JP2015085315A - 排水処理用触媒及び該触媒を用いた排水処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、排水処理用触媒、及び該触媒を用いた排水の湿式酸化処理方法に関するものであり、特に本発明の触媒は、排水を高温高圧条件下で湿式酸化処理する際に好適に用いることができる。
【解決手段】本発明は、金、白金、パラジウム、イリジウムおよびルテニウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種以上の元素またはその化合物を含む触媒活性成分Aと、鉄、チタン、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウムおよびセリウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種以上の元素の酸化物とを含む担体Bとを含む触媒であり、かつ触媒活性成分A全量のうち、該触媒の外表面から深さ方向に500μm以下の範囲に存在する量をX質量%、外表面から深さ方向に500μmを超えて1000μm以下の範囲に存在する量をY質量%とするとき、Y/Xの値が1より大きいことを特徴とする排水処理用触媒である。
【選択図】なし

Description

本発明は、排水処理用触媒及び該触媒を用いた排水の湿式酸化処理方法に関するものである。特に本発明の触媒は、排水を高温高圧条件下で湿式酸化処理する際に好適に用いることができる。
従来、排水の処理方法として、生物学的処理、燃焼処理及びチンマーマン法などが知られている。近年、被処理排水に含まれる汚濁物質は多岐に渡り、しかも高レベルな処理水質が求められているため、従来技術では十分に対応ができなかった。
そこで排水処理効率が高く、しかも高レベルな処理水を得ることを目的として様々な排水処理方法が提案されている。例えば固体触媒を用いた湿式酸化法(以下、「触媒湿式酸化処理法」ともいう)は高レベルな処理水質を得ることができ、しかも優れた経済性を有しているため注目されている。この様な触媒湿式酸化処理法の処理効率及び処理能力を向上させるために様々な触媒が提案されている。例えば、特許文献1には、パラジウム、白金等の貴金属類をアルミナ、シリカアルミナ、シリカゲル、活性炭等の担体に担持した触媒が提案されている。また特許文献2には、酸化銅や酸化ニッケルからなる触媒が提案されている。
しかしながら一般に排水に含まれている成分は単一ではなく、有機物以外に窒素化合物、硫黄化合物、有機ハロゲン化合物などが含まれていることが多く、この様な種々の汚濁物質を含む排水の処理に上記触媒を用いてもこれらの成分を十分に処理することが出来ないばかりか、触媒表面上がカルシウム、マグネシウム、シリカなどの被毒物質の吸着や汚濁物質の蓄積によって覆われ失活する場合があった。また該触媒は時間の経過と共に触媒の強度が低下し、触媒表面の摩耗、粉化により触媒成分の脱落を生じるため耐久性に問題があり、十分な実用性を備えていなかった。
触媒の強度を向上させる技術としては例えば特許文献3には、球状または円筒状のチタニアまたはジルコニアの担体にパラジウム、白金などの貴金属、鉄、コバルトなどの重金属を担持した触媒が提案され、また触媒の耐久性を向上させる技術としては例えば特許文献4には、パラジウム、白金などの貴金属、鉄、コバルトなどの重金属の70%以上が担体の表面から500μ以内に存在している触媒が提案されている。しかしながら、被毒物質の吸着や触媒表面の摩耗による性能低下の問題に対する対応は不十分であった。
上記の触媒はいずれも触媒活性及び耐久性において優れた性能を有するものの、環境保全の要求が強まっている近年においては、触媒活性及び耐久性について更なる高性能への改善が求められている。
特開昭49−44556号公報 特開昭49−94157号公報 特開昭58−64188号公報 特開2002−126518公報
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであって、その目的は排水を処理するに際して長期間優れた触媒活性および耐久性を維持し、しかも被毒物質の吸着や触媒表面の摩耗による性能低下の少ない触媒及び該触媒を用いた排水の処理方法を提供することである。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、触媒担体と触媒活性成分とが特定の成分を含み、しかも該活性成分が触媒の該表面から深さ方向の特定の位置に存在する触媒であれば、上記課題を達成し得ることを見出し本発明に至った。
本発明の第一の発明は、排水の処理に用いる触媒であって、該触媒が、金、白金、パラジウム、イリジウムおよびルテニウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種以上の元素またはその化合物を含む触媒活性成分Aと、鉄、チタン、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウムおよびセリウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種以上の元素又はその化合物とを含む担体成分Bとを含む触媒であり、かつ触媒活性成分A全量のうち、該触媒の外表面から深さ方向に500μm以下の範囲に存在する量をX質量%、外表面から深さ方向に500μmを超えて1000μm以下の範囲に存在する量をY質量%とするとき、Y/Xの値が1より大きいことを特徴とする排水処理用触媒である。
