JP2015084347A - イオン又は後にイオン化される中性粒子を試料から検出する方法、質量分析計、及びその使用 - Google Patents

イオン又は後にイオン化される中性粒子を試料から検出する方法、質量分析計、及びその使用 Download PDF

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Abstract

【課題】イオン又は後にイオン化される中性粒子を試料から検出する方法、質量分析計、及びその使用に関する。
【解決手段】イオンがパルス方向に沿ってイオン質量毎に離間するように配置された第1パルス化イオンビームを分析するための飛行時間型質量分析計を操作する方法であって、少なくとも1つの個々の所定のイオン質量又は少なくとも1つの所定のイオン質量範囲のイオンを、少なくとも1つの分離されたイオンビームとして第1パルス化イオンビームから分離し、前記少なくとも1つの分離されたイオンビームの強度又は第1イオンビームの強度を分離後に減衰し、前記少なくとも1つの分離されたイオンビームを第1イオンビームとは別に分析するように、第1イオンビームと少なくとも1つの分離されたイオンビームを分析し、1つのイオンビーム、複数のイオンビーム、又は全てのイオンビームの分析を、単一粒子検出によって行う。
【選択図】図2

Description

本発明は、イオン又は後にイオン化される中性粒子を試料から検出する方法、質量分析計、及びその使用に関する。
このタイプの方法及び質量分析計は特に、固体、液体、及び/又は気体の試料の化学組成を決定するのに必要とされる。
質量分析計は固体、液体、及び気体の試料の化学組成を決定する際に、幅広く適用される。化学元素及び化学化合物の両方、さらに元素及び化合物の混合物は、質量電荷比(m/q)を決定することによって検出することができる。なお、質量電荷比については以下便宜上質量と称する。質量分析計は、イオン源、質量分析計、及びイオン検出器から成る。質量分析計には多様な種類があるが、それらの中でもとりわけ、飛行時間型質量分析計、四重極質量分析計、磁場型質量分析計、イオントラップ型質量分析計、さらにこれらのタイプの分析計を組み合わせたものがある。イオン生成は、分析される試料のタイプに応じて、多くの方法によって行われるので、これら方法の全てを本明細書中に記載することはできない。気相でのイオン化には、例えば電子衝撃イオン化(EI)、化学イオン化(CI)、プラズマイオン化(ICP)等が使用され、液体の場合には、とりわけエレクトロスプレーイオン化(ESI)、固体の場合にはとりわけ、レーザ脱離(LD、マトリックス支援レーザ脱離(MALDI))、原子一次イオン若しくはクラスタイオンによる脱離(SIMS)、電解脱離(FD)等の脱離法がある。脱離した中性粒子はその後、電子、光子、又はプラズマによってイオン化された後、質量分析計(SNMS)によって分析される。
図1は、イオン源1、飛行時間型分析計2、検出器/信号増幅器3、及び電子記録部4を有するこのタイプの飛行時間型分析計を示している。イオンビーム11を飛行時間型分析計に通過させ、質量の異なるイオン11’、11''、11'''が周期的に飛行時間型分析計2を通過する。
この飛行時間型分析計では、イオン11’、11''、11'''をイオン源1から導出した後、一般的には同一エネルギーに加速させる。その後飛行時間型分析計2内におけるイオンの飛行時間を、所定の飛行距離で測定する。スタート時間はイオン源自体で適切にパルスを発するか、あるいは飛行時間型分析計2へのパルス化入力によって定める。信号増幅機能付きの高速イオン検出器3と高速電子記録部4によってイオンの到着時間を測定する。
飛行時間型分析計における飛行時間は、イオンエネルギーが同一である場合には質量の累乗根に比例する。イオンミラー(リフレクトロン)あるいは静電場等の適切なイオン光学素子によって、飛行時間に対するイオンの異なる開始エネルギー又は開始位置を補償することで、飛行時間測定は高い質量分解能(質量差の非常に小さいイオン同士の分離)と高い質量精度を可能にする。他の質量分析計に対する飛行時間型分析計の本質的な利点は、イオン源から導出される全ての質量を並列に検出することと、極めて高い質量範囲にある。検出可能な最も高い質量は電子記録部が検出する最大飛行時間から生成される。
一つの測定における異なる質量の相対的な強度は、高速イオン検出器のパルス応答のレベルから決定することができる。しかし、一般には、単一の飛行時間測定の結果を評価するのではなく、ダイナミクスと強度決定の精度を高めるために、何回ものサイクルにわたる事象が統合される。飛行時間型分析計の寸法と記録する最高の質量に応じて、これらのサイクルの最大周波数は数kHzから数十kHzとなる。よって、例えば2keVのイオンエネルギー、典型的な2メートルの飛行距離、周波数10kHzでは、最大質量約960uが生成される。周波数を2倍にすると質量範囲が4分の1の約240uとなる。
M/ΔM=10,000という高質量分解能に必要なのは、エネルギー及び空間収束のための分析計の適切な形状だけではない。イオン検出器と電子記録部によって1乃至5ns(M/ΔM=0.5×t/Δt)の範囲の非常に高い時間分解能が可能となる場合にのみ達成することができる。特に、飛行時間tが比較的短い非常に低質量Mの場合には、時間分解能Δtは1nsより高くなければならない。
イオン検出器は、高い感度に対しては、単一イオンの検出を可能にするべきである。このために、イオンは適切な検出器の表面上でのイオン誘起電子放出によって電子に換えられ、電子信号は高速電子増倍管によって典型的には6乃至7桁増幅される。分離する可能性があるため、高速のシンチレータによって電子を光子に変換した後、高速の光電子増倍管によって光子信号を増幅する構成も一部で使用される。生成されたパルスを高速電子記録部によって評価し、イオンの到着時間を1nsから数100psまでの精度で決定する。このために、イオン検出器における増幅は、出力パルスが可能な限り短いパルス時間を有するように、そして増幅プロセスにおける飛行時間の変動を最小にするように行わなければならない。従って飛行時間型質量分析計では、マイクロチャネルプレート(MCP)を使用することが非常に多いが、これは平坦な検出器表面と、1nsの範囲のパルス幅を有する特に高速のパルス応答とによって区別される。一般的に単一のMCPの増幅では十分でないため、典型的には2つのMCPを連続させた構成や、1つのMCPがシンチレータ及び光電子増倍管を有する構成を使用して、全体として10乃至10の増幅を達成する。さらに、例えば離散ダイノード等の他のタイプの電子増倍管も使用される。
