JP6329644B2 - 寿命が延長された直角飛行時間検出器 - Google Patents

寿命が延長された直角飛行時間検出器 Download PDF

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Description

[0001]本開示は、一般に、質量分光分析に関し、より具体的には飛行時間質量分析計および多重反射飛行時間質量分析計用の検出器のダイナミックレンジおよび寿命を改善することに関する。
[0002]飛行時間質量分析計(TOF MS)における個々のイオンの検出は、ナノ秒レベルの検出器速度および約1E+6のゲインを必要とする。検出器のダイナミックレンジおよび寿命が、主な関心事である。既存の飛行時間検出器のパラメータは、分解能、速度、ダイナミックレンジ、および頑強性の組み合わせを制限する。典型的なTOF検出器は、出力電流によって測定される1クーロンのリソースを有し、一方、現代のパルス式イオン源は、1E+9個のイオン/秒までのイオン流速を形成することができる。1E+6のゲインで、検出器の出力電流は0.1mAに到達し、したがって寿命は10000秒(3時間)ほどに制限される。
[0003]デュアルマイクロチャンネルプレート(MCP)検出器は、1E+6のゲインでサブナノ秒の検出速度が可能である。しかしながら、MCP検出器は、1E+6個のイオン/秒/cmを超えるイオンフラックで飽和し、MCP検出器のリソースは約1クーロン(1C)に限定される。現在、デュアルMCPは、弱いイオン源に使用されるかまたは減じられたゲインで使用され、その結果、個々のイオン信号を見逃したり、TOF MSダイナミックレンジを限定することになっている。
[0004]離散ダイノードが設けられた二次電子増倍管(SEM)は、個々のイオンあたり1〜2nsの時間応答に到達することができる(ETPによる268モデルSEMが典型的な例である)が、電子変換器へのイオンは小さいサイズであり、不均等な電子収集になりがちであり、二次陰イオンに関連した偽の信号を形成する。SEMが技術的真空にかけられるとき、その活性表面は、約1Cの出力電荷で劣化もし、したがって関連したダイナミックレンジと関連した寿命との両方を大きく限定する。
[0005]ダリ検出器は、電子から光子への中間変換、光子検出、および光電子増倍管(PMT)内の電子増幅を用いる。密封型PMTの使用は、検出器リソースおよび寿命を強力に高める。より詳細には、検出したイオンは、kVでバイアスされた金属電極にぶつかり、二次電子を放出する。静電場は、シンチレータへの電子収集を助ける。高エネルギーの電子は、シンチレータから光子を放出させる。光子はPMTによって検出される。しかしながら、そのような検出器は、高速信号を検出することが意図されていなかった。一次変換器は、イオン到着時に大きい(すなわち、数十ナノ秒から数百ナノ秒)の広がりを形成する。電子収集は少なくとも数ナノ秒間信号を広げる。二次陰イオンは、時間がずれた追加のピークを形成する。
[0006]最近出現したハイブリッド検出器は、TOF MSにおける高速信号の検出により良く適している。ハイブリッド検出器は、密封型PMTによる電子から光への変換および光検出をやはり用いる。典型的なハイブリッド検出器は、(イオンビームに面し、単一イオンを約300〜1000個の電子へ増幅する)単一MCPと、MCP後のシンチレータと、密封型PMTとを備える。Hamamatsuによる9880モデルのような一部の高速PMTは、立ち上がり時間ほぼ0.6ナノ秒で300Cまでリソースを与える。しかしながら、MCP自体は、最大のイオンの流速および寿命を制限すると思われる。その上、MCPによる電子増幅は、シンチレータの上の薄い金属コーティングを消耗させ、シンチレータ表面を破壊することによってシンチレータのより早い劣化をもたらす。実験は、市販のハイブリッド検出器が密封型PMTの寿命と比較してずっと早く使い尽くすことを示した。
[0007]多重反射TOF質量分析計(MR−TOF MS)は、さらなる制約をTOF検出器に加え、すなわち、検出器に利用できる空間はとても限られ、直角検出器は非常に好ましい。国際公開第2011135477号、国際公開第2013192161号、および国際公開2013067366号(その各々は、参照により本明細書に組み込まれる)に記載されるように、高速パルス生成法の最近の追加は、検出器に大きいイオン線量および大きいリソースの要求を与える。MR−TOF MSにおける高速パルス生成は、パルス式変換器内でしばしば生じる高電圧パルスのピックアップを防ぐというTOF検出器に別の要求を生じさせる。
[0008]前述の問題に対処し、全体的にTOF検出器を承認し、延長された寿命およびピックアップノイズの不感受性を有する直角取り付けを備えた飛行時間検出器を本開示において本発明者らは提案する。提案したTOF検出器は、MR−TOF MSに特に適しており、他のタイプのTOF MSに使用することができる。
[0009]本開示の当該TOF検出器は、直角磁気変換器と、高速有機シンチレータと、大きいリソースを有する密封型PMTとを備える。既存のハイブリッド検出器とは異なり、本開示の当該TOF検出器は、MCPステージを省く一方、単一イオン検出を高確率にするために電子収集を強化するとともに当該集光を改善する。検出器の寿命をさらに延長するために、発明者らは、当該ハイブリッド検出器の当該薄い(1μmの範囲の)金属コーティングを、静電荷を除去する役割を主にする堆積されたまたは覆っている金属メッシュで置き換えることを提案する。両手段は、当該検出器のダイナミックレンジおよび寿命のかなりの改善を可能にする。
[0010]当該提案した磁気変換器は、わずかな(数百ボルト)イオン加速;したがって二次電子を制御されたエネルギーまで加速し、それによって3mTから30mT(30ガウスから300ガウス)の範囲内にあってイオンの運動に対する影響は無視できる横切る磁場によって当該電子を当該シンチレータに向けて正確に舵取りすることを実現するようになされている。本明細書に開示したように、当該提案した検出器幾何学的形状は、当該検出ステージでの飛行時間歪みを最小にするだけでなく、当該MR−TOFまたはTOF分析器の空間収差あたりの当該第一次の時間および当該二次の時間の正確な補償を可能にもする。
