JP2015077117A - Gps車速連動散布システム - Google Patents

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Abstract

【課題】繰出しロールにより繰り出されるホッパ内被散布物の現状の正確な実散布量を、作業開始前に確認設定した上で、車体の作業速度に連動させた繰出しロールの回転数制御のもとで適正散布作業を可能にすること。【解決手段】ホッパ1、繰出しロール2、駆動モータ3を有する散布装置A1、車体B1の作業速度情報をGPSから受信するGPS受信機A2、GPS受信機A2からの車体B1の作業速度に連動させて繰出しロール2の回転数を制御する制御装置A3を備え、制御装置A3は、繰出しロール2を予め設定された回転数の低速回転と高速回転により所定時間回転させる低速調量手段11および高速調量手段12と、低速調量手段11および高速調量手段12により現状の散布装置A1から繰り出される被散布物Mのそれぞれの繰出し量から秤D計量により得られる低速回転時と高速回転時のそれぞれの計量値を入力することで、圃場の面積当たりの被散布物Mの総散布量から散布作業の時間当たりの実散布量を算出する実散布量算出手段13を備えている。【選択図】図5

Description

本発明は、GPS車速連動散布システムに係り、詳しくは、散布作業中、GPSから得られる自走式作業機の作業速度に連動させた回転数に制御されて回転する繰出しロールによりホッパ内に収容された被散布物を繰り出しながら、圃場に散布する構成のGPS車速連動散布システムに関する。
自走式作業機であるトラクタの車体後部に搭載される散布装置のホッパ内に収容された被散布物を、散布作業中のトラクタの作業速度に連動させた回転数に制御されて回転する繰出しロールにより繰り出しながら圃場に散布する構成の散布作業機などは周知である(例えば、特許文献1および特許文献2などを参照)。
ちなみに、散布装置によって圃場に散布される被散布物としては、粉状、粒状、ペレット状などの肥料や薬剤などが挙げられる。
例えば、特許文献1には、散布作業中の位置情報と作業速度情報をGPSから受信できるGPS受信機と、車輪の回転数を検出する車速センサと、肥料の散布を行う肥料散布装置を備え、算出された車速の大小に基づき肥料の散布量を変更制御する可変散布装置において、GPSから得られる作業速度情報と、車速センサによる車速パルスとを入力する速度算出手段と、該速度算出手段により得られた算出速度に基づき肥料散布手段による肥料散布量を算出する肥料散布量算出手段を有する施肥用制御装置を設け、該施肥用制御装置の速度算出手段は、GPS速度情報が得られないときには車速センサで測定した作業速度に基づき作業速度を算出して肥料散布量算出手段に算出車速データを送信する構成の可変散布装置が記載されている。
特開2010−187558号公報(特許請求の範囲、段落0026〜0038および図5〜図6などを参照) 特開2011−155864号公報(特許請求の範囲、段落0030〜0035、0039〜0041および図5などを参照)
ところで、被散布物が収容されるホッパ(タンク)と、ホッパ内の被散布物を繰り出す繰出しロールと、繰出しロールを駆動回転させる駆動モータとを有する構成の散布装置では、散布作業を行なう当日の天候や湿度などの環境条件による被散布物のホッパ内での流動性(流れ具合)の変化、また、繰出しロールの摩耗やその他の装置自体の機械的な劣化などによる影響によって繰出しロールの回転数(駆動モータのモータ出力)に応じて繰り出される被散布物の散布量(繰出し量)が、実際(環境条件に左右されず、機械的な劣化が無い正常時のときの実測散布量)とは異なり、変化することがある。
例えば、被散布物が湿気によってホッパ内壁面に沿って底部開口へ流下する被散布物の流動性(流れ)が悪くなることや、ホッパの底部開口や繰出しロール側の機械的な摩耗などによって生じる隙間などから被散布物が零れるなどによって、繰出しロールの回転数に応じて繰り出される散布量が、繰出しロールの回転数との関係から予め計測された実測値と異なり、変化することがある。
しかしながら、前記した特許文献1などに記載の従来技術では、散布作業中の車体(機体)の作業速度(走行速度)に連動させて繰出しロールの回転数が自動的に制御可変されるのみの構成(機能)であることから、天気や湿度などの環境条件に左右され易い被散布物の湿気などによるホッパ内の流動性や散布装置自体の機械的な問題を問わずに、常に車体の作業速度のみに応じた繰出しロールの回転数の自動制御にて被散布物の散布が実行される。
つまりは、繰出しロールの回転数に応じて繰り出される被散布物の散布量は、車体の作業速度に応じて予め計測された実測値とは異なり、当該実測値よりも被散布物の散布量が多すぎたり、逆に少なすぎるという不安定な増減散布となるなど、散布当日の環境条件などによって散布量が変化しているのが実情である。特に、散布量が実測値よりも過剰に多すぎることによる被散布物の無駄な消費が大きな問題になっている。
そのために、従来技術では、散布作業中の車体の作業速度に連動させて繰出しロールの回転数(回転速度)を制御可変しながら被散布物を散布する車速連動散布機能を備えていながら、過剰な散布によって肥料や薬剤などの被散布物の年間消費量が莫大になるなど、被散布物を大量に取り扱う農家などの消費者にとっては多大な失費となっているのが現状であった。
本発明は、このような問題に対処することを課題の一例とするものである。すなわち、環境条件による被散布物のホッパ内流動性や散布装置自体の機械的な劣化などにより変化する繰出しロールの回転により繰り出されるホッパ内被散布物の現状(実際)の正確な実散布量を、散布当日の作業開始前に確認設定した上で、車体の作業速度に連動させた繰出しロールの回転数制御のもとで適正散布作業を可能にすること、また、散布作業中、繰出しロールの回転数制御が困難になる車体の作業速度の異常が確認されたとき、車速連動による適正散布量の制御が困難になったことを作業者に知らせることができること、などが本発明の目的である。
前記課題を解決するために、本発明に係るGPS車速連動散布システムでは少なくとも以下の構成を具備している。
被散布物が収容されるホッパと、回転しながら前記ホッパ内被散布物を繰り出す繰出しロールと、該繰出しロールを駆動回転させる駆動モータとを有する散布装置と、前記散布装置を搭載して散布作業を行う車体の作業速度情報(車速信号情報)をGPSから受信するGPS受信機とを備え、前記車体の作業速度に連動して回転する前記繰出しロールにより前記ホッパ内被散布物を繰り出しながら圃場に散布する構成のGPS車速連動散布システムであって、
前記GPS受信機から得られる前記車体の作業速度に連動させて前記繰出しロールの回転数を制御する制御装置を備え、前記制御装置は、散布作業開始前に、前記繰出しロールを予め設定された回転数の低速回転にて所定時間回転させる低速調量手段および前記前記繰出しロールを予め設定された回転数の高速回転にて所定時間回転させる高速調量手段と、前記低速調量手段および高速調量手段により現状の前記散布装置の前記ホッパから繰り出される被散布物のそれぞれの繰出し量から計量により得られるそれぞれの被散布物の計量値を少なくとも入力することで、散布作業を行なう圃場の面積当たりの被散布物の総散布量から散布作業の時間当たりの実散布量を算出する実散布量算出手段とを備えていることを特徴とする。
ここで、前記制御装置の前記実散布量算出手段は、前記低速調量手段および高速調量手段によるそれぞれの繰出し量の計測により得られる低速回転時と後続回転時の計量値、圃場面積当たりの被散布物の総散布量に加えて、前記散布装置の総散布巾から散布作業の時間当たりの前記実散布量を算出するように構成されていることが好適なものとなる。
