JP2015078357A - 難燃断熱材組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
かかる硬質ポリウレタンスプレーフォームを使用することにより、コンクリート等の建築資材の断熱性を簡単に向上させることができることから、前記硬質ポリウレタンスプレーフォームは建築用途に幅広く使用されている。
かかる前記硬質ポリウレタンスプレーフォームの一例として、ポリオール成分を含む第1液と、イソシアネート成分を含む第2液とで構成され、前記第1液と第2液とを混合して施工対象面に吹き付けるか、または前記第1液と第2液との混合と共にエアを混入して施工対象面に吐出し、発泡硬化させて、発泡ポリウレタン断熱材を施工形成する2液型の断熱材組成物が提案されている(特許文献1)。
前記断熱材組成物は、前記第1液のポリオール成分として2種以上のポリオールを含み、かつ少なくとも1種のポリオールが第3級アミン構造を含むポリオールを使用している。
この断熱材組成物によれば、低温環境下でも、良好に施工作業を行うことができるとされる。
この建築断熱用硬質イソシアヌレートスプレーフォームは、製造の際に大気中のオゾンを減少させると言われるクロロフルオロカーボンを使用しないため、環境に負荷を与えないとされる。
この断熱性不燃材は断熱性に優れるとされる。
具体的には、樹脂発泡体とモルタル組成物の硬化体とを積層した複合断熱材が提案されている(特許文献4)。この複合断熱材は樹脂発泡体に加えてセメントを含むモルタル組成物の硬化体を含むことから耐火性に優れるとされる。
また発泡有機樹脂粒子を含むセメント組成物を使用した積層体も提案されている(特許文献5)。
この積層体はセメント組成物により成形されているから難燃性に優れるとされる。
しかし、セメントを使用した場合には難燃性は向上するものの、成形体の重量が大きくなる問題がある。またセメントによる硬化体を使用した場合は、得られる製品は、火は通し難くても熱を通しやすい性質があることから断熱性に劣る問題が残る。
[1]ポリオール化合物、難燃剤、難燃助剤および三量化触媒を含むポリオール液(X)と、ポリイソシアネート化合物を含むイソシアネート液(Y)と、を少なくとも有し、
前記三量化触媒が、前記イソシアネート液(Y)に含まれるポリイソシアネート化合物のイソシアネート基の三量化反応の触媒であり、
前記難燃剤が、赤リンおよびリン酸エステルを少なくとも含み、
前記難燃助剤が、リン酸塩含有難燃剤、臭素含有難燃剤、金属水酸化物および針状フィラーからなる群より選ばれる少なくとも一つを含み、
前記ポリオール化合物と前記ポリイソシアネート化合物とからなるウレタン樹脂100重量部に対して、前記難燃剤が、5.5〜80重量部の範囲であることを特徴とする、スプレーに使用するための難燃断熱材組成物を提供するものである。
[2]前記難燃助剤に含まれる、リン酸塩含有難燃剤、臭素含有難燃剤、金属水酸化物および針状フィラーからなる群より選ばれる少なくとも一つが、それぞれ前記ウレタン樹脂100重量部に対して、3.0〜90重量部の範囲である、上記[1]に記載のスプレーに使用するための難燃断熱材組成物を提供するものである。
[3]前記三量化触媒が、前記ウレタン樹脂100重量部に対して、0.01〜10重量部の範囲である、上記[1]または[2]に記載のスプレーに使用するための難燃断熱材組成物を提供するものである。
[4]上記[1]〜[3]のいずれかに記載のスプレーに使用するための難燃断熱材組成物の使用方法であって、
前記ポリオール液(X)と、前記イソシアネート液(Y)とを、混合後に噴霧するステップ(1)、
または、
前記ポリオール液(X)と、前記イソシアネート液(Y)とを、噴霧後に混合するステップ(2)
を有する、スプレーに使用するための難燃断熱材組成物の使用方法を提供するものである。
[5]前記スプレーに使用するための難燃断熱材組成物を、構造材にスプレーするステップを有する、上記[4]に記載のスプレーに使用するための難燃断熱材組成物の使用方法を提供するものである。
[6]前記構造材上で、前記スプレーに使用するための難燃断熱材組成物を硬化させるステップを有する、上記[5]に記載のスプレーに使用するための難燃断熱材組成物の使用方法を提供するものである。
