JP2015071554A - オロパタジン含有点眼剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】アレルギー症状の予防用点眼剤の提供。【解決手段】(A)オロパタジン又はその塩を含有する、アレルギー症状の予防用点眼剤。【選択図】なし

Description

本発明は、点眼剤に関する。
近年、アレルギー性疾患の患者数は増加の傾向にあり、社会問題化している。アレルギー症状に対する一般的治療法は薬物療法であり、作用機序の異なる種々の治療薬が開発されているが、強いアレルギー症状を示すとこれらの治療に抗うことも多い。
角膜は、外界から順に、角膜上皮、ボーマン膜、角膜実質、デスメ膜及び角膜内皮の5層で形成されている。また、角膜上皮は涙で覆われており、涙は角膜上皮側から順に、ムチン層、涙液及び油層で形成されている。角膜上皮は外界と角膜実質との間のバリアとして機能している。すなわち、アレルゲン等の外界からの刺激物質並びに涙液中に存在する物質及び病原体等が、角膜上皮から角膜実質へ浸透するのを制御することにより、角膜の恒常性は維持される。角膜上皮のバリア機能の低下は、アレルゲン等が角膜実質へ侵入する危険が増すのみならず、涙液由来の炎症性メディエーターの角膜実質への浸透性の亢進を促し、眼のアレルギー疾患等の発症又は悪化につながるおそれがある。
例えば、アレルギー性結膜炎の患者の涙液中には、IL−4、IL−13及びTNF−α等の炎症性サイトカインが高濃度で検出される。アレルギー性結膜炎の患者における角膜上皮のバリア機能が低下すれば、涙液中の炎症性サイトカインが角膜実質まで浸透し、それによって角膜実質が刺激され、強力な好酸球遊走因子であるエオタキシン産生が誘導され、アレルギー症状の悪化を助長されることになる。
このように、角膜上皮のバリア機能が一旦低下すると、アレルゲン等の角膜実質への進入、炎症性メディエーターの透過性の亢進、角膜実質細胞の活性化、炎症関連分子の発現及び分泌そして角膜での炎症の助長という悪循環が生じる。つまり、角膜上皮のバリア機能の維持が、アレルギー症状の発症を抑える予防の観点から重要となる。
角膜上皮のバリア機能の評価方法として、角膜上皮細胞層の電気抵抗値を測定する方法が知られている。この評価方法を利用して、PPARγアゴニストを有効成分として含有する角膜上皮バリア機能亢進剤が見出されている(特許文献1)。
オロパタジン[(Z)−11−[3−ジメチルアミノプロピリデン]−6,11−ジヒドロジベンゾ[b,e]オキセピン−2−酢酸]は、アレルギー性疾患の治療剤として臨床上使用されており、例えば、眼科領域においても、アレルギー性結膜炎治療剤として、その塩酸塩を含有する点眼剤が臨床上使用されている(非特許文献1)。
しかしながら、オロパタジンのアレルギー症状に対する予防作用や角膜上皮に及ぼす影響については何ら知られていない。また、オロパタジンと抗炎症剤、抗ヒスタミン剤、水溶性ビタミン、アミノ酸類及び清涼化剤を併用した際に得られる作用についても、全く予想し得ないのが現状である。
特開2009−227668号公報
パタノール(登録商標)点眼液0.1%(日本アルコン)添付文書
本発明は、角膜上皮バリア機能を亢進し、アレルギー症状を予防することが可能な点眼剤を提供することも目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、(A)オロパタジン又はその塩(以下、「(A)成分」ともいう。)を点眼することにより、角膜上皮バリア機能を亢進させ、アレルギー症状を予防できることを見出した。また、本発明者らは、(A)オロパタジン又はその塩の角膜上皮バリア機能亢進作用が、(B)抗炎症剤、抗ヒスタミン剤、水溶性ビタミン、アミノ酸類及び清涼化剤からなる群から選択される少なくとも1種(以下、「(B)成分」ともいう。)と組み合わせることによっても発揮され、また増強されることも見出した。これらの知見に基づき、本発明者らは本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の[1]〜[14]を提供する。
[1](A)オロパタジン又はその塩を含有する、アレルギー症状の予防用点眼剤。
[2]角膜上皮バリア機能を亢進させることを特徴とする、[1]に記載の点眼剤。
[3]前記アレルギーが花粉症、ハウスダスト又は動物によるアレルギーである、[1]又は[2]に記載の点眼剤。
[4]前記花粉症がスギ花粉症である、[3]に記載の点眼剤。
[5]前記アレルギー症状が、目の充血、目のかゆみ、目のかすみ、なみだ目及び目の異物感からなる群から選択される少なくとも1つである、[1]〜[4]のいずれかに記載の点眼剤。
[6](B)抗炎症剤、抗ヒスタミン剤、水溶性ビタミン、アミノ酸類及び清涼化剤からなる群から選択される少なくとも1種の化合物をさらに含有する、[1]〜[5]のいずれかに記載の点眼剤。
[7](A)成分の総含有量1質量部に対して、(B)成分として抗炎症剤を含有する場合、抗炎症剤の総含有量が0.01〜100質量部、(B)成分として抗ヒスタミン剤を含有する場合、抗ヒスタミン剤の総含有量が0.01〜3重量部、(B)成分として水溶性ビタミンを含有する場合、水溶性ビタミンの総含有量が0.001〜10質量部、(B)成分としてアミノ酸類を含有する場合、アミノ酸類の総含有量が0.01〜200重量部、(B)成分として清涼化剤を含有する場合、清涼化剤の総含有量が0.0001〜3質量部である、[6]に記載の点眼剤。
[8](B)成分として、プラノプロフェン、グリチルリチン酸二カリウム、アラントイン、硫酸ベルベリン、塩化ベルベリン、アズレンスルホン酸ナトリウム、ε−アミノカプロン酸、硫酸亜鉛、乳酸亜鉛及び塩化リゾチームからなる群から選択される少なくとも1種の抗炎症剤を含む、[6]又は[7]に記載の点眼剤。
[9](B)成分として、クロルフェニラミンマレイン酸塩及びジフェンヒドラミン塩酸塩からなる群から選択される少なくとも1種の抗ヒスタミン剤を含む、[6]〜[8]のいずれかに記載の点眼剤。
[10](B)成分として、塩酸ピリドキシン、シアノコバラミン、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、パンテノール、パントテン酸カルシウム及びパントテン酸ナトリウムからなる群から選択される少なくとも1種の水溶性ビタミンを含む、[6]〜[9]のいずれかに記載の点眼剤。
[11](B)成分として、アミノエチルスルホン酸、コンドロイチン硫酸ナトリウム、L−アスパラギン酸カリウム、L−アスパラギン酸マグネシウム及びL−アスパラギン酸マグネシウム・カリウム等量混合物からなる群から選択される少なくとも1種のアミノ酸類を含む、[6]〜[10]のいずれかに記載の点眼剤。
[12](B)成分として、メントール、カンフル、ボルネオール、ゲラニオール及びハッカ油からなる群から選択される少なくとも1種の清涼化剤を含む、[6]〜[11]のいずれかに記載の点眼剤。
[13](A)オロパタジン又はその塩と、(B)抗炎症剤、抗ヒスタミン剤、水溶性ビタミン、アミノ酸類及び清涼化剤からなる群から選択される少なくとも1種の化合物とを組み合わせる、アレルギー症状の予防作用を点眼剤に付与する方法。
