JP6522916B2 - 排水処理用触媒およびこれを用いた排水の処理方法 - Google Patents

排水処理用触媒およびこれを用いた排水の処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、排水処理用触媒およびこれを用いた排水の処理方法に関する。
従来、排水の処理方法として、生物学的処理、燃焼処理、及びチンマーマン法などが知られている。
生物学的処理としては、活性汚泥法、生物膜法などの好気性処理、メタン醗酵法などの嫌気性処理、及び好気性処理と嫌気性処理の併用処理が従来用いられている。特に微生物を用いた好気性処理は排水の処理方法として広く採用されているが、好気性微生物処理は、細菌、藻類、原生動物などが複雑に作用し合っており、高濃度の有機物や窒素化合物などが含有されている排水を好気性微生物処理に供する場合、微生物の生育に適した環境にするために排水の希釈やpHの調整などが必要なため、装置や運転が複雑であり、しかも余剰汚泥が生じるため、さらに余剰汚泥を処理しなければならず、全体として処理コストが高くなるという問題を有している。
燃焼処理は、燃料費等のコストがかかるため、大量の排水を処理すると処理コストが著しく高くなるという問題を有している。また燃焼による排ガス等による二次公害を生じる恐れがある。
チンマーマン法は高温高圧下で排水を酸素含有ガスの存在下に処理するものであるが、一般的に処理効率が低く、さらに二次処理設備が必要であった。
特に近年、被処理排水に含まれる汚濁物質は多岐に渡り、しかも高レベルな処理水質が求められているため、上述したような従来技術では十分に対応ができなかった。
そこで排水処理効率が高く、しかも高レベルな処理水を得ることを目的として様々な排水処理方法が提案されている。例えば固体触媒を用いた湿式酸化法(以下、「触媒湿式酸化処理法」と略記する)は高レベルな処理水質を得ることができ、しかも優れた経済性を有しているため注目されている。この様な触媒湿式酸化処理法の処理効率および処理能力を向上させるために様々な触媒が提案されている。例えば、特許文献1には、パラジウム、白金等の貴金属類をアルミナ、シリカアルミナ、シリカゲル、活性炭等の担体に担持した触媒が提案されている。
しかしながら、一般に排水に含まれている成分は単一ではなく、有機物以外に窒素化合物、硫黄化合物、有機ハロゲン化合物等が含まれていることが多く、この様な種々の汚濁物質を含む排水の処理に上記触媒を用いてもこれらの成分を充分に処理することができなかった。
このような問題を解決しうる触媒として、特許文献2では、高い耐久性を有し、しかも 優れた触媒活性を有する触媒が提案されている。
また、従来、特許文献3などに記載のように、排水処理用触媒の担体(または触媒そのもの)のBET比表面積は20〜70m/gの範囲にあることが好ましいことが知られている。
特開昭49−44556号公報 特開平5−138027号公報 国際公開第2008/120588号パンフレット
本発明者らが検討を行ったところ、特許文献1〜3に開示されている排水処理用触媒では、触媒の耐久性や排水の処理効率が依然として十分ではないことが判明した。
そこで本発明は、より優れた耐久性を有し、排水の処理効率がいっそう改善された排水処理用触媒を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、所定の材料を含む触媒基材および触媒活性成分を含む排水処理用触媒において、その結晶構造を制御することにより上記課題が解決されうることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の一形態によれば、排水の処理に用いられる排水処理用触媒であって、チタン含有化合物(A)を含む触媒基材と、金、白金、パラジウム、イリジウムおよびルテニウムからなる群から選択される1種または2種以上の元素の単体または化合物を含む触媒活性成分(B)とを含有する触媒が提供される。そして、当該触媒は、粉末X線回折法の2θ=24°〜33°の間に存在する最大ピークの高さをXとし、純粋なアナターゼ型二酸化チタン20質量%と純粋なルチル型二酸化チタン80質量%とが粉砕混合されてなる基準試料の2θ=24°〜27°の間に存在するアナターゼ結晶を示すピークの高さをYとしたときに、X/Yの比の値が0.50〜1.70の範囲に存在する点に特徴がある。
本発明に係る排水処理用触媒は高い機械的強度(特に、優れた耐摩耗性)を有し、特に排水の湿式酸化処理に際して長期間優れた活性および耐久性を維持することができる。このため、本発明の触媒を用いて排水を処理(好ましくは、湿式酸化処理)すると、高レベルに浄化された処理水を得ることができる。
酸化処理工程の一つとして湿式酸化処理を採用した場合の排水の処理装置の一実施態様を示す概略図である。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための具体的な形態について詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は特許請求の範囲の記載に基づいて定められるべきであり、下記の形態のみには限定されない。
本発明の一形態によれば、排水の処理に用いられる排水処理用触媒であって、チタン含有化合物(A)を含む触媒基材と、金、白金、パラジウム、イリジウムおよびルテニウムからなる群から選択される1種または2種以上の元素の単体または化合物を含む触媒活性成分(B)とを含有し、かつ、当該触媒についての粉末X線回折法の2θ=24°〜33°の間に存在する最大ピークの高さをXとし、純粋なアナターゼ型二酸化チタン20質量%と純粋なルチル型二酸化チタン80質量%とが粉砕混合されてなる基準試料の2θ=24°〜27°の間に存在するアナターゼ結晶を示すピークの高さをYとしたときに、X/Yの比の値が0.50〜1.70の範囲に存在することを特徴とする、排水処理用触媒が提供される。
[触媒基材]
本発明に係る排水処理用触媒は、触媒基材と触媒活性成分とを含有するものである。このうち、触媒基材は担体とも称され、触媒活性成分を担持する機能を有している。本発明において、触媒基材は、チタン含有化合物(A)を含むものである。