また、前記制御装置は、前記実散布量算出手段により実散布量が割り出し設定されるとき、駆動モータによる制御可能な繰出しロールの回転数の範囲内に車体の作業速度が入るように、当該作業速度の時間当たりの下限速度値から上限速度値の適正な速度範囲を算出する速度算出手段と、散布作業中、GPS受信機から得られる車体の作業速度が前記速度範囲内か否かを監視する速度監視手段と、該速度監視手段により車体の作業速度が前記速度範囲内から外れた速度異常と判定されたとき、速度異常を報知する速度異常報知手段をさらに備えている構成を採用することが好適なものとなる。
また、前記制御装置は、低速調量手段および高速調量手段によるホッパ内被散布物の低速回転時と高速回転時の繰出し量から計量により得られる計量値、散布装置の総散布巾、散布圃場の面積当たりの被散布物の総散布量から算出される散布作業の時間当たりの実散布量、これらの各種の調量設定情報を保存し、呼び出しを可能とするメモリ機能を備えている構成を採用することが好適なものとなる。
本発明によれば、GPS受信機から得られる車体の作業速度に連動させて散布装置の繰出しロールの回転数を制御しながらホッパ内被散布物を散布する構成のGPS車速連動散布システムであって、散布当日の天気や湿度などの環境条件や散布装置自体の機械的劣化などによる散布量の変動の影響を受けることなく、車体の作業速度に連動させた正確、かつ、適正な実散布量にてホッパ内被散布物を散布することができる。すなわち、散布当日に、圃場面積当たりの総散布量から散布作業の時間当たりの適正な散布量を、現状の散布装置の被散布物の繰出し量から確認設定した上で、車体の作業速度に連動させた適正散布量にて散布作業を遂行させることができる。
これにより、被散布物の無駄を省いて当該被散布物の年間消費量を大幅に削減し、被散布物を大量に取り扱う農家などの消費者の多大な失費を抑えることが期待できる。
また、散布作業中に、車体の作業速度に連動させた繰出しロールの回転数制御を可能とする作業速度の算出設定された速度範囲の下限速度値を下回った、または、上限速度値を上回った場合に速度異常を検出する。つまり、GPS受信機から得られる作業速度に連動させた回転数にて繰出しロールを駆動回転させる駆動モータの出力制御が可能な速度範囲を算出設定する速度算出手段と、駆動モータの出力制御が困難になったときに、作業速度の速度異常を検出判定する速度監視手段と、速度監視手段が速度異常と判定したときに作業者に報知する速度異常報知手段を備えた構成を採用することで、作業速度に連動させた繰出しロールの回転数制御が困難になることで招く、作業速度に連動させた単位面積当たりの散布量のバラツキや散布し過ぎによる無駄な散布作業を未然に防ぐべく作業者に速度異常を報知することができる。作業者への報知手段としては、ブザーやランプ点灯などを採用することができる。
これにより、前記した効果に加え、GPS受信機から得られる作業速度に連動させた適正な繰出しロールの回転数制御が可能な作業速度を監視しながら、車速連動の無駄のない散布量(現状の散布装置における実散布量)のもとで散布作業を遂行させることができる。
本発明の実施形態に係るGPS車速連動散布システムを搭載させた自走式作業機の一例を側方から見たときの説明図である。 同自走式作業機を後方から見たときの説明図である。 散布装置の一例を縦断面して示す説明図である。 同散布装置を後方から見たときの説明図である。 GPS車速連動散布システムの一例を概略的に示すシステム構成ブロック図である。 同GPS車速連動散布システムの制御装置(コントローラ)の操作パネルの一例を示す説明図である。 同操作パネルの液晶表示部に表示される各種の表示内容(a)〜(o)の一例を示した説明図である。 図7の続きの各種の表示内容(p)〜(u)の一例を示した説明図である。 GPS連動モードによる調量設定時の動作フローチャートである。 図9の続きを示す動作フローチャートである。 調量設定時における低速調量手段および高速調量手段による単位時間当たりの被散布物の繰出し量の測定と繰出し量の秤計測に用いる説明図である。 GPS連動モードによる散布作業における作業速度の適正速度を監視する動作フローチャートである。 GPS解除モードによる散布作業の動作フローチャートである。
以下、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1および図2は、本発明の実施形態に係るGPS車速連動散布システムを適用搭載させた自走式作業機の一例を示す説明図であり、図3および図4は、同GPS車速連動システムの散布装置の一例を示す説明図である。
≪GPS連動散布システムの説明≫
GPS車速連動散布システムは、自走式作業機であるトラクタBの車体B1後部に搭載されて、トラクタBの作業速度に連動させた散布量にて被散布物Mを圃場に繰り出し散布する散布装置A1と、散布作業中のトラクタBの作業速度情報(車速信号情報)をGPS衛星からリアルタイムに受信するGPS受信機(GPSアンテナ)A2と、GPS受信機A2から得られるトラクタBの作業速度に連動させて散布装置A1の後記する繰出しロール2の回転数(駆動モータ3のモータ出力)を制御するなどの機能を有する制御装置A3とを備えて構成されている。
被散布物Mとしては、粒状、砂状、ペレット状などの各種の肥料や薬剤などを挙げることができる。
≪散布装置A1の説明≫
図3は、散布装置の一例を縦断面して示す説明図であり、図4は、同散布装置を後方から見たときの説明図である。ここでは、図1および図2を適宜参照しながら説明する。
散布装置A1は、図1および図2に示すように、トラクタBの車体B1後部のロータリB2上方に装置機枠aを介してロータリ巾L方向に左右並列状に搭載されることで、被散布物Mをロータリ巾Lにて繰り出し散布するものである。
この散布装置A1は、周知の構成を成している。すなわち、図3および図4に示すように、被散布物Mが収容されるホッパ1と、ホッパ1内の被散布物Mをトラクタの作業速度に連動させた回転によりホッパ1底部から繰り出す繰出しロール2および繰出しロール2を駆動回転させる駆動モータ3を有する散布部4と、散布部4の後記する分配漏斗5の各散布口に一端側が接続されて圃場の地表近くにわたり取り付けられる散布ホース(導出管)6を備えた構成を成している。
ホッパ1の形態としては特に限定されるのではないが、本実施例では、図2および図4に示すように、ロータリ巾Lの略1/2程度に相当する大きさ(横巾)を有する上面開口の平面視で横長矩形状を成して、下半部側が底部に至るにしたがって左右に二等分させて絞り込むように漸次傾斜させた左右の漏斗部1aを有する縦断面形状に形成されている。これにより、ホッパ1内の被散布物Mは、散布作業中に左右の漏斗部1aに分かれて同漏斗部1aから左右の散布部4の繰出しロール2へと流下する構成としてなる。
散布部4は、図3および図4に示すように、左右の漏斗部1aの底部開口にそれぞれ取り付けられる左右の支持部材7を介して横架回転可能に取り付けられる左右の繰出しロール2と、左右の繰出しロール2を下から覆い内設するように左右の支持部材7に取り付けられる左右の分配漏斗(ロート)5と、左右の繰出しロール2を同軸接続にて駆動回転させる駆動モータ3とを備えている。
左右の繰出しロール2は、ホッパ1内被散布物Mを定量繰り出すための軸方向の凹部を周方向に等間隔をおいて多数備えているなどの周知の形態に形成されている。この左右の繰出しロール2は、左右の支持部材7の両側板部間にわたりそれぞれ回転可能に軸支されるとともに、軸部材8を介して同軸上に接続されている。