[7]上記[4]〜[6]のいずれかに記載の難燃断熱材組成物の使用方法により、前記スプレーに使用するための難燃断熱材組成物を硬化して得られる、硬質ポリウレタンスプレーフォームを提供するものである。
この硬質ポリウレタンスプレーフォームにより、構造材の断熱性および難燃性を簡単に向上させることができる。
本発明に使用する前記ポリオール液(X)に含まれるポリオール化合物と、前記イソシアネート液(Y)に含まれるポリイソシアネート化合物とを組み合わせることによりウレタン樹脂が得られる。
前記ポリイソシアネート化合物は、前記ウレタン樹脂の主剤となり、前記ポリオール化合物は、前記ウレタン樹脂の硬化剤となる。
前記ポリイソシアネート化合物としては、例えば、芳香族ポリイソシアネート、脂環族
ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート等が挙げられる。
前記脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ジメチルジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
前記ポリイソシアネート化合物は一種もしくは二種以上を使用することができる。
前記ウレタン樹脂の主剤は、使い易いこと、入手し易いこと等の理由から、ジフェニルメタンジイソシアネートが好ましい。
前記ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオールなどの水酸基含有化合物と、ジエチレンカーボネート、ジプロピレンカーボネートなどとの脱アルコール反応により得られるポリオール等が挙げられる
前記脂環族ポリオールとしては、例えば、シクロヘキサンジオール、メチルシクロヘキサンジオール、イソホロンジオール、ジシクロヘキシルメタンジオール、ジメチルジシクロヘキシルメタンジオール等が挙げられる。
前記脂肪族ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール等が挙げられる。
前記ポリエステルポリオールとしては、例えば、多塩基酸と多価アルコールとを脱水縮合して得られる重合体、ε−カプロラクトン、α−メチル−ε−カプロラクトン等のラクトンを開環重合して得られる重合体、ヒドロキシカルボン酸と上記多価アルコール等との縮合物が挙げられる。
また前記多価アルコールとしては、具体的には、例えば、ビスフェノールA、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,6−ヘキサングリコール、ネオペンチルグリコール等が挙げられる。
また前記ヒドロキシカルボン酸としては、具体的には、例えば、ひまし油、ひまし油とエチレングリコールの反応生成物等が挙げられる。
前記多価アルコールとしては、例えば、グリセリン及びトリメチロールプロパン等の三価アルコール、
ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、ソルビタン、ジグリセリン、ジペンタエリスリトール等、ショ糖、グルコース、マンノース、フルクトース、メチルグルコシド及びその誘導体等の四〜八価のアルコ―ル、
フェノール、フロログルシン、クレゾール、ピロガロ―ル、カテコール、ヒドロキノン、ビスフェノ―ルA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、1−ヒドロキシナフタレン、1,3,6,8−テトラヒドロキシナフタレン、アントロール、1,4,5,8−テトラヒドロキシアントラセン、1−ヒドロキシピレン等のフェノ―ル類、
ポリブタジエンポリオール、
ひまし油ポリオール、
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの(共)重合体及びポリビニルアルコール等の多官能(例えば官能基数2〜100)ポリオール、フェノールとホルムアルデヒドとの縮合物(ノボラック)が挙げられる。
前記AOとしては、炭素数2〜6のAO、例えば、エチレンオキサイド(以下、EOと略す)、1,2−プロピレンオキサイド(以下、POと略す)、1,3−プロピレオキサイド、1,2−ブチレンオキサイド、1,4−ブチレンオキサイド等が挙げられる。