触媒基材に含まれるチタン含有化合物(A)は特に制限されず、上述した触媒基材としての機能を有し、チタンを含有する化合物であればよい。好ましい実施形態において、チタン含有化合物(A)は、チタンの酸化物(チタニア;TiO)またはチタンの酸化物を含む混合酸化物もしくは複合酸化物である。ここで、チタンの酸化物(TiO)を含む複合酸化物として、触媒の機械的強度や耐久性の観点から、例えば、TiO−ZrO、TiO−Fe、TiO−SiO、TiO−Alなどが挙げられる。なかでも、触媒基材は、チタンの酸化物と、チタンおよびジルコニウムの複合酸化物との組み合わせ、チタンの酸化物と、鉄の酸化物と、チタンおよび鉄の複合酸化物との組み合わせ、並びにチタンの酸化物のいずれかであることが特に好ましい。また、触媒基材は、鉄、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウムおよびセリウムからなる群から選択される1種または2種以上の元素の単体または化合物(C)をさらに含有することが好ましい。これらの元素の化合物としては、これらの元素の酸化物や、これらの元素を含む複合酸化物などが挙げられる。なお、触媒基材がチタン以外の金属元素を含有するものである場合、触媒基材を構成する金属元素に占めるチタンの含有比率は、モル比として、好ましくは50%以上、より好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上である。
触媒基材の好ましい比表面積は、20m/g以上であり、より好ましくは25m/g以上であり、最も好ましくは30m/g以上である。一方、触媒基材の比表面積は、好ましくは70m/g以下であり、より好ましくは60m/g以下であり、最も好ましくは55m/g以下である。触媒の比表面積が70m/g以下であれば、触媒の崩壊や活性の低下が抑制される。なお、「触媒基材の比表面積」の測定方法としては、窒素の吸着を解析するBET法を採用するものとする。触媒基材の結晶構造については特に限定されず、アナターゼ型結晶構造を有していてもよく、あるいはアナターゼ型結晶構造以外の結晶構造を有していてもよいが、アナターゼ型結晶構造を有している触媒基材が好ましい。
触媒基材の形状としては、例えば、ペレット状、粒状、球状、リング状、ハニカム状など、目的に応じた形状を適宜選択すればよく、特に限定されない。
触媒基材の細孔容積については特に限定されないが、好ましくは0.20ml/g以上であり、より好ましくは0.25ml/g以上である。一方、細孔容積の上限値としては、好ましくは0.50ml/g以下であり、より好ましくは0.45ml/g以下である。触媒基材の細孔容積が0.20ml/g以上であれば、後述する触媒活性成分を触媒基材に十分に担持することができ、十分な活性作用を確保することができる。一方、触媒基材の細孔容積が0.50ml/g以下であれば、触媒の耐久性の低下やこれによる触媒の崩壊を抑制することができる。
[触媒活性成分]
本発明に係る排水処理用触媒は触媒活性成分(B)を含む。この触媒活性成分は、金、白金、パラジウム、イリジウムおよびルテニウムからなる群から選択される1種または2種以上の元素の単体または化合物を含むものである。ここで、「触媒活性成分」とは、排水に含まれる有機化合物や窒素化合物などの被酸化物に対する酸化・分解反応速度を増大させる作用(活性作用)を有する成分である。本発明では、少なくとも上述した貴金属を活性成分として用いる。
上述したように、触媒活性成分は、金、白金、パラジウム、イリジウムおよびルテニウムからなる群から選択される1種または2種以上の元素の担体または化合物(B)を含む。これらの触媒活性成分を含む触媒は排水の湿式酸化において特に優れた活性作用を発揮するため、好ましい。なかでも好ましくは、白金またはパラジウムが触媒活性成分として用いられる。
触媒活性成分が上記貴金属を含む化合物の形態で使用される場合、触媒活性成分の原料としては、上記から選ばれる貴金属を含むものであれば特に限定されないが、好ましくは水溶性化合物、より好ましくは無機化合物である。またエマルジョンタイプ、スラリー、コロイド状の化合物であってもよく、触媒の調製方法や触媒基材の種類に応じて適宜適した化合物を用いればよい。
例えば、金を触媒活性成分とする場合、塩化金酸、シアン化金カリウム、シアン化第二金カリウムなどを用いることができる。また、白金を触媒活性成分とする場合、白金黒、酸化白金、塩化第一白金、塩化第二白金、塩化白金酸、塩化白金酸ソーダ、亜硝酸白金カリウム、ジニトロジ アンミン白金、ヘキサアンミン白金、ヘキサヒドロキシ白金酸、シス−ジクロロジアンミン白金、テトラアンミン白金ジクロライド、テトラアンミン白金水酸 塩、ヘキサアンミン白金水酸塩、テトラクロロ白金酸カリウムなどを用いることができる。また、パラジウムを触媒活性成分とする場合、塩化パラジウム、硝酸パラジウム、ジニトロジアンミンパラジウム、ジクロロジアンミンパラジウム、テトラアン ミンパラジウムジクロライド、シス−ジクロロジアンミンパラジウム、パラジウム黒、酸化パラジウム、テトラアンミンパラジウム水酸塩などを用いることができる。また、イリジウムを触媒活性成分とする場合は、塩化イリジウムなどを用いることができる。また、ルテニウムを触媒活性成分とする場合、例えば塩化ルテニウム、硝酸ルテニウム、ヘキサカルボニル−μ−クロロジクロロジルテニウム、酸化ルテニウム、ドデカカルボニルトリルテニウム、酢酸ルテニウム、ルテニウム酸カリウム、ヘキサクロロルテニウム酸カリウム、ヘキサアンミンルテニウム三塩化物、テトラオキソルテニウム酸カリウムなどを用いることができる。
使用する化合物は特にこれらに限定されないが、当業者であれば、上記の化合物から適宜選択して、例えば実施例に記載の方法に従って本発明の触媒を製造することができる。
なお、本発明に係る排水処理用触媒において、触媒活性成分(B)は上記例示に限定されるものではなく、他の元素やその化合物を任意に組み合わせてさらに含有してもよい。例えば、触媒活性成分は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、または他の遷移金属をさらに含有してもよい。アルカリ金属としては、Na、KおよびCsが好ましく、アルカリ土類金属としては、Mg、Ca、SrおよびBaが好まし く、他の遷移金属としては、La、Ce、PrおよびYが好ましい。これらの元素を加えることは、貴金属成分の高分散担持に寄与するため、好ましい。
