用されている部材を使用しており、具体的には、パッド部材として弾力のある発泡ウレタンを使用している。
次に、本実施の形態のヘッドレスト2について更に説明する。
本発明のヘッドレスト2はシートバック3に固定されている固定側ヘッドレスト部22と、固定側ヘッドレスト部22に対して上下方向に移動可能な可動側ヘッドレスト部21とを備えている。可動側ヘッドレスト部21は乗員の頭部PHと接触した場合、乗員の頭部PHを支持可能である。ただし通常時においては、可動側ヘッドレスト部21においても固定側ヘッドレスト部22に対して上下方向に移動できないように固定したロック状態とされている。乗物の衝突など、通常時と状況が変わり所定の条件が整うと、ロック状態が解除されているアンロック状態となるものである。アンロック状態となると、図2の二点鎖線で示したように、可動側ヘッドレスト部21が上下方向に移動可能となる。より具体的には、乗物が後突することなどで加えられた加速がロック装置23に伝えられることにより、ロック装置23の少なくとも一部が解除操作されることになるものである。この解除操作がなされることにより、アンロック状態となるか、アンロック状態とすることが可能となる。いいかえると、ロック装置23の少なくとも一部に解除操作がなされなければ、アンロック状態とすることができないものである。
本発明のヘッドレスト2はシートバック3に固定されている固定側ヘッドレスト部22と、固定側ヘッドレスト部22に対して上下方向に移動可能な可動側ヘッドレスト部21とを備えている。可動側ヘッドレスト部21は乗員の頭部PHと接触した場合、乗員の頭部PHを支持可能である。ただし通常時においては、可動側ヘッドレスト部21においても固定側ヘッドレスト部22に対して上下方向に移動できないように固定したロック状態とされている。乗物の衝突など、通常時と状況が変わり所定の条件が整うと、ロック状態が解除されているアンロック状態となるものである。アンロック状態となると、図2の二点鎖線で示したように、可動側ヘッドレスト部21が上下方向に移動可能となる。より具体的には、乗物が後突することなどで加えられた加速がロック装置23に伝えられることにより、ロック装置23の少なくとも一部が解除操作されることになるものである。この解除操作がなされることにより、アンロック状態となるか、アンロック状態とすることが可能となる。いいかえると、ロック装置23の少なくとも一部に解除操作がなされなければ、アンロック状態とすることができないものである。
次に、実施例1について説明する。
実施例1においては、可動側ヘッドレスト部21と固定側ヘッドレスト部22とを相対的に変位しないようにすることが可能なロック装置23に錘が配置されている。錘は周囲の部材に対して相対的に変位可能となるように配置されており、乗物が後突した際に発生する加速に抗するように変位するものである。特に、乗物が後突した際に乗物用シート1のヘッドレスト2にかかる加速に抗するように変位するものである。したがって、ヘッドレスト2の後側から前側に向けた加速である場合、錘は周囲の部材に対して相対的に後側に変位する。逆にヘッドレスト2の前側から後側に向けた加速である場合、錘は周囲の部材に対して前側に変位する。
実施例1のヘッドレスト2においては、錘が加速に抗するように変位することにより解除操作がなされるものであるため、錘が加速に抗するように変位しない場合は、解除操作がなされないものである。
実施例1においては、解除操作がなされた状態で乗員の頭部PHが可動側ヘッドレスト部21に衝突し、可動側ヘッドレスト部21の一部を後方に向けて押圧する力Fが働くことにより、アンロック状態とすることが可能となる構成である(図4参照)。このような過程を経てアンロック状態となることにより可動側ヘッドレスト部21が固定側ヘッドレスト部22に対して上下方向に移動可能となる構成である。
実施例1においては、可動側ヘッドレスト部21と固定側ヘッドレスト部22とを相対的に変位しないようにすることが可能なロック装置23に錘が配置されている。錘は周囲の部材に対して相対的に変位可能となるように配置されており、乗物が後突した際に発生する加速に抗するように変位するものである。特に、乗物が後突した際に乗物用シート1のヘッドレスト2にかかる加速に抗するように変位するものである。したがって、ヘッドレスト2の後側から前側に向けた加速である場合、錘は周囲の部材に対して相対的に後側に変位する。逆にヘッドレスト2の前側から後側に向けた加速である場合、錘は周囲の部材に対して前側に変位する。
実施例1のヘッドレスト2においては、錘が加速に抗するように変位することにより解除操作がなされるものであるため、錘が加速に抗するように変位しない場合は、解除操作がなされないものである。
実施例1においては、解除操作がなされた状態で乗員の頭部PHが可動側ヘッドレスト部21に衝突し、可動側ヘッドレスト部21の一部を後方に向けて押圧する力Fが働くことにより、アンロック状態とすることが可能となる構成である(図4参照)。このような過程を経てアンロック状態となることにより可動側ヘッドレスト部21が固定側ヘッドレスト部22に対して上下方向に移動可能となる構成である。
固定側ヘッドレスト部22は、金属製のヘッドレストステー221を備えているとともに、ヘッドレストステー221に固定された固定側プレート222を備えている(図3及び図4参照)。固定側プレート222は鉄で成形されており、可動側プレート211を支持可能に構成されている。また、固定側プレート222には上下方向に延びる固定側レール223が設けられており、可動側プレート211に固定される可動側レール212と摺動可能に構成されている。
また、固定側プレート222には係止部位231を備えたロック装置23が取り付けられている。ロック装置23は2つの固定側レール223の間に位置しており、固定側プレート222の略中央に位置している(図3及び図4参照)。ロック装置23における係止部位231は、前後方向に移動可能である。係止部位231には、突き当て部232が設けられており。当該突き当て部232は固定側ヘッドレスト部22に備えられたストッパー224と係止可能に配置されている。
突き当て部232は略L字形状に構成されており、係止部位231から上下方向に延びる支軸233を中心に回動可能な構成である(図5参照)。突き当て部232は、弾性部材であるスプリング234によりやや弾性力が付与されるようにされており、乗物に加速が加えられていない状態においては、突き当て部232はスプリング234からの弾性力により所定位置に位置するように設定されている(図6参照)。突き当て部232が当該所定位置に位置することにより、ロック状態からアンロック状態になることを阻止するものである。なお、スプリング234は支軸233の外周に沿うように巻いたものであり、その両端側に配置されている係合棒と係合した構成である。
突き当て部232はその一端(図6及び図7にて斜線を付した部分)に錘を設けている。乗物に加速がかかる荷重を受けて固定側ヘッドレスト部22などが変位しようとする場合、錘には加速がかかる前の状態を維持しようとする慣性力が働くため、スプリング234から受ける力に抗するように突き当て部232が変位する。突き当て部232の変位は支軸233を中心に回転するようになされるものであるため、図5の二点鎖線で示したように変位する。突き当て部232が当該状態になると、突き当て部232とストッパー224は係止されない状態となり、係止部位231が後側に向けて変位可能となる。この状態で、前端側に位置している係止部位231を後方に押圧すると、後端側に変位することが可能なり、その結果アンロック状態となるものである。
