JP2008207103A - 排水の処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は排水の処理技術に関するものであり、特に排水と処理用ガスとが垂直置きで下向流となる反応器において生じ易いガスと液が偏流を防止し、長時間、高活性を維持することにある。
【解決手段】本発明は触媒濡れ液量(K)が0.5〜5の範囲で排水を酸素含有ガスと共に固体触媒充填気液下向流反応塔に導入することを特徴とする排水の処理方法である。当該濡れ液量とは、排水流量を反応塔の断面積で除した値である。当該反応塔の充填層長が1m〜30mであることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は排水を湿式酸化する処理方法に関する技術である。
従来、排水を処理する方法としては、生物処理法、燃焼処理法、湿式酸化処理法などが広く用いられている。生物処理法においては、余剰汚泥などの副産物が発生するため、その処理が問題となることが多く、また、処理困難な排水が多く存在するなどの問題もある。また、燃焼処理法においては、燃料として化石燃料を用いることが多いため、資源の浪費することになり、かつ二酸化炭素などの排ガスの排出源として問題となることも多い。
一方、液相にて加熱処理することで排水を浄化する湿式酸化処理法は、上記のような問題がなく優れている。湿式酸化処理法には種々の形態があり、反応塔において、気液上向並流で処理する方法や気液下向並流で処理する方法、気液向流で処理する方法などがある。無触媒での湿式酸化処理法において高い処理性能を得るためには、高温高圧の過酷な処理条件としたり、反応時間を長くしたりする必要があり、そのために装置が大型化したり、運転費が高くなったりすることが多い。特に気液下向並流方式の無触媒湿式酸化処理では、反応塔内での液の滞留時間が短く、十分な処理性能を得ることが困難である場合が多い。
そこで、固体触媒を用いることにより処理性能を向上させた触媒湿式酸化処理法が提案されている。触媒湿式酸化処理法において気液下向並流方式とした場合、触媒の浮き上がり、摩耗などを抑制することができる。特に近年、固体触媒の組成、形状などの改良が行われ、固体触媒の耐久性、処理能力の向上が図られている。しかし、固体触媒の能力を最大限発揮させるという観点からの湿式酸化処理条件の検討は十分にはなされておらず、触媒の活性を高めて排水処理能力を向上しうる処理条件が求められていた。
従来、排水を湿式酸化処理するに際して、排水中の被酸化性物質が多量であるとき、または排水が排水処理中に析出する成分を多く含んでいるときに、長時間にわたって触媒の処理能力を低下させない技術が求められている。
本発明は、以下の条件下に排水を処理することで上記課題を解決するに至ったのである。
数2で示される触媒濡れ液量(K)が0.5〜5の範囲で排水を固体触媒充填気液下向流反応塔に導入することを特徴とする排水の処理方法。
Figure 2008207103
本発明は、排水を湿式酸化処理するに際して、排水中の被処理物が多量であるとき、または排水が排水処理中に析出する成分を多く含んでいるときに、長時間にわたって触媒の処理能力を維持することができるものである。
本発明の処理対象となる排水としては、例えば、化学プラント、電子部品製造設備、食品加工設備、印刷製版設備、発電設備、写真処理設備、金属加工設備、金属メッキ設備、金属精錬設備、紙パルプ製造設備などの各種産業プラントから排出される排水や、屎尿、下水などの生活排水、湿式洗煙排水などの廃棄物焼却炉排水、埋立地浸出水などの種々の排水が挙げられる。また、有害物質を含有する土壌を処理するために該土壌中の有害物質を液中に抽出した抽出液も本発明の処理対象排水として扱うことができる。これらの中でも特に、排水がアクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステルなどの脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸エステル製造設備、もしくはテレフタル酸、テレフタル酸エステルなどの芳香族カルボン酸、芳香族カルボン酸エステル製造設備、もしくはEOG製造設備、もしくはメタノール、エタノール、高級アルコールなどのアルコール製造設備、もしくは食品添加物や医薬品、工業薬品製造設備などから排出される有機物含有排水である場合に特に効果的である。また、排水が発電設備、電子部品製造設備などから排出されるアンモニア含有排水である場合にも効果的である。
