JP2015068987A - 電子写真用の導電性部材、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも導電性支持体と、該導電性支持体の外側に形成された表面層とを備える電子写真用の導電性部材であって、該表面層は多孔質体であり、下記(1)、(2)及び(3)の条件を満たす電子写真用の導電性部材。
(1)該多孔質体が3次元的に連続な骨格と3次元的に連続な細孔とを含む共連続構造を有する。
(2)該表面層の表面の、任意の150μm四方の領域を撮影し、該領域を縦に60等分、横に60等分して3600個の正方形群に等分割したときに、該骨格からなる該正方形群の数と該細孔からなる該正方形群の数の合計が該正方形群全体の数の25%以下である。
(3)該表面層が非導電性である。
【選択図】図1
Description
(1)該多孔質体が3次元的に連続な骨格と3次元的に連続な細孔とを含む共連続構造を有する。
(2)該表面層の表面の、任意の150μm四方の領域を撮影し、該領域を縦に60等分、横に60等分して3600個の正方形群に等分割したときに、該骨格からなる該正方形群の数と該細孔からなる該正方形群の数の合計が該正方形群全体の数の25%以下である。
(3)該表面層が非導電性である。
本発明に係る導電性支持体は、例えば、図1(a)のような、導電性の軸芯体としての芯金12からなってもよい。また、図1(b)に示すように、導電性の軸芯体としての芯金12とその外周に設けられた導電性樹脂層13とを備える構成でもよい。また、必要に応じて本発明の効果を阻害しない範囲で当該導電性樹脂層13を複数配置した多層構成であってもよい。
導電性の軸芯体を構成する材料としては、電子写真用の導電性部材の分野で公知なものから適宜選択して用いることができる。例えば炭素鋼合金の表面に5μm程度の厚さのニッケルメッキを施した円柱等が挙げられる。
本発明に係る導電性樹脂層13を構成する材料としては、ゴム材料、樹脂材料等を用いることが可能である。ゴム材料としては、特に限定されるものではなく、電子写真用の導電性部材の分野において公知のゴムを用いることができ、具体的には以下のものが挙げられる。エピクロルヒドリンホモポリマー、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル3元共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(NBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体の水素添加物、シリコーンゴム、アクリルゴム及びウレタンゴム等。これらは一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。樹脂材料としても、電子写真用の導電性部材の分野において公知の樹脂を用いることができ、具体的には以下のものが挙げられる。アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等。これらは一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。上記導電性樹脂層を形成するゴム材料や樹脂材料に対して、電気抵抗値の調整のため、必要に応じて、以下の材料を添加してもよい。電子導電性を示すカーボンブラック;グラファイト;酸化錫等の酸化物;銅、銀等の金属、酸化物や金属を粒子表面に被覆して導電性を付与した導電性粒子;イオン導電性を示す第四級アンモニウム塩、スルホン酸塩等のイオン交換性能を有するイオン導電剤等。また、本発明の効果を損なわない範囲で、ゴムや樹脂の配合剤として一般的に用いられている充填剤、軟化剤、加工助剤、粘着付与剤、粘着防止剤、分散剤、発泡剤、粗し粒子等を添加することができる。これらは一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。また、本発明に係る導電性樹脂層13を構成する材料としては、電気抵抗値の環境依存性を考慮し、体積抵抗率が、1×103Ω・cm以上、1×109Ω・cm以下の電子導電性樹脂を用いることが好ましい。
本発明に係る多孔質体である表面層は、前記導電性支持体の外側に設けられ、かつ、下記(1)、(2)及び(3)の条件を満たすことを特徴とする。
