JP2015066013A - 吸収体の製造方法及び製造装置 - Google Patents
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Abstract
Description
前記吸収体は、通常、少なくともセルロース系吸水性繊維と熱可塑性樹脂繊維とを予め定めた割合で含有させたウェブを形成し、該ウェブをさらに開繊した上で所定の形状に成形することにより形成される。
この特許文献1に記載の技術は、セルロース系吸水性繊維と熱可塑性樹脂繊維とが各々供給される複数のフォーミングヘッダを備えたエアレイド機を用いて、これらのセルロース系吸水性繊維と熱可塑性樹脂繊維を含む層を順次積層した上で加熱処理を行ってある程度の強度を確保した後、ワインダーによって巻き取ることにより1枚のウェブを予め作製する。その後、そのウェブを開繊装置において開繊して吸収体材料を形成すると共に、成形工程において該吸収体材料を積繊させて成形することにより吸収体を形成するものである。
前記開繊が行いにくくなると、吸収体材料を積繊させて成形を行う際に、吸収体を構成する各繊維の混合割合をコントロールすることがきわめて難しいため、吸収体中の各繊維の混合割合を所望の割合とすることができなかった。さらに、開繊中に繊維が切れてしまい、所望の繊維長を確保できずに吸収体の剛性を確保できなかったり、開繊後における各繊維のブレンドの状態が悪化して全体として均一な吸収能力を得ることができなかったりする等、吸収体として予定していた性能を得ることができないという欠点があった。
また、嵩が大きいウェブをワインダーに巻き取ると、長さの割に非常に大きな容積となるため、その巻き取ったウェブを開繊装置の場所に搬送する際には手間がかかり、また保管にも大きなスペースが必要となるという欠点があった。
また、本発明の他の技術的課題は、ウェブの形成からウェブの開繊による吸収体材料の形成、該吸収体材料を積繊させることによる吸収体の成形を連続的に行って吸収体を効率良く製造することができる手段を提供することにある。
さらに、前記ウェブ形成工程は、前記複数の繊維群を、回転している同一の前記サクションドラムの外周面に繊維群毎に供給して、該サクションドラムの外周面に既に形成されている積繊体上に別の繊維群からなる別の積繊体を形成することにより、複数層からなる積繊体を形成する工程を含んでいてもよい。
また、本発明においては、前記開繊工程は、軸線回りに回転自在のミキシングシリンダの外周面に設置されて、該ミキシングシリンダの回転と共に回転する複数の開繊用の回転刃と、該回転刃の刃先と一定の間隔を空けて固定的に設置された固定刃との間に前記ウェブを挿入することにより該ウェブを開繊する工程を含んでいてもよい。
この場合、前記開繊工程の直前に、前記ウェブを押圧しながら該開繊工程に向けて搬送する押圧搬送工程を有していることが好ましい。
また、前記ウェブ形成装置は、前記繊維群供給装置が、前記複数の繊維群を、回転している同一の前記サクションドラムの外周面に繊維群毎に供給自在となっていて、該サクションドラムの外周面に既に形成されている積繊体上に別の繊維群を供給することにより、該既に形成されている積繊体上に別の積繊体を積層させて、複数層からなる積繊体を形成可能であるものとすることができる。
さらに、前記ウェブ形成装置は、前記形成されたウェブを前記隣接するサクションドラムのうちのいずれか一方の外周面に載せた状態で搬送可能であるものとすることが好ましい。
さらに、前記開繊装置は、軸線回りに回転自在のミキシングシリンダの外周面に設置されて、該ミキシングシリンダの回転と共に回転する複数の開繊用の回転刃と、該回転刃の刃先との間に一定の空間を空けて固定的に設置された固定刃とを有していて、回転する前記回転刃と該固定刃の間に前記ウェブを挿入することにより該ウェブを開繊自在であるものとすることができる。
この場合、前記開繊装置は、前記ウェブを押圧しながら回転する前記回転刃と前記固定刃との間に該ウェブを送り出す押圧搬送装置を備えていているものとすることが好ましい。
また、開繊が容易であるため、繊維の切断を可及的に抑えて繊維長を確保することができると共に、ウェブを安定的に開繊して吸収体を構成する繊維を均一にブレンドすることができる。
この結果、予定していた吸収体として性能を安定的に得ることが可能となる。
本発明の吸収体の製造方法及び製造装置は、少なくともセルロース系吸水性繊維と熱可塑性樹脂繊維とを含む複数の繊維を予め定めた割合で混合した吸収体を製造するものである。
図1〜図7は、本発明に係る吸収体の製造装置の第1の実施の形態を示すもので、この実施の形態の製造装置1Aは、前記吸収体を構成する繊維からウェブ2を形成するウェブ形成装置3を備えている。さらに、前記ウェブ形成装置3から連続的に供給されたウェブ2を開繊して吸収体材料4を形成する開繊装置5と、該開繊装置5により形成された吸収体材料4を積繊させて吸収体6を成形する成形装置7とを備えている。
また、前記ウェブ形成装置3と開繊装置5との間には、該ウェブ形成装置3で形成されたウェブ2の少なくとも幅方向の一部を該ウェブ2の全長にわたって厚さ方向に圧縮する圧縮装置10が配設されている。
また、前記第1の繊維群供給装置33は、第1サクションドラムに対して第1の繊維群を、前記第2の繊維群供給装置34は第2サクションドラム32に第2の繊維群をそれぞれ供給する構成となっていて、この実施の形態の場合、第1の繊維群はセルロース系吸水性繊維、第2の繊維群は繊維熱可塑性樹脂繊維としている。