本発明における「被酸化性物質」とは、酸化・分解処理によって浄化処理できる化合物であり、好ましくは有機および/または無機の化合物であり、種々の有機化合物、硫黄化合物、窒素化合物、更には有機ハロゲン化合物、有機燐化合物などを指す。具体的には、例えばメタノール、エタノール、アセトアルデヒド、ギ酸、アセトン、酢酸、プロピオン酸、THF、フェノールなどの有機化合物;アンモニア、ヒドラジン、亜硝酸塩、DMF、モノエタノールアミン、ピリジン、尿素などの窒素化合物;チオ硫酸塩、硫化ナトリウム、ジメチルスルホキシド、アルキルベンゼンスルホン酸塩などの硫黄化合物;過酸化水素などが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。これらの物質は、水中に溶解していても、懸濁物質として存在していてもよい。また、ここでいう酸化・分解処理とは、例えばエタノールを酢酸にする酸化処理、酢酸を二酸化炭素と水にする酸化分解処理、酢酸を二酸化炭素とメタンにする脱炭酸分解処理、各種有機物を低分子量化する分解処理、尿素をアンモニアと二酸化炭素にする加水分解処理、アンモニアやヒドラジンを窒素ガスと水にする酸化分解処理、硝酸イオンもしくは亜硝酸イオンを窒素ガスにする分解処理、有機ハロゲン化合物の脱塩素処理などを包含し、排水中の有害物質を実質的に無害なものに変換することを意味する。
被酸化性物質の濃度は排水に対して5000〜50000mg/リットルであることが好ましく、更に好ましくは10000〜40000mg/リットルである。5000mg/リットル未満であれば、触媒湿式酸化反応で得られる反応熱が少ないため、熱交換装置を用いて熱回収しても、この熱による装置の自立運転が困難となり、別途熱供給装置が必要になる等、エネルギー的に不利となる。また、50000mg/リットルを超える場合には、触媒湿式酸化反応で得られる反応熱が非常に多くなるため、装置の制御が困難になる。
排水の流量(Qin:標準状態(20℃,1気圧)換算の体積)は、0.5〜10m/hr、好ましくは0.7〜7.5m/hrである。流量が0.5m/hr未満であるときは流量が少なすぎるため、本発明の濡れ液量を確保することによって得られる効果が十分でない。また、10m/hrを超えるときは流量が多すぎるため、実用的でない。
本発明では、数2で示される触媒濡れ液量(K)が0.5〜5の範囲で排水を固体触媒充填気液下向流反応塔に導入することが好ましく、更に好ましくは1〜4である。K値が0.5未満であると、排水と触媒の接触効率が悪くなって処理性能が低くなる場合がある。また、触媒が濡れにくくなるため、塩類などを含む排水の場合には触媒表面で該塩類などが析出して触媒性能を低下させる場合がある。K値が4を超える場合には、触媒と酸素含有ガスとの接触効率が悪くなって処理性能が低くなる場合がある。
本発明に係る酸素含有ガスは排水中の被酸化性物質を酸化しうるものであれば何れのものであってもよく、好ましくは純酸素ガス,酸素富化ガス,空気であり、更に好ましくは空気である。酸素含有ガスの導入量は、[供給酸素含有ガス中の酸素量]/[排水の処理効率が最大となるときの排水の酸素消費量](以下、この比の値を「D値」と呼ぶことがある)=0.8〜1.3倍の範囲内であり、好ましくは0.9〜1.1倍の範囲内である。D値が0.8未満であるときは、被酸化性物質の酸化・分解処理に要する酸素量よりも酸素供給量が少なくなり、処理性能が低下するため実用的でない。また、1.3を超えるときは、過剰な酸素に曝されて触媒の活性や耐久性が低下することがある。
本発明において、酸素含有ガスの供給方法は、特に限定されるものではなく、例えば触媒層の手前から全ての酸素含有ガスを供給してもよく、また、酸素含有ガスを分割して供給してもよい。
本発明に係る反応塔は固体触媒を充填した気液下向流反応塔である。気液下向流とは液体と気体が下方向に並流することをいう。反応塔は単管式、多管式の何れであっても良いが好ましくは単管式である。多管式の反応塔を用いる場合には、熱媒体を循環させて用いることもできる。
