JP2015082037A - 樹脂管状体、定着装置、及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
請求項2に係る発明によれば、樹脂Aが前記したもの以外である場合と比べて、高い機械的強度と高い熱伝導性とを両立した樹脂管状体が得られる。
請求項3に係る発明によれば、充填剤と樹脂Bとが前記したもの以外である場合と比べて、高い機械的強度と高い熱伝導性とを両立した樹脂管状体が得られる。
なお、図面を用いて説明する場合、実質的に同一の機能を有する部材には、同じ符合を付与し、重複する説明は適宜省略する場合がある。
本実施形態に係る樹脂管状体は、樹脂Aによる管状の繊維集合体と、該繊維集合体中の空隙に含まれる充填剤及び前記樹脂Aとは異なる樹脂Bと、を含み構成される樹脂管状体である。
つまり、本実施形態に係る樹脂管状体は、樹脂Aによる管状の繊維集合体が基材となり、該基材の繊維集合体の空隙中に充填剤及び樹脂Bが充填されてなる樹脂層である。
このような構成であることで、本実施形態に係る樹脂管状体は、高い機械的強度と高い熱伝導性とを両立しうる。
これに対し、本実施形態に係る樹脂管状体は、以下のような作用から、上記の課題を解決しうると推測される。
即ち、本実施形態に係る樹脂管状体は、樹脂Aによる管状の繊維集合体の空隙中に、充填剤と樹脂Aとは異なる樹脂Bを含ませる構成とすることで、樹脂Aによるマトリックス中に充填剤が分散した態様に比べ、充填剤が樹脂管状体の厚み方向に配列し易くなると考えられる。
その結果、本願発明に係る樹脂管状体では、同程度の熱伝導性を得るための充填剤の充填率は、樹脂Aによるマトリックス中に充填剤が分散した態様に比べて少なくしうる。
更に、本発明に係る樹脂管状体を構成する樹脂Aによる管状の繊維集合体は、後述するように、三次元的に繊維が絡み合い、且つ、繊維の接点が接合していることもあり、樹脂Aによる単一層と比較しても、面方向(面に沿った方向)における機械的強度の低下を小さくしうる。
これらの点から、本実施形態に係る樹脂管状体は、機械的強度を高く維持しつつも、高い熱伝導性が得られることになり、高い機械的強度と高い熱伝導性とを両立しうるものと考えられる。
本実施形態において、樹脂Aによる管状の繊維集合体とは、樹脂Aによる繊維が三次元的に不規則に絡み合い集合してなる集合体であって、樹脂Aによる繊維はその接点において互いに接合(例えば融着)しているものをいう。このような繊維集合体は、繊維の接点の接合(融着)により、伸縮性が低く、形状保持性を有するものである。
その中でも、耐熱性、前駆体を含めた有機溶剤への溶解性の点から、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンサルファイドが好ましい。
即ち、繊維径としては、0.1μm以上5μm以下の範囲がよく、望ましくは0.5μm以上4μm以下、より望ましくは1μm以上3μm以下である。
この繊維集合体の空隙率は、フィルムの断面をSEM観察(X−Y軸面、Y−Z面)し、空隙の測定面積から空隙部の体積を算出して空隙部の体積分率を測定しうる。
本実施形態における充填剤は、熱伝導性を付与しうるものであれば有機フィラー、無機フィラーと呼ばれる周知の充填剤が用いられる。
具体的には、炭化物(例えば、カーボンブラック、カーボンファイバ、カーボンナノチューブ等)、酸化チタン、炭化ケイ素、タルク、マイカ、カオリン、酸化鉄、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、酸化マグネシウム、黒鉛、窒化ケイ素、窒化ホウ素、酸化鉄、酸化セリウム、酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、金属ケイ素等の周知の無機充填剤が挙げられる。
これらの中でも、フィラー材料の熱伝導性と加熱冷却時の反応性の点から、窒化ケイ素、炭化ケイ素、黒鉛、窒化ホウ素、炭化物が好ましい。
具体的には、粒径としては、製造上の有意点と、熱伝導性を付与する効率の点から、0.1μm以上5μm以下の範囲がよく、望ましくは1μm以上4μm以下、より望ましくは2μm以上3μm以下である。
