JP7111485B2 - 接着構造体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、接着構造体の製造方法に関する。
従来、接着方法として、主剤(A液)と硬化剤(B液)とからなる2つの液剤を混合して使用する2液型接着剤の使用方法が知られている(特許文献1等参照)。
特許文献1に記載の接着方法は、使用の直前に、主剤と硬化剤とをそれぞれ計量し、それらを混合して、混合液を調製する。その混合液を一の樹脂板に塗布して塗膜を形成し、一の樹脂板と、他の樹脂板とを塗膜を介して貼り合わせる。
その後、塗膜では、主剤と硬化剤とが反応し、主剤が硬化することによって、2つの樹脂板を強固に接着する。
しかしながら、特許文献1に記載の2液型接着剤を用いた接着方法は、使用の直前に、主剤と硬化剤とをそれぞれ計量し、混合する必要がある。そのため、工程が煩雑になるという問題がある。
そのような問題を鑑みて、特許文献2には、被着体同士を簡便かつ強固に接着しうる接着方法として、粘接着剤層を第1被着体に配置する工程(1)、前記粘接着剤層と接触して反応することにより前記粘接着剤層を硬化させることができる硬化剤層を、第2被着体に配置する工程(2)、および、前記粘接着剤層と前記硬化剤層とを、それらが前記第1被着体および前記第2被着体に挟まれるように、接触させる工程(3)を備える接着方法が記載されている。
特開2000-336333号公報 特開2017-88723号公報
しかしながら、特許文献2に記載の接着方法は被着体同士の接着における簡便性と接着性を両立しうるものではあったが、接着性にはさらなる改善の余地があった。
上記事情を鑑みて、本発明は、被着体同士を簡便かつより強固に接着できる接着構造体の製造方法を提供することを一つの課題とする。
本発明の一態様は、粘接着剤層を第1被着体上に配置する工程(1)、
前記粘接着剤層と接触して反応することにより前記粘接着剤層を硬化しうる硬化剤層を、前記粘接着剤層上に配置する工程(2)、および、
前記工程(2)の完了から5分超150分以下経過後に、第2被着体を前記第1被着体の前記粘接着剤層及び前記硬化剤層を配置した側に接触させる工程(3)
を備える、接着構造体の製造方法に関する。
本発明の一態様の製造方法においては、工程(2)において、粘着剤層上に硬化剤を塗布することにより硬化剤層を配置してもよい。
本発明の一態様の製造方法においては、工程(2)において、粘着剤層上に硬化剤層を貼り合わせることにより硬化剤層を配置してもよい。
本発明の一態様の製造方法においては、粘接着剤層と硬化剤層との反応により形成される硬化層の剪断接着力が7.0MPa以上であってもよい。
本発明の一態様の製造方法においては、粘接着剤層がエポキシ樹脂を主成分として含有し、エポキシ樹脂全体の20質量%以上が常温で固体のエポキシ樹脂であってもよい。
本発明の一態様の製造方法においては、粘接着剤層の厚みが10~100μmであってもよい。
本発明の一態様の製造方法において、粘接着剤層は、多官能エポキシ樹脂を0.5質量%以上含有してもよい。
本発明の一態様の製造方法において、硬化剤層は、硬化剤としてイミダゾール化合物を含有してもよい。
本発明の一態様に係る接着構造体の製造方法によれば、被着体同士を簡便かつより強固に接着できる。
図1は、本発明の一態様に係る接着構造体の製造方法を説明する工程図であり、(A)は粘接着剤層を第1被着体上に配置する工程(1)を、(B)は硬化剤層を粘接着剤層上に配置する工程(2)を、(C)は第2被着体を第1被着体の粘接着剤層及び硬化剤層を配置した側に接触させる工程(3)を、(D)は最終的に製造される接着構造体を、それぞれ示す。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
なお、以下の図面において、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明することがあり、重複する説明は省略または簡略化することがある。また、図面に記載の実施形態は、本発明を明瞭に説明するために模式化されており、実際の製品のサイズや縮尺を必ずしも正確に表したものではない。
本発明の一実施形態に係る接着構造体の製造方法は、粘接着剤層を第1被着体上に配置する工程(1)、前記粘接着剤層と接触して反応することにより前記粘接着剤層を硬化しうる硬化剤層を、前記粘接着剤層上に配置する工程(2)、および、前記工程(2)の完了から5分超150分以下経過後に、第2被着体を前記第1被着体の前記粘接着剤層及び前記硬化剤層を配置した側に接触させる工程(3)を備える。
以下、各工程について説明する。
<1.工程(1)>
工程(1)では、図1(A)に示すように、粘接着剤層1を第1被着体2に配置する。
粘接着剤層1は、硬化剤層3と接触して反応することにより、硬化する層(シート)であり、面方向(厚み方向に直交する方向)に沿って延び、平坦な表面と裏面とを有する略平板形状を有する。
粘接着剤層1を第1被着体2に配置するには、例えば、まず、粘接着剤層1を剥離フィルム(図示せず)の表面に形成する。粘接着剤層1を剥離フィルムの表面に形成するには、まず、粘接着剤組成物を調製する。
粘接着剤組成物は、層を形成することができる2液型接着剤の主剤であれば特に制限されず、例えば、シリコーン化合物、ポリプロピレングリコ-ルなどのポリオール化合物、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。