これらの第1及び第2サクションドラム31,32は、外周面が、複数の吸引孔が穿設されたメッシュ状に形成されていて、サクションドラム31,32の内方側から吸引力を加えることにより外周面に前記繊維群を吸着して一定の厚さまで積繊させることが可能となっている。これにより、第1のサクションドラムは第1の積繊体35を、第2のサクションドラムは第2の積繊体36をそれぞれ形成する。また、前記第1及び第2サクションドラム31,32は、各々回転しながら第1及び第2の繊維群をそれぞれ吸引しているため、回転中においては、これらの第1及び第2の繊維群がそれぞれの外周面に沿って積繊され続け、結果として第1及び第2の積繊体35,36は、長さ方向に向けて連続的に延設されることとなる。
また、前記第1サクションドラム31に対して供給される第1の繊維群の坪量については、該第1の繊維群がセルロース系吸水性繊維であるとき、50〜500g/m2程度が好ましく、さらに好ましくは200〜350g/m2である。坪量が50g/m2未満となると目付ムラが生じる一方で、500g/m2を超えると吸引力が低下してやはり目付ムラが生じるおそれがある。
一方、前記第2サクションドラム32に対して供給される第2の繊維群の坪量については、該第2の繊維群が各種の熱可塑性樹脂繊維(例えば、ポリエチレンテレフタラート/高密度ポリエチレン(PET/HDPE)の芯鞘型複合繊維等)であるとき、10〜200g/m2程度が好ましく、さらに好ましくは10〜100g/m2である。坪量が10g/m2未満となると目付ムラが生じる一方で、200g/m2を超えると吸引力が低下してやはり目付ムラが生じるおそれがある。
これらの第1及び第2サクションドラム31,32における各吸引範囲については、前記第1及び第2の繊維群供給装置33,34が第1及び第2の繊維群を供給する範囲、及び前記8第1及び第2の繊維群供給装置33,34における後述する繊維群供給路37,38の開口37a,38aの位置や、第1及び第2サクションドラム31,32の間に形成される後述のギャップ19の位置に応じて設定される。
前記第2サクションドラムについては、同じく図2に示すように、前記繊維群供給路38の開口38aの下端側に対向する位置から、前記ギャップ19が形成されている位置を過ぎた位置(ギャップ19の出側)までの範囲を吸引範囲A2としている。
そして、前記ギャップ19内において前記第1及び第2のサクションドラム31,32の外周面に形成された第1及び第2の積繊体35,36を相互に重ね合わせて一体化し、これにより前記ウェブ2を形成することができるようになっている。
また、前記第1及び第2サクションドラム31,32間のギャップ19は、前記ウェブ2の予め定めた厚さよりも小さくなっていて、前記第1及び第2の積繊体35,36を相互に重ね合わせる際に、これらの第1及び第2の各積繊体35,36を厚さ方向に一体化し、前記ウェブ2を形成することが可能となっている。
前記ギャップ19の大きさが、形成すべきウェブ2の厚さの5%未満であると、第1及び第2の積繊体を一体化する際にこれらの第1及び第2の積繊体に圧力がかかりすぎ、却って一体化がうまくいかずにウェブ2の形成効率が悪くなる。また、前記第1及び第2サクションドラム31,32にも大きな負荷が作用するため、破損等の強度的な問題が発生する可能性がある。
一方、前記ギャップ19の大きさが、形成すべきウェブ2の厚さの75%を超えると、第1及び第2サクションドラム31,32の間の空間が大きくなりすぎて、第1の積層体35と第2の積繊体36との重ね合わせを安定的に行うことができず、やはり一体化がうまくいかない可能性が高くなる。特に、ウェブ2を高速で形成する場合には、第1の積層体35と第2の積繊体36との安定的な一体化が一層難しくなる。
例えば、形成すべウェブ2の厚さが20mmであるとき、前記ギャップ19は3〜10mm程度とすることができる。
即ち、前記第1のサクションドラム31の吸引範囲は前記ギャップ19が形成されている位置の手前の位置までである一方で、前記第2サクションドラム32の吸引範囲は、前記ギャップ19を過ぎた位置までが吸引範囲となっているため、前記ウェブ2は形成時においては第2サクションドラム32の吸引範囲に入っている。したがって、前記ウェブ2は、第2サクションドラム32の外周面に吸引された状態で搬送されはじめ、該第2サクションドラム32の吸引範囲を脱した後は、該ウェブ2の自重によって第2サクションドラム32の外周面に載って該外周面の回転と共に移動し、次工程に向けて搬送される。
この実施の形態の場合、前記第1サクションドラム31にセルロース系吸水性繊維からなる第1の繊維群を供給する前記第1の繊維群供給装置33は、例えばパルプシート等を定量ずつ粉砕して開繊することにより形成したセルロース系吸水性繊維を、前記繊維群供給路37を通じてエア搬送して前記第1サクションドラム31に供給する構成となっている。
また、前記第2サクションドラムに熱可塑性樹脂繊維からなる第2の繊維群を供給する前記第2の繊維群供給装置は、例えば各種熱可塑性樹脂繊維を含むベール状のシートを予備開繊した後に開繊を行い、その後、開繊した熱可塑性樹脂繊維を定量ずつ供給する定量供給装置から、前記繊維群供給路38を通じてエア搬送して前記第2サクションドラム32に供給する構成となっている。
図1〜図3に示すように、このウェブ引き剥がし装置20は、前記第2サクションドラム32の外周面のウェブ2の進行方向を変更することにより該ウェブ2を該第2サクションドラム32から引き剥がす引き剥がし用ロール21を有している。この引き剥がし用ロール21が前記第2サクションドラム32と同じ方向に回転することにより、前記第2サクションドラム32の外周面に載っている前記ウェブ2を掻き上げて、該ウェブ2の進行方向を、第2サクションドラム32の回転方向から該引き剥がし用ロール21の回転方向に変更する。これにより、前記第2サクションドラム32の外周面に張り付いていた前記ウェブ2は、該外周面から引き剥がされることとなる。
そして、前記ウェブ2は、前記引き剥がし用ロール21により第2サクションドラム32の外周面から引き剥がされた後は、該引き剥がし用ロール21の外周面に沿って搬送されることとなる。
