JP2011052670A - 内燃機関の燃料噴射装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】内燃機関の運転状態に応じて、インジェクタによる燃料の噴射回数を可変とした内燃機関の燃料噴射装置において、燃料噴射量の精度を十分に向上させること。
【解決手段】エンジン11の運転状態に応じて決定された噴射回数ごとに、実空燃比を目標空燃比に近づけるように基本噴射パルスTPを補正するための学習値KGを個別に算出する。従って、噴射回数によって無効噴射時間の発生回数が変化し、また、無効噴射時間が経時的に変化したとしても、噴射回数ごとに適切な学習値KGを算出することができる。この学習値KGにより補正した噴射パルスTAUに従ってインジェクタ21から噴射を行なうことにより、無効噴射時間の変化を吸収して、燃料噴射量の精度の向上を図ることができる。
【選択図】図4
【解決手段】エンジン11の運転状態に応じて決定された噴射回数ごとに、実空燃比を目標空燃比に近づけるように基本噴射パルスTPを補正するための学習値KGを個別に算出する。従って、噴射回数によって無効噴射時間の発生回数が変化し、また、無効噴射時間が経時的に変化したとしても、噴射回数ごとに適切な学習値KGを算出することができる。この学習値KGにより補正した噴射パルスTAUに従ってインジェクタ21から噴射を行なうことにより、無効噴射時間の変化を吸収して、燃料噴射量の精度の向上を図ることができる。
【選択図】図4
Description
本発明は、内燃機関の運転状態に応じて、インジェクタによる燃料の噴射回数を可変とした内燃機関の燃料噴射装置に関する。
上述したような、内燃機関の運転状態に応じて燃料の噴射回数を可変とした内燃機関の燃料噴射装置は、例えば特許文献1に開示されている。
特許文献1の燃料噴射装置では、燃料を直接燃焼室内に噴射する筒内噴射エンジンにおいて、エンジンの低負荷時には、圧縮工程の後半から燃料の噴射を開始して成層燃焼を実行し、エンジンの高負荷時には、吸気工程の前半から燃料の噴射を開始して均一燃焼を実行する。
エンジンの低負荷時に実行される成層燃焼では、圧縮工程の後半から1回のみ燃料を噴射することで、点火プラグ近傍に着火性の良好な濃度の混合気を形成する。一方、均一燃焼を実行するエンジンの運転領域における低回転時、すなわち高負荷低回転時においては、吸気工程の前半から燃料を複数回に分割して噴射する。この結果、一回当たりに噴射される燃料の噴射量が少なくなり、燃料が効果的に霧化拡散され、均一混合気が燃焼室内に形成される。
燃料噴射装置は、通常、バッテリー電圧から、インジェクタを駆動するための高電圧を生成する昇圧回路を備えている。生成された高電圧は、一時的にチャージコンデンサに蓄えられ、燃料の噴射開始タイミングから噴射停止タイミングまで、スイッチング素子を介してインジェクタに印加される。これにより、高電圧の印加時間に応じた量の燃料が、インジェクタから噴射される。
ここで、インジェクタは、高電圧を印加してから、実際に噴孔が開いて噴射が開始されるまでに時間遅れを有している。この時間遅れの間は、高電圧を印加していながら、インジェクタから燃料が噴射されない無効噴射時間となる。
このため、上述した燃料噴射装置のように、噴射すべき必要燃料量に対応するインジェクタの駆動時間を噴射回数で単純に分割してインジェクタを駆動すると、1回のみの噴射と2回以上の噴射とでは、無効噴射時間が発生する回数が異なるので、燃料噴射量の精度が低下してしまう。このような問題に対して、インジェクタの駆動時間を、噴射回数に応じて、予め定めた無効噴射時間分だけ長くなるように補正することが考えられる。
しかしながら、インジェクタによる噴射回数を2回以上に分割した場合、分割噴射は極めて短い時間間隔で実行される。このため、インジェクタは、チャージコンデンサに蓄えたれた高電圧を連続的に消費しつつ駆動されることになる。すなわち、インジェクタは、1回目の噴射時には、チャージコンデンサに蓄えられた高電圧により駆動されるが、2回目以降の噴射時には、それ以前の噴射のために消費され、当初の高電圧から低下した電圧が印加されて駆動されることになる。
上述した無効噴射時間は、インジェクタに印加される電圧の高低によって変化する。従って、1回目の噴射時と、2回目以降の噴射時とでは、無効噴射時間そのものの長さが異なり、2回目以降の噴射時の方が、無効噴射時間の長さが長くなる。しかも、この無効噴射時間は、チャージコンデンサの劣化等を原因として、各々の噴射回数における無効噴射時間も経時的に変化すると考えられる。このため、噴射回数に応じて、予め定めた無効噴射時間分だけインジェクタの駆動時間を補正しても、燃料噴射量の精度を十分に向上することは困難である。