なお、係止部位231には、ワンウェイダンパと呼ばれる、一方向には自由に変位可能であるが、反対方向への変位はゆっくり変位するように負荷がかかる変位速度調整部材235が設けられている(図7参照)。特に、図7における白抜き矢印で示した向きにはスムーズに変位可能であるが、黒矢印で示した向きにはゆっくり変位するように負荷がかけられるように設定されている。そのため、突き当て部232が図5において実線から二点鎖線の状態となる場合には、スムーズに変位可能であるが、二点鎖線の状態から実線の状態となるように変位する場合には変位速度が遅くなるものである。つまり、二点鎖線の状態から実線の状態となるまでの時間を比較的長めにすることが可能となっている。このため、係止部位231が後側に変位する必要がある際に、突き当て部232がストッパー224と係止する状態となることを抑制することが可能となっている。
また、固定側プレート222には係止部位231を備えたロック装置23が取り付けられている。ロック装置23は2つの固定側レール223の間に位置しており、固定側プレート222の略中央に位置している(図3及び図4参照)。ロック装置23における係止部位231は、前後方向に移動可能である。係止部位231には、突き当て部232が設けられており。当該突き当て部232は固定側ヘッドレスト部22に備えられたストッパー224と係止可能に配置されている。
突き当て部232は略L字形状に構成されており、係止部位231から上下方向に延びる支軸233を中心に回動可能な構成である(図5参照)。突き当て部232は、弾性部材であるスプリング234によりやや弾性力が付与されるようにされており、乗物に加速が加えられていない状態においては、突き当て部232はスプリング234からの弾性力により所定位置に位置するように設定されている(図6参照)。突き当て部232が当該所定位置に位置することにより、ロック状態からアンロック状態になることを阻止するものである。なお、スプリング234は支軸233の外周に沿うように巻いたものであり、その両端側に配置されている係合棒と係合した構成である。
突き当て部232はその一端(図6及び図7にて斜線を付した部分)に錘を設けている。乗物に加速がかかる荷重を受けて固定側ヘッドレスト部22などが変位しようとする場合、錘には加速がかかる前の状態を維持しようとする慣性力が働くため、スプリング234から受ける力に抗するように突き当て部232が変位する。突き当て部232の変位は支軸233を中心に回転するようになされるものであるため、図5の二点鎖線で示したように変位する。突き当て部232が当該状態になると、突き当て部232とストッパー224は係止されない状態となり、係止部位231が後側に向けて変位可能となる。この状態で、前端側に位置している係止部位231を後方に押圧すると、後端側に変位することが可能なり、その結果アンロック状態となるものである。
なお、係止部位231には、ワンウェイダンパと呼ばれる、一方向には自由に変位可能であるが、反対方向への変位はゆっくり変位するように負荷がかかる変位速度調整部材235が設けられている(図7参照)。特に、図7における白抜き矢印で示した向きにはスムーズに変位可能であるが、黒矢印で示した向きにはゆっくり変位するように負荷がかけられるように設定されている。そのため、突き当て部232が図5において実線から二点鎖線の状態となる場合には、スムーズに変位可能であるが、二点鎖線の状態から実線の状態となるように変位する場合には変位速度が遅くなるものである。つまり、二点鎖線の状態から実線の状態となるまでの時間を比較的長めにすることが可能となっている。このため、係止部位231が後側に変位する必要がある際に、突き当て部232がストッパー224と係止する状態となることを抑制することが可能となっている。
可動側ヘッドレスト部21は、ベースとなる固定側ヘッドレスト部22を覆うように配置されている。可動側ヘッドレスト部21は鉄で成形された可動側プレート211を備えており、可動側プレート211は可動側レール212を備えている。可動側レール212は略H形状の固定側レール223を両側から挟みこむように略C字形状に構成している(図4参照)。可動側プレート211は係止部位231を挿通可能な係止穴213を備えており、通常は係止穴213と係止部位231が係止することによりロック状態となるように構成されている。可動側プレート211の前側には、中央に貫通孔を備えたパッド部材であるベース側ヘッドレストパッド214が設けられており、当該ベース側ヘッドレストパッド214に隣接配置して樹脂製の押圧板215が設けられている。押圧板215には後側に突出する突出部位215aが設けられている。突出部位215aは係止穴213を挿通可能なように構成されており、押圧板215を後方に向けて変位させることで係止部位231を押圧可能としている。押圧板215よりも前側にはパッド部材である支持面側ヘッドレストパッド216を隣接配置しており、ベース側ヘッドレストパッド214と支持面側ヘッドレストパッド216で押圧板215を挟み込むように配置している。
可動側ヘッドレスト部21の前側面には、ヘッドレストカバー217が配置されており、可動側プレート211とヘッドレストカバー217により、ベース側ヘッドレストパッド214と支持面側ヘッドレストパッド216及び押圧板215を覆うように構成している。
なお、固定側プレート222の後側には、背面ケース225が配置されており、固定側プレート222が露出しないようにされている。また、本実施例においては、背面ケース225の上面及び下面は変位可能となっており、可動側ヘッドレスト部21の上若しくは下方向への移動の妨げとならないように構成されている。
可動側ヘッドレスト部21の前側面には、ヘッドレストカバー217が配置されており、可動側プレート211とヘッドレストカバー217により、ベース側ヘッドレストパッド214と支持面側ヘッドレストパッド216及び押圧板215を覆うように構成している。
なお、固定側プレート222の後側には、背面ケース225が配置されており、固定側プレート222が露出しないようにされている。また、本実施例においては、背面ケース225の上面及び下面は変位可能となっており、可動側ヘッドレスト部21の上若しくは下方向への移動の妨げとならないように構成されている。
次に実施例1のヘッドレスト2の製造方法について説明する。
概略としては、固定側ヘッドレスト部22に対して可動側ヘッドレスト部21を形成するように組立てるものである。
先ず固定側ヘッドレスト部22を形成する。そのために、ヘッドレストステー221と板状体の固定側プレート222とを固定する。固定側プレート222の中央部を挿通可能なようにロック装置23を取り付ける。ロック装置23のうち係止部位231は板状体の厚み方向に突出するように配置しており、その先端に位置する係止部位231が前面側に突出するように取り付ける。
固定側プレート222には、固定側レール223を移動不能に取り付ける。特に、固定側レール223は、乗物用シート1に組み込まれた際に、その長手方向が上下方向となるように取り付ける。固定側レール223には、相対移動が可能なように可動側レール212を取り付ける。なお、固定側レール223の両端には、可動側レール212が抜け落ちないように断面視略L字形状の止め部材62を配置する。
