1.接着方法の一実施形態
本発明の接着方法の一実施形態を図1Aおよび図1Bを参照して説明する。
この接着方法は、粘接着剤層1を第1被着体2に配置する工程(1)(図1A参照)、粘接着剤層1と接触して反応することにより粘接着剤層1を硬化させることができる硬化剤層3を、第2被着体4に配置する工程(2)(図1A参照)、および、粘接着剤層1と硬化剤層3とを、それらが第1被着体2および第2被着体4に挟まれるように、接触させる工程(3)(図1B参照)を備える。
以下、各工程を説明する。
1-1.工程(1)
工程(1)では、図1Aに示すように、粘接着剤層1を第1被着体2に配置する。
粘接着剤層1は、硬化剤層3と接触して反応することにより、硬化する層(シート)であり、面方向(厚み方向に直交する方向)に沿って延び、平坦な表面と裏面とを有する略平板形状を有する。
粘接着剤層1を第1被着体2に配置するには、例えば、まず、粘接着剤層1を剥離フィルム10の表面に形成する。
粘接着剤層1を剥離フィルム10の表面に形成するには、まず、粘接着剤組成物を調製する。
粘接着剤組成物は、層を形成することができる2液型接着剤の主剤であれば特に制限されず、例えば、シリコーン化合物、例えば、ポリプロピレングリコ-ルなどのポリオール化合物、例えば、ウレタン樹脂、例えば、エポキシ樹脂などが挙げられる。粘接着剤組成物は、好ましくは、エポキシ樹脂を主成分として含有する。これにより、第1被着体2と第2被着体4とを簡便かつ強固に接着することができる。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、水素添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂などのビスフェノール系エポキシ樹脂、例えば、ナフタレン型エポキシ樹脂、例えば、ビフェニル型エポキシ樹脂、例えば、ジシクロ型エポキシ樹脂、例えば、脂環族系エポキシ樹脂、例えば、トリグリシジルイソシアヌレートエポキシ樹脂、例えば、ヒダントインエポキシ樹脂、例えば、グリシジルエーテル系エポキシ樹脂、例えば、グリシジルアミノ系エポキシ樹脂などが挙げられる。
エポキシ樹脂としては、好ましくは、ビスフェノール系エポキシ樹脂、より好ましくは、ビスフェノールA型エポキシ樹脂が挙げられる。
エポキシ樹脂は、単独で用いることができ、2種以上を併用することもできる。
エポキシ樹脂は、常温で、液状、半固形状および固形状のいずれの形態であってもよいが、好ましくは、半固形状のエポキシ樹脂の単独使用、および、液状のエポキシ樹脂と固形状のエポキシ樹脂との併用が挙げられる。これにより、粘接着剤組成物からタックのある層状の粘接着剤層1を確実に形成できる。
常温で液状のエポキシ樹脂は、具体的には、25℃で液状である。液状のエポキシ樹脂の粘度は、25℃において、例えば、30Pa・s以上、好ましくは、80Pa・s以上であり、例えば、500Pa・s以下、好ましくは、300Pa・s以下である。
常温で固形状のエポキシ樹脂は、具体的には、25℃で固形状である。固形状のエポキシ樹脂の軟化点は、例えば、70℃以上、好ましくは、75℃以上である。
液状のエポキシ樹脂の固形状のエポキシ樹脂に対する配合割合(液状のエポキシ樹脂/固形状のエポキシ樹脂)は、例えば、1.0以上、好ましくは、1.5以上であり、また、例えば、4.0以下、好ましくは、3.0以下である。
液状のエポキシ樹脂の固形状のエポキシ樹脂に対する配合割合が、上記の下限以上であれば、粘接着剤組成物の粘度を低減させて、塗膜のムラの発生を防止して、均一な粘接着剤層1を得ることができる。液状のエポキシ樹脂の固形状のエポキシ樹脂に対する配合割合が、上記の上限以下であれば、タックのある層状の粘接着剤層を得ることができる。
エポキシ樹脂の配合割合は、粘接着剤組成物において、エポキシ樹脂が主成分となる割合に設定されており、具体的には、粘接着剤組成物に対して、例えば、80質量%以上、好ましくは、90質量%以上であり、また、例えば、100質量%以下である。
好ましくは、粘接着剤組成物は、エポキシ樹脂のみからなり、すなわち、粘接着剤組成物に対して、エポキシ樹脂の配合割合が100質量%である。
粘接着剤組成物には、必要により、アクリル系ポリマーを配合することもできる。
これにより、粘接着剤組成物の凝集力を向上させることができる。
アクリル系ポリマーは、(メタ)アクリレートを含有するモノマー成分を反応させることにより得られる。
(メタ)アクリレートは、アルキルメタアクリレートおよび/またはアルキルアクリレートであって、具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、s-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、ノナデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレートなどの炭素数1~20のアルキル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