本発明は、上述した点に鑑みてなされたもので、内燃機関の運転状態に応じて、インジェクタによる燃料の噴射回数を可変とした内燃機関の燃料噴射装置において、燃料噴射量の精度を十分に向上させることを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射装置は、
車両に搭載されたバッテリーの電圧を昇圧し、チャージコンデンサに一時的に蓄える昇圧回路と、
チャージコンデンサに蓄えられた昇圧電圧の印加により駆動され、内燃機関の燃焼室に燃料を噴射するインジェクタと、
内燃機関の排気管に設けられ、実空燃比を測定する空燃比センサと、
内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、
運転状態検出手段の検出結果に応じて、内燃機関における空燃比が目標空燃比となるように、インジェクタから噴射すべき基本燃料量を算出する燃料量算出手段と、
運転状態検出手段の検出結果に基づいて、前記内燃機関に燃料を噴射する際に、1回の噴射回数によって噴射するか、複数回の噴射回数に分割して噴射するかを決定する噴射回数決定手段と、
噴射回数決定手段によって決定された噴射回数ごとに、空燃比センサによって検出された実空燃比と目標空燃比とに基づいて、実空燃比を目標空燃比に近づけるように基本燃料量を補正するための学習値を個別に算出する学習値算出手段と、
燃料量算出手段によって算出された基本燃料量を噴射回数決定手段によって決定された噴射回数に対応する学習値を用いて補正した補正燃料量を算出し、当該補正燃料量がインジェクタから噴射されるように、噴射回数決定手段によって決定された噴射回数に従ってインジェクタを駆動制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
車両に搭載されたバッテリーの電圧を昇圧し、チャージコンデンサに一時的に蓄える昇圧回路と、
チャージコンデンサに蓄えられた昇圧電圧の印加により駆動され、内燃機関の燃焼室に燃料を噴射するインジェクタと、
内燃機関の排気管に設けられ、実空燃比を測定する空燃比センサと、
内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、
運転状態検出手段の検出結果に応じて、内燃機関における空燃比が目標空燃比となるように、インジェクタから噴射すべき基本燃料量を算出する燃料量算出手段と、
運転状態検出手段の検出結果に基づいて、前記内燃機関に燃料を噴射する際に、1回の噴射回数によって噴射するか、複数回の噴射回数に分割して噴射するかを決定する噴射回数決定手段と、
噴射回数決定手段によって決定された噴射回数ごとに、空燃比センサによって検出された実空燃比と目標空燃比とに基づいて、実空燃比を目標空燃比に近づけるように基本燃料量を補正するための学習値を個別に算出する学習値算出手段と、
燃料量算出手段によって算出された基本燃料量を噴射回数決定手段によって決定された噴射回数に対応する学習値を用いて補正した補正燃料量を算出し、当該補正燃料量がインジェクタから噴射されるように、噴射回数決定手段によって決定された噴射回数に従ってインジェクタを駆動制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
請求項1の発明では、上述したように、噴射回数決定手段によって決定された噴射回数ごとに、実空燃比を目標空燃比に近づけるように基本燃料量を補正するための学習値を個別に算出する。すなわち、噴射回数が異なれば、別個の学習値が算される。そして、内燃機関の運転状態から決定された噴射回数に対応する学習値を用いて基本燃料量を補正した補正燃料量を算出し、この補正燃料量をインジェクタによって噴射する。従って、噴射回数によって無効噴射時間の発生回数が変化し、また、無効噴射時間が経時的に変化したとしても、学習により適切な学習値を算出して、この学習値により補正した補正燃料量の噴射を行なうことにより、無効噴射時間の変化を吸収して、燃料噴射量の精度の向上を図ることができる。
請求項2に記載したように、内燃機関における実空燃比を目標空燃比に一致させるための空燃比フィードバック制御を行なう空燃比フィードバック制御手段を備え、