これにより、左右の繰出しロール2は、図4に示すように、左右の漏斗部1aの何れか一方の支持部材7の側方に位置して同軸上に取り付けられる一台の駆動モータ3により駆動回転するようになっている。
そして、このように形態に構成されている散布部4における駆動モータ3は、後記の図5に示すように、制御装置A3にモータドライバ3aを介して接続される。これにより、駆動モータ3は、後記する操作パネル10aに備えられているモータ運転スイッチ18のオンにより作動し、散布作業中に、GPS受信機A2から得られるトラクタBの作業速度に連動させた回転数にて繰出しロール2を駆動回転させるモータ出力(%)にて駆動するように制御装置A3によって制御される。
また、駆動モータ3は、モータ運転スイッチ18がオフの状態で、制御装置A3の後記する低速調量手段11および高速調量手段12により繰出しロール2を回転させて散布当日のホッパ1内被散布物Mの繰出し量を測定し、当該繰出し量から計量値を得る調量設定のときに、操作パネル10aの後記するOKボタン23を押す操作により作動し、繰出しロール2を駆動回転させるように設定されている。
分配漏斗(ロート)5は、繰出しロール2を遊嵌状に内設し得る大きさを有する上面開口の平面視で横長矩形状に形成されており、下半部側には下向き並列で筒状に開口させた複数の散布口を備えている。この分配漏斗5は、支持部材7にクランプ手段40によって着脱可能に取り付けられる。
クランプ手段40は、分配漏斗5側に備えられる環状に引掛け部を有する締付け操作部40aと、支持部材7側に備えられる引掛け部40bとからなり、後記の図11の(a)示すように、分配漏斗5を支持部材7から適宜取り外すことができるようになっている。
また、散布部4における支持部材7とホッパ1の漏斗部1aの底部開口との間には底部開口を開閉するためのシャッタ9が備えられている。このシャッタ9は、底部開口を完全に塞ぐ程度の大きさを有する平板状に形成されて、支持部材7によって下から挟み込まれた状態で漏斗部1aの底部下面に水平スライド自在に取り付けられる。
≪GPS受信機A2の説明≫
GPS受信機A2は、例えば、トラクタBの運転席の屋根上などに設置されて(図1および図2参照)、制御装置A3に有線又は無線にて接続される。
このGPS受信機A2の基本構成としては特に限定されるものではない。例えば、複数のGPS衛星からの散布作業中のトラクタBの作業速度情報(車速信号情報)をリアルタイムに受信し、トラクタBの現在走行位置データとして記憶するとともに、時計回路で計測される所定時間毎にトラクタBの現在走行位置データを更新しながらトラクタBの移動距離を算出し、当該時計回路による所定時間おきにトラクタBの作業速度を、制御装置A3のマイクロコンピュータ内蔵の速度算出手段(図示省略)により算出する構成とすることができる。
≪制御装置A3の説明≫
つぎに、本実施形態に係るGPS車速連動散布システムの制御装置A3について説明する。
図5は、GPS車速連動散布システムを概略的に示すシステム構成ブロック図であり、図6は、操作パネルの一例を正面から見たときの説明図であり、図7および図8は、操作パネルの液晶表示部に表示される表示内容の一例を示す説明図である。ここでは、図1および図2を適宜参照しながら説明する。
制御装置A3は、例えば、図1に示すように、トラクタBの運転席における作業者の目線高さ位置などに備え付けられるコントローラ10内に組み付け実装され、操作パネル(コントローラパネル)10aに配される後記の電源スイッチ17のオン操作によって起動し、各種の機能を実行するように構成されている。
この制御装置A3は、散布作業中に、GPS受信機A2から得られるトラクタBの作業速度(車速信号)を取り込みながら、当該作業速度に連動させた回転数(rpm)にて散布装置A1の繰出しロール2を駆動回転させるように駆動モータ3のモータ出力(%)を制御する機能を備えている。
また、制御装置A3は、後記する低速調量手段11および高速調量手段12により現状の散布装置A1のホッパ1から繰り出されるそれぞれの被散布物Mの繰出し量(kg/s)から秤D計測(図11のc参照))により得られる低速回転時および高速回転時のそれぞれの計量値(kg)と、散布作業を行なう圃場の単位面積当たりの被散布物Mの散布量(総散布量)、そしてロータリ巾(総散布巾)Lとから、散布当日における現状の散布装置A1の散布作業の単位時間当たりの正確な実散布量(kg/min)を、後記する実散布量算出手段13により算出する機能を備えている。
また、制御装置A3は、GPS受信機A2から得られるトラクタBの作業速度に連動させた回転数にて繰出しロール2を駆動回転させる駆動モータ3のモータ出力の制御が可能なトラクタBの作業速度の下限速度値から上限速度値の適正な速度範囲を、散布当日に算出設定する機能を備えている。
また、制御装置A3は、GPS受信機A2から得られるトラクタBの作業速度が、下限速度値から上限速度値の適正な速度範囲内か否かを監視し、当該速度範囲から作業速度が外れた場合には作業者(オペレータ)に警告音などで報知する機能を備えている。
このような各種の機能を有する制御装置A3は、図5に示すように、マイクロコンピュータ内蔵の低速調量手段11、高速調量手段12、実散布量算出手段13、速度算出手段14、速度監視手段15、速度異常報知手段16などを備えて、前記した各種の機能を実行するように構成されている。これらの各手段は、制御装置A3の起動中などおいて機能するように設定されている。
また、制御装置A3は、トラクタBの運転席屋根上に設置されるGPS受信機A2、そして操作パネル10aに配置されている電源スイッチ17、モータ運転スイッチ18、GPS連動/解除モード切替手段であるGPS連動/解除モード切替ボタン(運転モード切替ボタン)19、メモリ機能のメモリ機能ボタン20、表示切替ボタン21、設定ボタン22、OKボタン23、戻るボタン24、ダウン/アップボタン25、散布量微調整ツマミ26などを備えている。
また、制御装置A3は、操作パネル10aに配置される液晶表示部(ディスプレイ)27、GPS連動/解除モードであるGPS連動/解除ランプ28,29、GPS受信中ランプ30、メモリ機能ボタン20を押すことで切り換わるメモリ1,2ランプ31a,31b、さらに速度異常報知手段16の速度異常ランプ32およびブザー33、不揮発メモリ34などを備えている。
電源スイッチ17、モータ運転スイッチ18、GPS連動/解除モード切替ボタン19、メモリ機能ボタン20、表示切替ボタン21、設定ボタン22、OKボタン23、戻るボタン24、ダウン/アップボタン25、散布量微調整ツマミ26、これらのスイッチ、ボタン、ツマミ操作により出力される信号は制御装置A3のマイクロコンピュータに入力(出力)される構成である。
なお、液晶表示部27には、図7の(a)〜(o)および図8の(p)〜(u)に示す各種の表示内容が表示される。これらの表示内容は、不揮発メモリ34に記憶(格納)されていて、GPS連動/解除モード切替ボタン19によるモード選択、および、表示切替ボタン21による表示変更などによって不揮発メモリ34から呼び出され表示される。また、表示切替ボタン21を押すことで、表示内容(表示画面)が順番に呼び出し表示されるように構成されている。
≪低速調量手段11および高速調量手段12の説明≫
低速調量手段11は、散布作業開始前の調量設定時に、図7の(a)〜(n)に示すように、液晶表示部27に調量1の表示内容にて、また、高速調量手段12は、調量2の表示内容にて、散布量(圃場の面積当たりの総散布量)とロータリ巾(総散布巾)とともに表示されるように不揮発メモリ34に書き込み設定されている。
低速調量手段11および高速調量手段12は、散布当日の散布作業開始前に、現状の散布装置A1の繰出しロール2を予め設定された回転数の低速回転と高速回転により所定時間それぞれ回転させる機能を有する。
