JP2015063435A - 単結晶インゴットの製造方法、単結晶基板の製造方法、および半導体装置の製造方法 - Google Patents

単結晶インゴットの製造方法、単結晶基板の製造方法、および半導体装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】結晶欠陥の少ない単結晶インゴットを提供する。
【解決手段】{0001}面に垂直な第1の面PL1が設けられた第1の種結晶11上に第1の単結晶インゴット12が成長させられる。{0001}面から10°未満のオフ角を有する第2の面PL2が設けられた第2の種結晶21が第1の単結晶インゴット12から切り出される。第1の単結晶インゴット12を成長させる上記工程は、第2の面PL2の10mm角の範囲内における第2の種結晶21の<0001>方位のばらつきが0.15°未満となるように行われる。第2の種結晶21上に第2の単結晶インゴット22が成長させられる。
【選択図】図10

Description

本発明は、単結晶インゴットの製造方法、単結晶基板の製造方法、および半導体装置の製造方法に関し、特に、六方晶系の結晶構造を有する単結晶インゴットの製造方法、六方晶系の結晶構造を有する単結晶基板の製造方法、およびこの単結晶基板を用いた半導体装置の製造方法に関するものである。
近年、六方晶系の結晶構造を有する半導体単結晶の利用が、その優れた特性に着目して進められている。たとえば炭化珪素(SiC)は、珪素(Si)の禁制帯幅に比して大きな禁制帯幅を有するなど優れた電気的特性を有しており、またその熱的・化学的特性も優れている。特に、六方晶系のポリタイプとして4Hを有するSiCは、大きな電子移動度および飽和電子速度を有する。このため4H−SiCは、優れた省エネルギー性能を有するパワーデバイス向けなどに用いられ始めている。
半導体単結晶を得る方法として、改良レイリー法(昇華法)が広く用いられている。昇華法によるSiC単結晶の製造においては、坩堝内で互いに対向するように配置された種結晶および原料が、原料の昇華点である約2300°程度まで加熱される。この加熱によって原料から昇華したガスが種結晶上で再結晶化することで、単結晶が成長する。坩堝を加熱する方法としては、誘導コイルによる高周波誘導加熱を用いる方法が一般的である。この場合、坩堝の材料には耐熱性だけでなく導電性も求められる。坩堝の代表的な材料はグラファイトである。坩堝の形状としては、誘導加熱における高周波の表皮効果に起因する温度不均一性を抑えるために、また加工を容易にするために、円筒形状が適している。坩堝からの熱輻射を抑制することで効率よく坩堝を加熱するために、坩堝は断熱材で覆われる。この断熱材は、導電性が小さくかつ2400℃程度の高温に耐える必要があるため、フェルト状もしくはフェルトを成形したグラファイトから作られる。
半導体単結晶の大きさをより大きくすることができれば、そこから切り出される基板の大きさもより大きくすることができる。現在市販されているSiC基板の大きさは、おおよそ直径100mm程度までである。このように大きさに限界があるのは、単結晶の大きさを大きくするほど、結晶欠陥密度が高くなったりモザイク性が大きくなったりするなど、結晶品質が低下しやすいためである。このため、単結晶の結晶欠陥を少なくするための方法が検討されている。
特開2003−119097号公報(特許文献1)によれば、この公報に記載の技術によって、マイクロパイプ欠陥、螺旋転位、刃状転位、および積層欠陥をほとんど含まないSiC単結晶が得られる、とされている。この公報の記載のSiC単結晶の製造方法はN回(N≧3)の成長工程を含む。各成長工程を第n成長工程として表した場合、n=1である第1成長工程においては、{1−100}面からオフセット角度±20°以下の面、または{11−20}面からオフセット角度±20°以下の面を第1成長面として露出させた第1種結晶を用いて、上記第1成長面上にSiC単結晶を成長させ第1成長結晶が作製される。n=2,3,・・・,(N−1)回目である中間成長工程においては、第(n−1)成長面より45〜90°傾き、かつ{0001}面より60〜90°傾いた面を第n成長面とした第n種結晶が第(n−1)成長結晶より作製される。この第n種結晶の上記第n成長面上にSiC単結晶を成長させて第n成長結晶が作製される。n=Nである最終成長工程においては、第(N−1)成長結晶の{0001}面よりオフセット角度±20°以下の面を最終成長面として露出させた最終種結晶が第(N−1)成長結晶より作製される。この最終種結晶の上記最終成長面上にバルク状のSiC単結晶が成長させられる。
特開2003−119097号公報
本発明者らの検討によれば、上記特許文献1に記載の技術を単純に用いただけでは、結晶欠陥が十分に抑制されないことがあり、場合によっては結晶品質をかえって悪化させることもあった。このため、高い製造歩留まりを得ることが難しかった。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、結晶欠陥を少なくすることができる単結晶インゴットの製造方法、単結晶基板の製造方法、および半導体装置の製造方法を提供することである。
{0001}面に垂直な第1の面が設けられた第1の種結晶上に第1の単結晶インゴットが成長させられる。{0001}面から10°未満のオフ角を有する第2の面が設けられた第2の種結晶が第1の単結晶インゴットから切り出される。第1の単結晶インゴットを成長させる工程は、第2の面の10mm角の範囲内における第2の種結晶の<0001>方位のばらつきが0.15°未満となるように行われる。第2の種結晶上に第2の単結晶インゴットが成長させられる。
