JP2021187857A - ソフトコンタクトレンズ用眼科組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】目の乾燥を抑制することのできる新たな眼科組成物を提供すること。【解決手段】(A)ビタミンA類、並びに(B)ネオスチグミンメチル硫酸塩、クロルフェニラミンマレイン酸塩、アミノ酸及びその塩並びにコンドロイチン硫酸ナトリウムからなる群より選択される少なくとも2種を含有する、ソフトコンタクトレンズ用眼科組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、ソフトコンタクトレンズ用眼科組成物に関する。
ソフトコンタクトレンズは水分を多く含んでおり、ハードコンタクトレンズに比べて柔らかく装用感が良好であることから、広く使用されている。しかし、ソフトコンタクトレンズ装用によって、目の炎症、痒みや痛みなどの不快感、目の疲れ、かすみ、ドライアイなどが生じることが知られている。また、ソフトコンタクトレンズはテルペノイドを吸着しやすいという特有の問題点を有することが報告されている(例えば、特許文献1)。
国際公開第2007/145344号
ソフトコンタクトレンズを装着したまま使用可能な眼科製剤に配合される有効成分がソフトコンタクトレンズに吸着すると、当該有効成分による薬効を十分に発揮することができないという問題点がある。
本発明は、ソフトコンタクトレンズへの有効成分の吸着が抑制されたソフトコンタクトレンズ用眼科組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、ネオスチグミンメチル硫酸塩、クロルフェニラミンマレイン酸塩、アミノ酸、及びコンドロイチン硫酸ナトリウムからなる群より選択される少なくとも2種の有効成分を特定量含有する眼科組成物に特定量のビタミンAを共存させることで、意外にもソフトコンタクトレンズへの有効成分の吸着が抑制することを見出した。
本発明は、例えば、以下の各発明を提供する。
[1]
(A)ビタミンA類、並びに(B)ネオスチグミンメチル硫酸塩、クロルフェニラミンマレイン酸塩、アミノ酸及びその塩並びにコンドロイチン硫酸ナトリウムからなる群より選択される少なくとも2種を含有する、ソフトコンタクトレンズ用眼科組成物。
[2]
(B)成分としてネオスチグミンメチル硫酸塩及びクロルフェニラミンマレイン酸塩を含有する、[1]に記載の眼科組成物。
[3]
(B)成分としてアミノ酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種及びコンドロイチン硫酸ナトリウムを含有する、[1]に記載の眼科組成物。
[4]
(B)成分としてネオスチグミンメチル硫酸塩、クロルフェニラミンマレイン酸塩、アミノ酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種並びにコンドロイチン硫酸ナトリウムを含有する、[1]に記載の眼科組成物。
[5]
ビタミンA類の含有量が眼科組成物の総量を基準として4.5万IU/100mL〜6.5万IU/100mLであり、ネオスチグミンメチル硫酸塩の含有量が眼科組成物の総量を基準として0.0045w/v%〜0.0055w/v%であり、クロルフェニラミンマレイン酸塩の含有量が眼科組成物の総量を基準として0.027w/v%〜0.033w/v%であり、アミノ酸及びその塩の含有量が眼科組成物の総量を基準として0.9w/v%〜1.1w/v%であり、コンドロイチン硫酸ナトリウムの含有量が眼科組成物の総量を基準として0.45w/v%〜0.55w/v%である、[1]〜[4]のいずれかに記載の眼科組成物。
本発明によれば、ソフトコンタクトレンズへの有効成分の吸着が抑制されたソフトコンタクトレンズ用眼科組成物を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本明細書において、特に記載のない限り、含有量の単位「%」は「w/v%」を意味し、「g/100mL」と同義である。
本実施形態に係るソフトコンタクトレンズ用眼科組成物は、(A)ビタミンA類(単に「(A)成分」とも表記する。)、並びに(B)ネオスチグミンメチル硫酸塩、クロルフェニラミンマレイン酸塩、アミノ酸及びその塩並びにコンドロイチン硫酸ナトリウムからなる群より選択される少なくとも2種(単に「(B)成分」とも表記する。)を含有する。
〔(A)成分〕
ビタミンA類は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。ビタミンA類として具体的には、レチノール、レチナール、レチノイン酸及びこれらの誘導体、並びにこれらの塩が挙げられる。
ビタミンA類の誘導体としては、例えば、パルミチン酸レチノール、酢酸レチノール、酪酸レチノール、プロピオン酸レチノール、オクチル酸レチノール、ラウリル酸レチノール、オレイン酸レチノール及びリノレン酸レチノール等の1価のカルボン酸とのエステルが挙げられる。
ビタミンA類の塩としては、例えば、有機酸塩[例えば、モノカルボン酸塩(酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、酪酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩等)、多価カルボン酸塩(フマル酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、マロン酸塩等)、オキシカルボン酸塩(乳酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等)、有機スルホン酸塩(メタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、トシル酸塩等)等]、無機酸塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩等)、有機塩基との塩(例えば、メチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、ピペラジン、ピロリジン、トリピリジン、ピコリン等の有機アミンとの塩等)、無機塩基との塩[例えば、アンモニウム塩;アルカリ金属(ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム等)、アルミニウム等の金属との塩等]が挙げられる。
ビタミンA類としては、レチノールの誘導体が好ましく、レチノールと1価のカルボン酸とのエステルがより好ましく、パルミチン酸レチノール及び酢酸レチノールが更に好ましく、パルミチン酸レチノールが更により好ましい。