好ましくは、触媒の全質量に対して触媒活性成分Aが0.01〜5質量%、担体成分Bが95〜99.99質量%である。さらに好ましくは、触媒の比表面積が20〜70m/gである。
本発明の第二の発明は、第一の発明の触媒を用いて排水を処理することを特徴とする排水の処理方法である。好ましくは、該処理方法が湿式酸化処理法である。また、該湿式酸化処理法が第一の発明の触媒を反応塔に充填し、該反応塔中の触媒層あたりの空間速度が0.1〜10hr−1、理論酸素要求量の0.5〜3.0倍の酸素共存の下で、加熱した排水を反応塔に供給し、反応塔の温度が80〜370℃になるように加熱して、触媒により排水を酸化・分解し、得られた処理液を気液分離する排液の処理方法である。
本発明の触媒は被毒物質の吸着や触媒表面の摩耗による性能の低下が少なく、耐久性および触媒活性のいずれも優れており、特に本発明の触媒は、排水の湿式酸化処理するに際して長期間優れた活性および耐久性を維持することができる。しかも、本発明の触媒を用いて排水を湿式酸化処理すると、高レベルに浄化された処理水を得ることができる。
本発明に係る湿式酸化処理の処理装置の実施態様の一つである。 触媒調製例1の触媒径断面におけるRuの分布をEPMAで測定した結果を示す図である。 比較調製例1の触媒径断面におけるRuの分布をEPMAで測定した結果を示す図である。
本発明に係る触媒は、金、白金、パラジウム、イリジウムおよびルテニウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種以上の元素またはその化合物を含む触媒活性成分Aと、鉄、チタン、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウムおよびセリウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種以上の元素又はその化合物とを含む担体成分Bにより構成される。
活性成分とは、排水に含まれる有機化合物、窒素化合物、硫黄化合物などの被酸化物に対する酸化・分解反応速度を増大させる作用(以下、「活性作用」ということがある。)を有する成分であって、その様な触媒活性成分としては上記触媒活性成分Aが使用される。
上記触媒活性成分Aとしては、金、白金、パラジウム、イリジウムおよびルテニウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種以上の元素またはその化合物であって、好ましくは白金、パラジウムおよびルテニウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素又はその化合物である。これらの触媒活性成分を含む触媒は排水の湿式酸化において特に優れた活性作用を発揮するので望ましい。
触媒活性成分Aとしては、上記触媒活性成分Aから選ばれるものであれば特に限定されないが、好ましくは水溶性化合物、例えば、ハロゲン化物、硝酸塩、亜硝酸塩、酸化物、水酸化物、アンモニウム塩、炭酸塩等の無機化合物、また酢酸塩、シュウ酸塩等の有機化合物があり、より好ましくは水溶性無機化合物である。またエマルジョンタイプ、スラリーまたはコロイド状の化合物であってもよく、触媒の調製方法や担体の種類に応じて適宜適した化合物を用いればよい。
例えば金を触媒活性成分とする場合、例えば塩化金酸、シアン化金カリウム、シアン化第二金カリウム等を用いることができる。また、白金を触媒活性成分とする場合、例えば白金黒、酸化白金、塩化第一白金、塩化第二白金、塩化白金酸、塩化白金酸ナトリウム、亜硝酸白金カリウム、ジニトロジアンミン白金、へキサアンミン白金、へキサヒドロキシ白金酸、シス−ジクロロジアンミン白金、テトラアンミン白金ジクロライド、テトラアンミン白金水酸塩、へキサアンミン白金水酸塩、テトラクロロ白金酸カリウムなどを用いることができる。
またパラジウムを触媒活性成分とする場合、例えば塩化パラジウム、硝酸パラジウム、ジニトロジアンミンパラジウム、ジクロロジアンミンパラジウム、テトラアンミンパラジウムジクロライド、シス−ジクロロジアンミンパラジウム、パラジウム黒、酸化パラジウム、テトラアンミンパラジウム水酸塩などを用いることができる。イリジウムを触媒活性成分とする場合、例えば塩化イリジウム、硝酸イリジウム、ヘキサアンミンイリジウム等を用いることができる。
さらに、ルテニウムを触媒活性成分とする場合、例えば塩化ルテニウム、硝酸ルテニウム、へキサカルボニル―μ―クロロジクロロジルテニウム、酸化ルテニウム、ドデカカルボニルトリルテニウム、酢酸ルテニウム、ルテニウム酸カリウムなどを用いることができる。