なお、この引き剥がし用ロール21は、ウェブ引き剥がし装置の一部を構成するものでるが、この実施の形態においては、図3に示すように、前記圧縮装置10の構成の一部としても機能するように構成されて、製造装置全体の構造の簡単化及び省スペース化が図られるようにしている。
さらに、前記引き剥がし用ロール21の外周面には、前記ウェブ2と第2サクションドラム32の外周面との間に作用する摩擦力よりも大きく、且つ該第2サクションドラム32からそのウェブ2を傷つけることなく引き剥がすのに必要な摩擦力がウェブ2との間に作用するような構成となっていて、該ウェブ2を容易且つより安定的に掻き上げて進行方向を変更することが可能となっている。例えば、前記引き剥がし用ロール21の外周面に、ウェブ2と第2サクションドラム32の外周面との間に作用する摩擦力よりも大きい摩擦力が作用し得る摩擦係数を付与するなどして、引き剥がし用ロール21の外周面とウェブ2との間に必要な摩擦力が確保されるようにすることができる。
これにより、前記第2サクションドラム32からウェブ2を確実に引き剥がして、該ウェブ2の第2サクションドラム32から離れる方向への搬送を安定的且つスムーズに行うことができる。
ただし、搬送対象となるウェブ2の厚さや使用されている繊維の種類や繊維長等にもよるが、突部21bの幅としては0.5〜25mm程度とすることが好ましく、さらには1〜15mm程度とするが好ましい。また、各溝部21aを形成するピッチ(溝部21aの溝幅方向の中央から隣接する溝部21aの溝幅方向の中心までの距離)としては、2〜30mm程度が好ましく、さらには3〜18mm程度が好ましい。溝部21aの深さとしては、0.5〜5mm程度が好ましく、さらには0.5〜3mm程度が好ましい。
例えば、ウェブ2の厚さが10mmである場合、前記距離は1〜5mm程度とすることができる。
そして、回転する前記回転刃52と固定刃53の間に前記ウェブ2を挿入させることにより、該ウェブ2はこれらの回転刃52と固定刃53とに挟まれるようにして開繊され、吸収体6の形成に供される吸収体材料4が形成される。
また、前記固定刃53の一部は、後述する押圧搬送装置60の押圧搬送用ロール61の外周面と対向していて、その対向した部分は、下方に行くにしたがって、該押圧搬送用ロール61の外周面に接触せず且つ前記ウェブ2の搬送を妨げない程度に次第に接近すると共に、固定刃53の内方側に凸となるように緩やかに湾曲した状態で傾斜する傾斜面53bとなっている。この傾斜面53bは、後で詳述する押圧搬送装置60の一部を構成する。
また、前記回転刃52の刃55の刃先と固定刃53の刃先53aとの間の距離については、前記ウェブ2の厚みにもよるが、これら回転刃52と固定刃53とが相互に接触しない程度に可及的に小さいことが好ましく、最大でも10mm以下、好ましくは5mm以下であることがさらに好ましい。
この距離が大きくなりすぎると開繊がうまくいかず、また成形装置7での吸収体材料4のブレンドの均一性を維持することができなくなる。
通常、前記ウェブ2を開繊する際には、前記回転刃52の回転等に伴って該ウェブ2を該回転刃52と固定刃53との間に挿入しづらくなる。特に、ウェブ2の嵩が大きいと、挿入の際にばたつきが大きくなってしまい、安定的な挿入が困難になる上、ウェブ2の定量的な開繊が難しくなる。そのため、この押圧搬送装置60を設けて、前記ウェブ2を押圧しながら前記開繊装置5に搬送することにより、前記回転刃52の回転に関わらず、該回転刃52と固定刃54との間にウェブ2を安定的に送り出すことができ、また定量的な開繊を行うことができるようにしている。
前記押圧搬送用ロール61は、図2に示すように、前記引き剥がし用ロール21を挟んで前記第2サクションドラム32とは反対側の位置に配設されている。
さらに、図3に示すように、この押圧搬送用ロール61の外周面には、該ロール61の軸線に沿う方向に延びる複数の溝部61aと、これらの溝部61a,61aの間に形成された突部61bとがそれぞれ設けられていて、前記ウェブ2と接触した際にはこれらの溝部61aと突部61bとを滑り止めとして機能させている。これにより、前記ウェブ2を搬送方向に押圧して押し出すように確実且つ安定的に送り出すことが可能となっている。
一方、固定刃53と押圧搬送ロール51との間の空間に入ったウェブ2は、固定刃53の刃先53aに近づくにつれて、押圧搬送ロール61の外周面によって前記固定刃53の傾斜面53bに押し付けられるため、該ウェブ2の厚さ方向に押圧される。
これにより、ウェブ2は、厚さ方向に押圧されながら順次開繊装置5に安定的に搬送されることとなる。
前記ウェブ形成装置3において形成されたウェブ2は、熱処理を行っていないことにより、熱可塑性樹脂繊維同士が溶融接合していないため、引っ張り強度が低い状態であることが考えられる。そのため、吸収体製造の一連の工程中に前記ウェブ2に作用する張力等により、該ウェブ2がちぎれてしまうことが考えられる。したがって、一連の工程中おいて、前記ウェブ2が受けるダメージを極力減らすためには、特に長さ方向の引っ張り強度をしっかり確保することが肝要である。
そのため、この実施の形態においては、前記圧縮装置10によって、前記ウェブ2の全長にわたって該ウェブ2の厚さ方向に圧縮し、長さ方向の引っ張り強度を確保するようにしている。
また、図4に示すように、前記圧縮用ロール11は、外周面に、その周方向(軸線回り)に略平行に形成された複数の溝部11aと、これらの溝部11a,11aの間に形成された突部11bとが全幅にわたって設けられた構成となっている。
そして、前記引き剥がし用ロール21の外周面とで前記ウェブ2を圧縮した際には、この圧縮用ロール11の前記突部11bと、該引き剥がし用ロール21の突部21bとが該ウェブ2を両面側から圧縮するようになっている。したがって、前記ウェブ2は、これらの圧縮用ロール11と引き剥がし用ロール21とで圧縮された部分が並んだ状態となる。