[14](A)オロパタジン又はその塩と、(B)抗炎症剤、抗ヒスタミン剤、水溶性ビタミン、アミノ酸類及び清涼化剤からなる群から選択される少なくとも1種の化合物とを組み合わせる、角膜上皮バリア機能の亢進作用を点眼剤に付与する方法。
本発明の点眼剤は、角膜上皮バリア機能の亢進作用を有することから、アレルギー症状の予防に用いることが可能である。具体的には、本願発明の点眼剤は、目の充血、目のかゆみ、目のかすみ、なみだ目及び目の異物感といったアレルギー症状の予防に有効である。
本明細書において、含有量の単位「%」は「w/v%」を意味し、「g/100mL」と同義である。
本実施形態に係る点眼剤は、(A)オロパタジン又はその塩と、(B)抗炎症剤、抗ヒスタミン剤、水溶性ビタミン、アミノ酸類及び清涼化剤からなる群から選択される少なくとも1種とを含有する。
(A)成分
オロパタジンは、(Z)−11−[3−ジメチルアミノプロピリデン]−6,11−ジヒドロジベンゾ[b,e]オキセピン−2−酢酸とも称される公知化合物であり、公知の方法により合成してもよく市販品として入手することもできる。
オロパタジンの塩は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。このような塩としては、例えば、無機酸塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩)、有機酸塩[例えば、モノカルボン酸塩(酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、酪酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩等)、多価カルボン酸塩(フマル酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、マロン酸塩等)、オキシカルボン酸塩(乳酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等)、有機スルホン酸塩(メタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩等)]、有機塩基との塩(例えば、メチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、ピペラジン、ピロリジン、テルピリジン、ピコリン等の有機アミンとの塩)、無機塩基との塩[例えば、アンモニウム塩;アルカリ金属(ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム等)、アルミニウム等の金属との塩]などが挙げられる。
これらのオロパタジンの塩は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。アレルギー症状の予防という効果の観点から、(A)成分としては好ましくは無機酸塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩)であり、より好ましくは塩酸塩である。
本実施形態に係る点眼剤における、(A)成分の含有量は特に限定されず、(A)成分の種類等に応じて適宜設定される。(A)成分の含有量としては、例えば、本実施形態に係る点眼剤の総量を基準として、(A)成分の総含有量が、0.001〜1w/v%であることが好ましく、0.005〜0.5w/v%であることがより好ましく、0.01〜0.2w/v%であることが更に好ましく、0.05〜0.2w/v%であることが特に好ましい。上記(A)成分の含有量は、アレルギー症状の予防という効果の観点から好適である。
(B)成分
本実施形態に係る点眼剤には、(A)成分に加えて、(B)抗炎症剤、抗ヒスタミン剤、水溶性ビタミン、アミノ酸類及び清涼化剤からなる群から選択される少なくとも1種とを含有することができる。
(B)成分は、抗炎症剤、抗ヒスタミン剤、水溶性ビタミン、アミノ酸類及び清涼化剤からなる群から選択される少なくとも1種の化合物である。(B)成分は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
本実施形態に係る点眼剤には、(B)成分として、抗炎症剤を含有させることができる。抗炎症剤とは、抗炎症作用を有する物質であれば、特に制限されない。抗炎症剤としては、例えば、プラノプロフェン、グリチルリチン酸、アラントイン、硫酸ベルベリン、塩化ベルベリン、アズレンスルホン酸、ε−アミノカプロン酸、硫酸亜鉛、乳酸亜鉛、リゾチーム、サリチル酸、トラネキサム酸及び甘草が挙げられる。抗炎症剤は、塩の形態であってもよく、このような塩としては、無機酸との塩、有機酸との塩、無機塩基との塩、有機塩基との塩が挙げられ、硫酸塩、乳酸塩、塩酸塩、塩化物塩、ナトリウム塩、カリウム塩等が例示される。具体的には、グリチルリチン酸二カリウム、アズレンスルホン酸ナトリウム、塩化リゾチーム等が例示される。アレルギー症状の予防という効果の観点から、プラノプロフェン、グリチルリチン酸二カリウム、アラントイン、硫酸ベルベリン、塩化ベルベリン、アズレンスルホン酸ナトリウム、ε−アミノカプロン酸、硫酸亜鉛、乳酸亜鉛又は塩化リゾチームが好適であり、プラノプロフェン又はグリチルリチン酸二カリウムが特に好適である。
本実施形態に係る点眼剤における抗炎症剤の含有量は特に限定されず、抗炎症剤の種類、併用する(A)成分の種類及び含有量等に応じて適宜設定される。抗炎症剤の含有量としては、例えば、本実施形態に係る点眼剤の総量を基準として、抗炎症剤の総含有量が、0.001〜7.5w/v%であることが好ましく、0.004〜5w/v%であることがより好ましく、0.01〜1w/v%であることが更に好ましく、0.02〜0.5w/v%であることが特に好ましい。上記抗炎症剤の含有量は、アレルギー症状の予防という効果の観点から好適である。
また、本実施形態に係る点眼剤における、(A)成分に対する抗炎症剤の含有比率は特に限定されず、(A)成分及び抗炎症剤の種類等に応じて適宜設定される。(A)成分に対する抗炎症剤の含有比率としては、例えば、本実施形態に係る点眼剤に含まれる(A)成分の総含有量1質量部に対して、抗炎症剤の総含有量が、0.01〜100質量部であることが好ましく、0.02〜50質量部であることがより好ましく、0.1〜10質量部であることが更に好ましく、0.2〜5質量部であることが特に好ましい。上記(A)成分に対する抗炎症剤の含有比率は、アレルギー症状の予防という効果の観点から好適である。
本実施形態に係る点眼剤には、抗ヒスタミン剤を含有させることができる。抗ヒスタミン剤とは、抗ヒスタミン作用を有する物質であれば、特に限定されない。抗ヒスタミン剤としては、例えば、クロルフェニラミン、ジフェンヒドラミン及びケトチフェンが挙げられる。抗ヒスタミン剤は、塩の形態であってもよく、クロルフェニラミンマレイン酸塩、ジフェンヒドラミン塩酸塩及びケトチフェンフマル酸塩が例示される。アレルギー症状の予防という効果の観点から、クロルフェニラミンマレイン酸塩又はジフェンヒドラミン塩酸塩が好適であり、クロルフェニラミンマレイン酸塩が特に好適である。