[0011]当該提案した直角磁気変換器は、当該検出器軸からの制御された磁石変位を用いて達成される不均等な磁場による二次電子の空間集束によってさらに強化することができる。当該シンチレータの後の光子収集を改善するため、選択肢には、(i)当該シンチレータ中心への二次電子の集束、(ii)薄肉シンチレータの使用、(iii)PMT表面または光ガイドへの当該シンチレータの直接配置、および(iv)光の内部反射を防ぐための光結合グリースまたは接着剤の使用が含まれる。当該変換器および当該シンチレータの別個の組立体は、電子/光変換ゲインを高めるために、(10kV〜15kVまでの)二次電子に対して高電圧バイアスを使用することを可能にする。(フォトニクスハイブリッド検出器にあるような)当該シンチレータの金属コーティングをコーティングまたは堆積されたメッシュで置き換えることによっても、二次電子のエネルギー損失をなくし、光子放出を強化する。
[0012]当該提案した直角磁気変換器は、当該イオン伝搬および当該電子収集ステージにおける最小の時間歪みを実現しつつ、当該PMT光検出器の直角取り付けを可能にする。好ましくは、当該変換器は、TOF分析器へ直接取り付けることができ、これによってほぼ正確な変換器の位置合わせおよび素早いアクセスを可能にするとともに、他の検出器部品の取り付けを可能にする。当該直角変換器は、検出器をMR−TOF MSなどの狭い組立体に挿入することを可能にする。当該シンチレータと当該PMTの間で適宜の光ガイドを使用する場合、当該検出器は、当該分析器から遠くに大気側であっても当該PMTを取り付けることがやはり可能になる。また、それらの利点は、便利な電磁シールドを与え、当該PMTの冷却を可能にし、それによって当該PMT信号線におけるノイズおよびパルスのピックアップを減少させる。
[0013]当該提案した磁気変換器は、取り出し場を変更し湾曲した変換器表面を使用することによって、タイムフロント傾斜および球面T|XX収差の補償を可能にする。これは、MR−TOFがいわゆるドリフト方向のイオンの集束および舵取りにより本質的な一次および二次の収差を引き起こすので、MR−TOFの当該分解能にかなりの影響を与えることが推定される。
[0014]当該MCPステージを省くことでさらなる問題もたらし、すなわち、主要なイオン信号の約15%で遅い蛍光が出現する。この問題の解決策は、遅い蛍光信号成分を減算するための後述される専用アルゴリズムを含む。
[0015]本開示は、提案した検出器の実験試験を説明し、この実験試験は延長された寿命、個々のイオンの優れた検出効率、高速時間応答、ノイズ信号およびパルス信号に対する不感受性、および検出器取り付けおよび交換に関する実際的な利便性を裏付ける。
[0016]別の実施形態では、イオンの流速が制限されたTOF MS応用の場合、さらなるSEMまたはMCPステージを有する当該上述の検出器のあるバージョン、ならびに一次イオンと一次のPMT電子の間の10倍を超える増幅を設定するとともに遅い蛍光によって生成された個々の光子を抑制する閾値を設定することによって遅い蛍光を抑制する方法が提案されている。当該提案した検出器は、検出器効率を高めてMCP増幅を最小にし、したがって当該ハイブリッド検出器の寿命を延ばすことが提案された複数の他の手段を用いる。当該MCPの後の二次電子の直角の舵取りを含む、検出器セット間の柔軟な変更のための便利な設計もいくつか提案されている。
[0017]本開示の第1の態様によれば、飛行時間検出器は、ダイナミックレンジおよび寿命を拡張する目的で、伝導性変換器と、側窓を備えた少なくとも1つの電極と、少なくとも1つの磁石と、シンチレータと、密封型光電子増倍管とを備える。当該伝導性変換器は、検出されたイオンパケットのタイムフロントに平行に露出され二次電子を生成する。当該変換器は、50Vから1000Vの間の電圧差だけ当該側窓を備えた当該電極に対して負に浮いている。当該少なくとも1つの磁石は、1mTから100mT(10ガウスから1000ガウス)の間の電子伝搬領域内の磁場の強さを用いて電子軌道を当該側窓に向けて曲げる。当該シンチレータは、1kVから20kVだけ当該変換器表面に対して正に浮いており、当該変換器に対して45から180度で当該電極窓の後に位置する。当該密封型光電子増倍管は、当該シンチレータの後にある。
[0018]本開示の本態様の実施は、当該以下の特徴のうちの1つまたは複数を含むことができる。適宜、当該シンチレータは、当該シンチレータ表面から表面帯電を除去するために伝導性メッシュによってコーティングまたは覆われる。いくつかの例では、当該シンチレータは、当該光電子増倍管の窓に光学的に結合される。いくつかの実施では、当該少なくとも1つの磁石の位置は、当該磁場の曲りによって当該二次電子を空間的に集束するように調整される。適宜、当該変換器表面は、時間あたりの空間球面収差を補償するために湾曲または階段状である。適宜、当該変換器表面は、当該側窓にまたは当該側窓の後に電位バイアスを印加することによって当該イオンパケットの当該タイムフロントに対して電子的に傾斜させられる。
[0019]いくつかの例では、当該検出器は、当該変換器と当該シンチレータの間にメッシュまたは離散ダイノード電子増幅器をさらに備える。いくつかの実施では、当該検出器は、100未満の電子増幅ゲインに設定されたマイクロチャンネルプレートをさらに備える。いくつかの例では、当該検出器は、当該シンチレータと当該密封型光電子増倍管の間に細長い光カップリングをさらに備え、当該光電子増倍管は、アクセスまたは交換の改善のために、ならびに電磁シールドおよび熱冷却の改善のために前記大気側に配置される。
[0020]適宜、当該検出器は、多重反射質量分析計の一部であってもよい。
[0021]本開示の第2の態様によれば、直角飛行時間検出器は、単一のマイクロチャンネルプレートと、二次電子の静電偏向器と、シンチレータと、密封型光電子増倍管とを備える。当該単一のマイクロチャンネルプレートは、当該検出されたイオンパケットを二次電子に変換する。当該シンチレータは、1kVから20kVだけ当該マイクロチャンネルプレートに対して正に浮いており、45度から180度で当該マイクロチャンネルプレートの後に位置する。当該密封型光電子増倍管は、当該シンチレータの後に位置する。
[0022]本開示のこの態様の実施は、当該以下の特徴のうちの1つまたは複数を含むことができる。いくつかの実施では、電磁シールドは、当該密封型光電子増倍管に関連している。いくつかの例では、当該直角飛行時間検出器は、変換器からの当該二次電子を受け入れるメッシュベース二次電子増倍管をさらに備える。適宜、当該シンチレータは、光送信機を介して当該密封型光電子増倍管に光学的に接続される。