(メタ)アクリレートとして、好ましくは、炭素数2~14のアルキル(メタ)アクリレート、より好ましくは、炭素数4~9のアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。
(メタ)アクリレートは、単独で用いることができ、2種以上を併用することもできる。
(メタ)アクリレートの配合割合は、モノマー成分に対して、例えば、70質量%以上、好ましくは、80質量%以上であり、また、例えば、99質量%以下、好ましくは、98質量%以下である。
モノマー成分は、さらに、(メタ)アクリレートと共重合可能な共重合性モノマーを含有することもできる。
共重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、クロトン酸、無水マレイン酸などのカルボキシル基含有モノマーまたはその酸無水物、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート、例えば、(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどのアミド基含有モノマー、例えば、酢酸ビニルなどのビニルエステル類、例えば、スチレン、ビニルトルエンなどの芳香族ビニル化合物、例えば、(メタ)アクリロニトリル、例えば、N-(メタ)アクリロイルモルホリン、例えば、N-ビニル-2-ピロリドンなどが挙げられる。
共重合性モノマーとして、好ましくは、カルボキシル基含有モノマー、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート、より好ましくは、(メタ)アクリル酸、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
これらの共重合性モノマーは、単独で用いることができ、2種以上を併用することもできる。好ましくは、カルボキシル基含有モノマーおよびヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートの併用、より好ましくは、(メタ)アクリル酸および2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの併用が挙げられる。
共重合性モノマーの配合割合は、(メタ)アクリレート100質量部に対して、例えば、0.1質量部以上、好ましくは、0.3質量部以上であり、また、例えば、15質量部以下、好ましくは、10質量部以下である。
モノマー成分を反応させるには、例えば、(メタ)アクリレートと、必要により、共重合性モノマーとを配合してモノマー成分を調製し、これを、例えば、溶液重合、塊状重合、乳化重合、各種ラジカル重合などの公知の重合方法により調製する。
重合方法としては、好ましくは、溶液重合が挙げられる。
溶液重合では、例えば、溶媒に、モノマー成分と、重合開始剤とを配合して、モノマー溶液を調製し、その後、モノマー溶液を加熱する。
溶媒としては、例えば、有機溶媒などが挙げられる。有機溶媒としては、例えば、トルエン、ベンゼン、キシレンなどの芳香族系溶媒、例えば、酢酸エチルなどのエーテル系溶媒、例えば、アセトン、メチルエチルケトンなどケトン系溶媒、例えば、酢酸エチルなどのエステル系溶媒、例えば、N,N-ジメチルホルムアミドなどのアミド系溶媒が挙げられる。溶媒は、単独で用いることができ、2種以上を併用することもでき、好ましくは、芳香族系溶媒とエーテル系溶媒との併用が挙げられる。溶媒の配合割合は、モノマー成分100質量部に対して、例えば、10質量部以上、好ましくは、50質量部以上であり、また、例えば、1000質量部以下、好ましくは、500質量部以下である。
重合開始剤としては、例えば、パーオキサイド系重合開始剤、アゾ系重合開始剤などが挙げられる。
パーオキサイド系重合開始剤としては、例えば、パーオキシカーボネート、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステルなどの有機過酸化物が挙げられる。
アゾ系重合開始剤としては、例えば、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビスイソ酪酸ジメチルなどのアゾ化合物が挙げられる。
重合開始剤として、好ましくは、アゾ系重合開始剤が挙げられる。
重合開始剤の配合割合は、モノマー成分100質量部に対して、例えば、0.01質量部以上、好ましくは、0.05質量部以上であり、また、例えば、5質量部以下、好ましくは、3質量部以下である。
加熱温度は、例えば、50℃以上、80℃以下であり、加熱時間は、例えば、1時間以上、24時間以下である。
これによって、モノマー成分を重合して、アクリル系ポリマーを含むアクリル系ポリマー溶液を得る。
アクリル系ポリマー溶液は、アクリル系ポリマーの配合割合が、粘接着剤組成物100質量部に対して、例えば、20質量部以上、好ましくは、30質量部以上、また、例えば、90質量部以下、好ましくは、80質量部以下となるように、エポキシ樹脂に配合される。また、アクリル系ポリマーの配合割合は、エポキシ樹脂100質量部に対して、例えば、50質量部以上、好ましくは、150質量部以上、より好ましくは、200質量部以上であり、また、例えば、300質量部以下、好ましくは、250質量部以下である。