充填剤の粒径は、走査型電子顕微鏡を用いた直接観察によって測定しうる。
例えば、本実施形態に係る樹脂管状体の用途が定着ベルトであれば、後述のように測定した引張り強度が230MPa以上(望ましくは250MPa以上)を満たすように、充填剤の量を調製すればよい。具体的には、樹脂管状体中の充填剤の量は、体積分率にて5%以上35%以下の範囲がよく、望ましくは10%以上30%以下、より望ましくは20%以上25%以下である。
本実施形態における樹脂Bは、前記した充填剤と共に繊維集合体中の空隙に含まれるものであり、樹脂Aとは異なる樹脂である。
樹脂Bとしては、例えば、ポリエーテルイミド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン等が挙げられる。
これらの中でも、充填剤との組み合わせにおいて、充填剤表面と高分子溶液の濡れ性の点から、ポリエーテルイミド、ポリサルフォンが好ましい。
樹脂Bとしては、製造上の点から、繊維集合体を構成する樹脂Aを溶解しない溶媒に、溶解又は分散しうるものを選択することが望ましく、溶解しうるものがより望ましい。
この組み合わせでは樹脂Bの望まない硬化が生じ難いことから、繊維集合体の空隙への充填剤及び樹脂Bの充填が良好に行われ、繊維集合体において充填剤及び樹脂Bが偏在化することを抑制しうる。その結果、機械的強度及び熱伝導性の面内均一性に優れた樹脂管状体が得られる。
本実施形態に係る樹脂管状体は、樹脂Aによる管状の繊維集合体、充填剤、及び樹脂Bの他に、必要に応じて、他の成分を含んでいてもよい。
その他の成分としては、レベリング剤、イオン導電剤等が挙げられる。
これらのその他の成分の含有量としては、本実施形態に係る樹脂管状体中、5質量%以下であり、より望ましくは3質量%以下である。
具体例として、樹脂Aとしてのポリイミドによる管状の繊維集合体と、充填剤としての窒化ホウ素フィラーと、樹脂Bとしてのポリエーテルイミドと、による樹脂管状体の作製方法を挙げて、本実施形態に係る樹脂管状体の作製方法を説明する。本実施形態に係る樹脂管状体の製造方法は、無論この態様に限られるわけではない。
まず、ポリイミドによる管状の繊維集合体の作製について説明する。
例えば、ポリイミド前駆体であるポリアミック酸溶液を、金属柱に対しエレクトロスピニング法を適用して、管状の繊維集合体を形成する。
ここで、エレクトロスピニング法とは、高分子化合物溶液に高電圧を印加することによって、金属柱のような導電性材料上に高分子化合物溶液を噴射し、かかる高分子化合物からなる繊維を形成させる方法である。
エレクトロスピニング法を適用した電界紡糸装置は、公知のものを使用しうるが、一例としては、「井本製作所の電界紡糸装置(標準機)1369」が挙げられる。
また、高分子化合物溶液の噴射時間を調整することで、繊維集合体の膜厚をも適宜変更しうる。
本実施形態では、以下のような条件であることが望ましい。
即ち、印加電圧が5kV以上20kV以下、噴霧の飛散距離(ノズル金型間距離)が10cm以上30cm以下、高分子溶液の吐出速度が1ml/hr以上5ml/hr以下である。
イミド化の処理(焼成)条件としては、例えば、250℃以上450℃以下(望ましくは300℃以上400℃以下)で、20分間以上60分間以下で加熱することがよい。
加熱反応の際、加熱の最終温度に達する前に、温度を段階的、又は一定速度で徐々に上昇させて加熱することがよい。
次に、管状の繊維集合体への充填剤及び樹脂Bの充填の方法について説明する。
例えば、ポリエーテルイミド(PEI)のN−メチルピロリドン(NMP)溶液に、窒化ホウ素フィラーを混合撹拌し、充填剤を分散させて、充填剤分散PEI溶液を調製する。
得られたフィラー分散PEI溶液を、前述の方法で得られた繊維集合体に対し加圧含浸させた後、外型で保持して、乾燥する。
なお、加圧含浸は、以下の方法にて行われることが望ましい。