当該反応塔内の断面積(m)は0.1〜3.5m、好ましくは0.2〜2.5mである。0.1m未満であれば、断面積が小さすぎるため、本発明の濡れ液量を確保することによって得られる効果が十分でない。また、3.5mを超える場合には、断面方向の偏流が生じやすくなり、本発明の濡れ液量を確保することによって得られる効果が不十分となる。
また、当該反応塔の充填層長は1m〜30mであり、好ましくは2m〜25mである。1m未満であれば、充填層長が短すぎるため、本発明の濡れ液量を確保することによって得られる効果が十分でない。また、25mを超える場合には、充填層が長くなりすぎるため、充填層内での偏流が生じやすくなり、本発明の濡れ液量を確保することによって得られる効果が不十分となる。充填層が長くなる場合には、1〜3mの層に分割して各層の上部に気液分散器を設置し、充填層全体がほぼ均一な濡れ液量を確保できるようにすることが好ましい。ここでいう充填層とは、反応塔内に設置する触媒、分散材、希釈材等を充填した層のことを指す。
本発明に係る温度は、触媒層において50〜170℃、好ましくは100〜165℃である。50℃未満であれば、有機物および/または無機の被酸化性物質の酸化・分解処理を効率的に行うことが困難になる。また、170℃を超える場合には、触媒の耐久性が低下して実用的でなくなる場合が多い。
本発明に係る圧力は触媒層において排水が液相を保持するものであれば良く、触媒層における温度との相関性により適宜選択する。
本発明に係る固体触媒としては、触媒湿式酸化処理に一般に用いられている固体触媒を用いることができる。具体的には、液相酸化の条件下で活性と耐久性とを兼ね備えた触媒であれば、いずれも使用することができる。例えば、チタン、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、セリウム、タングステン、銅、銀、金、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウムおよびイリジウムから選ばれる少なくとも1種の元素の金属および/または化合物、および/または活性炭を含有する触媒を挙げることができる。ここでいう活性炭とは、通常の活性炭の他活性炭素繊維なども含む。なかでも特に、次の触媒A成分と触媒B成分とを含有する固体触媒が好適に用いられる。ここで触媒A成分とは、鉄、チタン、ケイ素、アルミニウムおよびジルコニウムから選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物、または活性炭であり、また触媒B成分とは、マンガン、コバルト、ニッケル、セリウム、タングステン、銅、銀、金、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウムおよびイリジウムから選ばれる少なくとも1種の元素の金属および/または化合物である。
触媒A成分の具体例としては、チタン酸化物、鉄酸化物、ジルコニウム酸化物などの金属酸化物、チタン酸化物−ジルコニウム酸化物、チタン酸化物−鉄酸化物などの2元または多元系酸化物(複合酸化物も含む)の他に、活性炭、もしくは金属酸化物と活性炭の混合物などを挙げることができる。触媒A成分の固体触媒に占める割合は、30〜99.95重量%の範囲が好ましく、触媒A成分を30重量%以上の割合で用いることにより、固体触媒の耐久性が向上する。
触媒B成分の具体例としては、前記元素の金属、酸化物および複合酸化物を挙げることができる。固体触媒中の触媒B成分の割合は0.05〜70重量%とするのが好ましく、その割合を0.05重量%とすることにより、排水中の被酸化性物質を十分に酸化および/または分解処理することが可能となる。なお、前記元素のうち、銀、金、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウムおよびイリジウム(以下、「B−1成分」という)の場合には、その金属および/または化合物の割合(合計量)は固体触媒の0.05〜10重量%とするのがよい。10重量%を超える割合で使用しても、それに相応した処理性能の向上は認められず、かえって高価な原料であるがために、固体触媒のコストアップとなって経済的に不利となる。そのほかの、マンガン、コバルト、ニッケル、セリウム、タングステンおよび銅(以下、「B−2成分」という)の場合には、その金属および/または化合物の割合(合計量)は固体触媒の0.05〜70重量%とするのがよい。もちろん、合計量が0.05〜70重量%の範囲において、B−1成分とB−2成分とをそれぞれ0.05〜10重量%および0.05〜70重量%の範囲で組み合わせて用いることもできる。