アクリル系ポリマーの配合割合が、上記の下限以上であれば、粘接着剤組成物の凝集力、ひいては、粘着力を向上させて、粘接着剤層1の剥離接着力を向上することができる。
アクリル系ポリマーの配合割合が、上記の上限以下であれば、硬化させることができる。
粘接着剤組成物には、硬化剤を微量配合することもできる。
これにより、粘接着剤層1の凝集力を向上させることができる。
硬化剤の例示は、後述される。
硬化剤の配合割合は、粘接着剤層1の剥離接着力を向上させる一方、粘接着剤組成物をわずかに硬化させる(完全硬化させない)割合に調整される。硬化剤の配合割合は、具体的には、エポキシ樹脂100質量部に対して、例えば、0.05質量部以上、好ましくは、0.15質量部以上であり、また、例えば、5質量部以下、好ましくは、3質量部以下である。また、硬化剤が後述するイミダゾール化合物である場合には、その配合割合は、具体的には、エポキシ樹脂100質量部に対して、例えば、0.05質量部以上、好ましくは、0.15質量部以上であり、また、例えば、5質量部以下、好ましくは、3質量部以下である。また、硬化剤が後述するアミン化合物などである場合には、その配合割合は、具体的には、エポキシ樹脂100質量部に対して、例えば、30質量部以下、好ましくは、15質量部以下、より好ましくは、10質量部以下である。
硬化剤の配合割合が、上記の下限以上であれば、粘接着剤層1の剥離接着力を向上することができる。硬化剤の配合割合が、上記の上限以下であれば、粘接着剤層1が完全硬化することを抑制し、粘接着剤層1と硬化剤層3との反応性の低下を抑制でき、後述する硬化層5を確実に形成できる。
粘接着剤組成物を得るには、例えば、エポキシ樹脂と、必要により、アクリル系ポリマー(アクリル系ポリマー溶液)および/または硬化剤と配合し、必要により、溶媒で希釈して、ワニスを調製する。
溶媒としては、粘接着剤組成物を溶解できるものであればよく、例えば、上記した溶媒が挙げられる。溶媒として、好ましくは、ケトン系溶媒が挙げられる。
ワニスにおける粘接着剤組成物の濃度は、例えば、20質量%以上、好ましくは、40質量%以上であり、例えば、80質量%以下、好ましくは、70質量%以下である。
また、粘接着剤組成物に、アクリル系ポリマーが配合される場合は、粘接着剤組成物を調製するときに、架橋剤を配合することもできる。
架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート系架橋剤などが挙げられ、好ましくは、イソシアネート系架橋剤が挙げられる。
イソシアネート系架橋剤としては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート、例えば、イソホロンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネート、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート、例えば、それらイソシアネートの変性物(具体的には、トリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネート付加物など)などが挙げられる。
架橋剤としては、好ましくは、イソシアネートの変性物が挙げられる。
架橋剤の配合割合は、アクリル系ポリマー100質量部に対して、例えば、1質量部以上、好ましくは、5質量部以上であり、また、例えば、20質量部以下、好ましくは、15質量部以下である。
これにより、粘接着剤組成物を調製する。
その後、粘接着剤組成物を剥離フィルム10の表面に塗布し、その後、乾燥する。
剥離フィルム10は、例えば、略矩形平板形状の剥離シートであって、上面および下面が平坦状に形成されている。
剥離フィルム10は、例えば、ポリオレフィン(具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン)、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)などのビニル重合体、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネートなどのポリエステル、例えば、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素樹脂などの樹脂材料などから、フィルムに形成されている。また、剥離フィルム10は、例えば、鉄、アルミニウム、ステンレスなどの金属材料などからも形成されることもできる。
剥離フィルム10としては、好ましくは、ポリエステルフィルム、より好ましくは、ポリエチレンテレフタレートフィルムが挙げられる。
なお、剥離フィルム10の表面には、必要により、適宜の剥離処理が施されていてもよい。
剥離フィルム10の厚みは、例えば、10μm以上、1000μm以下である。
塗布方法としては、例えば、ドクターブレード法、ロール法、スクリーン法、グラビア法などが挙げられる。