なお本明細書において「10°未満のオフ角」とは、0°のオフ角と、0°超10°未満のオフ角とを包括した表現である。また「{0001}面に垂直」との記載は、{0001}面からの角度が厳密に90°であることを要求するものではなく、たとえばインゴットのスライス角度の誤差などの製造誤差に起因した角度誤差を許容するものである。この角度誤差は±0.5°の範囲内であることが好ましい。
本発明によれば、{0001}面から10°未満のオフ角を有する種結晶の結晶配向性が高くなるように、その母材である第1の単結晶インゴットが、{0001}面に垂直な面上に成長させられる。これにより、この種結晶上に成長させられる第2の単結晶インゴットの結晶欠陥を少なくすることができる。
本発明の実施の形態1における単結晶の製造方法の第1工程を概略的に示す斜視図である。 本発明の実施の形態1における単結晶の製造方法の第2工程を概略的に示す断面図である。 本発明の実施の形態1における単結晶の製造方法の第3工程を概略的に示す断面図である。 本発明の実施の形態1における単結晶の製造方法の第4工程を概略的に示す斜視図である。 本発明の実施の形態1における単結晶の製造方法の第5工程を概略的に示す断面図である。 本発明の実施の形態1における単結晶の製造方法の第6工程を概略的に示す斜視図である。 本発明の実施の形態1における単結晶の製造方法の第7工程を概略的に示す斜視図である。 本発明の実施の形態1における単結晶の製造方法の第8工程を概略的に示す断面図である。 本発明の実施の形態1における単結晶の製造方法の第9工程を概略的に示す斜視図である。 図5のより詳細な構成の例を示す断面図である。 図5の工程の比較例における成長面の写真(A)、およびその模式図(B)である。 図11の概略部分断面図である。 本発明の実施の形態2における単結晶の製造方法の第1工程を概略的に示す断面図である。 本発明の実施の形態2における単結晶の製造方法の第2工程を概略的に示す断面図である。 本発明の実施の形態2における単結晶の製造方法の第3工程を概略的に示す斜視図である。 本発明の実施の形態2における単結晶の製造方法の第4工程を概略的に示す断面図である。 本発明の実施の形態2における単結晶の製造方法の第5工程を概略的に示す斜視図である。 本発明の実施の形態2における単結晶の製造方法の第6工程を概略的に示す斜視図である。 本発明の実施の形態2における単結晶の製造方法の第7工程を概略的に示す断面図である。 本発明の実施の形態2における単結晶の製造方法の第8工程を概略的に示す斜視図である。 本発明の実施の形態3における半導体装置の構成を概略的に示す部分断面図である。 図21の半導体装置の製造方法の第1工程を概略的に示す断面図である。 図21の半導体装置の製造方法の第2工程を概略的に示す断面図である。 図21の半導体装置の製造方法の第3工程を概略的に示す断面図である。 図21の半導体装置の製造方法の第4工程を概略的に示す断面図である。 図21の半導体装置の製造方法の第5工程を概略的に示す断面図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。
結晶学上の表記法に従い、[ ]は方向を個別に示し、< >は等価な方向を包括的に示し、( )は面を個別に示し、{ }は等価な面を包括的に示す。なお指数の負の成分を示す際に、出願手続における表記法の制約上、数字の上のオーバーラインに代わり、数字の前のマイナス符号を用いる。
(実施の形態1)
図1を参照して、六方晶系の結晶構造を有するSiCから作られた、円形の種結晶1が準備される。結晶構造のポリタイプは、4Hであることが好ましい。種結晶1には、成長に用いるための面PLが設けられている。面PLは、{0001}面から10°未満のオフ角を有する。ここでいう{0001}面は、(000−1)面、すなわちカーボン面であることが好ましい。
図2を参照して、種結晶1の面PL上に単結晶インゴット2が昇華法によって成長させられる。次に、図中破線で示すように、単結晶インゴット2が{11−20}面に平行にスライスされる。
図3を参照して、上記スライスによって切り出された板から、(11−20)面を有する面PLaが設けられた種結晶1aが、種結晶1(図1)と同様の円形に形成される。次に面PLa上に単結晶インゴット2aが昇華法によって成長させられる。次に、図中破線で示すように、単結晶インゴット2aが{1−100}面に平行にスライスされる。
図4を参照して、上記スライスによって単結晶インゴット2aから、面PL1が設けられた単結晶基板10が切り出される。面PL1は(1−100)面を有する。なお(1−100)面は{0001}面に垂直である。次に単結晶基板10が円形に成形され、また研磨される。これにより、面PL1が設けられた種結晶11(第1の種結晶)が形成される。
図5を参照して、面PL1(第1の面)が設けられた種結晶11上に単結晶インゴット12(第1の単結晶インゴット)が成長させられる。具体的には種結晶11上に昇華法により炭化珪素が堆積される。後述する種結晶21の結晶配向性をより高めるためには、単結晶インゴット12の結晶配向性を高める必要がある。そのためには単結晶インゴット12を成長させる工程は、0.2mm/時未満の成長速度で行われることが好ましい。次に、図中破線で示すように、単結晶インゴット12が、{0001}面から10°未満のオフ角でスライスされる。