さらに、この圧縮部分は、前記ウェブ2の全長にわたって形成されるため、該ウェブ2の長さ方向の引っ張り強度が確保されることとなる。
また、前記圧縮用ロール11の外周面と引き剥がし用ロール21の外周面との間のギャップは、ウェブ2を確実且つ安定的に圧縮することができれば任意の大きさとすることができ、例えば、搬送対象となるウェブ2の厚さや使用されている繊維の種類や繊維長等にもよるが、0〜5mmとすることができ、さらには0〜2mmとすることが好ましい。なお、前記圧縮用ロール11と引き剥がし用ロール21とは、エアシリンダ等の各種付勢手段により、相互に圧接する方向にそれぞれ付勢されている。したがって、圧縮用ロール11の外周面と引き剥がし用ロール21の外周面との間のギャップが0mmである場合、あるいはウェブ2の厚さ比べてギャップが小さい場合は、搬送されてきたウェブ2によりこれらの圧縮用ロール11の外周面と引き剥がし用ロール21の外周面との間が一定の範囲で押し広げられると同時に、該ウェブ2が厚さ方向に圧縮される。
前記圧縮ロール11よるウェブ2の加熱に際しては、前記熱可塑性樹脂繊維が複数の材料から形成された複合繊維である場合は、最も融点が低い材料の融点未満で加熱することが肝要である。
この実施の形態においては、前記成形装置7は、前記開繊装置5の下方側に配設され、予め定めた吸収体の形状に合わせて形成された複数の凹部71aを外周面に備えた、軸線回りに回転自在である吸収体成形用のサクションドラム71と、該サクションドラム71の上部側の一部を覆う、前記開繊装置と共用のカバー部材56とを備えている。
この実施の形態においては、前記吸収体成形用のサクションドラム71は、その軸線が、前記開繊装置5における回転刃52の軸線方向と相互に直交する水平方向に延びた態様となっている。
なお、前記カバー部材56は、上端側が前記開繊装置5において回転刃52を覆い、下端側が前記吸収体成形用のサクションドラム71を覆っている。したがって、このカバー部材56は、内部空間を通して、開繊装置5の回転刃52の下方側と成形装置7の前記吸収体成形用のサクションドラム71の上方側とを連通させ、開繊装置5において形成された吸収体材料4を該サクションドラム71の外周面上に搬送、供給している。また、前記カバー部材56においては、吸水性に優れた、例えば高吸水性樹脂(Super absorbent Polymer:SAP)等の吸水性ポリマーを内部空間に混入することが可能となっている。
なお、前記凹部71a内に形成された吸収体6は、前記吸収体成形用のサクションドラム71が回転することによって、凹部71aの開口が下方向きとなった際に、生理用ナプキンや紙オムツ等の製品の製造工程のラインに置かれる。図7に示すものの場合、前記凹部71a内に形成された吸収体6は、前記サクションドラム71の下方側に配設された、生理用ナプキンや紙オムツ等の製品の製造工程のライン上を流れているキャリアシート72の上面に、接着剤を介して載置され、次工程に搬送される。
なお、準備段階として、前記第1及び第2の繊維群供給装置33,34において、第1及び第2サクションドラム31,32それぞれに供給すべき第1及び第2繊維群を形成しておく。
このウェブ形成工程は前記ウェブ形成装置3を用いて行われ、具体的には、まず前記第1の繊維群供給装置33から、回転(図1及び図2においては左回りに回転)する第1サクションドラム31の外周面に向けて第1の繊維群(この実施の形態の場合はセルロース系吸水性繊維)を供給すると共に、前記第2の繊維群供給装置34から、回転(第1サクションドラム31とは相反する方向に回転)する第2サクションドラム32の外周面に向けて第2の繊維群(この実施の形態の場合は熱可塑性樹脂繊維)を供給する。このとき、第1及び第2の繊維群供給装置33,34それぞれから供給される第1及び第2繊維群の量は、形成すべき吸収体に含有される混合割合が予め定めた割合となるように調整される。
そして、前記第1及び第2サクションドラム31,32が、供給された第1及び第2の繊維群をそれぞれ吸引して、第1サクションドラム31の外周面において第1の積繊体35を、第2サクションドラム32の外周面において第2の積繊体36をそれぞれ形成する。
そして、前記ウェブ2が形成された後は、第2サクションドラム32の回転を利用して該ウェブ2を次工程に搬送する。即ち、前記ウェブ2がこの第2サクションドラム32の外周面上に載せられた状態を維持して、該ウェブ2を第2サクションドラム32の回転方向に搬送する。
ここで、このウェブ形成工程中においては、前記積繊体やウェブに対して繊維の融点以上の温度で熱処理をすることはなく、したがって、繊維の熱融着による強化等は行わない。
なお、本発明において「熱融着」とは、サクションドラムの外周面に形成される積繊体やウェブを、これらの積繊体やウェブに含まれる繊維の融点以上の温度で加熱することにより、積繊体やウェブ中のランダムな部分において、繊維同士の交点をその繊維の溶融によって相互に接着することをいう。
このウェブ引き剥がし工程は、前記ウェブ引き剥がし装置20を使用して行われる。具体的には、前記第2サクションドラム32の回転方向と同じ方向に回転する前記引き剥がし用ロール21により、該第2サクションドラム32に張り付いている前記ウェブ2を掻き上げて、該ウェブ2の進行方向を第2サクションドラム32から離れる方向に変更することにより、そのウェブ2を第2サクションドラム42の外周面から引き剥がす。
前記第2サクションドラム32の外周面から引き剥がされたウェブ2は、その後前記は引き剥がし用ロール21の外周面に載り、該ロール21の回転と共に次工程に搬送される。