粘接着剤組成物は、好ましくは、エポキシ樹脂を主成分として含有する。これによれば、第1被着体2と第2被着体4とを簡便かつ強固に接着することができるため好ましい。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、水素添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂などのビスフェノール系エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロ型エポキシ樹脂、脂環族系エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレートエポキシ樹脂、ヒダントインエポキシ樹脂、グリシジルエーテル系エポキシ樹脂、グリシジルアミノ系エポキシ樹脂などが挙げられる。
エポキシ樹脂としては、好ましくは、ビスフェノール系エポキシ樹脂が挙げられる。
エポキシ樹脂は、単独で用いることができ、2種以上を併用することもできる。
エポキシ樹脂は、常温で、液状、半固形状および固形状のいずれの形態であってもよいが、好ましくは、半固形状のエポキシ樹脂の単独使用、および、液状のエポキシ樹脂と固形状のエポキシ樹脂との併用が挙げられる。これによれば、粘接着剤組成物からタックのある層状の粘接着剤層1を確実に形成できるため好ましい。
常温で液状のエポキシ樹脂は、具体的には、25℃で液状である。液状のエポキシ樹脂の粘度は、25℃において、例えば10dPa・s以上、好ましくは30dPa・s以上、より好ましくは80dPa・s以上であり、また、例えば500dPa・s以下、好ましくは300dPa・s以下である。
常温で固形状のエポキシ樹脂は、具体的には、25℃で固形状である。固形状のエポキシ樹脂の軟化点は、例えば70℃以上、好ましくは75℃以上である。
液状のエポキシ樹脂の固形状のエポキシ樹脂に対する配合割合(液状のエポキシ樹脂/固形状のエポキシ樹脂)は、例えば0.65以上、好ましくは1.5以上であり、また、例えば4.0以下、好ましくは3.0以下である。
液状のエポキシ樹脂の固形状のエポキシ樹脂に対する配合割合が、上記の下限以上であれば、粘接着剤組成物の粘度を低減させて、塗膜のムラの発生を防止して、均一な粘接着剤層1を得ることができるため好ましい。
また、液状のエポキシ樹脂の固形状のエポキシ樹脂に対する配合割合が、上記の上限以下であれば、タックのある層状の粘接着剤層を得ることができるため好ましい。
また、常温で固体のエポキシ樹脂がエポキシ樹脂全体に占める割合は、好ましくは20質量%以上であり、より好ましくは25質量%以上であり、さらに好ましくは30質量%以上である。常温で固体のエポキシ樹脂がエポキシ樹脂全体に占める割合が20質量%以上であれば、タックのある層状の粘接着剤層を得ることができるため好ましい。
また、常温で固体のエポキシ樹脂がエポキシ樹脂全体に占める割合は、好ましくは60質量%以下であり、より好ましくは50質量%以下であり、さらに好ましくは40質量%以下である。常温で固体のエポキシ樹脂がエポキシ樹脂全体に占める割合が60質量%以下であれば、粘接着剤組成物の粘度を低減させて、塗膜のムラの発生を防止して、均一な粘接着剤層1を得ることができるため好ましい。
また、エポキシ樹脂として、多官能エポキシ樹脂を用いてもよい。多官能エポキシ樹脂を用いることにより、耐熱性を向上できるため好ましい。多官能エポキシ樹脂としては、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニル型ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等が挙げられる。また、多官能エポキシ樹脂は、常温で液状であってもよく、固体状であってもよい。なお、多官能エポキシ樹脂としては、3官能以上のエポキシ樹脂であればよい。
粘接着剤組成物に多官能エポキシ樹脂を配合する場合における多官能エポキシ樹脂の配合量としては、粘接着剤組成物全体(100質量%)あたり、好ましくは0.5質量%以上であり、より好ましくは1質量%以上である。多官能エポキシ樹脂の配合量が0.5質量%以上であると、耐熱性が向上するため好ましい。また、多官能エポキシ樹脂の配合量としては、粘接着剤組成物全体(100質量%)あたり、好ましくは60質量%以下であり、より好ましくは50質量%以下である。多官能エポキシ樹脂の配合量が60質量%以下であると、脆弱性が抑制されるため好ましい。
エポキシ樹脂の配合割合は、粘接着剤組成物において、エポキシ樹脂が主成分となる割合に設定されており、具体的には、粘接着剤組成物に対して、例えば80質量%以上、好ましくは90質量%以上であり、また、例えば100質量%以下である。好ましくは、粘接着剤組成物は、エポキシ樹脂のみからなり、すなわち、粘接着剤組成物に対して、エポキシ樹脂の配合割合が100質量%である。
粘接着剤組成物には、必要により、アクリル系ポリマーを配合することもできる。これによれば、粘接着剤組成物の凝集力を向上させることができるため好ましい。
アクリル系ポリマーは、(メタ)アクリレートを含有するモノマー成分を反応させることにより得られる。
(メタ)アクリレートは、アルキルメタアクリレートおよび/またはアルキルアクリレートであって、具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、s-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、ノナデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレートなどの炭素数1~20のアルキル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
(メタ)アクリレートとして、好ましくは、炭素数2~14のアルキル(メタ)アクリレート、より好ましくは、炭素数4~9のアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。
(メタ)アクリレートは、単独で用いることができ、2種以上を併用することもできる。
(メタ)アクリレートの配合割合は、モノマー成分に対して、例えば70質量%以上、好ましくは80質量%以上であり、また、例えば99質量%以下、好ましくは98質量%以下である。