担体成分Bは、鉄、チタン、ケイ素、アルミニウムおよびジルコニウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む化合物であり、担体成分Bとしては鉄、チタン、ケイ素、アルミニウムおよびジルコニウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種を含む酸化物、又は2種以上を含む複合酸化物などが例示される。特に、担体成分Bは、チタン酸化物またはチタン酸化物とジルコニウム、鉄、ケイ素およびアルミニウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属の酸化物との混合物または複合酸化物であり、好ましくはチタン酸化物またはチタン酸化物とジルコニウムおよび鉄よりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属の酸化物との混合物または複合酸化物である。特に担体成分Bが少なくともチタン又はジルコニウムを含んでいることが推奨され、より好ましい担体としてはチタニア又はチタニアを含む混合酸化物もしくは複合酸化物を含むもの(例えばTiO−ZrO、TiO−Fe、TiO−SiO、TiO−Alなど)が触媒の機械的強度及び耐久性の観点からも望ましい。
上記触媒活性成分Aと担体成分Bとの組合せとしては、Pt−TiO、Pd−TiO、Ru−TiO、Pt−Pd−TiO、Pt−Ir−TiO、Pt−Au−TiO、Pt−Ru−TiO、Pd−Ir−TiO、Pd−Au−TiO、Pd−Ru−TiO、Pt−CeO−TiO、Pd−CeO−TiO、Ru−CeO−TiO、Pt−TiO−ZrO、Pd−TiO−ZrO、Ru−TiO−ZrO、Pt−Pd−TiO−ZrO、Pt−Ir−TiO−ZrO、Pt−Au−TiO−ZrO、Pt−Ru−TiO−ZrO、Pd−Ir−TiO−ZrO、Pd−Au−TiO−ZrO、Pd−Ru−TiO−ZrO、MnO−TiO−ZrO、Pt−CeO−TiO−ZrO、Pd−CeO−TiO−ZrO、Ru−CeO−TiO−ZrO、Pt−Fe−TiO、Pd−Fe−TiO、Ru−Fe−TiO、Pt−Pd−Fe−TiO、Pt−Ir−Fe−TiO、Pt−Au−Fe−TiO、Pt−Ru−Fe−TiO、Pd−Ir−Fe−TiO、Pd−Au−Fe−TiO、Pd−Ru−Fe−TiO、Pt−CeO−Fe−TiO、Pd−CeO−Fe−TiO、Ru−CeO−Fe−TiOなどが例示されるが、上記組合せ例は貴金属以外の元素は一般的に安定な酸化物とし、また貴金属は金属としたものを例示したのみであり、本発明の触媒活性成分の組合せをこれらに限定される趣旨ではない。
本発明の触媒を構成する上記触媒活性成分Aと担体成分Bとの含有比率については特に限定されないが、触媒活性成分A(例えば、金、白金、パラジウム、イリジウム、ルテニウム)の場合、触媒活性及び触媒の耐久性の観点から触媒の全質量に対して0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上含まれていることが望ましく、5質量%以下、好ましくは3質量%以下、より好ましくは2質量%以下、更に好ましくは1質量%以下であることが望ましい。
また担体成分B(例えば、鉄、チタン、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウムおよびセリウム)の場合、触媒活性及び触媒の耐久性の観点から触媒の全質量に対して95質量%以上、より好ましくは97質量%以上、更に好ましくは98質量%以上含まれていることが望ましく、好ましくは99.99質量%以下、より好ましくは99.95質量%以下、更に好ましくは99.9質量%以下であることが望ましい。
尚、触媒活性成分Aは貴金属であるため金属としてその含有比率を計算することが望ましい。また複数の触媒活性成分を含有する場合には、触媒には各々の触媒活性成分が上記比率で含有されていることが望ましい。
本発明の触媒成分は上記例示に限定されるものではなく、他の元素やその化合物を任意に組合せて含有させることができ、例えばアルカリ金属、アルカリ土類金属、他の遷移金属を含有させてもよい。
本発明の触媒は、触媒活性成分A全量のうち、該触媒の外表面から深さ方向に500μm以下の範囲に存在する量をX質量%、外表面から深さ方向に500μmを超えて1000μm以下の範囲に存在する量をY質量%とするとき、Y/Xの値が1より大きいことが必要であり、このような触媒であれば、触媒活性、耐久性に優れ、被毒物質の吸着や触媒表面の摩耗による性能低下が抑制される。Y/Xの値は、好ましくは1.1より大きい値、より好ましくは1.2より大きい値である。1以下では被毒物質や汚濁物質に影響を受け性能低下を抑制することができない。
このように、触媒活性成分Aを触媒外表面から一定の深さ方向に局在化することにより、触媒活性成分Aが排水中の汚濁物質等に覆われないために、触媒活性を維持できる。尚、触媒表面に存在する担体成分Bは固体酸性を有するため、触媒表面上に汚濁物質等が吸着したとしても電子的相互作用によって汚濁物質を活性化させることができるので、汚濁物質の分解反応が促進される。
尚、本発明において触媒活性成分Aの分布状態を測定する方法としては、EPMA(電子プローブマイクロ分析)を用いる方法が挙げられる。具体的には、EPMAにより触媒断面における触媒活性成分Aの量を線分析し、触媒全体における成分Aの面積に対する、触媒表面から深さ500μm以下の部位に存在する成分Aの面積が占める割合をX質量%、深さ500μmを超えて1000μm以下の部位に存在する成分Aの面積が占める割合をY質量%として求め、YをXで除する事により、Y/Xの値を算出することができる。