図6および図7を参照して、上記スライスによって単結晶インゴット12から、面PL2(第2の面)が設けられた種結晶21が切り出される。具体的には、種結晶21は、いったん単結晶基板20(図6)として切り出され、その後に円形に成形され、そしてその面PL2が研磨される。面PL2は{0001}面から10°未満のオフ角を有する。ここでいう{0001}面は、(000−1)面、すなわちカーボン面であることが好ましい。面PL2の10mm角の範囲内における種結晶21の<0001>方位のばらつきは、単結晶インゴット12を成長させる工程(図5)が十分に管理されることにより、0.15°未満とされ得る。このように管理する方法については後述する。なお「種結晶21の<0001>方位のばらつき」とは、種結晶21の反りによる方位のばらつきではなく、同一ウェーハ内における10mm角内の短周期の結晶方位(結晶配向性)のばらつきのことである。つまり、ここでいうばらつきとは、結晶の配向がばらつくことによって、ウェーハの一面(面PL2)において、異なる位置の<0001>方位同士が角度を有してしまうことに起因したものである。
図8を参照して、種結晶21の面PL2上に単結晶インゴット22(第2の単結晶インゴット)が成長させられる。このようにして準備された単結晶インゴット22が、{0001}面から10°未満のオフ角を有する面でスライスされる。好ましくはこのスライスは、図中破線で示すように、面PL2と平行に行われる。
図9を参照して、上記スライスにより単結晶インゴット22から、面PL3(第3の面)が設けられた単結晶基板30が切り出される。面PL3は{0001}面から10°未満のオフ角を有する。ここでいう{0001}面は、(0001)面、すなわちシリコン面であることが好ましい。
本実施の形態によれば、種結晶21の結晶配向性が高くなるように、具体的には、面PL2の10mm角の範囲内における種結晶21の<0001>方位のばらつきが0.15°未満となるように、その母材である単結晶インゴット12(図5)が、{0001}面に垂直な面PL1上に成長させられる。これにより、種結晶21上に成長させられる単結晶インゴット22(図8)の結晶欠陥を少なくすることができる。その結果、単結晶インゴット22から切り出される単結晶基板30(図9)の結晶欠陥も少なくなる。
上述したように、単結晶インゴット12を成長させる工程(図5)は、面PL2(図7)の10mm角の範囲内における種結晶21の<0001>方位のばらつきが0.15°未満にまで抑えられるように管理される。このような管理を行う方法について、以下に説明する。
図10を参照して、まず単結晶インゴット12の製造装置が準備される。この製造装置は、坩堝50(成長容器)と、断熱材59とを有する。坩堝50は、SiCの昇華温度に耐え得る耐熱性を有する材料から作られ、たとえばグラファイトから作られる。坩堝50は台座部51および容器部52を有する。容器部52は、結晶成長の原料40を収容するための空間と、この空間の上方に設けられた開口とを有する。台座部51は、種結晶11を支持するものであり、また上述した開口を塞ぐものである。断熱材59は台座部51の上方に間隔Sを介して配置されている。断熱材59は厚さTを有する。断熱材59には、種結晶11の面PL1の中心(図中、一点鎖線)に対向する穴OPが設けられている。穴OPの形状は、たとえば直径Dの円形である。断熱材59は、たとえば、フェルト状のグラファイトの積層体から作られている。
容器部52内に原料40が収められる。また台座部51に種結晶11が貼り付けられる。次に、種結晶11と原料40とが互いに対向するように、台座部51が容器部52に取り付けられる。坩堝50が加熱されることによって、原料40の昇華が生じる。昇華した原料が種結晶11の面PL1上で結晶化することで、単結晶インゴット12が成長させられる。この工程は、最終的に得られる単結晶インゴット12が、種結晶11の面PL1の中心(図中、一点鎖線)上における厚さHcと、種結晶11の面PL1の外周(図中、破線)上における厚さHpとを有するように行われる。なお厚さHcおよびHpの各々は、面PL1に垂直な方向に沿った寸法である。
単結晶インゴット12の成長工程は、単結晶インゴット12の成長面(図中、下面)の平坦度F=Hc/Hpが適正となるように管理される。単結晶インゴット12の成長面は、F>1の場合は凸形状を有し、F=1の場合は平坦な形状を有し、F<1の場合は凹形状を有する。単結晶インゴット12の成長工程は1≦F≦1.1が満たされるように管理され、好ましくは1≦F≦1.03が満たされるように管理される。これにより単結晶インゴット12の結晶配向性が高められる。その結果、単結晶インゴット12から切り出される種結晶21の結晶配向性を高くすることができる。具体的には、種結晶21の面PL2(図7)の10mm角の範囲内における種結晶21の<0001>方位のばらつきを0.15°未満にまで抑えることができる。
平坦度Fの管理は、坩堝50内の温度分布を調整することによって行い得る。この調整は、断熱材59の形状を変更することによって行い得る。具体的には、断熱材59の厚さT、間隔Sおよび直径Dの少なくともいずれかを変更することにより行い得る。