本実施形態に係る点眼剤における抗ヒスタミン剤の含有量は特に限定されず、抗ヒスタミン剤の種類、併用する(A)成分の種類及び含有量等に応じて適宜設定される。抗ヒスタミン剤の含有量としては、例えば、本実施形態に係る点眼剤の総量を基準として、抗ヒスタミン剤の総含有量が、0.001〜0.2w/v%であることが好ましく、0.002〜0.1w/v%であることがより好ましく、0.005〜0.05w/v%であることが更に好ましく、0.01〜0.05w/v%であることが特に好ましい。上記抗ヒスタミン剤の含有量は、アレルギー症状の予防という効果の観点から好適である。
また、本実施形態に係る点眼剤における、(A)成分に対する抗ヒスタミン剤の含有比率は特に限定されず、(A)成分及び抗ヒスタミン剤の種類等に応じて適宜設定される。(A)成分に対する抗ヒスタミン剤の含有比率としては、例えば、本実施形態に係る点眼剤に含まれる(A)成分の総含有量1質量部に対して、抗ヒスタミン剤の総含有量が、0.01〜3質量部であることが好ましく、0.03〜2質量部であることがより好ましく、0.05〜1.5質量部であることが更に好ましく、0.1〜1.2質量部であることが特に好ましい。上記(A)成分に対する抗ヒスタミン剤の含有比率は、アレルギー症状の予防という効果の観点から好適である。
本実施形態に係る点眼剤には、水溶性ビタミンを含有させることができる。水溶性ビタミンとは、水に溶けやすいビタミンである。水溶性ビタミンとしては、例えば、ビタミンC及びビタミンB群が挙げられる。ビタミンB群としては、例えば、ビタミンB、ビタミンB(フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム)、ナイアシン(ニコチン酸及びニコチン酸アミド)、パントテン酸、パンテノール、ビタミンB(ピリドキシン、ピリドキサール及びピリドキサミン)、ビオチン、葉酸及びビタミンB12(シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン、メチルコバラミン及びアデノシルコバラミン)が挙げられる。水溶性ビタミンは、塩の形態であってもよく、塩酸ピリドキシン、パントテン酸カルシウム及びパントテン酸ナトリウムが例示される。アレルギー症状の予防という効果の観点から、塩酸ピリドキシン、シアノコバラミン、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、パンテノール、パントテン酸カルシウム又はパントテン酸ナトリウムが好適であり、塩酸ピリドキシン又はシアノコバラミンが特に好適である。
本実施形態に係る点眼剤における水溶性ビタミンの含有量は特に限定されず、水溶性ビタミンの種類、併用する(A)成分の種類及び含有量等に応じて適宜設定される。水溶性ビタミンの含有量としては、例えば、本実施形態に係る点眼剤の総量を基準として、水溶性ビタミンの総含有量が、0.001〜1w/v%であることが好ましく、0.001〜0.5w/v%であることがより好ましく、0.003〜0.3w/v%であることが更に好まし、0.01〜0.2w/v%であることが特に好ましい。上記水溶性ビタミンの含有量は、アレルギー症状の予防という効果の観点から好適である。
また、本実施形態に係る点眼剤における、(A)成分に対する水溶性ビタミンの含有比率は特に限定されず、(A)成分及び水溶性ビタミンの種類等に応じて適宜設定される。(A)成分に対する水溶性ビタミンの含有比率としては、例えば、本実施形態に係る点眼剤に含まれる(A)成分の総含有量1質量部に対して、水溶性ビタミンの総含有量が、0.001〜10質量部であることが好ましく、0.005〜5質量部であることがより好ましく、0.01〜3質量部であることが更に好ましく、0.05〜2質量部であることが特に好ましい。上記(A)成分に対する水溶性ビタミンの含有比率は、アレルギー症状の予防という効果の観点から好適である。
本実施形態に係る点眼剤には、アミノ酸類を含有させることができる。アミノ酸類とは、分子内にアミノ基とカルボキシ基若しくはスルホ基とを有する化合物又はその誘導体を意味するが、ε−アミノカプロン酸は除く。具体的にはアミノ酸及びムコ多糖、並びにそれらの塩が例示される。アミノ酸類のうち、アミノ酸及びその塩としては、例えば、グリシン、アラニン、γ−アミノ酪酸、γ−アミノ吉草酸等のモノアミノモノカルボン酸;アスパラギン酸、グルタミン酸等のモノアミノジカルボン酸及びそれらの塩;アルギニン、リジン等のジアミノモノカルボン酸及びそれらの塩;アミノエチルスルホン酸(タウリン)等の誘導体及びそれらの塩が挙げられる。アミノ酸及びその塩としては、L体、D体、DL体のいずれであってもよく、L−アスパラギン酸カリウム、L−アスパラギン酸マグネシウム及びL−アスパラギン酸マグネシウム・カリウム等量混合物等が例示される。また、アミノ酸類のうち、ムコ多糖及びその誘導体並びにそれらの塩としては、例えば、酸性ムコ多糖として、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、アルギン酸等の誘導体及びそれらの塩が挙げられる。アミノ酸の塩又はムコ多糖の塩は、医薬上、薬理学的に又は生理学的に許容される塩を含む。そのような塩としては、有機酸との塩[例えば、モノカルボン酸塩(酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、酪酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩等)、多価カルボン酸塩(フマル酸塩、マレイン酸塩等)、オキシカルボン酸塩(乳酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、マロン酸塩等)、有機スルホン酸塩(メタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩等)等]、無機酸との塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩等)、有機塩基との塩(例えば、メチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、ピペラジン、ピロリジン、トリピリジン、ピコリン等の有機アミンとの塩等)、無機塩基との塩[例えば、アンモニウム塩;アルカリ金属(ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム等)、アルミニウム等の金属との塩等]などが例示でき、化合物によって適宜選択される。例えば、モノアミノジカルボン酸の場合は、無機塩基との塩が好ましく、特にアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩が好ましい。アレルギー症状の予防という効果の観点から、L−アスパラギン酸カリウム、アミノエチルスルホン酸、ヒアルロン酸ナトリウム又はコンドロイチン硫酸ナトリウムが好適であり、アミノエチルスルホン酸又はコンドロイチン硫酸ナトリウムが特に好適である。
本実施形態に係る点眼剤におけるアミノ酸類の含有量は特に限定されず、アミノ酸類の種類、併用する(A)成分の種類及び含有量等に応じて適宜設定される。アミノ酸類の含有量としては、例えば、本実施形態に係る点眼剤の総量を基準として、アミノ酸類の総含有量が、0.01〜7.5w/v%であることが好ましく、0.02〜5w/v%であることがより好ましく、0.05〜3w/v%であることが更に好ましく、0.1〜2w/v%であることが特に好ましい。上記アミノ酸類の含有量は、アレルギー症状の予防という効果の観点から好適である。