例えば、低速調量手段11は、20%のモータ出力で30秒間、駆動モータ3を駆動させるようにマイクロコンピュータに設定されている。このときの繰出しロール2の回転数は11rpmである。一方、高速調量手段12は、90%のモータ出力で30秒間、駆動モータ3を駆動させるようにマイクロコンピュータに設定されている。このときの繰出しロール2の回転数は50rpmである。
つまり、散布作業開始前の調量設定時に、作業者がダウン/アップボタン25により操作パネル10aの液晶表示部27に表示されている調量1を選択することで、駆動モータ3が20%のモータ出力で駆動して繰出しロール2を回転数11rpmの低速回転にて30秒間回転させる。一方、調量2を選択することで、駆動モータ3が90%のモータ出力で駆動して繰出しロール2を回転数50rpmの高速回転にて30秒間回転させるように低速調量手段11および高速調量手段12は設定されている。
そして、このようにして繰出しロール2の低速回転時と高速回転時に散布装置A1のホッパ1内からバケツなどの容器C内にそれぞれ繰り出し排出された被散布物Mを、後記する図11の(c)に示すように、容器Cとともに秤D計量することで、液晶表示部27の調量1と調量2の数値入力位置にそれぞれ外部入力するための計量値(kg)が得られるようになっている。
例えば、20%のモータ出力で30秒間、駆動モータ3が駆動して繰出しロール2を低速回転させる低速調量手段(調量1)11では1.2kgの計量値が得られ、90%のモータ出力で30秒間、駆動モータ3が駆動して繰出しロール2を高速回転させる高速調量手段(調量2)12では4.3kgの計量値が得られるものである。なお、この計量値は、砂状やペレット状などの被散布物Mの種類などによって異なることは言うまでもの無い。
≪実散布量算出手段13の説明≫
つぎに、散布当日の現状の散布装置A1の散布時間の時間当たりの実散布量(kg/min)を算出する実散布量算出手段13について説明する。
実散布量算出手段13は、散布作業を行なう圃場の面積当たりの被散布物Mの散布量(総散布量)、ロータリ巾(総散布巾)L、そして低速調量手段(調量1)11および高速調量手段(調量2)12により得られる計量値、これらの数値が後記する図7の(a)〜(n)に示す表示内容の各数値入力位置にダウン/アップボタン25により外部入力されることで、散布当日の現状の散布装置A1の散布時間の時間当たりの実散布量を算出する機能を有する。
この実散布量算出手段は13、以下に示す一次関数方程式(直線の方程式)を備えている。一次関数方程式は、マイクロコンピュータにプログラムされている。
例えば、トラクタBのロータリ巾(総散布巾)Lを1.7m、GPS速度(GPS受信機A2から得られるトラクタBの作業速度)νを2.0km/hとして、10アールの圃場の作業時間(T)を以下の数式にて求める。
まず、10アールの圃場にロータリ巾1.7mで散布作業する場合を距離に換算すると、
1000m2÷(1.7m−0.1m)=625m
625m÷1000=0.625km
となる。ここで、−0.1mは、ロータリの重ね代である。
つぎに、10アールの作業時間(T)を求めると、
0.625km÷2.0km/h=0.3125h≒18.78min
0.3125h×60min=18.75min
となる。
つまり10アールの作業時間(T)を求める方程式
T=1000m2÷(1.7m-0.1m)÷1000÷ν×60min
が成り立つ。
そして、低速調量手段(調量1)11の駆動モータ3のモータ出力が20%で、得られる計量値が1.2kg、高速調量手段(調量2)12の駆動モータ3のモータ出力が90%で、得られる計量値が4.3kgとした場合の一次関数グラフ(駆動モータのモータ出力と繰出しロールの回転による被散布物の散布量との関係を表すグラフ)の傾きaを以下の数式で求めると、
Y2−Y1 4.3−1.2
a= = 0.044
X2−X1 90−20
となる。
つぎに、一次関数グラフの傾きaより一次関数方程式を求めると、
y=ax+b
4.3=0.044×90+b
b=0.34
となる。
つまり、低速調量手段(調量1)11と高速調量手段(調量2)12からなる一次方程式は、
y=0.044+0.34
となる。
そして、10アール当たりの散布量(総散布量)を60kgとした場合の1分間当たりの実散布量を以下の数式で求める。
まず、1分間当たりの実散布量(kg/min)=10アール当たりの散布量(kg)÷10アールの作業時間(min)
60kg÷18.75min=3.2kg/min
つぎに、以下の数式で求められる一次関数方程式に3.2kgを代入する。
y(座標軸)=0.044x+0.34にy=3.2kgを代入
3.2=0.044+0.34
x(座標軸)=65
となる。
つまり、10アール当たりの散布量(総散布量)60kg、トラクタBのロータリ巾1.7m、GPS速度2.0km/hとして、1分間当たりの実散布量3.2kg/minにて散布作業を行なう場合、一次関数グラフで示すように、駆動モータ3のモータ出力を65%で制御することになる。これにより、2.0km/hのトラクタBの作業速度に連動させて散布量(総散布量)60kgのホッパ1内被散布物Mを10アール当たりの圃場に散布する場合、駆動モータ3のモータ出力を65%に制御して繰出しロール2を回転数36rpmにて駆動回転させることで、1分間当たり3.2kg/minの実散布量にて10アール当たりの圃場への散布作業を遂行(実行)されることができる。
≪一次関数グラフ≫

≪速度算出手段14の説明≫
つぎに、実散布量算出手段13により割り出された現状の散布装置A1の実散布量にてホッパ1内被散布物Mを繰り出す回転数にて繰出しロール2を駆動回転させる駆動モータ3の出力制御可能なトラクタBの作業速度の時間当たりの下限速度値から上限速度値の適正な速度範囲を算出するための速度算出手段14について説明する。
速度算出手段14は、実散布量算出手段13により実散布量が割り出されるとき、駆動モータ3による制御可能な繰出しロール2の回転数の範囲内にトラクタBの作業速度が入るように、当該作業速度の時間当たりの下限速度値から上限速度値の適正な速度範囲を算出する機能を有する。
この速度算出手段14は、以下に示す数式を備えて、駆動モータ3のモータ出力10%〜95%の間におけるトラクタBの作業速度の時間当たりの制御可能な速度範囲の下限速度値と上限速度値をそれぞれ算出するように構成されている。この数式は、マイクロコンピュータにプルグラムされている。
そして、この速度算出手段14により算出されて設定される下限速度値から上限速度値の速度範囲情報は、マイクロコンピュータ(一次保存メモリ)に送られて書き込み保存される。
散布当日の散布作業開始前に行なわれる前記した調量設定詳述により
・低速調量手段(調量1)(低速回転 モータ出力20%):計量値1.2kg
・高速調量手段(調量2)(高速回転 モータ出力90%):計量値4.3kg
・y=1分間当たりの散布量(kg/min)
・x=モータ出力(%)
この条件からなる一次方程式 y=0.044x+0.34とすると、
y=0.044x+0.34にx=10%を代入
y=0.044×10+0.34
y=0.78
となる。
そして、1分間当たりの散布量=10アール当たりの散布量(総散布量)÷10アールの作業時間の式により
・y=1分間当たりの散布量(kg/min)
・T=10アール当たりの作業時間(min)
・60kg:10アール当たりの散布量(総散布量)

0. 78=60÷T
T=76.92min