即ち、真空加圧含浸装置(協真エンジニアリング製VPG−4250S)にサンプルを入れ、真空度6Pa以上10Pa以下の環境下に30min静置する。そこへ、液温40℃以上50℃以下に調整した含浸液を導入後、圧力0.1MPa以上0.5MPa以下で加圧し、その状態を1hr維持する方法である。
サンプルを外型に移し、回転乾燥オーブンを用い、回転をさせながら80℃6hr→100℃6hr→200℃1hrでステップ乾燥する。
なお、外型による保持とは、円筒体サンプル(繊維集合体)を、0mm以上0.5mm以下程度外側から支持できるサイズに調整してなる金属円筒体であることを指す。
なお、繊維集合体の空隙は、充填剤及び樹脂Bにより充填されるが、熱伝導性と機械的強度を著しく低下させないといった範囲においては、残存していてもよい。本実施形態に係る樹脂管状体では、具体的には、繊維集合体の充填剤及び樹脂Bによる充填率としては、体積分率にて20%以上であればよく、25%以上であることが望ましい。
本実施形態に係る樹脂管状体は、熱伝導性と機械的強度との両方に優れるため、これらの物性が求められる種々の用途に適用しうる。
特に、本実施形態に係る樹脂管状体は、画像形成装置における定着部材として好適であって、具体的には例えば、画像定着の際の加熱ベルト、加圧ベルトのいずれにも適用される。なお、加熱ベルトとしては、電磁誘導方式により加熱する加熱ベルト、外部の熱源から加熱する加熱ベルトのいずれであってもよい。
また、例えば、本実施形態に係る樹脂管状体の用途が定着ベルトであれば、樹脂管状体(繊維集合体)からなる基材層の長さ(周長)は、250mm以上500mm以下の範囲がよく、望ましくは300mm以上450mm以下、より望ましくは350mm以上400mm以下である。
弾性層は、耐熱性弾性材料を含んで構成される。
耐熱性弾性材料としては、例えば、シリコーンゴム、フッ素ゴム等が挙げられる。
シリコーンゴムとしては、例えば、RTVシリコーンゴム、HTVシリコーンゴム、液状シリコーンゴムなどが挙げられ、具体的には、ポリジメチルシリコーンゴム(MQ)、メチルビニルシリコーンゴム(VMQ)、メチルフェニルシリコーンゴム(PMQ)、フルオロシリコーンゴム(FVMQ)等が挙げられる。
フッ素ゴムとしては、フッ化ビニリデン系ゴム、四フッ化エチレン/プロピレン系ゴム、四フッ化エチレン/パーフルオロメチルビニルエーテルゴム、フォスファゼン系ゴム、フルオロポリエーテル等が挙げられる。
なお、「耐熱性」とは、定着装置の昇温温度(例えば定着温度)に達しても、溶けたり分解したりしない特性を意味する。以下、同様である。
表面層は、例えば、耐熱性離型材料を含んで構成される。
耐熱性離型材料としては、フッ素ゴム、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられる。
これらの中でも、耐熱性離型材料としては、フッ素樹脂がよい。フッ素樹脂として具体的には、例えば、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリエチレン/テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロ三フッ化エチレン(PCTFE)、フッ化ビニル(PVF)等が挙げられる。
本実施形態に係る樹脂管状体である基材と弾性層との間、また、弾性層と表面層との間に接着層を有していてもよい。
接着層は、耐熱性を有する接着剤により形成されていればよく、公知のものが適用される。
また、本実施形態に係る樹脂管状体である基材層と弾性層との間に、電磁誘導により発熱する金属層(発熱層)を設けてもよい。
本実施形態に係る定着装置は、前述した本実施形態に係る樹脂管状体を含む定着部材を備える。
本実施形態に係る定着装置としては、種々の構成があり、例えば、第1回転体と、第1回転体の外面に接して配置される第2回転体と、を備える構成がある。そして、第1回転体及び第2回転体の少なくとも一方を構成する要素として、本実施形態に係る樹脂管状体が適用される。
なお、本実施形態に係る定着装置は、第1及び第2実施形態に限られず、加熱ロール又は加熱ベルトと加圧ベルトとを備えた定着装置であってよい。そして、本実施形態に係る樹脂管状体は、加熱ロール、加熱ベルト及び加圧ベルトのいずれにも適用され得る。