ダイナミックレンジは質量分析計を使用する場合に非常に重要なものである。記録できる最大信号に対する最小信号の比率についてここで述べる。信号が大きすぎる場合、強度は検出器あるいは記録の飽和効果の結果として正確に測定されない(飽和限界)。信号が小さすぎる場合には、信号をノイズあるいはバックグラウンドから分離することができない。飛行時間型分析計のダイナミックレンジは本質的に検出器および記録方法によって決定される。ダイナミックレンジが非常に小さい場合には、パルス化イオン源から導出した強度を、ダイナミックレンジに非常に正確に適合させなければならない。最大強度は飽和限界未満であるべきである。ダイナミックレンジは、飛行時間型質量分析計の検出限界を直接決定する。ダイナミックレンジ内では、同位体分布及び相対濃度等の相対強度を正確に決定できるよう、強度の測定は可能な限り正確でなければならない。
飛行時間型質量分析計で非常によく使用される記録のタイプは、時間デジタル変換器(TDC)による単一粒子計数法に基づくものである。検出器は弁別閾値を超える出力パルスを各検出イオンに送り、例えば一定比率の原則に従って検出器のパルス応答から正確な到着時間を決定する。この方法により、約100psという非常に高い時間分解能で飛行時間を測定することができる。イオン検出の直後には、数nsから数十nsのむだ時間が生じる。このむだ時間の間にさらなるイオンを検出することは不可能である。従ってこのタイプの記録は比較的低い計数率に対してのみ適している。多くのサイクルにわたって単一粒子事象を蓄積することにより、到着時間のヒストグラムを生成することができ、十分なダイナミクスを備えた異なる質量の強度が提供される。周波数が10kHzである場合には、最も強い質量線(ピーク)において約10個のイオンを100秒(10サイクル)で記録することができる。最高ピークにおける1つのイオン検出のための10%の周波数の場合には、記録のむだ時間内に到着する第2のイオンの可能性は、数パーセント程度と依然として比較的低い。一方、より高い計数率では、多数のイオン事象の可能性がかなり高くなる。記録部はイオン事象が複数の場合にも、それぞれ1つずつの事象のみを記録するため、関連するピーク(飽和)において数えられるイオンの数は非常に少なくなる。これでは、相対的なピーク強度が著しく変わってしまう。複数のイオン事象の発生によるこれらの飽和効果は、以下ポアソン補正と称する統計的補正を使用することによって減少できる(非特許文献1)。最も強いピークに対する十分な測定精度は、約80%の周波数までポアソン補正によって達成することができる。これは、約1.6という入射イオンの平均数にほぼ相当する。統計上の測定誤差は10サイクルの場合には約0.12%である。
1質量及び1サイクルあたり約1イオンより高い計数率は一般に、ポアソン補正を用いても、単一粒子計数法において十分な精度で測定することができない。この飽和限界は特定の周波数と測定時間に対する飛行時間型質量分析計の最大可能ダイナミックレンジを決定する。このタイプの動作におけるダイナミクスは、サイクル数を増やすとともに、これに対応して測定時間を延長することによってのみ改善することができる。
1サイクル及び1質量線あたり複数のイオンを同時に記録できれば、計数率を高めることができる。幾つもの技術が開発されたが、これらの一部のみを以下で説明することができる。一部の技術は、例えば特許文献1に記載されている。
TDC記録を用いる単一粒子計数法における複数の独立した検出器は、並列に接続することができる。すべての検出器を一様に照射する場合には、各検出器が検出できるのは1サイクルにつき最大で1つのイオンである。検出器の数とともに技術的な複雑さが大幅に増すため、並列に使用するのは、典型的には少数の検出器のみである。それゆえ、ダイナミックレンジの増大は10倍未満であるのが一般的である。異なる検出器は、同一の検出器表面を備えても、異なる検出器表面を備えてもよい。
並列に配置した複数の検出器を用いる代わりに、イオン検出器のパルス振幅を測定し、このパルス振幅から同時に到着するイオンの数を決定するという記録を用いることができる。このためには、高いサンプリング率とGHz範囲の帯域幅を有する高速アナログデジタル変換器(ADC)を使用する。典型的には、数GHzまでのそれぞれの帯域幅におけるダイナミクスは、約8乃至10ビットである。しかし、単一イオンに対するMCPを備える典型的なイオン検出器のパルス応答は一般に、比較的広いパルス高分布を有するものである。高い検出確率を確保するには十分に高い割合の単一粒子パルスがADCのノイズレベル(最も低いビット)を大きく上回っている必要があるため、ADCのダイナミックレンジのかなりの部分がすでに比較的少数のイオンに対して使用されている。ADCの飽和を回避すると共に、低いピーク強度(単一イオン)の識別を低いまま維持するには、検出器の増幅を非常に注意深く選択しなければならない。ADCのノイズ(最も低いビット)を抑えるために、適切な閾値を定め、この閾値未満の信号は多数回の照射にわたるデータの統合中には考慮しない。単一イオンの一部をこのように抑えると、単一イオン検出から複数イオン検出への遷移領域における記録が非線形的になる。実際、検出器と記録を注意深く補正すれば、これに対応して強度を修正することができる。しかし、強度測定の高い精度は、このような構成では大変な困難を伴ってのみ達成できる。よって1%を超える精度で大きい強度比を測定することは不可能である。