上記触媒活性成分と触媒基材との組み合わせとしては、Pt−TiO、Pd−TiO、Ru−TiO、Pt−Pd−TiO、Pt−Rh−TiO、Pt−Ir−TiO、Pt−Au−TiO、Pt−Ru−TiO、Pd−Rh−TiO、Pd−Ir−TiO、Pd−Au−TiO、Pd−Ru−TiO、Pt−TiO−ZrO、Pd−TiO−ZrO、Ru−TiO−ZrO、Pt−Pd−TiO−ZrO、Pt−Rh−TiO−ZrO、Pt−Ir−TiO−ZrO、Pt−Au−TiO−ZrO、Pt−Ru−TiO−ZrO、Pd−Rh−TiO−ZrO、Pd−Ir−TiO−ZrO、Pd−Au−TiO−ZrO、Pd−Ru−TiO−ZrO、Pt−Fe−TiO、Pd−Fe−TiO、Ru−Fe−TiO、Pt−Pd−Fe−TiO、Pt−Ir−Fe−TiO、Pt−Au−Fe−TiO、Pt−Ru−Fe−TiO、Pd−Rh−Fe−TiO、Pd−Ir−Fe−TiO、Pd−Au−Fe−TiO、Pd−Ru−Fe−TiO、Pt−TiO−SiO、Pd−TiO−SiO、Ru−TiO−SiO、Pt−Pd−TiO−SiO、Pt−Rh−TiO−SiO、Pt−Ir−TiO−SiO、Pt−Au−TiO−SiO、Pt−Ru−TiO−SiO、Pd−Rh−TiO−SiO、Pd−Ir−TiO−SiO、Pd−Au−TiO−SiO、Pd−Ru−TiO−SiO、Pt−TiO−Al、Pd−TiO−Al、Ru−TiO−Al、Pt−Pd−TiO−Al、Pt−Rh−TiO−Al、Pt−Ir−TiO−Al、Pt−Au−TiO−Al、Pt−Ru−TiO−Al、Pd−Rh−TiO−Al、Pd−Ir−TiO−Al、Pd−Au−TiO−Al、Pd−Ru−TiO−Alなどが例示される。ここで、Pt−TiO等の表記は、触媒中にPtおよびTiOの組成が含まれることを意味する。なお、上記組み合わせ例において、貴金属以外の元素は一般的に安定な酸化物とし、また貴金属は金属としたものを例示したのみであり、本発明の触媒活性成分の組み合わせをこれらに限定する趣旨ではない。
排水中の汚濁物質と空気中の酸素とを触媒上で効率よく接触させて湿式酸化反応を促進させるという観点からは、触媒上に触媒活性成分が微粒子の状態で高分散していることが推奨される。この観点から、触媒に含まれている触媒活性成分の平均粒子径は、好ましくは0.5nm以上であり、より好ましくは0.7nm以上であり、さらに好ましくは1nm以上である。また、触媒に含まれている触媒活性成分の平均粒子径は、好ましくは20nm以下であり、より好ましくは18nm以下であり、さらに好ましくは17nm以下である。触媒活性成分の粒子径が0.5nm以上であれば、触媒活性成分の凝集が抑制され、耐久性の低下が防止される。また、触媒活性成分の粒子径が20nm以下であれば、十分な処理性能を確保することができる。触媒に含まれている触媒活性成分の平均粒子径の測定方法としては、TPD分析(昇温脱離法、Temperature Programmed Desorption)を採用し、COパルス法により化学吸着量を測定して算出するものとする。また、触媒活性成分の個々の粒子径については、触媒表層部を削り取り、透過型電子顕微鏡を用いて10〜100万倍の倍率で観察して確認することもできる。
本発明に係る排水処理用触媒に含まれる各成分の含有量について特に制限はないが、好ましい含有量の一例として、(A)成分の含有量が5〜99.9質量%であり、(B)成分の含有量が0.01〜5質量%であり、(C)成分の含有量が0〜90質量%である。この際、(A)成分と(C)成分との合計は95〜99.9質量%である。ここで、(A)成分および(C)成分の含有量については、酸化物の質量に換算した値であり、(B)成分の含有量については、金属単体に換算した値である。
本発明に係る排水処理用触媒は、当該触媒についての粉末X線回折法の2θ=24°〜33°の間に存在する最大ピークの高さをXとし、純粋なアナターゼ型二酸化チタン20質量%と純粋なルチル型二酸化チタン80質量%とが粉砕混合されてなる基準試料の2θ=24°〜27°の間に存在するアナターゼ結晶を示すピークの高さをYとしたときに、X/Yの比の値が0.50〜1.70の範囲に存在する点に特徴を有するものである。
ここで、本発明に係る排水処理用触媒の粉末X線回折法による測定に用いられる「基準試料」とは、純粋なアナターゼ型二酸化チタン(関東化学株式会社製、試薬鹿1級)20質量%と純粋なルチル型二酸化チタン(関東化学株式会社製、試薬特級)80質量%とからなる混合物であり、具体的には、例えば、関東化学株式会社製アナターゼ型二酸化チタン(試薬鹿1級)0.80gと関東化学株式会社製ルチル型二酸化チタン(試薬特級)3.20gとをメノウ乳鉢で粉砕混合して得られる。そして、本発明に係る排水処理用触媒の2θ=24°〜33°の間に存在する最大ピークの高さ(X)、および、基準試料の2θ=24°〜27°の間に存在するアナターゼ結晶を示すピークの高さ(Y)はともに、例えば、下記の条件による粉末X線回折法により測定することができる。後述する実施例におけるXおよびYの測定も下記の条件による粉末X線回折法を用いて行った。
機種 PHILIPS X‘Pert Pro
X線源 CuKα/45kV/40mA
検出器 高速半導体検出器
受光側フィルタ Niフィルタ
モノクロメータ 湾曲結晶モノクロメータ
発散スリット 1°
散乱スリット 1°
受光スリット 0.5mm
ステップ 0.017°
計測時間 5秒/ステップ。
上述したように、本発明に係る排水処理用触媒では、X/Yの比の値が0.50〜1.70の範囲に存在することが必須であり、X/Yの値は、好ましくは0.60〜1.50であり、さらに好ましくは0.70〜1.20であり、特に好ましくは0.70〜0.80である。
従来、TiO−ZrO系(TZ系)などの触媒剤を用いた排水処理用触媒については、触媒や触媒基材のBET比表面積の値が、触媒の機械的強度や耐久性を評価するための指標の一つとして知られていた。例えば、触媒(触媒基材)のBET比表面積が40m/g程度であると、機械的強度および耐久性に優れる排水処理用触媒が得られるとされていた。しかしながら、本発明者らの検討によれば、触媒(触媒基材)がこのようなBET比表面積を有していても、十分な機械的強度および耐久性が達成できない場合があることが判明した。そして、その原因についてより詳細に検討を行ったところ、触媒(特に、触媒基材)の内部に比表面積の偏りが存在し、例えば100m/g以上のBET比表面積を示す部位と、30m/g以下のBET比表面積を示す部位とが混在しているような場合には、十分な機械的強度および耐久性が達成できていないことを見出した。一方、このような場合であっても、触媒(触媒基材)全体として評価すれば、BET比表面積の値は従来好ましいとされていた範囲の値(例えば、40m/g程度)となることから、BET比表面積を指標として触媒の性能を正確に予測することはできなかったというわけである。
本発明者らがさらに検討を進めた結果、比表面積の大きい部位と小さい部位とが混在する場合に、触媒の十分な機械的強度および耐久性が達成できないのは、比表面積の大きい部位の結晶化が不十分であることが原因となっていることが判明した。この知見に基づき、上述したような基準試料におけるアナターゼ結晶を示すピークの高さ(Y)に対して、ある程度の割合の最大ピーク高さを2θ=24°〜33°の間に有するような触媒とすることで、機械的強度および耐久性の低下をもたらす比表面積の大きい部位(結晶化が十分でない部位)の混入が抑制された触媒を得ることができることを見出し、かような触媒の機械的強度および耐久性が十分に優れたものであることを確認して、本発明を完成させるに至ったのである。