これらの中でも性状や反応性の観点から、PO、EOおよび1,2-ブチレンオキサイドが好ましく、POおよびEOがより好ましい。
AOを二種以上使用する場合(例えば、POおよびEO)の付加方法としては、ブロック付加であってもランダム付加であってもよく、これらの併用であってもよい。
前記活性水素を2個以上有する低分子量活性水素化合物としては、例えば、ビスフェノールA、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール等のジオール類、
グリセリン、トリメチロールプロパン等のトリオール類、
エチレンジアミン、ブチレンジアミン等のアミン類等が挙げられる。
本発明においては、インデックスは[イソシアネートの当量数]×100÷[ポリオールの当量数+水の当量数]により定義される。
ここで前記ポリオール化合物の当量数は、[ポリオール化合物の水酸基価(mgKOH/g)]×[ポリオール化合物の重量(g)]÷[水酸化カリウムの分子量]により表される。
前記ポリイソシアネート化合物の当量数は、[イソシアネート基の分子量]×100÷[イソシアネート基の重量%]により表される。
水の当量数は、[水の重量(g)]×2÷[水の分子量]により表される。
前記インデックスの範囲は、120〜700の範囲であることが好ましい。
前記当量比が700以下では発泡不良が起こるのを防ぐことができ、120以上では良好な耐熱性を有することができる。
前記ウレタン硬化触媒としては、例えばアミノ化合物、錫化合物、アセチルアセトン金属塩等が挙げられる。
テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、トリフェニルアンモニウム塩等が挙げられる。
0.01重量部以上10重量部以下の場合には取り扱い易く反応の制御が容易となる。
ルアミノメチル)フェノール、2,4−ビス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジアルキルアミノアルキル)ヘキサヒドロ−S−トリアジン等の芳香族化合物、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム、2−エチルヘキサン酸ナトリウム、3級アミンのカルボン酸塩等の第四級アンモニウム化合物、2−エチルアジリジン等のアジリジン類等のアミン系化合物、ジアザビシクロウンデセン、ナフテン酸鉛、オクチル酸鉛等の鉛化合物、ナトリウムメトキシド等のアルコラート化合物、カリウムフェノキシド等のフェノラート化合物、カルボン酸の4級アンモニウム塩等を使用すればよい。
0.01重量部以上の場合にイソシアネートの三量化が阻害される不具合が生じず、10重量部以下の場合にウレタン結合が阻害される不具合を軽減することができる。
プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の低沸点の炭化水素、
ジクロロエタン、プロピルクロリド、イソプロピルクロリド、ブチルクロリド、イソブチルクロリド、ペンチルクロリド、イソペンチルクロリド等の塩素化脂肪族炭化水素化合物、
トリクロルモノフルオロメタン、トリクロルトリフロオロエタン、CHF3、CH2F2、CH3F等のフッ素化合物、
ジクロロモノフルオロエタン、(例えばHCFC141b(1、1―ジクロロ−1−フルオロエタン)、HCFC22(クロロジフルオロメタン)、HCFC142b(1―クロロ―1、1―ジフルオロエタン)等のハイドロクロロフルオロカーボン化合物、
HFC−245fa(1、1、1、3、3―ペンタフルオロプロパン)、HFC−365mfc(1、1、1、3、3―ペンタフルオロブタン)等のハイドロフルオロカーボン化合物、HFO等のハイドロフルオロオレフィン化合物、
ジイソプロピルエーテル等のエーテル化合物、あるいはこれらの化合物の混合物等の有機物理発泡剤、
窒素ガス、酸素ガス、アルゴンガス、二酸化炭素ガス等の無機物理発泡剤等が挙げられる。
前記水の範囲が0.1重量部以上の場合は発泡が促進され、得られる成形体の密度を低減することができ、20重量部以下の場合は、発泡体のセルが破泡し、発泡体が形成されないことを防ぐことができる。
前記整泡剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル等のポリオキシアルキレン整泡剤、オルガノポリシロキサン等のシリコーン整泡剤等の界面活性剤等が挙げられる。