本発明の触媒において、好ましい比表面積は20m/g以上である。触媒の比表面積が20m/g未満の場合、触媒の活性作用が十分でないことがある。より好ましくは25m/g以上、最も好ましくは30m/g以上である。また比表面積が70m/gを超えると触媒が崩壊し易くなり、また触媒の活性も低下することがある。従って好ましい比表面積は70m/g以下、より好ましくは60m/g以下、最も好ましくは55m/g以下である。
本発明では触媒の比表面積の測定方法として、窒素の吸着を解析するBET(Brunauer−Emett−Teller)法を採用する。
本発明に係る触媒は単一組成の触媒を用いることができるが、例えば排水中の処理成分、pHなどの違いにより、複数の触媒を組み合わせて使用することもできる。例えば、同一の担体成分Bに異なる触媒活性成分Aから得られる複数の触媒を複数使用し排水を処理すること、同一の触媒活性成分を異なる得られる複数の触媒を用いて排水を処理すること、異なる触媒活性成分Aを異なる担体成分Bと組み合わせて得られる複数の触媒を用いて排水を処理することも可能である。
特に、排水のpHが低いときは、まず耐酸性の触媒で処理した後に処理効率の高い触媒で処理すること、また排水のpHが高いときは耐アルカリ性の触媒で処理した後に処理効率の高い触媒で処理することなどである。
本発明の触媒の形状としては、例えば、ペレット状、粒状、球状、リング状、ハニカム状など、目的に応じた形状を適宜選択すればよく特に限定されない。
本発明の触媒の細孔容積については特に限定されないが、好ましくは0.20ml/g以上、より好ましくは0.25ml/g以上であることが望ましく、また好ましくは0.50ml/g以下、より好ましくは0.45ml/g以下である。細孔容積が0.20ml/g未満の場合、触媒活性成分Aの所望の分布状態にならないため、活性作用が低下することがある。また細孔容積が0.50ml/gを超えると触媒の耐久性が低下することがあり、湿式酸化処理に用いると触媒が早期に崩壊する。細孔径は、市販の水銀圧入法を用いた装置により測定することができる。
触媒のサイズについては特に限定されないが、例えば触媒が粒状の場合(以下、「粒状触媒」ということがある。)、平均粒径は2mm以上であることが好ましく、より好ましくは3mm以上である。平均粒径が2mm未満である粒状触媒を反応塔に充填すると圧力損失が増加し、触媒層が排水に含まれる懸濁物によって閉塞することがある。また粒状触媒の平均粒径は10mm以下であることが好ましく、より好ましくは7mm以下である。平均粒径が10mmを超える粒状触媒は充分な幾何学的表面積がとれず被処理水との接触効率が低下することがあり、充分な処理能力が得られないことがある。
また例えば触媒をペレット状とした場合(以下、「ペレット状触媒」ということがある。)、平均直径は2mm以上であることが好ましく、より好ましくは3mm以上であって、好ましくは10mm以下、より好ましくは6mm以下である。また該ペレット状触媒の長手方向の長さは2mm以上であることが好ましく、より好ましくは3mm以上であって、好ましくは15mm以下、より好ましくは10mm以下である。平均直径が2mm未満、または長手方向の長さが2mm未満であるペレット状触媒を反応塔に充填すると圧力損失が増加し、触媒層が排水に含まれる懸濁物によって閉塞することがあり、また平均直径が10mm超、または長手方向の長さが15mmを超えるペレット状触媒は充分な幾何学的表面積がとれず被処理水との接触効率が低下することがあり、充分な処理能力が得られないことがある。
本発明に係る触媒の調製方法は特に限定されず、公知の方法により容易に調製することができる。担体成分Bに触媒活性成分Aを担持する方法として、例えば混練法、含浸法、吸着法、スプレー法、イオン交換法等が挙げられる。好ましくは含浸法またはスプレー法である。
触媒を上記した様な構成とすることによって長期間優れた触媒活性、及び触媒の耐久性を維持することができ、しかも高い機械的強度を有することができる。また上記した様な本発明の触媒を用いて排水を湿式酸化処理によって処理すると、高レベルに浄化された処理水を得ることができる。
次いで、本発明の触媒の調製について詳述する。本発明の触媒は、触媒活性成分Aを担体成分Bに担持させる際に、触媒活性成分Aを含む溶液のpHを10〜14、好ましくは11〜14、更に好ましくは12〜14にするのが良い。pHが10未満であると触媒活性成分Aが触媒表面近くに担持される。触媒活性成分Aの溶液に用いる溶媒は、触媒活性成分Aの化合物を溶解する溶媒であれば特に限定されず、水、アルコール等を用いることができる。好ましくは水である。
担体成分Bに触媒活性成分A溶液を、浸漬、吹き付けまたは含浸等により導入した後、触媒活性成分A溶液を含む担体B(以下、含浸担体ともいう)は、80〜150℃で、10〜60分間の時間をかけて乾燥するのが良い。この乾燥工程において、乾燥方法、雰囲気等は特に限定されないが、熱風気流中、含浸担体を常に動いている状態で乾燥することが好ましい。
本発明の触媒は、上記の乾燥した含浸担体を、水素、窒素、空気またはこれらの混合ガス中、200〜500℃、2〜10時間の条件下で焼成を行うことで得ることができる。