触媒のサイズについては特に限定されないが、例えば触媒が粒状の場合(以下、「粒状触媒」とも称する)、平均粒子径は1mm以上であることが好ましく、より好ましくは2mm以上である。平均粒子径が1mm以上であれば、粒状触媒を反応塔に充填した際の圧力損失の増加が防止され、触媒層が排水に含まれる懸濁物によって閉塞される虞が低減される。また、粒状触媒の平均粒子径は10mm以下であることが好ましく、より好ましくは7mm以下である。平均粒子径が10mm以下であれば、粒状触媒について充分な幾何学的表面積を確保することができ、被処理水との接触効率の低下やこれに伴う処理能力の低下の虞が低減される。
また、例えば触媒をペレット状とした場合(以下、「ペレット状触媒」とも称する)、平均径は1mm以上であることが好ましく、より好ましくは2mm以上であり、好ましくは10mm以下であり、より好ましくは6mm以下である。また、上記ペレット状触媒の長手方向の長さは2mm以上であることが好ましく、より好ましくは3mm以上であり、好ましくは15mm以下であり、より好ましくは10mm以下である。ペレット状触媒の平均径が1mm以上、または長手方向の長さが2mm以上であれば、ペレット状触媒を反応塔に充填した際の圧力損失の増加が防止され、触媒層が排水に含まれる懸濁物によって閉塞される虞が低減される。また、ペレット状触媒の平均径が10mm以下、または長手方向の長さが15mm以下であれば、ペレット状触媒について充分な幾何学的表面積を確保することができ、被処理水との接触効率の低下やこれに伴う処理能力の低下の虞が低減される。
さらに、触媒をハニカム状とした場合(以下、「ハニカム状触媒」とも称する)、貫通孔の相当直径は1.5mm以上であることが好ましく、より好ましくは2.5mm以上であり、好ましくは10mm以下であり、より好ましくは6mm以下である。また、隣接する貫通孔間の肉厚は0.1mm以上であることが好ましく、より好ましくは0.5mm以上であり、好ましくは3mm以下であり、より好ましくは2.5mm以下である。さらに、触媒表面の開孔率は全表面積に対して50%以上であ ることが好ましく、より好ましくは55%以上であり、好ましくは90%以下であり、より好ましくは85%以下である。ハニカム状触媒の相当直径が1.5mm以上であれば、反応塔に充填した際の圧力損失の増加の虞が低減される。また、ハニカム状触媒の相当直径が10mm以下であれば、被処理液との接触率を十分に確保することができ、触媒活性を十分に維持することができる。また、ハニカム状触媒の貫通孔間の肉厚が0.1mm以上であれば、触媒の機械的強度を確保することができる。一方、ハニカム状触媒の貫通孔間の肉厚が3mm以下であれば、触媒原料の使用量の増加に伴うコストの増加が防止されうる。
ハニカム状触媒の場合は、いわゆるモノリス担体同様であり、押出し成型法やシート状素子を巻き込める方法などにより製造される。そのガス通過口(セル形状)の形は、6角形、4角形、3角形またはコルゲート形のいずれであってもよい。セル密度(セル数/単位断面積)は、当業者であれば適当なものを適宜選択しうる。
なお、上記した触媒を反応塔に充填して懸濁物を含む排水を湿式酸化処理する場合、排水中の固形物や懸濁物の沈殿等によって触媒層が閉塞することがあることから、上記した触媒の中でも特にハニカム状触媒を用いることが推奨される。
本発明に係る排水処理用触媒の製造方法については、特に限定されず、従来公知の方法により製造することができる。触媒基材に触媒活性成分を担持する方法としては、例えば混練法、含浸法、吸着法、スプレー法、イオン交換法等が挙げられる。
ここで、排水処理用触媒が上述したX/Yの値を有するように制御する手法の一例として、触媒基材を得る際の焼成工程を2段階以上行い、後の焼成工程における焼成温度をより高いものとする方法が挙げられる。
すなわち、本発明により提供される排水処理用触媒の製造方法は、例えば、触媒の前駆体(通常は、ゲル状または粉末状である)を調製する工程と、前記前駆体を焼成する工程とを有し、前記焼成が、第1焼成工程と、前記第1焼成工程よりも高い焼成温度で行われる第2焼成工程とを含む方法である。前駆体を焼成する工程により、触媒基材が得られる。このように、1段階目の焼成工程において低めの温度で加熱処理を施して、前駆体の結晶化をある程度進めた後に、2段階目の焼成工程において仕上げの焼成を行うことにより、触媒の前駆体が均一に結晶化され、所望の触媒基材を得ることができる。
この際、焼成工程における焼成温度の具体的な値について特に制限はなく、第1焼成工程における焼成温度(第1焼成温度)よりも第2焼成工程における焼成温度(第2焼成温度)の方が高ければよいが、一例として、焼成工程が2段階で行われる場合、第1焼成温度は、好ましくは300〜700℃であり、より好ましくは400〜600℃である。また、第2焼成温度は、好ましくは500〜800℃であり、より好ましくは550〜750℃である。また、この場合、第1焼成工程における焼成時間(室温から第1焼成温度までの昇温時間と第1焼成温度での焼成時間との合計)は、好ましくは3〜20時間であり、より好ましくは5〜15時間である。また、第2焼成工程における焼成時間(第1焼成温度から第2焼成温度までの昇温時間と第2焼成温度での焼成時間との合計)は、好ましくは3〜20時間であり、より好ましくは5〜15時間である。
従来の技術では、触媒の前駆体を焼成して触媒基材を得る際に、目的の焼成温度まで一定速度で昇温し、目的の温度で一定時間保持するという1段階の焼成を行っていた。本発明者らの検討によれば、この手法では、焼成を1段階で行う限り、昇温速度をどのように制御しても、上述したX/Yの値を有する排水処理用触媒が得られないことが判明している。より詳細には、昇温速度を速くすると、触媒基材の結晶化を進行させることができるが、比表面積を十分に確保することができない。一方、昇温速度を遅くすると、所望の比表面積を確保することはできても、焼成炉内の温度分布などの影響から、結晶化が不十分な部位が生じてしまうことが判明したのである。
一方、上述したような2段階以上の焼成工程を採用して触媒の前駆体の焼成を行い、得られた焼成物を触媒基材として、これに触媒活性成分を担持させることによって排水処理用触媒を製造することで、所望の比表面積を確保しつつ、触媒基材の結晶化も均一に進行させることができることが見出されたのである。
なお、触媒基材に触媒活性成分を担持させて排水処理用触媒を得るための具体的な手法については、従来公知の各種条件を適宜採用することにより、排水処理用触媒を製造することが可能である。
以下、本発明に係る排水処理用触媒を使用して排水を処理する実施形態について、排水を湿式酸化処理によって処理する場合を例に挙げて説明する。