加熱条件としては、加熱温度は、例えば、70℃以上、130℃以下であり、加熱時間は、例えば、1分以上、5分以下である。
粘接着剤組成物が、架橋剤を含有する場合には、上記した加熱後、さらに加熱して、架橋剤によりアクリル系ポリマーを架橋させる。さらなる加熱における温度は30℃以上、60℃以下であり、時間は、例えば、1時間以上、好ましくは、1日以上である。
粘接着剤組成物が、硬化剤を含有する場合には、加熱温度が、70℃以上、160℃以下であり、加熱時間が、5分以上、5時間以下である。これにより、硬化剤のすべてがエポキシ樹脂の一部と反応する。
これにより、粘接着剤組成物から粘接着剤層1を剥離フィルム10の表面に形成する。
粘接着剤層1の厚みは、例えば、1μm以上、好ましくは、5μm以上、より好ましくは、10μm以上であり、また、例えば、1000μm以下、好ましくは、500μm以下、より好ましくは、100μm以下である。
また、必要により、別の剥離フィルム(図示せず)を粘接着剤層1の表面(剥離フィルム10と接触する接触面と反対側の表面)に配置する(接触させる)こともできる。
つまり、粘接着剤層1を2枚の剥離フィルムで挟みこむこともできる。
そして、この粘接着剤層1は、感圧接着性(粘着性または初期接着力)を有する。
具体的には、アルミニウム板に対する粘接着剤層1の剥離接着力は、例えば、1.0N/20mm以上、好ましくは、2.4N/20mm以上、より好ましくは、3.0N/20mm以上であり、また、例えば、10N/20mm以下である。
粘接着剤層1のアルミニウム板に対する剥離接着力が、上記の下限以上であれば、粘接着剤層1は、感圧接着性に優れる。
なお、粘接着剤層1の剥離接着力は、粘接着剤層1をアルミニウム板に貼着した後、90度で速度300mm/分で、粘接着剤層1をアルミニウム板から剥離したときの、粘接着剤層の剥離接着力として求められる。
また、粘接着剤層1について、24時間の定荷重試験におけるポリエチレンテレフタレートフィルムが剥離するまでの時間(剥離時間)は、例えば、1時間以上、好ましくは、5時間以上であり、また、例えば、24時間以下である。
剥離時間が、上記の下限以上であれば、粘接着剤層1は、感圧接着性に優れる。
なお、定荷重試験は、後の実施例で説明される。
その後、粘接着剤層1を、剥離フィルム10から第1被着体2の表面に転写する。具体的には、まず、粘接着剤層1を第1被着体2に接触させ、続いて、図1Aの矢印で示すように、剥離フィルム10を粘接着剤層1から引き剥がす。
また、工程(2)の後、工程(3)の直前に、剥離フィルム10を粘接着剤層1から引き剥がすこともできる。
また、2枚の剥離フィルムによって、粘接着剤層1を挟み込んだ場合は、例えば、まず、一の剥離フィルムを剥離する。次いで、露出した粘接着剤層1の露出面を第1被着体2に接触させ、続いて、図1Aの矢印で示すように、剥離フィルム10を粘接着剤層1から引き剥がす。
第1被着体2としては、特に制限はなく、例えば、金属、ガラス、プラスチック、スレート、モルタル、コンクリート、ゴム、木材、皮、布、紙などが挙げられる。
第1被着体2として、好ましくは、スレート、モルタル、コンクリートが挙げられる。
これにより、図1Aに示すように、粘接着剤層1を第1被着体2に配置する。
1-2.工程(2)
硬化剤層3は、粘接着剤層1と接触して反応することにより粘接着剤層1を硬化させることができる層(シート)であり、面方向(厚み方向に直交する方向)に沿って延び、平坦な表面と裏面とを有する略平板形状を有する。
工程(2)では、図1Aに示すように、硬化剤層3を第2被着体4に配置する。
硬化剤層3を第2被着体4に配置するには、例えば、まず、硬化剤成分を調製する。
硬化剤成分は、硬化剤を含有する。
硬化剤としては、層を形成することができる2液型接着剤の硬化剤であれば特に制限されず、粘接着剤組成物が、シリコーン化合物である場合は、シリコーン化合物などが挙げられ、粘接着剤組成物が、ポリオール化合物である場合は、イソシアネートなどが挙げられ、ウレタン樹脂である場合は、ウレタン樹脂硬化剤が挙げられ、エポキシ樹脂である場合は、例えば、イミダゾール化合物、アミン化合物などのエポキシ樹脂硬化剤が挙げられる。
イミダゾール化合物としては、例えば、メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-イソブチル-2-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、エチルイミダゾール、イソプロピルイミダゾール、2,4-ジメチルイミダゾール、フェニルイミダゾール、ウンデシルイミダゾール、ヘプタデシルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾールなどが挙げられ、好ましくは、1-イソブチル-2-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、より好ましくは、1-イソブチル-2-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、さらに好ましくは、1-イソブチル-2-メチルイミダゾールが挙げられる。