そして、前記詳述の低速調量手段(調量1)11および高速調量手段(調量2)12によるホッパ1内被散布物Mの繰出し量(kg/s)、そして低速回転時と高速回転時のそれぞれの繰出し量の秤D計測により得られるそれぞれの計量値(kg)から現状の散布装置A1の時間当たりの実散布量(kg/min)を実散布量算出手段13により算出するときの10アール当たりの作業時間(T)を求める方程式
T=1000m2÷(L-0.1m)÷1000÷ν×60min
により下限速度値ν1を求めると、
上式にT=76.92min、L=1.7m(ロータリ巾)を代入
76.92min=1000m2÷(1.7m-0.1m)÷1000÷ν1×60min
76.92min=0.625km÷ν1×60min
ν1=0.49km/h≒0.5km/h
となる。
つまり、速度範囲の下限速度値ν1は、0.5km/hとなる。
つぎに、速度範囲の上限速度値ν2を求める。
y=0.044x+0.34にx=95%を代入
y=0.044×95+0.34
y=4.52
そして、1分間当たりの散布量=10アール当たりの散布量(総散布量)÷10アール当たりの作業時間の式により
・y=1分間当たりの散布量(kg/min)
・T=10アールの作業時間(min)
・60:10アール当たりの総散布量(kg)

4.52=60÷T
T=13.27min

そして、前記の下限速度値ν1と同様に、低速調量手段(調量1)11および高速調量手段(調量2)12によるホッパ1内被散布物Mの繰出し量(kg/s)、そして低速回転時と高速回転時のそれぞれの繰出し量の秤D計測により得られるそれぞれの計量値(kg)から現状の散布装置A1の時間当たりの実散布量(kg/min)を実散布量算出手段13により算出するときの10アールの作業時間(T)を求める方程式
T=1000m2÷(L-0.1m)÷1000÷ν×60min
により上限速度値ν2を求めると、
上式にT=13.27min、L=1.7m(ロータリ巾)を代入
13.27min=1000m2÷(1.7m-0.1m)÷1000÷ν2×60min
13.27min=0.625km÷ν2×60min
ν2=2.83km/h≒2.8km/h
となる。
つまり、速度範囲の上限速度値ν2は、2.8km/hとなる。
このようにして求められた下限速度値0.5km/hから上限速度値2.8km/hの適正な速度範囲情報はマイクロコンピュータ(一次保存メモリ)に送られて書き込み保存される。
≪速度監視手段15の説明≫
つぎに、散布作業中のトラクタBの作業速度が、速度算出手段14に算出設定された下限速度値(例えば、0.5km/h)から上限速度値(例えば、2.8km/h)の適正な速度範囲内に入っているか否かを監視する速度監視手段15について説明する。
速度監視手段15は、散布作業中に、GPS受信機A2から得られるトラクタBの作業速度が、速度算出手段14により算出された散布作業の時間当たりの下限速度値から上限速度値の速度範囲内に入っているか否かを監視して、当該速度範囲から外れた(下限速度値を下回るか、上限速度値を上回った)場合、作業速度が異常であると判定して速度異常信号を速度異常報知手段16に送信(出力)する機能を有する。
つまり、GPS受信機A2から得られるトラクタBの作業速度が、当該作業速度に連動させた回転数にて繰出しロール2を駆動回転させるように駆動モータ3のモータ出力を制御できる速度範囲から外れた場合、作業者に作業速度の異常を知らせる速度異常信号を速度異常報知手段16に送信するように構成されている。
なお、速度監視手段15から速度異常報知手段16への速度異常信号の送信は、GPS受信機A2から得られる作業速度が、駆動モータ3のモータ出力を制御できる速度範囲から外れたと速度監視手段15が検出判定してから3秒以上続いた場合に送信されるように設定されている。
≪速度異常報知手段16の構成≫
つぎに、散布作業中のトラクタBの作業速度が、速度算出手段14に算出設定された下限速度値(例えば、0.5km/h)から上限速度値(例えば、2.8km/h)の適正な速度範囲内から外れたと速度監視手段15が判定した場合、作業者に速度異常を報知する速度異常報知手段16について説明する。
速度異常報知手段16は、散布作業中、GPS受信機A2から得られるトラクタBの作業速度が、速度算出手段14により算出設定されて不揮発メモリ34の書き込み記憶保存されている散布作業の時間当たりの下限速度値(例えば、0.5km/h)から上限速度値(例えば、2.8km/h)からなる速度範囲内から外れたと速度監視手段15が判定し、速度監視手段15から速度異常信号が送信(出力)されてきたとき、作業者にその旨をブザー音などで知らせる機能を有する。
この速度異常報知手段16は、速度異常ランプ(発光ダイオードやハロゲンランプなど)32、そしてブザー33を備えている。これにより、速度監視手段15から速度異常信号が送信されてきたとき、速度異常ランプ32を点灯、または、点滅、そしてブザー33を鳴らすなどによって、トラクタBの作業速度が異常であることを作業者(オペレータ)に知らせるように構成されている。
≪メモリ機能の説明≫
メモリ機能は、調量設定時に操作パネル10aの液晶表示部27に外部数値入力により設定される図7の(n)に示す調量設定内容(散布量、ロータリ巾、調量1,2)をそれぞれ保存したり、それぞれに既に保存されている調量設定内容を呼び出すメモリ1とメモリ2を備えている(図8の(s)参照)。
このメモリ機能は、メモリ機能ボタン20を押すことで、操作パネル10aの液晶表示部27に図8の(r)に示すメモリ機能の選択画面が表示される。そして、ダウン/アップボタン25により矢印を移動させることで、メモリ保存か、メモリ呼出しかの何れかを選択できるように構成されている。
また、ダウン/アップボタン25によりメモリ保存か、メモリ呼出しかの何れかを選択、例えば、メモリ呼出しを選択したのちに、OKボタン23を押すことで、図8の(s)に示す呼出すメモリの選択画面に切り替わる。画面が切り替わったところで、ダウン/アップボタン25により矢印を移動させて呼出すメモリ1または2を選択したのちに、OKボタン23を押すことで、選択したメモリ1または2に保存されている調量設定内容、例えば、図7の(n)に示す調量設定内容を操作パネル10aの液晶表示部27に呼び出すことができるように構成されている。
すなわち、メモリ機能のメモリ1またはメモリ2に保存された調量設定内容は、数日後に行なわれる散布作業のときに、前回の散布作業時に設定された現状の散布装置A1の実散布量の調量設定内容として呼び出すことで再利用できるようになっている。そして、既に調量設定内容が保存されているメモリ機能のメモリ1またはメモリ2に数日後の調量設定内容を保存する場合には、上書き保存されるように構成されている。
メモリ機能ボタン20は、調量設定内容を保存したり、呼び出すときメモリ機能のメモリ1およびメモリ2を操作パネル10aの液晶表示部27に表示させるものであり、保存先または呼び出し先のメモリ1またはメモリ2が選択されると、操作パネル10aに配置されているメモリ1ランプ31aまたはメモリ2ランプ31bが点灯するように構成されている。
これにより、作業者は、散布作業を開始するときに、メモリ機能のメモリ1またはメモリ2の何れかに記憶保存されている散布装置A1の調量設定情報をメモリ機能ボタン20とダウン/アップボタン25により選択することで、前回の散布作業時のときの調量設定情報をもとに、トラクタBの作業速度に連動させた回転数にて繰出しロール2を駆動回転させるように駆動モータ3のモータ出力を制御させながら散布作業を遂行させることができる。つまり、作業者は、メモリ1またはメモリ2に記憶保存されている数日前の調量設定内容をもとに、数日後の散布作業を遂行させることができる。
≪散布量微調整ツマミ26の説明≫