また、本実施形態に係る定着装置は、第1及び第2実施形態に限られず、電磁誘導加熱方式の定着装置であってもよい。
第1実施形態に係る定着装置について説明する。図1は、第1実施形態に係る定着装置の一例を示す概略概略図である。
なお、押圧パッド64は、例えば、加圧ベルト62と加熱ロール61とが相対的に加圧されていればよい。従って、加圧ベルト62側が加熱ロール61に加圧されてもよく、加熱ロール61側が加圧ベルト62に加圧されてもよい。
押圧パッド64は、例えば、幅の広い挟込領域Nを確保するための前挟込部材64aを挟込領域Nの入口側に配置し、加熱ロール61に歪みを与えるための剥離挟込部材64bを挟込領域Nの出口側に配置している。
なお、摺動部材68は、例えば、その摺動面が加圧ベルト62の内周面と接するように設けられており、加圧ベルト62との間に存在するオイルの保持・供給に関与する。
第2実施形態に係る定着装置について説明する。図2は、第2実施形態に係る定着装置の一例を示す概略概略図である。
定着ベルトモジュール86は、例えば、加熱ベルト84の外側に配置されてその周回経路を規定する支持ロール92と、加熱押圧ロール89から支持ロール90までの加熱ベルト84の姿勢を矯正する姿勢矯正ロール94と、加熱ベルト84(定着ベルトモジュール86)と加圧ロール88とが接触する領域である挟込領域Nの下流側において加熱ベルト84を内周面から張力を付与する支持ロール98とが設けられている。
摺動部材82は、例えば、その摺動面が加熱ベルト84の内周面と接するように設けられており、加熱ベルト84との間に存在するオイルの保持・供給に関与する。
ここで、摺動部材82は、例えば、その両端が支持部材96により支持された状態で設けられている。
支持ロール90の両端部には、例えば、加熱ベルト84を外側に押圧するバネ部材(不図示)が配設されている。
支持ロール92の離型層は、例えば、加熱ベルト84の外周面からのトナーや紙粉が支持ロール92に堆積するのを防止するために形成されるものである。
支持ロール92の内部には、例えば、ハロゲンヒータ92A(加熱源の一例)が配設されており、加熱ベルト84を外周面側から加熱するようになっている。
姿勢矯正ロール94には、例えば、端部位置測定機構の測定結果に応じて加熱ベルト84の軸方向における当り位置を変位させる軸変位機構(不図示)が配設され、加熱ベルト84の蛇行を制御するように構成されている。
次に、本実施形態に係る画像形成装置について説明する。
本実施形態の画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電させる帯電手段と、帯電された像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、トナー像を記録媒体に定着する定着手段と、を備える。そして、定着手段として、本実施形態に係る定着装置が適用される。
図3は、本実施形態に係る画像形成装置の構成を示した概略構成図である。
本実施形態に係る画像形成装置では、図示しない画像読取装置や図示しないパーソナルコンピュータ(PC)等から出力される画像データは、図示しない画像処理装置により画像処理が施された後、画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kによって作像作業が実行される。
樹脂Aとしてのポリイミドによる繊維集合体の空隙に、充填剤としての窒化ホウ素フィラーと、樹脂BとしてのPEI樹脂と、が含まれるシームレス樹脂管状体を、次の手順にて作製した。
なお、エレクトロスピニングには、次の構成の装置を使用した。
回転円筒体金型に対向して高分子溶液塗出ノズルが配置され、そのノズルを耐溶剤チューブを介しシリンジポンプ(アズワン製マイクロシリンジポンプIC−3100)に接続しつつ、更に円筒体金型とノズルの間に任意の電圧を印加できる高電圧電源を配置してなる構成の装置を使用した。また、条件としては、電圧15kV、ノズル金型間距離17cm、高分子溶液の塗出速度3ml/hrであった。