即ち、ウェブ2の搬送方向の先頭側の端部がこのウェブ引き剥がし工程に達した場合には、回転している前記引き剥がし用ロール21が該ウェブ2の端部を略上方側に跳ね上げるようにして前記第2サクションドラム32から引き剥がす。さらに、跳ね上げられたウェブ2の端部が引き剥がし用ロール21の外周面上に載ると、回転している該引き剥がし用ロール21がウェブ2を第2サクションドラム32から離れる方向に引っ張る。これにより、ウェブ2の端部は第2サクションドラム32から離れる方向に進行方向が変更される。
以降、搬送されてくるウェブ2は、引き剥がし用ロール21が回転するによって第2サクションドラム32から安定的に引き剥がされると共に、該引き剥がし用ロール21の外周面に載って第2サクションドラム32から離れる方向に順次搬送されることとなる。
この圧縮工程は、圧縮装置10を用い、回転している前記引き剥がし用ロール21と回転(該引き剥がし用ロール21と相反する方向に回転)している圧縮用ロール11との間に、第2サクションドラム32の外周面から引き剥がされて該引き剥がし用ロール21の外周面に載って搬送されているウェブ2を通すことにより行う。これにより、前記引き剥がし用ロール21と圧縮用ロール11とによって前記ウェブ2が圧縮されて、該ウェブ2の長さ方向の引っ張り強度が向上し、吸収体の製造方法における一連の工程中に該ウェブ2がちぎれることが抑止される。
この実施の形態の場合、前記引き剥がし用ロール21及び圧縮用ロール11に形成された溝部21a,11aと突部21b,11bとの延設方向の関係から、前述のように、ウェブ2には圧縮部分が並び、該圧縮部分がウェブ2の全長にわたって形成されるため、長さ方向に強度が向上する。
なお、この圧縮工程においては、場合によっては、前記圧縮用ロール11に設けた加熱用ヒータで該圧縮用ロール11の外周面を加熱して、前記ウェブ2を該ウェブ2中の熱可塑性樹脂繊維の融点未満の温度で加熱して、熱可塑性樹脂繊維同士が融着するまでには至らず且つ開繊に影響を与えない程度の弱い力でウェブ2中の熱可塑性樹脂繊維同士を接合しながら圧縮を行うことにより、そのウェブ2の強度を向上させてもよい。
この押圧搬送工程は、押圧搬送装置60を使用して、回転(図1〜図3においては左回りに回転)する押圧搬送用ロール61と固定刃53の傾斜面53bとの間に、前記圧縮工程を経たウェブ2を通すことにより行う。この工程により、ウェブ2は、押圧搬送用ロール61が固定刃53の傾斜面53bに押し付けられて厚さ方向に押圧される一方で、押圧搬送用ロール61の回転により前記開繊工程に向けて強制的に押し出されるように固定刃53の刃先53bの方向に搬送される。これにより、該開繊工程においては、回転刃52の回転等にかかわらず前記ウェブ2がばたつくことなく、安定的に開繊されることとなる。
この開繊工程は、前記開繊装置5を用いて行い、具体的には、軸線回りに回転自在(前記押圧搬送用ロール61とは相反する方向に回転する)の回転刃52と、該回転刃52の刃の刃先に対して一定の間隔を空けて設置された固定刃53の刃先53aとの間に前記ウェブ2を挿入することにより該ウェブ2を開繊し、前記吸収体材料4を形成する。
このとき、前記ウェブ2は、熱可塑性樹脂繊維同士が融着していない上、前記押圧搬送工程によって回転刃52と固定刃52との間に強制的に順次押し出されるため、この開繊工程においては容易に且つ安定的に、また効率的に開繊を行うことができる。
そして、この開繊工程によって形成された前記吸収体材料4は、開繊装置5のカバー部材56内を通して回転刃52の下方側に落下することにより、次工程に供給されることとなる。
この実施の形態においては、前記成形装置7を用い、前記吸収体成形用のサクションドラム71の外周面に形成された凹部71a内に、前記開繊工程で形成されて前記カバー部材56内を落下してきた吸収体材料4を供給、積繊することにより吸収体6を成形する。
なお、前記吸収体6を成形した後は、前記吸収体成形用のサクションドラム71の回転により、凹部71a内に形成された吸収体6が、各種吸収性物品の製造ライン上に順次置かれる。
また、開繊が容易であるため、繊維の切断を可及的に抑えて繊維長を確保することができると共に、ウェブを安定的に開繊して吸収体を構成する繊維を均一にブレンドすることができる。
したがって、所望する吸収体として性能を安定的に得ることが可能となる。
具体的に、最上段に配設された第1サクションドラム81と、該第1サクションドラム81の直下に配設された第2サクションドラム82と、該第2サクションドラム82の直下に配設された最下段の第3サクションドラム83とを備えている。さらに、前記第1サクションドラム81に繊維群供給路87を通じて第1の繊維群を供給する第1の繊維群供給装置84と、前記第2サクションドラム82に繊維群供給路88を通じて第2の繊維群を供給する第2の繊維群供給装置85と、前記第3サクションドラム83に繊維群供給路89を通じて第3の繊維群を供給する第3の繊維供給吸装置86とをそれぞれ備えている。
具体的に、この実施の形態におけるウェブ形成工程は、まず、回転(図8においては右回りに回転)している前記第1サクションドラム81に第1の繊維群供給装置84から第1の繊維群を供給して、該第1の繊維群を第1サクションドラム81に吸引させることにより、該第1のサクションドラムの外周面に第1の積繊体90を形成する。
次いで、前記第1サクションドラム81の外周面の第1の積繊体90を、前記第2サクションドラム82とのギャップ92近傍において、回転(前記第1サクションドラム81とは相反する方向に回転)している該第2サクションドラム82からの吸引によりその第2サクションドラム82の外周面に移動させると共に、第2の繊維群供給装置85から第2の繊維群をその第2サクションドラム82の外周面に供給する。このとき、前記第2サクションドラム82は、その第2サクションドラム82の外周面上の前記第1の積繊体90を通して第2の繊維群を吸引するため、前記第2の繊維群からなる第2の積繊体91が該第1の積繊体90の上(第2サクションドラム82の外周面上の第1の積繊体90における外周面側)に形成される。これにより、前記第2サクションドラム82上には、第1の積繊体90からなる層及び第2の積繊体91からなる層の、複数の積繊体の層からなる複合積繊体93が形成されることとなる。