平坦度Fが適正に管理されないと、単結晶インゴット12の結晶品質が低くなりやすい。平坦度Fが過小の場合、具体的には平坦度F<1の場合、成長面が凹形状となることで、結晶中心部に欠陥が集中的に発生しやすい。逆に平坦度Fが過大な場合、具体的には平坦度F>1.1の場合、図11(A)および(B)に示すように、乱れた成長面が観察された。具体的には、種結晶の(1−100)面上に成長させられた単結晶インゴットの成長面において、中心近傍には(1−100)ファセットF1が見られたものの、広範な多結晶領域PCが、中心から特定の方向(図中、上方向)にずれた位置に偏在していた。一方、これと反対の方向(図中、下方向)にずれた位置には(1−10X)ファセットF2が形成されていた。なお(1−10X)ファセットF2は多数の細かい領域からなっていたため、具体的な指数Xは特定し難かった。
単結晶インゴット12の結晶欠陥を抑制するために平坦度Fに対して上述したような管理を行うという着想に本発明者らが至った経緯について、以下に説明する。
本発明者らは、SiCのどの面に多結晶が生じやすいかについて調査した。具体的には、(0001)面(すなわちシリコン面)、(000−1)面(すなわちカーボン面)、(11−20)面、および(1−100)面の各々の表面自由エネルギーを測定した。表面自由エネルギーが大きいと、結晶成長時における2次元核の発生密度が増加し、多核発生モードで成長しやすくなる。この成長モードが継続すると、結晶の乱れが誘発され、多結晶が析出しやすくなる。測定における結晶表面の研磨傷および異物の影響を除去するため、各面をCMP(Chemical Mechanical Polishing)加工した後、フッ酸に浸すことで自然酸化膜を除去した後、すぐに全自動接触角計を用いて表面自由エネルギーを測定した。その結果を表1に示す。
表面自由エネルギーは、シリコン面が66.9mJ/m2と最も大きく、(11−20)面および(1−100)面がほぼ同じ値であり、カーボン面が最も低かった。このためシリコン面が、多結晶が生じやすい面であると考えられる。
図12を参照して、(1−10X)ファセットF2の側面には、(0001)ファセットF3および(000−1)ファセットF4が存在することになる。(0001)面、すなわちシリコン面、の上の成長では、上述したように多結晶が生じやすいと考えられる。よって本発明者らは、(1−10X)ファセッットF2の側面に存在する(0001)ファセットF3が多結晶の発生に特に寄与しているとの仮説を立てた。この仮説が正しければ、多結晶領域PC(図11(B))は、成長面において中心から[0001]方向(シリコン面に向かう方向)にずれた位置に偏在することになる。
上記仮説を検証するため、図11(B)に示す単結晶インゴットの成長面において、[0001]方向(シリコン面へ向かう方向)および[000−1]方向(カーボン面へ向かう方向)の特定を行った。具体的には、まず、[0001]方向および[000−1]方向を区別しないで<0001>方向を特定した。この特定は、たとえばX線回折法によって容易に行うことができる。その結果、<0001>方向は図11(B)の縦方向であることが分かった。<0001>方向においてどちらが[0001]方向かを特定すること(図中、縦方向において、上方向および下方向のどちらが[0001]方向か特定すること)には、さらなる作業を要する。まず図11(B)の破線で示すように、単結晶インゴットを{0001}面に平行にスライスすることによって基板を切り出した。そしてこの基板の両面を研磨した後に、どちらの面が酸化しやすいかを調べた。その結果、図11(B)の上方に対応する面が、酸化し難い面、すなわちシリコン面であることが分かった。よって図11(B)中に示す座標軸が特定され、上方向が[0001]方向であることが分かった。これにより、多結晶領域PCが成長面において中心から[0001]方向(図中、上方向)にずれた位置に偏在することが確かめられた。
上記検討結果により、結晶品質の劣化を抑えるには、(0001)ファセットF3の形成を抑制し、またこのファセットの面積の拡大を抑制することが有効であると考えられる。このためには、インゴット形状を制御することが重要である。なぜならば、成長面が凸型になるほど(0001)ファセットF3の面積が大きくなると考えられるからである。逆に成長面が完全に平坦であれば、(0001)ファセットF3は形成されないと考えられる。このため、(1−100)面上でのインゴット成長において、成長面がより平坦となるように管理されれば、結晶欠陥が低減されると考えられる。
以上のようにして本発明者らは、単結晶インゴット12の結晶欠陥を抑制するために平坦度Fに対して上述したような管理を行うという着想を得た。このように平坦度Fが管理されると、単結晶インゴット12から得られる種結晶21に、優れた結晶配向性を有する面PL2を付与することができる。具体的には、面PL2の10mm角の範囲内における種結晶21の<0001>方位のばらつきを0.15°未満とすることができる。そしてそれにより、種結晶21上に形成される単結晶インゴット22の結晶欠陥密度を小さくすることができる。その検証結果について、以下において、表2を参照しつつ比較例および実施例により説明する。
なお表2において、試料M1は比較例に対応し、試料M2は本実施の形態の実施例に対応し、試料Aは後述する実施の形態2の実施例に対応する。
(比較例)