また、本実施形態に係る点眼剤における、(A)成分に対するアミノ酸類の含有比率は特に限定されず、(A)成分及びアミノ酸類の種類等に応じて適宜設定される。(A)成分に対するアミノ酸類の含有比率としては、例えば、本実施形態に係る点眼剤に含まれる(A)成分の総含有量1質量部に対して、アミノ酸類の総含有量が、0.01〜200質量部であることが好ましく、0.05〜100質量部であることがより好ましく、0.2〜30質量部であることが更に好ましく、0.5〜20質量部であることが特に好ましい。上記(A)成分に対するアミノ酸類の含有比率は、アレルギー症状の予防という効果の観点から好適である。
清涼化剤は、点眼剤に清涼感を付与する物質であれば、特に制限されない。清涼化剤としては、例えば、テルペノイド、テルペノイドを含有する精油(例えば、ユーカリ油、ベルガモット油、ペパーミント油、ウイキョウ油、ローズ油、ケイヒ油、スペアミント油、樟脳油、クールミント及びハッカ油)等が挙げられる。テルペノイドとしては、例えば、メントール、メントン、カンフル(「ショウノウ」又は「樟脳」ともいう)、ボルネオール(「リュウノウ」又は「竜脳」ともいう)、ゲラニオール、ネロール、シネオール、シトロネロール、カルボン、アネトール、オイゲノール、リモネン、リナロール及び酢酸リナリルが挙げられる。テルペノイドはd体、l体及びdl体のいずれであってもよく、l−メントール、d−メントール、dl−メントール、dl−カンフル、d−カンフル、dl−ボルネオール及びd−ボルネオールが例示される。ただし、ゲラニオール、ネロール及びシネオール等のようにテルペノイドによっては光学異性体が存在しない場合もある。アレルギー症状の予防という効果の観点から、メントール、カンフル、ボルネオール、ゲラニオール又はハッカ油が好適であり、l−メントール、dl−カンフル又はd-ボルネオールが特に好適である。
本実施形態に係る点眼剤における清涼化剤の含有量は特に限定されず、清涼化剤の種類、併用する(A)成分の種類及び含有量等に応じて適宜設定される。清涼化剤の含有量としては、テルペノイドとして測定することができ、例えば、本実施形態に係る点眼剤の総量を基準として、清涼化剤(テルペノイドとして)の総含有量が、0.00002〜0.3w/v%であることが好ましく、0.0001〜0.1w/v%であることがより好ましく、0.0005〜0.05w/v%であることが更に好ましく、0.001〜0.02w/v%であることが特に好ましい。上記清涼化剤の含有量は、アレルギー症状の予防という効果の観点から好適である。
また、本実施形態に係る点眼剤における、(A)成分に対する清涼化剤の含有比率は特に限定されず、(A)成分及び清涼化剤の種類等に応じて適宜設定される。(A)成分に対する清涼化剤の含有比率としては、例えば、本実施形態に係る点眼剤に含まれる(A)成分の総含有量1質量部に対して、清涼化剤の総含有量が、0.0001〜3質量部であることが好ましく、0.001〜2質量部であることがより好ましく、0.003〜1質量部であることが更に好ましく、0.01〜0.5質量部であることが特に好ましい。上記(A)成分に対する清涼化剤の含有比率は、アレルギー症状の予防という効果の観点から好適である。
本実施形態に係る点眼剤は、さらに界面活性剤を含有することができる。界面活性剤は、本実施形態に係る点眼剤の使用目的に応じて、後述する種々の薬理活性成分、生理活性成分及び添加剤等を配合する際に、それらの溶解性を向上させる溶解補助剤として有効である。
本実施形態に係る点眼剤が含有することができる界面活性剤は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば特に制限されず、非イオン性界面活性剤、イオン性(両性、陰性、陽性)界面活性剤のいずれであってもよい。
本実施形態に係る点眼剤が含有することができる非イオン性界面活性剤として、具体的には、モノウラリン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート20)、モノパルミチン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート40)、モノステアリン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート60)、トリステアリン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート65)、モノオレイン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート80)等のPOEソルビタン脂肪酸エステル;POE(40)硬化ヒマシ油(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40)、POE(60)硬化ヒマシ油(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60)等のPOE硬化ヒマシ油;POE(10)ヒマシ油(ポリオキシエチレンヒマシ油10)、POE(35)ヒマシ油(ポリオキシエチレンヒマシ油35)等のPOEヒマシ油;POE(9)ラウリルエーテル等のPOEアルキルエーテル;POE(20)POP(4)セチルエーテル等のPOE−POPアルキルエーテル;POE(196)POP(67)グリコール(ポロクサマー407、プルロニックF127)、POE(200)POP(70)グリコール等のポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー;ステアリン酸ポリオキシル40等のモノステアリン酸ポリエチレングリコール等が挙げられる。なお、上記で例示する化合物において、括弧内の数字は付加モル数を示す。
本実施形態に係る点眼剤が含有することができる両性界面活性剤として、具体的には、N−[2−[[2−(アルキルアミノ)エチル]アミノ]エチル]グリシン及びその塩(例えば、塩酸塩等)などが例示できる。N−[2−[[2−(アルキルアミノ)エチル]アミノ]エチル]グリシンは、アルキルジアミノエチルグリシン又はアルキルポリアミノエチルグリシンとも呼ばれる。
また、本実施形態に係る点眼剤が含有することができる陰イオン性界面活性剤として、具体的には、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、α−スルホ脂肪酸エステル塩、α−オレフィンスルホン酸等が例示できる。
そして、本実施形態に係る点眼剤が含有することができる陽イオン性界面活性剤として、具体的には、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等が例示される。
本実施形態に係る点眼剤において、界面活性剤は1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。本実施形態に係る点眼剤が含有することができる界面活性剤の中で、非イオン性界面活性剤が好適である。非イオン性界面活性剤としては、POEソルビタン脂肪酸エステル、POE硬化ヒマシ油、POEヒマシ油、モノステアリン酸ポリエチレングリコール又はPOE・POPブロックコポリマーが好ましく、ポリソルベート80、POEヒマシ油10、POEヒマシ油35、POE硬化ヒマシ油40、POE硬化ヒマシ油60、ステアリン酸ポリオキシル40又はポロクサマー407がより好ましい。
