JP2015066699A - サイドノック式筆記具のスライド部材、および、そのスライド部材を用いたサイドノック式筆記具 - Google Patents
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Abstract
Description
このため、スライド部材を形成するための金型の構造が、一方のキャビティがコアピンと一体となった、キャビティの分割構造とすることができ、比較的簡単な金型構造になり、コアピンをキャビティで直接接触し挟み込まない。そのため、スライド部材の金型のコアピンのズレによる金型の磨耗や破損等の危険性が減るので、金型の耐久性が良くなる。
前軸部1はステンパイプ3、戻り止め4、先部材5、シャープペンシルの芯15、チャック10、チャックリング11、スプリング12、中子13、芯タンク14、前軸6、テーパースライド部材(スライド部材)7、ノック駒8の計12部品から構成されている。このうち、前記シャープペンシルの芯15、チャック10、チャックリング11、スプリング12、中子13、芯タンク14の計6部品により中軸ユニット(筆記体の繰り出しユニット)9が構成されている。
中軸ユニット9の構成は、中子13の内面に、ポリプロピレン(PP)や、ポリアセタール(POM)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、アクリロニトリルスチレン共重合体(AS)、ポリエチレン(PE)などの樹脂材質からなる前記芯タンク14が軸線方向に摺動自在に内包されているが、その芯タンク14の軸線方向の前方には、チャック10が圧入などの手段によって固定されており、そのチャック10の前方にはチャックリング11が囲繞している。符号12はコイルスプリングなどの弾撥部材であり、前記中子13と芯タンク14の間に張設され、前記チャック10や芯タンク14などを後方に向けて付勢している。
前記チャックリング11は、中子13の前端面部よりも前方に位置しており、そのチャックリング11の前端部は、中子13の前端開口部よりも大径なツバ部11aが形成されている。そして、そのツバ部11aは、中子13の先端面13aと当接し、且つ、前記チャック10のテーパー面10aと前記チャックリング11の内径部11bとが当接しているため、前記チャック10や芯タンク14の中子13から後方へ向けての脱落が防止されている。
この時、前述したように、前記スプリング12は、圧入固定されて一体となったチャック10と芯タンク14を常に後方へ向けて付勢している。このように、前記中子13と芯タンク14の間にスプリング12が配置されているので、チャック10が前方へも脱落しないようになっている。
中軸ユニット9の中子13に設けられた先端の外ツバ部13bを先部材5の内段部5bと前軸6の前端面6bで挟み込むことで中軸ユニット9を固定し、前軸6の後方からテーパースライド部材7をその先端開口部7aから挿入し、テーパースライド部材7を中軸ユニット9の芯タンク14に被せる。テーパースライド7は横断面が略U字状のため、先端開口部が広くなっているので、芯タンク14に被せやすい。また、前軸6に先にテーパースライド部材7を入れた状態で、前軸6の先端から中軸ユニット9を入れる場合も、テーパースライド部材7の先端開口部が前軸6内にあり、目視出来ない状態だが、先端開口部が広くなっているので、中軸ユニット9の芯タンク14の後端面を挿入しやすい。前記テーパースライド部材7の後端側は、芯タンク14に被せた際に、芯タンク14の後端面14aで止まるように壁(段部)7bを設けているが、その壁7bには後軸部2を取り外して芯を入れるための芯挿通孔7cが設けられている。この芯挿通孔7cの形状はテーパースライド部材7の横断面のように略U字状であって、壁7bが芯タンク14の後端面14aで止まることが出来れば、大きさや形状は限定されない。本実施例では、テーパースライド部材7の後端面に壁7bを設けているが、壁7bは、後端面では無く、その前方に段部として設けても良い。内壁の一部から径方向に垂直に形成されていれば、テーパースライド部材7の後端面に壁7bを設けたものと同様に、コアピンが一体となったキャビティの分割構造で比較的簡単な金型構造とすることが出来る。尚、本実施例では、テーパースライド部材7の後端部内面にリブ7dを設けている。リブ7dが無くても、後述するノック駒8のカム面8cとテーパースライド部材7のカム面7eの接触によりテーパースライド部材7の移動が規制されているため、テーパースライド部材7が抜けてしまうことは無いので問題はないが、リブ7dを設け、芯タンク14の後端部とテーパースライド部材7とを嵌合させることで、テーパースライド部材7がより抜けにくく、さらにガタつき防止が出来る。