学習値算出手段は、空燃比フィードバック制御手段により空燃比フィードバック制御が行なわれたときのフィードバック補正量を用いて、学習値を算出することができる。
学習値算出手段は、空燃比フィードバック制御手段により空燃比フィードバック制御が行なわれたときのフィードバック補正量を用いて、学習値を算出することができる。
無効噴射時間が変化した場合、実際の燃料噴射量は、狙いとする燃料噴射量からずれる。この燃料噴射量のずれ分は、目標空燃比と実空燃比との差異に反映される。従って、空燃比フィードバック制御が行なわれている場合に、目標空燃比と実空燃比との差異を補償するためのフィードバック補正量を用いて学習値を算出することにより、学習値を用いて算出される補正燃料量は、無効噴射時間の変化を吸収することができる。
請求項3に記載したように、学習手段は、噴射回数決定手段によって決定された噴射回数が不変である間に行なわれた空燃比フィードバック制御におけるフィードバック補正量の平均値を学習値として算出することが好ましい。これにより、学習値の誤差を低減することができる。
また、請求項4に記載したように、内燃機関における実空燃比を目標空燃比に一致させるための空燃比フィードバック制御を行なう空燃比フィードバック制御手段を備え、
学習値算出手段は、空燃比フィードバック制御手段により空燃比フィードバック制御が行なわれたときの燃料量の、基本燃料量からの偏差を用いて学習値を算出しても良い。
学習値算出手段は、空燃比フィードバック制御手段により空燃比フィードバック制御が行なわれたときの燃料量の、基本燃料量からの偏差を用いて学習値を算出しても良い。
空燃比フィードバック制御が行なわれたときの燃料量は、基本燃料量に対して、実空燃比を目標空燃比に一致させるためのフィードバック補正量が加味された燃料量である。この燃料量が、基本燃料量と異なる場合、その燃料偏差は、無効噴射時間の変化に起因するものとみなすことができる。従って、この無効噴射時間を用いて学習値を算出し、算出した学習値の分だけ、インジェクタの駆動時間を増減することにより、無効噴射時間の変化を吸収した燃料噴射を行なうことができる。
なお、請求項5に記載したように、学習手段は、請求項3の場合と同様に、噴射回数決定手段によって決定された噴射回数が不変である間に行なわれた空燃比フィードバック制御による燃料量の、基本燃料量からの偏差の平均値を学習値として算出することが好ましい。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態による内燃機関の燃料噴射装置を、図面に基づいて説明する。
以下、本発明の第1実施形態による内燃機関の燃料噴射装置を、図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態による燃料噴射装置を含む、内燃機関制御システム全体の構成を示す構成図である。図1において、筒内噴射式の内燃機関である筒内噴射式エンジン11の吸気管12の最上流部には、エアクリーナ13が設けられ、このエアクリーナ13の下流側に、吸入空気量を検出するエアフローメータ14が設けられている。このエアフローメータ14の下流側には、モータ15によって開度調節されるスロットルバルブ16と、このスロットルバルブ16の開度(スロットル開度)を検出するスロットル開度センサ17とが設けられている。
スロットルバルブ16の下流側には、サージタンク18が設けられ、このサージタンク18には、吸気管圧力を検出する吸気管圧力センサ19が設けられている。また、サージタンク18には、エンジン11の各気筒に空気を導入する吸気マニホールド20が設けられ、各気筒の吸気マニホールド20に、筒内の気流強度(スワール流強度やタンブル流強度)を制御する気流制御弁31が設けられている。
エンジン11の各気筒の上部には、それぞれ燃料を筒内(燃焼室内)に直接噴射するインジェクタ21が取り付けられている。エンジン11のシリンダヘッドには、各気筒毎に点火プラグ22が取り付けられ、各点火プラグ22の火花放電によって筒内の混合気が着火される。また、エンジン11の吸気バルブ37と排気バルブ38には、それぞれ開閉タイミングを可変する可変バルブタイミング装置39,40が設けられている。
エンジン11のシリンダブロックには、ノッキングを検出するノックセンサ32と、冷却水温を検出する冷却水温センサ23とが取り付けられている。また、クランク軸(図示せず)の外周側には、クランク軸が所定クランク角回転する毎にパルス信号を出力するクランク角センサ24が取り付けられている。このクランク角センサ24の出力信号に基づいてクランク角やエンジン回転速度が検出される。
