JP2005288960A - 積層体の積繊装置及び積繊方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の積繊装置1は、固定ドラム2と、第1、第2ドラム3、7aと、固定軸ダクト17と、第1、第2シューター4、5とを備えている。積繊装置1は、第1回転ドラム3が、第1原料を第1供給領域αで第1積繊パターンを形成し、第2原料を第2供給領域βで第2積繊パターンを形成するように構成されている。第1回転ドラム3の外周面には、2層集積部材6が複数設けられており、この2層集積部材6は、第1、第2積繊パターンそれぞれに対応した凹状の第1、第2集積部6a、6bから多層状になり、第1集積部6aが第1吸気機構7により第1原料を吸引するように構成され、第2集積部6bが第2吸気機構8により第2原料を吸引するように構成されている。
【選択図】 図1
Description
例えば、図5に示す装置100は、単層積繊体101がシート102上に連続して積層された積層体103を製造するものである。この装置100においては、シューター104から供給した繊維(パルプ、ポリマー、合成繊維の1又は2以上を混合したもの)を、搬送するシート102上に自然落下および吸引ボックス106の吸引力によって積層し、回転ドラム105でその繊維をシート102上に押圧すると共に表面を平らにするようにしている。
また、図6に示す装置200は、同一パターンの単層積層体201がシート202上に間欠的に積層された積層体203を製造するものである。この装置200においては、シューター204から供給した繊維(パルプ、ポリマー、合成繊維の1又は2以上を混合したもの)を、固定ドラム205の吸引により、回転ドラム206上の集積部207に積繊し、その積繊物を回転ドラム206によりシート202上に間欠的に配置するようにしている。
また、特許文献2には、回転ドラム上の集積部を複数分割した装置が記載されている。この装置においては、二つのシューターから供給した異なる原料を、回転ドラムの回転に伴い、それぞれ異なる集積部に堆積させて、同一層に異なる積繊部を含ませた積層体を製造するようにしている。
従って、本発明の目的は、多大な設備投資を必要とせず、一つの回転ドラムで、異なる原料を十分に吸引しつつ異なった積繊パターンで積層し得る、積層体の積繊方法及び積繊装置を提供することにある。
図1又は図2に示すように、本実施形態の積層体の積繊装置(以下、単に「積繊装置」ともいう)1は、固定ドラム2と、固定ドラム2の外周を回転する第1回転ドラム3と、固定ドラム2の内側で第1回転ドラム3と同期して回転する第2回転ドラム7aと、第2回転ドラム7aの内側に固定された固定軸ダクト17と、第1、第2原料それぞれを固定ドラム2の外周面における第1、第2供給領域α、βに供給する第1、第2シューター4、5とを備えている。
この積繊装置1は、回転ドラム3が、第1原料を第1供給領域αで吸引により積繊して第1積繊パターンを形成し、第2原料を第2供給領域βで吸引により積繊して第2積繊パターンを形成することにより、第1、第2積繊パターンが積層された積層体10を形成するように構成されている。
そして、回転ドラム3の外周面には、2層集積部材6が複数設けられており、この2層集積部材6は、第1、第2積繊パターンそれぞれに対応した凹状の第1、第2集積部6a、6bから多層状になり、第1集積部6aが、第2回転ドラム7aを吸気系統に含む第1吸気機構7により、第1原料を吸引するように構成され、第2集積部6bが、固定ドラム2を吸気系統に含む第2吸気機構8により第2原料を吸引するように構成されている。
第1吸収性積繊体10aは、第1積繊パターンとして略楕円シート状に形成されたものであり、第2吸収性積繊体10Bは、第2積繊パターンとして、第1吸収性積繊体10aより大きめの略楕円シート状につき、その両サイドが括れたような形状に形成されたものである。
以下、このような吸収性積層体10を形成する積繊装置1を具体的に述べる。
ここで、図2に示すように、固定ドラム2の中心を基準にした座標系において、第1供給領域αは、約135°〜約225°の範囲の外周面であり、第2供給領域βは、約−30°〜約135°の範囲の外周面である。ただし、上記供給領域α、βの範囲は図2に示す実施例の値であり、積層するパターンの大きさ、厚さ等によって任意に変更できる。
そして、第1シューター4は、第1供給領域αを含む範囲で第1回転ドラム3の表面上に、粉粒体の流出が無いように密着して設置され、第1回転ドラム3の外周面に第1吸収素材を供給するようになっている。第2シューター5も、同様に、第2供給領域βを含む範囲で第1回転ドラム3の表面上に、粉粒体の流出が無いように密着して設置され、第1回転ドラム3の外周面に第2吸収素材を供給するようになっている。