以下、本発明の触媒を用いた排水の湿式酸化処理方法について詳述する。本発明の湿式酸化処理で処理される排水の種類は有機化合物および/または窒素化合物を含有する排水であれば特に限定されない。この様な排水としては化学プラント、電子部品製造設備、食品加工設備、金属加工設備、金属メッキ設備、印刷製版設備、写真設備等の各種産業プラントから排出される排水や、火力発電や原子力発電などの発電設備などから排出される排水、具体的にはEOG製造設備、メタノール、エタノール、高級アルコールなどのアルコール製造設備から排出される排水、特にアクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステルなどの脂肪族カルボン酸やそのエステル、或いはテレフタル酸、テレフタル酸エステルなどの芳香族カルボン酸もしくは芳香族カルボン酸エステルの製造プロセスから排出される有機物含有排水などが例示される。またアミンやイミン、アンモニア、ヒドラジン等の窒素化合物を含有している排水でもよい。また、紙・パルプ、繊維、鉄鋼、エチレン・BTX、石炭ガス化、食肉、薬品等の多岐にわたる産業分野の工場より排出される硫黄化合物を含有する排水でもよい。ここでいう硫黄化合物としては、硫化水素、硫化ソーダ、硫化カリウム、水硫化ソーダ、チオ硫酸塩、亜硫酸塩等の無機硫黄化合物やメルカプタン類、スルホン酸類等の有機硫黄化合物が例示される。また、例えば下水やし尿などの生活排水であってもよい。或いはダイオキシン類やフロン類、フタル酸ジエチルヘキシル、ノニルフェノールなどの有機ハロゲン化合物や環境ホルモン化合物等の有害物質を含有している排水でも良い。
尚、本発明における「排水」には、上記した様な産業プラントから排出される所謂工業排水に限定されるものではなく、要するに有機化合物および/または窒素化合物が含まれている液体であれば全て包含され、その様な液体の供給源は特に限定されない。
また本発明の触媒は湿式酸化処理に用いられるが、特に排水を加熱し、且つ該排水が液相を保持する圧力下で触媒湿式酸化処理する際に用いることが推奨される。
以下、図1の処理装置を用いて排水を処理する方法について説明する。図1は酸化処理工程の一つとして湿式酸化処理を採用した場合の処理装置の一実施態様を示す概略図であるが、本発明で用いられる装置はこれに限定する趣旨では決してない。
排水供給源から供給される排水は、排水供給ライン6を通して排水供給ポンプ5に供給され、更に加熱器3に送られる。この際の空間速度は特に限定されず、触媒の処理能力によって適宜決定すればよい。
本発明の触媒を用いた場合、湿式酸化処理は分子状酸素含有ガス(以下、単に酸素含有ガスともいう)の存在下、もしくは不存在下のいずれの条件でも行うことができるが、排水中の酸素濃度を高めると排水中に含まれる被酸化物の酸化・分解効率を向上させることができるので、排水に酸素含有ガスを混入させることが望ましい。
酸素含有ガスの存在下に湿式酸化処理を行う場合には、例えば酸素含有ガスを酸素含有ガス供給ライン8から導入し、コンプレッサー7で昇圧した後、排水が加熱器3に供給される前に排水に混入することが望ましい。
本発明において酸素含有ガスとは、酸素分子および/またはオゾンを含有するガスであり、その様なガスであれば純酸素、酸素富化ガス、空気、過酸化水素水、他のプラントで生じた酸素含有ガス等でもよく、酸素含有ガスの種類は特に限定されないが、経済的観点からこれらの中でも空気を用いることが推奨される。
分子状酸素含有ガスを排水へ供給する場合の供給量は特に限定されず、排水中の被酸化物を酸化・分解処理する能力を高めるのに有効な量を供給すればよい。酸素含有ガスの供給量は、例えば酸素含有ガス流量調節弁9を酸素含有ガス供給ライン8上に設けることによって排水への供給量を適宜調節することができる。好ましい酸素含有ガスの供給量は、排水中の被酸化物の理論酸素要求量の0.5倍以上、より好ましくは0.7倍以上であり、好ましくは5.0倍以下、より好ましくは3.0倍以下とすることが推奨される。酸素含有ガスの供給量が0.5倍未満の場合、被酸化物が十分に酸化・分解処理されずに湿式酸化処理を経て得られた処理液中に比較的多く残ることがある。また5.0倍を超えて酸素を供給しても酸化・分解処理能力が飽和することがある。
尚、本発明において「理論酸素要求量」とは、排水中の有機化合物や窒素化合物などの被酸化物を窒素、二酸化炭素、水、灰分にまで酸化および/または分解するのに必要な酸素量のことであり、本発明では化学的酸素要求量(COD(Cr))によって理論酸素要求量を示す。COD(Cr)の測定方法は、JIS K 0102 20、二クロム酸カリウムによる酸素消費量に基づく。
加熱器3に送られた排水は予備加熱された後、加熱器2(例えば電気式ヒーター)を備えた反応塔1に供給される。排水を高温にしすぎると反応塔内で排水がガス状態となるため、触媒表面に有機物などが付着し、触媒の活性が劣化することがある。従って高温下でも排水が液相を保持できるように反応塔内に圧力を加えることが推奨される。また他の条件にも影響されるが、反応塔内で排水の温度が370℃を超えた場合、排水の液相状態を保持するために高い圧力を加えなければならず、この様な場合、設備が大型化することがあり、またランニングコストが上昇することがあるので、反応塔内での排水の温度はより好ましくは270℃以下、更に好ましくは230℃以下、より更に好ましくは170℃以下であることが望ましい。一方、排水の温度が80℃未満では排水中の被酸化物の酸化・分解処理を効率的に行うことが困難になることがあるので、反応塔内での排水の温度は好ましくは80℃以上、より好ましくは100℃以上、更に好ましくは110℃以上であることが望ましい。