ここで、テーパースライド部材7にはその外周面にテーパー状のカム面7eが2つ設けられている。そして、それらテーパースライド部材7のカム面7eの後方には前軸6の内径部断面と略同形状で少し小さめのツバ部7fが設けられており、それぞれが異形となっている。このため、前軸6に対するテーパースライド部材7の回転を防止することが出来る。また、ツバ部7fを設けることで、芯を入れる際に前軸6とテーパースライド部材7の隙間に芯15を誤って入れてしまう恐れが無くなる。
前軸6の中間部の側面には、開口部6cが設けられ、その開口部6cに、断面形状がコ字型に形成されたノック駒8を、軸線方向に対して垂直な方向に移動可能に配置する。前記ノック駒8の側面部8aにはそれぞれ外ツバ部8bが形成されている。その外ツバ部8bが形成されている部分のノック駒8の幅は前記開口部6cの幅より大きく形成されており、前記ノック駒8が前記前軸6の開口部6cから外れないようになっている。前記前軸6の開口部6cの対向面には、前記ノック駒8を押圧した際に、前記ノック駒8の側面部8aが入り込むことが可能な貫通孔6dが形成されているが、貫通孔6dは外径の大きさなどに影響が無ければ、形成されていなくても、問題はない。前記ノック駒8の側面部8aの内側にはテーパー状の突部からなるカム面8cが前後の位置に施されており、前記前軸6内に摺動自在に配置されたテーパースライド部材7の前後に設けられたテーパー状のカム面7eと摺動可能に当接されている。また、前記ノック駒8は前後非対称となっているが、組立性を考慮して前後対称としても良い。即ち、ノック駒8を前後対称にすることによって、ノック駒8の前後の方向を気にすることなく、前軸6に組み付けることが可能になるのである。
以上により、前軸部1が組み立てられるが、その前軸部1に対して後軸部2を嵌合によって連結させることにより、シャープペンシルの組み立てが完了する。
尚、本実施例のように芯タンク14にテーパースライド部材7を被せる構成と同様の構成にすれば、中軸ユニット9を他の製品でも共通に使用できるため、芯を繰り出す部分の品質の安定化が図れる。
ここで、その芯タンク14の前方には、芯の把持・解放を行うコレット式のチャック10が圧入・固定されている。そのチャック10の前方には、チャック10の拡開・閉鎖を行うチャックリング11が囲繞している。スプリング12は前記チャック10やテーパースライド部材7を後方に向け付勢すると共に、チャック10を閉鎖せしめ芯15を保持させる。また、前軸6の前方に着脱自在に取り付けられた先部材5の内部には、芯15を軽く保持しその芯15の後退を規制するゴム材質からなる戻り止め4が配置されている。
ノック駒8を押圧し、テーパースライド部材7が前方へ移動すると、一緒にチャック10が前方へ移動する。チャック10はチャックリング11が囲繞しているため、芯15を把持したまま前進する。さらにノック駒8を押圧するとチャックリング11のツバ部11aが先部材5の段部5cにぶつかり前進を止められるが、押圧と共にチャック10は前進するため、チャック10はチャックリング11の囲繞から解放され、芯15を解放する。芯15が解放された後、ノック駒8の押圧を解除すると、芯タンク14の後退と共にチャック10も後退する。この際、チャック10は再びチャックリング11が囲繞されるまで後退するが、芯15は先部材5の内部に配置されている戻り止め4に軽く保持されているため、芯15の後退が規制され、その結果、芯15が繰り出される。
また、前述の通り、前記前軸6の開口部6cの対向面には、前記ノック駒8を押圧した際に、ノック駒8の側面部8aが入り込む空間として貫通孔6dが形成されている。このため、前記ノック駒8のノックストロークを大きくすることが出来、前記ノック駒8の動きが前記前軸6の内壁により制限されることなく、前記ノック駒8を押圧することが出来る。ノック駒8の側面部8aが入り込む空間を貫通孔とすることで、前軸6の肉厚分をすべてノックストロークに使用できる。ここで、本実施例では前記前軸6の貫通孔6dをノック駒8の側面部8aに対応する位置に2か所設けたが、1つの大きな貫通孔としても良い。