まず、ポリタイプ4HのSiCからなり、直径40mmを有し、面PLとして(000−1)カーボン面を有する種結晶1(図1)を準備した。種結晶1上に昇華法を用いて高さ40mmの単結晶インゴット2(図2)を成長させた。単結晶インゴット2を、種結晶1の面PLと垂直な面である(11−20)面に平行にスライスすることで、(11−20)面を有する単結晶基板を得た。この単結晶基板を円形に加工することで種結晶1a(図3)を得た。種結晶1aの一方面(面PLa)をCMP加工し、他方の面をグラファイト製の台座部に張り付けた。面PLa上における昇華法を用いた結晶成長により、高さ60mm程度、直径60mm程度の単結晶インゴット2aを得た。単結晶インゴット2aを種結晶1aの面PLaと垂直な面である(1−100)面に平行にスライスすることで、面PL1を有する単結晶基板10(図4)を得た。単結晶基板10を円形に加工することで、面PL1を有する種結晶11(図4)を得た。
種結晶11の一方面(面PL1)をCMP加工し、他方の面をグラファイト製の台座部51(図10)に張り付けた。本比較例においては、断熱材59(図10)は、直径D=40mm、厚さT=100mmおよび間隔S=0mmの寸法を有していた。面PL1上において成長速度0.15mm/時程度で昇華法を用いた結晶成長を行った。これにより、高さ60mm程度、直径60mm程度の、比較例としての単結晶インゴット12を得た。比較例の単結晶インゴット12の平坦度Fは1.12であり、その成長面は、前述した図11(A)および(B)に示すように、低い結晶品質を有した。
単結晶インゴット12(図5)を種結晶11の面PL1と垂直な面に平行にスライスすることで、面PL2を有し60×60mmの大きさを有する単結晶基板20(図6)を得た。面PL2は、{0001}面から[11−20]方向に8°のオフ角を有するものとした。面PL2は、目視検査などから、その全面が4H−SiC単結晶であることが確認できた。
単結晶基板20の(0001)シリコン面側をCMP加工した後、X線回折法により評価した。具体的には、結晶成長方向と垂直にX線を入射させ、(0004)回折でロッキングカーブを測定した。測定は、面PL2の10mm角の範囲内において位置を変えながら、十分に多くの測定点(10mm角の4つの角と中心とを含む)に対して行った。その結果、各測定点におけるロッキングカーブのピーク位置の最大角度および最小角度の差分の、全測定点における最大値(表2における「基板XRD」)は、試料M1の欄に示すように0.391°であった。よって比較例においては、<0001>方位のばらつきは、10mm角の範囲内において最大0.391°であり、0.15°以上の大きなばらつきを有する箇所があることがわかった。
また単結晶基板20の結晶欠陥密度を見積もるために、溶融KOHを用いたエッチングによりエッチピットを出現させた。単結晶基板20のエッチピット密度(表2における「基板EPD」)は、試料M1の欄に示すように、3.5×104/cm2であった。
単結晶基板20を円形に成形することで直径40mmの種結晶21(図7)を得た。この種結晶21のカーボン面側(面PL2)を研磨し、その上において昇華法による結晶成長を行った。これにより、高さ12mm程度および直径43mm程度を有する単結晶インゴット22を得た。単結晶インゴット22を面PL2と平行にスライスすることによって、単結晶基板30(図9)を得た。目視での観察において、単結晶基板30全体の結晶構造はポリタイプ4Hの単結晶であることが確認できた。また単結晶基板30の結晶欠陥密度を見積もるために、種結晶21の面PL2から9mm成長した位置から切り出されたシリコン面側(面PL3)に対する溶融KOHエッチングによりエッチピットを出現させた。エッチピット密度(表2における「成長後EPD」)は、試料M1の欄に示すように、5.4×104/cm2であった。
(実施の形態1の実施例)
まず上記比較例と同様の方法により、種結晶11を準備し、種結晶11の一方面(面PL1)をCMP加工し、他方の面をグラファイト製の台座部51に張り付けた(図10)。本実施例においては、断熱材59(図10)として、直径D=40mm、厚さT=90mmおよび間隔S=20mmの寸法を有するものを用いた。面PL1上における昇華法を用いた結晶成長により、高さ60mm程度、直径60mm程度の、実施例としての単結晶インゴット12を得た。本実施例の単結晶インゴット12の平坦度Fは1.02であった。この後、上記比較例と同様の工程および測定を行ったところ、上記表2の試料M2の欄に示すように、基板XRDは0.083°、基板EPDは1.8×103/cm2、成長後EPDは9.3×103/cm2であった。
この結果から、平坦度Fを1.12から1.02とすることにより(より一般的にいえば、平坦度Fを小さくして1に近づけることにより)、単結晶基板20(図6)およびそれが成形されることで得られる種結晶21(図7)の結晶配向性が向上しかつ結晶欠陥が少なくなることが分かった。そしてこれにより、種結晶21上に形成される単結晶インゴット22(図8)から切り出される単結晶基板30(図9)の結晶欠陥も抑えられることが分かった。
さらに他の条件でも検討を行ったところ、「基板XRD」(表2)が0.2°程度以上の場合、「成長後EPD」は概ね3.0×104/cm2程度であり、上記実施例に比して転移密度が顕著に高かった。逆に「基板XRD」(表2)が0.15°未満の場合、「成長後EPD」は103/cm2程度のレベルに抑制することができ、上述したように、たとえば0.08°以下の場合、「成長後EPD」は9.3×103/cm2程度以下のレベルに抑制することができた。