前記化学反応により硬化するウレタン樹脂に対する整泡剤の使用量は、使用する前記化学反応により硬化するウレタン樹脂により適宜設定されるが、一例を示すとすれば、例えば、前記ウレタン樹脂100重量部に対して、0.01〜5重量部であることが好ましく、0.1〜4.0重量部であることがより好ましく、1.0〜3.0重量部であることが更に好ましい。
本発明に使用する難燃剤は、赤リンおよびリン酸エステルを含むものであるが、最初に赤リンについて説明する。
本発明に使用する赤リンに限定はなく、市販品を適宜選択して使用することができる。
前記赤リンの範囲が3.0重量部以上の場合は、本発明に係る難燃断熱材組成物の自己消火性が保持され、また30重量部以下の場合には本発明に係る難燃断熱材組成物の発泡が阻害されない。
市販の縮合リン酸エステルとしては、例えば、レゾルシノールポリフェニルホスフェート(商品名CR−733S)、ビスフェノールAポリクレジルホスフェート(商品名CR−741)、芳香族縮合リン酸エステル(商品名CR747)、レゾルシノールポリフェニルホスフェート(ADEKA社製、商品名アデカスタブPFR)、ビスフェノールAポリクレジルホスフェート(商品名FP−600、FP−700)等を挙げることができる。
前記リン酸エステルの範囲が2.5重量部以上の場合には本発明に係る難燃断熱材組成物からなる成形体が着火しにくくなり、50重量部以下の場合には本発明に係る難燃断熱材組成物の発泡が阻害されない。
前記難燃助剤は、リン酸塩含有難燃剤、臭素含有難燃剤、金属水酸化物および針状フィラーからなる群より選ばれる少なくとも一つを含む。
前記リン酸塩含有難燃剤に使用されるリン酸は特に限定はないが、モノリン酸、ピロリン酸等の各種リン酸が挙げられる。
前記周期律表IA族〜IVB族の金属として、リチウム、ナトリウム、カルシウム、バリウム、鉄(II)、鉄(III)、アルミニウム等が挙げられる。
また前記脂肪族アミンとして、メチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、ピペラジン等が挙げられる。
また前記芳香族アミンとして、ピリジン、トリアジン、メラミン、アンモニウム等が挙げられる。
なお、上記のリン酸塩含有難燃剤は、シランカップリング剤処理、メラミン樹脂で被覆する等の公知の耐水性向上処理を加えてもよく、メラミン、ペンタエリスリトール等の公知の発泡助剤を加えても良い。
リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、亜リン酸一ナトリウム、亜リン酸二ナトリウム、次亜リン酸ナトリウム等のナトリウム塩、
リン酸一カリウム、リン酸二カリウム、リン酸三カリウム、亜リン酸一カリウム、亜リ
ン酸二カリウム、次亜リン酸カリウム等のカリウム塩、
リン酸一リチウム、リン酸二リチウム、リン酸三リチウム、亜リン酸一リチウム、亜リン酸二リチウム、次亜リン酸リチウム等のリチウム塩、
リン酸二水素バリウム、リン酸水素バリウム、リン酸三バリウム、次亜リン酸バリウム等のバリウム塩、
リン酸一水素マグネシウム、リン酸水素マグネシウム、リン酸三マグネシウム、次亜リン酸マグネシウム等のマグネシウム塩、
リン酸二水素カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸三カルシウム、次亜リン酸カルシウム等のカルシウム塩、
リン酸亜鉛、亜リン酸亜鉛、次亜リン酸亜鉛等の亜鉛塩、
第一リン酸アルミニウム、第二リン酸アルミニウム、第三リン酸アルミニウム、亜リン酸アルミニウム、次亜リン酸アルミニウム等のアルミニウム塩等が挙げられる。
前記モノリン酸塩含有難燃剤の範囲が1.5重量部以上の場合は、本発明に係る難燃断熱材組成物の自己消火性が保持され、また20重量部以下の場合には本発明に係る難燃断熱材組成物の発泡が阻害されない。
前記芳香族臭素化化合物の具体例としては、例えば、ヘキサブロモベンゼン、ペンタブロモトルエン、ヘキサブロモビフェニル、デカブロモビフェニル、ヘキサブロモシクロデカン、デカブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルエーテル、ヘキサブロモジフェニルエーテル、ビス(ペンタブロモフェノキシ)エタン、エチレン−ビス(テトラブロモフタルイミド)、テトラブロモビスフェノールA等のモノマー系有機臭素化合物、