アミン化合物としては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、それらのアミンアダクト、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホンが挙げられる。
硬化剤としては、好ましくは、イミダゾール化合物が挙げられる。
硬化剤は、単独で用いることができ、2種以上を併用することもできる。
硬化剤の配合割合は、硬化剤成分に対して、例えば、10質量%以上、好ましくは、30質量%以上、より好ましくは、50質量%以上、さらに好ましくは、80質量%以上、とりわけ好ましくは、90質量%以上であり、また、例えば、100質量%以下である。硬化剤の配合割合が、上記の下限以上であれば、粘接着剤層1は、接着性に優れる。
好ましくは、硬化剤成分は、硬化剤のみからなり、すなわち、硬化剤の割合が、硬化剤成分に対して100質量%である。
硬化剤成分は、必要により、上記のエポキシ樹脂を配合してもよい。
エポキシ樹脂の配合割合は、硬化剤100質量部に対して、30質量部以上、好ましくは、40質量部以上であり、また、例えば、70質量部以下、好ましくは、60質量部以下である。
エポキシ樹脂の配合割合が、上記の上限以下であれば、工程(2)において、硬化剤層3において、硬化剤のほぼ全部がエポキシ樹脂と反応することを防止し、工程(3)において、硬化剤層3(の硬化剤)の粘接着剤層1(のエポキシ樹脂)に対する反応性が低下することを防止することができる。
硬化剤成分を調製するには、硬化剤と、必要により、エポキシ樹脂とを配合し、ワニスを調製する。
硬化剤が固形状であれば、必要により、溶媒で硬化剤を溶解して、ワニスを調製する。
溶媒としては、粘接着剤組成物を溶解できるものであればよく、例えば、上記した溶媒が挙げられる。
ワニスにおける硬化剤成分の濃度は、例えば、10質量%以上、好ましくは、20質量%以上であり、例えば、90質量%以下、好ましくは、50質量%以下である。
これにより、硬化剤成分を調製する。
その後、硬化剤成分を第2被着体4に塗布する。具体的には、硬化剤成分のワニスを第2被着体4に塗布する。
第2被着体4としては、特に制限されないが、上記した被着体などが挙げられる。
塗布方法としては、上記した方法などが挙げられる。
その後、必要により、第2被着体4の表面の余分な硬化剤成分のワニスを除去する。例えば、第2被着体4の表面の余分な硬化剤成分のワニスを拭き取る。
続いて、ワニスが溶媒を含んでいる場合は、ワニスを乾燥させて、溶媒を除去する。
これにより、硬化剤層3が第2被着体4の表面に形成されて、硬化剤層3は、第2被着体4に配置される。
硬化剤層3の厚みは、例えば、1μm以上、好ましくは、5μm以上、より好ましくは、10μm以上であり、また、例えば、1000μm以下、好ましくは、800μm以下、より好ましくは、500μm以下である。
これにより、第1被着体2に配置された粘接着剤層1と、第2被着体4に配置された硬化剤層3とを備える接着キット7が構成される。
1-3.工程(3)
工程(3)では、図1Bに示すように、粘接着剤層1と硬化剤層3とを、それらが第1被着体2および第2被着体4に挟まれるように、接触させる。
つまり、第1被着体2と第2被着体4とを、粘接着剤層1と硬化剤層3が互いに接触するように、重ね合わせる。
そうすると、粘接着剤層1と硬化剤層3とが接触して反応する。
反応温度は、例えば、常温である。
また、必要により、粘接着剤層1と硬化剤層3とを加熱してもよく、加熱温度は、例えば、50℃以上、好ましくは、70℃以上であり、また、例えば、130℃以下、好ましくは、110℃以下である。
反応温度としては、好ましくは、常温である。常温は、粘接着剤層1と硬化剤層3とを反応させるための上記した加熱(例えば、50℃以上の加熱)をしない温度であり、例えば、50℃未満、好ましくは、40℃以下であり、また、例えば、10℃以上、好ましくは、20℃以上である。
反応温度が常温であれば、粘接着剤層1と硬化剤層3とを反応させるための加熱を必要とせず、第1被着体2と第2被着体4とをより一層簡便に接着することができる。
反応時間は、例えば、1時間以上、好ましくは、12時間以上であり、また、例えば、96時間以下、好ましくは、48時間以下である。
これにより、粘接着剤層1が硬化し、硬化層5になる。好ましくは、粘接着剤層1が常温で硬化する。
なお、図1Bでは、粘接着剤層1と硬化剤層3との境界が形成されているが、硬化層5は、粘接着剤層1と硬化剤層3とが一体化して反応した層であり、上記の境界は存在しない。
この硬化層5により、第1被着体2および第2被着体4が接着される。
硬化層5の剪断接着力は、例えば、0.1MPa以上、好ましくは、0.4MPa以上、より好ましくは、0.6MPa以上、さらに好ましくは、0.7MPa以上、とりわけ好ましくは、1.0MPa以上、最も好ましくは、2.3MPa以上、さらには、2.5MPa以上、さらには、3.5MPa以上である。