ダイナミックレンジは異なる振幅測定範囲を有する2つのADCを並列に使用することによって、拡大することができる。単一イオンと低強度を記録するADCが飽和した場合には、第2のADCで高い信号を検出する。両方の測定結果を適切に組み合わせて1つのスペクトルを形成しなければならない。このようにしてダイナミクスは約12ビットまで向上させることができる。このように、1つの質量において1サイクルあたり最大で数百イオンを検出することができる。しかし、このように強度が高いとMCPの飽和効果をもたらすため、高速MCP検出器を使用した場合の強度測定の精度はさほど高くない。MCPの出力電流は、増幅が十分に高い場合には、もはや入力電流に対して十分に比例しない。さらに、MCP検出器の寿命は、このように計数率が高い場合には大幅に短くなり、検出されるイオンの数とともに増幅が減少する。ADCによる方法の更なる欠点は、従来のTCD記録と比較して、検出器とADCの時間分解能が低下することである。さらに、GHz範囲において、そして約10kHzのショット周波数でADCを使用する場合には、極めて高いデータ処理速度が必要である。従って、これらの記録システムにおける技術的複雑さは非常に高い。
飛行時間型質量分析計の多くの使用においては、非常に高いダイナミクスと非常に高い精度で様々な質量の強度を測定しなければならない。
例えば、これは同位体存在度が大きく異なる要素同士の同位体比を測定する場合にあてはまる。例えば酸素の同位体16O/18Oの相対度数は約487である。TDCの記録を用いる単一粒子計数法を使用し、ポアソン補正によって信号を修正する場合に、最大で約1×10のタイプ16Oのイオンを10サイクルで記録することができる。このためには、主な同位体の強度をこれに対応して最適化しなければならない。同時に測定した同位体18Oの強度は約2,055イオンにすぎない。そのため、18Oの統計的誤差はなお2.2%である。統計的誤差を約0.1%に減少させるためには、サイクル数を500倍の5×1018にする必要がある。典型的な周波数10kHzの場合、統計的精度0.1%に対して測定時間を計算すると、約14時間になる。例えば、238U/235U、14N/15N、12C/13C等のその他の重要な同位体比を高い統計的精度で決定する際にも、約10時間という長い測定時間となる。
ppm又はppbの範囲において痕跡を検出することにおいても同様の問題が示される。主な要素の質量線の強度は、単一粒子計数法の飽和限界未満とすべきであるが(ポアソン補正を用いた場合には1サイクルあたり約1イオン)、濃度が低い場合には、適切な統計的精度のために、十分な信号を集積しなければならない。1ppmの検出限界で統計的精度が1%とするためには、約1010のサイクルが必要であるため、測定時間は約50時間になる(20kHzの周波数を想定している)。約10%の統計精度で10ppbの検出の場合には、ほぼ同等の測定サイクル数が必要である。
他の重要なタイプの動作の場合には、強度測定に対して非常に短い測定時間のみを使用することが多い。よって、数秒の範囲の時間分解能で時間的に頻繁に変化する強度を測定しなければならない。これに対応して、この時間間隔の測定サイクルの数は、わずか約10である。従って、この時間間隔に対する質量分析計におけるダイナミクスはほぼ4桁乃至5桁に減少する。従って、10秒の測定時間での検出限界は、主な要素の強度を最適に適応した場合でも、約1ppmをはるかに上回る。1,000ppmを超える場合にのみ約10%の統計的精度が得られる。
分布マップを測定する質量分析計の場合には、一般に多数のピクセルに対して強度を測定しなければならない。1時間と比較的測定時間が長く、画素数256×256個、周波数20kHzの場合には、1画素あたりの蓄積される測定サイクルは1,100のみである。例えば16O/18Oのような、同位体存在度の非常に異なる同位体に対する分布画像を同時に測定することは、単一粒子計数法では不可能である。濃度の非常に異なる質量同士の分布マップの測定にも同様のことが当てはまる。
米国特許第7,265,346B2 T.ステファン(T.Stephan)、J.ツェンフェニング(J.Zehnpfenning)、A.ベニングホーフェン(A.Benninghoven)著、「ジャーナル・オブ・バキューム・サイエンス・アンド・テクノロジーA(Journal of Vacuum Science&Technology A)」、1992年、第12号、405頁)
背景技術で述べた問題を軽減又は改善するために、本発明の目的は、飛行時間型質量分析計を動作させる方法と、飛行時間型質量分析計と、その使用を可能にすることであり、これらにおいては、精度が非常に高い場合、詳細には時間的に強度が変化する場合に、測定のダイナミックレンジを改善することができ、分布マップの測定においてppm又はppbの範囲において痕跡検出を行うことができる。さらに本発明による方法と本発明による質量分析計は、特に単一粒子計数法においてTDCを用いて記録する場合に高い時間分解能を有するよう意図したものである。さらに、使用するイオン検出器の高い強度での負荷を軽減して寿命を延ばすことを意図し、全体として本発明の方法又は質量分析計の技術的複雑さとコストを低下させる又は低く抑えることを意図している。
この目的は、請求項1に記載の方法と、請求項14に記載の質量分析計と、請求項18に記載のその使用とによって達成される。本発明による方法と本発明による飛行時間型質量分析計の有利な発展は、各従属請求項に示されている。
飛行時間型質量分析計を操作する本発明による方法は、第1パルス化イオンビームの分析に使用し、前記ビームのイオンはイオン質量毎に離間されて、パルス方向に沿って並んでいる。このような個々のイオン質量ごとのイオンの離間は、前述のように、まずイオン源からイオンを導出し、その後一般的に同一エネルギーに加速させるようにして行う。質量の関数として異なる速度を生成すると、その結果イオンはイオンパルス内でそれぞれの質量毎に互いに離間される。
本発明によれば、少なくとも1つの個々の所定のイオン質量又は少なくとも1つの所定のイオン質量範囲のイオンをかかるイオンパルスから分離する。この分離されたイオンビームを、元のイオンビームと同じようにその後分析する。