臭素化ビスフェノールAを原料として製造されたポリカーボネートオリゴマー、前記ポリカーボネートオリゴマーとビスフェノールAとの共重合物等の臭素化ポリカーボネート、
臭素化ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジエポキシ化合物、臭素化フェノール類とエピクロルヒドリンとの反応によって得られるモノエポキシ化合物等の臭素化エポキシ化合物、
ポリ(臭素化ベンジルアクリレート)、
臭素化ポリフェニレンエーテル、
臭素化ビスフェノールA、塩化シアヌールおよび臭素化フェノールの縮合物、
臭素化(ポリスチレン)、ポリ(臭素化スチレン)、架橋臭素化ポリスチレン等の臭素化ポリスチレン、
架橋または非架橋臭素化ポリ(−メチルスチレン)等のハロゲン化された臭素化合物ポリマーが挙げられる。
本発明に係る難燃断熱材組成物の自己消火性を高める観点から、芳香族環に臭素原子が
置換した臭素化芳香環含有芳香族化合物が好ましく、臭素化ポリスチレン、ヘキサブロモベンゼン等がより好ましく、ヘキサブロモベンゼンがさらに好ましい。
前記臭素含有難燃剤の範囲が1.5重量部以上の場合は、本発明に係る難燃断熱材組成物の自己消火性が保持され、また20重量部以下の場合には本発明に係る難燃断熱材組成物の発泡が阻害されない。
前記金属水酸化物の範囲が1.5重量部以上の場合は、本発明に係る難燃断熱材組成物の自己消火性が保持され、また20重量部以下の場合には本発明に係る難燃断熱材組成物の発泡が阻害されない。
前記針状フィラーの範囲が3.0重量部以上の場合は、本発明に係る難燃断熱材組成物の燃焼後の形状が保持され、また30重量部以下の場合には本発明に係る難燃断熱材組成物の発泡が阻害されない。
前記無機充填材としては、特に限定はないが、例えば、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、三酸化アンチモン、フ
ェライト類、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ホウ酸亜鉛、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ドーソナイト、ハイドロタルサイト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ケイ酸カルシウム等のカリウム塩、タルク、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、イモゴライト、セリサイト、ガラスビーズ、シリカ系バルン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、カーボンブラック、グラファイト、炭素バルン、木炭粉末、各種金属粉、硫酸マグネシウム、チタン酸ジルコン酸鉛、アルミニウムボレート、硫化モリブデン、炭化ケイ素、各種磁性粉、フライアッシュ、無機系リン化合物等が挙げられる。
そこで本発明に係る難燃断熱材組成物を使用する前は、整泡剤、発泡剤、難燃剤および三量化触媒を含むポリオール液(X)と、イソシアネート液(Y)とに少なくとも分割して、前記難燃断熱材組成物が反応して硬化することを防止しておく。
そして前記ポリオール液(X)と、イソシアネート液(Y)とを混合してからスプレーするか、または、前記ポリオール液(X)と、イソシアネート液(Y)とをそれぞれ噴霧後に混合する。
なお、前記ポリオール液(X)と、イソシアネート液(Y)とをそれぞれ噴霧後に混合する場合には、前記ポリオール液(X)と、イソシアネート液(Y)とを噴霧と同時に混合してもよいし、前記ポリオール液(X)と、イソシアネート液(Y)との少なくとも一方を噴霧した後、残る一方を噴霧して混合してもよい。
混合された前記ポリオール液(X)と、イソシアネート液(Y)とは硬化反応を起こして時間の経過と共にその流動性を失い、硬質ポリウレタンスプレーフォームが形成される。
かかる耐火断熱層は比重が小さいことから取り扱い易い。
前記気泡は前記ポリウレタンフォーム内で独立した気泡であることが好ましい。