(1)該多孔質体が3次元的に連続な骨格と3次元的に連続な細孔とを含む共連続構造を有する。
(2)該表面層の表面の、任意の150μm四方の領域を撮影し、該領域を縦に60等分、横に60等分して3600個の正方形群に等分割したときに、該骨格からなる該正方形群の数と該細孔からなる該正方形群の数の合計が該正方形群全体の数の25%以下である。
(3)該表面層が非導電性である。
本発明に係る多孔質体は、骨格と細孔を含み、多孔質体内の放電で生じる放電電荷が感光ドラム表面に到達するために、細孔が3次元的に連続なことが必要である。ここで、3次元的に連続な細孔とは、次の2つの特徴を有する細孔のことを言う。第一に、当該細孔は表面層表面のある開口部と別の複数の開口部とをつないでいる。第二に、当該細孔は、複数の分岐を有しており、当該分岐から導電性支持体の表面につながる箇所を複数個有する。また、このような細孔を有する多孔質体を構築するためには、骨格も3次元的に連続である必要がある。上記のように、細孔も骨格も3次元的に連続な構造であることを共連続構造と言う。
当該多孔質体は、3次元的に連続な骨格と3次元的に連続な細孔を有していればよく、その断面形状は、円形、楕円形、四角形等の多角形、半円形、または任意の断面形状を有することができる。その中でも、細孔内の放電の発生のために、細孔の断面が複雑に入り組んだ形状を多く有することが好ましい。その理由は、細孔内で微細な放電の発生する確率が上昇し、画像形成に好適な電荷量の放電を生成できるからである。さらに、細孔内の放電が増加すると、微弱な放電は細孔内で完結し、下流放電が発生せず、横スジ画像を抑制できる。
本発明に係る表面層の多孔質体の骨格および細孔は微細な構造を有することが必要である。細孔を微細にすることで、細孔内放電の拡散を制限することができ、異常放電を抑制できる。
本発明に係る表面層は非導電性であり、この表面層の非導電性によって放電電荷量が抑制される。非導電性とは体積抵抗率が1×1010Ω・cm以上であることを示す。上述したように、放電電荷の増加は、電子雪崩の拡散だけでなく、骨格と電子雪崩との衝突によっても生成する。つまり、表面層が非導電性であると、当該骨格と電子雪崩との衝突によって生成する電子を低減することができる。
本発明に係る表面層の厚さは、本発明の効果を損なわない範囲であればよく、具体的には3μm以上、50μm以下であることが好ましい。当該表面層の厚さが3μm以上である場合、多孔質体の孔内で放電が発生し、白抜け画像、横スジ画像の抑制効果が発現する。また当該表面層の厚さが50μm以下であることで、細孔内の放電で生成する電離電子を、細孔を通過させて感光ドラムへ到達させ、帯電不足が発生しない画像形成を行うことができる。当該表面層の厚さは10μm以上、30μm以下であることがより好ましい。当該表面層の厚さが10μm以上である場合、細孔内の放電が増加し、多孔質体の開口部から出た放電の拡散の抑制効果が得られ、横スジ画像をより抑制することができる。一方、当該表面層の厚さが30μm以下であると、より効率よく放電を生成することができ、多孔質体の厚さむらに起因する画像むらをも抑制することができる。当該表面層の厚さは10μm以上、20μm以下であることがさらに好ましい。
本発明に係る表面層の空孔率は本発明の効果を損なわない範囲であればよく、具体的には40%以上、95%以下であることが好ましい。該空孔率が40%以上であることで画像形成に十分な量の細孔内の放電を発生させることができる。また、該空孔率が95%以下であることで、電子雪崩の拡散を低減する効果が発現し異常放電を抑制できるので、白抜け画像の発生を抑制できる。該空孔率は50%以上、93%以下がより好ましく、60%以上、90%以下がさらに好ましい。
本発明に係る表面層の多孔質体を構成する骨格の材料は、当該多孔質体を形成できる限りにおいて特に制限はなく、樹脂等の高分子材料、シリカ、チタニア等の無機材料、前記高分子材料と前記無機材料とをハイブリッド化させた材料等を用いることができる。ここで高分子材料とは分子量が大きい材料を示し、半合成高分子や合成高分子等のモノマーを重合させて得られるポリマーや、天然高分子等の分子量の大きい化合物を表す。