硬化層5の剪断接着力が、上記の下限以上であれば、粘接着剤層は、接着性に優れ、第1被着体2と第2被着体4とを確実に接着することができる。
硬化層5の剪断接着力は、以下の方法により測定される。すなわち、粘接着剤層1を2枚の剥離処理されたポリエチレンテレフタレートフィルムに挟みこんで、室温で1日放置する。その後、一方のポリエチレンテレフタレートフィルムを粘接着剤層1から剥離し、剥離された粘接着剤層1を第1スレート板に配置し、その後、他方のポリエチレンテレフタレートフィルムを粘接着剤層1から引き剥がす。別途、硬化剤層3を第2スレート板に配置する。次いで、粘接着剤層1と硬化剤層3とを、それらが第1スレート板および第2スレート板に挟まれるように、接触させ、24時間放置して硬化層5を形成し、その後、第1スレート板および第2スレート板を剪断方向に、速度5mm/分で引っ張り、2枚のスレート板が剥がれた際の強度を剪断接着力として求められる。
これにより、接着構造体6が製造される。
つまり、接着構造体6は、第1被着体2と、第1被着体2と対向配置される第2被着体4と、それらに挟まれる硬化層5とを備える。
接着構造体6では、第1被着体と第2被着体とが、硬化層5によって強固に接着されている。
2.一実施形態の作用効果
この接着方法によれば、図1Aに示すように、工程(1)において、粘接着剤層1を第1被着体2に配置し、工程(2)において、硬化剤層3を第2被着体4に配置し、図1Bに示すように、工程(3)において、粘接着剤層1と、硬化剤層3とを、それらが第1被着体1および第2被着体4に挟まれるように接触させるので、第1被着体2と第2被着体4とを簡便かつ強固に接着することができる。
つまり、この方法では、上記した方法により、図2Aに示すように、2枚の剥離フィルム10で挟みこんだ粘接着剤層1を準備する。
別途、硬化剤成分のワニスを調製し、図2Aに示すように、硬化剤成分のワニスを容器8に収容する。
これにより、図2Aに示すように、粘接着剤層1と、硬化剤成分とを準備する。
次いで、粘接着剤層1と、硬化剤成分とを施工現場に運搬する。
その後、一の剥離フィルム10を剥離し、次いで、図2Bに示すように、粘接着剤層1を他の剥離フィルム10から第1被着体2に転写する。
別途、図2Cに示すように、硬化剤成分のワニスを第2被着体4に塗布する。具体的には、容器8から、硬化剤成分を取り出し、硬化剤成分のワニスを、例えば、スプレー、ハケなどで第2被着体4に塗布する。すると、硬化剤成分のワニスが第2被着体4の上端部に染み込む。その後、必要により、第2被着体4の表面に残る余分の硬化剤成分を拭き取る。
これにより、図2Cに示すように、第2被着体4の上端部には、硬化剤成分からなる硬化剤層3が形成される。
なお、第2被着体4の表面に硬化剤成分が存在する場合は、これと、第2被着体4の上端部に染み込んだ硬化剤成分とが硬化剤層3を形成する(図示せず)。
次いで、図2Dに示すように、第1被着体2と第2被着体4とを、粘接着剤層1と硬化剤層3が互いに接触するように、重ね合わせる。
また、この接着方法によれば、粘接着剤層1の剥離接着力が、上記の下限以上であれば、粘接着剤層1は、粘着性(初期接着性)に優れる。
また、この接着方法によれば、硬化層5の剪断接着力が、上記の下限以上であれば、第1被着体2と第2被着体4とをより一層強固に接着することができる。
また、この接着方法によれば、硬化剤層3が、硬化剤を上記の下限以上含有すれば、第1被着体2と第2被着体4とをより一層強固に接着することができる。
また、この接着方法によれば、粘接着剤層1が、エポキシ樹脂を主成分として含有すれば、第1被着体2と第2被着体4とを強固に接着することができる。
また、この接着方法によれば、工程(3)において、粘接着剤層1が常温で硬化すれば、粘接着剤層1を硬化させるための加熱を必要とせず、第1被着体2と第2被着体4とをより一層簡便に接着することができる。
この接着キット7によれば、粘接着剤層1と硬化剤層3とを、それらが第1被着体2および第2被着体4に挟まれるように、接触させれば、第1被着体2と第2被着体4とを簡便かつ強固に接着することができる。
この接着構造体6によれば、硬化層5により第1被着体2と第2被着体4とが強固に接着されている。
3.変形例
一実施形態の変形例を図3A~図3Cを参照して説明する。
なお、以下の変形例において、上記した各部に対応する部材については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
一実施形態では、図1Aに示すように、粘接着剤層1および硬化剤層3をそれぞれ第1被着体2および第2被着体4に配置したが、この変形例では、図3Bに示すように、粘接着剤層1および硬化剤層3を第1被着体2の表面に順次配置する。
この変形例では、まず、図3Aに示すように、粘接着剤層1を、第1被着体2の表面に配置する。
続いて、図3Bに示すように、硬化剤層3を、粘接着剤層1の表面に配置する。
硬化剤層3を、粘接着剤層1の表面に配置するには、例えば、硬化剤成分のワニスを粘接着剤層1の表面に塗布する。あるいは、硬化剤成分のワニスを剥離シート(図示せず)の表面に塗布し、必要により、乾燥させる。これにより、硬化剤層3を剥離シートの表面に形成する。その後、硬化剤層3を剥離シートから粘接着剤層1の表面に転写する。