尚、排水を加熱する時期は特に限定されず、上述した通り予め加熱した排水を反応塔内に供給してもよいし、或いは、排水を反応塔内に供給した後に加熱してもよい。また排水の加熱方法についても特に限定されず、加熱器、熱交換器を用いてもよく、また反応塔内にヒーターを設置して排水を加熱してもよい。更に蒸気などの熱源を排水に供給してもよい。
また後述するように、湿式酸化処理装置の排ガス出口側に圧力調整弁12を設け、反応塔1内で排水が液相を保持できるように処理温度に応じて圧力を適宜調節することが望ましい。例えば処理温度が80℃以上、95℃未満の場合には、大気圧下においても排水は液相状態であり、経済性の観点から大気圧下でもよいが、処理効率を向上させるためには加圧することが好ましい。また処理温度が95℃以上の場合、大気圧下では排水が気化することが多いため、処理温度が95℃以上、170℃未満の場合、0.2〜1MPa(Gauge)程度の圧力、処理温度が170℃以上、230℃未満の場合、1〜5MPa(Gauge)程度の圧力、また処理温度が230℃以上の場合、5MPa(Gauge)超の圧力を加え、排水が液相を保持できる様に圧力を制御することが望ましい。
尚、本発明で用いられる湿式酸化処理において、反応塔の数、種類、形状等は特に限定されず、通常の湿式酸化処理に用いられる反応塔を単数又は複数組合せて用いることができ、例えば単管式の反応塔や多管式の反応塔などを用いることが出来る。また複数の反応塔を設置する場合、目的に応じて反応塔を直列または並列にするなど任意の配置とすることができる。
排水の反応塔への供給方法としては、気液上向並流、気液下向並流、気液向流など種々の形態を用いることができ、また複数の反応塔を設置する場合はこれらの供給方法を2以上組合せても良い。
反応塔内での湿式酸化処理に上述した固体触媒を用いると、排水中に含まれる有機化合物および/または窒素化合物等の被酸化物の酸化・分解処理効率が向上すると共に、長期間優れた触媒活性、触媒耐久性を維持し、しかも排水は高レベルに浄化された処理水として得ることが出来る。
反応塔内に充填する触媒の充填量は特に限定されず、目的に応じて適宜決定することができる。通常は、触媒層あたりの空間速度で0.1〜10hr−1、より好ましくは0.2〜5hr−1、更に好ましくは0.3〜3hr−1となるように触媒の充填量を調整することが推奨される。空間速度が0.1hr−1未満の場合、触媒の処理量が低下して、過大な設備が必要となることがあり、逆に10hr−1を超える場合には、反応塔内での排水の酸化・分解処理が不十分になることがある。
複数の反応塔を用いる場合、夫々別の触媒を用いてもよく、また触媒を充填した反応塔と、触媒を用いない反応塔とを組合せることもでき、本発明の触媒の使用方法は特に限定されるものではない。
充填する触媒の形状は特に限定されないが、ペレット状触媒を用いることが望ましい。
また、反応塔内には気液の撹拌、接触効率の向上、気液の偏流低減等を目的として、種々の充填物、内作物などを組み込んでもよい。
排水中の被酸化物は反応塔内で酸化・分解処理されるが、本発明において「酸化・分解処理」とは、酢酸やジオキサンなどを二酸化炭素と水にする酸化分解処理、酢酸を二酸化炭素とメタンにする脱炭酸分解処理、ジメチルスルホキシドを二酸化炭素、水、硫酸イオンなどの灰分にする酸化及び酸化分解処理、尿素をアンモニアと二酸化炭素にする加水分解処理、アンモニアやヒドラジンを窒素ガスと水にする酸化分解処理、ジメチルスルホキシドをジメチルスルホンやメタンスルホン酸にする酸化処理などが例示され、即ち易分解性の被酸化物を窒素ガス、二酸化炭素、水、灰分などにまで分解する処理や、難分解性の有機化合物や窒素化合物を低分子量化する分解処理、若しくは酸化する酸化処理など種々の酸化および/または分解を含む意味である。
尚、湿式酸化処理を経て得られた処理液中には、被酸化物のうち難分解性の有機化合物が低分子化されて残存していることが多く、低分子化された有機化合物としては低分子量の有機酸、特に酢酸が残留していることが多い。
排水は反応塔1で酸化・分解処理された後、処理液ライン10から処理液として取り出され、必要に応じて冷却器4で適度に冷却された後、気液分離器11に送られ、気体と液体に分離される。その際、液面コントローラーLCを用いて液面状態を検出し、液面制御弁13によって気液分離器内の液面が一定となるように制御することが望ましい。また圧力コントローラーPCを用いて圧力状態を検出し、圧力制御弁12によって気液分離器内の圧力が一定となるように制御することが望ましい。
ここで、気液分離器内の温度は、特に限定されないが、反応塔で排水を酸化・分解処理して得られた処理液中には二酸化炭素が含有されているため、例えば気液分離器内の温度を高くして排水中の二酸化炭素を放出させたり、あるいは気液分離器で分離した後の液体を空気等のガスでバブリング処理したりすることにより液体中の二酸化炭素を放出することが望ましい。