本発明に係る表面層には、電気抵抗値の調整のため、発明の効果を損なわない範囲で、かつ、多孔質体を形成できる限りにおいて表面層の多孔質体を構成する骨格の材料に添加剤を加えてもよい。添加剤の例としては、電子導電性を示すカーボンブラック、グラファイト、酸化錫等の酸化物、銅、銀等の金属、酸化物や金属を粒子表面に被覆して導電性を付与した導電性粒子、イオン導電性を示す第四級アンモニウム塩、スルホン酸塩等のイオン交換性能を有するイオン導電剤等が挙げられる。これらは一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。また、本発明の効果を損なわない範囲で、樹脂の配合剤として一般的に用いられている充填剤、軟化剤、加工助剤、粘着付与剤、粘着防止剤、分散剤等を添加してもよい。
本発明に係る表面層の形成方法は、前記条件を満たす多孔質体の表面層を形成できる限りにおいて特に制限はなく、例えば次のような形成方法を挙げることができる。高分子材料溶液の相分離を利用して細孔を形成する方法、発泡剤を利用して細孔を形成する方法、レーザー等のエネルギー線を照射して細孔を形成する方法等。
本発明の効果は、本発明に係る多孔質体である表面層が存在することで発現する。つまり、この多孔質体の構造が変化すると、放電特性も変化する可能性がある。従って、特に長期に亘る使用を目的とした場合、表面層を保護する剛体構造体を導入することで、感光ドラムの表面と表面層との摩擦、摩耗を低減し、多孔質体の構造の変化を抑制することが好ましい。ここで、剛体構造体とは、感光ドラムとの当接によって生じる当該剛体構造体の変形量が1μm以下である構造体のことを指す。当該剛体構造体を設ける方法は、本発明の効果を妨げない限りにおいて制限はなく、例えば導電性支持体の表面に凸部を形成する方法、導電性部材に離間部材を導入する方法等が挙げられる。
導電性支持体が図1(a)のような構成の場合、芯金12の表面を、凸部を有する形状に加工する方法が挙げられる。例としては、サンドブラスト、レーザー加工、研磨等により、芯金12の表面に凸部を形成する方法が挙げられる。なお、これ以外の方法により凸部を形成してもよい。
当該離間部材は、感光ドラムと表面層とを離間でき、かつ、本発明を妨げない限りにおいて制限はなく、例えばリング、スペーサ等が挙げられる。
図4は本発明に係る導電性部材を帯電ローラ等として具備している電子写真用のプロセスカートリッジの概略断面図である。このプロセスカートリッジは、現像装置と帯電装置とを一体化し、電子写真装置の本体に着脱可能に構成されたものである。現像装置は、少なくとも現像ローラ43とトナー容器46とを一体化したものであり、必要に応じてトナー供給ローラ44、トナー49、現像ブレード48、攪拌羽410を備えていても良い。帯電装置は、感光ドラム41、クリーニングブレード45、および帯電ローラ42を少なくとも一体化したものであり、廃トナー容器47を備えていても良い。帯電ローラ42、現像ローラ43、トナー供給ローラ44、および現像ブレード48は、それぞれ電圧が印加されるようになっている。
図5は、本発明に係る導電性部材を帯電ローラ等として用いた電子写真装置の概略構成図である。この電子写真装置は、四つの前記プロセスカートリッジが着脱可能に装着されたカラー電子写真装置である。各プロセスカートリッジには、ブラック、マゼンダ、イエロー、シアンの各色のトナーが使用されている。感光ドラム51は矢印方向に回転し、帯電バイアス電源から電圧が印加された帯電ローラ52によって一様に帯電され、露光光511により、その表面に静電潜像が形成される。一方トナー容器56に収納されているトナー59は、攪拌羽510によりトナー供給ローラ54へと供給され、現像ローラ53上に搬送される。そして現像ローラ53と接触配置されている現像ブレード58により、現像ローラ53の表面上にトナー59が均一にコーティングされると共に、摩擦帯電によりトナー59へと電荷が与えられる。上記静電潜像は、感光ドラム51に対して接触配置される現像ローラ53によって搬送されるトナー59が付与されて現像され、トナー像として可視化される。
(1.未加硫ゴム組成物の調製)
下記表1に示す種類と量の各材料を加圧式ニーダーで混合してA練りゴム組成物を得た。さらに、前記A練りゴム組成物166質量部と下記表2に示す種類と量の各材料とをオープンロールにて混合し未加硫ゴム組成物を調製した。
[2−1.導電性の軸芯体]
快削鋼の表面に無電解ニッケルメッキ処理を施した全長252mm、外径6mmの丸棒を用意した。次にロールコーターを用いて、前記丸棒の両端部11mmずつを除く230mmの範囲の全周にわたって、接着剤としてメタロックU−20(商品名、(株)東洋化学研究所製)を塗布した。本実施例において、前記接着剤を塗布した丸棒を導電性の軸芯体として使用した。