モノマー成分は、さらに、(メタ)アクリレートと共重合可能な共重合性モノマーを含有することもできる。
共重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、クロトン酸、無水マレイン酸などのカルボキシル基含有モノマーまたはその酸無水物;2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート;(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどのアミド基含有モノマー;酢酸ビニルなどのビニルエステル類;スチレン、ビニルトルエンなどの芳香族ビニル化合物;(メタ)アクリロニトリル;N-(メタ)アクリロイルモルホリン;N-ビニル-2-ピロリドンなどが挙げられる。
共重合性モノマーとしては、好ましくはカルボキシル基含有モノマー、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート等が挙げられ、より好ましくは(メタ)アクリル酸、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの共重合性モノマーは、単独で用いることができ、2種以上を併用することもできる。好ましくは、カルボキシル基含有モノマーおよびヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートの併用、より好ましくは、(メタ)アクリル酸および2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの併用が挙げられる。
共重合性モノマーの配合割合は、(メタ)アクリレート100質量部に対して、例えば0.1質量部以上、好ましくは0.3質量部以上であり、また、例えば15質量部以下、好ましくは10質量部以下である。
モノマー成分を反応させるには、例えば、(メタ)アクリレートと、必要により、共重合性モノマーとを配合してモノマー成分を調製し、これを、例えば、溶液重合、塊状重合、乳化重合、各種ラジカル重合などの公知の重合方法により調製する。
重合方法としては、好ましくは、溶液重合が挙げられる。
溶液重合では、例えば、溶媒に、モノマー成分と、重合開始剤とを配合して、モノマー溶液を調製し、その後、モノマー溶液を加熱する。
溶媒としては、例えば、有機溶媒などが挙げられる。有機溶媒としては、例えば、トルエン、ベンゼン、キシレンなどの芳香族系溶媒;酢酸エチルなどのエーテル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトンなどケトン系溶媒;酢酸エチルなどのエステル系溶媒;N,N-ジメチルホルムアミドなどのアミド系溶媒が挙げられる。溶媒は、単独で用いることができ、2種以上を併用することもでき、好ましくは、芳香族系溶媒とエーテル系溶媒との併用が挙げられる。溶媒の配合割合は、モノマー成分100質量部に対して、例えば10質量部以上、好ましくは50質量部以上であり、また、例えば1000質量部以下、好ましくは500質量部以下である。
重合開始剤としては、例えば、パーオキサイド系重合開始剤、アゾ系重合開始剤などが挙げられ、好ましくは、アゾ系重合開始剤が挙げられる。
パーオキサイド系重合開始剤としては、例えば、パーオキシカーボネート、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステルなどの有機過酸化物が挙げられる。
アゾ系重合開始剤としては、例えば、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビスイソ酪酸ジメチルなどのアゾ化合物が挙げられる。
重合開始剤の配合割合は、モノマー成分100質量部に対して、例えば0.01質量部以上、好ましくは0.05質量部以上であり、また、例えば5質量部以下、好ましくは3質量部以下である。
モノマー溶液を加熱する際の加熱温度は、例えば、50℃以上、80℃以下であり、加熱時間は、例えば、1時間以上、24時間以下である。
これによって、モノマー成分を重合して、アクリル系ポリマーを含むアクリル系ポリマー溶液を得ることができる。
アクリル系ポリマー溶液は、アクリル系ポリマーの配合割合が、粘接着剤組成物100質量部に対して、例えば20質量部以上、好ましくは30質量部以上、また、例えば90質量部以下、好ましくは80質量部以下となるように、エポキシ樹脂に配合される。
また、アクリル系ポリマーの配合割合は、エポキシ樹脂100質量部に対して、例えば50質量部以上、好ましくは150質量部以上、より好ましくは200質量部以上であり、また、例えば300質量部以下、好ましくは250質量部以下である。
アクリル系ポリマーの配合割合が、上記の下限以上であれば、粘接着剤組成物の凝集力、ひいては、粘着力を向上させて、粘接着剤層1の剥離接着力を向上できるため好ましい。
また、アクリル系ポリマーの配合割合が、上記の上限以下であれば、粘接着剤組成物を硬化させやすいため好ましい。
粘接着剤組成物には、硬化剤を微量配合することもできる。これにより、粘接着剤層1の凝集力を向上させることができる。なお、硬化剤の例示については、後述する。
硬化剤の配合割合は、粘接着剤層1の剥離接着力を向上させる一方、粘接着剤組成物をわずかに硬化させる(完全硬化させない)割合に調整される。硬化剤の配合割合は、具体的には、エポキシ樹脂100質量部に対して、例えば0.05質量部以上、好ましくは0.15質量部以上であり、また、例えば5質量部以下、好ましくは3質量部以下である。
また、硬化剤が後述するイミダゾール化合物である場合には、その配合割合は、具体的には、エポキシ樹脂100質量部に対して、例えば0.05質量部以上、好ましくは0.15質量部以上であり、また、例えば5質量部以下、好ましくは3質量部以下である。