エンジン11の排気管25には、排出ガスを浄化する上流側触媒26と下流側触媒27が設けられ、上流側触媒26の上流側に、排出ガスの空燃比又はリッチ/リーン等を検出する排出ガスセンサ28(空燃比センサ、酸素センサ等)が設けられている。本実施形態では、上流側触媒26として理論空燃比付近で排出ガス中のCO,HC,NOx等を浄化する三元触媒が設けられ、下流側触媒27としてNOx吸蔵還元型触媒が設けられている。このNOx吸蔵還元型触媒27は、排出ガスの空燃比がリーンのときに排出ガス中のNOxを吸蔵し、空燃比が理論空燃比付近又はリッチになったときに吸蔵NOxを還元浄化して放出する特性を持っている。
排気管25のうちの上流側触媒26の下流側と吸気管12のサージタンク18との間に、排出ガスの一部を吸気側に還流させるためのEGR配管33が接続され、このEGR配管33の途中に排出ガス還流量(EGR量)を制御するEGR弁34が設けられている。また、アクセルペダル35の踏込量(アクセル開度)がアクセルセンサ36によって検出される。
前述した各種センサの出力は、エンジン制御ユニット(以下「ECU」と表記する)30に入力される。このECU30は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵されたROMに記憶された各種のエンジン制御プログラムを実行することで、エンジン運転状態に応じてインジェクタ21の燃料噴射量、燃料噴射回数、燃料噴射時期、及び点火プラグ22の点火時期等を制御する。その際、ECU30は、実空燃比を目標空燃比に一致させるように燃料噴射量を制御する空燃比フィードバック制御を実行する。
ECU30は、インジェクタ21を駆動する高電圧を発生するための昇圧回路を備えている。この昇圧回路は、図2に示すように、電源に接続されたコンデンサC1を有する。このコンデンサC1は、DC−DCコンバータからなる昇圧回路に大電流が流されたとき、電源電圧の変動を抑制するために設けられている。
昇圧回路は、主に、チャージコイルL1、スイッチング素子Tr、抵抗R,整流ダイオードD1、チャージコンデンサC2、及び制御回路10などからなる。昇圧回路により昇圧された電圧はチャージコンデンサC2に蓄えられる。チャージコンデンサC2に高電圧が蓄積された状態で、図示しないスイッチング素子を備えた放電回路がオンすることにより、チャージコンデンサC2から放電回路を介してインジェクタ21へ高電圧が印加され、インジェクタ21には大電流が流れる。この際、燃料の噴射開始タイミングから噴射停止タイミングまで、インジェクタ21に高電圧を印加することにより、高電圧の印加時間に応じた量の燃料が、インジェクタ21から噴射される。
この昇圧回路の昇圧動作について、簡単に説明する。制御回路10がスイッチング素子Trをオンすることにより、チャージコイルL1,スイッチング素子Tr、及び抵抗Rを介して電流が流れる。このとき、抵抗Rの端子電圧から抵抗Rを流れる電流の電流値が所定値に達したと判定されると、制御回路はスイッチング素子Trをオフする。すると、スイッチング素子Trがオフされるまでに通電されていた電流によりチャージコイルL1に蓄えられた磁気エネルギーが電気エネルギーとして放電され、整流ダイオードD1を介してチャージコンデンサC2が充電される。制御回路10は、図示しない電圧検出回路を用いて、チャージコンデンサC2の電圧をモニタしており、チャージコンデンサC2の電圧が目標電圧に一致するように、スイッチング素子Trのオン・オフを制御する。
ここで、本実施形態では、ECU30が、エンジン11の負荷と回転数とに基づいて、インジェクタ21から燃料を噴射する際に、1回の噴射回数によって噴射するか、複数回の噴射回数に分割して噴射するかを決定する。例えば、ECU30は、図3のマップに従って、噴射回数を決定することができる。
図3に示すマップでは、吸気管圧力や吸入空気量、アクセル開度から把握されるエンジン負荷と、エンジン回転数とに基づいて、噴射回数を決定する。具体的には、エンジン回転数が比較的高い領域(3000rpm以上)では、噴射回数は1回に定められる。これは、エンジン11の燃焼室内に流入する吸気量が多く、かつ吸気速度も速いため、1回の噴射回数でも燃料と空気との濃度ムラは発生しにくく均一な混合気が得られるためである。なお、この場合、低負荷の場合には、成層燃焼を行なうために圧縮工程(の後半)から燃料の噴射を開始し、高負荷の場合には、均一燃焼を行なうために吸気工程(の前半)から燃料の噴射を開始することが好ましい。