[0023]本開示の1つまたは複数の実施の詳細は、添付図面および以下の説明に記載される。他の態様、特徴、および利点は、明細書および図面ならびに特許請求の範囲から明らかになろう。
[0024]次に、本発明の様々な実施形態は、例示の目的だけに示される構成とともに、例のみによって以下の添付図面を参照して説明される。
[0025]電子増幅器を示す図である。 [0026]光変換を用いるイオン検出器を示す図である。 [0027]MR−TOF分析器を示す図である。 [0028]本開示のTOF検出器の一実施形態を示す図である。 [0029]図4の検出器のZ収差を表す図である。 [0030]図4の検出器のY収差を表す図である。 [0031]図4の検出器のイオン/電子収差による形状ピークを表す図である。 [0032]電子ビームの不均等なX方向磁場集束を表す図である。 [0033]電子ビームの不均等なX方向磁場集束ずれを表す図である。 [0034]18mmのイオンビームについてのイオン/電子収差による形状ピークを表す図である。 [0035]金属化層を有するシンチレータと上部に金属グリッドを有するシンチレータとの両方について、電子エネルギーの関数として信号強度を示すグラフである。 [0036]信号を電子エネルギーの関数としてグラフで表す図である。 [0037]イオン1個あたり検出される光子数の分布のグラフである。 [0038]18mmイオンビーム用の個別反射TOF MSにおける形状ピークを示す図である。 [0039]HCB化合物についてのGCピークのデコンボリューションの結果を示す図である。 [0040]OA TOF MSにおける形状ピークを示す図である。 [0041]OAを有する個別反射TOF MSにおける18Thのイオンのピークの形状ピークを示す図である。 [0042]GC EI OA MR−TOF MSの高速パルス法を示す図である。 [0043]高電圧パルスピックアップを抑制し、遅いルミネッセンス光子を区別するスキームを示す図である。 [0044]図19のいくつかのスキームの機械的設計を示す図である。 [0045]検出器および分析器の(T|Z)および(T|ZZ)収差を補償するスキームを示す図である。
[0046]様々な図面における同じ参照符号は、同じ要素を示す。
[0047]従来技術のTOF検出器の問題
[0048]図1を参照すると、電子増幅のためのマイクロチャンネルプレート14(MCP)または離散ダイノード17に基づくTOF検出器が示されている。イオンパケット12は、MCP14または変換器16の表面にぶつかり、二次電子13を放出させる。二次電子は、次の離散ダイノード17に向けてまたはMCP14の抵抗性チャンネル内で加速され、これらはともに電子から電子への変換のカスケードの中で電子雪崩を増幅する。仕事関数が強力に高められた(通常酸化物を含有する)特別に開発された表面の場合、電子雪崩は各50V〜100Vの加速あたり2倍になる。
[0049]シェブロン型デュアルMCP11は、個々のイオンを検出するためのゲイン1E+6と、(ダイナミックレンジを制限する)約1E+7個のイオン/cm/秒での飽和と、第2のMCP出力によって測定される1クーロン(1C)未満の寿命とを特徴とする。1E+7個のイオン/秒の流速および1E+6のゲインで、出力流速は、(1μAにおいて)1E+13個の電子/秒であり、寿命は、1E+6秒、すなわち約2週間(3E+7秒の寿命は約1年に等しいことに留意されたい)。したがって、検出器寿命は、かなりの制限要因を示す。
[0050]二次電子増倍管(SEM)15は、通常、抵抗分割器によって高電圧が分布した複数の離散ダイノード17もしくはメッシュまたはダイノードアレイのいずれかを備える。ダイノード17は、仕事関数を減少させ、電子増幅を強化するために酸化物活性表面によってコーティングされる。しかしながら、(SEMが密封されていないときにTOF MSに生じる)技術的真空中に置かれるとき、それらの活性表面は汚染し、酸化物を消耗させ、したがって寿命を1クーロン(1C)未満まで減少させる。離散ダイノードSEMは、ベネチアンブラインドの形状を一般に有する第1のダイノード16における到着イオンパケット12の大きい飛行時間の広がりのために、あまりTOF MSに適していない。
[0051]イオン時間歪みを減少させるために、ETP Corporationは、専用のイオン/電子変換器18を提案している。(SEM15および補償電極19への)正のバイアスの対称的な適用は、衝突イオンパケットのTOF効果を減じる。二次電子13は、静電場によりによりサンプリングされてSEM15の中に入る。しかしながら、小さい陰イオン(例えば、H、CHn)も、SEM15に到着し、偽のピークを主ピーク強度の0.1〜1%で発生する。さらに、そのような変換器18は、小サイズのスイートスポットに関して位置が敏感である。変換器18は、従来技術のTOF検出器の主な問題(すなわち、小さいダイナミックレンジおよび短い寿命)を解決しない。
[0052]図2を参照すると、光変換を用いる既存の検出器は、典型的なダリ検出器21およびハイブリッドTOF検出器22として示される。ダリ検出器21は、連続イオンビームを記録するように設計されたものであり、TOF検出に関連した効率の問題に主に対処する。しかしながら、ダリ検出器21は、曲線状のイオンサンプリングおよび変換面23からの二次電子13の形成による遅い時間応答を受ける。
[0053]Photonics Corp、米国により開発されたもののようなハイブリッド検出器22は、MR−TOF装置にほぼ適切であると思われる。ハイブリッド検出器22は、迅速なイオン/電子変換のための単一MCP14と、高速シンチレータ24と、寿命が延長された適宜のPMT26とを使用する。しかしながら、MCPステージ14は、ダイナミックレンジと寿命の両方を制限し得る。MCP14による電子雪崩の増幅は、シンチレータ24の寿命をひどく減少させる。ミクロンレンジの金属コーティングは、シンチレータ24において二次電子13を一部停止させ、MCP14とシンチレータ24の間の間隙内の残留ガスの電子イオン化によって形成されたイオンなどのイオンによって破壊され得る。最後に、乏しい光子結合は、強いMCP増幅を必要とし、さらに総じて上記負の効果になる。検出器22の寿命は、10クーロン未満の低さであると評価され得る。
