JP2015078600A - コンクリートの補修又は補強方法 - Google Patents
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Abstract
Description
粘接着層2は、ガラス転移温度が15℃以下のアクリル系樹脂を含むとともに、液状エポキシ樹脂、固形エポキシ樹脂、及び硬化剤をさらに含む。こうした樹脂成分を含む粘接着層2は、補修用又は補強用のシートを仮固定可能な粘着力を有している。その結果、補修用又は補強用のシートを粘接着層2を介してコンクリートに仮固定することができる。また、粘接着層2は一時的に接着させる粘着性能を有するので、補修用又は補強用のシートを粘接着層2を介してコンクリートに仮固定した後に、そのシートを剥がして再び固定することも可能である。また、こうした樹脂成分を含む粘接着層2は、加熱や紫外線照射等の処理によって粘接着層2に接着性能を付与することができるので、仮固定した補修用又は補強用のシートを粘接着層2を介してそのままコンクリートに強固に接着させることもできる。さらに、粘接着層2は、粘着性能と接着性能を有するので、コンクリート面が垂直面であったり天井面であったりしても、補修用又は補強用のシートを粘接着層2を介してコンクリートに仮固定又は固定することができる。
アクリル系樹脂は、粘接着層2に実用可能な粘着力を付与するように作用し、粘接着層2を形成する際の塗布性及び成膜性を向上させるように作用する。アクリル系樹脂は、ガラス転移温度が15℃以下のものである。こうしたアクリル系樹脂であれば特に限定されず、例えば、ガラス転移温度が15℃以下のアクリル酸エステル共重合体を用いることができる。ガラス転移温度が15℃以下のアクリル酸エステル共重合体のモノマー成分としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル等のアクリル酸エステルモノマー;マレイン酸、イタコン酸、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、n−ブトキシ−N−メチロールアクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸ソーダ、ジアセトンアクリルアミド、アクリル酸グリシジル等の官能基含有モノマー;スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、アクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、エチルビニルエーテル等のモノマー;等を挙げることができる。アクリル酸エステル共重合体は、これらのモノマー成分の共重合体である。
液状エポキシ樹脂は、粘接着層2に実用可能な粘着力と高い接着力を付与するように作用する。液状エポキシ樹脂は、常温で液状のエポキシ樹脂であれば特に限定されず、各種のエポキシ樹脂を用いることができる。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、脂肪族型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、変性フェノール型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂及びグリシジルアミン型エポキシ樹脂等から選ばれる1種又は2種以上を挙げることができる。
固形エポキシ樹脂は、加熱や紫外線照射等して硬化させた後の粘接着層2に高い接着力を付与するように作用するとともに、粘接着層2に高い凝集力を付与するように作用する。固形エポキシ樹脂は、常温で固形状のエポキシ樹脂であれば特に限定されず、各種のエポキシ樹脂を用いることができる。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、変性フェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、脂肪族型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂及びビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂等から選ばれる1種又は2種以上を挙げることができる。
硬化剤は、液状エポキシ樹脂と固形エポキシ樹脂とを硬化させることができるものであれば特に限定されない。硬化剤としては、熱を加えて粘接着層2を硬化させる硬化剤であっても、紫外線や電子線を照射して粘接着層2を硬化させる硬化剤であってもよい。また、紫外線や電子線を照射することにより塩基を発生する硬化触媒を併用してもよい。