散布量微調整ツマミ26は、調量設定時に実散布量算出手段13により割り出された現状の散布装置A1の実散布量によるGPS連動モード(車速連動)による散布作業中において、作業者が自ら+側または−側に回す手動にて実散布量などを微調整するためのものである。
例えば、砂状、ペレット状などの被散布物Mの種類により異なる実散布量算出手段13により割り出された実散布量を微調整、または、図2および図4に示すように、独立の駆動モータ3をそれぞれ備える左右一対の散布装置A1のうち、いずれか一方の散布装置A1の実散布量算出手段13により割り出された実散布量を微調整するためのものである。
つまり、左右一対の散布装置A1からそれぞれ繰り出される被散布物Mの繰出し量(散布量)の微量なバラツキが気になる場合、作業者が散布量微調整ツマミ26を+側または−側に回す手動にて実散布量を微調整するものである。
例えば、散布量微調整ツマミ26により左右一対の散布装置A1から繰り出されるそれぞれの被散布物Mの実散布量を微調整する場合は、モータ運転スイッチ18をオフにし、表示切替ボタン21により液晶表示部27の表示画面に、例えば、図8の(t)に示す微調整画面を呼び出す。つぎに、OKボタン23を押しながら、設定ボタン22を長押して微調整を行う左右いずれか一方の散布装置A1を選択するものであり、その微調整範囲は、±20%である。そして、微調整範囲の数値をダウン/アップボタン25により外部入力、例えば、図8の(u)に示す点滅する数値入力位置に10を外部入力し、設定ボタン22を押して点滅を点灯に変えて数値設定を確定させたのちに、散布作業を開始する。
なお、この散布量微調整ツマミ26による散布量の微調整は、GPS連動モードのみにおいて機能するようになっている。
つぎに、以上のように構成されている本実施形態に係るGPS車速連動散布システムによる散布作業について説明する。ここでは、10アール当たりの圃場面積に散布量(総散布量)60kgの被散布物Mを散布、そしてトラクタB後部のロータリ巾Lが1.7mの場合を一例に挙げて説明する。
[GPS連動モードによる調量設定の説明]
図9〜図10は、GPS連動モードによる調量設定(現状の散布装置における圃場面積当たりの被散布物の総散布量から、散布作業の時間当たりの実散布量を算出設定する)時の動作フローチャートであり、図11は、調量設定時における低速調量手段および高速調量手段による単位時間当たりの被散布物の繰出し量の測定と繰出し量の秤計測に用いる説明図である。ここでは、図7の(a)〜(o)を適宜参照しながら説明する。なお、図7の(c)〜(m)において、点線で囲まれた表示部分が点滅状態にあることを意味する。
自宅または散布を行う圃場へ移動後の散布作業を開始する前に、散布当日の天気や湿度などの環境条件(ホッパ1内被散布物Mの流動性)や散布装置A1自体の機械的劣化などにより日々変動する散布量の現状の散布装置A1における実際の実散布量(kg/min)を測定算出する調量設定作業を行なう。
調量設定の作業手順は、トラクタBのエンジンを始動させ、コントローラ10の操作パネル10aの電源スイッチ17をオンしてコントローラ(制御装置A3)10を起動させる(S1)。コントローラ10が起動すると、操作パネル10aの液晶表示部27には不揮発メモリ34から呼び出された図7の(a)に示す初期画面が表示される(S2)。
つぎに、操作パネル10aのGPS連動/解除モード切替ボタン19を押してGPS連動モードを選択する。GPS連動モードが選択されることでGPS連動ランプ28が点灯する(S3)。その後、設定ボタン22を押す。設定ボタン22が押されると、液晶表示部27の画面表示が不揮発メモリ34から呼び出された図7の(b)に示す上段から散布量(10アール当たりの圃場面積に対する総散布量)、ロータリ巾、調量1,2が表示されたGPS連動モードによる調量設定の数値入力の表示画面に切り換わる(S4)。このとき、ブザー音などが鳴り、散布量表示が点滅する(S5、図7の(c)参照)。散布量表示が点滅したところで、OKボタン23を押す。すると、点滅が散布量の数値入力位置に移動する(S6、図7の(d)参照)。
点滅が散布量表示の数値入力位置に移動したことを確認し、当該数値入力位置に10アール当たりの散布量(総散布量)として60(kg)をダウン/アップボタン25を押して数値入力する(図7の(e)参照)。散布量の数値入力が終了したところで、OKボタン23を押す。すると、点滅が数値入力位置から散布量表示位置に移動する(戻る(S5))。これにより散布量への数値入力が確定する。
つぎに、ダウン/アップボタン25のダウンボタン側を押して、点滅をロータリ巾表示に移動させる(S7、図の(f)参照)。以後、OKボタン23を押して点滅をロータリ巾の数値入力位置に移動させ、当該数値入力位置に1.7(m)をダウン/アップボタン25を押して数値入力し(図7の(g)参照)、OKボタン23を押して確定させる。
ダウン/アップボタン25操作による数値入力操作により液晶表示部27の散布量、ロータリ巾の数値入力を確定させた後に、図11の(a)および(b)に示すように、散布装置A1の散布部4の分配漏斗5を取り外し、繰出しロール2を露出させた状態で同繰出しロール2の真下に被散布物Mを受けるバケツなどの容器Cを、シャッタ9などに取っ手を掛けた状態でぶら下げセットする。このとき、シャッタ9を開いた状態にしておく。
容器Cのセットが完了したところで、ダウン/アップボタン25のダウンボタン側を押して、点滅を調量1に移動させ(S8、図7の(h)参照)、OKボタン23を押す。すると、点滅が調量1の数値入力位置に移動する(S9、図7の(i)参照)とともに、散布装置A1の散布部4の駆動モータ3が、10%のモータ出力で30秒間低速回転して繰出しロール2を駆動回転させる(S10)。すると、図11の(b)に示すように、繰出しロールの30秒間の低速回転によりホッパ1から容器C内に被散布物Mが繰出し排出される。
30秒経過後、駆動モータ3が停止(S11)したところで、容器Cを外し、容器C内に繰出し排出された被散布物Mの繰出し量(重さ)を容器C毎、図11の(c)に示すように、秤Dにて計量する。秤D計量により得られた低速回転時の計量値をダウン/アップボタン25により調量1の点滅する数値入力位置に入力する。例えば、調量1の計量値として1.2(kg)を外部入力して(図7の(j)参照)、OKボタン23で確定させる。
調量1の数値入力位置への数値入力を確定させた後に、容器C内の被散布物Mをホッパ1に戻すとともに、空になった容器Cを改めて繰出しロール2の真下にぶら下げセットし、ダウン/アップボタン25のダウンボタン側を押して、点滅を調量2に移動させ(S12、図7の(k)参照)、OKボタン23を押す。すると、点滅が調量2の数値入力位置に移動する(S13、図7の(l)参照)とともに、散布装置A1の散布部4の駆動モータ3が、90%のモータ出力で30秒間高速回転して繰出しロール2を駆動回転させる(S14)。すると、図11の(b)に示すように、繰出しロール2の30秒間の高速回転によりホッパ1から容器C内に被散布物Mが繰出し排出される。
30秒経過後、駆動モータ3が停止(S15)したところで、調量1と同様に、容器Cを外し、容器C内に繰出し排出された被散布物Mの繰出し量(重さ)を容器C毎、秤Dにて計量する。秤D計量により得られた計量値をダウン/アップボタン25により調量2の数値入力位置に外部入力する。例えば、調量2の計量値として4.3(kg)を外部入力して(図7の(m)参照)、OKボタン23で確定させる。
以上の調量設定手順により、散布量(総散布量)、ロータリ巾、そして繰出しロール2の低速回転時と高速回転時における調量1,2の全ての数値入力が終了したところで、数値入力設定内容に誤りが無いか否かを確認し、誤りが無ければ、操作パネル10aの設定ボタン22を押す。すると、ブザー音などが鳴り、液晶表示部27の点滅表示が全て点灯に変わる(S16、図7の(n)参照)。