[0054]図3を参照すると、検出器を位置32、33に配置するために限られた空間間隙を有する多重反射(MR−TOF)分析器にハイブリッド検出器22を使用するときの不利がまとまっている。
[0055]MR−TOF MS31は、イオン飛行経路を延長することによってTOF分解能を実質的に高めるように設計されている。延長したジグソー飛行経路は、浮いたドリフト空間35によって分離された一対のグリッドレスイオンミラー34間に配置される。国際公開第2005001878号(これは参照により本明細書に組み込まれる)に記載されるように、イオン損失を避けるために、イオンは、周期的レンズ36によって空間的に集束される。高電圧パルス39を印加することによって、直交加速器38は、連続イオンビーム37をパルス状パケットに変換し、図示のジグソー軌道に沿って移動させる。飛行経路をさらに延長するために、軌道は、(黒色によって示された)エンドデフレクタによって戻され、それによってイオンパケットは、(実線によって示された逆ジグソー軌道に沿って)位置33の検出器に向けて移動する。検出器は、密集空間33に見える。加えて、検出器は、直交加速器38の近くに見え、高電圧パルス39のピックアップを受けやすい。エンドデフレクタのない(したがってイオン軌道が逆戻りしない)MR−TOF MSでも、検出器は、密集位置でもある位置32に備えられる。
[0056]さらに、間隔の短い符号化パルスの生成のいくつかの適宜の方法は、MR−TOFにおけるイオン流速を、国際公開第2011135477号、国際公開第2013192161号、および国際公開第2013067366号(各々は参照により本明細書に組み込まれる)に記載されたように50〜100倍多く増加させることができ、または本発明者らによる同時係属出願(やはり参照により本明細書に組み込まれる)に記載されたように1E+8個のイオン/秒まで多く増加させることができことができる。さらに、流速は、GC−MS分析のために電子衝撃イオン源を用いるとき1E+9個のイオン/秒まで到達することができる。既存のTOF検出器は、これらの流速についての複数の条件を満足することができない。例えば、既存のTOF検出器は、とても限られたダイナミックレンジを有する。そして、既存のTOF検出器は、あまりに短い寿命を有する。また、既存のTOF検出器は、大量の空間を必要とするが、現在、MR−TOF MS内のほとんどの空間は、直交加速器38および周期的レンズ36によって占められる。
[0057]検出器の実施形態
[0058]上記の問題を緩和するために、検出器のダイナミックレンジおよび寿命は高められ、以下の新規な組み合わせで多重反射TOF MS(MR−TOF MS)に採用された。
[0059]図4を参照すると、検出器41が存在できるMR−TOF MS31内の実施可能な検出器位置32を示す図3の拡大図が存在する。本発明の一実施形態41では、改良型飛行時間検出器41は、イオンビーム42に面するとともにMR−TOF MS31のドリフト空間45に隣接して配置された伝導性変換器46と、ドリフト空間45内のメッシュコーティング側の窓48と、窓48の位置に直交して向けられた磁石47と、伝導性メッシュ4によってコーティングされまたは覆われた有機高速シンチレータ24と、延長された寿命および高速時間応答を有する光電子増倍管26とを備える。図4の検出器41が飛行時間歪みを低減しかつ二次陰イオンの検出を避けるために改良された変換器46を備えることを除き、ある意味では、検出器41は、幅広い広がりの図2のダリ検出器21に類似している。
[0060]動作時、下記MR−TOFの座標に留意し、変換器46は、MR−TOF MS31のX軸に垂直かつ衝突イオンパケット42のタイムフロント42Fに平行なY−Z平面に取り付けられる。変換器46は、分析器のドリフト空間45に対して数百ボルトだけ負に浮いている(ここでは、300Vの電位差および−5kVのドリフト電位)。イオンは、(パルス源における加速に従って)5〜6keVのエネルギーのエネルギーレベルで変換器46にぶつかり、小分子(すなわち、典型的には、GC−MSにおいて500amu未満の分子)については1に近いイオン/電子効率で二次電子43は放出される。放出された二次電子43は、二次電子軌道43によって示されるように磁石47の磁場によって舵取りされつつ、変換器46とドリフト空間45との間の300Vの差によって加速される。磁石47は、Y軸にほぼ平行な磁力線を形成するように取り付けられれおり、放出された二次電子43をZ方向に舵取りするようになっている。変換器46の電圧バイアスは、(典型的には3mTから30mT(30から300ガウス)の間で選ばれる)磁場の強度に対して調整され、シンチレータ24へ集束する二次電子43を与えるようになっている。好ましくは、磁石47の軸は、(磁力線の曲率に従って)さらなるY方向の電子閉じ込めを行うようにイオンビーム42の軸からずらされ、一方、90度の磁石の舵取りは、普通のX方向の電子閉じ込めを行う。二次電子43は、メッシュで覆った窓48を通じてサンプリングされ、正にバイアスされたシンチレータ24へ加速される。より高いバイアス(+10kVまで)は、より高い信号ゲインのために好ましいが、実際的な理由のために(例えば、利用可能な空間および絶縁によって)制限され得る。シンチレータ24は、高速有機シンチレータ(例えば、St. Gobain CorporationによるBC418またはBC422Q)であり、高い電子/光子効率(すなわち、(BC418の場合)130eVの電子エネルギーごとに少なくとも1個の光子、または(BC418Qの場合)400eVの電子エネルギーごとに少なくとも1個の光子)を有する。したがって、10〜15kVのエネルギーの単一の二次電子は、少なくとも25個の光子を形成する。これは、制限された光子収集効率(我々の実験では20%という程度に制限されると評価された)にかかわらず、かつPMT26における光エミッタの制限された光子効率(25〜30%)にかかわらず、ほとんど全ての一次イオンの信頼できる検出を可能にする。
[0061]一実施形態では、検出器41は、何らかのさらなる増幅ステージを使用することなく(70〜80%と評価される)高い効率で個々のイオンを検出することができる。以下にさらに説明されるように、MCPまたは任意の他の増幅の使用を避けることで、新規なTOF検出器のダイナミックレンジと寿命を強力に改善する。