また、硬化剤が後述するアミン化合物などである場合には、その配合割合は、具体的には、エポキシ樹脂100質量部に対して、例えば30質量部以下、好ましくは15質量部以下、より好ましくは10質量部以下である。
硬化剤の配合割合が、上記の下限以上であれば、粘接着剤層1の剥離接着力を向上することができるため好ましい。
また、硬化剤の配合割合が、上記の上限以下であれば、粘接着剤層1が完全硬化することを抑制し、粘接着剤層1と硬化剤層3との反応性の低下を抑制でき、後述する硬化層5を確実に形成できるため好ましい。
また、粘接着剤組成物には、後述する硬化層の弾性率の調整等を目的として、シリカ、マイカ、炭酸カルシウム等の充填材を配合することもできる。充填材の配合量は特に限定されないが、例えば、粘接着剤組成物100質量部に対して、例えば、1質量部以上、好ましくは、10質量部以上、また、例えば、100質量部以下、好ましくは、80質量部以下である。
粘接着剤組成物を得るには、例えば、エポキシ樹脂と、必要により、アクリル系ポリマー(アクリル系ポリマー溶液)、硬化剤、および/または充填材とを配合し、必要により、溶媒で希釈して、ワニスを調製する。
溶媒としては、粘接着剤組成物を溶解できるものであればよく、例えば、上記した溶媒が挙げられる。溶媒として、好ましくは、ケトン系溶媒が挙げられる。
ワニスにおける粘接着剤組成物の濃度は、例えば、20質量%以上、好ましくは、40質量%以上であり、例えば、80質量%以下、好ましくは、70質量%以下である。
また、粘接着剤組成物に、アクリル系ポリマーが配合される場合は、粘接着剤組成物を調製するときに、架橋剤を配合することもできる。
架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート系架橋剤などが挙げられ、好ましくは、イソシアネート系架橋剤が挙げられる。
イソシアネート系架橋剤としては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート、例えば、イソホロンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネート、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート、例えば、それらイソシアネートの変性物(具体的には、トリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネート付加物など)などが挙げられる。
架橋剤としては、好ましくは、イソシアネートの変性物が挙げられる。
架橋剤の配合割合は、アクリル系ポリマー100質量部に対して、例えば、1質量部以上、好ましくは、5質量部以上であり、また、例えば、20質量部以下、好ましくは、15質量部以下である。
以上のようにして、粘接着剤組成物を調製する。その後、粘接着剤組成物を剥離フィルムの表面に塗布し、乾燥させる。
剥離フィルムは、例えば、略矩形平板形状の剥離シートであって、上面および下面が平坦状に形成されている。
剥離フィルムは、例えば、ポリオレフィン(具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン)、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)などのビニル重合体、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネートなどのポリエステル、例えば、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素樹脂などの樹脂材料などから、フィルムに形成されている。また、剥離フィルムは、例えば、鉄、アルミニウム、ステンレスなどの金属材料などからも形成されることもできる。
剥離フィルムとしては、好ましくは、ポリエステルフィルム、より好ましくは、ポリエチレンテレフタレートフィルムが挙げられる。
なお、剥離フィルムの表面には、必要により、適宜の剥離処理が施されていてもよい。
また、剥離フィルムの厚みは、例えば、10μm以上、1000μm以下である。
粘接着剤組成物を剥離フィルムの表面に塗布する塗布方法としては、例えば、ドクターブレード法、ロール法、スクリーン法、グラビア法などが挙げられる。
粘接着剤組成物を乾燥させる際の加熱条件としては、加熱温度は、例えば、70℃以上、130℃以下であり、加熱時間は、例えば、1分以上、5分以下である。
粘接着剤組成物が、架橋剤を含有する場合には、上記した加熱後、さらに加熱して、架橋剤によりアクリル系ポリマーを架橋させる。さらなる加熱における温度は30℃以上、60℃以下であり、時間は、例えば、1時間以上、好ましくは、1日以上である。
粘接着剤組成物が、硬化剤を含有する場合には、加熱温度が、70℃以上、160℃以下であり、加熱時間が、5分以上、5時間以下である。これにより、硬化剤のすべてがエポキシ樹脂の一部と反応する。
以上のようにして、粘接着剤組成物から粘接着剤層1を剥離フィルムの表面に形成する。
粘接着剤層1の厚みは、硬化後の接着性を確保するためには、例えば1μm以上、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上である。また、粘接着剤層1の厚みは、硬化剤による硬化性を確保するためには、例えば1000μm以下、好ましくは500μm以下、より好ましくは100μm以下である。特に、良好な硬化性と、硬化後の高い接着性を両立するためには、粘接着剤層1の厚みは10~100μmであることが好ましい。
また、必要により、別の剥離フィルム(図示せず)を、粘接着剤層1の表面(上述した剥離フィルムと接触する接触面と反対側の表面)に配置する(接触させる)こともできる。つまり、粘接着剤層1を2枚の剥離フィルムで挟みこむこともできる。
