JP2015059456A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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- Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
Abstract
【解決手段】内燃機関の低負荷領域であって吸気流速IASが所定値THLを超えない状態では、吸気TDC後の吸気流速IASがピーク値IASmaxとなる時期よりも遅い時期を噴射終了時期TIEとして、吸気バルブ4の開弁前から開弁後にかけて燃料噴射を実施する。一方、内燃機関の高負荷領域であって吸気流速IASが所定値THLを超える状態では、吸気TDC後の吸気流速IASがピーク値IASmaxとなる時期CASよりも進角側であって、吸気流速IASが所定値THLとなる時期を噴射終了時期TIEとして、吸気バルブ4の開弁前から開弁後にかけて燃料噴射を実施する。
【選択図】図2
Description
しかし、内燃機関の負荷が高くなって吸気バルブが開弁するときの吸気通路における吸気流速が速くなると、吸気通路の横断面において領域による吸気流速の差が拡大する。このため、高負荷域で吸気行程中に燃料噴射を行わせる場合、燃料噴霧が流速の速い吸気の流れに乗ることで、燃料噴霧の流れが吸気通路の一部に偏った流れとなり、これによって筒内での燃料分布の均一性が低下し、燃費性能を低下させてしまうという問題があった。
図1は、本発明に係る制御装置を適用する内燃機関の一例を示す図である。
図1に示す内燃機関1は、駆動源として車両に搭載される。
内燃機関1は、各気筒のシリンダに連通する吸気ポート(吸気通路)2aそれぞれに燃料噴射弁3を備える。燃料噴射弁3は、各気筒の吸気バルブ4の傘部に向け、吸気ポート2a内に燃料を噴射する。
なお、内燃機関1は、直列機関、水平対向機関、V型機関などの気筒配置や、気筒数が限定されるものではない。
燃焼室5内の燃焼ガスは、排気行程において排気バルブ7を介して排気通路8に排出される。
また、内燃機関1は、燃料タンク11内の燃料を燃料噴射弁3に向けて圧送する燃料供給装置13を備えている。
燃料ポンプ12は、電動式ポンプであって、燃料タンク11内に配置される。
燃料ポンプ12の吐出口には燃料供給配管15の一端が接続され、燃料供給配管15の他端は燃料ギャラリー配管14に接続され、燃料ギャラリー配管14に各気筒の燃料噴射弁3の燃料供給口が接続される。
また、FCM(フューエル・コントロール・モジュール)30は、燃料ポンプ12を制御する制御装置である。
そして、ECM31からFCM30に向けては、燃料ポンプ12の駆動デューティ(印加電圧)の指示信号などが送信され、FCM30からECM31に向けては、FCM30での診断結果を示す信号などが送信される。
なお、ECM31とFCM30とを統合し、ECM31の機能とFCM30の機能とを兼ね備える制御装置を設けることができる。
前述の各種センサとしては、燃料ギャラリー配管16内の燃圧FUPRを検出する燃料圧力センサ33、図外のアクセルペダルの踏み込み量(換言すれば、アクセル開度)ACCを検出するアクセル開度センサ34、内燃機関1の吸入空気流量QAを検出するエアフローセンサ35、内燃機関1の回転速度NEを検出する回転センサ36、内燃機関1の冷却水温度TWを検出する水温センサ37、排気中の酸素濃度に応じて内燃機関1の混合気の空燃比A/Fを検出する空燃比センサ38などを設けてある。なお、冷却水温度TWは、内燃機関1の温度を代表する状態量である。
燃料噴射弁3は、噴射時間(開弁時間)に比例する量の燃料を噴射するので、噴射パルス幅TI(ms)は燃料噴射量に比例する値として演算される。
ECM31は、各気筒の吸気行程にタイミングを合わせて各燃料噴射弁3による燃料噴射を個別に行わせる所謂シーケンシャル噴射制御を実施する、内燃機関1の制御装置である。
そして、燃料噴射弁3の噴射終了時期ITEが吸気行程中(吸気バルブ4の開弁中)になるように、つまり、吸気行程中(吸気バルブ4の開弁中)に燃料噴射が行われるように噴射時期を設定することで、燃料噴霧を吸気ポート2a内における吸気の流れに乗せて筒内に導入させることで、気化の促進を図る。