上記のように「基板XRD」(表2)を0.15°未満に抑えることは、平坦度Fが1.1以下の場合に容易であり、1.03の場合、より容易であった。上記においては平坦度Fを小さくするために、直径D=40mm、厚さT=90mmおよび間隔S=20mmを有する断熱材59が用いられたが、断熱材の好適な寸法は、坩堝50の構造、抵抗率および熱伝導率などの物性値、および誘導コイルの設計などに応じて最適化され得る。
なお平坦度Fが1以上1.03以下の場合であっても、単結晶インゴット12の成長速度が過度に大きいと、成長面上に多結晶が析出することで、結晶配向性が悪化し、転移密度が増加した。このような問題は、成長速度を0.2mm/時未満とすることで避けられた。
SiCのc面結晶成長におけるオフ角の方向は、結晶品質の観点で[1−100]よりも[11−20]の方が好ましいとの知見が報告されている。本実施の形態では単結晶基板20(c面種結晶基板)を得るために、(1−100)面に成長させた単結晶インゴット12が成長面(図5:面PL1)と垂直にスライスされる。このようにして得られた単結晶基板20のオフ方向は[11−20]方向となる。よってこの知見に沿った結晶成長がなされるので、得られる単結晶インゴット12の結晶品質を高めやすいと考えられる。なお、(1−100)面ではなく(11−20)面に成長させた単結晶インゴットが成長面と垂直にスライスされることで得られる単結晶基板のオフ方向は、[11−20]方向ではなく[1−100]方向となる。
(実施の形態2)
図13を参照して、本実施の形態においても、まず実施の形態1と同様に、種結晶1上に単結晶インゴット2が成長させられる。次に、図中破線で示すように、単結晶インゴット2が{1−100}面に平行にスライスされる。
図14を参照して、上記スライスによって切り出された板から、(1−100)面を有する面PLbが設けられた種結晶1bが形成される。次に面PLb上に単結晶インゴット2bが昇華法によって成長させられる。次に、図中破線で示すように、単結晶インゴット2bが{11−20}面に平行にスライスされる。
図15を参照して、上記スライスによって単結晶インゴット2bから、面PL1vが設けられた単結晶基板10vが切り出される。面PL1vは(11−20)面を有する。なお(11−20)面は{0001}面に垂直である。次に単結晶基板10vが円形に成形され、また研磨される。これにより、面PL1vが設けられた種結晶11vが形成される。
図16を参照して、面PL1v(第1の面)が設けられた種結晶11v(第1の種結晶)上に単結晶インゴット12v(第1の単結晶インゴット)が成長させられる。具体的には種結晶11v上に昇華法により炭化珪素が堆積される。後述する種結晶21vの結晶配向性を高めるためには、単結晶インゴット12vの結晶配向性を高める必要がある。このために、単結晶インゴット12vを成長させる工程は0.2mm/時未満の成長速度で行われる。次に、図中破線で示すように、単結晶インゴット12vが、{0001}面から10°未満のオフ角でスライスされる。
図17および図18を参照して、上記スライスによって単結晶インゴット12vから、面PL2v(第2の面)が設けられた種結晶21vが切り出される。具体的には、種結晶21vは、いったん単結晶基板20v(図17)として切り出され、その後に円形に成形され、そしてその面PL2vが研磨される。面PL2vは{0001}面から10°未満のオフ角を有する。ここでいう{0001}面は、(000−1)面、すなわちカーボン面側であることが好ましい。面PL2vの10mm角の範囲内における種結晶21vの<0001>方位のばらつきは、上記工程によれば、0.15°未満とされ得る。
図19を参照して、種結晶21vの面PL2v上に単結晶インゴット22v(第2の単結晶インゴット)が成長させられる。このようにして準備された単結晶インゴット22vが、{0001}面から10°未満のオフ角を有する面でスライスされる。好ましくはこのスライスは、図中破線で示すように、面PL2vと平行に行われる。
図20を参照して、上記スライスにより単結晶インゴット22vから、面PL3v(第3の面)が設けられた単結晶基板30vが切り出される。面PL3vは{0001}面から10°未満のオフ角を有する。ここでいう{0001}面は、(0001)面、すなわちシリコン面であることが好ましい。
本実施の形態においても、実施の形態1と同様に、種結晶21v上に成長させられる単結晶インゴット22v(図19)の結晶欠陥を少なくすることができる。その結果、単結晶インゴット22vから切り出される単結晶基板30v(図20)の結晶欠陥も少なくなる。
(実施の形態2の実施例)
まず、実施の形態1の実施例と同様に、種結晶1上に昇華法を用いて高さ40mmの単結晶インゴット2(図13)を成長させた。単結晶インゴット2を、種結晶1の面PLと垂直な面である(1−100)面に平行にスライスすることで、(1−100)面を有する単結晶基板を得た。この単結晶基板を円形に加工することで種結晶1b(図14)を得た。種結晶1bの一方面(面PLb)をCMP加工し、他方の面をグラファイト製の台座部に張り付けた。面PLb上における昇華法を用いた結晶成長により、高さ60mm程度、直径60mm程度の単結晶インゴット2bを得た。なお単結晶インゴット2bの平坦度Fは1.12であり、成長面には、図11(A)および(B)と同様に、多結晶が析出していた。単結晶インゴット2bを種結晶1bの面PLbと垂直な面である(11−20)面に平行にスライスすることで、面PL1vを有する単結晶基板10v(図15)を得た。単結晶基板10vを円形に加工することで、面PL1vを有する種結晶11v(図15)を得た。