次に、導電性の軸芯体の供給機構、及び未加硫ゴムローラの排出機構を有するクロスヘッド押出機の先端に内径12.5mmのダイスを取付け、押出機とクロスヘッドの温度を80℃に、導電性の軸芯体の搬送速度を60mm/secに調整した。この条件で、押出機より未加硫ゴム組成物を供給して、クロスヘッド内にて導電性の軸芯体の外周部を未加硫ゴム組成物で被覆し、未加硫ゴムローラを得た。次に、170℃の熱風加硫炉中に前記未加硫ゴムローラを投入し、60分間加熱することで未加硫ゴム組成物を加硫し、導電性の軸芯体の外周部に導電性樹脂層が形成されたローラを得た。その後、導電性樹脂層の両端部を各10mm切除して、導電性樹脂層部の長手方向の長さを231mmとした。最後に、導電性樹脂層の表面を回転砥石で研磨した。これによって、中央部から両端部側へ各90mmの位置における各直径が8.4mm、中央部直径が8.5mmである導電性支持体A1を得た。
多孔質体の骨格材料としてPMMA(重量平均分子量996000、シグマアルドリッチ社製)を6g、溶剤として蒸留水を60ml、エタノール240mlをナスフラスコに加え、攪拌しながら加熱還流し、PMMAを溶解させ塗工液A1を調製した。
本実施例の導電性部材A1を以下の評価試験に供した。評価結果を表7に示す。尚、導電性部材がローラ形状の導電性部材である場合、x軸方向、y軸方向、及びz軸方向は、それぞれ以下の方向を意味する。
x軸方向は、ローラの長手方向である。
y軸方向は、x軸に直交するローラの横断面(即ち、円形断面)における接線方向である。
z軸方向は、x軸に直交するローラの横断面における直径方向である。
多孔質体が共連続構造を有するか否かは以下の方法により確認した。導電性部材A1の表面層に対して剃刀を当てて、x軸方向及びy軸方向に各250μmの長さ、z軸方向には導電性支持体A1を含む700μmの深さで切片を切り出した。次に、X線CT検査装置(商品名:TX−300、(株)東研製)を用い、この切片に対して3次元再構築を行った。得られた3次元像から、z軸に対して間隔1μmで2次元のスライス画像(xy平面と平行)を切り出した。次に、これらのスライス画像を2値化し、骨格部と細孔部とを識別した。当該スライス画像をz軸に対して順に確認していき、骨格部および細孔部が3次元的に連続であることを確認した。
表面層の微細さ(表面形状)の評価は次のようにして行った。前記切片の表面に白金を蒸着させて蒸着切片を得た。次いで当該蒸着切片の表面をz軸方向から、走査型電子顕微鏡(SEM)(商品名:S−4800、(株)日立ハイテクノロジーズ製)を用いて1000倍で撮影し、表面画像を得た。
A:該骨格からなる正方形群と該細孔からなる正方形群の合計が正方形群全体の5%以下である。
B:該骨格からなる正方形群と該細孔からなる正方形群の合計が正方形群全体の5%を超えて、15%以下である。
C:該骨格からなる正方形群と該細孔からなる正方形群の合計が正方形群全体の15%を超えて、25%以下である。
D:該骨格からなる正方形群と該細孔からなる正方形群の合計が正方形群全体の25%を超える。
表面層の断面形状の評価は次のようにして行った。前記のX線CTの測定で得られた2次元のスライス画像を2値化して得られる2値化画像において、各々の細孔の周囲長をL、面積をSとし、円形度K=L2/4πSを算出した。
表面層の非導電性の評価は以下の方法により行った。表面層の体積抵抗率は、走査型プローブ顕微鏡(SPM)(商品名:Q−Scope250、Quesant Instrument Corporation社製)を用い、コンタクトモードで測定した。
表面層の厚さは次のようにして評価した。前記のX線CTの測定で得られた2次元のスライス画像を2値化し、多孔質部と空孔部とを識別した。2値化したスライス画像それぞれにおいて、多孔質部の占める割合を数値化し、導電性支持体側から表面層側へ数値の確認を行い、この割合が2%以下になった点を表面層の最表面部とした。以上の方法で、表面層の厚さを測定した。
表面層の空孔率は以下の方法により測定した。前記のX線CTの評価で得られる3次元像において、細孔部の占める割合を数値化し、表面層の空孔率を求めた。上記作業を、導電性部材A1を長手方向に10等分して得られる10個の領域の各領域内の任意の1点(合計10点)で行い、その平均値を表面層の空孔率とした。