ビタミンA類としては、合成物を使用してもよいし、又は天然物から得られる抽出物(例えば、ビタミンA油など)を使用してもよい。ビタミンA油とは、レチノールを含有する動物の組織等から得られる脂肪油、若しくはその濃縮物、又はそれらに植物油を適宜添加したものである。ビタミンA類として、市販されているものを使用することもできる。ビタミンA類は、1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本実施形態に係る眼科組成物におけるビタミンA類の含有量は、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、例えば、眼科組成物の総量を基準として3.5万IU/100mL〜10万IU/100mL、4万IU/100mL〜8万IU/100mL、4.5万IU/100mL〜6.5万IU/100mL、4.7万IU/100mL〜6.3万IU/100mL、4.8万IU/100mL〜6.2万IU/100mL、4.9万IU/100mL〜6.1万IU/100mL、又は5万IU/100mLであってもよい。なお、「IU」とは、第十七改正日本薬局方ビタミンA定量法等に記載の手法により求められる国際単位を意味する。例えば、第十七改正日本薬局方の医薬品各条において、酢酸レチノールの場合、1gにつきビタミンA250万単位以上を含むこと、パルミチン酸レチノールの場合、1gにつきビタミンA150万単位以上を含むことが記載されている。
〔(B)成分〕
(ネオスチグミンメチル硫酸塩)
ネオスチグミンメチル硫酸塩は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。
ネオスチグミンメチル硫酸塩は、メチル硫酸(3−ジメチルカルバモイルオキシフェニル)トリメチルアンモニウムとも称される公知の化合物である。
本実施形態に係る眼科組成物におけるネオスチグミンメチル硫酸塩の含有量は、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、例えば、眼科組成物の総量を基準として0.0005w/v%〜0.05w/v%、0.001w/v%〜0.01w/v%、0.0045w/v%〜0.0055w/v%、0.0047w/v%〜0.0053w/v%、又は0.005w/v%であってもよい。
(クロルフェニラミンマレイン酸塩)
クロルフェニラミンマレイン酸塩は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。
クロルフェニラミンマレイン酸塩は、モノマレイン酸(3RS)−3−(4−クロロフェニル)−N,N−ジメチル−3−ピリジン−2−イルプロピルアミンとも称される公知の化合物である。
本実施形態に係る眼科組成物におけるクロルフェニラミンマレイン酸塩の含有量は、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、例えば、眼科組成物の総量を基準として0.01w/v%〜0.05w/v%、0.027w/v%〜0.033w/v%、0.028w/v%〜0.032w/v%、又は0.03w/v%であってもよい。
(アミノ酸及びその塩)
アミノ酸及びその塩は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。
アミノ酸及びその塩としては、例えば、L−アスパラギン酸又はその塩(例えば、L−アスパラギン酸カリウム、L−アスパラギン酸ナトリウム、L−アスパラギン酸マグネシウム、L−アスパラギン酸カルシウム、L−アスパラギン酸マグネシウム・カリウム(L−アスパラギン酸マグネシウムとL−アスパラギン酸カリウムとの等量混合物))、アミノエチルスルホン酸又はその塩、L−アルギニン、グルタミン酸、グリシン、アラニン、リジン、γ−アミノ酪酸、γ−アミノ吉草酸、トリメチルグリシン及びそれらの塩等が挙げられる。アミノ酸及びその塩は、市販のものを用いることもできる。アミノ酸及びその塩としては、L体、D体、DL体のいずれであってもよく、L−アスパラギン酸カリウム、L−アスパラギン酸マグネシウム及びL−アスパラギン酸マグネシウム・カリウム等量混合物等が例示される。アミノ酸及びその塩の中でも、本発明による効果をより一層高める観点から、アスパラギン酸、アミノエチルスルホン酸及びそれらの塩が好ましく、アミノエチルスルホン酸が特に好ましい。
本実施形態に係る眼科組成物におけるアミノ酸及びその塩の含有量は、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、例えば、眼科組成物の総量を基準として0.001w/v%〜5w/v%、0.01w/v%〜2w/v%、0.1w/v%〜1.5w/v%、0.9w/v%〜1.1w/v%、又は1w/v%であってもよい。
(コンドロイチン硫酸ナトリウム)
コンドロイチン硫酸ナトリウムは、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。コンドロイチン硫酸ナトリウムの分子量は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されることを限度として、特に制限されないが、通常、重量平均分子量で0.1万〜10万程度、好ましくは0.5万〜5万程度、更に好ましくは1万〜4万程度のものを使用できる。
本実施形態に係る眼科組成物におけるコンドロイチン硫酸ナトリウムの含有量は、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、例えば、眼科組成物の総量を基準として0.05w/v%〜1w/v%、0.1w/v%〜0.8w/v%、0.45w/v%〜0.55w/v%、0.47w/v%〜0.53w/v%、又は0.5w/v%であってもよい。
(B)成分は、ネオスチグミンメチル硫酸塩、クロルフェニラミンマレイン酸塩、アミノ酸及びその塩並びにコンドロイチン硫酸ナトリウムからなる群より選択される2種を含有するものであってもよく、3種を含有するものであってもよく、又は4種を含有するものであってもよい。(B)成分としては、本発明による効果をより顕著に発揮する観点から、ネオスチグミンメチル硫酸塩及びクロルフェニラミンマレイン酸塩、並びにアミノ酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種及びコンドロイチン硫酸ナトリウムを含有することが好ましく、ネオスチグミンメチル硫酸塩、クロルフェニラミンマレイン酸塩、アミノ酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種並びにコンドロイチン硫酸ナトリウムを含有することがより好ましい。