本実施形態に係る点眼剤が界面活性剤を含有する場合、その含有量は、該界面活性剤の種類、他の配合成分の種類及び含有量、該眼科用組成物の用途、製剤形態、使用方法等に応じて適宜設定される。界面活性剤の含有量として、例えば、本実施形態に係る眼科用組成物の総量を基準に、界面活性剤の総含有量が、0.001〜3w/v%であることが好ましく、0.005〜2w/v%であることがより好ましく、0.01〜1w/v%であることがさらに好ましく、0.05〜1w/v%であることが特に好ましい。
本実施形態に係る点眼剤は、更に緩衝剤を含有することが好ましい。これにより、点眼剤のpHを調整でき、本願の効果をより一層顕著に発揮できる。緩衝剤としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。このような緩衝剤の一例として、ホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、炭酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、酢酸緩衝剤、トリス緩衝剤、アスパラギン酸、アスパラギン酸塩、エデト酸塩等が挙げられる。これらの緩衝剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。ホウ酸緩衝剤としては、ホウ酸又はその塩(ホウ酸アルカリ金属塩、ホウ酸アルカリ土類金属塩等)が挙げられる。リン酸緩衝剤としては、リン酸又はその塩(リン酸アルカリ金属塩、リン酸アルカリ土類金属塩等)が挙げられる。炭酸緩衝剤としては、炭酸又はその塩(炭酸アルカリ金属塩、炭酸アルカリ土類金属塩等)が挙げられる。クエン酸緩衝剤としては、クエン酸又はその塩(クエン酸アルカリ金属塩、クエン酸アルカリ土類金属塩等)が挙げられる。また、ホウ酸緩衝剤又はリン酸緩衝剤として、ホウ酸塩又はリン酸塩の水和物を用いてもよい。より具体的な例として、ホウ酸緩衝剤として、ホウ酸又はその塩(ホウ酸ナトリウム、テトラホウ酸カリウム、メタホウ酸カリウム、ホウ酸アンモニウム、ホウ砂等);リン酸緩衝剤として、リン酸又はその塩(リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム等);炭酸緩衝剤として、炭酸又はその塩(炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素カリウム、炭酸マグネシウム等);クエン酸緩衝剤として、クエン酸又はその塩(クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸カルシウム、クエン酸二水素ナトリウム、クエン酸二ナトリウム等);酢酸緩衝剤として、酢酸又はその塩(酢酸アンモニウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸ナトリウム等);アスパラギン酸又はその塩(アスパラギン酸ナトリウム、アスパラギン酸マグネシウム、アスパラギン酸カリウム等)などが例示できる。これらの緩衝剤の中でも、ホウ酸緩衝剤(例えば、ホウ酸とホウ砂の組合せ等)、リン酸緩衝剤(例えば、リン酸水素二ナトリウムとリン酸二水素ナトリウムの組合せ等)が好ましく、ホウ酸緩衝剤がさらに好ましい。
本実施形態に係る点眼剤が緩衝剤を含有する場合、その含有量は、緩衝剤の種類、他の含有成分の種類及び含有量等に応じて適宜設定される。緩衝剤の含有量としては、例えば、点眼剤の総量を基準として、緩衝剤の総含有量が、0.01〜15w/v%であることが好ましく、0.05〜10w/v%であることがより好ましく、0.1〜7.5w/v%であることが更に好ましく、0.5〜5w/v%であることが特に好ましい。
本実施形態に係る点眼剤は、更に粘稠剤を含有することが好ましい。これにより、本実施形態に係る点眼剤の粘度を調整でき、本願の効果をより一層顕著に発揮できる。粘稠剤としては、例えば、ポリビニルアルコール(完全又は部分ケン化物)、ポリビニルピロリドン(K25、K30、K90等)、カルボキシビニルポリマー、セルロース誘導体[メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(2208、2906、2910等)、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ニトロセルロース又はそれらの塩等]、ポリエチレングリコール(マクロゴール300、マクロゴール400、マクロゴール1500、マクロゴール4000、マクロゴール6000等)、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、アラビアゴム、トラガント、デキストラン(40、70等)、ブドウ糖、ソルビトール等が例示でき、好ましくはポリビニルアルコール(完全又は部分ケン化物)、ポリビニルピロリドン(K25、K30、K90)、カルボキシビニルポリマー、セルロース誘導体(メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(2208、2906、2910)、カルボキシメチルセルロース又はその塩等)、ポリエチレングリコール(マクロゴール300、マクロゴール400、マクロゴール4000、マクロゴール6000等)、デキストラン(70)であり、さらに好ましくはポリビニルアルコール(完全又は部分ケン化物)、ポリビニルピロリドン(K25、K30、K90)、カルボキシビニルポリマー、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(2208、2906、2910)、カルボキシメチルセルロース又はその塩、ポリエチレングリコール(マクロゴール300、マクロゴール400、マクロゴール4000、マクロゴール6000)、デキストラン(70)である。これらの粘稠剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
本実施形態に係る点眼剤が粘稠剤を含有する場合、その含有量は、粘稠剤の種類、他の含有成分の種類及び含有量等に応じて適宜設定される。粘稠剤の含有量としては、例えば、点眼剤の総量を基準として、粘稠剤の総含有量が、0.0001〜5w/v%であることが好ましく、0.0005〜3w/v%であることがより好ましく、0.001〜1w/v%であることが更に好ましく、0.01〜0.2w/v%であることが特に好ましい。
また、本実施形態に係る点眼剤は、更に等張化剤を含有することができる。等張化剤としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。このような等張化剤の具体例として、例えば、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ブドウ糖、マンニトール、ソルビトール等が挙げられる。これらの等張化剤の中でも、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ブドウ糖、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム又は塩化マグネシウムが好ましく、塩化ナトリウム、塩化カリウム又はプロピレングリコールがさらに好ましく、塩化ナトリウムが特に好ましい。これらの等張化剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