固体触媒は、触媒B成分として、B−1成分を含有している場合が特に触媒活性が高く、効果的である。特に、B−1成分の中でも、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウムおよびイリジウムから選ばれる少なくとも1種の元素の金属および/または化合物を含有している場合は触媒活性が高く好ましい。B−2成分の中では、マンガン、コバルト、ニッケルおよび銅が好適に用いられる。
触媒の形状については特に制限はなく、例えば粒状、球状、ペレット状、サドル状、ハニカム状およびリング状のいずれでもよい。ペレット状の場合、断面が円形であるものの他、楕円形、多角形、三葉形、四葉形等任意の形のものを用いることができる。当該形長は相当直径で0.5〜15mm、好ましくは1.0〜10mmである。
当該反応塔の全触媒幾何学表面積は、200〜10000mであり、好ましくは300〜7500mであり、200m未満であれば触媒と被酸化性物質の接触効率が悪く、十分な処理性能が得られなくなる。また、10000mを超える場合には、触媒層の圧力損失が増加し、排水中に懸濁物が含まれている場合には触媒層で閉塞が生じる場合がある。
なお、幾何学表面積は、各触媒形状の寸法より算出させる表面積である。例えば、触媒が半径(r)球体であれば触媒1粒子当たりの幾何学表面積は4πrであり、当該幾何学表面積に反応塔内の触媒粒子の数を乗することで算出することができる。完全な球ではないときは相当直径を用いることで算出することできる。以下同様にして算術的に求めることができる。また、触媒粒子の個数は、反応塔に投入した触媒重量を、予め測定した任意の粒子数の重量で除すれば求めることができる。
触媒の比表面積(BET表面積)は10〜2000m/gであり、好ましくは30〜1500m/gである。10m/g未満であれば触媒に対して被酸化性物質が吸着しにくくなるため、処理性能が低くなる。また、2000m/gを超える場合には触媒の機械的強度が低下する問題を生じる。
当該触媒粒子の平均粒子径は1〜10mmであり、好ましくは2〜7mmである。1mm未満であれば、触媒層の圧力損失が増加し、排水中に懸濁物が含まれている場合には触媒層で閉塞が生じる場合がある。また、10mmを超える場合には所望の幾何学的表面積がとれず排水との接触効率が低下する。
当該触媒は、触媒成分として活性炭を含有することが好ましい。この活性炭の種類については、特に限定されるものではなく、例えば、木炭、ヤシガラ炭、石炭、コークス、ピート、リグナイト、ピッチなどを原料とするものが挙げられ、また、アクリロニトリル系活性炭素繊維やフェノール系活性炭素繊維、セルロース系活性炭素繊維、ピッチ系活性炭素繊維などの炭素繊維系の活性炭であってもよい。
また、当該排水の流れに対して当該触媒の前方に分散層および希釈層を設けることもできる。本発明に係る分散層は以下に示すものであることが好ましい。当該分散層の成分は当該排水に含まれる被酸化性物質に対して不活性であるもの(以下、「不活性物」という)である。不活性とは、被酸化性物質を酸化しないか、酸化しても分解層全体で排水中の被酸化性物質を5%以下、好ましくは2%以下酸化するものをいう。不活性物は、気液の撹拌および接触効率を向上させ、また気液の偏流を低減することができるものであれば、材質、種類、大きさなどについて特に限定されるものではなく種々の不活性物を用いることができる。不活性物の材質の例としては、例えばステンレスやハステロイ,インコネル,チタンなどの金属;鉄,チタン,ケイ素,アルミニウムおよびジルコニウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種以上を含む酸化物,又は1種以上を含む多元系酸化物(複合酸化物も含む)などの金属酸化物;あるいはセラミック;ガラス;樹脂などが挙げられる。また、充填材の種類の例としては、例えばペレット状、球状、粒状、リング状(ラシヒリング、レッシングリング、ボールリングなど)、ハニカム状、網状、網や板を織物構造に成形したものなどが挙げられる。充填物の大きさについても特に限定されるものではないが、ペレット状、球状、粒状、リング状の充填材の場合、3mm〜50mmのものが好ましい。