ソフトコンタクトレンズの連続装用により、角膜が傷ついたり炎症を起こしたりすることが知られている。そのため、ソフトコンタクトレンズを装着したまま使用可能な眼科製剤において、角膜上皮細胞を保護する作用、あるいは角膜組織を修復する作用を併せ持たせることが望ましい。
本発明の一実施形態に係る(A)成分、及び(B)成分としてアミノ酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種並びにコンドロイチン硫酸ナトリウムを所定量含有する眼科組成物は、後述の試験例から明らかなように、優れた角膜上皮細胞保護作用を有している。また、角膜上皮細胞を保護できることにより角膜組織が修復される。したがって、本発明によれば、角膜上皮細胞保護作用及び/又は角膜組織修復作用を併せ持つソフトコンタクトレンズ用眼科組成物を提供することができる。
また、ソフトコンタクトレンズの装用に起因して生じた角膜の傷や炎症、目の乾燥などにより、目に違和感、不快感、痛み、又はヒリつき(目の乾燥が進んだときに感じる目を開けていられない程の痛み、ソフトコンタクトレンズを外すときに感じるピリっと走るような痛み)を感じることが知られている。そのため、ソフトコンタクトレンズを装着したまま使用可能な眼科製剤において、目の違和感、不快感、痛み、ヒリつきを抑制する作用を併せ持たせることが望ましい。
本発明の一実施形態に係る(A)成分、及び(B)成分としてネオスチグミンメチル硫酸塩及びクロルフェニラミンマレイン酸塩を所定量含有する眼科組成物は、後述の試験例から明らかなように、ソフトコンタクトレンズ装用による不快感、痛み、及び/又はヒリつきを抑制する作用を有している。したがって、本発明によれば、ソフトコンタクトレンズによる違和感抑制作用、不快感抑制作用、痛み抑制作用及び/又はヒリつき抑制作用を併せ持つソフトコンタクトレンズ用眼科組成物を提供することができる。
本実施形態に係る眼科組成物のpHは、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容される範囲内であれば特に限定されるものではない。本実施形態に係る眼科組成物のpHとしては、例えば、4.0〜9.5、4.0〜9.0、4.5〜9.0、4.5〜8.5、5.0〜8.5、5.0〜8.0、5.5〜7.5、又は6.0〜7.0であってもよい。
本実施形態に係る眼科組成物は、必要に応じて、生体に許容される範囲内の浸透圧比に調節することができる。適切な浸透圧比は、眼科組成物の用途、製剤形態、使用方法等に応じて適宜設定され得るが、例えば、0.4〜5.0とすることができ、0.6〜3.0とすることが好ましく、0.8〜2.2とすることがより好ましく、0.8〜2.0とすることが更に好ましい。浸透圧比は、第十七改正日本薬局方に基づき、286mOsm(0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液の浸透圧)に対する試料の浸透圧の比とし、浸透圧は日本薬局方記載の浸透圧測定法(凝固点降下法)を参考にして測定する。なお、浸透圧比測定用標準液(0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液)は、塩化ナトリウム(日本薬局方標準試薬)を500〜650℃で40〜50分間乾燥した後、デシケーター(シリカゲル)中で放冷し、その0.900gを正確に量り、精製水に溶かし正確に100mLとして調製するか、市販の浸透圧比測定用標準液(0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液)を用いることができる。
本実施形態に係る眼科組成物の粘度は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容される範囲内であれば、特に限定されるものではない。本実施形態に係る眼科組成物の粘度としては、例えば、回転粘度計(TV−20型粘度計、東機産業社製、ローター;1°34’×R24)で測定した20℃における粘度が1〜10000mPa・s、1〜8000mPa・s、1〜1000mPa・s、1〜100mPa・s、1〜20mPa・s、又は1〜10mPa・sであってもよい
本実施形態に係る眼科組成物は、本発明の効果を損なわない範囲であれば、上記成分の他に種々の薬理活性成分及び生理活性成分から選択される成分を組み合わせて適当量含有していてもよい。当該成分は特に制限されず、例えば、一般用医薬品製造販売承認基準2012年版(一般社団法人 レギュラトリーサイエンス学会 監修)に記載された眼科用薬における有効成分が例示できる。眼科用薬において用いられる成分として、具体的には、例えば、次のような成分が挙げられる。
抗アレルギー剤:例えば、クロモグリク酸ナトリウム、トラニラスト、ペミロラストカリウム、アシタザノラスト、アンレキサノクス、イブジラスト等。
抗ヒスタミン剤:例えば、ジフェンヒドラミン又はその塩(例えば、塩酸ジフェンヒドラミン)、イプロヘプチン又はその塩(例えば、塩酸イプロヘプチン)、レボカバスチン又はその塩(例えば、塩酸レボカバスチン)、ケトチフェン又はその塩(例えば、フマル酸ケトチフェン)、ペミロラストカリウム、オロパタジン又はその塩(例えば、塩酸オロパタジン)等。
消炎剤:例えば、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール、アラントイン、トラネキサム酸、リゾチーム、塩化リゾチーム、インドメタシン、プラノプロフェン、イブプロフェン、イブプロフェンピコノール、ケトプロフェン、フェルビナク、ベンダザック、ピロキシカム、ブフェキサマク、フルフェナム酸ブチル、イプシロン−アミノカプロン酸、塩化ベルベリン、硫酸ベルベリン、アズレンスルホン酸ナトリウム、グリチルリチン酸又はその塩(例えば、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム)等。
ステロイド剤:例えば、プロピオン酸フルチカゾン、フランカルボン酸フルチカゾン、フランカルボン酸モメタゾン、プロピオン酸ベクロメタゾン、フルニソリド等。
充血除去剤:例えば、塩酸テトラヒドロゾリン、硝酸テトラヒドロゾリン、塩酸ナファゾリン、硝酸ナファゾリン、エピネフリン、塩酸エピネフリン、塩酸エフェドリン、塩酸フェニレフリン、dl−塩酸メチルエフェドリン等。
眼筋調節薬剤:例えば、アセチルコリンと類似した活性中心を有するコリンエステラーゼ阻害剤、具体的にはトロピカミド、ヘレニエン、硫酸アトロピン、塩酸ピロカルピン等。