これにより、内径30mm、膜厚60μmのポリイミドによる繊維集合体を得た。
得られた繊維集合体において、繊維径は2μmであり、空隙率は41%であった。
これにより得られたフィラー分散PEI溶液を、前述の方法で得られた繊維集合体に対し加圧含浸させた後、外型で保持して、200℃、2時間で乾燥した。
加圧含浸は、真空加圧含浸装置(協真エンジニアリング製VPG−4250S)に繊維集合体を入れ、真空度8Pa環境下に30min静置した。そこへ液温43℃に調整した含浸液(フィラー分散PEI溶液)を導入後、圧力0.5MPaで加圧し、その状態を1hr維持して加圧含浸を行った。
このようにして得られたシームレス樹脂管状体は、内径30mm、膜厚60μmのシームレス樹脂管状体であった。また、窒化ホウ素フィラーの充填量は、上記の通り、繊維集合体に対して体積分率にて10%であった。
実施例1において、窒化ホウ素フィラーの充填量を、繊維集合体に対して体積分率にて20%となるようにした以外は実施例1と同じ方法で、シームレス樹脂管状体を得た。
実施例1において、窒化ホウ素フィラーの充填量を、繊維集合体に対して体積分率にて25%となるようにした以外は実施例1と同じ方法で、シームレス樹脂管状体を得た。
実施例1において、窒化ホウ素フィラーの充填量を、繊維集合体に対して体積分率にて30%となるようにした以外は実施例1と同じ方法で、シームレス樹脂管状体を得た。
繊維集合体の繊維径を1.8μmとし、空隙率57%となるように各条件を調整した以外は、実施例1におけるエレクトロスピニングによる繊維集合体の作製と同様にして、繊維集合体を作製した。
その後、得られた繊維集合体を用い、実施例3と同様にして、窒化ホウ素フィラーの充填量を、繊維集合体に対して体積分率にて25%となるシームレス樹脂管状体を得た。
実施例3において、窒化ホウ素フィラーを、「グラファイト(昭和電工社製「UF−G5」)」に代えた以外は、実施例3と同じ方法で、シームレス樹脂管状体を得た。
実施例3において、樹脂Bとして用いたポリエーテルイミドを、「ポリサルフォン(PSF)」に代えた以外は、実施例3と同じ方法で、シームレス樹脂管状体を得た。
実施例1において、窒化ホウ素フィラーを充填していない(繊維集合体の空隙中にはポリエーテルイミドのみが含まれる)以外は実施例1と同じ方法で、シームレス樹脂管状体を得た。
ポリイミド樹脂のみで形成されたシームレス樹脂管状体を次の手順で作製した。
ポリイミド前駆体のNMP溶液を、φ30mmの金型上にフローコートにて均一に塗布し、380℃までステップ昇温(25℃→120℃1hr→250℃1hr→380℃1hr→25℃)して焼成した。
これにより、内径30mm、膜厚60μmのポリイミド(樹脂単一層)のみによるシームレス樹脂管状体を得た。
体積分率にて10%となる窒化ホウ素フィラーを分散したポリイミドによるシームレス樹脂管状体は次の方法で作製した。
即ち、樹脂管状体に対し体積分率にて10%となる窒化ホウ素フィラー(昭和電工社製「ショウビーエヌ(登録商標)/UHP」)と、ポリイミド前駆体のNMP溶液と、をビーズミルにて均一分散して塗料を調液した。
その塗料を、φ30mmの金型上にフローコートにて均一に塗布し、380℃までステップ昇温(25℃→120℃1hr→250℃1hr→380℃1hr→25℃)して焼成した。
これにより、内径30mm、膜厚60μmのポリイミド(樹脂単一層)中に窒化ホウ素フィラーが分散してなるシームレス樹脂管状体を得た。
比較例3において、窒化ホウ素フィラーの体積分率を20%とした以外は比較例3と同じ方法で、シームレス樹脂管状体を得た。
比較例3において、窒化ホウ素フィラーの体積分率を30%とした以外は比較例3と同じ方法で、シームレス樹脂管状体を得た。
比較例3において、窒化ホウ素フィラーの体積分率を40%とした以外は比較例3と同じ方法で、シームレス樹脂管状体を得た。
(熱伝導率の測定)
前述のようにして得られたシームレス樹脂管状体の熱伝導率(W/m・K)は、以下のようにして測定した。