処理液の温度制御には、処理液を気液分離器11に供給する前に熱交換器(図示せず)、冷却器4などの冷却手段によって冷却してもよく、あるいは気液分離後に熱交換器(図示しない)や冷却器(図示しない)などの冷却手段を設けて処理液を冷却してもよい。
気液分離器11で分離して得られた液体(処理液)は、処理液排出ライン15から排出される。排出された液体は更に生物処理や膜分離処理など種々の公知の工程に付して更に浄化処理を施しても良い。更に湿式酸化処理を経て得られた処理液の一部を、湿式酸化処理に付す前の排水に直接戻したり、あるいは排水供給ラインの任意の位置から排水に供給したりして湿式酸化処理に付してもよい。例えば湿式酸化処理を経て得られた処理液を排水の希釈水として用いて、排水のTOD濃度やCOD濃度を低下させてもよい。
また気液分離器11で分離して得られた気体は、ガス排出ライン14から外界に排出される。尚、排出された排ガスを更に別の工程に付すこともできる。尚、本発明で用いられる湿式酸化処理を行うに当たり、加熱器及び冷却器には熱交換器を用いることもでき、これらを適宜組合せて使用することができる。
以下、実施例によって本発明を更に詳述するが、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することができる。
以下に、触媒調製例、比較調製例、実施例および比較例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。触媒調製例、比較調製例における、固体酸量の測定方法を以下に示す。
(活性成分の分布状態の測定)
触媒内部に存在する触媒活性成分Aの量の割合はEPMA(電子プローブマイクロ分析)を用いて行う。EPMAにより触媒断面における触媒活性成分Aの量を線分析し、触媒全体における成分Aの面積に対する、触媒表面から深さ500μm以下の部位に存在する成分Aの面積が占める割合をX質量%、深さ500μmを超えて1000μm以下の部位に存在する成分Aの面積が占める割合をY質量%として求め、YをXで除する事により、Y/Xの値を算出することができる。
分析装置:島津製作所製EPM−810
X線ビーム直径:1μm
加速電圧:20kV
試料電流:0.1μm
試料スキャン速度200μm/分
(触媒調製例1)
触媒調製には、チタンの酸化物(チタニア)のペレット状成形担体を用いた。該担体は平均直径5mm、平均長さ6mm、比表面積はBET法で41m/g、該成形担体のチタンの酸化物の結晶構造はアナターゼ型であった。
該担体を常時動かしながら、pH=13.7であるルテニウム酸カリウム水溶液を吹き付けて担持させた後、90℃の熱風気流中で回転させながら1時間乾燥し、次いで水素含有ガスを用いて300℃で3時間焼成処理を行って触媒(A−1)を得た。触媒(A−1)のEPMA分析結果を図2に示す。
(触媒調製例2)
担体として、チタンの酸化物、ジルコニウムの酸化物並びにチタンとジルコニウムの複合酸化物(Ti−Zr化合物)を含有するペレット状成形担体を用いた事以外は触媒調製例1と同じ方法で表1に記載する触媒(A−2)を調製した。該担体の主成分の重量比はTiO:ZrO=70:30であり、平均直径5mm、平均長さ6mm、比表面積はBET法で36m/gであった。該成形担体の結晶構造はZrTiOが主体であった。得られた触媒(A−2)の主成分およびその質量比はTi−Zr化合物:Ru=99.5:0.5であった。
(触媒調製例3)
触媒調製例1で使用した担体を用い、該担体に触媒活性成分を担持する方法において、ルテニウム酸カリウム水溶液の代わりに、テトラアンミンパラジウム水溶液に硝酸アンモニウムを添加したpH=11.5である液を用いた事以外は触媒調製例1と同じ方法で、触媒(A−3)を調製した。得られた触媒(A−3)の主成分およびその質量比はTiO2:Pd=99.5:0.5であった。
(触媒調製例4)
触媒調製例2で使用した担体を用い、該担体に触媒活性成分を担持する方法において、ルテニウム酸カリウム水溶液の代わりに、テトラアンミンパラジウム水溶液に硝酸アンモニウムを添加したpH=11.5である液を用いた事以外は触媒調製例2と同じ方法で、触媒(A−4)を調製した。得られた触媒(A−4)の主成分およびその質量比はTi−Zr化合物:Pd=99.5:0.5であった。
(触媒調製例5)
触媒調製例1で使用した担体を用い、該担体に触媒活性成分を担持する方法において、ルテニウム酸カリウム水溶液の代わりに、ヘキサヒドロキシ白金酸水溶液にエタノールアミンを添加したpH=12.0である液を用いた事以外は触媒調製例1と同じ方法で、触媒(A−5)を調製した。得られた触媒(A−5)の主成分およびその質量比はTiO2:Pt=99.5:0.5であった。
(触媒調製例6)
触媒調製例2で使用した担体を用い、該担体に触媒活性成分を担持する方法において、ルテニウム酸カリウム水溶液の代わりに、ヘキサヒドロキシ白金酸水溶液にエタノールアミンを添加したpH=12.0である液を用いた事以外は触媒調製例2と同じ方法で、触媒(A−6)を調製した。得られた触媒(A−6)の主成分およびその質量比はTi−Zr化合物:Pt=99.5:0.5であった。