その後、前記第2サクションドラム82によって搬送されてきた前記複合積繊体93と、該第3のサクションドラム83の外周面に形成された第3の積繊体94とを、これらの第2及び第3サクションドラム82,83の間のギャップ95内において重ね合わせて一体化し、最終的なウェブ2を形成する。このとき、前記第3の積繊体94は、複合積繊体93における第2の積繊体91側に重ね合わされる。なお、このウェブ形成工程中においては、ウェブに対して繊維の融点以上の温度で熱処理をすることはなく、したがって、繊維の熱融着による強化等は行わない。
そして、前記ウェブ2を前記第3サクションドラム83の外周面に載せた状態で次工程に搬送することとなる。
また、この実施の形態の製造装置1Bにおいて、前記第1〜第3サクションドラム81〜83、及び第1〜第3の繊維群供給装置84〜86を備えている点以外の構成については、前記第1の実施の形態と実質的に同じ構成であるため、同様の符号を付して詳細な説明は省略する。ただし、ウェブ引き剥がし工程については、前記第3サクションドラム83の外周面に張り付いたウェブ2に対して実施され、ウェブ引き剥がし装置20の引き剥がし用ロール21は、前記第3サクションドラム83に近接した位置に配設される。
さらに、複合積繊体93と第3の積繊体94とが一体化される第2サクションドラム82と第3サクションドラム83との間のギャップ95の大きさについては、基本的に、前記第1の実施の形態における第1サクションドラム31と第2サクションドラム32との間のギャップ19の大きさと同じである。一方、この実施の形態第における第1サクションドラム81と第2サクションドラム82との間のギャップ92の大きさについては、後述する、第1サクションドラム81の外周面の第1の積繊体90を第2サクションドラム82の外周面に移動させる際に、該第1の積繊体90を破損することなく安定的に移動させることができる大きさであればよい。
即ち、前記ウェブ形成装置100は、前記第1サクションドラム101の外周面の上方寄りの部分に臨む位置に、第1の繊維群を供給する第1の繊維群供給装置103における繊維群供給路105の開口105aが設けられていて、該第1の繊維群を該第1サクションドラム101の外周面の上方寄りの位置に対して供給可能となっている。
さらに、前記第1の繊維群供給装置103の繊維群供給路105の開口105aの直下に、第2の繊維群を供給する第2の繊維群供給装置104の繊維群供給路106の開口106aが配設されている。そして、前記第2の繊維群を、第1サクションドラム101の外周面における前記第1の繊維群が供給される位置よりも下方側の位置に対して供給可能となっている。
また、前記第2サクションドラム102には、第3の繊維群供給装置107が配設されていて、繊維群供給路108の開口108aを通じて、第3の繊維群を第2サクションドラム102の外周面に対して供給可能となっている。
また、前記第1〜第3の繊維群供給装置103,104,107については、基本的に、前記第1の実施の形態の第1及び第2の繊維群供給装置33,34と同じ構成である。ただし、この実施の形態においても、各繊維群供給装置103,104,107が供給する第1〜第3の各繊維群については、それぞれ事前に準備しておくか、供給と同時に形成する必要があり、また供給に際しては、予定している吸収体の性能に基づいた含有割合が実現できるような供給量とすることが肝要である。
そして、第1及び第2のサクションドラム101,102の外周面の間に形成されたギャップ113内において、第1サクションドラム101の外周面に形成された複合積繊体111と、第2サクションドラム102の外周面に形成された第3の積繊体112を相互に重ね合わせて一体化することによりウェブ2を形成する。なお、このウェブ形成工程中においては、ウェブに対して繊維の融点以上の温度で熱処理をすることはなく、したがって、繊維の熱融着による強化等は行わない。
この実施の形態のウェブは、結果として、3つの積繊体が一体化されることにより形成されたものであり、構造としては、実質的に前記第2の実施の形態のウェブと同じとなる。
また、この実施の形態では、前記ウェブ2が次工程以降に搬送されて開繊されるウェブとなるため、該ウェブ2を前記第2サクションドラム102の外周面に載せた状態で次工程に搬送することとなる。
また、この実施の形態の製造装置1Cにおいて、ウェブ形成装置100の構成、具体的には、前記第1サクションドラム101に対して第1及び第2の繊維供給装置103,104が配設され、第2サクションドラム102に第3の繊維群供給装置107が配設されている点以外の構成については、前記第1の実施の形態と実質的に同じ構成であるため、同様の符号を付して詳細な説明は省略する。
さらに、この実施の形態においては、ウェブ引き剥がし工程については、前記第2サクションドラム102の外周面に張り付いたウェブ2に対して実施され、ウェブ引き剥がし装置の引き剥がし用ロール21は、前記第2サクションドラム102に近接した位置に配設される。また、第1サクションドラム101と第2サクションドラム102との間のギャップ113の大きさについては、基本的に、第1の実施の形態における形成すべきウェブの厚さに対する割合と同様である。