本実施形態に係る点眼剤が等張化剤を含有する場合、その含有量は、等張化剤の種類、他の含有成分の種類及び含有量等に応じて適宜設定される。等張化剤の含有量としては、例えば、点眼剤の総量を基準として、等張化剤の総含有量が、0.01〜10w/v%であることが好ましく、0.05〜5w/v%であることがより好ましく、0.1〜3w/v%であることが更に好ましい。
本実施形態に係る点眼剤のpHについては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容される範囲内であれば特に限定されない。点眼剤のpHとしては、例えば、4.0〜9.5であることが好ましく、5.0〜9.0であることがより好ましく、5.5〜8.5であることが更に好ましい。
また、本実施形態に係る点眼剤の浸透圧については、生体に許容される範囲内であれば、特に制限されない。点眼剤の浸透圧比としては、例えば、0.5〜5.0であることが好ましく、0.6〜3.0であることがより好ましく、0.7〜2.0であることが更に好ましく、0.9〜1.55であることが特に好ましい。浸透圧の調整は、無機塩、多価アルコール、糖アルコール又は糖等を用いて、当該技術分野で既知の方法で行うことができる。浸透圧比は、第十六改正日本薬局方に基づき、286mOsm(0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液の浸透圧)に対する試料の浸透圧の比とし、浸透圧は日本薬局方記載の浸透圧測定法(氷点降下法)を参考にして測定する。なお、浸透圧比測定用標準液(0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液)については、塩化ナトリウム(日本薬局方標準試薬)を500〜650℃で40〜50分間乾燥した後、デシケーター(シリカゲル)中で放冷し、その0.900gを正確に量り、精製水に溶かし正確に100mLとして調製するか、市販の浸透圧比測定用標準液(0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液)を用いることができる。
本実施形態に係る点眼剤の粘度については、生体に許容される範囲内であれば特に制限されない。回転粘度計(RE550型粘度計、東機産業社製、ローター:1°34’xR24)で測定した25℃における粘度が、例えば、0.1〜1000mPa・sであることが好ましく、0.5〜100mPa・sであることがより好ましく、1〜10mPa・sであることが更に好ましい。
また、本実施形態に係る点眼剤は、本発明の効果を妨げない限り、上記成分の他に、種々の薬理活性成分又は生理活性成分を組み合わせて適当量含有していてもよい。かかる成分は特に制限されず、例えば、一般用医薬品製造販売承認基準2012年版(一般社団法人 レギュラトリーサイエンス学会監修)に記載された各種医薬における有効成分が例示できる。具体的には、眼科用薬において用いられる成分としては、次のような成分が挙げられる。
抗アレルギー剤:例えば、クロモグリク酸ナトリウム、トラニラスト、ペミロラストカリウム等。
充血除去剤:塩酸テトラヒドロゾリン、硝酸テトラヒドロゾリン、塩酸ナファゾリン、硝酸ナファゾリン、エピネフリン、塩酸エピネフリン、塩酸エフェドリン、塩酸フェニレフリン、dl−塩酸メチルエフェドリン等。
眼筋調節薬剤:例えば、アセチルコリンと類似した活性中心を有するコリンエステラーゼ阻害剤、具体的にはメチル硫酸ネオスチグミン、トロピカミド、ヘレニエン、硫酸アトロピン等。
殺菌剤:例えば、アクリノール、セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、クロルヘキシジン、ポリヘキサメチレンビグアニド、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン等。
ビタミン類:酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、酢酸トコフェロール等。
その他:例えば、ヒアルロン酸ナトリウム、スルファメトキサゾール、スルファメトキサゾールナトリウム等。
また、本実施形態に係る点眼剤には、発明の効果を損なわない範囲であれば、その用途又は製剤形態に応じて、常法に従い、様々な添加物を適宜選択し、1種又はそれ以上を併用して適当量含有していてもよい。それらの添加物として、例えば、医薬品添加物事典2007(日本医薬品添加剤協会編集)に記載された各種添加物が例示できる。代表的な成分として次の添加物が挙げられる。
担体:例えば、水、含水エタノール等の水性担体。
糖類:例えば、グルコース、シクロデキストリン等。
糖アルコール類:例えば、キシリトール、ソルビトール、マンニトール等。これらはD体、L体及びDL体のいずれでもよい。
防腐剤、殺菌剤又は抗菌剤:例えば、塩化亜鉛、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、安息香酸ナトリウム、エタノール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、クロロブタノール、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、硫酸オキシキノリン、フェネチルアルコール、ベンジルアルコール、ビグアニド化合物(具体的には、ポリヘキサメチレンビグアニド、塩酸ポリヘキサニド等)、グローキル(ローディア社製 商品名)等。
安定化剤:トロメタモール、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート(ロンガリット)、トコフェロール、ピロ亜硫酸ナトリウム、モノエタノールアミン、モノステアリン酸アルミニウム、モノステアリン酸グリセリン、ジブチルヒドロキシトルエン、エデト酸ナトリウム等。
本実施形態に係る点眼剤は、上記(A)成分、必要に応じて(B)成分又は他の含有成分を所望の含有量となるように担体に添加することにより調製される。具体的には、例えば、精製水で上記成分を溶解又は懸濁させ、所定のpH及び浸透圧に調整し、濾過滅菌等により滅菌処理することで調製できる。
本実施形態に係る点眼剤は、点眼剤の総量に対して、水の含有量が85w/v%以上であり、90w/v%以上であることが好ましく、92w/v%以上であることがより好ましく、94w/v%以上であることが更に好ましく、96w/v%以上であることが特に好ましい。本実施形態に係る点眼剤に用いられる水としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容される水を使用すればよく、このような水として、具体的には、蒸留水、常水、精製水、滅菌精製水、注射用水、注射用蒸留水等が例示される。