異なる感度の検出器を用いて、分離されたイオンビームの強度又は元のイオンビームの強度を分析することが可能である。従って、例えば第1イオンビームにおいて低強度の質量範囲又は質量のイオンのみを、高感度の検出器を用いて分析し、前記第1イオンビームから高強度の質量範囲又は質量のイオンを分離して、これらについては低感度の検出器を用いて分析することが可能である。逆に、当然のことながら、低強度質量範囲又は質量のイオンを第1イオンビームから分離して、第1イオンビームを低感度の検出器で測定し、分離されたイオンは高感度の検出器で測定することもできる。
高強度の質量領域又は質量を含むビームをフィルタまたは他の適切な装置で減衰し、分離されたイオンをその後、元のイオンビームと再結合できるようにしたことで、さらなる可能性が生じる。イオンビームを再結合するとは、検出器の前で両者を結合させて1つのビームとすることで、再結合したビームが検出器に行きつくようにする、あるいは個々のビームを同一の検出器に送ることによって、前記検出器が1つの再結合されたイオンビームのみを検出することを意味している。
1つの質量範囲又は1つの質量のイオンを分離することができるだけでなく、複数の範囲又は複数の質量のイオンを分離することもできる。これは、適切にパルス化した単一のビームスイッチによって、あるいは複数のビームスイッチによっても行うことができる。様々な方向に偏向することのできるパルス化ビームスイッチを使用してもよく、この場合には異なる質量又は異なる質量範囲のイオンが、このビームスイッチによって様々な方向に偏向される。
分離された異なるイオンビームを生成した場合、適切な感度を有する適切な検出器によってこれらを部分的に又は完全に分析する、あるいは部分的に又は完全に元のイオンビームと再結合させて同一の検出器で分析することが可能である。
個々のイオンビームを結合させる際には、生成した共通のビーム内で異なる質量のイオン同士が再び互いに離間するよう配置される又は移動するように注意しなければならない。分離していた前記イオンビームのイオンを、前記第1イオンビームと再度結合させる場合には、その質量に対応した前記第1イオンビーム中の位置に挿入されるのが有利であるが、絶対的に必要なことではない。例えば、前記第1イオンビームパルスの始点や終点等のその他の位置に加えることもできる。だたし、前記第1パルス化イオンビームにおけるそれらの質量に対応した位置にイオンを挿入するのが、一般的である。
質量分析計の入口では、元のイオンビームの、異なる質量のイオンからなる種々のイオンビームへの分離は、測定サイクルを介して常に行うことができるだけでなく、絶えず変更/調整することもできる。このために、例えば測定の開始時に、いくつかのイオンビームパルスを測定し、分析するイオンの強度が境界値を超える質量を決定することが可能である。その後、これらのイオンを、パルス化スイッチ等によって分離することができる。これらの分離されたイオンの強度が再び前記境界値未満となった場合には、分離を再度中止することもできる。これに対応して、測定中に他の質量又は質量範囲のイオン強度が所定の境界値を超えた場合にはすぐに、これら他の質量又は質量範囲のイオンを分離することができる。
よって、強度の調査は測定の開始時に行ってもよいし、連続的に規則的な、及び/又は不規則な間隔で行ってもよく、あるいは時折のみ行うようにしてもよい。
本発明による方法は、単一粒子計数法によって、詳細には時間デジタル変換器(TDC変換器)によってイオンの分析を行う場合に、特に有利に使用することができる。特に、複数粒子記録にはアナログデジタル変換器(A−D変換器)の使用が適している。
本発明による飛行時間型質量分析計は、本発明によれば、少なくとも1つの特定の質量又は少なくとも1つの特定の質量範囲のイオンを第1パルス化イオンビームから偏向させるのに適した、少なくとも1つのビームスイッチを有する。さらに、前記飛行時間型質量分析計は、第1の変形例では、前記第1イオンビームを分析する第1検出器と、分離されたイオンを分析する少なくとも1つの更なる検出器とを有する。前記更なる検出器は前記第1検出器とは異なる感度、例えば高強度のイオンが検出される質量又は質量範囲を分析するための低い感度、あるいは低強度のイオンが検出される質量又は質量範囲を分析するための高い感度を有することができる。
また別の変形例では、前記飛行時間型質量分析計は1つの質量又は1つの質量範囲のイオンの強度を減衰することのできる、少なくとも1つの装置を有する。このタイプの減衰装置としては、回折格子、スクリーン、イオン光学素子、例えば、静電レンズ等の電圧制御型イオン光学素子、フィルタ、特にフィルタによる減衰を機械素子若しくは電気素子によって調整することができるものが適している。また、一部の範囲のみ偏向させて、その他の範囲については偏向させずに通過させるブラッドバリー−ニールセンシャッタの変形物も使用可能である。この変形例では、分離され場合によっては減衰されたイオンビームを前記第1イオンビームと再度結合させるために、更に装置を設けることもできる。
上記の変形例の両方を組み合わせてもよく、分離された異なるイオンビームを、例えば別個の検出器によって又は減衰した後で別々に分析し、第1イオンビームと再結合してもよい。
異なる質量又は質量範囲の2つの異なる分離されたイオンビームを、そのうちの1つを減衰した後に再結合させて、別個の検出器で検出することも考えられる。
本発明によれば、感度毎に異なる検出器を使用することによって、及び/又は減衰せずには単一粒子計数法を使用できない質量範囲又は質量におけるイオンの強度を低下/減衰させることによって、パルス化イオンビームの強度の高ダイナミックレンジにおける検出器の飽和を回避することができる。
前記境界値は、約1イオン/1イオンビームバルスであるが、これは、1イオン/1パルスを超えると、むだ時間内に複数粒子事象が発生するため、ポアソン補正を用いても単一粒子計数法ではこの質量又はこの質量範囲のイオンの正確な計数を行うことができないためである。