ビタミン類:例えば、酢酸トコフェロール、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、シアノコバラミン、塩酸ピリドキシン、パンテノール、パントテン酸カルシウム、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム等。
収斂剤:例えば、亜鉛華、乳酸亜鉛、硫酸亜鉛等。
その他:例えば、スルファメトキサゾール、スルフイソキサゾール、スルフイソミジン及びそれらの塩等。
本実施形態に係る眼科組成物には、本発明の効果を損なわない範囲であれば、その用途及び製剤形態に応じて、常法に従い、様々な添加物を適宜選択し、1種又はそれ以上を併用して適当量含有させてもよい。このような添加物として、例えば、医薬品添加物事典2016(日本医薬品添加剤協会編集)に記載された各種添加物が例示できる。代表的な成分として次の添加物が挙げられる。
担体:例えば、水、含水エタノール等の水性溶媒。
キレート剤:例えば、エチレンジアミン二酢酸(EDDA)、エチレンジアミン三酢酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)等。
基剤:例えば、オクチルドデカノール、酸化チタン、臭化カリウム、プラスチベース等。
pH調節剤:例えば、塩酸、酢酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等。
界面活性剤:例えば、チロキサポール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ステアリン酸ポリオキシル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポロクサマー類等の非イオン界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、N−アシルタウリン塩等の陰イオン界面活性剤;ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等の両性イオン界面活性剤等。中でも、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ステアリン酸ポリオキシル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポロクサマー類が好ましい。
香料又は清涼化剤:例えば、メントール、メントン、カンフル、ボルネオール、ゲラニオール、シネオール、シトロネロール、カルボン、アネトール、オイゲノール、リモネン、リナロール、酢酸リナリル、チモール、シメン、テルピネオール、ピネン、カンフェン、イソボルネオール、フェンチェン、ネロール、ミルセン、ミルセノール、酢酸リナロール、ラバンジュロール、ユーカリ油、ベルガモット油、ペパーミント油、クールミント油、スペアミント油、ハッカ油、ウイキョウ油、ケイヒ油、ローズ油、樟脳油等。これらは、d体、l体又はdl体のいずれでもよい。
増粘剤:例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム等のセルロース系高分子化合物;ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等のポリビニル系高分子化合物;カルボキシビニルポリマー;グアーガム;ヒドロキシプロピルグアーガム;アラビアゴム;カラヤガム;キサンタンガム;寒天;アルギン酸及びその塩(ナトリウム塩等);ヘパリン類似物質、ヘパリン、ヘパリン硫酸、ヘパラン硫酸、ヘパリノイド、ヒアルロン酸及びその塩(ナトリウム塩等)のムコ多糖類;デンプン;キチン及びその誘導体;キトサン及びその誘導体;カラギーナン;ブドウ糖等の単糖類等。
緩衝剤:例えば、ホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、炭酸緩衝剤、酢酸緩衝剤、乳酸緩衝剤、コハク酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、トリス緩衝剤、AMPD緩衝剤等。中でも、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、ホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤が好ましく、ホウ酸緩衝剤が特に好ましい。具体的な含有量の範囲として、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、例えば、眼科組成物の総量を基準として、緩衝剤の総含有量が0.01w/v%〜5w/v%であることが好ましく、0.1w/v%〜3w/v%であることがより好ましく、0.5w/v%〜1.5w/v%が特に好ましい。
安定化剤:例えば、エデト酸、エデト酸塩類(エデト酸二ナトリウム、エデト酸カルシウム二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム)、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート(ロンガリット)、モノステアリン酸アルミニウム、モノステアリン酸グリセリン、シクロデキストリン、モノエタノールアミン、ジブチルヒドロキシトルエン、亜硫酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム等。
防腐剤:例えば、アルキルポリアミノエチルグリシン類第四級アンモニウム塩(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等)、グルコン酸クロルヘキシジン、塩化ポリドロニウム、塩化亜鉛、安息香酸ナトリウム、エタノール、クロロブタノール、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、硫酸オキシキノリン、フェネチルアルコール、ベンジルアルコール、ビグアニド化合物(具体的には、塩酸ポリヘキサニド(ポリヘキサメチレンビグアニド)、アレキシジン等)、グローキル(ローディア社製 商品名)等。
等張化剤:例えば、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、グリセリン、プロピレングリコール、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム等。
糖アルコール類:例えば、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、グリセリン等。これらはd体、l体又はdl体のいずれでもよい。