本実施形態に係る点眼剤は、任意の容器に収容して提供される。本実施形態に係る点眼剤を収容する容器については特に制限されず、例えば、ガラス製であってもよく、またプラスチック製であってもよい。好ましくはプラスチック製である。プラスチックとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリアリレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド及びこれらを構成するモノマーの共重合体、並びにこれら2種以上を混合したものが挙げられる。好ましくは、ポリエチレンテレフタレートである。また、本実施形態に係る点眼剤を収容する容器は、容器内部を視認できる透明容器であってもよく、容器内部の視認が困難な不透明容器であってもよい。好ましくは透明容器である。ここで、「透明容器」とは、無色透明容器及び有色透明容器の双方が含まれる。本実施形態に係る点眼剤は、例えば、有色透明のプラスチック製容器などに、繰り返し使用可能なマルチドーズの形態で収容して使用できる。
本実施形態に係る点眼剤は医薬品又は医薬部外品の製剤として使用でき、いわゆる点眼剤[但し、点眼剤にはコンタクトレンズ装用中に点眼可能な点眼剤を含む]の他に、人工涙液、洗眼剤[但し、洗眼剤にはコンタクトレンズ装用中に洗眼可能な洗眼剤を含む]、コンタクトレンズ用組成物[コンタクトレンズ装着液、コンタクトレンズケア用組成物(コンタクトレンズ消毒剤、コンタクトレンズ用保存剤、コンタクトレンズ用洗浄剤、コンタクトレンズ用洗浄保存剤)等]などが含まれる。本発明の好適な一例として、点眼剤、人工涙液、洗眼剤、コンタクトレンズ装着液が挙げられ、特に好適な例として点眼剤、人工涙液が挙げられる。なお、コンタクトレンズ用組成物として用いる場合には、ハードコンタクトレンズ、ソフトコンタクトレンズを含むあらゆるコンタクトレンズに適用可能である。
本実施形態に係る点眼剤は、ハードコンタクトレンズ、ソフトコンタクトレンズを含むあらゆるコンタクトレンズに対して装用した状態で適用することが可能であるが、アレルギー予防という効果の観点からは、コンタクトレンズ、中でもソフトコンタクトレンズ、特にシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズを装用しない状態で適用することが好適である。シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズとはソフトコンタクトレンズに包含され、イオン性及び非イオン性の双方があるが、イオン性シリコーンコンタクトレンズにはアレルゲンとなるタンパク質を吸着する性質があることが知られている。また、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズは他のソフトコンタクトレンズに比しても材質が固く、角膜上皮に物理的損傷を与え易いことから、アレルギー症状の予防という効果への影響は、計り知れない。しかるに、本実施形態に係る点眼剤は、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズを装用中に点眼することを推奨するものではない。
本実施形態に係る点眼剤は、食物アレルギー、動物アレルギー、花粉症、ハウスダスト(室内塵)によるアレルギー等、各種のアレルギー症状の予防に有効である。中でも、花粉、ハウスダスト(室内塵)などによる目のアレルギー症状の予防に好適であり、そのようなアレルギー症状として具体的には、目の充血、目のかゆみ、目のかすみ、目やにの多いとき、なみだ目、異物感(コロコロする感じ)の予防に使用される。
また、本実施形態に係る点眼剤の用法・用量としては、効果を奏し、副作用の少ない用法・用量であれば特に限定されないが、例えば成人(15歳以上)及び7歳以上の小児の場合、1回に1〜3滴、1日に3〜6回(例えば、朝、昼、夕方及び就寝前)に点眼して用いる方法が好ましい。滴下数としては1回に1〜2滴、点眼回数としては1日に4回がより好ましい。
本実施形態に係る点眼剤は、抗原への接触が予測できる点で、例えば、花粉症などの季節性アレルギー、ハウスダストによるアレルギー又は動物アレルギーによる症状の予防に好適に使用される。
花粉症の原因となる植物としては、例えば、スギ、ヒノキ、シラカンバ、コナラ、クリ、オリーブ、ハンノキ、ケヤキ、イチョウ、アカマツ、ネズ、カモガヤ、オオアワガエリ、ヨモギ及びブタクサが挙げられる。花粉の種類ごとに飛散開始時期は知られているため、アレルギーを引き起こす花粉によって使用開始時期を決定することができる。特に、スギ花粉は毎年2月頃から花粉の飛散が開始し、花粉によるアレルギー症状の中でもスギ花粉症の患者が最も多い。そのため、環境省及び日本気象協会等の機関によって花粉飛散開始時期の予測が毎年行われており、その予測を目安に使用開始時期を決定することができる。したがって、本明細書において「花粉飛散開始」とは、花粉測定器において1cmあたり1個以上の花粉が2日以上連続して観測された最初の日と定義される実際の花粉飛散開始日を意味するのではなく、花粉飛散開始予測日又は時期を意味する。花粉飛散開始予測日又は時期は、いずれの機関が予測したものであってもよい。また、機関によっては花粉飛散開始予測日又は時期が複数回公表する場合があるが、いずれの予測日又は時期であってもよい。使用開始時期の決定にあたっては、使用者が自己の判断で行うことができ、また、医師及び薬剤師等の医療従事者と相談の上決定することもできる。このように、抗原となる花粉の飛散時期を予測できるため、飛散に先立って本実施形態に係る点眼剤を投与することができ、アレルギー症状を効果的に予防することが可能である。
さらに、室内塵等のハウスダストは、アレルギー症状を引き起こすことが知られている。ハウスダストには室内で発生するダニ、ノミ、カビやホコリが含まれる。季節の変わり目における空調機器の切替や寝具の入れ替え、家具の移動等により、ハウスダストと接触することを予測できるため、本実施形態に係る点眼剤を投与し、アレルギー症状を効果的に予防することが好適である。
一方、動物アレルギーのアレルゲンとなる動物としては、イヌ、ネコ、ウサギ、モルモット、ラット、ハムスター及びマウスが挙げられ、家庭で飼育されている動物が多い。したがって、使用者が当該動物と接触する可能性が高いことが予測される場合には、動物アレルギーによる症状を予防するために使用することが好ましい。
本実施形態に係る点眼剤は、角膜上皮バリア機能を亢進させるという効果を奏するため、アレルギー症状の発症する前、特にアレルゲンへの接触前から使用することで、アレルゲンが角膜上皮から角膜実質に浸透するのを効果的に防ぐことが可能となり、アレルギー症状の発症を効果的に予防することができる。
本発明の他の実施形態では、(A)オロパタジン又はその塩と、(B)抗炎症剤、抗ヒスタミン剤、水溶性ビタミン、アミノ酸類及び清涼化剤からなる群から選択される少なくとも1種の化合物とを組み合わせることを特徴とする、アレルギー症状の予防作用を点眼剤に付与する方法を提供するものである。また、さらに他の実施形態では、(A)オロパタジン又はその塩と、(B)抗炎症剤、抗ヒスタミン剤、水溶性ビタミン、アミノ酸類及び清涼化剤からなる群から選択される少なくとも1種の化合物とを組み合わせることを特徴とする、角膜上皮バリア機能の亢進作用を点眼剤に付与する方法を提供するものである。