また、本実施例にあっては、芯タンク14にテーパースライド部材7を被せる2重構造のため、テーパースライド部材7の径が太くなり、ノック駒8の幅も大きくなるが、前軸6の開口部6cの対向面には、前記貫通孔6dが形成されているため、前軸6の内径の拡大を抑えつつ、ノックストロークを大きくすることが出来る。
尚、ノックストロークを大きく出来るため、前軸の外径を変えることなく、前記テーパースライド部材7のカム面7eとノック駒8のカム面8cの軸線に対する傾斜角度を大きくして、ノック圧が小さいサイドノック式シャープペンシルとすることができる。
また、傾斜角度を変えない場合、同じ前軸6の外径でノックストロークを大きくすることが出来るため、ノックストロークが本構成のステンパイプ固定式より必要なステンパイプが収納可能なスライド式でも前軸6の外径を太くすることなく対応可能となる。
この他、ノック駒8には、テーパースライド部材7のカム面7eの頂部7hが入り込む溝8dを設けているため、上記のようにノック駒8を最後まで押圧することが出来る(図9〜図11)。
本実施例では、筆記体がシャープペンシルの芯の場合で説明しているが、シャープペンシルの芯に限らず、例えばボールペンやタッチペンなどの筆記体でも良い。ボールペンの場合には、そのリフィルが本実施例の中軸ユニットに該当する。
さらに、前記回転軸18の下方には、凸部18cが形成されており、その凸部18cは後軸16の内径部16dに対して軽く圧入されている。つまり、回転軸18と後軸16との相対的な回転は、前記凸部18cの内径部16dに対する軽圧入により摩擦抵抗が付与された状態での回転動作となるのである。この摩擦抵抗が付与されることによって、字消し時、消しゴム19が容易には没入しないようになっている。消しゴム受け20は回転軸18に内包され、且つ、前記回転軸18の案内溝18dには消しゴム受け20の凸部20aが摺動可能に嵌り込んでいる。
そして、前記前軸6と前記回転軸18とを相対的に回転させることによって、消しゴム受け20は螺旋状に回転しながら軸線方向を摺動し、前記消しゴム19が出没することが可能となる。
それと同時に前記テーパースライド部材7のカム面7eと当接しているノック駒8のカム面8cによって前軸6の開口部6cに沿ってノック駒8が軸線方向から垂直方向へ移動する。芯が把持されて無い状態で、ノック駒8が軸線方向から垂直方向へ移動する分を考慮して、ノックストロークを大きくとると前軸6の外径が太くなってしまうが、本実施例にあっては、前軸6の開口部6cの対向面に、前記貫通孔6dが形成されているため、前軸6の内径の拡大を抑えつつ、ノックストロークを大きくすることが出来る。
ここで、テーパースライド部材7の後端側は芯タンク14に被せた際に、芯タンク14の後端面14aで止まるように壁7bが設けられており、本実施例にあっては、その壁7bには後軸部2を取り外して芯を入れるための芯挿通孔7cが設けられているが、芯挿通孔7cも金型を上下の分割構造と出来るように、上側を削り取った形状としている。尚、本実施例では、筆記体がシャープペンシルの芯の場合で説明しているが、シャープペンシルの芯に限らず、例えばボールペンやタッチペンなどの筆記体でも良く、ボールペンやタッチペンの場合は芯を補充する必要がないため、芯挿通孔は無くても良い。
前軸部21はステンパイプ3、戻り止め4、先部材5、シャープペンシルの芯15、チャック10、チャックリング11、スプリング12、中子13、芯タンク14、前軸23、テーパースライド部材(スライド部材)24、ノック駒25の計12部品から構成されている。このうち、前記シャープペンシルの芯15、チャック10、チャックリング11、スプリング12、中子13、芯タンク14の計6部品により中軸ユニット(筆記体の繰り出しユニット)9が構成されている。前記ステンパイプ3、戻り止め4、先部材5は、前記第1実施例と同様の構成となっている。
後軸部22は、第1実施例の後軸部2と同様に、後軸16、クリップ17、回転軸18、消しゴム受け20、消しゴム19の計5部品から構成されている。また、テーパースライド部材24の形状以外の組立、作動方法も第1実施例と同様である。
ここで、テーパースライド部材24を樹脂材質からなる成形品で形成されている。そのテーパースライド部材24は、コアピンが一体となったキャビティの分割構造となるように、ノック駒25がテーパースライド部材24に被さる面側(上側)を長手方向に削り取って横断面を略U字状の形状としているので、コアピンをキャビティで直接接触し挟み込まない(図16)。そのため、テーパースライド部材24の金型のコアピンのズレによる金型の磨耗や破損等の危険性が減るので、金型の耐久性が良くなる。