導電性部材A1を以下の評価試験に供した。評価結果を表7に示す。
導電性部材A1の初期の異常放電を抑制する効果を以下の方法により確認した。電子写真装置として、電子写真式レーザープリンタ(商品名:Laserjet CP4525dn、HP社製)を、出力枚数をA4、50枚/分の高速用に変更したものを用意した。その際、記録メディアの出力スピードは300mm/sec、画像解像度は1200dpiとした。導電性部材A1を帯電ローラとして、上記電子写真装置のカートリッジに組み込み、L/L環境(温度15℃、相対湿度10%の環境)下で、ハーフトーン画像(感光ドラムの回転方向と垂直方向に幅1ドット、間隔2ドットの横線を描く画像)を出力した。
導電性部材A1が耐久終盤で横スジ画像を抑制する効果を以下の方法により確認した。上記の白抜け画像に使用した電子写真装置を使用して、L/L環境下で前記と同様の耐久試験を行った。
A:横スジ画像が無い。
B:一部に軽微な横スジ状の白い線が見られる。
C:全面に軽微な横スジ状の白い線が見られる。
D:横スジ状の白い線が見られ、目立つ。
多孔質体の骨格材料としてPMMAの重量平均分子量および配合量を表3に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして導電性部材A2〜導電性部材A9を製造し、評価した。評価結果を表7に示す。
塗工液1に添加剤としてカーボンブラック(HAF)を0.19g加え、分散させた以外は実施例1と同様にして導電性部材A10を製造し、評価した。評価結果を表7に示す。
未加硫ゴムの材料として表4に示す材料を使用し、未加硫ゴム組成物を調製したこと以外は実施例1と同様にして導電性部材A11を製造し、評価した。評価結果を表7に示す。
導電性支持体A1の外周面上に、以下の方法に従って、さらに導電性樹脂層を設けたこと以外は実施例1と同様にして導電性部材A12を製造し、評価した。評価結果を表7に示す。先ず、カプロラクトン変性アクリルポリオール溶液にメチルイソブチルケトンを加え、固形分が10質量%となるように調整した。このアクリルポリオール溶液1000質量部(固形分100質量部)に対して、下記の表5に示す材料を用いて混合溶液を調製した。このとき、ブロックHDIとブロックIPDIとの混合物は、「NCO/OH=1.0」であった。
導電性支持体として、前記丸棒を使用したこと以外は、実施例1と同様にして導電性部材A13を製造し、評価した。なお、評価に当たり、導電性部材A13が感光ドラムに接触するようにカートリッジを変更した。評価結果を表7に示す。
厚さ200μmのアルミニウム製のシート上に、実施例12の導電性樹脂層形成用の塗料を実施例12と同条件でディッピング塗布し、アルミニウム製シート上に導電性樹脂層を設け、ブレード状の導電性支持体を作製した。次に、実施例1と同様にして、ブレード状の導電性支持体の外周面上に表面層を設け、導電性部材A14を製造した。
導電性樹脂層を形成しなかったこと以外は実施例14と同様にして導電性部材A15を製造し、評価した。なお、評価に当たって、導電性部材A15を評価できるように、評価用の電子写真装置を変更した。評価結果を表7に示す。
表面層を以下の方法で形成した以外は実施例1と同様に導電性部材A16を製造し、評価した。多孔質体の骨格材料として酢酸セルロース(商品名:L−70 酢化度:55% ダイセル株式会社製)6g、溶剤としてアセトン253.5g、1−オクタノール46.5gをナスフラスコに加え、攪拌し、酢酸セルロースを溶解させ塗工液を調製した。該塗工液を前記導電性支持体A1に1回ディッピング塗布し、23℃で30分間以上風乾し、次いで140℃に設定した熱風循環乾燥機にて1時間乾燥して、導電性部材A16を製造した。評価結果を表7に示す。
多孔質体の骨格材料としての酢酸セルロースの種類と配合量を表6に示すように変更した以外は実施例16と同様にして導電性部材A17〜導電性部材A23を製造し、評価した。評価結果を表7に示す。なお、実施例20では酢酸セルロース(商品名:L−30 酢化度:55% ダイセル株式会社製)を、実施例21〜23では酢酸セルロース(商品名:L−20 酢化度:55% ダイセル株式会社製)を使用した。