前記第1の繊維群供給装置122は、前記サクションドラム121の外周面のほぼ中間の高さ部分に臨む位置に繊維群供給路124の開口124aが設けられていて、第1の繊維群を該サクションドラム121の外周面における中間の高さの範囲に対して供給可能となっている。さらに、前記第1の繊維群供給装置122の繊維群供給路124の開口124aの直上に、第2の繊維群供給装置123の繊維群供給路125の開口125aが配設されていて、第2の繊維群を、前記サクションドラム121の外周面における前記第1の繊維群の供給範囲よりも上方側に対して供給可能となっている。
また、前記第1及び第2の繊維群供給装置122,123については、基本的に、前記第1の実施の形態の第1及び第2の繊維群供給装置33,34と同じ構成である。ただし、この実施の形態においても、各繊維群供給装置122,123が供給する第1及び第2の各繊維群については、それぞれ事前に準備しておくか、供給と同時に形成する必要があり、また供給に際しては、予定している吸収体の性能に基づいた含有割合が実現できるような供給量とすることが肝要である。
また、この実施の形態では、このウェブ2が次工程以降に搬送されて開繊されるウェブとなり、該ウェブはサクションドラム121の外周面に載せた状態で次工程に搬送されることとなる。
なお、この実施の形態においては、ウェブ引き剥がし工程については、前記サクションドラム121の外周面に張り付いたウェブ2に対して実施され、また、ウェブ引き剥がし装置の引き剥がし用ロール21は、前記サクションドラム121に近接した位置に配設される。
さらに、前記第1〜第3の実施の形態では、ウェブ形成装置3,80,100,120の各サクションドラムを、縦方向(上下方向)に並べた状態で配設しているが、このウェブ形成装置の各サクションドラムの配置については、装置の設置スペースや後工程の装置との位置関係、周辺設備との関係等の問題がなければ、例えば各サクションドラムを横方向(略水平方向)に並べた状態で配設する等、任意の配置とすることができる。
あるいは、前記サクションドラムの外周面からウェブを容易に引き剥がすことができる、または無理に引き剥がさなくてもウェブがサクションドラムの外周面から離れるのであれば、このウェブ引き剥がし装置は必ずしも必要はなく、ウェブ引き剥がし工程も省略することができる。
また、前記開繊装置5の回転刃52は、ミキシングシリンダ51の回転方向に傾斜した外方向きの刃55が突設された金属製のワイヤ54を前記ミキシングシリンダ51の外周面に螺旋状に巻き付けることにより形成されているが、この回転刃はこれ以外の構成であってもよい。例えば、複数の擦過刃が形成された金属製ワイヤをミキシングシリンダの外周面に螺旋状に巻き付けた構成を用いることができる。または、外周に刃が形成された板状(例えば円板状)の複数の回転刃が、前記刃がミキシングシリンダの周方向に向いた状態で該ミキシングシリンダの外周面に取付けられることにより、前記回転刃がそのミキシングシリンダの軸線方向に複数並設された構成を用いることができる。あるいは、ミキシングシリンダの外周面に複数の開繊用のハンマーを取付けた、いわゆるハンマーミルのような構成を用いてもよい。
本発明において使用される前記セルロース系吸水性繊維としては、例えば、針葉樹又は広葉樹を原料として得られる木材パルプ(例えば、砕木パルプ、リファイナーグランドパルプ、サーモメカニカルパルプ、ケミサーモメカニカルパルプ等の機械パルプ;クラフトパルプ、サルファイドパルプ、アルカリパルプ等の化学パルプ;半化学パルプ等);木材パルプに化学処理を施して得られるマーセル化パルプ又は架橋パルプ;バガス、ケナフ、竹、麻、綿(例えば、コットンリンター)等の非木材パルプ;レーヨン繊維等の再生繊維等が挙げられ、そして工業的に安価に得られ且つ安全性が高いクラフトパルプが好ましい。
また、前記熱可塑性複合繊維は、複合繊維であってもよい。上記複合繊維の例としては、例えば、芯鞘型繊維、サイドバイサイド型繊維、島/海型繊維等の複合繊維;中空タイプの繊維;扁平、Y型、C型等の異型繊維;潜在捲縮又は顕在捲縮の立体捲縮繊維;水流、熱、エンボス加工等の物理的負荷により分割する分割繊維等が挙げられ、そして工業的に安価に得られ且つ安全性が高い、芯鞘型繊維、特に、PET/PE、PP/PE(芯/鞘)等が好ましい。
2 ウェブ
3 ウェブ形成装置
4 吸収性材料
5 開繊装置
6 吸収体
7 成形装置
10 圧縮装置
11 圧縮用ロール
20 ウェブ引き剥がし装置
21 ウェブ引き剥がし用ロール
31,32,81〜83,101.102,121 サクションドラム
33,34,84〜86,103,104,107,122,123 繊維供給装置
35,36,90,91,93,94,109,110,111,112,126,127 積繊体
19,92,95,113 ギャップ
60 押圧搬送装置
61 押圧搬送用ロール
Claims (18)
- 少なくともセルロース系吸水性繊維と熱可塑性樹脂繊維とを含む複数の繊維を予め定めた割合で混合した吸収体の製造方法であって、
前記吸収体を構成する繊維を少なくとも1つ含有する複数の繊維群を予め定めた割合でそれぞれ積層して、一定の厚さのウェブを繊維を熱融着することなく形成するウェブ形成工程と、
前記ウェブ形成工程から連続的に搬送された前記ウェブを開繊して吸収体材料を形成する開繊工程と、
前記開繊工程により形成された吸収体材料を積繊して吸収体を成形する成形工程とを有する、吸収体の製造方法。 - 前記ウェブ形成工程は、回転している複数のサクションドラムの外周面に、前記複数の繊維群のうちの少なくとも1つの繊維群をそれぞれ供給して、各サクションドラムの外周面において積繊体を形成すると共に、隣接するサクションドラムの外周面の間に形成されたギャップ内において、これらの隣接する各サクションドラムの外周面に形成された積繊体を相互に重ね合わせて一体化することにより前記ウェブを形成する工程を含む、請求項1に記載の吸収体の製造方法。