第2回転ドラム7aは、中空円筒状に形成されたもので、固定ドラム2の内側円筒部2bの内部においてこれと同軸上になるように配置される。放射ダクト7bは、中空パイプ状に形成されたもので、第1集積部6aの下面に配置された吸引ボックス7c(図3参照)を介して第1集積部6aと連結されており、第1集積部6aと第2回転ドラム7aと連通させるようになっている。
図2に示すように、固定軸ダクト17の外表面には、隔壁18、19が第2回転ドラム7aの内面に向けて放射状に延びて設けられている。この隔壁18、19で定められた固定軸ダクト17の外表面の所定領域(第1供給領域α+吸引領域γに相当)には、開口部(図示しない)が形成されており、この開口部は、第2回転ドラム7aの内面と固定軸ダクト17の外表面との間に形成された空間部分に連通している。そして、固定軸ダクト17は、第2回転ドラム7aと共に第1真空ポンプ(図示しない)に接続されている。
第1真空ポンプは、静風圧が−40〜−5kPaの能力を持ち、この範囲で、第1吸気機構7における負圧(例えば第1集積部6a、第2回転ドラム7aにおける負圧)を−20〜−1kPaに設定することが好ましい。
ここで、第1供給領域αにおける第1回転ドラム3の外周面には、円周方向に延びる開口部16が形成されている。この開口部16は、第1集積部6aを開口し且つ第2集積部6bを遮蔽して、第1吸収素材を第2集積部6bに侵入させず、第1吸収素材と第2吸収素材との混合を防止する機能を有している。
第2真空ポンプは、静風圧が−40〜−5kPaの能力を持ち、この範囲で、第2吸気機構8における負圧(例えば第2集積部6b、固定ドラム2における負圧)を−20〜−1kPaに設定することが好ましい。
なお、図1、2では、装置の内部を説明するために、固定ドラム2、第1回転ドラム3及び第2回転ドラム7aが開放された状態で示されているが、これらには、実際、吸引時に空気および粉粒体の流出を防ぐようなカバーが取り付けられている。
図2に示すように、まず、角度εは、固定軸ダクト17については、隔壁18と隔壁19とのなす角度(約45°)であり、第2回転ドラム7aについては、隔壁13bと隔壁14とのなす角度である。そして、この角度εの範囲においては、固定軸ダクト17の表面に他の部分ような開口部が無く、第1真空ポンプによる吸引も無く、第1シューター4からの繊維の供給も無い状態となる。
コンベア12が負圧の吸引を行っているため、角度εの範囲では、吸収性積層体10は、自重力により第1、第2集積部6a,6bから離脱するはずであるが、実際には、直前まで第1真空ポンプにより吸引されているため、第1、第2集積部6a、6bから離脱しにくい。
そのため、吸収性積層体10は、転写ブロー20によって第1、第2集積部6a、6bから強制的に離脱させる必要がある。転写ブロー20には、一般的なブロワ(図示せず)による排気が用いられる。このような転写ブロー20によって離脱した吸収性積層体10は、コンベア12上で吸引搬送され、次工程へと進む。
一方、放射ダクト7bには、それぞれ電磁弁(図示しない)が取り付けられている。この電磁弁は、第1回転ドラム3の回転に伴って、固定ドラム2の所定位置に設置されたリモートスイッチ(図示しない)により、放射ダクト7bを開閉するように構成されている。具体的には、電磁弁は、第1供給領域α及び吸引領域γ(第2供給領域βを含む)において、放射ダクト7bを開口して第1集積部6aを負圧状態にし、アイドル領域ε(角度ε:約225°〜約270°の範囲)において、放射ダクト7bを閉塞して第1集積部6aを大気圧(又は正圧)状態にする。
本発明の積繊方法は、2種以上の原料からn個の積繊パターンが積層された積層体を形成する際、n個の集積部から多層状になる多層集積部材を用いて、下層から、順次、第1積繊パターン、第2積繊パターン…第n積繊パターンを積層してもよいが、本実施形態では、上記積繊装置1を用いて、第1、第2吸収性素材から、2個(n=2)の第1、第2吸収性積繊体10a、10bが積層された吸収性積層体10を形成する積繊方法について説明する。
本実施形態の積繊方法は、以下に示す、第1工程と、第2工程とを具備する。この第1、第2工程は、第1回転ドラム3の1回転中に行われる。
2層集積部材6がアイドル領域εに位置した場合、2層集積部材6は理論的には大気圧(又は正圧)状態になり、吸収性積層体10は、これに作用する遠心力、この自重及び転写ブロー20の吹き付けによって、2層集積部材6から離脱して、コンベヤ12上の台紙シート11に載置される。この場合、脱離した吸収性積層体10は、コンベア16の下部に吸引機構(図示しない)を別途設けることにより、より確実に2層集積部材6から離脱させることができる。
以上の一連の工程が、回転ドラム3の回転に伴って繰り返されることにより、吸収性積層体10は、台紙シート11に間欠的に配置される。
本発明の積繊装置においては、第1真空ポンプ及び第2真空ポンプと2台の真空ポンプを用いているが、1台の真空ポンプにより積繊を行うこともできる。