粘接着剤層1は、感圧接着性(粘着性または初期接着力)を有する。具体的には、アルミニウム板に対する粘接着剤層1の剥離接着力は、例えば1.0N/20mm以上、好ましくは2.4N/20mm以上、より好ましくは3.0N/20mm以上であり、また、例えば10N/20mm以下である。
粘接着剤層1のアルミニウム板に対する剥離接着力が、上記の下限以上であれば、粘接着剤層1は、感圧接着性に優れるため好ましい。
なお、粘接着剤層1の剥離接着力は、粘接着剤層1をアルミニウム板に貼着した後、90度で速度300mm/分で、粘接着剤層1をアルミニウム板から剥離したときの、粘接着剤層の剥離接着力として求められる。
その後、粘接着剤層1を、剥離フィルムから第1被着体2の表面に転写する。具体的には、まず、粘接着剤層1を第1被着体2に接触させ、続いて、剥離フィルムを粘接着剤層1から引き剥がす。
また、2枚の剥離フィルムによって、粘接着剤層1を挟み込んだ場合は、例えば、まず、一方の剥離フィルムを剥離する。次いで、露出した粘接着剤層1の露出面を第1被着体2に接触させ、続いて、もう一方の剥離フィルムを粘接着剤層1から引き剥がす。
また、上記においては粘接着剤層1のみからなるシートを第1被着体2上に配置することについて説明したが、基材(図示せず)の片面に粘接着剤層1を備え、基材の他面に他の粘接着剤層(図示せず)を備える両面粘着シートの他の粘接着剤層側を第1被着体2に貼付することにより、粘接着剤層1を第1被着体2上に配置してもよい。この場合、他の粘接着剤層は、粘接着剤層1と同様に硬化剤により硬化する粘接着剤層であってもよく、あるいは硬化剤により硬化しない粘接着剤層であってもよいが、硬化剤により硬化する粘接着剤層であることが好ましい。また、基材の材質としては粘着シートの基材として用いられうる従来公知のものから適宜選択でき、特に限定されないが、粘接着剤層1上に硬化剤層3が配置されたときに、硬化剤成分が基材に含浸できる材質であることが好ましい。そのような基材であれば、他の粘接着剤層が硬化剤により硬化する粘接着剤層である場合に、基材に含浸し、透過した硬化剤成分によって、他の粘接着剤層も硬化される。
第1被着体2としては、特に制限はなく、例えば、金属、ガラス、プラスチック、スレート、モルタル、コンクリート、ゴム、木材、皮、布、紙などが挙げられる。第1被着体2として、好ましくは、スレート、モルタル、コンクリートが挙げられる。
以上のようにして、図1(A)に示すように、粘接着剤層1を第1被着体2に配置する。
<2.工程(2)>
硬化剤層3は、粘接着剤層1と接触して反応することにより粘接着剤層1を硬化させることができる層であり、面方向(厚み方向に直交する方向)に沿って延び、平坦な表面と裏面とを有する略平板形状を有する。
工程(2)では、図1(B)に示すように、硬化剤層3を粘接着剤層1上に配置する。
硬化剤層3を粘接着剤層1上に配置するには、例えば、まず、硬化剤成分を調製する。
ここで、硬化剤成分は、硬化剤を含有する。
硬化剤としては、層を形成することができる2液型接着剤の硬化剤であれば特に制限されず、粘接着剤組成物が、シリコーン化合物である場合は、シリコーン化合物などが挙げられ、粘接着剤組成物が、ポリオール化合物である場合は、イソシアネートなどが挙げられ、ウレタン樹脂である場合は、ウレタン樹脂硬化剤が挙げられ、エポキシ樹脂である場合は、例えば、イミダゾール化合物、アミン化合物などのエポキシ樹脂硬化剤が挙げられる。
硬化剤としては、好ましくは、イミダゾール化合物が挙げられる。イミダゾール化合物としては、常温で液状であってもよく、あるいは固体状であってもよい。なお、常温で固体状のイミダゾール化合物としては、溶媒に溶解できるものが好ましい。
硬化剤は、単独で用いることができ、2種以上を併用することもできる。
イミダゾール化合物としては、例えば、メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-イソブチル-2-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、エチルイミダゾール、イソプロピルイミダゾール、2,4-ジメチルイミダゾール、フェニルイミダゾール(2-フェニルイミダゾール等)、ウンデシルイミダゾール、ヘプタデシルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾールなどが挙げられ、好ましくは、1-イソブチル-2-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、より好ましくは、1-イソブチル-2-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、さらに好ましくは、1-イソブチル-2-メチルイミダゾールが挙げられる。
アミン化合物としては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、それらのアミンアダクト、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホンが挙げられる。
硬化剤の配合割合は、硬化剤成分に対して、例えば10質量%以上、好ましくは30質量%以上、より好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、とりわけ好ましくは90質量%以上であり、また、例えば100質量%以下である。硬化剤の配合割合が、上記の下限以上であれば、硬化後の粘接着剤層1(硬化層5)は、接着性に優れる。
硬化剤成分は、好ましくは硬化剤のみからなる。すなわち、硬化剤の割合は、硬化剤成分に対して好ましくは100質量%である。
硬化剤成分を調製するには、硬化剤と、必要により、エポキシ樹脂とを配合し、ワニスを調製する。