油類:例えば、ゴマ油、ヒマシ油、ダイズ油、オリーブ油等の植物油;スクワラン等の動物油;流動パラフィン、ワセリン等の鉱物油等。
本実施形態に係る眼科組成物は、本発明の効果を顕著に奏することができる観点から、イプシロン−アミノカプロン酸、アラントイン、塩化ベルベリン又は硫酸ベルベリン、アズレンスルホン酸ナトリウム、グリチルリチン酸二カリウム、及び硫酸亜鉛又は乳酸亜鉛からなる群より選択される少なくとも3種を含有しないことが好ましく、イプシロン−アミノカプロン酸、アラントイン及びグリチルリチン酸二カリウムの組合せ;アラントイン、塩化ベルベリン及び硫酸亜鉛の組合せ;アラントイン、グリチルリチン酸二カリウム及び硫酸亜鉛の組合せ;イプシロン−アミノカプロン酸、塩化ベルベリン及びグリチルリチン酸二カリウムの組合せ;並びにアラントイン、アズレンスルホン酸ナトリウム及びグリチルリチン酸二カリウムの組合せを含まないことがより好ましい。
本実施形態に係る眼科組成物が水を含有する場合、水の含有量としては、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、例えば、眼科組成物の総量を基準として、水の含有量が、80w/v%以上100w/v%未満、85w/v%以上99.5w/v%以下、又は90w/v%以上99.2w/v%以下であってもよい。
本実施形態に係る眼科組成物に使用される水は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであればよい。このような水として、例えば、蒸留水、常水、精製水、滅菌精製水、注射用水及び注射用蒸留水等を挙げることができる。それらの定義は第十七改正日本薬局方に基づく。
本実施形態に係る眼科組成物は、所望量の(A)成分、(B)成分、及び必要に応じて他の成分を所望の濃度となるように添加及び混和することにより調製することができる。例えば、精製水でそれらの成分を溶解又は分散させ、所定のpH及び浸透圧に調整し、濾過滅菌等により滅菌処理することで調製できる。なお、(A)成分に対する(B)成分の配合量は、(B)成分がネオスチグミンメチル硫酸塩である場合、ビタミンA類1万IU/100mLに対して、ネオスチグミンメチル硫酸塩は0.0002g〜0.0015g、0.00069g〜0.0012g、0.00075g〜0.0011g、0.001gであってもよい。(B)成分がクロルフェニラミンマレイン酸塩である場合、ビタミンA類1万IU/100mLに対して、クロルフェニラミンマレイン酸塩は0.002g〜0.009g、0.0043g〜0.007g、0.0046g〜0.0067g、又は0.006gであってもよい。(B)成分がアミノ酸及びその塩である場合、ビタミンA類1万IU/100mLに対して、アミノ酸及びその塩は0.02g〜1g、0.1g〜0.4g、0.14g〜0.24g、0.16g〜0.22g、又は0.2gであってもよい。(B)成分がコンドロイチン硫酸ナトリウムである場合、ビタミンA類1万IU/100mLに対して、コンドロイチン硫酸ナトリウムは0.01g〜0.2g、0.02g〜0.16g、0.069g〜0.12g、0.075g〜0.11g、又は0.1gであってもよい。
本実施形態に係る眼科組成物は、目的に応じて種々の製剤形態をとることができる。製剤形態として、例えば、液剤、ゲル剤、半固形剤(軟膏等)等が挙げられる。中でも、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、液剤が好ましい。
本実施形態に係る眼科組成物は、ソフトコンタクトレンズと接触させて使用するための組成物である。例えば、ソフトコンタクトレンズを装着したまま使用可能な点眼剤であるソフトコンタクトレンズ用点眼剤、ソフトコンタクトレンズを装着したまま使用可能な洗眼剤であるソフトコンタクトレンズ用洗眼剤、ソフトコンタクトレンズ装着液、ソフトコンタクトレンズ用液(洗浄液、保存液、消毒液、マルチパーパスソリューション)などが挙げられる。中でも、ソフトコンタクトレンズ用点眼剤として好適に使用できる。ソフトコンタクトレンズ用点眼剤、及びソフトコンタクトレンズ用洗眼剤は、ソフトコンタクトレンズを装着又は装用していないときにも使用できるが、ソフトコンタクトレンズ装着又は装用時に使用するのに適したものである。
ソフトコンタクトレンズは、含水率とイオン性の有無によりグループI〜IVの4種類に分類することができる。グループIのソフトコンタクトレンズは、含水率が50%未満であり、原材料ポリマーの構成モノマーのうち陰イオンを有するモノマーのモル%が1%未満のレンズである。グループIIのソフトコンタクトレンズは、含水率が50%以上であり、上記モノマーのモル%が1%未満のレンズである。グループIIIのソフトコンタクトレンズは、含水率が50%未満であり、上記モノマーのモル%が1%以上のレンズである。グループIVのソフトコンタクトレンズは、含水率が50%以上であり、上記モノマーのモル%が1%以上のレンズである。本実施形態に係る眼科組成物は、何れのグループのソフトコンタクトレンズにも適用できるが、中でもグループIIとIVが好適であり、グループIVがより好適である。
また、ソフトコンタクトレンズには、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズと、ハイドロゲルコンタクトレンズとがある。シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズは、シリコーンを含有する素材、例えばシリコーンとアクリレートとの重合体などに、親水性モノマー、例えばヒドロキシエチルメタクリレートやジメチルアクリルアミドなどを共重合させた素材で構成されている。本実施形態に係る眼科組成物は、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ、及びハイドロゲルコンタクトレンズの何れにも適用できる。
本実施形態に係る眼科組成物は、本発明による効果をより顕著に発揮できることから、ソフトコンタクトレンズ用点眼剤であることが好ましい。本実施形態に係る眼科組成物が点眼剤である場合、その用法・用量としては、効果を奏し、副作用の少ない用法・用量であれば特に限定されないが、例えば成人(15歳以上)及び7歳以上の小児の場合、1回1〜3滴、1〜2滴、又は2〜3滴を1日2〜4回、又は5〜6回点眼して用いる方法を例示できる。