設定ボタン22による数値入力内容が確定されると、散布当日における現状の散布装置A1による10アール当たりの圃場面積に対して散布する被散布物Mの散布量(総散布量)60kgと、10アールの作業時間18.75分から、1分間当たり実散布量3.2kg/minが、前記詳述の実散布量算出手段13により算出される(S17)。
以上により、調量設定が完了となる。また、このとき、GPS受信機A2から得られるトラクタBの作業速度に連動させた回転数にて繰出しロール2を駆動回転させる駆動モータ3の出力制御可能なトラクタBの作業速度の適正な速度範囲の下限速度値と上限速度値が前記詳述の速度算出手段14により算出される(S18)。例えば、前記した下限速度値0.5km/hから上限速度値2.8km/hの適正な速度範囲が速度算出手段14により算出される。
実散布量算出手段13により算出された散布当日における現状の散布装置A1の状態の1分間当たり実散布量3.2kg/min(駆動モータ4のモータ出力65%)および速度算出手段14により算出された適正な速度範囲の下限速度値0.5km/hから上限速度値2.8km/hは、制御装置A3のマイクロコンピュータ(一次保存メモリ)に記憶認識される(S19)。
これにより、散布当日の天気や湿度などの環境条件や散布装置A1自体の機械的劣化などによる散布量の変動の影響を受けることなく、トラクタBの作業速度に連動させた正確、かつ、適正な実散布量にてホッパ1内被散布物Mを散布することができる。
[GPS連動モードによる散布作業の説明]
図12は、GPS連動モードによる散布作業における作業速度の適正速度を監視する動作フローチャートである。
つぎに、調量設定作業による現状の散布装置A1の散布作業の時間当たりの実散布量の算出、そして、この調量設定のときに行なわれる作業速度の適正な速度範囲の算出が完了したところで、操作パネル10aのモータ運転スイッチ18をオンにして、シャッタ9を開き、ロータリB2を降ろしてトラクタBを走行させて散布作業を開始する。このとき、作業者(オペレータ)は、GPS受信中ランプ30が点灯しているか否かを確認し、点灯していない場合には点灯するまで待つ(S20)。
GPS受信中ランプ30が点灯したところで、トラクタBを走行させる。すると、GPS受信機A2から得られるトラクタBの作業速度に連動させた回転数にて散布装置A1の繰出しロール2を駆動回転させるように駆動モータ3のモータ出力を制御しながらホッパ1内の被散布物Mを分配漏斗5に繰り出し、散布ホース6にて圃場に散布する散布作業が開始する。
トラクタBを走行させて散布作業を開始するとき、表示切替ボタン21を押すことで、操作パネル10aの液晶表示部27が、GPS受信機A2から得られるトラクタBの現在の作業速度、例えば、2.0km/hと速度算出手段14により算出設定された適正な速度範囲の下限速度値から上限速度値、例えば、0.5km/h〜2.8km/hが表示される散布作業の表示画面に切り換わる(S21、図7の(o)参照)。
GPS連動モードによる散布作業が開始すると、速度監視手段15によりGPS受信機A2からリアルタイムに得られるトラクタBの現在の作業速度が、下限速度値から上限速度値の速度範囲内に入っているか否かの監視が開始される(S22)。速度監視手段15は、GPS受信機A2から得られる現在のトラクタBの作業速度が、適正な速度範囲の下限速度値を下回ったか、上限速度値を上回ったかをリアルタイムに監視する(S23)。
トラクタBの作業速度が、散布装置A1の駆動モータ3のモータ出力の制御を可能とする下限速度値から上限速度値の速度範囲内であれば、散布作業は継続される(S24)。そして、トラクタBの作業速度が、下限速度値を下回るまたは上限速度値を上回る適正な速度範囲から外れたと速度監視手段15が判定すると、速度監視手段15から速度異常報知手段16に速度異常信号が送信(出力)される。
このとき、速度監視手段15が速度異常と判定してから3秒以内にトラクタBの作業速度が適正な速度範囲内に戻ったときには速度監視手段15から速度異常報知手段16に速度異常信号は送信されずに散布作業は継続される。一方、3秒以上経過しても作業速度が適正な速度範囲内に戻らなかったときには速度監視手段15から速度異常報知手段16に速度異常信号が送信される(S25)。速度監視手段15から速度異常報知手段16に速度異常信号が送信されると、速度異常報知手段16から速度異常ランプ32、ブザー33に動作信号が送信され、速度異常ランプ32が点灯し(S26)、ブザー33が鳴る(S27)。
これにより、GPS受信機A2から得られる現在のトラクタBの作業速度に連動させた回転数にて繰出しロール2を駆動回転させる駆動モータ3のモータ出力制御が不能になったことを作業者に知らせることができる。
なお、具体的な説明については省略しているが、本実施例では、速度異常ランプ32が点灯し、ブザー33が鳴ったときのトラクタBの作業速度が、適正な速度範囲の下限速度値(例えば、0.5km/h)を下回っていたときには駆動モータ3のモータ出力が10%に固定、また、上限速度値(例えば、2.8km/h)を上回っていたときには駆動モータ3のモータ出力が95%に固定されるようにマイクロコンピュータに設定されている。
[GPS解除モードによる散布作業の説明]
つぎに、操作パネル10aのGPS連動/解除モード切替ボタン19によりGPS解除モードに切り替え選択した場合の散布作業、所謂手動散布について簡単に説明する。
図13は、GPS解除モードによる散布作業の一例を示す動作フローチャートである。ここでは、図8の(p)および(q)を適宜参照しながら説明する。なお、図8の(p)および(q)において、点線で囲まれた表示部分が点滅状態にあることを意味する。
GPS解除モードによる手動散布は、主に、天候や近くに障害物があるなどによってGPS衛星からの受信状態が悪かったり、受信状態が一時的に低下した場合などには受信状態が正常に戻る間、などにおいて行なわれるものである。
このGPS解除モードでの手動散布作業では、操作パネル10aの電源スイッチ17をオンにしてコントローラ10を起動させ、GPS連動/解除モード切替ボタン19によりGPS解除モードを選択する。すると、操作パネル10aのGPS解除ランプ29が点灯し(S28)、液晶表示部27の画面表示が不揮発メモリ34から呼び出された図8の(p)に示す上段から速度、目盛りの表示内容のGPS解除モードによる散布作業の表示画面に切り換わる(S29)。
液晶表示部27がGPS解除モードによる散布作業の表示画面に切り換わると、液晶表示部27の目盛りの数値入力位置が点滅する(S30)。目盛りの数値入力位置の点滅を確認したところで、表1に示すGPS解除モードの散布量表(10アール当たり散布量(総散布量)と作業時間との関係から表す)の中から目安となる目盛り数値を選ぶ。例えば、7.3(散布量60kg、作業時間17分)を選んで、当該数値を点滅する目盛りの数値入力位置にダウン/アップボタン25により外部入力する(図8の(q)参照)。
液晶表示部27の目盛りの数値入力位置への数値入力が完了したところで、操作パネル10aのモータ運転スイッチ18をオンにして、シャッタ9を開き、ロータリB2を降ろしてトラクタBを走行させるGPS解除モードによる散布作業を開始することができる。これにより、10アール当たりの圃場に対する散布作業を周知の作業者(オペレータ)による手動散布もとで遂行させることができる。