続いて、図3Cに示すように、第2被着体4を硬化剤層3の表面に配置する。これにより、粘接着剤層1と硬化剤層3とは、それらが第1被着体2および第2被着体4に挟まれる。そうすると、硬化層5が形成されて、それによって、第1被着体2および第2被着体4が接着された接着構造体6が製造される。
なお、上記した説明では、図3Bに示すように、粘接着剤層1と硬化剤層3とを第1被着体2の表面に順次配置したが、例えば、図示しないが、硬化剤層3と粘接着剤層1とを第1被着体2の表面に順次配置することもできる。
一実施形態では、図1Aに示すように、接着キット7は、第1被着体2に配置(支持)された粘接着剤層1と、第2被着体4に配置(支持)された硬化剤層3とを備えるが、これに限定されない。つまり、接着キット7において、粘接着剤層1と硬化剤層3とのそれぞれの支持体は、特に限定されない。
すなわち、接着キット7において、粘接着剤層1および硬化剤層3は、ともに層状に形成されていればよく、例えば、粘接着剤層1および/または硬化剤層3は、剥離フィルム(図示せず)の表面に形成(支持)されていてもよい。
また、粘接着剤層1を複数積層して、粘接着剤層1を多層として構成することもできる。
また、硬化剤層3を複数積層して、硬化剤層3を多層として構成することもできる。
以下に実施例、参考比較例および比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は、何ら実施例、参考比較例および比較例に限定されない。また、以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。
なお、「部」および「%」は、特に言及がない限り、質量基準である。
1.粘接着剤層の製造および硬化剤成分の調製
調製例1
液状のビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名「jER828」、三菱化学製)70部と、固形状のビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名「jER1256」、三菱化学製)30部とを混合し、濃度(液状のビスフェノールA型エポキシ樹脂および固形状のビスフェノールA型エポキシ樹脂の濃度)が60%になるようにメチルエチルケトンを加えて希釈し、ワニスを調製した。これを乾燥後の厚みが20μmになるように、剥離処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名「ダイアホイルMRF#38」、三菱樹脂社製)の剥離処理面に塗工し、100℃で1分、加熱して乾燥させ、粘接着剤層を得た。その後、粘接着剤層を、別のポリエチレンテレフタレートフィルムに、粘接着剤層が2枚のポリエチレンテレフタレートフィルムに挟まれるように、接触させた。
別途、硬化剤成分を表1の記載に従って調製した。
調製例2~8および比較調製例3、4
配合処方を表1の記載に従って、変更した以外は、実施例1と同様処理にして、粘接着剤層と硬化剤層とのそれぞれを製造した。
比較調製例1
粘接着組成物および硬化剤成分として、2液混合型エポキシ系接着剤を用意した。
比較調製例2
粘接着剤層として、粘着テープを用意した。
2.評価
1)シート成形性
調製例1~8の粘接着剤層および比較調製例1~4について、シート状に成形できたものを○とし、シート状に成形できなかったものを×として評価した。
その結果を表1に示す。
2)剥離接着力
粘接着剤層を室温で1日放置した。
その後、粘接着剤層の一方のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、露出された粘接着剤層に、厚さが25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名「ルミラー25S10」、パナック社製)を配置した。次いで、これを、幅20mmにカットし、他方のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、露出された粘接着剤層を厚さ2mmのアルミ板に配置した。貼り合わせた後に、2kgのローラーを1往復して圧着した。貼り合せてから、30分後に、引張圧縮試験機(装置名「TG-1kN」、ミネベア社製)にて、剥離角度90°、剥離速度300mm/分で剥離接着力を測定した。
比較調製例1は、2液混合型エポキシ系接着剤のA液を使用して、調製した粘接着剤層を上記の剥離試験に供した。
比較調製例2は、粘着テープを使用して、上記の剥離試験に供した。
その結果を表1に示す。
3)定荷重試験
調製例1~8および比較調製例3、4の粘接着剤層を室温で1日放置した。