種結晶11vの面PL1v上における昇華法を用いた結晶成長により、高さ60mm程度、直径60mm程度の、本実施例としての単結晶インゴット12vを得た。本実施例の単結晶インゴット12vの平坦度Fは1.11であった。
単結晶インゴット12vを種結晶11v(図16)の面PL1vと垂直な面に平行にスライスすることで、面PL2vを有し、60×60mmの大きさを有する単結晶基板20vを得た。面PL2vは、{0001}面から[1−100]方向に8°のオフ角を有するものとした。面PL2vは、目視検査などから、その全面が4H−SiC単結晶であることが確認できた。
また単結晶基板20vの(0001)シリコン面側をCMP加工した後、X線回折法により評価した。具体的には、結晶成長方向と垂直にX線を入射させ、(0004)回折でロッキングカーブを測定した。測定は、面PL2vの10mm角の範囲内において位置を変えながら、十分に多くの測定点(10mm角の4つの角と中心とを含む)に対して行った。その結果、各測定点におけるロッキングカーブのピーク位置の最大角度および最小角度の差分の、全測定点における最大値(表2における「基板XRD」)は、試料Aの欄に示すように0.117°であった。
単結晶基板20vの結晶欠陥密度を見積もるために、溶融KOHを用いたエッチングによりエッチピットを出現させた。エッチピット密度(表2における「基板EPD」)は、試料Aの欄に示すように1.6×103/cm2であった。
また単結晶基板20vを円形に成形することで直径40mmの種結晶21v(図18)を得た。この種結晶21vのカーボン面側(面PL2v)を研磨し、その上において昇華法による結晶成長を行った。これにより、高さ11.5mmおよび直径42.2mmを有する単結晶インゴット22vを得た。単結晶インゴット22vを面PL2vと平行にスライスすることによって、単結晶基板30v(図20)を得た。目視での観察において、単結晶基板30v全体の結晶構造はポリタイプ4Hの単結晶であることが確認できた。また単結晶基板30の結晶欠陥密度を見積もるために、種結晶21vの面PL2vから9mm成長した位置から切り出されたシリコン面側(面PL3v)に対する溶融KOHエッチングによりエッチピットを出現させた。エッチピット密度(表2における「成長後EPD」)は、試料Aの欄に示すように9.9×103/cm2であった。
上記の結果から、本実施の形態によっても、単結晶基板20v(図17)およびそれが成形されることで得られる種結晶21v(図18)の結晶配向性が向上しかつ結晶欠陥が抑えられることが分かった。そしてこれにより、種結晶21v上に形成される単結晶インゴット22v(図19)から切り出される単結晶基板30v(図20)の結晶欠陥も抑えられることが分かった。
単結晶インゴット12vの成長速度が0.2mm/時以上であると、成長面上に欠陥が発生することがあった。このような結晶を、種結晶11vと垂直な面である{0001}面に平行にスライスして、X線回折法および溶融KOHエッチング法により評価した。その結果、結晶品質が悪いことが確認された。よって成長速度は0.2mm/時未満とされる。
なお本実施例においては、単結晶インゴット12v(図16)の平坦度Fが、実施の形態1の実施例における単結晶インゴット12の平坦度Fに比して大きいにも関わらず、種結晶21v(図18)の<0001>方位のばらつきを0.15°未満とすることができた。そしてこの種結晶21vを用いて、高品質な単結晶インゴット22v(図19)を得ることができた。この理由は、(11−20)面上の成長では成長面の中心部にファセットが形成されないためではないかと考えられる。
(実施の形態3)
図21を参照して、本実施の形態のMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)90(半導体装置)は、単結晶基板30と、ドリフト層61(エピタキシャル層)と、ベース領域62と、ソース領域63と、ゲート絶縁膜70と、ゲート電極71と、ソース電極81と、ドレイン電極82とを有する。単結晶基板30、ドリフト層61およびソース領域63の各々はn型(第1の導電型)を有する。ベース領域62はp型(第1の導電型と異なる第2の導電型)を有する。
次にMOSFET90の製造方法について、以下に説明する。
図22を参照して、まず、実施の形態1で説明した方法によって単結晶基板30(図9)が準備される。次に、単結晶基板30上にドリフト層61がエピタキシャル成長によって形成される。エピタキシャル成長は、たとえば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法により行い得る。
図23を参照して、イオン注入と、その後の活性化アニールとによって、ベース領域62およびソース領域63が形成される。図24を参照して、たとえば熱酸化により、ゲート絶縁膜70が形成される。図25を参照して、ゲート絶縁膜70上にゲート電極71が形成される。図26を参照して、ソース領域63に接するソース電極81が形成される。再び図21を参照して、ドレイン電極82が形成される。必要に応じて、ソース電極81およびドレイン電極82の各々のオーミック接触を得るためのアニールが行われてもよい。以上によりMOSFET90が得られる。