前記硬質ポリウレタンスプレーフォームは断熱性に優れながら着火しにくいという特性を備えている。
まずポリオール化合物、触媒、整泡剤、発泡剤および難燃剤を含むポリオール液(X)を調整する。
同様にポリイソシアネート化合物を含むイソシアネート液(Y)を調整する。
容器1に前記ポリオール液(X)を投入する。また容器2に前記イソシアネート液(Y)を投入する。
また前記容器1および前記容器2には、それぞれ開閉バルブ3,3が設置されている。
前記反応容器20の内部に導入された前記ポリオール液(X)および前記イソシアネート液(Y)は前記反応容器20の内部で混合され、配管22を通って、エアーコンプレッサー30により供給された圧縮空気と共に、スプレーノズル23から外部へ排出される。
得られる硬質ポリウレタンスプレーフォームは比重が小さく、燃焼時の熱量が小さく燃えにくい性質を有する。
前記構造材としては、例えば、壁、床、天井、扉、梁等の建築資材、
乗用車、バス、トラック、トラクター等の四輪自動車、二輪自動車、自転車、列車、貨物機関車等の陸上車両、ヘリコプター、グライダー、旅客機、貨物輸送機等の航空機、ヨット、漁船、客船、貨物船、巡視艇等の船舶等の乗物等を挙げることができる。
なおいずれの実施例の配合を用いても、同様に断熱性および耐火性に優れる硬質ポリウレタンスプレーフォームを得ることができる。
先の第一の実施形態の場合は、前記ポリオール液(X)および前記イソシアネート液(Y)を混合してからスプレーして使用した。
これに対して第二の実施形態の場合は、前記ポリオール液(X)および前記イソシアネート液(Y)をそれぞれ独立にスプレーし、スプレー中に前記ポリオール液(X)および前記イソシアネート液(Y)を混合する点が異なる。
第二の実施形態の場合も、第一の実施形態の場合と同様、ポリオール化合物、触媒、整泡剤、および難燃剤を含むポリオール液(X)を調整した。
同様にポリイソシアネート化合物を含むイソシアネート液(Y)を調整した。
容器1および2には、それぞれ配管22が設置されていて、エアーコンプレッサー30により供給された圧縮空気と共に、スプレーノズル23から外部へ前記ポリオール液(X
)および前記イソシアネート液(Y)が排出される。
得られる硬質ポリウレタンスプレーフォームは比重が小さく、燃焼時の熱量が小さく燃えにくい性質を有する。
なおいずれの参考例の配合を用いても、同様に断熱性および耐火性に優れる硬質ポリウレタンスプレーフォームを得ることができる。
A−1:p−フタル酸系ポリエステルポリオール(川崎化成工業社製、製品名:マキシモールRFK−505、水酸基価:250mgKOH/g、官能基数:2[一分子当たり])
A−2:p−フタル酸系ポリエステルポリオール(川崎化成工業社製、製品名:RLK−087、水酸基価:200mgKOH/g、官能基数:2[一分子当たり])
(B)触媒
B−1:オクチル酸カリウム(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、製品名:K−zero G)
B−2:3量化触媒(東ソー社製、製品名:TOYOCAT−TR20)
B−3:ペンタメチルジエチレントリアミン(東ソー社製、製品名:TOYOCAT−DT)
(C)整泡剤
ポリアルキレングリコール系整泡剤(東レダウコーニング社製、製品名:SH−193、表1の整泡剤)
(D)発泡剤
D−1:水
D−2:HFC−365mfc(1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン、日本ソルベイ社製)
HFC−245fa(1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、セントラル硝子社製)
混合比率 HFC−365mfc:HFC−245fa = 7:3(表1に「HFC」と記載)
D−3:HFO(トランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、ハネウェル社製、製品名:ソルスティスLBA)
(E)ポリイソシアネート化合物
MDI(日本ポリウレタン工業社製、製品名:ミリオネートMR−200)イソシアネート含有率 30.5〜32.0%
(F)難燃剤
F−1:赤リン(燐化学工業社製、製品名:ノーバエクセル140)