さらに他の実施形態では、(A)オロパタジン又はその塩と、(B)抗炎症剤、抗ヒスタミン剤、水溶性ビタミン、アミノ酸類及び清涼化剤からなる群から選択される少なくとも1種の化合物とを含有し、点眼して用いられることを特徴とする、アレルギー反応に起因する目の充血予防剤を提供するものである。
さらに他の実施形態では、(A)オロパタジン又はその塩と、(B)抗炎症剤、抗ヒスタミン剤、水溶性ビタミン、アミノ酸類及び清涼化剤からなる群から選択される少なくとも1種の化合物とを含有し、点眼して用いられることを特徴とする、アレルギー反応に起因する目のかゆみの予防剤、アレルギー反応に起因する目のかすみの予防剤、アレルギー反応に起因する目やに過多の予防剤、アレルギー反応に起因するなみだ目予防剤あるいはアレルギー反応に起因する異物感予防剤を提供するものである。
(A)成分及び/又は(B)成分は、有効成分として含有されていてもよい。
以下に、実施例及び試験例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例等によって限定されるものではない。
試験例1:経角膜上皮電気抵抗値TERの測定(1)
以下の表1及び2に従って培養培地中に各薬剤を調製し、各薬剤の角膜バリア機能を評価した。なお、表1及び2中、(A)成分及び(B)成分の含有量は薬剤全体に対する含有量をw/v%で示したものである。
ヒト角膜上皮細胞株HCE−T(理化学研究所バイオリソースセンター、No.RCB2280)をTranswell(登録商標,24ウェル,コーニング社製)のインサート内に1.0×10細胞/ウェル(200μL)で播種した(n=3)。リザーバー側のウェルに各薬剤600μLを入れ、37℃、5%CO条件下で24時間培養した。培養後、MILLICELL(登録商標)−ERS(ミリポア社製)を用いて、経角膜上皮電気抵抗値(TER)を測定し、式(1)に基づいて、上昇率を算出した。TER上昇率が高いほど、角膜上皮細胞間のバリアが強固になり、バリア機能が亢進したことを意味する。なお、式(1)において、コントロールとは、(A)成分も(B)成分も含んでいない培養培地を指す。
TER上昇率(%)=[(各比較例又は実施例のTER値)/(コントロールのTER値)−1]×100 ・・・式(1)
Figure 2015071554
Figure 2015071554
表1に示すとおり、オロパタジン塩酸塩を含有する薬剤(実施例1〜2)ではTERが増加した。さらに、オロパタジン塩酸塩と(B)成分(プラノプロフェン、グリチルリチン酸二カリウム、クロルフェニラミンマレイン酸塩、l−メントール)とを組み合わせることで、顕著なTERの増加を示し、角膜上皮バリア機能が亢進していることが確認された(実施例3〜10)。一方、表2に示すとおり、オロパタジン塩酸塩を含有せず、(B)成分(プラノプロフェン、グリチルリチン酸二カリウム、クロルフェニラミンマレイン酸塩、l−メントール)のみを含有する薬剤(比較例1〜5)では、TERの上昇がほとんど認められない又はTERの低下を示した。
試験例2:経角膜上皮電気抵抗値TERの測定(2)
以下の表3に従って培養培地中に各薬剤を調製し、各薬剤の角膜バリア機能を試験例1と同様の方法で評価した。なお、表3中、(A)成分及び(B)成分の含有量は薬剤全体に対する含有量をw/v%で示したものである。
Figure 2015071554
表3に示すとおり、(A)オロパタジン塩酸塩と、(B)塩酸ピリドキシン又はシアノコバラミンとを組み合わせることによって、顕著なTERの増加を示し、角膜上皮バリア機能が亢進していることが確認された(実施例11〜20)。
試験例3:経角膜上皮電気抵抗値TERの測定(3)
以下の表4に従って培養培地中に各薬剤を調製し、各薬剤の角膜バリア機能を試験例1と同様の方法で評価した。なお、表4中、(A)成分及び(B)成分の含有量は薬剤全体に対する含有量をw/v%で示したものである。
Figure 2015071554
表4に示すとおり、(A)オロパタジン塩酸塩と、(B)アミノエチルスルホン酸又はコンドロイチン硫酸ナトリウムとを組み合わせることによって、顕著なTERの増加を示し、角膜上皮バリア機能が亢進していることが確認された(実施例21〜24)。
製剤例
以下の表5及び6に記載の処方に従って、点眼剤を調製した。これらの点眼剤を用いることで、角膜上皮バリア機能が亢進し、アレルギー症状を予防することができる。なお、表5及び6中、各成分の含有量は薬剤全体に対する含有量をw/v%で示したものである。
Figure 2015071554

Figure 2015071554

Claims (10)

  1. (A)オロパタジン又はその塩を含有する、アレルギー症状の予防用点眼剤。
  2. 前記アレルギーが花粉症、ハウスダスト又は動物によるアレルギーである、請求項1に記載の点眼剤。
  3. 前記アレルギー症状が、目の充血、目のかゆみ、目のかすみ、なみだ目及び目の異物感からなる群から選択される少なくとも1つである、請求項1又は2に記載の点眼剤。
  4. (B)抗炎症剤、抗ヒスタミン剤、水溶性ビタミン、アミノ酸類及び清涼化剤からなる群から選択される少なくとも1種の化合物をさらに含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の点眼剤。
  5. (B)成分として、プラノプロフェン、グリチルリチン酸二カリウム、アラントイン、硫酸ベルベリン、塩化ベルベリン、アズレンスルホン酸ナトリウム、ε−アミノカプロン酸、硫酸亜鉛、乳酸亜鉛及び塩化リゾチームからなる群から選択される少なくとも1種の抗炎症剤を含む、請求項4に記載の点眼剤。
  6. (B)成分として、クロルフェニラミンマレイン酸塩及びジフェンヒドラミン塩酸塩からなる群から選択される少なくとも1種の抗ヒスタミン剤を含む、請求項4又は5に記載の点眼剤。
  7. (B)成分として、塩酸ピリドキシン、シアノコバラミン、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、パンテノール、パントテン酸カルシウム及びパントテン酸ナトリウムからなる群から選択される少なくとも1種の水溶性ビタミンを含む、請求項4〜6のいずれか一項に記載の点眼剤。
  8. (B)成分として、アミノエチルスルホン酸、コンドロイチン硫酸ナトリウム、L−アスパラギン酸カリウム、L−アスパラギン酸マグネシウム及びL−アスパラギン酸マグネシウム・カリウム等量混合物からなる群から選択される少なくとも1種のアミノ酸類を含む、請求項4〜7のいずれか一項に記載の点眼剤。
  9. (B)成分として、メントール、カンフル、ボルネオール、ゲラニオール及びハッカ油からなる群から選択される少なくとも1種の清涼化剤を含む、請求項4〜8のいずれか一項に記載の点眼剤。
  10. (A)オロパタジン又はその塩と、(B)抗炎症剤、抗ヒスタミン剤、水溶性ビタミン、アミノ酸類及び清涼化剤からなる群から選択される少なくとも1種の化合物とを組み合わせる、アレルギー症状の予防作用を点眼剤に付与する方法。
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