不活性物の比表面積は1〜200m/gであり、好ましくは20〜100m/gである。1m/g未満であれば排水の分散性が悪くなり、希釈効果が十分に得られなくなる。また、200m/gを超える場合には排水中の被酸化性物質が希釈物に吸着しやすくなり、触媒と被酸化性物質の接触効率が低下する。
本発明に係る希釈層は、本発明の効果を有するものであれば何れのものであっても良い(なお、当該希釈層に充填されたものの総称として希釈物と称することもある)。当該希釈層に用いられる触媒成分は、本発明に係る触媒成分の組合せより任意に選択することができ、触媒層の触媒成分と希釈層の触媒成分とが同一でも異なっていても良い。
また、希釈とは、触媒層中の触媒成分濃度に比べ希釈層の触媒成分の濃度が低いかまたは触媒成分の活性が低いことをいう。触媒成分の濃度が低いときは、触媒層の触媒成分濃度に比べ希釈層の触媒成分濃度は10〜80%、好ましくは30〜60%である。本発明の希釈層は、触媒層入口部において反応が急激に生じて、温度制御が困難になったり触媒性能が低下したりすることを抑制するために設けるが、希釈層の触媒成分濃度が10%未満であればその効果が十分に得られない場合が多い。また、80%を超えるときは、希釈層での反応がほとんど進まないため、その効果が十分に得られない場合が多い。触媒成分の活性が低いとは、排水中の被酸化性物質に対する触媒層の触媒活性に比べ希釈層の触媒活性が10〜80%、好ましくは30〜60%である。
当該希釈の方法は当該触媒と不活性物とを混合すること、または触媒成分を不活性物に担持、被覆する方法を用いることができる。
希釈物の比表面積は1〜200m/gであり、好ましくは20〜100m/gである。1m/g未満であれば排水の分散性が悪くなり、希釈効果が十分に得られなくなる。また、200m/gを超える場合には排水中の被酸化性物質が希釈物に吸着しやすくなり、触媒と被酸化性物質の接触効率が低下する。
分散層、希釈層および触媒層の体積は、当該触媒層の体積1に対して、分散層の体積が0.06〜0.6、希釈層の体積が0.2〜0.5であり、好ましくは、分散層の体積が0.1〜0.5、希釈層の体積が0.25〜0.4である。分散層の体積が0.06未満であれば分散層における反応塔断面方向への液の拡散が不十分となり、0.6を超えるときは有効に利用されない分散材が増加するだけになる。また希釈層の体積が0.2未満であれば触媒層入口部における急激な反応を緩和する効果が不十分となり、0.5を超えるときは、反応塔のサイズが無駄に大きくなりすぎるだけとなる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明の効果を奏するものであれば本実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図1に示した装置を使用して、下記条件で処理を行った。反応塔1は直径600mmφ、長さ5000mmの円筒状であり、その内部に、活性炭と白金、パラジウムおよびルテニウムを主成分とし、白金0.12質量%,パラジウム0.5質量%,ルテニウム0.1質量%を含有する平均直径5mm,平均長さ6mmのペレット状触媒を2350mm充填した。充填した触媒の嵩比重は1.1g/ミリリットルであり、このときの触媒の幾何学的表面積は500mであった。
処理に供した排水は、化学プラントから排出された排水であり、アルコール等の化合物を含有し、COD(Cr)濃度は15000mg/リットルであった。該排水には硫酸ナトリウムが8.1質量%含有されていた。
該排水を排水供給ポンプ5によって700リットル/hrの流量で昇圧フィードした後、加熱器3で120℃に加熱し、反応塔1の上部より下向流方式で供給した。また、空気を酸素含有ガス供給ライン8より導入し、コンプレッサー7で昇圧した後、35mN/hrの流量で加熱器3の上流側で排水に混合させた。このときのD値は1.0に相当するものであった。