[0062]PMTの寿命およびダイナミックレンジ
[0063]出力電荷により測定される延長された寿命300クーロンを有するとともに十分短い(0.57ns)立ち上がり時間を実現する市販のPMT増幅器が存在する(例えば、HamamatsuによるR9880U)。2,000時間(1年の稼働時間)のPMT寿命は、1E+6の検出器ゲイン全体、および2E+8個のイオン/秒の平均イオン流速(30pAの入力および30μAの出力平均電流)で実現することができる。これは、間隔の短い符号化パルスの生成を用いるGC−MR−TOF質量分析計の最大負荷よりも数倍低い。したがって、ガラス(石英)窓を介してシンチレータを結合し、PMTをその大気側に取り付け、およびPMT交換の選択肢を有することが実際的には有利である。外部PMTの取り付けは、PMT冷却および電磁シールドの改善にさらに役立ち得る。
[0064](標準的な抵抗分割器により通常100μAまでの出力電流によって制限される)検出器の線形範囲を改善することができる。例えば、最後の数ステージは、(少なくとも数mAの電流を用いる)より強力な供給源によって電力供給され、能動回路によって制御されることが提案される。検出器のダイナミックレンジを強化するために、最後のPMTステージは、バッファキャパシタに接続される。しかしながら、そのような改善は、時間的ピーク信号を取り扱うのに不十分であり得る。検出器のダイナミックレンジのさらなる強化は、(a)ソースパルス間のMR−TOFのゲインの交互化、(b)ソースショット間の電子収集効率またはPMTゲインの交互化、(c)異なる集光効率を有するデュアルPMTの使用、および(d)異なるPMTダイノードステージからの信号の取得、ならびに(e)デュアル(トリプル)ゲイン出力を有する前置増幅器の使用によって提案される。
[0065]他の検出器構成要素の制限
[0066]ベアメタル変換器46は、低い仕事関数を有する任意の特別設計された酸化物または材料によって覆われない。それは、高エネルギーイオンによって衝撃を与えられ清浄にされ、無限寿命を有することが期待される。我々の実験は、1000CのPMT出力電荷に相当する1mCのイオン線量でステンレス鋼変換器の劣化を何ら示さなかった。したがって、この変換器はボトルネックでない。
[0067]従来の(フォトニクスによるもののような)ハイブリッドTOF検出器22は、信号ゲイン全体を高めるためにシンチレータ24の前にさらなるマイクロチャンネル(MCP)ステージ14を用いることができるとともに、シンチレータの帯電を防ぎ光子収集を高めるためにシンチレータ24の上に薄い(1μm)アルミニウムコーティングを用いることもできる。それらの2つの特徴は、検出器22の寿命とダイナミックレンジの両方を大きく制限する。実施形態41は、それらの問題を緩和する。MCPステージを省くことにより、(1E+7個のイオン/秒/cmの流速密度で生じることが知られている)MCP飽和の問題を回避する。MCPステージを省くことによってシンチレータ24への電子線量をかなり(すなわち、100〜1000倍)減少させもする。10Cの出力電荷生き延びるハイブリッド検出器22の試験に基づいて、新規な検出器41内に取り付けられた同じシンチレータ24は、PMT出力電荷の1000〜10,000Cの間生き延びる。シンチレータの安全量は、電子に衝撃を与えることによって有機化合物の消耗を仮定して評価することもできる。10kVの電子エネルギー、10μmの電子侵入深さ、30Aの有機分子体積、および100eVの電子エネルギーあたり1個の分子の破壊を仮定すると、シンチレータ24の1cmの表面層は、3E+22eのPMT出力、すなわち2000Cに相当する約3E+16個の電子の量に耐えることができる。この評価は、PMTの寿命(300C)がシンチレータの寿命よりもボトルネックになる可能性が高いことをやはり裏付ける。
[0068]さらに、シンチレータ24は、金属(アルミニウム)ミクロンコーティングよりも長命である。その上、部分的に破壊されたコーティングは、二次電子のエネルギー損失およびハイブリッド検出器22上のスイートスポットの制御を乏しくさせる。実施形態41は、アルミニウムコーティングを省く。代わりに、堆積されたまたは覆っている厚い金属メッシュ49は、伝導性メッシュのセルサイズが0.3〜1mmの間の場合に、1kV/mmでの表面放電および漏電によって電子電荷の静電気を除去するのに十分に思われる。
[0069]変換器46またはシンチレータ24上のプロセスは、検出器41のダイナミックレンジを限定するように思われない。したがって、それはPMT26であり、PMT26は検出器41のダイナミックレンジと寿命の両方についてボトルネックである。
[0070]変換器効率の最適化
[0071]一実施では、提案した検出器41は、イオン/電子変換、電子収集、電子/光子変換、および光子収集の高効率についてかなり最適化される。この最適化がない場合、MCPの省略は、イオン検出確率を低下させ、個々のイオンの検出に適さないことになる。
[0072]ステンレス鋼変換器46についてのイオン/電子変換効率は、変換器プレート46、ドリフト空間電極45、およびシンチレータ24上の電流の直接測定によって決定された。5keVのイオン運動エネルギーにおける水イオン(18Th)は、6個より多くの電子/イオンを発生させる。運動電子放出の効率はイオン速度に比例するので、変換効率は、650Th未満の質量の5keVのイオンについて1個を上回る電子/イオンのままである。
[0073]図5〜図7を参照すると、SIMIONモデルは、変換器プレート46から放出された二次電子の約100%の収集効率を裏付ける。変換器46のパラメータは、伝達と時間の広がりの両方について最適され、ドリフト電位=−4000V、変換器電位=−4450V、シンチレータ電位=0V、イオンエネルギー=4400eV、イオン質量=500Thである。直径8mmのシンチレータ表面は、二次電子のビームにさらされる。不均等な磁場は、Y方向に60mm間隔をおいて配置された2つの長方形の磁石(25×10×3mm)によって形成される。磁場の強さは、変換器の中央で5.5mT(55ガウス)である。変換器プレート46の形状は、時間収差をサブナノ秒レベルで維持しつつX−Z平面内に電子を集束するようにレンズを形成する。シミュレートしたイオンビームは、MR−TOF MSにおけるイオンパケットの通常のパラメータに相当するZ方向に幅3mmおよびY方向に幅6mmである。500Thのイオンについては、Z収差は0.2ns未満(図5)であり、Y収差は0.04ns未満である(図6)。適宜、変換器表面は、球面Z収差を補償するように成形することができる。