可動側レール212と可動側プレート211が螺子部材64により一体化することを可能とするために、可動側レール212の一面に取り付け穴66を穿設する。当該取り付け穴66を利用して可動側プレート211を可動側レール212に取り付けた後、ベース側ヘッドレストパッド214を配設する。ベース側ヘッドレストパッド214に隣接して押圧板215を配置した後、支持面側ヘッドレストパッド216を配置する。支持面側ヘッドレストパッド216は押圧板215がはめ込まれる凹部を備えており、当該凹部を利用して押圧板215の位置決めを行う。可動側プレート211上にベース側ヘッドレストパッド214、押圧板215、支持面側ヘッドレストパッド216を配置した後、ヘッドレストカバー217で覆うようにすることにより、可動側プレート211とヘッドレストカバー217とで区画された空間内にベース側ヘッドレストパッド214、押圧板215、支持面側ヘッドレストパッド216が収まるようにする。その後、背面ケース225を取り付け、ヘッドレスト2が完成する。
このようにして設けられたヘッドレスト2のヘッドレストステー221を、シートバック3に設けられたヘッドレストサポート31に挿入して固定することで本発明の乗物用シート1を製造することが可能である。なお、ヘッドレストステー221をヘッドレストサポート31に挿入して固定することは一般的に行われているため、詳細な説明は省略する。
概略としては、固定側ヘッドレスト部22に対して可動側ヘッドレスト部21を形成するように組立てるものである。
先ず固定側ヘッドレスト部22を形成する。そのために、ヘッドレストステー221と板状体の固定側プレート222とを固定する。固定側プレート222の中央部を挿通可能なようにロック装置23を取り付ける。ロック装置23のうち係止部位231は板状体の厚み方向に突出するように配置しており、その先端に位置する係止部位231が前面側に突出するように取り付ける。
固定側プレート222には、固定側レール223を移動不能に取り付ける。特に、固定側レール223は、乗物用シート1に組み込まれた際に、その長手方向が上下方向となるように取り付ける。固定側レール223には、相対移動が可能なように可動側レール212を取り付ける。なお、固定側レール223の両端には、可動側レール212が抜け落ちないように断面視略L字形状の止め部材62を配置する。
可動側レール212と可動側プレート211が螺子部材64により一体化することを可能とするために、可動側レール212の一面に取り付け穴66を穿設する。当該取り付け穴66を利用して可動側プレート211を可動側レール212に取り付けた後、ベース側ヘッドレストパッド214を配設する。ベース側ヘッドレストパッド214に隣接して押圧板215を配置した後、支持面側ヘッドレストパッド216を配置する。支持面側ヘッドレストパッド216は押圧板215がはめ込まれる凹部を備えており、当該凹部を利用して押圧板215の位置決めを行う。可動側プレート211上にベース側ヘッドレストパッド214、押圧板215、支持面側ヘッドレストパッド216を配置した後、ヘッドレストカバー217で覆うようにすることにより、可動側プレート211とヘッドレストカバー217とで区画された空間内にベース側ヘッドレストパッド214、押圧板215、支持面側ヘッドレストパッド216が収まるようにする。その後、背面ケース225を取り付け、ヘッドレスト2が完成する。
このようにして設けられたヘッドレスト2のヘッドレストステー221を、シートバック3に設けられたヘッドレストサポート31に挿入して固定することで本発明の乗物用シート1を製造することが可能である。なお、ヘッドレストステー221をヘッドレストサポート31に挿入して固定することは一般的に行われているため、詳細な説明は省略する。
次に、ロック装置23の動作を説明するが、その前に、後突が生じた場合、ヘッドレスト2がどのように加速するのかについて図8及び図9を用いて簡単に説明する。なお、図9において示したグラフの横軸は時間を表しており、縦軸はヘッドレスト2の加速度を表している。
図8に示すように、ヘッドレスト2が前側に変位するように働く加速(図には+Gとして示している向きの加速)をプラス側の加速とし、ヘッドレスト2が後側に変位するように働く加速(図8には−Gとして示している向きの加速)をマイナス側の加速として規定する。なお、加速が働いていない状態が0である。
後突が発生した場合には、ヘッドレスト2が加速する向きも、加速の程度も時間とともに変化することになる。特に、図9に示したグラフから理解されるように、はじめは前方側に向う加速がもたらされるが、その後に後方側に向う加速がもたらされる。なお、後突が生じると乗員の頭部PHとヘッドレスト2は相対的に移動し続け、図9にHCTと示した時点で乗員の頭部PHとヘッドレスト2が接触することになる。つまり、ヘッドレスト2は後方に向けて加速されている時点で、乗員の頭部PHとヘッドレスト2が接触することになる。
図8に示すように、ヘッドレスト2が前側に変位するように働く加速(図には+Gとして示している向きの加速)をプラス側の加速とし、ヘッドレスト2が後側に変位するように働く加速(図8には−Gとして示している向きの加速)をマイナス側の加速として規定する。なお、加速が働いていない状態が0である。
後突が発生した場合には、ヘッドレスト2が加速する向きも、加速の程度も時間とともに変化することになる。特に、図9に示したグラフから理解されるように、はじめは前方側に向う加速がもたらされるが、その後に後方側に向う加速がもたらされる。なお、後突が生じると乗員の頭部PHとヘッドレスト2は相対的に移動し続け、図9にHCTと示した時点で乗員の頭部PHとヘッドレスト2が接触することになる。つまり、ヘッドレスト2は後方に向けて加速されている時点で、乗員の頭部PHとヘッドレスト2が接触することになる。
次に、実施例1のロック装置23の動作について図10などに示した図を用いながら具体的に説明する。なお、説明の理解を容易にするために図10においては、固定側プレート222など様々な部材を省略して示している。
ロック装置23は通常時、弾性体であるスプリング234の押圧力を受けて係止部位231が前端側に位置している(図6及び図10(A)参照)。また、突き当て部232とストッパー224が前後方向に並列して隣接している状態であるため、係止部位231が後方に移動することが規制されている。この状態では、係止部位231が可動側プレート211に設けている係止穴213に挿入されている状態であるため、可動側ヘッドレスト部21の上下移動が規制された状態である。
突き当て部232の一端には錘が備えられているため、後突等の衝突荷重が加わると、突き当て部232が支軸233を中心に回転することになる。突き当て部232が図10(A)の二点差線で示した状態となるように回転することにより、係止部位231が後方に変位することをストッパー224が規制した状態が解除される。
更に乗員の頭部PHがヘッドレスト2側に変位すると、ヘッドレスト2内の押圧板215が後方に変位し、係止部位231を後方に押圧する(図4参照)。スプリング234の弾性力に抗して係止部位231が後方に変位することにより、係止部位231が係止穴213と接する状態でなくなる(図10(B)参照)。突き当て部232は図10(B)の二点差線で示すように、図10(A)で示した状態に戻ろうとするが、すでに係止部位231が後方に変位している状態であるため、図10(A)で示した状態に戻ることはできず、図10(C)で示した状態で維持される。
押圧板215がベース側ヘッドレストパッド214の弾性力により前方側に変位すると、可動側ヘッドレスト部21が上下移動可能なアンロック状態となる(図10(C)参照)。なお、係止部位231のスライド移動を可能とするガイド部位(図示せず。)により、係止部位231は直線的な移動となるように規制されている。詳しくは、係止部位231はガイド部位が存在することにより前後方向にのみ移動ができるように構成されている。