F−2:トリス(β−クロロプロピル)ホスフェート(大八化学社製、製品名:TMCP
P、以下「TMCPP」という。)
(G)難燃助剤
G−1:リン酸二水素アンモニウム(太平化学産業社製)
G−2:ヘキサブロモベンゼン(マナック社製、製品名:HBB−B、以下「HBB」という。)
G−3:水酸化アルミニウム(アルモリックス社製、製品名:B−325)
G−4:針状フィラー(キンセイマテック社製、製品名:SH−1250)
スプレー吹付発泡中の前記発泡機のプライマリーヒータ温度は30〜50℃の範囲であり、ホースヒータ温度は30〜50℃の範囲であった。
吹き付けられた難燃断熱材組成物は時間の経過と共に流動性を失い、硬質ポリウレタンスプレーフォームを得ることができる。
前記硬質ポリウレタンスプレーフォームを用いて下記の基準により評価し、結果を表1に示した。
また密度は51(kg/m3)であった。併せて表1に記載した。
硬質ポリウレタンスプレーフォームから10cm(縦)×10cm(横)×2cm(厚み)になるように直方体状のコーンカロリーメーター試験用サンプルを切り出し、ISO−5660に準拠し、放射熱強度50kW/m2にて20分間加熱したときの総発熱量を測定した。
この測定方法は、建築基準法施行令第108条の2に規定される公的機関である建築総合試験所にて、コーンカロリーメーター法による基準に対応するものとして規定された試験法であり、ISO−5660の試験方法に準拠したものである。
この試験による総発熱量は7.1(MJ/m2)であった。結果を表1に示す。
上記の総発熱量の測定の結果、前記試験用サンプルの縦横収縮の大きさが、水平方向に縦横それぞれ5mm以上変化し、かつ厚みが10mm以上変化した場合には×とし、それ以外を○とした。結果を表1に示す。
京都電子工業社製、QTM−500にて測定した。熱伝導率の単位はW/mkである。結果を表1に示す。
図3および図4は、硬質ポリウレタンスプレーフォームの接着力の測定方法を説明するための模式図である。
市販のコンクリート製基材上40で実施例1に係る難燃断熱材組成物を硬化させて硬質ポリウレタンスプレーフォーム41を得た。次に前記硬質ポリウレタンスプレーフォーム41の表面を研磨して前記硬質ポリウレタンスプレーフォームの厚みを50mmに調整した。実験にはアンカー引抜試験器60を使用した(サンコーテクノ社製 引抜試験機テクノスターRT−3000LD)。
図3は前記硬質ポリウレタンスプレーフォーム41を上から見下ろした状態を例示したものである。前記硬質ポリウレタンスプレーフォーム41は縦横40mmずつ切り込み42,43が入れられていて、前記切り込み42,43は前記コンクリート製基材40に達している。前記硬質ポリウレタンスプレーフォーム41の成形物の中から縦横40mm、
厚み50mmの直方体部分44を引き抜くできる構造となっている。
図4に示される通り、前記直方体部分44の上面には被着体50が接着剤により接着されている。
前記被着体50にはロッド51が固定されていて、ハンドル52を回すと前記ロッド51が前記被着体50と共に上方に持ち上げられる。前記硬質ポリウレタンスプレーフォーム41から前記直方体部分44を引き抜くときに要する最大応力Fmax(N)を前記被着体50の接着面積(cm2)で除した値を接着力(N/cm2)とした。
実験を6回繰り返した。この平均値を表1に示す。
JIS A 9526に準拠して測定した。単位はkg/m3である。結果を表1に示す。
10cm(縦)×10cm(横)×5cm(厚み)の直方体状のサンプルを準備し、80℃85%RHの加湿条件下で一ヶ月静置したときの前記試験用サンプルの収縮率が2%以下のものを○、それ以外を×とした。結果を表1に示す。
結果を表1に示す。
部使用し、G−2を7.9重量部使用した以外は実施例1の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表1に示す。
結果を表1に示す。
結果を表1に示す。
結果を表1に示す。
結果を表1に示す。
結果を表1に示す。
結果を表1に示す。
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結果を表1に示す。
結果を表2に示す。
結果を表2に示す。
結果を表2に示す。
結果を表2に示す。