本発明に係る排水処理用触媒を用い、湿式酸化処理で処理される排水の種類については、有機化合物、窒素化合物、および硫黄化合物のいずれか1種以上を含有する排水であれば効果的に処理できるが、これらに限定されない。このような排水としては、化学プラント、電子部品製造設備、食品加工設備、金属加工設備、金属メッキ設備、印刷製版設備、写真設備等の各種産業プラントから排出される排水や、火力発電や原子力発電などの発電設備などから排出される排水、具体的にはEOG製造設備、メタノール、エタノール、高級アルコールなどのアルコール製造設備から排出される排水、特にアクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステルなどの脂肪族カルボン酸やそのエステル、あるいはテレフタル酸、テレフタル酸エステルなどの芳香族カルボン酸もしくは芳香族カルボン酸エステルの製造プロセスから排出される有機物含有排水などが例示される。またアミンやイミン、アンモニア、ヒドラジン等の窒素化合物を含有している排水でもよい。また、紙・パルプ、繊維、鉄鋼、エチ レン・BTX、石炭ガス化、食肉、薬品等の多岐にわたる産業分野の工場より排出される硫黄化合物を含有する排水でもよい。ここでいう硫黄化合物としては、 硫化水素、硫化ソーダ、硫化カリ、水硫化ソーダ、チオ硫酸塩、亜硫酸塩等の無機硫黄化合物やメルカプタン類、スルホン酸類等の有機硫黄化合物が例示される。また例えば下水やし尿などの生活排水であってもよい。あるいはジオキサン、ダイオキシン類やフロン類、フタル酸ジエチルヘキシル、ノニルフェノールなどの有機ハロゲン化合物や環境ホルモン化合物等の有害物質を含有している排水でもよい。
なお、本発明における「排水」は、上記したような産業プラントから排出される、いわゆる工業排水に限定されるものではなく、要するに有機化合物、窒素化合物、および硫黄化合物のいずれか1種以上が含まれている液体であれば全て包含され、そのような液体の供給源(発生源)は特に限定されない。
また、本発明に係る排水処理用触媒は、排水の湿式酸化処理に好適に用いられるが、特に排水を加熱し、かつ該排水が液相を保持する圧力下で触媒湿式酸化処理する際に用いることが推奨される。
以下、図1に示す処理装置を用いて排水を処理する方法について説明する。図1は、酸化処理工程の一つとして湿式酸化処理を採用した場合の排水の処理装置の一実施態様を示す概略図であるが、本発明で用いられる装置をこれに限定する趣旨ではない。
排水供給源から供給される排水は、排水供給ライン6を通して排水供給ポンプ5に供給され、さらに加熱器3に送られる。この際の空間速度は特に限定されず、触媒の処理能力によって適宜決定すればよい。
本発明に係る排水処理用触媒を用いた場合、湿式酸化処理は酸素含有ガスの存在下または不存在下のいずれの条件でも行うことができるが、排水中の酸素濃度を高めると排水中に含まれる被酸化物の酸化・分解効率を向上させることができるので、排水に酸素含有ガスを混入させることが好ましい。
酸素含有ガスの存在下に湿式酸化処理を行う場合には、例えば酸素含有ガスを酸素含有ガス供給ライン8から導入し、コンプレッサー7で昇圧した後、排水が加熱器3に供給される前に排水に混入することが好ましい。本発明において「酸素含有ガス」とは、分子状酸素および/またはオゾンを含有するガスであり、そのようなガスであれば純酸素、酸素富化ガス、空気、過酸化水素水、他のプラントで生じた酸素含有ガス等でもよく、酸素含有ガスの種類は特に限定されないが、経済的観点からこれらの中でも空気を用いることが推奨される。
酸素含有ガスを排水へ供給する場合の供給量は特に限定されず、排水中の被酸化物を酸化・分解処理する能力を高めるのに有効な量を供給すればよい。酸素含有ガスの供給量は、例えば酸素含有ガス流量調節弁9を酸素含有ガス供給ライン8上に設けることによって排水への供給量を適宜調節することができる。好ましい酸素含有ガスの供給量は、排水中の被酸化物の理論酸素要求量の0.5倍以上、より好ましくは0.7倍以上であり、好ましくは5.0倍以下、より好ましくは 3.0倍以下とすることが推奨される。
なお、本発明において「理論酸素要求量」とは、排水中の有機化合物や窒素化合物などの被酸化物を窒素、二酸化炭素、水、灰分にまで酸化および/または分解するのに必要な酸素量のことであり、本発明では化学的酸素要求量(COD(Cr)))によって理論酸素要求量を示す。
加熱器3に送られた排水は予備加熱された後、電気ヒーター2を備えた反応塔1に供給される。排水を高温にしすぎると反応塔内で排水がガス状態となるため、触媒表面に有機物などが付着し、触媒の活性が劣化することがある。従って高温下でも排水が液相を保持できるように反応塔内に圧力を加えることが推奨される。また他の条件にも影響されるが、反応塔内で排水の温度が370℃を超えた場合、排水の液相状態を保持するために高い圧力を加えなければならず、このような場合、設備が大型化することがあり、またランニングコストが上昇することがあるので、反応塔内での排水の温度はより好ましくは270℃以下、さらに好ましくは230℃以下、よりさらに好ましくは170℃以下である。一方、排水の温度が80℃未満では排水中の被酸化物の酸化・分解処理を効率的に 行うことが困難になることがあるので、反応塔内での排水の温度は好ましくは80℃以上、より好ましくは100℃以上、さらに好ましくは110℃以上である。
なお、排水を加熱する時期は特に限定されず、上述した通り予め加熱した排水を反応塔内に供給してもよいし、あるいは、排水を反応塔内に供給した後に加熱してもよい。また排水の加熱方法についても特に限定されず、加熱器、熱交換器を用いてもよく、また反応塔内にヒーターを設置して排水を加熱してもよい。さらに蒸気などの熱源を排水に供給してもよい。
また、湿式酸化処理装置の排ガス出口側に圧力調整弁を設け、反応塔内で排水が液相を保持できるように処理温度に応じて圧力を適宜調節することが好ましい。例えば、処理温度が80℃以上、95℃未満の場合には、大気圧下においても排水は液相状態であり、経済性の観点から大気圧下でもよいが、処理効率を向上させるためには加圧することが好ましい。また処理温度が95℃以上の場合、大気圧下では排水が気化することが多いため、処理温度が95℃以上、170℃未満の場合、0.2〜1MPa(Gauge)程度の圧力、処理温度が170℃以上、230℃未満の場合、1〜5MPa(Gauge)程度の圧力、また処理温度が230℃以上の場合、5MPa(Gauge)超の圧力を加え、排水が液相を保持できる様に圧力を制御することが好ましい。
なお、本発明で用いられる湿式酸化処理において、反応塔の数、種類、形状等は特に限定されず、通常の湿式酸化処理に用いられる反応塔を単数で、または複数組合せて用いることができ、例えば単管式の反応塔や多管式の反応塔などを用いることができる。また複数の反応塔を設置する場合、目的に応じて反応塔を直列または並列にするなど任意の配置とすることができる。