本発明による方法では、時間分解能の高さと技術的複雑さの低さを両立させて、高精度かつ高直線性で測定を行うことが可能である。詳細には、TDC記録を行う単一粒子計数法を使用することができる。
このように本発明では、1つの質量範囲内で又は1つの所定の質量において、あるいはこの質量線の強度を1イオン/イオンパルス以下の強度まで低下させることにより、単一粒子計数法においても定量的に1つの決められた質量で、例えば最大100イオン/イオンパルスの強度の検出を行うことが可能である。本発明はまた、1つの測定サイクル中にかかる質量線を可変的に減衰することを可能とするが、高強度の質量のみを偏向させて強度を低下させる、又は別個に分析を行い、残り全ての質量については偏向させることなく対応する検出器へと通過させるように、ビームスイッチをパルス化する。前記単一粒子計数法で記録したかかるスペクトルは、個々の分析結果をまとめたもので、減衰なしの質量線と、減衰ありの質量線を含む。パルス化ビームスイッチの一時的な作動から、前記飛行時間型質量分析計のどの時間窓に対して、そしてどの質量に対して減衰が行われたかが分かる。従って、例えば100といった減衰係数に対応する正確なスペクトルを生成するために、これらの質量線の強度を増大させて、対応する質量又は対応する質量範囲の対応するイオンの実際の強度を再構築することができる。
本発明は、異なる減衰係数を有する追加的な軌道を使用するように構成することができる。例えば前記ビームスイッチは2つの異なる方向の偏向を行うことができ、得られた2つの軌道には、2つの異なる減衰係数を有するフィルタを使用することができる。偏向方向によって、前記単一粒子計数法の限界を超える強度を有する各質量線に対して、適切な減衰係数を選択することができる。これによって、ダイナミックレンジをさらに拡張することもできる。このように、例えば1サイクルあたり1,000イオンを有する極めて強い質量を、前記単一粒子計数法において係数1,000を用いた減衰により検出することができ、第2のフィルタユニットを使えば平均強度は係数√1,000?32で減少することができる。これらの2つの異なるフィルタを使用することによって、広いダイナミックレンジにわたって高い精度で強度測定を実行することができる。
追加的な減衰係数によって概念を発展させることも、本発明の範囲内で可能であろう。減衰の選択は、飛行時間型質量分析計の適用のタイプによって大きく異なる。また、極めて強い質量線を同時に記録することができるように、極めて大きい減衰係数を想定することもできる。これは例えば、ICP−MS等の10桁までの極度のダイナミックレンジを必要とする質量分析方法に適している。
高い直線性と時間分解能を有しつつダイナミックレンジを拡大する他に、本発明はまた検出器の寿命を延長する。単一イオンに対する強い質量線を減衰したことにより、検出器への負荷、摩耗、及び亀裂は単一粒子計数法における通常動作相当となる。
さらに本発明は、前記単一粒子計数法において単数又は複数のADC、又は複数の検出器を備える構成を用いた方法と比較して、記録の技術的複雑さを軽減する。前記単一粒子計数法においてTDCを用いる経済的な従来の方法をさらに使用することができる。追加的に必要なのは、前記パルス化ビームスイッチのみである。
前記単一粒子計数法の限界を上回る質量範囲の選択を手動で行うことができる。このために、まず非常に短いスペクトル記録を数百サイクルにわたって行わなければならない。それに対応した測定時間は0.1秒未満である。その後、1サイクルあたり0.7乃至0.8イオンを越える質量範囲を、減衰のために本発明に従って選択することができる。構成により複数の減衰係数が可能であれば、選択した質量範囲に対して最小の減衰をまず選択すべきである。その後、前記単一粒子計数法において記録することができるよう、より高度の減衰を行うことが必要な質量について、さらに短期のスペクトル記録によって確立することができる。
前記単一粒子計数法の限界を上回る質量線の選択を自動的に行うこともできる。質量線の強度が単一粒子計数限界を超えるとすぐに、対応する範囲が前記ビームスイッチによってフィルタを通るよう導かれる。更なる過程において計数率が0.7/減衰係数のレベル未満となった場合には、この質量線に対するフィルタリングを中止することができる。
また、前記ビームスイッチとフィルタリングの後で、両方のビーム経路をさらに離間させたままにして各ビーム経路に対して別個の検出器を用いるよう、本発明を変形することもできる。この場合にも、異なる検出器を前記単一粒子計数法において動作させることができる。その後データをまとめて1つのスペクトルを形成することができる。この変形例の1つの利点は、フィルタリング後のビームが元に戻るよう偏向させなくてもよいことである。ただし、第2の検出器によって技術的複雑さが若干増す。
本発明はまた、ADCを用いる記録にも使用することができる。ADCのダイナミックレンジは比較的限られている。極めて高い強度の場合、検出器は線形的な範囲で動作しない。すなわち、出力電流は入力における強度に比例しなくなる。前記線形的な範囲を超えた強度を減衰することによって、これらを再び線形範囲内に再結合させることができる。本発明によれば、最も高強度の質量線の減衰によって強度を低下させて、再びADCの記録範囲内とすることができる。減衰を行った質量範囲は分かるため、これらの範囲に減衰係数を乗算することによって、得られたスペクトルをその後再構築することができる。
本発明による方法と質量分析計の数例を以下に示す。
最先端技術による飛行時間型質量分析計の図である。 時間t(図2A)とt(図2B)におけるビームスイッチとフィルタを有する、本発明による飛行時間型質量分析計の図である。 質量分析計の入口において異なる強度で得られた飛行時間型(TOF)質量分析計のスペクトルの図であり、図3Aは最先端技術によって記録した強度を示し、図3Bは本発明によって記録し再構築した強度を示している。 固体表面のTOF−SIMSスペクトルから切り取ったものであり、先端技術による単一粒子計数法における低一次イオン電流によるスペクトルを示す図である。 固体表面のTOF−SIMSスペクトルから切り取ったものであり、本発明によって質量16のイオンの強度を減衰した後再構築したことにより増大した一次イオン電流によるスペクトルを示す図である。 複数のフィルタを有する本発明による更なる質量分析計を示す図である。 図6A及び図6Bに、複数の検出器を有する本発明による2つの更なる質量分析計を示す図である。