以上説明したように、本実施形態に係るGPS車速連動散布システムによれば、散布当日の天気や湿度などの環境条件や散布装置A1自体の機械的劣化などによる散布量の変動の影響を受けることなく、トラクタBの作業速度に連動させた正確、かつ、適正な実散布量にてホッパ1内被散布物Mを散布することができる。すなわち、散布当日に、圃場面積当たりの総散布量から散布作業の時間当たりの適正な散布量を、現状の散布装置A1の被散布物Mの繰出し量から確認設定した上で、トラクタBの作業速度に連動させた適正散布量にて散布作業を遂行させることができる。
これにより、被散布物の無駄を省いて当該被散布物の年間消費量を大幅に削減し、被散布物を大量に取り扱う農家などの消費者の多大な失費を抑えることができるなどを期待することができる。
また、トラクタBを走行させて散布作業を開始するとき、操作パネル10aの表示切替ボタン21を押すことで、液晶表示部27の表示画面が、GPS受信機A2から得られるトラクタBの現在の作業速度、例えば、2.0km/hと、速度算出手段14により算出設定された適正な速度範囲の下限速度値から上限速度値、例えば、0.5km/h〜2.8km/hが表示された表示画面に切り換わる。
これにより、散布作業中、作業者は液晶表示部27に表示される現在の作業速度と適正な速度範囲の下限速度値から上限速度値を確認しながらトラクタBを走行させて散布作業を継続遂行させることができる。
また、散布作業中に、トラクタBの作業速度に連動させた繰出しロール2の回転数制御(駆動モータ3の回転出力制御)を可能とする作業速度の速度範囲の下限速度値を下回った、または、上限速度値を上回った場合の速度異常を監視しながら散布作業を遂行させることができる。すなわち、GPS受信機A2から得られる作業速度に連動させた適正な回転数にて繰出しロール2を駆動回転させる駆動モータ3のモータ出力の制御が可能な作業速度を監視しながら、駆動モータ3のモータ出力の制御が困難になったときには作業速度の異常を速度異常ランプ32やブザー33などで作業者に知らせることができる。
これにより、作業者は、操作パネル10aに液晶表示部27に表示されている現在の速度を確認してトラクタBの作業速度を適正な速度範囲に戻すように速度を上げるか、下げるか、または、散布作業を中止する処置を取ることができるので、GPS受信機A2から得られる作業速度に連動させた繰出しロール2の回転数の制御(駆動モータ3のモータ出力の制御)が困難になることで招く、単位面積当たりの被散布物Mの無駄な散布作業を未然に防ぐことができる。つまり、実散布量算出手段13により算出された実散布量よりも散布量が少なくなったり、逆に多すぎるなどのバラツキの無い平均した散布量にて散布作業を遂行(実行)させることができる。
また、操作パネル10aのGPS連動/解除モード切替ボタン19によりGPS解除モード(手動散布運転モード)を選択することで、作業者はトラクタBの作業速度に左右されることなく、表1の散布量表中から選択した目盛り(例えば、1.7)による散布量にて10アール当たりの圃場に対する散布作業を遂行(実行)することができる。
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更などがあっても本発明に含まれる。前述の各図で示した実施の形態は、その目的および構成などに特に矛盾や問題がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。また、各図の記載内容はそれぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
A1 散布装置
1 ホッパ
2 繰出しロール
3 駆動モータ
A2 GPS受信機
A3 制御装置
10 コントローラ
10a 操作パネル
11 低速調量手段(調量1)
12 高速調量手段(調量2)
13 実散布量算出手段
14 速度算出手段
15 速度監視手段
16 速度異常報知手段
17 電源スイッチ
18 モータ運転スイッチ
19 GPS連動/解除モード切替ボタン(GPS連動/解除モード切替手段)
20 メモリ機能ボタン(メモリ機能)
27 液晶表示部
28 GPS連動ランプ(GPS連動モード)
29 GPS解除ランプ(GPS解除モード)
31a メモリ1ランプ(メモリ機能)
31b メモリ2ランプ(メモリ機能)
32 速度異常ランプ
B トラクタ
B1 車体
B2 ロータリ
C 容器(バケツ)
D 秤
M 被散布物

Claims (5)

  1. 被散布物が収容されるホッパと、該ホッパ内被散布物を繰り出す繰出しロールと、該繰出しロールを駆動回転させる駆動モータとを有する散布装置と、
    前記散布装置を搭載して散布作業を行う車体の作業速度情報をGPSから受信するGPS受信機と、を備え、
    前記車体の作業速度に連動して回転する前記繰出しロールにより前記ホッパ内被散布物を繰り出しながら圃場に散布する構成のGPS車速連動散布システムであって、
    前記GPS受信機から得られる前記車体の作業速度に連動させて前記繰出しロールの回転数を制御する制御装置を備え、
    前記制御装置は、散布作業開始前に、前記繰出しロールを予め設定された回転数の低速回転にて所定時間回転させる低速調量手段および前記繰出しロールを予め設定された回転数の高速回転にて所定時間回転させる高速調量手段と、
    前記低速調量手段および高速調量手段により現状の前記散布装置の前記ホッパから繰り出される被散布物のそれぞれの繰出し量から計量により得られる低速回転時および高速回転時のそれぞれの被散布物の計量値を少なくとも入力することで、散布作業を行なう圃場の面積当たりの被散布物の総散布量から散布作業の時間当たりの実散布量を算出する実散布量算出手段と、
    を備えていることを特徴とするGPS車速連動散布システム。
  2. 前記制御装置の前記実散布量算出手段は、前記低速調量手段および高速調量手段によるそれぞれの前記繰出し量から計量により得られる前記計量値、圃場の面積当たりの被散布物の総散布量に加えて、前記散布装置の総散布巾から散布作業の時間当たりの前記実散布量を算出するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載されたGPS車速連動散布システム。
  3. 前記制御装置は、駆動モータによる制御可能な繰出しロールの回転数の範囲内に車体の作業速度が入るように、当該作業速度の時間当たりの下限速度値と上限速度値からなる速度範囲を算出する速度算出手段と、
    散布作業中、GPS受信機から得られる車体の作業速度が前記速度範囲内か否かを監視する速度監視手段と、
    該速度監視手段により車体の作業速度が前記速度範囲内から外れた速度異常と判定されたとき、速度異常を報知する速度異常報知手段と、
    をさらに備えていることを特徴とする請求項1または2に記載されたGPS車速連動散布システム。
  4. 前記制御装置は、GPS連動/解除モード切替手段により切り替えるGPS連動モードとGPS解除モードを備えていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載されたGPS車速連動散布システム。
  5. 前記制御装置は、低速調量手段および高速調量手段によるホッパ内被散布物の低速回転時と高速回転時の繰出し量から計量により得られるそれぞれの計量値、散布装置の散布巾、圃場の面積当たりの被散布物の総散布量から算出される散布作業の時間当たりの実散布量、これら各種の調量設定情報を記憶保持し、呼び出しを可能とするメモリ機能を備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載されたGPS車速連動散布システム。
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