後方側で固定された係止部位231を前方側に押圧すると係止部位231が前進しロック状態に復帰される。この状態においては、係止部位231を後方側に向けて押圧しても係止部位231は後退することができず、ロック状態が解除できない状態である。
ロック装置23は通常時、弾性体であるスプリング234の押圧力を受けて係止部位231が前端側に位置している(図6及び図10(A)参照)。また、突き当て部232とストッパー224が前後方向に並列して隣接している状態であるため、係止部位231が後方に移動することが規制されている。この状態では、係止部位231が可動側プレート211に設けている係止穴213に挿入されている状態であるため、可動側ヘッドレスト部21の上下移動が規制された状態である。
突き当て部232の一端には錘が備えられているため、後突等の衝突荷重が加わると、突き当て部232が支軸233を中心に回転することになる。突き当て部232が図10(A)の二点差線で示した状態となるように回転することにより、係止部位231が後方に変位することをストッパー224が規制した状態が解除される。
更に乗員の頭部PHがヘッドレスト2側に変位すると、ヘッドレスト2内の押圧板215が後方に変位し、係止部位231を後方に押圧する(図4参照)。スプリング234の弾性力に抗して係止部位231が後方に変位することにより、係止部位231が係止穴213と接する状態でなくなる(図10(B)参照)。突き当て部232は図10(B)の二点差線で示すように、図10(A)で示した状態に戻ろうとするが、すでに係止部位231が後方に変位している状態であるため、図10(A)で示した状態に戻ることはできず、図10(C)で示した状態で維持される。
押圧板215がベース側ヘッドレストパッド214の弾性力により前方側に変位すると、可動側ヘッドレスト部21が上下移動可能なアンロック状態となる(図10(C)参照)。なお、係止部位231のスライド移動を可能とするガイド部位(図示せず。)により、係止部位231は直線的な移動となるように規制されている。詳しくは、係止部位231はガイド部位が存在することにより前後方向にのみ移動ができるように構成されている。
後方側で固定された係止部位231を前方側に押圧すると係止部位231が前進しロック状態に復帰される。この状態においては、係止部位231を後方側に向けて押圧しても係止部位231は後退することができず、ロック状態が解除できない状態である。
次に、本実施例の乗物用シート1を用いた場合に乗物に後突が生じた場合の、ヘッドレスト2と乗員との関係を説明する。
まず、通常状態においては、可動側プレート211がロック装置23の係止部位231と係止されており、可動側ヘッドレスト部21は上下移動できないロック状態とされている。
本実施例の乗物用シート1を備えた乗物に対して後突が生じた場合、係止部位231に備えられた突き当て部232は支軸233を基準位置として回転する。これにより、突き当て部232とストッパー224が当該変位を抑制することなく係止部位231が後方に変位することが可能となる。
本実施例においては突き当て部232が変位した後に、乗員の頭部PHがヘッドレスト2の可動側ヘッドレスト部21に接することになる。乗員の頭部PHがヘッドレスト2の可動側ヘッドレスト部21に接することで、係止部位231が頭部PHにより押圧されることにより、係止部位231が後方に変位する。更には、押圧板215を後方にむけて押圧することになり、押圧板215の突出部位215aがロック装置23の係止部位231を押圧することになる。その結果、可動側プレート211と係止部位231との間で働いていたロック状態が解除されたアンロック状態となる。アンロック状態の際に乗員の頭部PHとヘッドレスト2との間に上下方向に相対移動するような力が働くと、その力に抗しないように可動側ヘッドレスト部21が上下方向のいずれにも移動可能となる。したがって、乗員の頭部PHをヘッドレスト2が引っ張るような状態となることが抑制される。
なお、アンロック状態となったロック装置23は、上若しくは下に移動させて所定の位置に戻し、係止部位231を前方側に向けて押圧することでロック状態とすることが可能である。
まず、通常状態においては、可動側プレート211がロック装置23の係止部位231と係止されており、可動側ヘッドレスト部21は上下移動できないロック状態とされている。
本実施例の乗物用シート1を備えた乗物に対して後突が生じた場合、係止部位231に備えられた突き当て部232は支軸233を基準位置として回転する。これにより、突き当て部232とストッパー224が当該変位を抑制することなく係止部位231が後方に変位することが可能となる。
本実施例においては突き当て部232が変位した後に、乗員の頭部PHがヘッドレスト2の可動側ヘッドレスト部21に接することになる。乗員の頭部PHがヘッドレスト2の可動側ヘッドレスト部21に接することで、係止部位231が頭部PHにより押圧されることにより、係止部位231が後方に変位する。更には、押圧板215を後方にむけて押圧することになり、押圧板215の突出部位215aがロック装置23の係止部位231を押圧することになる。その結果、可動側プレート211と係止部位231との間で働いていたロック状態が解除されたアンロック状態となる。アンロック状態の際に乗員の頭部PHとヘッドレスト2との間に上下方向に相対移動するような力が働くと、その力に抗しないように可動側ヘッドレスト部21が上下方向のいずれにも移動可能となる。したがって、乗員の頭部PHをヘッドレスト2が引っ張るような状態となることが抑制される。
なお、アンロック状態となったロック装置23は、上若しくは下に移動させて所定の位置に戻し、係止部位231を前方側に向けて押圧することでロック状態とすることが可能である。
実施例1のヘッドレスト2を備えた乗物用シート1であると、可動側ヘッドレスト部21が上下方向に移動可能であるため、鞭打ち症の発生を抑制することが可能となる。
また、通常時は可動側ヘッドレスト部21が上下移動しないロック状態とすることが可能な構造であるため、通常時から可動側ヘッドレスト部21が移動することに起因する不具合の発生を抑制することが可能となる。
また、可動側ヘッドレスト部21と固定側ヘッドレスト部22の相対移動は、乗物が加速することにより突き当て部232が変位することにより解除操作がなされることから、解除操作がされにくくなり、通常時において、可動側ヘッドレスト部21と固定側ヘッドレスト部22との相対移動がなされない状態を維持しやすくなる。
また、突き当て部232が変位した状態で更に、係止部位231を押し込まないとアンロック状態とならないため、可動側ヘッドレスト部21と固定側ヘッドレスト部22との相対移動がなされない状態を維持しやすくなる。
また、突き当て部232がヘッドレスト2内に配置されていることから、乗員が突き当て部232を直接触ることができないため、誤操作によりアンロック状態となることが抑制される。
また、アンロック状態からロック状態に復帰可能であるため、一度アンロック状態となったヘッドレスト2であっても再利用可能である。
また、ロック状態であってもアンロック状態であっても、固定側ヘッドレスト部22に備えられた固定側レール223と、可動側ヘッドレスト部21に備えられた可動側レール212と、が常に接しているものであることから、可動側ヘッドレスト部21の前後方向へのがたつきを抑制しながら上下方向にスムーズに移動させることが可能となる。
また、ロック状態の可動側ヘッドレスト部21を後方に向けて押圧することによりアンロック状態にすることが可能であるとともに、アンロック状態の可動側ヘッドレスト部21を所定の位置に配置した後に可動側ヘッドレスト部21を前方に向けて押圧することによりロック状態とすることが可能であるため、ロック状態とアンロック状態の切り替えをすることが容易である。