[0074]図7を参照すると、500Th、および3mm×6mmのイオンパケット、および0〜2eVの均一な初期電子エネルギー分布の場合、シミュレートしたベースピーク幅はわずか0.6nsであり、電子収集効率は98%である。したがって、90度イオン舵取りにかかわらず、提案した磁気変換器は、有効な電子収集および十分に低いサブナノ秒の時間歪みを与える。
[0075]図8を参照すると、提案した検出器スキームのさらに別の例は、個別反射TOFに適しており、広いイオンビームから二次電子を収集することを可能にする。SIMIONモデルは、以下のパラメータを仮定するものであり、すなわち、ドリフト電位=−2500V、変換器電位=−3100V(図8)および−2800V(図9)、シンチレータ電位=5000V、イオンエネルギー=3000eV、イオン質量=500Th、エントランス穴直径=18mmである。電場と磁場の両方は、9mmの直径を有するシンチレータに集束する二次電子ビームに使用されることに留意されたい。不均等な磁場は、Y方向に70mmの間隔をおいて配置された(例えば、25mm×10mm×3mmの大きさに作製された)2つの長方形の磁石によって形成される。X方向およびZ方向の磁石の位置は、磁力線の曲率によるY方向集束効果を実現するように調整される。
[0076]図9を参照すると、磁石が最適位置からずれている場合、Y方向の電子集束ずれが生じ、さらなる時間収差および空間的損失を引き起こす。図10を参照すると、最適な磁石位置において、0〜2eVの不均一な初期電子エネルギー分布を伴う500Thおよび18mmのイオンパケットの場合、シミュレートした電子収集効率は98%であり、ピークFWHMは2nsであり、ベースピーク幅は4nsである。これらの結果は、この向きが低分解能個別反射TOF MSに受け入れ可能であることを示す。
[0077]シンチレータの最適化
[0078]上述したように、検出器41は、高速時間応答と効率の良い電子検出を組み合わせるために有機シンチレータ24を用いる。知られている有機シンチレータ24は非伝導性であるので、伝導層は、二次電子43によってシンチレータの表面帯電を防ぐために含まれるべきである。
[0079]図11を参照すると、(a)(フォトニクス検出器において実施されるような)薄い金属層114でのシンチレータ115のコーティング、および(b)金属グリッド112がb418シンチレータ113の表面の堆積するまたは覆うことという2つの選択肢が探られる。グラフ111は、両選択肢について電子検出効率を比較する。電子は、金属層を通り抜ける間に一部の運動エネルギーを失う。したがって、金属グリッド112がシンチレータ113を覆うように使用される場合、薄い金属コーティング114を有するシンチレータ115は放出された光子の総数を減少させるのに対し、光子信号は電子エネルギーに比例する。
[0080]光子収集を強化するために、図116は、PMTの窓に接続されるシンチレータ表面からの光子の全内部反射を防ぐために、層26aによってPMT26の窓へ光学的に結合されたシンチレータ113を示す。PVTベースの有機シンチレータ(b418またはb422q)の屈折率は1.58であり、これは約40グラードの(全内部反射の)臨界角に相当する。したがって、磨かれて平行なシンチレータ表面の場合、シンチレータ113内で放出された光子の11.5%だけがPMT26に収集される(金属化層が使用される場合、この層はミラーとして働くので、23%)。試作型では、フォンブリン真空オイルが光学結合器として使用された。光学結合器によって、検出器信号は4倍の増加になる。
[0081]検出器効率
[0082]提案した検出器41の効率(例えば、全入射イオンの個数に対する検出したイオンの個数)は、イオン/電子変換効率によって制限される。実際は、シンチレータ24での二次電子収集は95%よりも大きいのに対して、電子検出効率は、シンチレータの電位/電子の運動エネルギーを増加させることによって高めることができる。
[0083]図12を参照すると、一定のイオン流速を有するとき、電子エネルギーの増加は、信号飽和(入射カウント/スペクトル)という結果になる。金属グリッドを伝導層として用いたシンチレータ(b418)と光学的に結合された(Hamamatsuによる)R9880U PMTの場合、信号飽和は、8keVの電子エネルギーで約80%の二次電子検出効率を示唆する。全ての単一の光子を検出するために、PMTは900Vで動作することに留意されたい。
[0084]図13を参照すると、イオンあたりの検出した光子個数の測定分布は、上記の高い検出効率を裏付ける。
[0085]ピーク幅
[0086]検出器41の試作型は、電子イオン化(EI)リフレクトロンTOF MS、EI直交加速器(OA)MRTOF31、およびEI OAリフレクトロン TOF MSで試験された。検出器41のピーク幅は、電子イオン光学スキーム、シンチレータの立ち上がり時間および減衰時間(b418の場合には0.5nsおよび1.4ns、b422qの場合には0.11nsおよび0.7ns)、PMTの立ち上がり時間および減衰時間(R9880:50Om負荷の場合、0.57nsおよび約0.1ns)によって決定される。b418およびb422qの場合、ルミネッセンスは、1msまでの減衰時間を有するとともに20%までの強度を有する遅い成分を有することに留意されたい。
[0087]図14を参照すると、検出器117は、低分解能リフレクトロンTOF MSのために設計される。検出器117のイオン電子光学特性は、上述されている。207Thのイオンピークの形状ピーク118は、5.8nsのFWHM幅を有し、これはこの質量のためのターンアラウンドタイムによって制限される。遅いルミネッセンスのテール119は、ピーク強度の約20%であるように観察される。
[0088]図15を参照すると、質量スペクトル120中の遅いルミネッセンスのテール119により、イオンピーク121の干渉が観察され得る。MS(例えば、GC、LCなど)の前の分離ステージの場合、デコンボリューション処理は、検査対象123の質量スペクトルを得るために、質量スペクトル120から化学物質バックグラウンドピーク122を引き算することを可能にする。この例では、検査対象の溶離の前に蓄積された化学物質バックグラウンドスペクトル122(1 s)は、1 s 120のヘキサクロロベンゼン(HCB)GCピークの合計スペクトル代わりに用いられた。デコンボリューション処理は、化学物質バックグラウンドとの干渉121が存在していても、検査対象スペクトル123におけるイオンピーク形状を保存することに留意されたい。