粘接着層2は、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、例えば、コンクリートと粘接着層2との密着性を向上させるためのカップリング剤や、粘接着層形成用組成物の塗膜性を向上させるためのレベリング剤等の各種添加剤等を含んでいてもよい。また、粘着力を高めるために粘着付与剤を含んでいてもよく、せん断強度を向上させるためにフィラー等を含んでいてもよい。
粘接着シート10(10A,10B,10C)は、例えば図1(B)(C)及び図2(A)に示すように、上記した粘接着層2と、その粘接着層2の片面(S1又はS2)に設けられた剥離フィルム1とを有する。この粘接着シート10は、剥離フィルム1が片面S2のみに設けられている粘接着シート10A,10Cであってもよいし、剥離フィルム1,1’が両面S1,S2に設けられている粘接着シート10Bであってもよい。
剥離フィルム1は、図1及び図2に示すように、粘接着層2の片面(S1又はS2)又は両面(S1及びS2)に設けられている。この剥離フィルム1は、粘接着層2の片面(S1又はS2)又は両面(S1及びS2)を覆って、使用時まで粘接着層2を保護するように作用する。剥離フィルム1は、図1(B)に示すように、粘接着層2の面S1,S2のうち、コンクリートに貼り付けられる側の面S1の反対面S2に設けられていてもよいし、図1(C)に示すように、その面S2とコンクリートに貼り付けられる側の面S1との両方に設けられていてもよい。
補修用又は補強用のシート3は、後述の補修又は補強方法の欄で説明するように、粘接着層2や粘接着シート10とは別シートとして使用される場合もあるが、ここでは、粘接着シート10の構成要素として一体に設けられている態様について説明する。
コンクリートの補修又は補強方法は、上記した粘接着層2や粘接着シート10を用いて行うことができる。
剥離フィルム1として、片面にシリコーン系剥離剤による易剥離処理が施されている厚さ38μmのポリエステルフィルム(三井化学東セロ株式会社製、商品名:SP−PET−03)を用いた。この剥離フィルムの易剥離処理面上に、下記の組成の粘接着層形成用組成物Aをアプリケータにより全面塗工した後、乾燥オーブンにより100℃で2分間乾燥させ、厚さ150μmの粘接着層2を形成した。次いで、その粘接着層2の他の面に、もう一つの剥離フィルムとして、片面にシリコーン系剥離剤による易剥離処理が施されている厚さ38μmのポリエステルフィルム(三井化学東セロ株式会社製、商品名:SP−PET−01)をラミネートし、一つの粘接着層を有する実施例1の粘接着シート10B(図1(C)参照)を得た。なお、粘接着層形成用組成物Aは、液状エポキシ樹脂と硬化剤2種とを配合し、ディスパーにて回転数1000rpmで30分間撹拌した後、固形エポキシ樹脂とアクリル系樹脂と希釈溶剤とを配合してディスパーにて回転数1200rpmで30分間撹拌させて調製した。
・アクリル系樹脂(水酸基が導入された変性メチルメタクリレート−ブチルアクリレート−メチルメタクリレートトリブロック共重合体、Tg:−42℃、アルケマ社製、商品名:M22N)30質量部
・液状エポキシ樹脂(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量:190g/eq.、三菱化学株式会社製、商品名:jER828)80質量部
・固形エポキシ樹脂(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量:480g/eq.、三菱化学株式会社製、商品名:jER1001)120質量部
・硬化剤(アミン系硬化剤、味の素ファインテクノ株式会社製、商品名:アミキュアMY−H)7質量部
・硬化剤(ジシアンジミド、三菱化学株式会社製、商品名:DICY)11質量部
・希釈溶剤(酢酸エチル、DICグラフィックス社製)122質量部
実施例1の粘接着層形成用組成物Aにおいて、アクリル系樹脂を、他のアクリル系樹脂(メチルメタクリレート−ブチルアクリレート−メチルメタクリレートトリブロック共重合体、Tg:−42℃、アルケマ社製、商品名:M22)に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例2の粘接着シートを得た。
実施例1の粘接着層形成用組成物Aにおいて、アクリル系樹脂を、他のアクリル系樹脂(エチルアクリレート−ブチルアクリレート−アクリロニトリル共重合体、Tg:12℃、ナガセケムテックス株式会社製、商品名:SG−P3)に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例3の粘接着シートを得た。