また、通常時は可動側ヘッドレスト部21が上下移動しないロック状態とすることが可能な構造であるため、通常時から可動側ヘッドレスト部21が移動することに起因する不具合の発生を抑制することが可能となる。
また、可動側ヘッドレスト部21と固定側ヘッドレスト部22の相対移動は、乗物が加速することにより突き当て部232が変位することにより解除操作がなされることから、解除操作がされにくくなり、通常時において、可動側ヘッドレスト部21と固定側ヘッドレスト部22との相対移動がなされない状態を維持しやすくなる。
また、突き当て部232が変位した状態で更に、係止部位231を押し込まないとアンロック状態とならないため、可動側ヘッドレスト部21と固定側ヘッドレスト部22との相対移動がなされない状態を維持しやすくなる。
また、突き当て部232がヘッドレスト2内に配置されていることから、乗員が突き当て部232を直接触ることができないため、誤操作によりアンロック状態となることが抑制される。
また、アンロック状態からロック状態に復帰可能であるため、一度アンロック状態となったヘッドレスト2であっても再利用可能である。
また、ロック状態であってもアンロック状態であっても、固定側ヘッドレスト部22に備えられた固定側レール223と、可動側ヘッドレスト部21に備えられた可動側レール212と、が常に接しているものであることから、可動側ヘッドレスト部21の前後方向へのがたつきを抑制しながら上下方向にスムーズに移動させることが可能となる。
また、ロック状態の可動側ヘッドレスト部21を後方に向けて押圧することによりアンロック状態にすることが可能であるとともに、アンロック状態の可動側ヘッドレスト部21を所定の位置に配置した後に可動側ヘッドレスト部21を前方に向けて押圧することによりロック状態とすることが可能であるため、ロック状態とアンロック状態の切り替えをすることが容易である。
次に、実施例2について説明する。実施例2の説明においては、実施例1と異なる点を中心に説明する。
実施例2においては、固定側ヘッドレスト部22と可動側ヘッドレスト部21との相対移動を規制する係止部位231に錘を備えている。別の側面から見ると、係止部位231が錘となるように構成されている。係止部位231と、固定側プレート222の後側面に設けられた受け部71と、の間には弾性力を有する弾性部材が係止部位231を初期位置に位置させるために使用される初期位置設定ばね52として配置されている(図11参照)。当該初期位置設定ばね52は、ヘッドレスト2などに外部から力がかかっていない場合は、係止部位231を前側に押し出すことが可能であるとともに、後突などが生じた場合には、係止部位231が後側に変位可能であるほどの弾性係数を備えるものである。
実施例2においては、係止部位231が後側に変位した場合に、その状態を維持可能とするために、係合ピン73を備えている。係合ピン73は係止部位231に設けられた係合凹部75と係合可能なものである。また、係合ピン73と係合凹部75が係合することを補助するために、係合補助バネ77を備えており、係合ピン73と係合凹部75が所定の位置関係となった際に、係合するように付勢可能な構成としている。係合ピン73と係合凹部75とが係合すると、係止部位231は初期位置設定ばね52から弾性力を受ける状態でありながらも前側に変位することが規制されるように構成されており、固定側ヘッドレスト部22に対して可動側ヘッドレスト部21が上及び/又は下方向に変位可能となる。いったん係合ピン73と係合凹部75とが係合すると、当該係合状態を積極的に解除する作業がなされるまでは係合が維持されるものである。
なお、実施例2において係合ピン73は係合補助バネ77により下方向に変位するように付勢されているものであり、係合補助バネ77の不勢力に抗して上方向に係合ピン73を変位させることで、係合ピン73と係合凹部75との係合を解除することが可能である。係合ピン73と係合凹部75との係合が解除されると、初期位置設定ばね52の弾性力により係止部位231は前側に変位することになり、可動側ヘッドレスト部21と固定側ヘッドレスト部22とが相対的に移動することが規制されるロック状態とすることが可能である。なお、ロック状態とするためには、係止部位231と係止穴213とが係止できるように、可動側ヘッドレスト部21を所定の高さにすることが必要である。
実施例2においては、固定側ヘッドレスト部22と可動側ヘッドレスト部21との相対移動を規制する係止部位231に錘を備えている。別の側面から見ると、係止部位231が錘となるように構成されている。係止部位231と、固定側プレート222の後側面に設けられた受け部71と、の間には弾性力を有する弾性部材が係止部位231を初期位置に位置させるために使用される初期位置設定ばね52として配置されている(図11参照)。当該初期位置設定ばね52は、ヘッドレスト2などに外部から力がかかっていない場合は、係止部位231を前側に押し出すことが可能であるとともに、後突などが生じた場合には、係止部位231が後側に変位可能であるほどの弾性係数を備えるものである。
実施例2においては、係止部位231が後側に変位した場合に、その状態を維持可能とするために、係合ピン73を備えている。係合ピン73は係止部位231に設けられた係合凹部75と係合可能なものである。また、係合ピン73と係合凹部75が係合することを補助するために、係合補助バネ77を備えており、係合ピン73と係合凹部75が所定の位置関係となった際に、係合するように付勢可能な構成としている。係合ピン73と係合凹部75とが係合すると、係止部位231は初期位置設定ばね52から弾性力を受ける状態でありながらも前側に変位することが規制されるように構成されており、固定側ヘッドレスト部22に対して可動側ヘッドレスト部21が上及び/又は下方向に変位可能となる。いったん係合ピン73と係合凹部75とが係合すると、当該係合状態を積極的に解除する作業がなされるまでは係合が維持されるものである。
なお、実施例2において係合ピン73は係合補助バネ77により下方向に変位するように付勢されているものであり、係合補助バネ77の不勢力に抗して上方向に係合ピン73を変位させることで、係合ピン73と係合凹部75との係合を解除することが可能である。係合ピン73と係合凹部75との係合が解除されると、初期位置設定ばね52の弾性力により係止部位231は前側に変位することになり、可動側ヘッドレスト部21と固定側ヘッドレスト部22とが相対的に移動することが規制されるロック状態とすることが可能である。なお、ロック状態とするためには、係止部位231と係止穴213とが係止できるように、可動側ヘッドレスト部21を所定の高さにすることが必要である。
次に実施例2のヘッドレスト2の製造方法について簡単に説明する。
実施例1との主な相違点は、ロック装置23に関する部分であるため、その点を中心に説明する。概略としては、固定側ヘッドレスト部22に対して可動側ヘッドレスト部21を形成するように組立てるものであることは実施例1と同様である。
実施例2においては、固定側プレート222の後側面に受け部71を取り付ける。受け部71の内側面には係合補助バネ77を取り付け、当該係合補助バネ77と係合ピン73を接続する。係合ピン73は受け部71に設けた図示しない細孔を挿通可能なように配置されており、受け部71の外側から係合ピン73が操作可能なように構成している。受け部71には、初期位置設定バネ52の一端を取り付け、弾性部材の他端は係止部位231に取り付ける。なお、背面ケース225に図示しない切り欠き部を設けているため、固定側プレート222に係合ピン73を取り付けた状態でも背面ケース225と固定側プレート222を接続することが可能である。