[0089]図16を参照すると、検出器124は、高分解能MRT MSのために設計されている。検出器124のイオン電子光学特性は、上述されている。219Thのイオンピークの形状ピーク125は、12.8nsのFWHM幅を有し、これは分析器における収差およびターンアラウンドタイムによって制限される。
[0090]図17を参照すると、検出器117の変形例をOA TOF MSを用いて試験した場合に、18Thの質量について2.7nsのピーク幅が観察された。電子/イオン光学収差のかなりの減少は、5mmの内径のエントランス穴を有する検出器117を利用するときに生じる。イオンピークのテール126は、検出器/前置増幅器スキームにおける電気リンギングによるとともに、遅いルミネッセンスによる。18Thの質量の場合、イオンピーク幅は、ターンアラウンドタイムと検出器応答時間の両方によって決定された。実際、シンチレータb418の代わりにより高速なシンチレータb422qを含む実施は、2.7nsから2.3nsへピーク幅値を減少させる。
[0091]高速パルス法の実施
[0092]図18を参照すると、(国際公開第2011135477号、国際公開第2013192161号、および国際公開第2013067366号(各々は参照により本明細書に組み込まれる)に記載されるように)高速パルス法は、質量分析器の中へのパルス状イオン入射を含み、平均パルス周期は質量分析器内の平均イオン飛行時間よりずっと少ない。入射パルスの特定のパターンは、結果として得られる質量スペクトル127の復号化を可能にする(すなわち、復号化された質量スペクトル128を得るために質量スペクトル127のイオンピーク130と入射パターンを相関させる)。検出器が直交加速器に近接していることは、高電圧パルス129のピックアップになり、これは取得した質量スペクトル127を汚染している。
[0093]高速パルス法は、試作型検出器124を備えたGC EI OA MR−TOF MS上で試験を受けた。概して、復号プロセスは、取得した質量スペクトル127中のピーク密度によって制限される。遅いルミネッセンスは、取得した質量スペクトル127において単一の光子スパイクとして見え、イオン信号と区別することができないことに留意されたい。したがって、遅いルミネッセンスはピーク密度を増加させる。それにもかかわらず、検出器124に観察される遅いルミネッセンスは、高速パルス法で取得した質量スペクトル127の復号化を制限しない。より濃いスペクトル(例えば、石油試料のスペクトル)の復号化は、遅いルミネッセンス光子の抑制を必要とし得ることに留意されたい。
[0094]図19を参照すると、さらなる改善は、高電圧パルスピックアップの抑制と、遅いルミネッセンス光子の区別とを含む。スキーム131では、シンチレータ132は、光送信機133に光学的に接続され、光送信機133は、PMT134と光学的に接続される。光ファイバもしくは多心光ファイバ、金属化表面を備えたガラスシリンダ、または磨いた内面を備えた金属管142などは、光送信機133として使用することができる。非伝導性光送信機の使用は、シンチレータ132をPMTユニット134から有効に隔離することになることに留意されたい。光送信機133、142の導入は、電圧パルスのピックアップを抑制するためにPMT134の電磁シールド135を組織することを可能にする。スキーム142において、有効なシールディングが、サイズの制約の観点からもさらに可能であることに留意されたい。光送信機133、142は、真空チャンバから検出器の大気側への有効な光子輸送を組織することを可能にする。真空チャンバの外側にPMT134を配置することにより、PMT134へのアクセスが改善され、電磁シールドの組織化を容易にし、(PMTの暗電流を減少させるために)熱冷却を組織することを可能にする。実験は、真空チャンバの外側に銅ケースを有するPMT134のシールディング135によって高電圧パルス誘起信号が少なくとも10倍の減少することになることを示す。スキーム136では、単一MCPプレート137は、変換器46とシンチレータ132の間に導入される。MCPプレート137は、約100倍の増幅をもたらすさらなる増幅ステージを与え、これは単一の光子の信号と比較して単一イオンの信号の増加になる。データ取得システム上の適切な検出閾値の設定は、遅いルミネッセンスを有する個々の光子の区別を可能にする。スキーム138では、MCPは、検出器エントランスの前に配置されて、100倍の増幅を伴ってイオンビームを電子ビームへ変換する。形成された電子は、静電場を用いてシンチレータ132に集束される。このスキーム138は、(スキーム136と同様に)個々の遅いルミネッセンス光子の区別も可能にする。
[0095]スキーム139、141、および142は、MCP飽和および限られた寿命を克服するために、技術的真空にメッシュベース二次電子増倍管(SEM)140を使用する。このSEMは、ステージあたり200V〜500Vを有する平らなスチールメッシュまたは離散ステンレス鋼ダイノードに基づく。約2の二次電子生産量は、ステンレス鋼SEM表面を利用して200V〜500Vの電子範囲にわたって得ることができる。したがって、ステージあたり200V〜500Vの電位変化を伴うステンレス鋼表面からなる7〜10個のステージの使用により、約10倍〜100倍の増幅の増幅値を用いて頑強で安定した増幅ステージを可能にする。低い増幅値は、ステンレス鋼表面の損傷を保護し、したがってこのSEM140の寿命を長くする。スキーム136およびスキーム138のMCPプレートと同様に、SEM140の使用は、遅いルミネッセンス光子の区別を可能にする。
[0096]図20を参照すると、機械的設計143、144、145は、図19の検出器スキーム(それぞれ131、136、および138)に対応する。これらの機械的設計は、検出器セット間で柔軟な変更を可能にすることに留意されたい。
[0097]分析器および検出器の収差の補償