つまり、吸気流速IASが所定値THLを超えるときに燃料噴射弁3による燃料噴射を行わせると、筒内における燃料分布の均一性が損なわれることになる。
ここで、吸気バルブ4が開弁するときの吸気流速IASは、機関負荷が高く(吸入空気量が多く)なることでより速くなる。
そこで、ECM31は、吸気流速IAS(機関負荷)に応じて燃料噴射弁3の噴射時期を変更する制御を行う。
図2(A)は、内燃機関1の低負荷領域であって吸気バルブ4が開弁するときの吸気流速IASのピーク値IASmaxが所定値THLを下回る状態での噴射時期の一例を示す。
図2(A)に示す噴射時期は、吸気バルブ4が開弁するときの吸気流速IASが大きくなる期間に噴射期間が重なり、速い吸気流速を有効利用して燃料噴霧の気化促進させるように、吸気TDC後の吸気流速IASがピーク値IASmaxとなる時期(クランク角位置CAS)よりも遅い時期で燃料噴射を終えるように吸気バルブ4の開弁前から開弁後にかけて、換言すれば、吸気バルブ4の開時期IVOを跨いで燃料噴射を実施する。
また、噴射パルス幅TIに相当するクランク角度とは、時間としての噴射パルス幅TIをそのときの機関回転速度NEに基づきクランク角度に換算した値である。
図2(B)に示す噴射時期は、吸気バルブ4が開弁するときの吸気流速IASが所定値THLを上回る期間に噴射期間が重なることを抑制するために、吸気TDC後の吸気流速IASがピーク値IASmaxとなる時期CASよりも進角した時期で燃料噴射を終えるように、吸気バルブ4の開弁前から開弁後にかけて燃料噴射を実施する。換言すれば、高負荷領域では、噴射終了時期ITEを低負荷領域よりも進角させて、吸気バルブ4の開時期IVOを跨いで燃料噴射を実施する。
なお、所定角度位置に設定した噴射終了時期ITEから噴射開始時期ITSを逆算する処理の代わりに、燃料噴射がクランク角位置CA1付近で終わると見込まれる所定角度位置を噴射開始時期ITSとして定め、当該噴射開始時期ITSから燃料噴射を開始させることができる。
一方、低負荷領域に比べて吸気流速が速くなる高負荷領域で、低負荷領域と同様な噴射時期で燃料噴射を行わせると、吸気流速IASが所定値THLを超えるような吸気流速IASが速い期間で燃料噴射を行わせることになってしまい、吸気ポート2内における吸気流速のばらつきが大きいことで筒内での燃料分布のばらつきを発生させてしまう。
特に、吸気流速IASが所定値THLにまで上昇したときに(クランク角位置CA1で)燃料噴射を終了させれば、噴射期間での吸気流速IASは全域で所定値THLを下回ることになり、吸気流速による燃料分布のばらつきを可及的に小さくできる。
更に、高負荷領域で吸気バルブ4の開弁前に噴射された燃料は、吸気ポート2内に拡散し、吸気バルブ4が開いて発生した吸気の流れに乗って筒内に導入されるので、筒内の燃料分布の均一化を促進できる。
なお、機関負荷領域を低負荷領域と高負荷領域とに分けることで、吸気流速IASが速い状態と遅い状態とに分け、機関負荷が高負荷領域に該当する場合には、低負荷領域に該当する場合に比べてより進角した噴射終了時期ITE(又は噴射開始時期ITS)を設定することができる一方、機関負荷の増加に応じてより多段階に噴射終了時期ITE(又は噴射開始時期ITS)をより進角させることができる。
図3のフローチャートのルーチンは、ECM31によって一定時間毎に繰り返し実行され、まず、ステップS101で、ECM31は、機関負荷TP、機関回転速度NEを検出する。
なお、機関負荷は、内燃機関1の吸入空気量、吸気負圧、スロットル開度、燃料噴射パルス幅TIなどで代表させることができる。
ここで、低負荷領域は、吸気バルブ4が開弁するときの吸気流速IASのピーク値IASmaxが所定値THLを下回る運転領域として設定してあり、高負荷領域は、ピーク値IASmaxが所定値THLを上回る運転領域である。つまり、低負荷領域、高負荷領域のいずれに該当するかの判断は、吸気バルブ4が開弁するときの吸気流速IASが設定よりも速いか否かを判断する処理である。
そして、ステップS103で、ECM31は、現在の内燃機関1の運転状態が、低負荷領域に該当しているか否かを判定し、低負荷領域で内燃機関1が運転されている場合には、ECM41は、ステップS104にて噴射終了時期ITEに低負荷用(低流速用)噴射終了時期ITELをセットする。