実施例1の粘接着層形成用組成物Aにおいて、アクリル系樹脂、液状エポキシ樹脂、及び固形エポキシ樹脂の配合量を、表1に示したように変更した。それ以外は、実施例1と同様にして実施例4〜9の粘接着シートを得た。
実施例1において、粘接着層2の厚さを300μmとした以外は、実施例1と同様にして実施例10の粘接着シートを得た。
実施例1において、アクリル系樹脂を、他のアクリル系樹脂(エチルアクリレート−メチルメタクリレート共重合体、Tg:18℃、根上工業株式会社製、商品名:W−197C)に変更した以外は、実施例1と同様にして比較例1の粘接着シートを得た。
実施例1において、アクリル系樹脂を、他のアクリル系樹脂(ポリメチルメタクリレート、Tg:105℃、東栄化成株式会社製、商品名:LC#6500)に変更した以外は、実施例1と同様にして比較例2の粘接着シートを得た。
実施例1において、アクリル系樹脂、液状エポキシ樹脂、及び固形エポキシ樹脂の配合量を、表1に示したように変更した。それ以外は、実施例1と同様にして比較例3〜7の粘接着シートを得た。
実施例1において、粘接着層形成用組成物Aの代わりに、下記の粘接着層形成用組成物Bを用いた他は、実施例1と同様にして実施例11の粘接着シートを得た。なお、粘接着層形成用組成物Bは、液状エポキシ樹脂と固形エポキシ樹脂とアクリル系樹脂と希釈溶剤とを配合し、ディスパーにて回転数1200rpmで30分間撹拌して溶解し、その後、メルカプト基を有する硬化剤と光塩基発生剤Aをさらに加え、ディスパーにて回転数1200rpmで30分間撹拌して溶解し、さらに脱泡させた後、粘接着層形成用組成物Bを調製した。
・アクリル系樹脂(水酸基が導入された変性メチルメタクリレート−ブチルアクリレート−メチルメタクリレートトリブロック共重合体、Tg:−42℃、アルケマ社製、商品名:M22N)30質量部
・液状エポキシ樹脂(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量:190g/eq.、三菱化学株式会社製、商品名:jER828)80質量部
・固形エポキシ樹脂(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量:480g/eq.、三菱化学株式会社製、商品名:jER1001)120質量部
・メルカプト基を有する硬化剤としてPEMP(ペンタエリスリトールテトラキス−3−メルカプトプロピオネート、粘度:400〜550mPa.s/25℃、メルカプタン当量:125〜137g/eq、三菱化学株式会社製、商品名:QX40)90質量部
・光塩基発生剤A(下記の合成方法を参照)10質量部
・希釈溶剤(酢酸エチル、DICグラフィックス社製)122質量部
100mLフラスコにメタノール15mLを入れ、そこに炭酸カリウム2.00gを加えた。次いで、50mLフラスコにメタノール10mLを入れ、そこにエトキシカルボニルメチル(トリフェニル)ホスホニウムブロミド(東京化成工業株式会社製)2.67g(6.2mmol)及び2−ヒドロキシ−4−(5−エチルヘキシルオキシ)−5−エチルベンズアルデヒド1.7g(6.2mmol)を添加し、溶解させた後、よく撹拌した上記炭酸カリウムのメタノール溶液をゆっくりと滴下した。そして、3時間撹拌した後、TLCにより反応の終了を確認した。次いで、ろ過により炭酸カリウムを除き、減圧濃縮した。濃縮した後、1Nの水酸化ナトリウム水溶液を50mL加えて1時間撹拌した。反応終了後、ろ過によりトリフェニルホスフィンオキシドを除き、濃塩酸を滴下して反応液を酸性にした。沈殿物をろ過により集め、少量のクロロホルムで洗浄することにより2−ヒドロキシ−4−(5−エチルヘキシルオキシ)−5−エチルケイ皮酸を1.7g得た。続いて、窒素雰囲気下、100mL三口フラスコ中で、2−ヒドロキシ−4−(5−エチルヘキシルオキシ)−5−エチルケイ皮酸1.0g(3.19mmol)を脱水テトラヒドロフラン10mLに溶解し、氷浴下で1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(東京化成工業株式会社製)0.73g(3.83mmol,1.2eq)を加えた。30分後に、アミンとしてピペリジン(東京化成株式会社製)129mg(1.52mmol、0.95eq)を加えた後、終夜で撹拌した。反応終了後、反応溶液を濃縮し、水に溶解した。クロロホルムで抽出した後、炭酸水素水溶液、1N塩酸、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮することにより、下記式(I)に示す光塩基発生剤Aを1.0g得た。