表面層を以下の方法で形成した以外は実施例1と同様に導電性部材A24を製造し、評価した。ナスフラスコに、多孔質体の骨格材料としてポリビニルアルコール(重量平均分子量89000〜98000、けん化度99モル%、シグマアルドリッチ社製)12gを入れ、水を114mL加えて撹拌及び加熱還流させ水溶液を得た。その水溶液を50℃に冷却し、そこへ、水57.5mlとアセトン128.5mlとの混合溶媒を加えPVA溶液を調製した。導電性支持体A1をセットした型にPVA溶液を注入した後密封し、20℃で12時間静置した。イソプロピルアルコールで3回洗浄し、混合溶媒中の水をイソプロピルアルコールに置換した。その後24時間常温で減圧乾燥を行い、イソプロピルアルコールを除去して導電性部材A24を製造した。評価結果を表7に示す。
表面層を以下の方法で形成した以外は実施例1と同様に導電性部材A25を製造し、評価した。スチレン19.3g、ジビニルベンゼン3.3g、ソルビタンモノオレエート1.1g、2,2’−アゾジイソブチロニトリル0.14gを混合し、均一溶液とした。この溶液と水180gとを、自転公転ミキサーを用いて撹拌し、W/Oエマルジョン溶液を調製した。このエマルジョン溶液を、導電性支持体A1をセットした型に注入し、窒素置換した後密封し、60℃で24時間重合した。型よりこれを取り出し、2−プロパノールを用いて洗浄後、85℃のオーブンで乾燥させ導電性部材A25を製造した。評価結果を表7に示す。
表面層を以下の方法で形成した以外は実施例1と同様に導電性部材A26を製造し、評価した。1,3−ビス(N,N’−ジグリシジルアミノメチルシクロヘキサン)(商品名:TETRAD−C、三菱瓦斯化学社製)を3g、ポリアミドアミン(商品名:トーマイド 245−S、T&K TOKA社製)を3g、ポリエチレングリコール(重量平均分子量:1000)を18gナスフラスコに加えた。これを攪拌し、溶解させ塗工液を調製した。
表面層を以下の方法で形成した以外は実施例1と同様に導電性部材A27を製造し、評価した。ゾルテックスPX−550(DIC株式会社製)を120g、トルエンを60g、メチルエチルケトンを30gナスフラスコに加え、撹拌した。その後、これに水54gとメチルエチルケトン6gとの混合溶媒を5回に分けて投入して撹拌し、W/Oエマルジョン溶液を調製した。
表面層を以下の方法で形成した以外は実施例1と同様に導電性部材A28を製造し、評価した。ポリエチレングリコール2.1g(重量平均分子量:10000)に0.01mol/L酢酸水溶液25mlを加え、溶解させた。その溶液を氷冷し、テトラメトキシシラン12mlを加え1時間撹拌した。この溶液を、導電性支持体A1をセットした型に注入した後密封し、40℃で24時間静置して導電性支持体A1の外周面上に表面層を形成した。型よりこれを取り出し、50%エタノール水溶液に浸漬し1日放置した後、0.5mol/L尿素水溶液に浸漬し、加熱還流した。その後40℃のオーブンで乾燥させ導電性部材A28を得た。評価結果を表7に示す。
実施例12の混合溶液に、カプロラクタン変性アクリルポリオール溶液の固形分100質量部に対して、架橋タイプアクリル粒子(商品名:GR300W、根上工業(株)製)を10質量部添加した。それ以外は実施例12と同様にして導電性部材A29を製造し、評価した。評価結果を表7に示す。本実施例においては、架橋タイプアクリル粒子を導電性樹脂層に分散すると、粒子の頂点で感光ドラムと接触し、平均して7μm程度の空隙が導電性部材A29と感光ドラムとの間に形成された。また、粒子間距離は平均して20μm程度であった。
実施例12の導電性樹脂層表面をサンドブラストによって粗面化した以外は実施例12と同様にして導電性部材A30を製造し、評価した。評価結果を表7に示す。本実施例においては、導電性樹脂層表面を粗面化して凸部を形成することで、凸部の頂点で感光ドラムと接触し、平均して8μm程度の空隙が導電性部材A30と感光ドラムとの間に形成された。また、凸部間距離は平均して10μm程度であった。
図3に示すように、導電性部材A1の導電性樹脂層の長手方向の外側に、ポリオキシメチレン製の外径8.6mm、内径6.0mm、幅2mmのリングを取り付け、軸芯体に連れまわるように接着剤で接着した。それ以外は実施例1と同様にして導電性部材A31を製造し、評価した。評価結果を表7に示す。本実施例においては、離間部材を導入することで、離間部材が感光ドラムと接触し、平均して50μm程度の空隙が導電性部材A31と感光ドラムとの間に形成された。