一方、内燃機関1が高負荷領域で運転されている場合、ECM31は、ステップS105にて噴射終了時期ITEに高負荷用(高流速用)噴射終了時期ITELをセットする。
ECM31は、上記のようにして機関負荷状態(吸気流速)に応じて噴射終了時期ITEを決定すると、ステップS106にて、そのときの噴射パルス幅TIに相当するクランク角だけ噴射終了時期ITEから進角したクランク角位置を噴射開始時期ITSと定め、この噴射開始時期ITSで噴射パルス幅TIの噴射パルス信号を該当する気筒の燃料噴射弁3に出力する。
ステップS105における噴射終了時期ITEの設定を、噴射開始時期ITSの設定に置き換える場合には、例えば、高負荷領域のうちの燃費性能が要求される部分領域で、負荷変化による噴射パルス幅の変化があっても高負荷用噴射終了時期ITEH付近で略噴射を終了させることができる時期を噴射開始時期ITSHとして定めておき、ステップS105において、ECM31が、噴射開始時期ITSHを、最終的な噴射開始時期ITSにセットする構成とすることができる。
図4に示す第2実施形態の噴射制御は、噴射終了時期ITEの設定制御については第1実施形態と同様であるが、第1実施形態では負荷領域(吸気流速)に関わらず燃料を一括して噴射し、第2実施形態では吸気流速ISAが高いときに(高負荷領域において)分割噴射を行わせる点が異なる。
なお、一括噴射とは、1サイクル分の燃料量を1回の連続した開弁動作で供給する噴射形式である。一方、分割噴射とは、1サイクル分の燃料量を、2回以上に分けて噴射する噴射形式であり、1回開弁動作(1回噴射)させると、噴射停止期間が経過してから次回の開弁動作(噴射)を行わせる。
図4(B)において、高負荷用噴射終了時期ITEHは、吸気バルブ4が開弁するときの吸気流速IASがピーク値IASmaxとなる時期CASよりも進角した時期であって、吸気流速IASが所定値THLとなる時期CA1(又はその近傍)に設定される。
分割噴射において、ECM31は、噴射パルス幅TI(ms)の半分のパルス幅での初回噴射動作を行わせた後、所定の噴射停止期間(ms)を経て、残りの半分のパルス幅での2回目(最終回)噴射動作を行わせ、2回目(最終回)噴射動作の終了が高負荷用噴射終了時期ITEHとなるように制御する。
なお、図4(B)には、分割噴射として分割数を2とする例を示したが、分割数を2回に限定するものではなく、分割数を3回以上とする分割噴射を行わせることができ、また、機関運転状態に応じて分割数を可変に設定することができ、例えば、噴射パルス幅TIが長くなるほど分割数を増やすことができる。
つまり、分割噴射によって1回当たりの噴射時間を短くすることで、燃料噴霧の貫徹力が低下するから、吸気バルブ4の開弁前の噴射、換言すれば、吸気の流れが弱い状態での噴射では、燃料噴霧を吸気ポート2a内に拡散させることができ、また、吸気ポート2aの壁面に吹き付けられる燃料の量(壁流量)を抑制できる。
分割回数を一定とすると、機関負荷の増大に伴って噴射パルス幅が増加することで分割噴射の1回当たりの噴射パルス幅が増加し、燃料噴霧の貫徹力が強くなってしまう。そこで、噴射パルス幅が増加するのに応じて分割数を増大させ、機関負荷が増大しても開弁前に噴射される燃料噴霧の貫徹力を所定値よりも弱く維持することができる。
図5のフローチャートのルーチンは、ECM31によって一定時間毎に繰り返し実行され、まず、ステップS201で、ECM31は、機関負荷TP、機関回転速度NEを検出する。
なお、ステップS201、ステップS202におけるECM31の処理は、図3のフローチャートに示したステップS101、ステップS102と同様である。
更に、低負荷領域に該当している場合、ECM31は、ステップS205において、噴射パルス幅TIのクランク角度換算値だけ低負荷用噴射終了時期ITELから進角した角度位置を噴射開始時期ITSとして算出し、当該噴射開始時期ITSで噴射パルス幅TIの噴射パルス信号の出力を行う一括噴射を設定する。
内燃機関1が高負荷領域で運転されている場合、更にECM31は、ステップS207で分割噴射の設定を行う。
分割噴射の設定とは、分割数、噴射間の停止時間(噴射間隔)、各回における燃料噴射量の分担率などの設定であり、係る分割噴射の設定と噴射パルス幅TIとから、分割噴射の開始(初回噴射の始まり)から終了(最終回噴射の終わり)までの時間が決まることになる。