実施例11の粘接着層形成用組成物Bにおいて、光塩基発生剤Aの代わりに、下記光塩基発生剤Bを10質量部用いたこと以外は、実施例11と同様にして実施例12の粘接着シートを得た。
光塩基発生剤Aの2−ヒドロキシ−4−(5−エチルヘキシルオキシ)−5−エチルベンズアルデヒドの代わりに、2−ヒドロキシ−5−(5−エチルヘキシルオキシ)ベンズアルデヒド1.5g(6.2mmol)を添加した他は、光塩基発生剤Aの合成方法と同じ方法で、下記式(II)に示す光塩基発生剤Bを0.8g得た。
粘接着層2の厚さを200μmとした以外は、実施例1と同様にして粘接着シートを得た。この粘接着シートの粘接着層2に設けられた二つの剥離フィルムのうち、一方の剥離フィルム(SP−PET−01)を剥がした。露出した粘接着層2を60℃に加熱しながら、補強用のシートとしてアラミド繊維(目付量:90g/m2、厚さ:約0.024mm、ファイベックス株式会社製、商品名:AKM−5/5)をラミネートした。
実施例13において、粘接着層2及び粘接着層2’を形成するために使用する粘接着層形成用組成物Aのアクリル系樹脂、液状エポキシ樹脂、及び固形エポキシ樹脂の配合量を、表2に示したように変更した。それ以外は、実施例13と同様にして実施例14,15の粘接着シートを得た。
実施例13において、アラミド繊維(目付量:90g/m2、厚さ:約0.024mm、ファイベックス株式会社製、商品名:AKM−5/5)の代わりに、アラミド繊維(目付量:180g/m2、厚さ:約0.048mm、ファイベックス株式会社製、商品名:AKM−10/10)を用いた他は、実施例13と同様にして実施例16の粘接着シートを得た。
実施例13において、粘接着層2及び粘接着層2’を形成するために使用する粘接着層形成用組成物Aのアクリル系樹脂、液状エポキシ樹脂、及び固形エポキシ樹脂の配合量を、表2に示したように変更した。それ以外は、実施例13と同様にして比較例8,9の粘接着シートを得た。
実施例13において、粘接着層形成用組成物Aの代わりに、実施例11の粘接着層形成用組成物Bを用いた他は、実施例13と同様にして実施例17の粘接着シートを得た。
実施例13において、粘接着層形成用組成物Aの代わりに、実施例11の粘接着層形成用組成物Bを用いた。さらに、アラミド繊維(目付量:90g/m2、厚さ:約0.024mm、ファイベックス株式会社製、商品名:AKM−5/5)の代わりに、アラミド繊維(目付量:180g/m2、厚さ:約0.048mm、ファイベックス株式会社製、商品名:AKM−10/10)を用いた。それ以外は実施例13と同様にして実施例18の粘接着シートを得た。
図1又は図2に示すような一つの粘接着層を有する粘接着シートである、実施例1〜12及び比較例1〜7の粘接着シート10を構成する粘接着層2の組成を表1に示す。また、図3に示すような二つの粘接着層を有する粘接着シートである、実施例13〜18及び比較例8,9の粘接着シート10を構成する粘接着層2及び粘接着層2’の組成を表2に示す。アクリル系樹脂の含有量は、例えば実施例1では[30質量部/(30質量部+80質量部+120質量部)×100]=13.0質量%、のようにして表した。また、液状エポキシ樹脂の含有量は、例えば実施例1では[80質量部/(80質量部+120質量部)×100]=40.0質量%、のようにして表し、また、固形エポキシ樹脂の含有量は、例えば実施例1では[120質量部/(80質量部+120質量部)×100]=60.0質量%、のようにして表した。
た。また、実施例1〜18及び比較例1〜9の粘接着シートについて、せん断強度の測定、押し抜き試験、付着強度の測定を行った。
実施例1〜12及び比較例6で得た粘接着シートの粘着力の測定は、先ず、得られた粘接着シートの剥離フィルム(SP−PET−01)を剥がし、露出した粘接着層2を基材(片面にコロナ処理が施されているPETフィルム、厚さ:38μm、東洋紡績株式会社製、商品名:E5100)のコロナ処理面に貼り付けた。その後、25mm×150mmのサイズに切断し、粘着力の測定用の試験片を作製した。次いで、この試験片の剥離フィルム(SP−PET−03)を剥がし、露出した粘接着層2をステンレス板(SUS304)にローラーを用いてラミネートした。その後、引張試験機(株式会社エー・アンド・デイ社製、型番:RTF−1150H)を用いて、JIS Z0237に準拠した条件(引張速度:300mm/分、剥離距離:150mm、剥離角:180°)で、ステンレス板面に対する粘着力(N/25mm)を測定した。結果を表3に示した。なお、比較例1〜5,7の粘接着シートは、粘接着層2を上記したステンレス板面に貼り付けることができなかったため、測定できなかった。