同一の要素又は対応する要素については、全ての図面において、同一又は対応する参照番号を使用する。従って、それらについての説明は、最初の説明の後では大幅に省略している。
以下に記載する本発明の例は、本発明の個々の態様又は幾つかの態様をそれぞれ示すものであるが、これらはそれぞれの例に示す組み合わせで使用できるばかりでなく、別の組み合わせで使用したり、互いに別個に使用したりしてもよい。従って以下の例は本発明の数例の実施形態を示したものにすぎない。
図2は、異なる時間t及びtにおける本発明による質量分析計をA図とB図で示すものである。
図2Aの質量分析計は、最先端技術による図1の質量分析計と同様に、イオン源1、飛行時間型分析計2、検出器及び信号増幅器3、並びに電子記録部4を有する。最先端技術と比較して、飛行時間型分析計2内にビームスイッチ5が追加配置されており、ビームスイッチ5はイオンビーム10'を元の第1イオンビーム10から分離させる。よって元のイオンビーム10は低強度のイオン11'と11'''を含み(1つの点でのみ示しているが、原寸に比例するものではない)、非常に高強度の異なる質量のイオン11''(5つの点、原寸に比例するものではない)は、イオンビーム10'に分離されている。
飛行時間型分析計2では、フィルタ6がイオンビーム10'の経路に配置されており、対応する減衰係数で減衰を行う。フィルタ6の後には、分離されたイオンビーム10'を元の第1イオンビーム10内に結合する装置が配置されており、参照番号7で示すこの装置は、飛行時間型分析計の終端に配置した検出器/信号増幅器3の方へ適切にイオンビームを偏向させる。
図2Bは後の時間tにおける同一の質量分析計を示しており、時間tでは、高強度の質量のイオン11''はフィルタ6と偏向装置7を通過している。イオン11''の強度は、この時点では弱まって(別の点で概略的にのみ示している)、イオンビーム10に再び追加される。よってイオン11''の強度は、検出器3が比例範囲内で検出できるよう減衰されている。
図3は、対応する測定結果を概略的に示している。
参照番号11'''、11''、11'で図2に示すイオンは、質量m1、m2、m3を有するものとして表されている。
図3Aでは、質量分析計すなわち飛行時間型分析計2の入口における強度を左側に示し、従来の飛行時間型分析計を用いて記録した強度は、図3Aの右側に示している。高強度の質量m2については、最初の強度は検出器の比例範囲(限界記録値)を超えており、検出されるのは記録限界までのみとなるため、スペクトルが変わってしまっていることがわかる。
質量m2を有するラインの強度は、図2に示す質量分析計のフィルタ6を用いてフィルタリングされることにより、限界記録値未満に低下しているので、この強度は減衰されても正確に記録されることが図3Bの左側に示されている。その後、飛行時間型分析計2の入口における強度は、記録した強度に減衰係数を乗算することによって、数値を再構築することができる。その結果、図3Bの右側に示す正確な線スペクトルが生成される。
減衰係数は図2に概略的にのみ示しているが、図3では説明のために減衰係数100を用いた。縦座標には対数目盛りが示されている。
図4は、実際に測定した固体表面のTOF−SIMSスペクトルから切り取ったものである。図4Aは、減衰を行わない単一粒子計数法における低い一次イオン電流によるスペクトルを示している。図4Bは、一次イオン電流を増大させて、図2に示すように質量16の強度を減衰させたスペクトルを示している。最後に、質量16を有する減衰した信号の出力強度を、減衰係数106を用いて再構築した。
この例では、飛行時間型二次イオン質量分析計(TOF−SIMS)における同位体比16O/18Oの測定の例を用いて、本発明の利点を説明する。SIMSは、特にマイクロメータ以下の範囲の高い方位分解能を用いて、固体の同位体分析を行うのに適している。TOF−SIMSでは、固体試料から約1nsのパルス持続を有する短い一次イオンパルスによって二次イオンを脱着させ、同一エネルギーに加速させて、飛行時間型分析計で分析する。単一粒子計数法において従来の記録を行う場合には、一次イオンの強度の選択は、16Oの強度が単一粒子計数法の飽和限界(約1イオン/サイクル)未満となるよう行わなければならない。2分の測定時間における全体で1.2?10サイクルの後、測定における16Oの強度は約784,000イオンである。18Oの強度は、天然同位体存在度のために著しく低く、本例では1,650イオンである(図3A参照)。そのため、18Oの統計的測定誤差は約2.5%である。この統計的誤差を0.25%まで減少するために、測定時間を100倍して約200分にすることも可能であろう。
本発明では(図2参照)、パルス化したビームスイッチと減衰係数106を有するフィルタをTOF−SIMSに統合した。本発明によるこの構成により同位体比16O/18Oを測定する場合、16Oの強度は、ビームスイッチを用いずに、最大100イオンが一回の照射で検出器に届くよう選択することができる。このために、一次イオンの電流を相応して増大することができる。本例では、電流を83.5倍にしたところ、16Oの強度は約50イオン/サイクルになった。この高い強度の記録は、単一粒子計数法ではできない。偏向を行って16Oイオンの強度を、例えば係数106によって減衰させた後では、平均でわずか0.5イオン/サイクルが記録される。その後、場合によってポアソン補正を行う単一粒子計数法によって通常の方法で正確な強度を計算することができる。同位体18Oは、天然同位体の場合には平均してわずか約0.1イオン/サイクルが検出されるため、減衰なしで同時に記録することができる。