結果を表2に示す。
結果を表2に示す。
結果を表2に示す。
結果を表2に示す。
結果を表2に示す。
結果を表3に示す。
結果を表3に示す。
実施例11の場合と比較して、ポリオール化合物A−1を54.7重量部使用したこと、触媒B−1およびB−2を使用しなかったこと、ポリイソシアネート化合物Eを45.3重量部使用したこと以外は実施例11の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表3に示す。
実施例11の場合と比較して、難燃剤F−1を3.0重量部使用し、F−2を2.3重量部使用し、難燃助剤G−4を3.0重量部使用したこと以外は実施例11の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表3に示す。
比較例2の場合と比較して、難燃剤F−1を6.0重量部使用し、F−2を7.0重量部使用し、難燃助剤G−4を使用しなかったこと以外は比較例2の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表3に示す。
比較例3の場合と比較して、ポリオール化合物A−1に代えて、A−2を25.3重量部使用したこと、ポリイソシアネート化合物Eを74.7重量部使用したこと以外は比較例3の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表3に示す。
3 開閉バルブ
10 配管
20 反応容器
21 攪拌翼
22 配管
23 スプレーノズル
30 エアーコンプレッサー
40 コンクリート製基材
41 硬質ポリウレタンスプレーフォーム
42,43 切り込み
44 直方体部分
50 被着体
51 ロッド
52 ハンドル
60 アンカー引抜試験器
100,110 噴霧装置
Claims (7)
- ポリオール化合物、難燃剤、難燃助剤、整泡剤、発泡剤および三量化触媒を含むポリオール液(X)と、ポリイソシアネート化合物を含むイソシアネート液(Y)と、を少なくとも有し、
前記三量化触媒が、前記イソシアネート液(Y)に含まれるポリイソシアネート化合物のイソシアネート基の三量化反応の触媒であり、
前記難燃剤が、赤リンおよびリン酸エステルを少なくとも含み、
前記難燃助剤が、リン酸塩含有難燃剤、臭素含有難燃剤、金属水酸化物および針状フィラーからなる群より選ばれる少なくとも一つを含み、
前記ポリオール化合物と前記ポリイソシアネート化合物とからなるウレタン樹脂100重量部に対して、前記難燃剤が、5.5〜80重量部の範囲であることを特徴とする、スプレーに使用するための難燃断熱材組成物。 - 前記難燃助剤に含まれる、リン酸塩含有難燃剤、臭素含有難燃剤、金属水酸化物および針状フィラーからなる群より選ばれる少なくとも一つが、それぞれ前記ウレタン樹脂100重量部に対して、3.0〜90重量部の範囲である、請求項1に記載のスプレーに使用するための難燃断熱材組成物。
- 前記三量化触媒が、前記ウレタン樹脂100重量部に対して、0.01〜10重量部の範囲である、請求項1または2に記載のスプレーに使用するための難燃断熱材組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のスプレーに使用するための難燃断熱材組成物の使用方法であって、
前記ポリオール液(X)と、前記イソシアネート液(Y)とを、混合後に噴霧するステップ(1)、
または、
前記ポリオール液(X)と、前記イソシアネート液(Y)とを、噴霧後に混合するステップ(2)、
を有する、スプレーに使用するための難燃断熱材組成物の使用方法。 - 前記スプレーに使用するための難燃断熱材組成物を、構造材にスプレーするステップを有する、請求項4に記載のスプレーに使用するための難燃断熱材組成物の使用方法。
- 前記構造材上で、前記スプレーに使用するための難燃断熱材組成物を硬化させるステップを有する、請求項5に記載のスプレーに使用するための難燃断熱材組成物の使用方法。
- 請求項4〜6のいずれかに記載の難燃断熱材組成物の使用方法により、前記スプレーに使用するための難燃断熱材組成物を硬化して得られる、硬質ポリウレタンスプレーフォーム。
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