実施例1〜12及び比較例1〜7で得た粘接着シートのせん断強度の測定は、先ず、得られた粘接着シートを25mm×12.5mmのサイズに切断し、粘接着シートの粘接着層に設けられた二つの剥離フィルムのうち、一方の剥離フィルム(SP−PET−01)を剥がした後、露出した粘接着層2をアルコール洗浄された溶融亜鉛鍍金鋼板に圧着した。次いで、他方の剥離フィルム(SP−PET−03)を剥がし、露出した粘接着層をもう一つの試験片である溶融亜鉛鍍金鋼板に圧着した。
押し抜き試験は、先ず、補修用又は補強用のシートを備えた粘接着シートを作製した。この粘接着シートの作製は、先ず、樹脂フィルム(厚さ:15μm、三菱樹脂株式会社製、商品名:スーパーニールE15)の一方の面に、ウレタン系2液硬化型接着剤(三井化学株式会社製、主剤の商品名:タケラックA−310、硬化剤の商品名:タケネートA−3)を固形分の塗布量5g/m2で塗布し、湿式法によるサーマルボンド不織布(坪量:23g/m2、大王製紙株式会社製、商品名:ポリエステルペーパー)をドライラミネートにより積層させた。次いで、樹脂フィルムのもう一方の面に、ウレタン系2液硬化型接着剤(三井化学株式会社製、主剤の商品名:タケラックA−310、硬化剤の商品名:タケネートA−3)を、固形分の塗布量12g/m2で塗布し、ポリエチレンテレフタレートクロス(平織り、繊度:250d、打ち込み本数:43本×43本/インチ、坪量:105g/m2)をドライラミネートにより積層させた。こうして補修用又は補強用のシートを製造した。
上記した押し抜き試験で作製したのと同様の、補修用又は補強用のシートを備えた粘接着シートを作製した。その粘接着シートが有する剥離フィルム(SP−PET−03)を剥がして、露出した粘接着層を粘接着層側から、上記せん断強度の測定で使用した紫外線照射装置を用いて、波長300〜370nmの領域で積算光量が1000mJ/cm2となるように紫外線を照射して硬化させた。その後、その粘接着層側をハンドローラーにて厚さ60mmのコンクリートに貼り付けた後、室温で7日間放置した。そのサンプルより、コンクリート用コアカッタを用いて、40mm×40mmの大きさに切断し、はく落防止性能照査試験(JHS 424 2004)により評価した。その結果、実施例1〜3と実施例11〜18の粘接着シートはいずれも1.5N/mm2以上の付着強度を示し、押抜き強度も1800N以上であり、それぞれ実用上問題ないレベルであった。はく落防止性能照査試験での付着強度の測定時に起こる破壊は、補修又は補強用のシート自体で起こるか、粘接着シートの凝集破壊で起こっていた。
結果を表3及び表4に示す。なお、表3及び表4の「※」は、粘接着層がステンレス板面に貼り付けることができなかったため、測定できなかったものである。また、表4の「注)」は、せん断強度の測定途中に粘接着層2とアラミド繊維との界面又は粘接着層2’とアラミド繊維との界面で剥離したため、剥離した時のせん断強度を粘接着シートのせん断強度としたものである。
2,2’ 粘接着層
3 補修用又は補強用のシート
10,10A〜10G 粘接着シート
S1,S2,S1’,S2’ 粘接着層の表面
Claims (5)
- コンクリートに、
ガラス転移温度が15℃以下のアクリル系樹脂を含むとともに、液状エポキシ樹脂、固形エポキシ樹脂、及び硬化剤をさらに含む粘接着層と、
前記粘接着層を覆うコンクリートの補修用又は補強用のシートと、
を設けることを特徴とするコンクリートの補修又は補強方法。 - 前記アクリル系樹脂の含有量が、前記アクリル系樹脂、前記液状エポキシ樹脂及び前記固形エポキシ樹脂の合計量に対して、4質量%以上、50質量%以下である、請求項1に記載のコンクリートの補修又は補強方法。
- 前記液状エポキシ樹脂の含有量が、前記液状エポキシ樹脂及び前記固形エポキシ樹脂の合計量に対して、20質量%以上、80質量%以下である、請求項1又は2に記載にコンクリートの補修又は補強方法。
- 前記液状エポキシ樹脂及び前記固形エポキシ樹脂が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のコンクリートの補修又は補強方法。
- 前記粘接着層の片面に剥離フィルムが設けられ、反対側にコンクリートの補修用又は補強用のシートが設けられている粘接着シートを用いる請求項1〜4のいずれか1項に記載のコンクリートの補修又は補強方法。
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