本実施形態に係る眼科組成物は、任意の容器に収容して提供される。本実施形態に係る眼科組成物を収容する容器については特に制限されず、例えば、ガラス製であってもよく、またプラスチック製であってもよい。好ましくはプラスチック製である。プラスチックとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリアリレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド及びこれらを構成するモノマーの共重合体、並びにこれら2種以上を混合したものが挙げられる。好ましくは、ポリエチレンテレフタレートである。また、本実施形態に係る眼科組成物を収容する容器は、容器内部を視認できる透明容器であってもよく、容器内部の視認が困難な不透明容器であってもよい。好ましくは透明容器である。ここで、「透明容器」とは、無色透明容器及び有色透明容器の双方が含まれる。
本実施形態に係る眼科組成物を収容する容器には、ノズルが装着されてもよい。ノズルの材質については特に制限されず、例えば、ガラス製であってもよく、またプラスチック製であってもよい。好ましくはプラスチック製である。プラスチックとしては、例えば、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート及びこれらを構成するモノマーの共重合体、並びにこれら2種以上を混合したものが挙げられる。ノズルの材質としては、本発明の効果をより一層高めるという観点から、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートが好ましく、ポリエチレン、ポリエチレンナフタレートがより好ましい。
本実施形態に係る眼科組成物を収容する容器は、複数回の使用量が収容されるマルチドーズ型であってもよく、単回の使用量が収容されるユニットドーズ型であってもよい。
本実施形態に係る眼科組成物は、内容積が4〜30mLである容器に充填されてなることが好ましく、内容積が5〜20mLである容器に充填されてなることがより好ましく、内容積が6〜18mLである容器に充填されてなることが更に好ましく、内容積が10〜16mLである容器に充填されてなることが更により好ましい。また、内容積が0.1〜3mLである容器に充填されてもよく、内容積が0.2〜1mLである容器に充填されてもよい。
以下、試験例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔試験例1:ソフトコンタクトレンズへの成分の吸着抑制評価(1)〕
表1及び表2に示す組成で、常法に従い各処方例の眼科組成物を調製した。
ソフトコンタクトレンズ(ジョンソン・エンド・ジョンソン社製、2ウィーク アキュビュー、グループIV)を生理食塩水(大塚生食注)で洗浄した。12ウェルプレート(FALCON社製、品番353043)の各ウェルに4mLの生理食塩水を分注し、ソフトコンタクトレンズを1枚ずつ、常温で4時間以上浸漬した。浸漬後、ソフトコンタクトレンズに付着した液を不織布ワイパー(ベンコット、PS−2、小津産業)でふき取った。次いで、上記調製した各処方例の眼科組成物をPFAボトル(サンプラテック製、品番:SAN13905)に10mL注入し、そこに各ソフトコンタクトレンズ1枚を浸漬し、120rpm、34℃の条件で24時間振盪を行った。次いで、各処方例についてサンプル群の眼科組成物(ソフトコンタクトレンズを浸漬させたもの)及びブランク群の眼科組成物(ソフトコンタクトレンズを浸漬させずに4℃で24時間保管したもの)に含まれるネオスチグミンメチル硫酸塩及びクロルフェニラミンマレイン酸塩をHPLCにて定量し、その差をソフトコンタクトレンズに吸着したネオスチグミンメチル硫酸塩及びクロルフェニラミンマレイン酸塩の吸着量とした。次いで、下記式1に従い、基準となる処方例の吸着率を100%とした場合の各処方例の吸着率を算出した。結果を表1及び表2に示す。
なお、処方例1−2及び1−3については基準となる処方例は1−1であり、処方例1−5及び1−6については基準となる処方例は1−4であり、処方例1−8については基準となる処方例は1−7であり、処方例1−10については基準となる処方例は1−9である。
(式1):基準となる処方例に対する吸着率(%)=(処方例の吸着量/基準となる処方例の吸着量)×100
Figure 2021187857
Figure 2021187857
有効成分としてネオスチグミンメチル硫酸塩のみ含有する処方例1−1及び1−4の眼科組成物にビタミンA及びクロルフェニラミンマレイン酸塩を配合した処方例1−2及び1−5の眼科組成物では、処方例1−1及び1−4の眼科組成物と比較してソフトコンタクトレンズへのネオスチグミンメチル硫酸塩の吸着が顕著に抑制された。さらに、処方例1−1及び1−4の眼科組成物にビタミンA、クロルフェニラミンマレイン酸塩、アミノエチルスルホン酸及びコンドロイチン硫酸ナトリウムを配合した処方例1−3及び1−6の眼科組成物では、処方例1−1及び1−4の眼科組成物と比較してソフトコンタクトレンズへのネオスチグミンメチル硫酸塩の吸着が一層顕著に抑制された。
有効成分としてクロルフェニラミンマレイン酸塩のみ含有する処方例1−7及び1−9の眼科組成物にビタミンA、ネオスチグミンメチル硫酸塩、アミノエチルスルホン酸及びコンドロイチン硫酸ナトリウムを配合した処方例1−8及び1−10の眼科組成物では、処方例1−7及び1−9の眼科組成物と比較してソフトコンタクトレンズへのクロルフェニラミンマレイン酸塩の吸着が抑制された。
〔試験例2:ソフトコンタクトレンズの直径変化の抑制評価〕
ソフトコンタクトレンズ用眼科組成物には、ソフトコンタクトレンズの物性(色、形、固さ、もろさなど)に及ぼす影響がないことが求められており、レンズ物性(直径やベースカーブなど)が変化するとフィッティングに影響し、目に異物感や不快感が生じたり、ソフトコンタクトレンズが外れやすくなったりする。よって、ソフトコンタクトレンズの直径変化を抑制することのできる眼科組成物は、ソフトコンタクトレンズ装用による目の異物感及び/又は不快感を抑制することができるものと評価される。
(方法)
表3〜5に示す組成で、常法に従い各処方例の眼科組成物を調製した。
ソフトコンタクトレンズ1(アルコン社製、フォーカスデイリーズ、グループII、直径のメーカー規格値:13.80mm)及びソフトコンタクトレンズ2(ジョンソン・エンド・ジョンソン社製、2ウィーク アキュビュー、グループIV、直径のメーカー規格値:14.00mm)を生理食塩水(大塚生食注)で洗浄した。12ウェルプレート(FALCON社製、品番353043)の各ウェルに4mLの生理食塩水を分注し、ソフトコンタクトレンズを1枚ずつ、常温で4時間以上浸漬した。浸漬後、ソフトコンタクトレンズに付着した液を不織布ワイパー(ベンコット、PS−2、小津産業)でふき取った。次いで、PFAボトル(サンプラテック製、品番:SAN13905)に上記調製した各処方例の眼科組成物10mLを注入し、これに各ソフトコンタクトレンズ1枚を浸漬し、120rpm、34℃の条件で24時間振盪を行った。次いで、各ソフトコンタクトレンズを各処方例の眼科組成物に浸漬したまま20℃に恒温化し、ソフトコンタクトレンズの直径を万能投影機(ニコン社製、V−12B)にて測定した。次いで、当該直径の測定値とソフトコンタクトレンズの直径のメーカー規格値との差を直径変化とし、下記式2に従い、基準となる処方例における直径変化を100%とした場合の各処方例における直径の変化率を算出した。結果を表3〜5に示す。