排水の反応塔への供給方法としては、気液上向並流、気液下向並流、気液向流など種々の形態を用いることができ、また複数の反応塔を設置する場合はこれらの供給方法を2以上組合せてもよい。
反応塔内での湿式酸化処理に上述した触媒を用いると、排水中に含まれる有機化合物、窒素化合物、および硫黄化合物のいずれか1種以上等の被酸化物の酸化・分解処理効率が向上するとともに、長期間優れた触媒活性、触媒耐久性を維持し、しかも排水は高レベルに浄化された処理水として得ることができる。
反応塔内に充填する触媒の充填量は特に限定されず、目的に応じて適宜決定することができる。通常は、触媒層あたりの空間速度で0.1hr−1〜10hr−1、より好ましくは0.2hr−1〜5hr−1、さらに好ましくは0.3hr−1〜3hr−1となるように触媒の充填量を調整することが推奨される。空間速度が0.1hr−1以上であれば、触媒の処理量を確保することができ、設備の大型化を回避することができる。また、空間速度が10hr−1以下であれば、反応塔内での排水の酸化・分解処理を十分に行うことができる。
複数の反応塔を用いる場合、それぞれ別の触媒を用いてもよく、また触媒を充填した反応塔と、触媒を用いない反応塔とを組合せることもでき、本発明の触媒の使用方法は特に限定されるものではない。充填する触媒の形状は特に限定されないが、ハニカム状触媒またはペレット状触媒を用いることが好ましい。また、反応塔内には気液の攪拌、接触効率の向上、気液の偏流低減等を目的として、種々の充填物、内作物などを組み込んでもよい。
排水中の被酸化物は反応塔内で酸化・分解処理されるが、本発明において「酸化・分解処理」とは、酢酸を二酸化炭素と水にする酸化分解処理、酢酸を二酸化炭素とメタンにする脱炭酸分解処理、硫化物や水硫化物、亜硫酸塩、チオ硫酸塩を硫酸塩にする酸化処理、ジメチルスルホキシドを二酸化炭素、水、硫酸イオンなどの灰分にする酸化および酸化分解処理、尿素をアンモニアと二酸化炭素にする加水分解処理、アンモニアやヒドラジンを窒素ガスと水にする酸化分解処理、ジメチルスルホキシドをジメチルスルホンやメタンスルホン酸にする酸化処理などが例示され、即ち易分解性の被酸化物を窒素ガス、二酸化炭素、水、灰分などにまで分解する処理や、難分解性の有機化合物や窒素化合物を低分子量化する分解処理、もしくは酸化する酸化処理など種々の酸化および/または分解を含む意味である。
なお、湿式酸化処理を経て得られた処理液中には、被酸化物のうち難分解性の有機化合物が低分子化されて残存していることが多く、低分子化された有機化合物としては低分子量の有機酸、特に酢酸が残留していることが多い。
図1に具体的にその処理例を示すが、排水は反応塔で酸化・分解処理された後、処理液ライン10から処理液として取り出され、必要に応じて冷却器4で適度に冷却された後、気液分離器11によって気体と液体に分離される。その際、液面コントローラーLCを用いて液面状態を検出し、液面制御弁13によって気液分離器内の液面が一定となるように制御することが好ましい。また、圧力コントローラーPCを用いて圧力状態を検出し、圧力制御弁12によって気液分離器内の圧力が一定となるように制御することが好ましい。
あるいは、排水を酸化・分解処理した後、処理液を冷却せずに、冷却器である程度冷却した後に、圧力制御弁を介して排出し、その後で、気液分離器によって気体と液体に分離してもよい。
ここで、気液分離器内の温度は、特に限定されないが、反応塔で排水を酸化・分解処理して得られた処理液中には二酸化炭素が含有されているため、例えば気液分離器内の温度を高くして排水中の二酸化炭素を放出させたり、あるいは気液分離器で分離した後の液体を空気等のガスでバブリング処理したりすることにより液体中の二酸化炭素を放出することが好ましい。
処理液の温度制御には、処理液を気液分離器11に供給する前に熱交換器(図示せず)、冷却器4などの冷却手段によって冷却してもよく、あるいは気液分離後に熱交換器(図示しない)や冷却器(図示しない)などの冷却手段を設けて処理液を冷却してもよい。
気液分離器11で分離して得られた液体(処理液)は、処理液排出ライン15から排出される。排出された液体はさらに生物処理や膜分離処理など種々の公知の工程に付してさらに浄化処理を施してもよい。さらに湿式酸化処理を経て得られた処理液の一部を、湿式酸化処理に付す前の排水に直接戻したり、あるいは排水供給ラインの任意の位置から排水に供給したりして湿式酸化処理に付してもよい。例えば湿式酸化処理を経て得られた処理液を排水の希釈水として用いて、排水のTOD濃度やCOD濃度を低下させてもよい。また、気液分離器11で分離して得られた気体は、ガス排出ライン14から外界に排出される。なお、排出された排ガスをさらに別の工程に付すこともできる。また、本発明で用いられる湿式酸化処理を行うに当たり、加熱器および冷却器には熱交換器を用いることもでき、これらを適宜組合せて使用することができる。
以下、実施例を用いて本発明の実施形態をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は下記の実施例に限定して解釈されるべきではない。
[実施例1]
純水4Lに硝酸ジルコニル(ZrO(NO・2HO)1.29kgを溶解させ、81.6質量%(TiO換算)メタチタン酸(HTiO)1.11kgを加えて均一に混合しつつ80℃で乾燥した。得られたゲルを600℃まで5時間かけ昇温して5時間温度を保持し、さらに720℃まで8時間かけ昇温し2時間温度を保持した。生成した焼成物をハンマーミルにて粉砕し、Ti−Zr複合酸化物粉体1を得た。調製したTi−Zr複合酸化物粉体1に成形助剤と適量の純水を加え、ニーダーを用いて混練した後、直径5mm、長さ6mmの円柱状に押出成形した。その後、150℃で乾燥し、さらに450℃で5時間焼成してペレット状基材を得た。得られたTi−Zr複合酸化物ペレット状基材を硝酸パラジウム水溶液に含浸し、次いで120℃で6時間乾燥した後、水素含有ガスを用いて400℃で3時間の焼成処理を行い、触媒A−1を得た。得られた触媒の主成分およびその質量比はTiO:ZrO:Pd=59.3:39.2:1.5であった。この触媒A−1のBET比表面積は48m/gであり、Ti−Zr複合酸化物を示すピーク強度は1210カウントであった。また、TiO基準試料のアナターゼ結晶を示すピークの強度に対する比率(ピーク強度比X/Y)は0.80であった。
[実施例2]
実施例1と同じ方法で得られたゲルを420℃まで5時間かけ昇温して5時間温度を保持し、さらに720℃まで8時間かけ昇温し2時間温度を保持した。生成した焼成物をハンマーミルにて粉砕し、Ti−Zr複合酸化物粉体2を得た。調製したTi−Zr複合酸化物粉体2を用いたこと以外は実施例1と同じ方法でペレットを調製した。次いで実施例1と同じ方法でパラジウムを添加することにより、触媒A−2を得た。得られた触媒の主成分およびその質量比はTiO:ZrO:Pd=59.3:39.2:1.5であった。この触媒A−2のBET比表面積は32m/gであり、Ti−Zr複合酸化物を示すピーク強度は1165カウントであった。また、TiO基準試料のアナターゼ結晶を示すピークの強度に対する比率(ピーク強度比X/Y)は0.77であった。