実施例1との主な相違点は、ロック装置23に関する部分であるため、その点を中心に説明する。概略としては、固定側ヘッドレスト部22に対して可動側ヘッドレスト部21を形成するように組立てるものであることは実施例1と同様である。
実施例2においては、固定側プレート222の後側面に受け部71を取り付ける。受け部71の内側面には係合補助バネ77を取り付け、当該係合補助バネ77と係合ピン73を接続する。係合ピン73は受け部71に設けた図示しない細孔を挿通可能なように配置されており、受け部71の外側から係合ピン73が操作可能なように構成している。受け部71には、初期位置設定バネ52の一端を取り付け、弾性部材の他端は係止部位231に取り付ける。なお、背面ケース225に図示しない切り欠き部を設けているため、固定側プレート222に係合ピン73を取り付けた状態でも背面ケース225と固定側プレート222を接続することが可能である。
次に実施例2のロック装置23の動作について、図11に示した図を用いながら具体的に説明する。
実施例2のロック装置23においては係止部位231に錘が備えられている。後突などが生じ、乗物に所定以上の荷重が加えられると、係止部位231の周囲の部位は速度変化が起こるように加速される。一方、係止部位231は、その周囲の部位に比較して、自由に変位可能であり、乗物に荷重が加えられる前の状態を維持しようとするため、結果的に図11の白抜き矢印の左側に示している状態から右側に示している状態となるように、係止部位231の周囲の部位と係止部位231との相対的な位置が変更される。
係止部位231が相対的に後側に変位すると、係合凹部75が係合ピン73と嵌りあい、係合状態となる。係合凹部75と係合ピン73の係合状態は維持されるため、係止部位231は前後方向への変位が規制される。係止部位231は可動側ヘッドレスト部21と接しない状態で変位が規制されているため、可動側ヘッドレスト部21が固定側ヘッドレスト部22に対して上下方向に移動可能な状態を維持することになる。
実施例2のロック装置23においては係止部位231に錘が備えられている。後突などが生じ、乗物に所定以上の荷重が加えられると、係止部位231の周囲の部位は速度変化が起こるように加速される。一方、係止部位231は、その周囲の部位に比較して、自由に変位可能であり、乗物に荷重が加えられる前の状態を維持しようとするため、結果的に図11の白抜き矢印の左側に示している状態から右側に示している状態となるように、係止部位231の周囲の部位と係止部位231との相対的な位置が変更される。
係止部位231が相対的に後側に変位すると、係合凹部75が係合ピン73と嵌りあい、係合状態となる。係合凹部75と係合ピン73の係合状態は維持されるため、係止部位231は前後方向への変位が規制される。係止部位231は可動側ヘッドレスト部21と接しない状態で変位が規制されているため、可動側ヘッドレスト部21が固定側ヘッドレスト部22に対して上下方向に移動可能な状態を維持することになる。
次に、本実施例の乗物用シート1を用いた場合に乗物に後突が生じた場合の、ヘッドレスト2と乗員との関係を説明する。
まず、通常状態においては、可動側プレート211がロック装置23の係止部位231と係止されており、可動側ヘッドレスト部21は上下移動できないロック状態とされている。
本実施例の乗物用シート1を備えた乗物に対して後突が生じた場合、ヘッドレスト2に対して係止部位231が後方に変位することによりロック状態が解除される。また、係止部位231が後方に変位することにより、係合凹部75と係合ピン73が係合状態となり、係止部位231の変位が規制される。その結果、可動側プレート211と係止部位231との間で働いていたロック状態が解除されたアンロック状態が維持されることとなる。アンロック状態の際に乗員の頭部PHとヘッドレスト2との間に上下方向に相対移動するような力が働くと、その力に抗しないように可動側ヘッドレスト部21が上下方向のいずれにも移動可能となる。したがって、乗員の頭部PHをヘッドレスト2が引っ張るような状態となることが抑制される。
まず、通常状態においては、可動側プレート211がロック装置23の係止部位231と係止されており、可動側ヘッドレスト部21は上下移動できないロック状態とされている。
本実施例の乗物用シート1を備えた乗物に対して後突が生じた場合、ヘッドレスト2に対して係止部位231が後方に変位することによりロック状態が解除される。また、係止部位231が後方に変位することにより、係合凹部75と係合ピン73が係合状態となり、係止部位231の変位が規制される。その結果、可動側プレート211と係止部位231との間で働いていたロック状態が解除されたアンロック状態が維持されることとなる。アンロック状態の際に乗員の頭部PHとヘッドレスト2との間に上下方向に相対移動するような力が働くと、その力に抗しないように可動側ヘッドレスト部21が上下方向のいずれにも移動可能となる。したがって、乗員の頭部PHをヘッドレスト2が引っ張るような状態となることが抑制される。
次に実施例3について説明する。実施例3と実施例2とでは、係止部位231の形状と係合ピン73の位置が異なることが主要な相違点であるので、その点を中心に説明する。
実施例3においては、図12に示すように係止部位231の先端部分を錐体形状のように、端部に向って中心軸側に傾斜する構成とすることにより、楔形形状としている。このため、係止部位231が可動側ヘッドレスト部21とを係止させる際に、スムーズに係止状態とすることが可能である。
また、係合ピン73の位置を係止部位231よりも下方側に延びるように配置しており、係合ピン73と係合凹部75とが係合した場合には、係合ピン73の一端に配置されるノブ79が下方向に変位可能な構成である。実施例3におけるノブ79は目立つように赤色の着色を行っている。通常時はノブ79が視認しにくいように配置されているが、係合ピン73と係合凹部75が係合した場合には、ノブ79が背面ケース225の下端よりも下方に位置するようになされており、視認しやすくなっている。つまり、アンロック状態であることが視覚的に理解しやすいように構成されている。なお、実施例3の更なる変形態様として図13に示すように係止部位231の先端側の設けた傾斜部分と係止穴213が接する状態で固定することも可能である。当該態様であると、係止部位231と係止穴213とが係止している状態においてがたつきが発生することを抑制することが可能となる。
なお、実施例3の製造方法、ロック装置23の動作及び後突が生じた際の挙動については実施例2と類似しているため、詳細な説明は省略する。
実施例3においては、図12に示すように係止部位231の先端部分を錐体形状のように、端部に向って中心軸側に傾斜する構成とすることにより、楔形形状としている。このため、係止部位231が可動側ヘッドレスト部21とを係止させる際に、スムーズに係止状態とすることが可能である。
また、係合ピン73の位置を係止部位231よりも下方側に延びるように配置しており、係合ピン73と係合凹部75とが係合した場合には、係合ピン73の一端に配置されるノブ79が下方向に変位可能な構成である。実施例3におけるノブ79は目立つように赤色の着色を行っている。通常時はノブ79が視認しにくいように配置されているが、係合ピン73と係合凹部75が係合した場合には、ノブ79が背面ケース225の下端よりも下方に位置するようになされており、視認しやすくなっている。つまり、アンロック状態であることが視覚的に理解しやすいように構成されている。なお、実施例3の更なる変形態様として図13に示すように係止部位231の先端側の設けた傾斜部分と係止穴213が接する状態で固定することも可能である。当該態様であると、係止部位231と係止穴213とが係止している状態においてがたつきが発生することを抑制することが可能となる。