なお、処方例2−2については基準となる処方例は2−1であり、処方例2−4については基準となる処方例は2−3であり、処方例2−6については基準となる処方例は2−5であり、処方例2−8については基準となる処方例は2−7である。
(式2):基準となる処方例に対する直径の変化率(%)=(処方例の直径変化/基準となる処方例の直径変化)×100
Figure 2021187857
Figure 2021187857
Figure 2021187857
有効成分としてクロルフェニラミンマレイン酸塩のみ含有する処方例2−1及び2−3の眼科組成物にビタミンA、ネオスチグミンメチル硫酸塩、アミノエチルスルホン酸及びコンドロイチン硫酸ナトリウムを配合した処方例2−2及び2−4の眼科組成物では、処方例2−1及び2−3の眼科組成物と比較してソフトコンタクトレンズの直径の変化率がそれぞれ抑制された。
有効成分としてネオスチグミンメチル硫酸塩のみ含有する処方例2−5及び2−7の眼科組成物にビタミンA、クロルフェニラミンマレイン酸塩、アミノエチルスルホン酸及びコンドロイチン硫酸ナトリウムを配合した処方例2−6及び2−8の眼科組成物では、処方例2−5及び2−7の眼科組成物と比較してソフトコンタクトレンズの直径の変化率がそれぞれ抑制された。
〔試験例3:Nav1.7電流測定試験〕
ソフトコンタクトレンズの装用等によりNav1.7を含む痛覚に関するイオンチャネルのリン酸化及び発現が亢進すると、神経興奮性が上昇して、目の痛みを誘発することが報告されている(例えば、The Ocular Surface、Vol.16(1)、January 2018、p31−44)。よって、Nav1.7電流を抑制することのできる眼科組成物は、ソフトコンタクトレンズ装用による目の違和感、不快感、痛み及び/又はヒリつきを抑制することができるものと評価される。
(方法)
表6に示す組成で、常法に従い各処方例の試験液を調製した。
hNav1.7−expressed CHO細胞をカバーガラス上に播種した。電位固定下で細胞膜全体を通過したNaV1.7電流を、ホールセルパッチクランプ法で記録した。保持電位を−100mVに設定し、10秒に1回の頻度で細胞に−20mV、30msecの脱分極パルスを与えた。細胞外液中で、Nav1.7電流の内向きピーク値の安定が確認された後、各処方例の試験液を細胞に5分間適用した。Nav1.7電流はパッチクランプ用アンプ(Axopatch 200B、Molecular Devices LLC、California、USA)を用いて測定し、得られた電気信号はパッチクランプ用記録解析ソフト(pCLAMP 10、Molecular Devices LLC、California、USA)を介してコンピュータ上に記録した。Nav1.7電流のピーク値を求め、各処方例適用前のNav1.7電流に対する適用後のNav1.7電流の変化率(Nav1.7電流抑制率)を算出した。下記の式3に基づいて、処方例3−1の抑制率を100とした時の処方例3−2の抑制率を算出した。結果を表6に示す。
(式3):基準となる処方例に対するNav1.7電流抑制率=(各処方例のNav1.7電流抑制率/処方例3−1のNav1.7電流抑制率)×100
なお、細胞外液として以下の組成を有する水溶液に0.5w/v%となるようにDMSOを添加したものを用いた。
NaCl:140mmol/L、KCl:4mmol/L、CaCl:2mmol/L、MgCl:1mmol/L、HEPES:10mmol/L、D(+)−glucose:10mmol/L(1mol/L NaOHでpH7.35に調整)
Figure 2021187857
有効成分としてビタミンA、ネオスチグミンメチル硫酸塩及びクロルフェニラミンマレイン酸塩を含有する処方例3−2では有効成分としてビタミンAのみを配合する処方例3−1と比較して約2.8倍Nav1.7電流を抑制することが確認された。したがって、本実施形態に係る眼科組成物は、ソフトコンタクトレンズ装用による目の違和感、不快感、痛み及び/又はヒリつきを顕著に抑制することができる。
〔試験例4:角膜上皮細胞の増殖試験〕
表7に示す組成で、常法に従い各処方例の試験液を調製した。
不死化ヒト角膜上皮細胞(HCE−T)(理化学研究所)を6×10cells/wellとなるように96ウェルプレート(Corning 3340)に播種して、37℃、5%CO、湿度90%の条件下で3日間培養した。上記調製した各試験液を培養上清を除去した上記細胞に添加し、37℃、5%CO、湿度90%の条件下でさらに3日間培養した。培養上清を除去し、培養培地で10倍希釈したCell Counting Kit 8(DOJINDO)の溶液を細胞に添加し、1時間後に450nmの吸光度を測定した。下記の式4に基づいて、ビタミンA、コンドロイチン硫酸ナトリウム及びアミノエチルスルホン酸のいずれも含まない試験液(処方例4−1)を対照群とし、当該対照群における細胞生存率を100%とした場合の各処方例の細胞生存率を評価した。下記の式4における「ブランク」とは細胞を播種していない場合のWST−8溶液の450nmの吸光度である。結果を表7に示す。
(式4)基準となる処方例に対する細胞生存率(%)={(各処方例の450nmの吸光度−ブランク)/(処方例4−1の450nmの吸光度−ブランク)}×100
なお、培養培地としてinsulin(5μg/mL)、hEGF(10μg/mL)、滅菌DMSO(0.5%)及びFBS(5%)を添加したDMEM/F−12(Dulbecco’s Modified Eagle Medium/Nutrient Mixture F−12、Gibco社製)培地を用いた。
Figure 2021187857
有効成分としてビタミンAのみを含有する処方例4−2では対照の処方例4−1と比較して、細胞生存率はほとんど変化しなかった。一方、有効成分としてビタミンA、コンドロイチン硫酸ナトリウム及びアミノエチルスルホン酸を含有する処方例4−3では対照の処方例4−1と比較して有意に細胞の生存率が高かった(p<0.05、Dunnett検定)。よって、本実施形態に係る眼科組成物は優れた角膜上皮細胞保護作用を有していることが確認された。