導電性部材A1を温度15℃/湿度10% R.H.環境下に48時間以上放置した後、ヒューレットパッカート製の電子写真装置である Laserjet P4515nに転写ローラとして組み込んだ。その結果、異常放電由来の白抜け画像、横スジ画像は発生しなかった。
実施例12の混合溶液に、架橋タイプアクリル粒子(商品名:GR300W、根上工業(株)製)を19.2g添加した以外は実施例12と同様にして導電性部材B1を製造し、評価した。評価結果を表8に示す。
実施例1の導電性支持体A1上に、導電性接着材をロールコータで塗布し、ナイロンメッシュ(商品名:NY10−HC セミテック社製)を接着して導電性部材B2を製造した。導電性部材B2を実施例1と同様に評価した。評価結果を表8に示す。
実施例12の混合溶液に、化学発泡剤(商品名:セルマイク266、三協化成(株)製)を19.2g添加し、カーボンブラックを添加しなかったこと以外は実施例12と同様にして導電性部材B3を製造し、評価した。評価結果を表8に示す。
実施例12の混合溶液に、未膨張マイクロカプセル(商品名:Expancel031−40、日本フィライト(株)製)を19.2g添加し、カーボンブラックを添加しなかったこと以外は実施例12と同様にして導電性部材B4を製造し、評価した。評価結果を表8に示す。
実施例12の混合溶液に、化学発泡剤(商品名:セルマイク266、三協化成(株)製)を19.2g添加したこと以外は実施例12と同様にして導電性部材B5を製造し、評価した。評価結果を表8に示す。
12 芯金
13 導電性樹脂層
30 導電性部材
31 離間部材
32 導電性の軸芯体
41 感光ドラム
42 帯電ローラ
43 現像ローラ
44 トナー供給ローラ
45 クリーニングブレード
46 トナー容器
47 廃トナー容器
48 現像ブレード
49 トナー
410 攪拌羽
51 感光ドラム
52 帯電ローラ
53 現像ローラ
54 トナー供給ローラ
55 クリーニングブレード
56 トナー容器
57 廃トナー収容容器
58 現像ブレード
59 トナー
510 攪拌羽
511 露光光
512 一次転写ローラ
513 テンションローラ
514 中間転写ベルト駆動ローラ
515 中間転写ベルト
516 二次転写ローラ
517 クリーニング装置
518 定着器
519 転写材
Claims (9)
- 少なくとも導電性支持体と、該導電性支持体の外側に形成された表面層とを備える電子写真用の導電性部材であって、該表面層は多孔質体であり、下記(1)、(2)及び(3)の条件を満たす電子写真用の導電性部材。
(1)該多孔質体が3次元的に連続な骨格と3次元的に連続な細孔とを含む共連続構造を有する。
(2)該表面層の表面の、任意の150μm四方の領域を撮影し、該領域を縦に60等分、横に60等分して3600個の正方形群に等分割したときに、該骨格からなる該正方形群の数と該細孔からなる該正方形群の数の合計が該正方形群全体の数の25%以下である。
(3)該表面層が非導電性である。 - 前記表面層の断面画像を撮影し、該断面画像における該細孔の周囲長をL、該細孔の面積をSとしたとき、L2/4πSで求められる円形度Kの算術平均が2以上である請求項1に記載の電子写真用の導電性部材。
- 前記表面層の厚さが3μm以上、50μm以下である請求項1または2に記載の電子写真用の導電性部材。
- 前記表面層の空孔率が40%以上、95%以下である請求項1から3のいずれか一項に記載の電子写真用の導電性部材。
- 前記表面層の体積抵抗率が1×1010Ω・cm以上、1×1017Ω・cm以下である請求項1から4のいずれか一項に記載の電子写真用の導電性部材。
- 前記表面層の多孔質体が高分子材料と溶剤との相分離により形成される請求項1から5のいずれか一項に記載の電子写真用の導電性部材。
- 前記導電性部材が前記表面層を保護する剛体構造体を備える請求項1から6のいずれか一項に記載の電子写真用の導電性部材。
- 電子写真装置の本体に着脱可能に構成されているプロセスカートリッジであって、請求項1から7のいずれかの一項に記載の導電性部材を具備しているプロセスカートリッジ。
- 請求項1から7のいずれかの一項に記載の導電性部材を具備している電子写真装置。
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