更に、ECM31は、ステップS208にて、分割噴射の開始から終了までの時間を、そのときの機関回転速度NEに基づきクランク角に換算し、この換算演算で求めたクランク角だけ高負荷用噴射終了時期ITELから進角したクランク角位置を噴射開始時期ITSとして定める。そして、ECM31は、噴射開始時期ITSから、設定の分割数などに応じて複数回にわたって噴射パルスを出力する分割噴射を設定する。
図6は、ECM31が実施する噴射時期制御の第3実施形態を示す。
図6(A)は、高負荷領域(吸気流速が速い領域)での分割噴射の分割回数を4回とした例であって、4回のうちの最初の3回の噴射パルス幅TI(1)〜TI(3)が略同等であり、最後の1回の噴射パルス幅TI(4)を噴射パルス幅TI(1)〜TI(3)よりも長く設定した例である。
分割噴射の最後の回の噴射期間は、少なくとも後半部分が吸気バルブ4の開弁期間に重なり、吸気流速が上昇する過程で噴射されることになる。そして、吸気流速の速い状態では、吸気の流れによって燃料噴霧の向う方向が偏向されることで、燃料噴霧が吸気ポート2aの壁面に液状のまま付着する場合がある。
従って、吸気の流れが弱い吸気バルブ4の開弁前の噴射では、燃料噴霧の貫徹力を弱めることが燃料の壁面付着量を軽減することになり、逆に、吸気の流れが強くなる吸気バルブ4の開弁後の噴射では、燃料噴霧の貫徹力を強めることが燃料の壁面付着量を軽減することになる。
係る分割噴射制御による噴射パルス幅の設定例を示したのが、図6(A)、(B)であり、いずれの場合も、最終回の噴射における噴射パルス幅を、最終回よりも前の回での噴射パルス幅よりも長くすることで、最終回で噴射される燃料噴霧の貫徹力を、最終回よりも前の回で噴射される燃料噴霧の貫徹力に比べて強くする。
なお、最終回よりも前の回での噴射パルス幅は、全て同等に設定することができる他、例えば、噴射回数が増える毎に噴射パルス幅を増やすなど、最終回よりも前の回での噴射パルス幅を不均一に設定することもできる。最終回よりも前の回での噴射パルス幅を不均一に設定することで、各回の貫徹力(換言すれば、燃料噴霧の到達距離)が異なるようになるので、吸気バルブ4の開弁前に噴射される燃料を吸気ポート2a内に分散させることができる。
これにより、機関負荷の増加に伴って吸気流速がより速くなっても、最終回に噴射された燃料噴霧が吸気の流れによって偏向されて壁面付着量が増大することを抑制しつつ、機関負荷が低いときに貫徹力が過剰になって壁面付着量が増大することを抑制できる。
また、好ましい実施形態を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種々の変形態様を採り得ることは自明である。
また、機関温度が低く燃料噴霧の気化性能が低下する場合には、燃料噴霧の粒径が大きくなることで、噴霧の貫徹力が強まり、吸気の流れに影響を受け難くなるので、噴射終了時期ITEを高温である場合よりも遅角させて、吸気の流れを利用した気化促進を図ることができる。
Claims (6)
- 内燃機関の吸気バルブの上流側の吸気通路に設けた燃料噴射弁による燃料噴射を制御する制御装置であって、
前記吸気バルブの開弁中を噴射終了時期とする噴射制御において、前記吸気バルブが開弁するときの吸気流速が増加したときに、噴射終了時期を進角して前記吸気バルブの開弁前から開弁後にかけて燃料噴射を行わせる、内燃機関の制御装置。 - 前記吸気バルブが開弁するときの吸気流速が極大値となるタイミングよりも前に噴射終了時期を進角する、請求項1記載の内燃機関の制御装置。
- 前記吸気バルブが開弁するときの吸気流速の増加に応じて、前記燃料噴射弁による燃料噴射を一括噴射から分割噴射に切り替える、請求項1又は2記載の内燃機関の制御装置。
- 噴射終了時期を、吸気流速が極大値となるタイミングより後から、吸気流速が極大値となるタイミングより前であって吸気流速が所定速度を下回る領域に進角する、請求項2記載の内燃機関の制御装置。
- 分割噴射における最終回の噴射での噴射パルス幅を、最終回よりも前の回での噴射パルス幅よりも長くする、請求項3記載の内燃機関の制御装置。
- 機関負荷の増大を前記吸気流速の増加として検出する、請求項1から5のいずれか1つに記載の内燃機関の制御装置。
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