なお、硬化剤は、常温で液状であってもよく、固体状であってもよい。硬化剤が固形状であれば、必要により、溶媒で硬化剤を溶解して、ワニスを調製する。溶媒としては、粘接着剤組成物を溶解できるものであればよく、例えば、上記した溶媒が挙げられる。
ワニスにおける硬化剤成分の濃度は、例えば10質量%以上、好ましくは20質量%以上であり、例えば90質量%以下、好ましくは50質量%以下である。
以上のようにして、硬化剤成分を調製する。
続いて、図1(B)に示すように、硬化剤層3を、粘接着剤層1の表面に配置する。
硬化剤層3を、粘接着剤層1の表面に配置するには、例えば、硬化剤成分のワニスを粘接着剤層1の表面に塗布することにより、硬化剤層3を粘接着剤層1の表面に形成する。
硬化剤成分のワニスを粘接着剤層1の表面に塗布する塗布方法としては、粘接着剤組成物を第1被着体の表面に塗布する塗布方法と同様の方法などが挙げられる。
その後、必要により、粘接着剤層1の表面の余分な硬化剤成分のワニスを除去する。例えば、粘接着剤層1の表面の余分な硬化剤成分のワニスを拭き取る。
続いて、ワニスが溶媒を含んでいる場合は、ワニスを乾燥させて、溶媒を除去してもよい。
以上のようにして、硬化剤層3を粘接着剤層1の表面に形成することにより、硬化剤層3を粘接着剤層1上に配置することができる。
あるいは、以下のようにして、硬化剤層3を、粘接着剤層1の表面に配置してもよい。
すなわち、まず、硬化剤成分のワニスを剥離シート(図示せず)の表面に塗布し、必要により、乾燥させる。これにより、硬化剤層3を剥離シートの表面に形成する。その後、硬化剤層3を剥離シートから粘接着剤層1の表面に転写して貼り合わせる。
硬化剤層3の厚みは、例えば1μm以上、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上であり、また、例えば1000μm以下、好ましくは800μm以下、より好ましくは500μm以下である。
<3.工程(3)>
続いて、工程(3)として、工程(2)の完了から5分超150分以下の時間経過後に、例えば図1(C)に示すように、第2被着体4を第1被着体2の粘接着剤層1及び硬化剤層3を配置した側に接触させる。
工程(2)において粘接着剤層1上に硬化剤層3を配置すると、粘接着剤層1と硬化剤層3とが接触して粘接着剤層1の硬化反応が経時的に進行し、最終的に硬化層5が形成される。
ここで、第1被着体2上に配置された粘接着剤層1上に硬化剤層3を配置する工程(2)の完了から5分超150分以下という所定の時間経過後に、第1被着体2の粘接着剤層1及び硬化剤層3を配置した側に第2被着体4を接触させて第1被着体2と第2被着体4とを貼り合わせると、最終的に得られる接着接合体6において、第1被着体2と第2被着体4とが硬化層5を介して高い接着力で接着されることが見出された。
工程(2)の完了から5分超150分以下の時間経過後に、第2被着体4を第1被着体2の粘接着剤層1及び硬化剤層3を配置した側に接触させることにより、最終的に得られる接着接合体6において、第1被着体2と第2被着体4とが硬化層5を介して高い接着力で接着される理由については必ずしも定かではないが、以下のように推定される。
すなわち、工程(2)の完了から5分超150分以下の時間経過後においては、硬化剤層3(硬化剤)が粘接着剤層1に適度に含浸し、かつ硬化が進行しすぎない状態であるため、粘接着剤層1単体よりも柔軟になり、その結果、第2被着体4を貼り合わせた際の密着性が向上し、より高い接着力で接着されると推察される。
本実施形態の製造方法において、第2被着体を第1被着体の粘接着剤層及び硬化剤層を配置した側に接触させる工程(3)は、工程(2)の完了から5分超、好ましくは7分以上、より好ましくは10分以上、さらに好ましくは15分以上、よりさらに好ましくは30分以上経過したときに行う。
また、第2被着体を第1被着体の粘接着剤層及び硬化剤層を配置した側に接触させる工程(3)は、工程(2)の完了から150分以下、好ましくは130分以下、より好ましくは120分以下経過したときに行う。
また、第2被着体4を第1被着体2の粘接着剤層1及び硬化剤層3を配置した側に接触させる段階が、工程(2)の完了から5分超150分以下の時間経過後の段階であれば、粘接着剤層1と硬化剤成分との反応が進行しすぎないことから、第2被着体4を一度貼り合わせた後であっても、第2被着体を容易に剥がすことができ、また、その後に再度貼り合わせることもできる。したがって、第2被着体4を一度貼り合わせた後に、貼付位置を調整することができる。
なお、図1(C)では第1被着体2の上に粘接着剤層1と硬化剤層3とが順に配置されており、該硬化剤層3の上に第2被着体が接触するように配置されているが、本実施形態はこれに限定されるものではない。
すなわち、工程(2)の完了後、第2被着体4を第1被着体2の粘接着剤層1及び硬化剤層3を配置した側に接触させるまでの間においては、硬化剤層3中の硬化剤成分の少なくとも一部が粘接着剤層1中に含浸するとともに、粘接着剤層1の硬化反応が部分的に進行する。したがって、第2被着体4を第1被着体2の粘接着剤層1及び硬化剤層3を配置した側に接触させる段階において、第1被着体2の粘接着剤層1及び硬化剤層3を配置した側の最表面(第2被着体を接触させる側の最表面)は、硬化剤層3の硬化剤成分が含浸し、硬化反応が一部進行した粘接着剤層(以下において、「反応層」ともいう)となっている場合がある。本実施形態の製造方法は、このようにして第1被着体2上に形成された反応層上に第2被着体4を接触させる態様をも包含するものである。
第2被着体4を第1被着体2の粘接着剤層1及び硬化剤層3を配置した側に接触させる前後において、反応温度は、例えば、常温である。
また、本実施形態の効果を阻害しない限りにおいて、必要により、粘接着剤層1と硬化剤層3とを加熱してもよく、加熱温度は、例えば50℃以上、好ましくは70℃以上であり、また、例えば130℃以下、好ましくは110℃以下である。