[0098]図21を参照すると、示唆したスキーム146、149、151、154は、それぞれ、検出器本体内の一次のZ収差(T|Z)147の補償、および二次のZ収差(T|ZZ)152の補償を可能にする。一次のZ収差147は、イオンビームの偏向によって補償することができる。スキーム146に示されるように、イオンビーム偏向は、ドリフト領域からMCP組立体148を切り離すことによって達成することができる。このスキーム146では、ドリフト領域とMCP組立体146の間の電位差Uが印加される。スキーム149で、陽イオンの場合、正のUの電位差が、正の(T|Z)収差147を補償するためにイオンビーム150を偏向するようにMCP組立体148へ印加されるべきである。適宜、MCP組立体148は、MCPのないスキームが使用される場合、グリッドと置き換えられる。このグリッドは、MCP組立体148の場合と同様にドリフト領域から切り離される。
[0099]スキーム151で、二次のZ収差(T|ZZ)(すなわち、球面収差)152は、周期的レンズ系36の結果としてMR−TOF分析器31内に存在し、正の値を有する。検出器自体は、(図5にさらに示されるように)正の(T|ZZ)収差153を有する。検出器の(T|ZZ)収差153の値は、ドリフト領域と変換器プレートの間の電位差によって決定される。スキーム154では、湾曲した変換器電極155が、分析器と検出器の(T|ZZ)収差152、153両方を補償するために使用される。変換器電極155の湾曲は、SIMIONモデルから決定することができるのに対して、ドリフト領域と変換器プレートの間の電位差Uの微調整は、イオンピーク幅を最適化する(T|ZZ)補償を可能にする。例えば、図5に示された収差は、曲率半径が180mmである湾曲した変換器電極155によって補償することができる。より高いUの値は、より小さい値の曲率半径を必要とすることに留意されたい。
[00100]本明細書は多くの詳細を含むが、これらは本開示の範囲のまたは権利主張され得るもの範囲の限定として解釈されるべきではなく、むしろ本開示の特定の実施に特有の特徴の説明として解釈されるべきである。いくつかの実施の文脈で本明細書に記載されているいくつかの特徴は、他の実施の範囲内で実施することもできる。逆に、単一の実施の文脈で記載されている様々な特徴は、複数の実施において別々に実施することもでき、または任意の適切な下位の組み合わせにおいて実施することもできる。また、特徴はある組み合わせにおいて作用するものとして上述され得、さらにそのようなものとして最初に権利主張され得るが、権利主張された組み合わせからの1つまたは複数の特徴は、場合によっては、その組み合わせから削除されてもよく、権利主張された組み合わせは、下位の組み合わせまたは下位の組み合わせの変形例に向けられてもよい。
[00101]同様に、動作は特定の順序で図面に示されているが、これは、そのような動作が図示の特定の順序または連続した順序で行われること、あるいは所望の結果を実現するために示された全ての動作が行われることを必要とするものとして理解されるべきでない。いくつかの状況では、マルチタスクおよび並行処理が有利であり得る。また、上述した実施形態における様々なシステムの構成要素の分離は、全ての実施形態においてそのような分離を必要とするものとして理解されるべきではなく、説明したプログラムの構成要素およびシステムは、一般に、単一のソフトウェア製品にともに統合されてもよく、または複数のソフトウェア製品に実装されてもよいことを理解されたい。
[00102]いくつかの実施が説明された。それにもかかわらず、本開示の要旨および範囲から逸脱することなく様々な変更がなされてもよいことが理解されよう。したがって、他の実施は、添付の特許請求の範囲の範囲内にある。例えば、特許請求の範囲に挙げられた動作は、異なる順序で実行されてもよく、それでもなお所望の結果を実現する。

Claims (10)

  1. 検出されたイオンパケット(42)のタイムフロント(42F)に平行に露出され二次電子(43)を生成する伝導性変換器(46)と、
    側窓(48)を備えた少なくとも1つの電極であって、当該変換器(46)は100Vから1000Vの間の電圧差だけ当該電極に対して負に浮いている少なくとも1つの電極と、
    電子軌道を前記側窓(48)に向けて曲げるように磁場の強さ1mTから100mT(10ガウスから1000ガウス)の間を有する少なくとも1つの磁石(47)と、
    1kVから20kVだけ前記変換器の表面に対して正に浮いており、前側窓(48)の後に位置するシンチレータ(24)であって、当該シンチレータ(24)の表面と前記変換器(46)の表面の間の角度は45度から180度である、シンチレータ(24)と、
    前記シンチレータ(24)の後の密封型光電子増倍管(26)と
    を備える、飛行時間検出器(41)。
  2. 前記シンチレータ(24)は、前記シンチレータの表面から表面帯電を除去するために伝導性メッシュ(49)によってコーティングまたは覆われる、請求項1に記載の検出器。
  3. 前記シンチレータ(24)は、前記密封型光電子増倍管(26)に光学的に結合される、請求項1に記載の検出器。
  4. 前記少なくとも1つの磁石(47)の配置は、前記磁場の曲りによって前記二次電子(43)を空間的に集束するように調整される、請求項1に記載の検出器。
  5. 前記変換器表面は、時間あたりの空間球面収差を補償するために湾曲または階段状である、請求項1に記載の検出器。
  6. 前記変換器表面は、前記側窓(48)にまたは前記側窓(48)の後に電位バイアスを印加することによって前記イオンパケット(42)の前記タイムフロント(42F)に対して電子的に傾斜させられる、請求項1に記載の検出器。
  7. 前記変換器(46)と前記シンチレータ(24)の間にメッシュまたは離散ダイノード電子増幅器をさらに備える、請求項1に記載の検出器。
  8. 100未満の電子増幅ゲインに設定されたマイクロチャンネルプレート(137、148)をさらに備える、請求項1に記載の検出器。
  9. 前記シンチレータ(24)と前記密封型光電子増倍管(26)の間に細長い光カップリングをさらに備え、前記密封型光電子増倍管(26)は、前記シンチレータ(24)の大気側に配置される、請求項1に記載の検出器。
  10. 請求項1に記載の前記検出器(41)を備える多重反射質量分析計(31)。
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