なお、実施例3の製造方法、ロック装置23の動作及び後突が生じた際の挙動については実施例2と類似しているため、詳細な説明は省略する。
次に実施例4について説明する。実施例4と実施例2とでは、受け部71の位置が異なることが主な相違点であるため、その点を中心に説明する。
図14(B)にて簡略化して示したように、実施例2においては受け部71を固定側ヘッドレスト部22に設けていたが、実施例4においては可動側ヘッドレスト部21に受け部71を設けている(図14(A)参照)。このため実施例4においては、係止部位231よりも前側に初期位置設定ばね52を配置している。
したがって、実施例2においては、係止部位231がヘッドレスト2全体の後側に位置することにより、アンロック状態とすることが可能であったが、実施例4においては、係止部位231がヘッドレスト2全体の前側に位置することにより、アンロック状態とすることが可能となる。この違いは、アンロック状態となるタイミングの違いをもたらすものである。図9に示すように、ヘッドレスト2は最初に前側に向けて加速されるため、結果的に係止部位231は最初に相対的に後側に変位することになる。図14(B)に示したような形態である実施例2のような場合、この時点でアンロック状態となる。一方、図14(A)に示したような形態である実施例4の場合、後側に向けて加速される際にアンロック状態となる。
なお、実施例4の製造方法、ロック装置23の動作及び後突が生じた際の挙動については実施例2と類似しているため、詳細な説明は省略する。
図14(B)にて簡略化して示したように、実施例2においては受け部71を固定側ヘッドレスト部22に設けていたが、実施例4においては可動側ヘッドレスト部21に受け部71を設けている(図14(A)参照)。このため実施例4においては、係止部位231よりも前側に初期位置設定ばね52を配置している。
したがって、実施例2においては、係止部位231がヘッドレスト2全体の後側に位置することにより、アンロック状態とすることが可能であったが、実施例4においては、係止部位231がヘッドレスト2全体の前側に位置することにより、アンロック状態とすることが可能となる。この違いは、アンロック状態となるタイミングの違いをもたらすものである。図9に示すように、ヘッドレスト2は最初に前側に向けて加速されるため、結果的に係止部位231は最初に相対的に後側に変位することになる。図14(B)に示したような形態である実施例2のような場合、この時点でアンロック状態となる。一方、図14(A)に示したような形態である実施例4の場合、後側に向けて加速される際にアンロック状態となる。
なお、実施例4の製造方法、ロック装置23の動作及び後突が生じた際の挙動については実施例2と類似しているため、詳細な説明は省略する。
実施例2〜4のヘッドレスト2を備えた乗物用シート1であると、可動側ヘッドレスト部21が上下方向に移動可能であるため、鞭打ち症の発生を抑制することが可能となる。
また、通常時は可動側ヘッドレスト部21が上下移動しないロック状態とすることが可能な構造であるため、通常時から可動側ヘッドレスト部21が移動することに起因する不具合の発生を抑制することが可能となる。
また、アンロック状態においては可動側ヘッドレスト部21と固定側ヘッドレスト部22の少なくとも一方は係止部位231と分離した状態であるため、アンロック状態においては係止部位231と可動側ヘッドレスト部21との間に摩擦力を発生させずに可動側ヘッドレスト部21を上下方向に変位可能である。そのため、よりスムーズに可動側ヘッドレスト部21を変位させることが可能となる。
また、可動側ヘッドレスト部21の通常位置で係止部位231が前進もしくは後進することでアンロック状態からロック状態に復帰可能であるため、一度アンロック状態となったヘッドレスト2であっても再利用可能である。
また、ヘッドレスト2が加速されることによりアンロック状態にすることが可能であることから、迅速にアンロック状態とすることが可能である。
また、ヘッドレスト2に加速が働いていない状態で可動側ヘッドレスト部21を所定の高さ位置にすれば、アンロック状態からロック状態とすることが可能であるため、ロック状態とすることが容易である。
また、ロック状態であってもアンロック状態であっても、固定側ヘッドレスト部22に備えられた固定側レール223と、可動側ヘッドレスト部21に備えられた可動側レール212と、が常に接しているものであることから、可動側ヘッドレスト部21の前後方向へのがたつきを抑制しながら上下方向にスムーズに移動させることが可能となる。
また、通常時は可動側ヘッドレスト部21が上下移動しないロック状態とすることが可能な構造であるため、通常時から可動側ヘッドレスト部21が移動することに起因する不具合の発生を抑制することが可能となる。
また、アンロック状態においては可動側ヘッドレスト部21と固定側ヘッドレスト部22の少なくとも一方は係止部位231と分離した状態であるため、アンロック状態においては係止部位231と可動側ヘッドレスト部21との間に摩擦力を発生させずに可動側ヘッドレスト部21を上下方向に変位可能である。そのため、よりスムーズに可動側ヘッドレスト部21を変位させることが可能となる。
また、可動側ヘッドレスト部21の通常位置で係止部位231が前進もしくは後進することでアンロック状態からロック状態に復帰可能であるため、一度アンロック状態となったヘッドレスト2であっても再利用可能である。
また、ヘッドレスト2が加速されることによりアンロック状態にすることが可能であることから、迅速にアンロック状態とすることが可能である。
また、ヘッドレスト2に加速が働いていない状態で可動側ヘッドレスト部21を所定の高さ位置にすれば、アンロック状態からロック状態とすることが可能であるため、ロック状態とすることが容易である。
また、ロック状態であってもアンロック状態であっても、固定側ヘッドレスト部22に備えられた固定側レール223と、可動側ヘッドレスト部21に備えられた可動側レール212と、が常に接しているものであることから、可動側ヘッドレスト部21の前後方向へのがたつきを抑制しながら上下方向にスムーズに移動させることが可能となる。
以上、いくつかの実施例を用いて本発明を説明したが、上記実施形態のほか、その他各種の形態で実施可能なものである。
例えば、ヘッドレストの前側面に前方に移動可能な部位を備えている、いわゆるアクティブヘッドレストに適用することも可能である。
また、突き当て部はL字形とする必要性は無く、例えば、突き当て部はブーメランの形状のように、鈍角を有するように形成されたヘ字形とすることも可能である。また、突き当て部の支軸は上下方向に延びるものとする必要性は無く、左右方向や前後方向に延びるものとすることも可能である。
また、実施例1のような形態においても、実施例2などのように、係止部位が所定の位置に変位した場合に所定の位置で留めるような構成とすることも可能である。
また、固定側ヘッドレスト部は、固定側プレートを備えていないものとすることも可能である。例えば、固定側ヘッドレスト部をヘッドレストステーからなるものとし、当該ヘッドレストステーに対して、可動側ヘッドレスト部が上下移動可能な構成とすることも可能である。