反応温度としては、好ましくは、常温である。常温は、粘接着剤層1と硬化剤層3とを反応させるための上記した加熱(例えば、50℃以上の加熱)をしない温度であり、例えば50℃未満、好ましくは40℃以下であり、また、例えば10℃以上、好ましくは20℃以上である。
反応温度が常温であれば、粘接着剤層1と硬化剤層3とを反応させるための加熱を必要とせず、第1被着体2と第2被着体4とをより一層簡便に接着することができる。
第2被着体4を第1被着体2の粘接着剤層1及び硬化剤層3を配置した側に接触させた後の反応時間は、例えば1時間以上、好ましくは12時間以上であり、また、例えば96時間以下、好ましくは48時間以下である。
第2被着体4としては、特に制限されないが、第1被着体2について例示した被着体と同様のものが例示される。
以上のようにして、粘接着剤層1が硬化剤層3との反応により硬化し、最終的に硬化層5になる。好ましくは、粘接着剤層1は常温で硬化する。なお、硬化層5は、粘接着剤層1と硬化剤層3とが一体化して反応した層である。この硬化層5により、第1被着体2および第2被着体4が強固に接着され、図1(D)に示される接着接合体6となる。接着構造体6は、第1被着体2と、第1被着体2と対向配置される第2被着体4と、それらに挟まれる硬化層5とを備える。
粘接着剤層1と硬化剤層3との反応により形成される硬化層5の剪断接着力は、好ましくは7.0MPa以上、より好ましくは8.0MPa以上、さらに好ましくは9.0MPa以上である。硬化層5の剪断接着力が、7.0MPa以上であれば、硬化層5は、接着性に優れ、第1被着体2と第2被着体4とを確実に接着しやすくすることができるため、好ましい。
硬化層5の剪断接着力は、以下の方法により測定される。
すなわち、2枚の剥離処理されたポリエチレンテレフタレートフィルムに挟まれた粘接着剤層1から、一方のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、剥離された粘接着剤層1を第1のSS400鋼板に配置し、その後、他方のポリエチレンテレフタレートフィルムを粘接着剤層1から引き剥がす。その後、硬化剤層3を粘接着剤層1上に配置する。次いで、5分超150分以下という所定の時間経過後に、第2のSS400鋼板を第1のSS400鋼板の粘接着剤層1と硬化剤層3とを配置した側に接触させ、3日間放置して硬化層5を形成させる。その後、第1のSS400鋼板および第2のSS400鋼板を剪断方向に、速度5mm/分で引っ張り、2枚の第2のSS400鋼板が剥がれた際の強度を剪断接着力とする。
また、粘接着剤層1と硬化剤層3との反応により形成される硬化層5の100℃での引張貯蔵弾性率は、好ましくは1.0×10Pa以上、より好ましくは1.0×10Pa以上、さらに好ましくは1.0×10Pa以上である。硬化層5の100℃での引張貯蔵弾性率が、1.0×10Pa以上であれば、加熱時の変形が抑制されるため好ましい。
硬化層5の100℃での引張貯蔵弾性率の測定方法は、後の実施例において詳述する。
以下、本発明の実施の形態について、実施例を用いてより詳細に説明する。
なお、本発明は、何ら実施例および比較例に限定されない。また、以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。
また、「部」および「%」は、特に言及がない限り、質量基準である。
<実施例1>
(粘接着剤層の製造)
液状のビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名「jER828」、三菱ケミカル社製)69部と、固形状のビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名「jER1256」、三菱ケミカル社製)30部と、固形状のノボラック型多官能エポキシ樹脂(商品名「jER157S70」、三菱ケミカル社製)1部とを混合し、濃度(液状のビスフェノールA型エポキシ樹脂、固形状のビスフェノールA型エポキシ樹脂及び固形状のノボラック型多官能エポキシ樹脂の濃度)が65%になるようにメチルエチルケトンを加えて希釈し、ワニスを調製した。これを乾燥後の厚みが50μmになるように、剥離処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名「ダイアホイルMRF#38」、三菱ケミカル社製)の剥離処理面に塗工し、80℃で3分、加熱して乾燥させ、粘接着剤層を得た。その後、粘接着剤層を、別のポリエチレンテレフタレートフィルムに、粘接着剤層が2枚のポリエチレンテレフタレートフィルムに挟まれるように、接触させた。
(硬化剤の調製)
1-イソブチル-2-メチルイミダゾール(常温液体、商品名「IBMI12」、三菱ケミカル社製)40部とエタノール60部を配合することにより、硬化剤を調製した。
(接着構造体の製造及び剪断接着力の測定)
上記のように作製した粘接着剤層を幅20mm×長さ10mmのサイズにカットし、その後、一方のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、露出された粘接着剤層に幅20mm×長さ80mm×厚み2.3mmの第1のSS400鋼板の先端を配置した。次いで、他方のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離した。
次いで、粘接着剤層に硬化剤を塗布し、続いて、表面の余分な液体をふき取った。そして、硬化剤を塗布してから10分経過後に、硬化剤を塗布した粘接着剤層側に幅20mm×長さ80mm×厚み2.3mmの第2のSS400鋼板の先端を接触させることで、2つのSS400鋼板を貼り合わせ、続いて、2枚のSS400鋼板をクリップで固定し、3日間放置した。これにより、2枚のSS400鋼板が粘接着剤層と硬化剤との反応により形成された硬化層によって接合された接着接合体が得られた。