〔試験例5:ソフトコンタクトレンズへの成分の吸着抑制評価(2)〕
表8〜10に示す組成で、常法に従い各処方例の眼科組成物を調製した。
ソフトコンタクトレンズ3(ジョンソン・エンド・ジョンソン社製、2ウィーク アキュビュー、グループIV)及びソフトコンタクトレンズ4(アルコン社製、フォーカスデイリーズ、グループII)を生理食塩水(大塚生食注)で洗浄した。12ウェルプレート(FALCON社製、品番353043)の各ウェルに4mLの生理食塩水を分注し、ソフトコンタクトレンズを1枚ずつ、常温で4時間以上浸漬した。浸漬後、ソフトコンタクトレンズに付着した液を不織布ワイパー(ベンコット、PS−2、小津産業)でふき取った。次いで、上記調製した各処方例の眼科組成物を10mL容量のガラスヘッドスペースバイアル(ジーエルサイエンス社)に10mL注入し、そこに各ソフトコンタクトレンズ1枚を浸漬し、120rpm、34℃の条件で24時間振盪を行った。次いで、各処方例についてサンプル群の眼科組成物(ソフトコンタクトレンズを浸漬させたもの)及びブランク群の眼科組成物(ソフトコンタクトレンズを浸漬させずに4℃で24時間保管したもの)に含まれるネオスチグミンメチル硫酸塩及びクロルフェニラミンマレイン酸塩をHPLCにて定量し、その差をソフトコンタクトレンズに吸着したネオスチグミンメチル硫酸塩及びクロルフェニラミンマレイン酸塩の吸着量とした。次いで、下記式1に従い、基準となる処方例の吸着率を100%とした場合の各処方例の吸着率を算出した。結果を表8〜10に示す。
なお、処方例5−2〜5−5については基準となる処方例は5−1であり、処方例5−7〜5−10については基準となる処方例は5−6であり、処方例5−12〜5−14については基準となる処方例は5−11である。
(式1):基準となる処方例に対する吸着率(%)=(処方例の吸着量/基準となる処方例の吸着量)×100
Figure 2021187857
Figure 2021187857
Figure 2021187857
ソフトコンタクトレンズ3を用いた場合、有効成分としてネオスチグミンメチル硫酸塩のみ含有する処方例5−1の眼科組成物にビタミンA(50000IU/100mL)を更に含有した処方例5−2の眼科組成物では、処方例5−1の眼科組成物と比較してソフトコンタクトレンズへのネオスチグミンメチル硫酸塩の吸着量が大きく増加した。これに対して、処方例5−1の眼科組成物にビタミンA(40000IU/100mL)及びクロルフェニラミンマレイン酸塩(0.01w/v%)を更に含有した処方例5−3の眼科組成物では、処方例5−1の眼科組成物と比較してソフトコンタクトレンズへのネオスチグミンメチル硫酸塩の吸着が抑制され、処方例5−1の眼科組成物にビタミンA(50000IU/100mL)及びクロルフェニラミンマレイン酸塩(0.03w/v%)を更に含有した処方例5−4の眼科組成物では、処方例5−1の眼科組成物と比較してソフトコンタクトレンズへのネオスチグミンメチル硫酸塩の吸着が顕著に抑制された。さらに、処方例5−1の眼科組成物にビタミンA(50000IU/100mL)、クロルフェニラミンマレイン酸塩(0.03w/v%)、アミノエチルスルホン酸及びコンドロイチン硫酸ナトリウムを更に含有した処方例5−5の眼科組成物では処方例5−1の眼科組成物と比較してソフトコンタクトレンズへのネオスチグミンメチル硫酸塩の吸着が一層顕著に抑制された。
ソフトコンタクトレンズ3を用いた場合、有効成分としてクロルフェニラミンマレイン酸塩のみ含有する処方例5−6の眼科組成物にビタミンA(50000IU/100mL)又はネオスチグミンメチル硫酸塩(0.005w/v%)を更に含有した処方例5−7及び5−8の眼科組成物では処方例5−6の眼科組成物と同程度のソフトコンタクトレンズへのクロルフェニラミンマレイン酸塩の吸着が見られた。これに対して、処方例5−6の眼科組成物にビタミンA(40000IU/100mL)、ネオスチグミンメチル硫酸塩(0.001w/v%)、アミノエチルスルホン酸(0.1w/v%)及びコンドロイチン硫酸ナトリウム(0.05w/v%)を更に含有する処方例5−9の眼科組成物では、処方例5−6の眼科組成物と比較してソフトコンタクトレンズへのクロルフェニラミンマレイン酸塩の吸着が抑制され、処方例5−6の眼科組成物にビタミンA(50000IU/100mL)、ネオスチグミンメチル硫酸塩(0.005w/v%)、アミノエチルスルホン酸(1w/v%)及びコンドロイチン硫酸ナトリウム(0.5w/v%)を更に含有する処方例5−10の眼科組成物では、処方例5−6の眼科組成物と比較してソフトコンタクトレンズへのクロルフェニラミンマレイン酸塩の吸着が顕著に抑制された。
ソフトコンタクトレンズ4を用いた場合、有効成分としてクロルフェニラミンマレイン酸塩のみ含有する処方例5−11の眼科組成物にネオスチグミンメチル硫酸塩を更に含有した処方例5−12の眼科組成物では処方例5−11の眼科組成物と同程度のソフトコンタクトレンズへのクロルフェニラミンマレイン酸塩の吸着が見られたが、処方例5−11の眼科組成物にビタミンA、ネオスチグミンメチル硫酸塩、アミノエチルスルホン酸及びコンドロイチン硫酸ナトリウムを更に含有する処方例5−13の眼科組成物では、処方例5−11の眼科組成物と比較してソフトコンタクトレンズへのクロルフェニラミンマレイン酸塩の吸着が顕著に抑制された。
〔製剤例〕
下記表11に記載の処方で、常法によりソフトコンタクトレンズ用点眼剤が調製される。なお、下記表11における各成分量の単位は、表中に明記したもの以外はw/v%である。
Figure 2021187857

Claims (4)

  1. (A)ビタミンA類、並びに(B)ネオスチグミンメチル硫酸塩、クロルフェニラミンマレイン酸塩、アミノ酸及びその塩並びにコンドロイチン硫酸ナトリウムからなる群より選択される少なくとも2種を含有する、ソフトコンタクトレンズ用眼科組成物。
  2. (B)成分としてネオスチグミンメチル硫酸塩及びクロルフェニラミンマレイン酸塩を含有する、請求項1に記載の眼科組成物。
  3. (B)成分としてアミノ酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種並びにコンドロイチン硫酸ナトリウムを含有する、請求項1に記載の眼科組成物。
  4. (B)成分としてネオスチグミンメチル硫酸塩、クロルフェニラミンマレイン酸塩、アミノ酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種並びにコンドロイチン硫酸ナトリウムを含有する、請求項1に記載の眼科組成物。

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