また、固定側レールと可動側レールが、常時接触するような形態である必要性は無い。例えば、可動側ヘッドレストが前後に移動することにより、固定側レールと可動側レールが接触することになり、その後摺動する構成とすることも可能である。
また、可動側プレートに沿って設けられたベース側ヘッドレストパッドを設けない構造とすることも可能である。この場合、ベース側ヘッドレストパッドに代えて、板バネなどのバネ部材を配置して押圧板に弾性力を付加する構造とすることも可能である。また、押圧板の後側の面に弾性力を発揮する部位を設けることにより押圧板自身の弾性力により、後方に変位した突出部を前方に変位させる構成とすることも可能である。
また、ロック装置や係止部位は一つであることに限らず、複数個とすることも可能である。
また、背面ケースは固定側プレートに固定されているものとすることも、可動側プレートに固定されているものとすることも可能である。
また、ヘッドレストはロック状態から上及び下方向に移動できるものとする必要性は無く、ロック状態から上もしくは下方向にのみ移動可能な態様とすることも可能である。この場合、上方向に移動可能な態様であることが望ましい。
また、乗物としては、車両であることに限らず、飛行機やヘリコプターなど空中を飛行する乗物や、船舶や潜水艇など海面や海中などを移動する乗物としてもよい。
例えば、ヘッドレストの前側面に前方に移動可能な部位を備えている、いわゆるアクティブヘッドレストに適用することも可能である。
また、突き当て部はL字形とする必要性は無く、例えば、突き当て部はブーメランの形状のように、鈍角を有するように形成されたヘ字形とすることも可能である。また、突き当て部の支軸は上下方向に延びるものとする必要性は無く、左右方向や前後方向に延びるものとすることも可能である。
また、実施例1のような形態においても、実施例2などのように、係止部位が所定の位置に変位した場合に所定の位置で留めるような構成とすることも可能である。
また、固定側ヘッドレスト部は、固定側プレートを備えていないものとすることも可能である。例えば、固定側ヘッドレスト部をヘッドレストステーからなるものとし、当該ヘッドレストステーに対して、可動側ヘッドレスト部が上下移動可能な構成とすることも可能である。
また、固定側レールと可動側レールが、常時接触するような形態である必要性は無い。例えば、可動側ヘッドレストが前後に移動することにより、固定側レールと可動側レールが接触することになり、その後摺動する構成とすることも可能である。
また、可動側プレートに沿って設けられたベース側ヘッドレストパッドを設けない構造とすることも可能である。この場合、ベース側ヘッドレストパッドに代えて、板バネなどのバネ部材を配置して押圧板に弾性力を付加する構造とすることも可能である。また、押圧板の後側の面に弾性力を発揮する部位を設けることにより押圧板自身の弾性力により、後方に変位した突出部を前方に変位させる構成とすることも可能である。
また、ロック装置や係止部位は一つであることに限らず、複数個とすることも可能である。
また、背面ケースは固定側プレートに固定されているものとすることも、可動側プレートに固定されているものとすることも可能である。
また、ヘッドレストはロック状態から上及び下方向に移動できるものとする必要性は無く、ロック状態から上もしくは下方向にのみ移動可能な態様とすることも可能である。この場合、上方向に移動可能な態様であることが望ましい。
また、乗物としては、車両であることに限らず、飛行機やヘリコプターなど空中を飛行する乗物や、船舶や潜水艇など海面や海中などを移動する乗物としてもよい。
1 乗物用シート
2 ヘッドレスト
3 シートバック
21 可動側ヘッドレスト部
22 固定側ヘッドレスト部
23 ロック装置
212 可動側レール
215 押圧板
223 固定側レール
224 ストッパー
231 係止部位
2 ヘッドレスト
3 シートバック
21 可動側ヘッドレスト部
22 固定側ヘッドレスト部
23 ロック装置
212 可動側レール
215 押圧板
223 固定側レール
224 ストッパー
231 係止部位
Claims (3)
- ベースとなる固定側ヘッドレストと、固定側ヘッドレストに対して上及び/又は下方向に摺動可能な可動側ヘッドレストと、可動側ヘッドレストの上及び/又は下方向への摺動を規制するロック状態とすることが可能なロック装置と、を備える乗物用シートのヘッドレストであって、
乗物が加速されることによって、可動側ヘッドレストの上及び/又は下方向への摺動の規制を解除するために必要な解除操作が行われることを特徴とする乗物用シートのヘッドレスト。 - 請求項1に記載の乗物用シートのヘッドレストであって、
ロック装置には変位可能に配置された錘を備えており、乗物が加速されることにより、ヘッドレストにおける錘の相対的な位置が変位して、解除操作が行われることを特徴とする乗物用シートのヘッドレスト。 - 請求項1又は2に記載の乗物用シートのヘッドレストであって、
ヘッドレストが後側に加速する前に解除操作が行われることを特徴とする乗物用シートのヘッドレスト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013225089A JP2015085771A (ja) | 2013-10-30 | 2013-10-30 | 乗物用シートのヘッドレスト |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013225089A JP2015085771A (ja) | 2013-10-30 | 2013-10-30 | 乗物用シートのヘッドレスト |
Publications (1)
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JP2015085771A true JP2015085771A (ja) | 2015-05-07 |
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ID=53049035
Family Applications (1)
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JP2013225089A Pending JP2015085771A (ja) | 2013-10-30 | 2013-10-30 | 乗物用シートのヘッドレスト |
Country Status (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017056858A (ja) * | 2015-09-17 | 2017-03-23 | 日本発條株式会社 | ヘッドレスト及び車両用シート |
KR20230102904A (ko) * | 2021-12-30 | 2023-07-07 | 대원강업주식회사 | 릴렉션 헤드레스트 |
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JP2007001395A (ja) * | 2005-06-23 | 2007-01-11 | Tachi S Co Ltd | 車両用シートのヘッドレスト構造 |
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-
2013
- 2013-10-30 JP JP2013225089A patent/JP2015085771A/ja active Pending
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