[実施例3]
純水25L、200g/L(TiO換算)硫酸チタニルの硫酸溶液8.8Lおよび220g/L(CeO換算)硝酸セリウム水溶液3.4Lを混合し均一溶液を調製した。この溶液に25%アンモニア水溶液を、十分な撹拌下に、液温が40℃を超えないよう冷却しながら、pH8.7になるまで徐々に滴下して沈殿を生成させ、さらに15時間静置した。得られたスラリーをろ過、純水洗浄した後、150℃で15時間乾燥した。これを420℃まで5時間かけ昇温して5時間温度を保持し、さらに740℃まで8時間かけ昇温し2時間温度を保持した。生成した焼成物をハンマーミルにて粉砕し、Ti−Ce複合酸化物粉体を得た。調製したTi−Ce複合酸化物粉体を用いたこと以外は実施例1と同じ方法でペレットを調製した。得られたTi−Ce複合酸化物ペレット状基材を常時揺動しながら、これに塩化ルテニウムおよび塩化白金の混合水溶液を吹き付けて添加し、次いで120℃で6時間乾燥した後、水素含有ガスを用いて400℃で3時間の焼成処理を行い、触媒Bを得た。得られた触媒の主成分およびその質量比はTiO:CeO:Ru:Pt=70.3:29.5:0.15:0.05であった。この触媒BのBET比表面積は62m/gであり、Ti−Ce複合酸化物を示すピーク強度は1745カウントであった。また、TiO基準試料のアナターゼ結晶を示すピークの強度に対する比率(ピーク強度比X/Y)は1.15であった。
[実施例4]
純水25L、200g/L(TiO換算)硫酸チタニルの硫酸溶液5.6Lおよび155g/L(Fe換算)硝酸鉄水溶液8.9Lを混合し均一溶液を調製した。この溶液に25%アンモニア水溶液を、十分な撹拌下に、液温が40℃を超えないよう冷却しながら、pH7.5になるまで徐々に滴下して沈殿を生成させ、さらに15時間静置した。得られたスラリーをろ過、純水洗浄した後、150℃で15時間乾燥した。これを360℃まで3時間かけ昇温して5時間温度を保持し、さらに650℃まで8時間かけ昇温し2時間温度を保持した。生成した焼成物をハンマーミルにて粉砕し、Ti−Fe複合酸化物粉体を得た。調製したTi−Fe複合酸化物粉体を用いたこと以外は実施例1と同じ方法でペレットを調製した。得られたTi−Fe複合酸化物ペレット状基材を常時揺動しながら、これに塩化ルテニウムおよび塩化パラジウムの混合水溶液を吹き付けて添加し、次いで120℃で6時間乾燥した後、水素含有ガスを用いて400℃で3時間の焼成処理を行い、触媒Cを得た。得られた触媒の主成分およびその質量比はTiO:Fe:Ru:Pd=44.5:54.9:0.35:0.25であった。この触媒CのBET比表面積は58m/gであり、Ti−Fe複合酸化物を示すピーク強度は1500カウントであった。また、TiO基準試料のアナターゼ結晶を示すピークの強度に対する比率(ピーク強度比X/Y)は0.72であった。
[実施例5]
純水25L、200g/L(TiO換算)硫酸チタニルの硫酸溶液12.5Lを混合し均一溶液を調製した。この溶液に25%アンモニア水溶液を、十分な撹拌下に、液温が40℃を超えないよう冷却しながら、pH7.9になるまで徐々に滴下して沈殿を生成させ、さらに15時間静置した。得られたスラリーをろ過、純水洗浄した後、150℃で15時間乾燥した。これを620℃まで5時間かけ昇温して5時間温度を保持し、さらに760℃まで8時間かけ昇温し2時間温度を保持した。生成した焼成物をハンマーミルにて粉砕し、TiOの粉体を得た。調製したTiO粉体を用いたこと以外は実施例1と同じ方法でペレットを調製した。得られたTiOペレット状基材を常時揺動しながら、これに塩化白金および塩化イリジウムの混合水溶液を吹き付けて添加し、次いで120℃で6時間乾燥した後、水素含有ガスを用いて400℃で3時間の焼成処理を行い、触媒Dを得た。得られた触媒の主成分およびその質量比はTiO:Pt:Ir=99.65:0.08:0.27であった。この触媒DのBET比表面積は33m/gであり、TiOを示すピーク強度は1990カウントであった。また、TiO基準試料のアナターゼ結晶を示すピークの強度に対する比率(ピーク強度比X/Y)は1.35であった。
[比較例1]
実施例1と同じ方法で得られたゲルを720℃まで3時間かけ昇温し3時間温度を保持した。生成した焼成物をハンマーミルにて粉砕し、Ti−Zr複合酸化物粉体3を得た。調製したTi−Zr複合酸化物粉体3を用いたこと以外は実施例1と同じ方法でペレットを調製した。次いで実施例1と同じ方法でパラジウムを添加することにより、触媒E−1を得た。得られた触媒の主成分およびその質量比はTiO:ZrO:Pd=59.3:39.2:1.5であった。この触媒E−1のBET比表面積は30m/gであり、Ti−Zr複合酸化物を示すピーク強度は2853カウントであった。また、TiO基準試料のアナターゼ結晶を示すピークの強度に対する比率(ピーク強度比X/Y)は1.89であった。
[比較例2〜5]
比較例1において、720℃までの昇温にかける時間を、5時間(触媒E−2;比較例2)、8時間(触媒E−3;比較例3)、10時間(触媒E−4;比較例4)、15時間(触媒E−5;比較例5)に変更したこと以外は実施例1と同じ方法で触媒を得た。得られた触媒の主成分およびその質量比は、いずれもTiO:ZrO:Pd=59.3:39.2:1.5であった。これらの触媒のBET比表面積およびTiO基準資料のアナターゼ結晶を示すピークの強度に対する比率(ピーク強度比X/Y)を、下記の表2に示す。
[比較例6]
市販のTiOペレット状基材(ST61120、サンゴバン社製)を用いたこと以外は、実施例5と同じ方法でイリジウムを添加することにより触媒F−1を得た。得られた触媒の主成分およびその質量比はTiO:Pt:Ir=99.65:0.08:0.27であった。この触媒F−1のBET比表面積は150m/gであり、TiOを示すピーク強度は2660カウントであった。また、TiO基準試料のアナターゼ結晶を示すピークの強度に対する比率(ピーク強度比X/Y)は1.77であった。
[比較例7]
市販のTiOペレット状基材(ST31119、サンゴバン社製)を用いたこと以外は、実施例5と同じ方法でイリジウムを添加することにより触媒F−2を得た。得られた触媒の主成分およびその質量比はTiO:Pt:Ir=99.65:0.08:0.27であった。この触媒F−2のBET比表面積は38m/gであり、TiOを示すピーク強度は3494カウントであった。また、TiO基準試料のアナターゼ結晶を示すピークの強度に対する比率(ピーク強度比X/Y)は2.39であった。