(比較調製例1):
触媒調製例1で使用した担体を用い、該担体に触媒活性成分を担持する方法において、ルテニウム酸カリウム水溶液の代わりに、pH=9.0である塩基性ルテニウム錯体水溶液に水酸化ナトリウムを添加した液を用いた事以外は触媒調製例1と同じ方法で、触媒(B−1)を調製した。得られた触媒(B−1)の主成分およびその質量比はTiO:Ru=99.5:0.5であった。触媒(B−1)のEPMA分析結果を図3に示す。
(比較調製例2):
触媒調製例2で使用した担体を用い、該担体に触媒活性成分を担持する方法において、ルテニウム酸カリウム水溶液の代わりに、pH=1.0である硝酸ルテニウム水溶液を用いた事以外は触媒調製例1と同じ方法で、触媒(B−2)を調製した。得られた触媒(B−2)の主成分およびその質量比はTi−Zr化合物:Ru=99.5:0.5であった。
得られた触媒(A−1)、(A−2)、(A−3)、(A−4)、(A−5)、(A−6)、(B−1)、(B−2)について、X、Y並びにY/Xの値をEPMAで調べた結果、及びBET比表面積の測定結果は表1に示す通りであった。
Figure 2015085315
(実施例1)
図1に示す装置を使用し、下記の条件下で1000時間処理を行った。反応塔1(直径26mm、長さ3000mmの円筒状)内部に触媒(A−1)を1.0リットル充填した。処理に供した排水は、化学プラントから排出された主に酢酸を含有する排水で、COD(Cr)は23g/リットルであった。また、この排水はカルシウムを10ppm含んでいた。
該排水を排水供給ライン6を通して排水供給ポンプ5に供給し、2.5リットル/hの流量で昇圧フィードした後、加熱器3で220℃に加熱して反応塔1の底から供給した。また空気を酸素含有ガス供給ライン8から供給し、コンプレッサー7で昇圧した後、O/COD(Cr)(供給ガス中の酸素量/排水の化学的酸素要求量)=1.5となる様に酸素含有ガス流量調節弁9で流量を制御して加熱器3の手前で該排水に混入した。尚、反応塔1では気液上向並流で処理を行った。反応塔1では、電気ヒーター2を用いて該排水の温度を210℃に保温し、酸化・分解処理を実施した。得られた処理液は処理液ライン10を経て気液分離器11に送り気液分離した。この際、気液分離器11内で液面コントローラーLCで液面を検出し、一定の液面を保持する様に液面制御弁13から処理液を排出した。また圧力制御弁12は圧力コントローラーPCで圧力を検出し、5MPa(Gauge)の圧力を保持する様に制御した。得られた排水の処理結果は表2に示す。
(実施例2〜6および比較例1〜2)
触媒をそれぞれ(A−2)、(A−3)、(A−4)、(A−5)、(A−6)、(B−1)、(B−2)に変更した以外は実施例1と同じ方法で同じ排水処理を行った。結果を表2に示す。
Figure 2015085315
表2の結果の通り、本発明の触媒は比較の触媒に比べて、1000時間後においても高いCOD(Cr)処理効率を維持していることは明らかである。
排水の処理に関する。詳しくは排水を湿式触媒酸化するに好ましい触媒及び当該触媒を用いた排水の処理方法である。

Claims (6)

  1. 排水の湿式酸化処理に用いる触媒であって、該触媒が、金、白金、パラジウム、イリジウムおよびルテニウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種以上の元素またはその化合物を含む触媒活性成分Aと、鉄、チタン、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウムおよびセリウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種以上の元素又はその化合物とを含む担体成分Bとを含む触媒であり、かつ触媒活性成分A全量のうち、該触媒の外表面から深さ方向に500μm以下の範囲に存在する量をX質量%、外表面から深さ方向に500μmを超えて1000μm以下の範囲に存在する量をY質量%とするとき、Y/Xの値が1より大きいことを特徴とする排水処理用触媒。
  2. 触媒の全質量に対して触媒活性成分Aが0.01〜5質量%、担体成分Bが95〜99.99質量%であることを特徴とする請求項1に記載の排水処理用触媒。
  3. 触媒の比表面積が20〜70m2/gであることを特徴とする請求項1または2に記載の排水処理用触媒。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の触媒を用いて排水を処理することを特徴とする排水の処理方法。
  5. 該排水の処理方法が湿式酸化により行われることを特徴とする請求項4に記載の方法。
  6. 請求項1〜3のいずれかに記載の触媒を反応塔に充填し、該反応塔中の触媒層あたりの空間速度が0.1〜10hr−1、理論酸素要求量の0.5〜3.0倍の酸素共存の下で、加熱した排水を反応塔に供給し、反応塔の温度が80〜370℃になるように加熱して、触媒により排水を酸化・分解し、得られた処理液を気液分離することを特徴とする請求項5に記載の方法。
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