本実施の形態によれば、ドリフト層61は、上記実施の形態1または2で説明したように結晶欠陥が少ない単結晶基板30の上に形成される。これによりドリフト層61の結晶品質が高められる。またドリフト層61上に形成されるベース領域62の結晶品質が高められる。これによりMOSFET90の性能が高められる。
なお上記において、単結晶基板30が準備される代わりに、実施の形態2で説明した方法によって単結晶基板30v(図20)が準備されてもよい。また第1の導電型がp型とされかつ第2の導電型がn型とされてもよい。また半導体装置はMOSFET以外のMISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)であってもよい。また半導体装置はMISFET以外のトランジスタであってもよく、たとえばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)またはJFET(Junction Field Effect Transistor)であってもよい。また半導体装置はトランジスタに限定されず、たとえば、ショットキーバリアダイオードまたはpinダイオードなどのダイオードであってもよい。
上記各実施の形態においてはSiCのポリタイプが4Hの場合について説明したが、ポリタイプは4H以外であってもよく、たとえば6Hであってもよい。またSiCの場合について説明したが、その代わりに、六方晶系の結晶構造を有する他の材料が用いられてもよく、たとえば、AlNまたはGaNが用いられてもよい。また昇華法の代わりに、種結晶を用いる他の結晶成長方法が用いられてもよく、たとえば、高温化学気相成長(HTCVD:High Temperature Chemical Vapor Deposition)法が用いられてもよい。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
1,1a,1b 種結晶、2,2a,2b 単結晶インゴット、10,10v,20,20v,30,30v 単結晶基板、11,11v 種結晶(第1の種結晶)、12,12v 単結晶インゴット(第1の単結晶インゴット)、21,21v 種結晶(第2の種結晶)、22,22v 単結晶インゴット(第2の単結晶インゴット)、50 坩堝、51 台座部、52 容器部、59 断熱材、61 ドリフト層(エピタキシャル層)、62 ベース領域、63 ソース領域、70 ゲート絶縁膜、71 ゲート電極、81 ソース電極、82 ドレイン電極、90 MOSFET(半導体装置)、PL1,PL1v 面(第1の面)、PL2,PL2v 面(第2の面)。

Claims (9)

  1. {0001}面に垂直な第1の面が設けられた第1の種結晶上に第1の単結晶インゴットを成長させる工程と、
    {0001}面から10°未満のオフ角を有する第2の面が設けられた第2の種結晶を前記第1の単結晶インゴットから切り出す工程とを備え、前記第1の単結晶インゴットを成長させる工程は、前記第2の面の10mm角の範囲内における前記第2の種結晶の<0001>方位のばらつきが0.15°未満となるように行われ、さらに
    前記第2の種結晶上に第2の単結晶インゴットを成長させる工程を備える、単結晶インゴットの製造方法。
  2. 前記第1の単結晶インゴットを成長させる工程は、前記第1の単結晶インゴットが前記第1の種結晶の前記第1の面の中心上における厚さHcと前記第1の種結晶の前記第1の面の外周上における厚さHpとを有するように行われ、1≦Hc/Hp≦1.1が満たされる、請求項1に記載の単結晶インゴットの製造方法。
  3. 前記第1の単結晶インゴットを成長させる工程は、前記第1の単結晶インゴットが前記第1の種結晶の前記第1の面の中心上における厚さHcと前記第1の種結晶の前記第1の面の外周上における厚さHpとを有するように行われ、1≦Hc/Hp≦1.03が満たされる、請求項1に記載の単結晶インゴットの製造方法。
  4. 前記第1の種結晶の前記第1の面は(1−100)面である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の単結晶インゴットの製造方法。
  5. 前記第1の種結晶の前記第1の面は(11−20)面である、請求項1に記載の単結晶インゴットの製造方法。
  6. 前記第1の単結晶インゴットを成長させる工程は0.2mm/時未満の成長速度で行われる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の単結晶インゴットの製造方法。
  7. 前記第1の単結晶インゴットを成長させる工程は、前記第1の種結晶上に炭化珪素を堆積することによって行われる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の単結晶インゴットの製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の単結晶インゴットの製造方法によって前記第2の単結晶インゴットを準備する工程と、
    前記第2の単結晶インゴットから、{0001}面から10°未満のオフ角を有する第3の面が設けられた単結晶基板を切り出す工程とを備える、単結晶基板の製造方法。
  9. 請求項8に記載の単結晶基板の製造方法によって前記単結晶基板を準備する工程と、
    前記単結晶基板上にエピタキシャル層を形成する工程とを備える、
    半導体装置の製造方法。
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