その後、これを引張圧縮試験機(装置名「AG-X」、島津製作所社製)にて、剪断方向(長さ方向)に、剥離速度5mm/分で2つのSS400鋼板を引っ張り、2つのSS400鋼板のうち一方が剥がれた際の試験力を測定した。剪断接着力は以下の式により算出した。
剪断接着力(MPa)= 試験力(N)/200mm (1)
その結果を表1に示す。
ここで、剪断接着力が7.0MPa以上であれば、2枚のSS400鋼板が強固に接着されていると評価できる。
(100℃での引張貯蔵弾性率の測定)
以下のようにして、硬化層の100℃での引張貯蔵弾性率を測定した。
粘着剤層に硬化剤層を配置し、3日間放置した。このようにして得られた硬化層を幅10mm×長さ50mmに切り出した。これを、動的粘弾性測定装置(装置名「RSA-G2」、TA Instruments社製)を用いて、ギャップ間距離15mm、昇温速度5℃/分で測定を行った。
硬化層の100℃における引張貯蔵弾性率の測定結果を表1に示す。
<実施例2~6、比較例1~3>
粘接着剤層の製造条件、粘接着剤層の厚み、硬化剤の組成および硬化剤塗布後に第2のSS400鋼板を貼付するまでの経過時間を表1に示すように変更した以外は実施例1と同様にして、接着接合体を製造した。
得られた接着接合体について、実施例1と同様の手法で剪断接着力を測定した。また、実施例1と同様の手法によって、硬化層の100℃での引張貯蔵弾性率を測定した。
その結果を表1に示す。
Figure 0007111485000001
表1中、各成分の略称について、以下にその詳細を記載する。
・jER828:ビスフェノールA型エポキシ樹脂、常温(25℃)液体、粘度(25℃)120Pa・s~150Pa・s、三菱ケミカル社製
・jER1256:高分子量ビスフェノールA型エポキシ樹脂、常温(25℃)固形、軟化点85℃、三菱ケミカル社製
・jER157S70:ノボラック型多官能エポキシ樹脂、常温(25℃)固形、25℃ジオキサン50%溶液の粘度:0.65~0.85dPa・s、三菱ケミカル社製
・jER806:ビスフェノールF型エポキシ樹脂、常温(25℃)液体、粘度(25℃)15~25dPa・s、三菱ケミカル社製
・jER4010P:ビスフェノールF型エポキシ樹脂、常温(25℃)固形、ブチルカルビトール40%溶液ガードナー形泡粘度計法:Z4~Z6、三菱ケミカル社製
・jER152:クレゾールノボラック型多官能エポキシ樹脂、常温(25℃)液体、粘度(52℃)14~18dPa・s、三菱ケミカル社製
・IBMI12:1-イソブチル-2-メチルイミダゾール、常温液体、粘度(25℃)4~12mPa.s、三菱ケミカル社製
・RX300-5:シリカ、日本アエロジル社製
・MEK:メチルエチルケトン
・EtOH:エタノール
表1に示される結果より、粘接着剤層に硬化剤を塗布した後に第2のSS400鋼板を貼付するまでの経過時間が5分超150分以下であった実施例1~6においては、剪断接着力が7.0MPa以上であり、2枚のSS400鋼板が強固に接着されていた。一方、粘接着剤層に硬化剤を塗布した直後(0分経過後)または5分経過後に第2のSS400鋼板を貼付した比較例1及び比較例2においては、剪断接着力が7.0MPaを下回っていた。また、粘接着剤層に硬化剤を塗布した後に第2のSS400鋼板を貼付するまでの経過時間が180分であった比較例3においても、剪断接着力が7.0MPaを下回っていた。
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明は、上述した実施の形態に制限されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない範囲において、上述した実施の形態に種々の変形及び置換を加えることができる。
1 粘接着剤層
2 第1被着体
3 硬化剤層
4 第2被着体
5 硬化層
6 接着構造体

Claims (8)

  1. 感圧接着性を有する粘接着剤層を剥離フィルムから第1被着体上に転写して配置する工程(1)、
    前記粘接着剤層と接触して反応することにより前記粘接着剤層を硬化しうる硬化剤層を、前記粘接着剤層上に配置する工程(2)、および、
    前記工程(2)の完了から5分超150分以下経過後に、第2被着体を前記第1被着体の前記粘接着剤層及び前記硬化剤層を配置した側に接触させる工程(3)
    を備える、接着構造体の製造方法。
  2. 前記工程(2)において、前記粘着剤層上に硬化剤を塗布することにより前記硬化剤層を配置する、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記工程(2)において、前記粘着剤層上に前記硬化剤層を貼り合わせることにより前記硬化剤層を配置する、請求項1に記載の製造方法。
  4. 前記粘接着剤層と前記硬化剤層との反応により形成される硬化層の剪断接着力が7.0MPa以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 前記粘接着剤層がエポキシ樹脂を主成分として含有し、前記エポキシ樹脂全体の20質量%以上が50℃未満で固体のエポキシ樹脂である、請求項1~4のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. 前記粘接着剤層の厚みが10~100μmである、請求項1~5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 前記粘接着剤層は多官能エポキシ樹脂を0.5質量%以上含有する、請求項1~6のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. 前記硬化剤層は、硬化剤としてイミダゾール化合物を含有する、請求項1~7のいずれか1項に記載の製造方法。
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