このために、質量16についてのみ偏向と減衰を行い、その他の全ての質量については、偏向を行うことなく検出器3へと通過させるようにビームスイッチをパルス化する。2分という同じ測定時間の後、18Oの統計的精度は約0.25%という値に達する。質量16Oは減衰係数106で減衰したにもかかわらず約5倍の強度を有しており、統計的誤差は0.012%である。16Oの強度に係数106を乗算した後、同位体比をこのように高い統計的精度で測定することができる。対応するスペクトルを図4bに示す。本発明の結果、通常の単一粒子計数法に比べて測定時間が約100倍短くなる。測定時間を6倍に延長することにより、統計的誤差は約0.1%まで低下させることができる。本発明を使用しなければ、この目的のために本例において必要となる測定時間は約20時間であるが、本発明を使用すれば測定時間は12分で十分である。
同様に、ppmからppbの範囲において痕跡検出を行う場合には、本発明により測定時間が短くなる。質量16の上述の例で示すように、主な要素の強度をフィルタによって減衰させ、単一粒子計数法において測定することができる。同時に、痕跡元素の強度は、高い計数率で減衰なしに測定することができる。それに応じて、同じ測定時間ではダイナミックレンジが100倍に増える、又は、ダイナミクスが同じであれば測定時間がこの係数分だけ短縮される。
強度を決定するための測定時間が短い動作モードの場合には(例えば、多数の画素の強度を測定する、一時的に急速に強度が変わる画像形成装置の場合)、同様にダイナミックレンジが100倍に増える、又はダイナミクスが同一の場合に測定時間が短縮される。
1つの画像形成方法において比率16O/18Oを決定する場合には(上記参照)、上記例によれば1時間の測定時間において利用できるのは、1画素あたり約1,100サイクルにすぎない。先端技術によれば、1画素あたり2イオンのみの質量18Oが記録される。本発明によって減衰前に質量線16Oに対して1回の照射あたり約100イオンが生成されるように一次イオンパルスの強度を選択すれば、18Oの強度は1サイクルあたり0.2イオンになる。1,100サイクル後には、1画素あたり約200イオンがカウントされ、16Oと18Oの分布を、約7%という統計的精度によって同時に測定することができる。
図5では、本発明による更なる質量分析計を概略的に示す。図2の質量分析計とは異なり、2つの異なる方向に異なる質量のイオンを、分離したビーム10'又は10''として偏向することのできるビームスイッチ5を有する。それぞれのビーム10'又は10''の経路には、フィルタ6'及び6''を配置するが、その減衰係数については、それぞれのビーム10'及び10''をイオンの強度に適合させる。さらに、元の第1イオンビーム10中にビーム10'又は10''の各々を結合する装置7’又は7”を、各ビーム10'及び10''に配置する。
図6は、複数の検出器3、3'、3''を設けた2つの質量分析計を示す。
図6Aでは、広く図2のものに対応する質量分析計を示す。しかし、この質量分析計には、イオンビーム10'をイオンビーム10内に結合させて共通の検出器に送る装置7が存在せず、イオンビーム10'を別の検出器/信号増幅器3'に送る装置8を備えている。この検出器/信号増幅器3'の下流には別の電子記録部4'が接続されている。検出器の適切な位置決め又は適切なビーム誘導を行えば、このような偏向装置8も省略することができる。ビーム10'のスペクトルとビーム10のスペクトルを決定した後、両方の分析結果から質量スペクトル全体を構築するが、その際にはビーム10'に対してフィルタ6'の減衰係数を考慮する必要がある。代替的に、フィルタ6'も省略して、ビーム10'に対してはより低い感度の検出器を使用することもできる。
図6Bは、本発明による質量分析計の更なる実施形態を示す。
図6Bの質量分析計は、図2の質量分析計の変形である図6Aと同様に図5の質量分析計を変形したものである。
イオンビーム10'又は10''を元のイオンビーム10に結合させる又は同一の検出器の方向に誘導する装置の代わりに、ビーム10'及び10''を別々の検出器/信号増幅器3'、3''に送る単なる偏向装置8'、8''を設ける。別個の電子記録部4'又は4''をこれらの検出器3'、3''の下流に配置する。異なるフィルタ6'及び6''を考慮した後、電子記録部4、4'、及び4''の個々のスペクトルから全体のスペクトルを構築する。
適切な感度を有する個々のビーム10'及び10''に対する検出器3'、3''を使用する場合には、フィルタ6'及び6''を省略できる。
さらに、これらの実施形態を図5のような実施形態と混合してもよく、例えば、図6Bの偏向装置8'を図5の装置7'で置き換えて、図6Bではイオンビーム10が行き着いた検出器3に、適切な減衰の後でビーム10'が行き着くようにしてもよい。イオンビーム10''に対しては、図6Bに示すビーム誘導とビーム検出のままとすることができる。
1 イオン源
2 飛行時間型質量分析計
3 検出器/信号増幅器
4 電子記録部
6 フィルタ
7 偏向装置

Claims (16)

  1. イオンがパルス方向に沿ってイオン質量毎に離間するように配置された第1パルス化イオンビームを分析するための飛行時間型質量分析計を操作する方法であって、
    少なくとも1つの個々の所定のイオン質量又は少なくとも1つの所定のイオン質量範囲の前記イオンを、少なくとも1つの分離されたイオンビームとして前記第1パルス化イオンビームから分離し、
    前記少なくとも1つの分離されたイオンビームの強度又は前記第1イオンビームの強度を分離後に減衰し、
    前記少なくとも1つの分離されたイオンビームを前記第1イオンビームとは別に分析するように、前記第1イオンビームと前記少なくとも1つの分離されたイオンビームを分析し、
    1つのイオンビーム、複数のイオンビーム、又は全てのイオンビームの前記分析を、単一粒子検出によって行うこと、
    を特徴とする方法。