この他、空間部24dに挟まれたカム面24cの頂部24fは芯タンク14の外周面より高く形成されているが、ノック駒25を押圧した際にカム面24cの頂部24fが入り込む溝25aをノック駒25に設けているため、上記のようにノック駒25を最後まで押圧することが出来る(図18〜図20)。
本実施例では、筆記体がシャープペンシルの芯の場合で説明しているが、シャープペンシルの芯に限らず、例えばボールペンやタッチペンなどの筆記体でも良い。ボールペンの場合には、そのリフィルが本実施例の中軸ユニットに該当する。
2 後軸部
3 ステンパイプ
4 戻り止め
5 先部材
5a 雌ねじ部
5b 内段部
5c 段部
6 前軸
6a 雄ねじ部
6b 前端面
6c 開口部
6d 貫通孔
6e 4点リブ
7 テーパースライド部材(スライド部材)
7a 先端開口部
7b 壁(段部)
7c 芯挿通孔
7d リブ
7e カム面
7f ツバ部
7g 側壁(連結部)
7h 頂部
8 ノック駒
8a 側面部
8b 外ツバ部
8c カム面
8d 溝
9 中軸ユニット
10 チャック
10a テーパー面
10b 内径部
11 チャックリング
11a ツバ部
11b 内径部
12 スプリング
13 中子
13a 先端面
13b 外ツバ部
14 芯タンク
14a 後端面
14b 内径部
15 芯
15a 外周面
16 後軸
16a クリップ受け部
16b 後端面
16c 係止部
16d 内径部
16e 螺旋溝部
16f 全周凹部
17 クリップ
18 回転軸
18a 段部
18b 凹部
18c 凸部
18d 案内溝
19 消しゴム
19a 係止部
20 消しゴム受け
20a 凸部
20b 突起部
20c 係止部
21 前軸部
22 後軸部
23 前軸
23a 開口部
23b 貫通孔
24 テーパースライド部材(スライド部材)
24a 壁(段部)
24b 芯挿通孔
24c カム面
24d 空間部
24e 連結部
24f 頂部
25 ノック駒
25a 溝
25b 側面部
Claims (3)
- 軸筒の側面に開口部を形成し、その開口部にノック駒を配置すると共に、前記軸筒の内部に筆記体を配置し、前記ノック駒の押圧操作によってスライド部材を介して前記筆記体を前記軸筒より出没可能に配置したサイドノック式筆記具のスライド部材であって、前記スライド部材は略U字状の横断面で形成されると共に、前記スライド部材の内壁の一部から径方向に垂直に形成された段部を有することを特徴とするサイドノック式筆記具のスライド部材。
- 前記スライド部材は、その外周面に形成されたカム面の後方に空間部が設けられたことを特徴とする請求項1に記載のサイドノック式筆記具のスライド部材。
- 請求項1または請求項2に記載のスライド部材を有するサイドノック式筆記具。
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JP2013200591A JP6322937B2 (ja) | 2013-09-26 | 2013-09-26 | サイドノック式筆記具のスライド部材、および、そのスライド部材を用いたサイドノック式筆記具 |
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JP2000127679A (ja) * | 1998-10-22 | 2000-05-09 | Kotobuki:Kk | サイドノック式ボールペン |
JP2001180182A (ja) * | 1999-12-24 | 2001-07-03 | Hobunsha Inc | シャープペンシル |
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2013
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JP2000127679A (ja) * | 1998-10-22 | 2000-05-09 | Kotobuki:Kk | サイドノック式ボールペン |
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