即ち、シームレス樹脂管状体を、30mm角に切り出し、熱伝導率測定機(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製のai−Phase Mobile)を用いて測定した。結果を表1に示す。
なお、熱伝導率の評価指標は以下の通りである。
1:熱伝導率が0.80W/m・K以上である
2:熱伝導率が0.60W/m・K以上0.80W/m・K未満である
3:熱伝導率が0.40W/m・K以上0.60W/m・K未満である
4:熱伝導率が0.20W/m・K以上0.40W/m・K未満である
5:熱伝導率が0.20W/m・K未満である
前述のようにして得られたシームレス樹脂管状体の引張り強度(MPa)は、以下のようにして測定した。
即ち、シームレス樹脂管状体を、幅5mmの短冊形状に切り出し、これを引張試験機Model 1605N(アイコーエンジニアリング社製)に設置し、10mm/sec等速で引張った際の引張破断強度(Mpa)にして測定した。結果を表1に示す。
なお、引張り強度の評価指標は以下の通りである。
1:引張り強度が350MPa以上である
2:引張り強度が300MPa以上350MPa未満である
3:引張り強度が250MPa以上300MPa未満である
4:引張り強度が200MPa以上250MPa未満である
5:引張り強度が200MPa未満である
前述のようにして得られた実施例3及び比較例2の樹脂管状体を用い、以下のようにして定着ベルトを作製した。
即ち、樹脂管状体上に、PFA塗料を10μmの厚さにフローコートし、250℃で焼成し、定着ベルトを作製した。
該定着試験装置は加熱ベルトを介し加熱押圧ロールと支持ロールが対向してなる試験機である。
そして、この定着試験機を用いて、P紙(用紙)に対し白黒の未定着トナー像を定着したところ、実施例3の樹脂管状体を用いた定着ベルトの方が、比較例2の樹脂管状体を用いた定着ベルトに比べトナーのグロースが低く、トナーの溶融定着効果が良好であった。
12 帯電器(帯電手段)
13 レーザ露光器(潜像形成手段)
14 現像器(現像手段)
16 一次転写ロール(転写手段)
22 二次転写ロール(転写手段)
60 定着装置
62 加熱ベルト
64 加圧ローラ
66 押圧パッド
68 支持部材
70 電磁誘導コイル
72 コイル支持部材
80 定着装置
82 摺動部材
84 加熱ベルト
86 定着ベルトモジュール
88 加圧ロール
89A ハロゲンヒータ
89 加熱押圧ロール
90A ハロゲンヒータ
90 支持ロール
92A ハロゲンヒータ
92 支持ロール
94 姿勢矯正ロール
96 支持部材
98 支持ロール
100 画像形成装置
Claims (5)
- 樹脂Aによる管状の繊維集合体と、該管状の繊維集合体中の空隙に含まれる充填剤及び前記樹脂Aとは異なる樹脂Bと、を含み構成される樹脂管状体。
- 前記樹脂Aが、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンサルファイドからなる群より選択される少なくとも1種である請求項1に記載の樹脂管状体。
- 前記充填剤が、窒化ケイ素、炭化ケイ素、黒鉛、窒化ホウ素、炭化物からなる群より選択される少なくとも1種であり、且つ、前記樹脂Bがポリエーテルイミド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトンからなる群より選択される少なくとも1種である請求項1又は請求項2に記載の樹脂管状体。
- 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の樹脂管状体を含む定着部材を備えた定着装置。
- 像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、
前記潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
前記トナー像を記録媒体に定着する請求項4に記載の定着装置である定着手段と、
を少なくとも備える画像形成装置。
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