その後、粘接着剤層の一方のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、露出された粘接着剤層に、厚さが25μmの別のポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名「ルミラー25S10」、パナック社製)を配置した。次いで、これを、幅20mm×長さ50mmにカットし、他方のポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名「ダイアホイルMRF#38」、三菱樹脂社製)を剥離し、露出された粘接着剤層を、コンクリート板(不燃ボード(三菱フレキシブルボードN 厚さ5mm))に配置した。その後、これを2kgのハンドローラーで圧着した。圧着後、定荷重(12g)をポリエチレンテレフタレートフィルムの端部に固定した。剥離角度が90°となるように、定荷重でポリエチレンテレフタレートフィルムの剥離を常温(25℃)で開始した。長さ20mmを余長とし、残りの長さ30mm部分が全て剥離するまでの時間(最大24時間)を測定した。
比較調製例1は、2液混合型エポキシ系接着剤のA液を使用して、調製した粘接着剤層を上記の定荷重試験に供した。
比較調製例2は、粘着テープを使用して、上記の定荷重試験に供した。
その結果を表1に示す。
4)剪断接着力
実施例1
調製例1の粘接着剤層を室温で1日放置した。
粘接着剤層を2層に重ねて粘接着剤層の厚みを40μmにした粘接着剤層を幅30mm×長さ10mmのサイズにカットし、その後、一方のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、露出された粘接着剤層に幅30mm×長さ130mm×厚み3mmのスレート板(JIS A 5430)の先端を配置した。次いで、他方のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離した。
別途、他のスレート板の先端の幅30mm×長さ10mmに、硬化剤成分を塗布し、続いて、表面の余分な液体をふき取って、硬化剤層を他のスレート板の表面に形成した。その後、粘接着剤層と硬化剤層とが接触するように、2つのスレート板を貼り合わせ、続いて、2つのスレート板をクリップで固定し、24時間放置した。その後、これを引張圧縮試験機(装置名「TG-5kN」、ミネベア社製)にて、剪断方向(長さ方向)に、剥離速度5mm/分で2つのスレート板を引っ張り、2つのスレート板のうち一方が剥がれた際の試験力を測定した。剪断接着力は以下の式により算出した。
剪断接着力(MPa)= 試験力(N)/ 300 mm2 (1)
その結果を表1に示す。
実施例2、実施例3、参考比較例4、および、実施例5~8
表1のように粘接着剤層および硬化剤層を変更した以外は、実施例1と同様にして、剪
断接着力を測定した。
その結果を表1に示す。
比較例1
接着剤の使用方法通りに2液を混合し、一のスレート板の先端に幅30mm×長さ10mmになるように塗布し、一のスレート板の先端と、他のスレート板の先端と貼り合せて、クリップで固定し、24時間放置した。
その結果を表1に示す。
比較例2
両面テープを幅30mm×長さ10mmにカットし、一のスレート板の先端に貼り、スレート板の先端と、他のスレート板の先端と貼り合せて、クリップで固定し、24時間放置した。
その結果を表1に示す。
比較例3
粘接着剤層を2層に重ねて粘接着剤層の厚みを40μmにした以外は、実施例1と同様にして、剪断接着力を測定した。
その結果を表1に示す。
比較例4
クリップで固定した2つのスレート板の24時間放置に変えて、150℃で20分間加熱した以外は、実施例1と同様にして、剪断接着力を測定した。
その結果を表1に示す。
表1中、配合処方欄の数値は、質量部数を表わす。
また、表1中、各成分の略称について、以下にその詳細を記載する。
jER828:ビスフェノールA型エポキシ樹脂、常温(25℃)液体、粘度(25℃)120Pa・s~150Pa・s、三菱化学社製
jER1256:高分子量ビスフェノールA型エポキシ樹脂、常温(25℃)固形、軟化点85℃、三菱化学社製
アクリル系ポリマー:
アクリル系ポリマーは、以下の手順により調製した。
撹拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた4つ口フラスコに、n-ブチルアクリレート100部、2-ヒドロキシエチルアクリレート0.1部、アクリル酸3部、重合開始剤として2,2’-アゾビスイソブチロニトリル0.1部を酢酸エチル100部とトルエン100部と共に加え、緩やかに撹拌しながら窒素ガスを導入して1時間窒素置換した後、フラスコ内の液温を55℃付近に保って15時間重合反応を行い、重量平均分子量60万のアクリル系ポリマー溶液を調製した。
コロネートL:イソシアネート系架橋剤
IBMI12:1-イソブチル-2-メチルイミダゾール、常温液体、三菱化学社製
BMI12:1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、常温液体、三菱化学社製
EMI24:2-エチル-4-メチルイミダゾール、常温固形、三菱化学社製
ST12:アミン系硬化剤、三菱化学社製
MEK:メチルエチルケトン
2液混合型エポキシ系接着剤:商品名「ハイスーパー5」、セメダイン社製
粘着テープ:商品名「No.5000NS」、日東電工社製