- 前記ウェブ形成工程は、前記複数の繊維群を、回転している同一の前記サクションドラムの外周面に繊維群毎に供給して、該サクションドラムの外周面に既に形成されている積繊体上に別の繊維群からなる別の積繊体を形成することにより、複数層からなる積繊体を形成する工程を含む、請求項2に記載の吸収体の製造方法。
- 前記ウェブ形成工程は、前記形成されたウェブを、前記隣接するサクションドラムのうちのいずれか一方のサクションドラムの外周面に載せて搬送する工程を含む、請求項2又は請求項3に記載の吸収体の製造方法。
- 前記ウェブ形成工程は、前記複数の繊維群を、回転している単一のサクションドラムの外周面に繊維群毎に供給し、各繊維群からなる積繊体を該サクションドラムの外周面上において積層することにより前記ウェブを形成する工程を含む、請求項1に記載の吸収体の製造方法。
- 前記ウェブ形成工程の直後に、前記ウェブが載せられているサクションドラムの外周面から該ウェブを引き剥がして次工程に搬送するウェブ引き剥がし工程を有する、請求項4又は請求項5に記載の吸収体の製造方法。
- 前記ウェブ形成工程後であって前記開繊工程の前に、該ウェブ形成工程で形成されたウェブの少なくとも幅方向の一部を、該ウェブの全長にわたって厚さ方向に圧縮する圧縮工程を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の吸収体の製造方法。
- 前記開繊工程は、軸線回りに回転自在のミキシングシリンダの外周面に設置されて、該ミキシングシリンダの回転と共に回転する複数の開繊用の回転刃と、該回転刃の刃先と一定の間隔を空けて固定的に設置された固定刃との間に前記ウェブを挿入することにより該ウェブを開繊する工程を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の吸収体の製造方法。
- 前記開繊工程の直前に、前記ウェブを押圧しながら該開繊工程に向けて搬送する押圧搬送工程を有する、請求項8に記載の吸収体の製造方法。
- 少なくともセルロース系吸水性繊維と熱可塑性樹脂繊維とを含む複数の繊維を予め定めた割合で混合した吸収体の製造装置であって、
前記吸収体を構成する繊維を少なくとも1つ含有する複数の繊維群を予め定めた割合でそれぞれ積層して、一定の厚さのウェブを繊維を熱融着することなく形成するウェブ形成装置と、
前記ウェブ形成装置から連続的に供給されたウェブを開繊して吸収体材料を形成する開繊装置と、
前記開繊装置により形成された吸収体材料を積繊させて吸収体を成形する成形装置とを備えている、吸収体の製造装置。 - 前記ウェブ形成装置は、軸線回りに回転自在の複数のサクションドラムと、これらの各サクションドラムの外周面に前記複数の繊維群のうちの少なくとも1つの繊維群をそれぞれ供給する繊維群供給装置とを有し、
前記複数のサクションドラムは、隣接するサクションドラムの外周面同士が対向し且つこれらの外周面の間にギャップが形成されるように配設されていて、前記繊維群供給装置からの繊維群を供給により前記各サクションドラムの外周面にそれぞれ形成された積繊体を、前記ギャップ内において相互に重ね合わせて一体化することにより前記ウェブを形成可能である、請求項10に記載の吸収体の製造装置。 - 前記ウェブ形成装置は、前記繊維群供給装置が、前記複数の繊維群を、回転している同一の前記サクションドラムの外周面に繊維群毎に供給自在となっていて、該サクションドラムの外周面に既に形成されている積繊体上に別の繊維群を供給することにより、該既に形成されている積繊体上に別の積繊体を積層させて、複数層からなる積繊体を形成可能である、請求項11に記載の吸収体の製造装置。
- 前記ウェブ形成装置は、前記形成されたウェブを前記隣接するサクションドラムのうちのいずれか一方の外周面に載せた状態で搬送可能である、請求項11又は請求項12に記載の吸収体の製造装置。
- 前記ウェブ形成装置は、軸線回りに回転自在の単一のサクションドラムと、前記複数の繊維群のうちの少なくとも1つの繊維群を該サクションドラムの外周面に供給する複数の繊維群供給装置とを有し、
前記各繊維群供給装置からの繊維群の供給により、これらの繊維群からなる積繊体を該サクションドラムの外周面上において積層することにより前記ウェブを形成する請求項10に記載の吸収体の製造装置。 - 前記ウェブ形成装置は、前記サクションドラムの外周面に載せられているウェブを該外周面から引き剥がして搬送するウェブ引き剥がし装置を備えていて、該ウェブ引き剥がし装置は、前記サクションドラムの外周面のウェブの進行方向を変更することにより該ウェブを該サクションドラムから引き剥がす引き剥がし用ロールと、前記サクションドラムの外周面と前記ウェブとの間にエアを噴射して該サクションドラムから該ウェブを引き剥がすエア噴射機構とのうち、少なくとも一方を備えている、請求項13又は請求項14に記載の製造装置。
- 前記ウェブ形成装置と前記開繊装置との間に、該ウェブ形成装置で形成されたウェブの少なくとも幅方向の一部を該ウェブの全長にわたって厚さ方向に圧縮する圧縮装置を備えている、請求項10〜15のいずれか1項に記載の吸収体の製造装置。
- 前記開繊装置は、軸線回りに回転自在のミキシングシリンダの外周面に設置されて、該ミキシングシリンダの回転と共に回転する複数の開繊用の回転刃と、該回転刃の刃先との間に一定の空間を空けて固定的に設置された固定刃とを有していて、回転する前記回転刃と該固定刃の間に前記ウェブを挿入することにより該ウェブを開繊自在である、請求項10〜16のいずれか1項に記載の吸収体の製造方法。
- 前記開繊装置は、前記ウェブを押圧しながら回転する前記回転刃と前記固定刃との間に該ウェブを送り出す押圧搬送装置を備えていている、請求項17に記載の吸収体の製造装置。
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