また、本発明の積繊方法は、2種以上の原料からn個の積繊パターンが積層された積層体を形成する際、n個の集積部から多層状になる多層集積部材を用いて、この多層集積部材を回転させながら、下層からk番目の第k集積部に、第i原料を吸引して第k積繊パターンを形成する第k工程と、下層から(k+1)番目の第(k+1)集積部に、第i原料と異なる第j原料を吸引して第k積繊パターンの上層に第(k+1)積繊パターンを形成する第(k+1)工程とについて、kを1から(n−1)までインクリメントすることにより、第1工程〜第n工程を具備するようにしてもよい。
この場合、第1〜第m集積部については、上記第1吸気機構を適用し、第(m+1)〜第n集積部については、上記第2吸気機構を適用すればよく、第1〜第n集積部のすべてについて、上記第1吸気機構又は上記第2吸気機構の何れか一方を適用してもよい。 本発明の積繊方法において積繊パターンの数nについては特に制限はないが、各層ごとに吸引機構を設ける必要があるため2〜5が好ましい。nが5を超えると回転ドラム上に十分な吸引範囲を確保することが難しくなり、さらに固定ドラムと回転ドラムの構造が非常に複雑になるので、本来の目的である設備費用の低減が損なわれてしまう。さらに吸収性物品として各層に十分な機能を持たせるためには、nは2〜3にすることがより好ましい。
回転ドラム3の外径は製作可能な限度、および組立等の作業性を考慮すると外径2m以下が好ましい。一般的な吸収性物品の製品長を100〜500mmと考えると回転ドラム3の外径との関係から、表面のパターンの数は2〜20となる。
さらに、本発明の積繊方法においては回転ドラムを用いず、コンベアベルト上に多層集積部材を適当数配置し、対向する位置に吸引機構を設けた複数のシューターを並列に並べ、コンベアベルトを移動させながら順次積繊させることもできる。
3 第1回転ドラム
4 第1シューター
5 第2シューター
6 2層集積部材
6a 第1集積部
6b 第2集積部
7 第1吸気機構
7a 第2回転ドラム
7b 放射ダクト
8 第2吸気機構
10 積層体、吸収性積層体
10a 第1吸収性積繊体
10b 第2吸収性積繊体
11 台紙
12 コンベア
13a 固定ドラム上の隔壁
13b 固定ドラム上の隔壁
14 固定ドラム上の隔壁
15 吸引室
16 円周方向に延びる開口部
17 固定軸ダクト
18 固定軸ダクト上の隔壁
19 固定軸ダクト上の隔壁
20 転写ブロー
α 第1供給領域
β 第2供給領域
γ 吸引領域
ε アイドル領域
Claims (5)
- 固定ドラムと、該固定ドラムの外周を回転する第1回転ドラムと、該固定ドラムの内側で該第1回転ドラムと同期して回転する第2回転ドラムと、該第2回転ドラムの内側に固定された固定軸ダクトと、第1、第2原料それぞれを該固定ドラムの外周面における第1、第2供給領域に供給する第1、第2シューターとを備え、該第1回転ドラムが、該第1原料を該1供給領域で吸引により積繊して第1積繊パターンを形成し、該第2原料を該第2供給領域で吸引により積繊して第2積繊パターンを形成することにより、該第1、第2積繊パターンが積層された積層体を形成する積層体の積繊装置であって、
前記第1回転ドラムの外周面には、2層集積部材が複数設けられており、
前記2層集積部材は、前記第1、第2積繊パターンそれぞれに対応した凹状の第1、第2集積部から多層状になり、該第1集積部が、前記第2回転ドラムを吸気系統に含む第1吸気機構により、前記第1原料を吸引するように構成され、該第2集積部が、前記固定ドラムを吸気系統に含む第2吸気機構により、前記第2原料を吸引するように構成されている積層体の積繊装置。 - 前記第1吸気機構は、少なくとも前記第1、第2供給領域で吸気作動するように構成されている請求項1に記載の積層体の積繊装置。
- 前記第2吸気機構は、前記第1供給領域を除き且つ前記第2供給領域を含む吸引領域で吸気作動するように構成されている請求項1又は2に記載の積層体の積繊装置。
- 前記第1回転ドラムの前記第1供給領域は、前記第1集積部を開口し且つ前記第2集積部を遮蔽している請求項1〜3の何れかに記載の積層体の積繊装置。
- 2種以上の原料からn個の積繊パターンが積層された積層体を形成する際、n個の集積部から多層状になる多層集積部材を用いて、該多層集積部材を移動させながら、以下の第k工程及び第(k+1)工程について、k=1、2、…、(n−1)で示される第1工程〜第n工程を具備する積層体の積繊方法であって、
前記第k工程では、下層からk番目の前記集積部に、前記原料を吸引して第k積繊パターンを形成し、
前記第(k+1)工程では、下層から(k+1)番目の前記集積部に、前記第k工程の原料と異なる前記原料を吸引して前記第k積繊パターンの上層に第(k+1)積繊パターンを形成する積層体の積繊方法。
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