  2. 前記第1イオンビーム又は前記分離されたイオンビームを減衰した後、前記少なくとも1つの分離されたイオンビームを前記第1イオンビームと再結合させて1つの共通のイオンビームを形成すること、を特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記分離されたイオンビームのイオンと前記第1イオンビームのイオンを、それぞれの質量毎に離間させ、有利にはそれらの質量に対応させて、前記共通のイオンビーム内に配置すること、を特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. 前記第1イオンビームを、前記第1イオンビームとは別に分析される前記分離されたイオンビームより低い感度で分析する、又は、前記第1イオンビームとは別に分析される前記分離されたイオンビームを、前記第1イオンビームより低い感度で分析すること、
    を特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記第1イオンビームに関する分析結果と、前記少なくとも1つの分離されたイオンビームに関する分析結果から、1つの共通した質量スペクトルを、有利には複数の部分において決定すること、を特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記第1イオンビームの強度を、特に1つ以上の特定の個々の質量又は1つ以上の特定の個々の質量範囲に対して前記イオン質量の関数として決定し、境界値を超えると、関連する質量又は関連する質量範囲の前記イオンのみを前記第1イオンビームから分離すること、
    を特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記第1イオンビームの強度を、1つ以上の特定の個々の質量又は1つ以上の特定の個々の質量範囲に対して決定し、境界値未満となった場合には、前記関連する質量又は前記関連する質量範囲の前記イオンを前記第1イオンビームから分離しない状態又は分離しなくなる状態にすること、
    を特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記分析の開始時に、前記第1イオンビームの強度を、特に1つ以上の特定の個々の質量又は1つ以上の特定の個々の質量範囲に対して前記イオン質量の関数として決定し、境界値を超えると、前記関連する質量又は前記関連する質量範囲の前記イオンを前記第1イオンビームから分離すること、
    を特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記第1イオンビームの強度を、連続的に又は規則的な、及び/又は不規則な時間間隔で決定すること、を特徴とする請求項7又は8に記載の方法。
  10. 前記境界値は、特定の質量又は特定の質量範囲の単一粒子を計数した際の誤差が所定の誤差境界値を超える、前記関連する質量又は前記関連する質量範囲における前記イオンビームの強度であること、
    を特徴とする請求項6から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 1つのイオンビーム、複数のイオンビーム、又は全てのイオンビームの前記分析は、時間−デジタル変換器(TDC変換器)、及び/又はアナログ−デジタル変換器(ADC)による複数粒子記録によって行うこと、
    を特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. イオンがパルス方向に沿ってイオン質量毎に離間するように配置された第1パルス化イオンビームを分析するための飛行時間型質量分析計であって、前記第1パルス化イオンビームを分析するための第1検出器を有し、
    少なくとも1つの特定の質量又は少なくとも1つの特定の質量範囲のイオンを前記第1イオンビームから分離されたイオンビームとして偏向させる少なくとも1つのビームスイッチを、前記第1イオンビームのビーム経路に配置し、
    少なくとも1つの分離されたイオンビームを分析する、少なくとも1つの更なる検出器と、
    前記第1イオンビーム又は前記分離されたイオンビームを減衰させ、前記分離されたイオンビームを分離する前記ビームスイッチと各検出器との間の、前記第1イオンビームのビーム経路又は前記分離されたイオンビームのビーム経路に配置した、少なくとも1つの装置とを有し、
    1つの分析、複数の分析、又は全ての分析を、単一粒子検出器によって行うこと、
    を特徴とする飛行時間型質量分析計。
  13. 前記イオンビームを減衰する装置の少なくとも1つがフィルタであること、を特徴とする請求項12に記載の飛行時間型質量分析計。
  14. 少なくとも1つの制御装置が、前記第1検出器によって又は場合により更なる検出器によって強度を検出された前記第1イオンビーム又は前記分離されたイオンビームの強度の関数として、前記ビームスイッチの少なくとも1つを制御すること、を特徴とする請求項12又は13に記載の飛行時間型質量分析計。
  15. 前記制御装置のうちの少なくとも1つが、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法によって前記飛行時間型質量分析計を制御すること、を特徴とする請求項14に記載の飛行時間型質量分析計。
  16. 脱離、特に電解脱離(FD)によって、原子一次イオン若しくはクラスタイオンによる脱離(SIMS)によって、及び/又はレーザ脱離(LD)、特にマトリックス支援レーザ脱離(MALDI)によって、プラズマイオン化(ICP)によって、エレクトロスプレーイオン化(ESI)によって、電子衝撃イオン化(EI)によって、化学イオン化(CI)によって、場合により脱離した中性粒子を、特にプラズマ、電子、及び/又は光子によってその後イオン化して、前記パルス化イオンビームを生成する、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法の使用又は飛行時間型質量分析計の使用。
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