[触媒の評価]
上記の各実施例および各比較例で得られた触媒を用い、図1に示す装置を使用して、下記の条件で5000時間、排水の処理を行い、触媒の性能を評価した。
まず、反応塔(内径26mm、長さ3000mmの円筒状)内部に触媒を1.5L充填した。処理に供した排水は、化学プラントから排出された、主に1,4−ジオキサン、ホルムアルデヒドおよび酢酸を含有する排水で、COD(Cr)は42g/Lであった。この排水を、排水導入ライン6を通して排水加圧ポンプ5に供給し、3.5L/hの流量で昇圧供給した後、加熱器3で280℃に加熱して反応塔1の底部から供給した。また空気を酸素含有ガス供給ライン8から供給し、コンプレッサー7で昇圧した後、O/COD(Cr)((1時間当たりの供給ガス中の酸素量)/(1時間当たりの排水の化学的酸素要求量))=1.25となるように酸素含有ガス流量調節バルブ9で流量を制御し、加熱器3の手前で排水に混入した。なお、反応塔1では気液上向並流で処理を行った。反応塔1では、電気ヒーター2を用いて排水の温度を280℃に保温し、酸化・分解処理を実施した。得られた処理液は処理液ライン10を経て気液分離器11に送り気液分離した。この際、気液分離器11の内部において液面コントローラーLCを用いて液面を検出し、一定の液面を保持するように液面制御バルブ13から処理液を排出した。また、圧力制御バルブ12の圧力を、圧力コントローラーPCを用いて検出し、8.2MPa(Gauge)の圧力を保持するように制御した。
この評価では、下記の数式1に従い、「COD(Cr)除去率」を算出した。この「COD(Cr)除去率」は、処理前の排水のCOD(Cr)42g/Lのうち、触媒による処理によって除去された割合を百分率で示したものである。また、「COD(Cr)除去率」は、排水の処理直後および5000時間後の双方について測定した。得られた結果を下記の表1に示す。
また、この評価では、下記の数式2に従い、触媒の「摩耗減少率」を算出した。この「摩耗減少率」は、処理に用いた触媒の重量のうち、5000時間の排水処理反応後に摩耗によって減少した重量の割合を百分率で示したものである。なお、「反応後重量」は、5000時間の排水処理反応後の触媒を純水で洗浄した後、150℃で15時間以上乾燥した後に測定した重量である。
表1に示す結果から、ピーク強度比(X/Y)の値が0.50〜1.70である実施例1〜5の触媒を用いた場合には、ピーク強度比(X/Y)の値が上記範囲を外れる比較例1〜7の触媒を用いた場合と比較して、5000時間後のCOD(Cr)除去率がきわめて高い値に維持されていることがわかる。各実施例の触媒の摩耗減少率の値は、いずれも各比較例の触媒の摩耗減少率の値よりも小さいことから、各実施例の触媒を用いた場合に長期にわたってCOD(Cr)除去率が高い値に維持されているのは、触媒自体の耐摩耗性(耐久性)が向上していることによるものと考えられる。
1…反応塔、
2…電気ヒーター、
3…加熱器、
4…冷却器、
5…排水供給ポンプ、
6…排水供給ライン、
7…コンプレッサー、
8…酸素含有ガス供給ライン、
9…酸素含有ガス流量調節弁、
10…処理液ライン、
11…気液分離器、
12…圧力制御弁、
13…液面制御弁、
14…ガス排出ライン、
15…処理液排出ライン、
LC…液面コントローラー。

Claims (9)

  1. 排水の処理に用いられる排水処理用触媒であって、
    チタン含有化合物(A)を含み、鉄、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウムおよびセリウムからなる群から選択される1種または2種以上の元素の単体または化合物(C)をさらに含有する触媒基材と、
    金、白金、パラジウム、イリジウムおよびルテニウムからなる群から選択される1種または2種以上の元素の単体または化合物を含む触媒活性成分(B)と、
    を含有し、かつ、
    当該触媒についての粉末X線回折法の2θ=24°〜33°の間に存在する最大ピークの高さをXとし、純粋なアナターゼ型二酸化チタン20質量%と純粋なルチル型二酸化チタン80質量%とが粉砕混合されてなる基準試料の2θ=24°〜27°の間に存在するアナターゼ結晶を示すピークの高さをYとしたときに、X/Yの比の値が0.50〜1.70の範囲に存在することを特徴とする、排水処理用触媒。
  2. X/Yの比の値が0.70〜1.20である、請求項1に記載の排水処理用触媒。
  3. 前記触媒基材が、チタンの酸化物と、チタンおよびジルコニウムの複合酸化物との組み合わせ、並びに、チタンの酸化物と、鉄の酸化物と、チタンおよび鉄の複合酸化物との組み合わせのいずれかである、請求項1または2に記載の排水処理用触媒。
  4. 触媒の全質量に対して、(A)成分の含有量が5〜99.9質量%であり、(B)成分の含有量が0.01〜5質量%であり、(C)成分の含有量が0質量%を超えて90質量%以下である(ただし、(A)成分と(C)成分の合計は95〜99.9質量%である)、請求項1〜3のいずれか1項に記載の排水処理用触媒。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の排水処理用触媒の製造方法であって、
    (A)成分および(C)成分を含有する、触媒基材の前駆体を調製する工程と、
    前記前駆体を焼成して触媒基材を得る工程と、
    前記触媒基材に(B)成分を担持させる工程と、
    を有し、
    前記焼成が、第1焼成工程と、前記第1焼成工程よりも高い焼成温度で行われる第2焼成工程と、を含む、製造方法。
  6. 前記第1焼成工程における焼成温度が300〜700℃であり、前記第2焼成工程における焼成温度が500〜800℃である、請求項5に記載の製造方法。
  7. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の触媒、または請求項5もしくは6に記載の製造方法により製造される触媒を用いて排水を処理する排水処理工程を含む、排水の処理方法。
  8. 前記排水処理工程が湿式酸化により行われる、請求項7に記載の処理方法。
  9. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の触媒、または請求項5もしくは6に記載の製造方法により製造される触媒を、触媒層あたり空間速度0.1〜10hr−1となるように反応塔に充填し、理論酸素要求量の0.5〜3.0倍の酸素含有ガスとともに排水を加熱して反応塔に供給し、反応塔を80〜370℃に加熱して触媒により排水を酸化・分解処理し、得られた処理液を気液分離することを含む、請求項8に記載の処理方法。
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