反応塔1では、電気ヒーター2を用いて130℃に保温し、触媒湿式酸化処理を行った。反応塔1の触媒層より上流側には気液分散器を設置し、反応塔の断面方向にほぼ均一に液を分散できるようにした。このときの触媒濡れ液量は、K=2.5であった。処理液は、冷却器4で30℃まで冷却した後、圧力制御弁12から解圧排出し、気液分離器11で気液分離した。このとき圧力制御弁12は、圧力コントローラーPCで圧力を検出し、反応塔1内が0.5MPa(Gauge)の圧力を保持するように制御した。
100時間経過後に処理水のCOD(Cr)濃度を測定し、COD(Cr)処理効率を算出した結果、96%であった。以後、開始から3000時間経過するまで処理を継続したが、3000時間経過後、処理性能の低下はほとんど見られず、COD(Cr)処理効率は95%であった。
(実施例2)
反応塔1の内部に上から順に分散層,希釈層,触媒層をそれぞれ600mm,700mm,2100mm設けた。分散層には不活性物として直径5mmのチタニアペレットを充填し、希釈層には不活性物と触媒を1:1の体積比で混合したものを充填した。これ以外は実施例1と同様の処理を行った。
100時間経過後に処理水のCOD(Cr)濃度を測定し、COD(Cr)処理効率を算出した結果、97%であった。以後、開始から3000時間経過するまで処理を継続したが、3000時間経過後、処理性能の低下は特に見られず、COD(Cr)処理効率は97%であった。
(比較例1)
反応塔1として、直径1500mmφ、長さ5000mmの円筒状のものを用い、その内部に実施例1と同じ触媒を400mm充填した。これ以外は実施例1と同様の処理を行った。このときの触媒濡れ液量は、K=0.4であった。
100時間経過後に処理水のCOD(Cr)濃度を測定し、COD(Cr)処理効率を算出した結果、87%であった。以後、処理を継続したが、約400時間経過後に処理水中に触媒の粉末の流出が確認された。このため、処理を中断し、反応塔1を開放して確認したところ、触媒層上部側(入口側)の一部が乾燥して表面に硫酸ナトリウムを主成分とする固形物が析出していることが確認され、かつ触媒の形状が崩壊して触媒量が減少している部分が見られた。
本発明は排水の処理に用いることができる。特に排水と処理用ガスとは垂直置きで下向流となる反応器、つまりガスと液が偏流を生じやすい反応器に用いることができる。
実施例1に用いる装置図である。
符号の説明
1.反応塔
2.電気ヒーター
3.加熱器
4.冷却器
5.排水供給ポンプ
6.排水供給ライン
7.コンプレッサー
8.酸素含有ガス供給ライン
9.酸素含有ガス流量調節弁
10.処理液ライン
11.気液分離器
12.圧力調節弁
13.ガス排出ライン
14.処理液排出ポンプ
15.処理液排出ライン
16.酸素濃度計

Claims (7)

  1. 下記式1で示される触媒濡れ液量(K)が0.5〜5の範囲で排水を酸素含有ガスと共に固体触媒充填気液下向流反応塔に導入することを特徴とする排水の処理方法。
    Figure 2008207103
  2. 当該反応塔の充填層長が1m〜30mであることを特徴とする請求項1記載の処理方法。
  3. 当該反応塔の全触媒幾何学表面積が250〜7500mであることを特徴とする請求項1記載の処理方法。
  4. 当該触媒の平均粒子径が1〜10mmであることを特徴とする請求項1記載の処理方法。
  5. 当該排水の導入量が0.5〜12.5m/hrかつ当該酸素含有ガスの導入量が、[供給酸素含有ガス中の酸素量]/[排水の処理効率が最大となるときの排水の酸素消費量]=0.8〜1.3倍の範囲内であることを特徴とする請求項1記載の処理方法。
  6. 当該触媒が触媒成分として活性炭を含有していることを特徴とする請求項1記載の処理方法。
  7. 当該排水の流れに対して当該触媒の前方に分散層および希釈層を設けることを特徴とする請求項1記載の処理方法。
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JP2018153728A (ja) * 2017-03-15 2018-10-04 株式会社日本触媒 排水の処理装置

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