また、エンジン回転数が比較的低い領域(3000rpm未満)では、負荷に応じて、噴射回数を変化させている。具体的には、低負荷の場合には噴射回数を1回、中負荷の場合には噴射回数を2回、高負荷の場合には噴射回数を3回に定めている。負荷が高くなるほど、必要となる燃料噴射量は増加する。しかし、エンジン回転数が比較的低い領域では、エンジン11の燃焼室内に流入する吸気量が少なく、また流速も低い。このため、1回に多量の燃料を噴射すると、燃料と空気とが十分に混合せず、濃度ムラが発生しやすい。従って、上述したように、高負荷になるほど、燃料を噴射する際の分割数を増大させる。なお、この場合も、負荷の大きさに応じて、成層燃焼と均一燃焼とが切替えられるように、燃料噴射時期を異ならせることが好ましい。
そして、上述した分割噴射では、各噴射における燃料量が均等になるように燃料噴射量が分割される。ただし、各回の燃料噴射量は、相互に異なるように予め定めた比率に従って決定されても良い。
図3のマップに従って燃料の噴射回数を決定し、決定した噴射回数分だけインジェクタ21から燃料を噴射させる際、インジェクタ21は、噴射回数によらず、上述した昇圧回路によって昇圧された高電圧が印加され、駆動される。
インジェクタ21は、高電圧を印加してから、実際に噴孔が開いて噴射を開始するまでに、無効噴射時間としての時間遅れを有する。このため、1回のみの噴射と2回以上の噴射とでは、無効噴射時間が発生する回数が異なる。
さらに、インジェクタ21による噴射回数を2回以上に分割した場合、分割噴射は極めて短い時間間隔で実行される。このため、インジェクタ21は、チャージコンデンサC2に蓄えたれた高電圧を連続的に消費しつつ駆動されることになる。すなわち、インジェクタ21は、1回目の噴射時には、チャージコンデンサC2に蓄えられた高電圧により駆動されるが、2回目以降の噴射時には、それ以前の噴射のために消費され、当初の高電圧から低下した電圧が印加されて駆動される。上述した無効噴射時間は、インジェクタ21に印加される電圧の高低によって変化する。従って、1回目の噴射時と、2回目以降の噴射時とでは、無効噴射時間の長さが異なり、2回目以降の噴射時の方が、無効噴射時間の長さが長くなる。
しかも、チャージコンデンサC2が劣化して、チャージコンデンサC2の静電容量や漏れ電流などが変化すると、各々の噴射回数における無効噴射時間も変化することになる。すなわち、無効噴射時間は、チャージコンデンサC2の劣化等により経時的に変化すると考えられる。
そのため、噴射回数によって無効噴射時間の発生回数が変化し、また、無効噴射時間が経時的に変化したとしても、燃料噴射量の精度の低下を抑制する必要がある。そこで、本実施形態では、詳しくは後述するが、決定された噴射回数ごとに、実空燃比を目標空燃比に近づけるように基本噴射パルスTPを補正するための学習値ADP1〜ADP3を個別に算出する。そして、その学習値ADP1〜ADP3を用いて基本噴射パルスTPを補正した噴射パルスTAUを算出し、この噴射パルスTAUによりインジェクタ21を駆動する。これにより、無効噴射時間の変化を吸収して、燃料噴射量の精度の向上を図ることができる。
以下、図4及び図5のフローチャートに基づいて、本実施形態による燃料噴射装置における、燃料噴射制御処理について詳しく説明する。なお、図4は、インジェクタを駆動するための噴射パルスTAUを算出し、その噴射パルスTAUを用いてインジェクタを駆動する処理を示すフローチャートである。また、図5は、噴射回数ごとに学習値ADP1〜ADP3を算出するための処理を示すフローチャートである。
まず、ステップS110では、エンジン回転数、吸入空気量、吸気管圧力、冷却水温、実空燃比など、エンジン11の運転状態を示す各種のセンサ出力を検出する。続くステップS120では、ステップS110にて検出されたエンジン11の運転状態に基づき、基本となる燃料噴射量に相当する基本噴射パルスTPを演算する。このように、本実施形態では、燃料噴射量は、インジェクタ21からの燃料噴射時間である噴射パルスとして算出される。
基本噴射パルスTPは、空燃比が目標空燃比(理論空燃比)となるように、例えば、エンジン11の吸入空気量Qaとエンジン回転数Neとに基づいて算出される。具体的には、基本噴射パルスTPは、算出式「基本噴射パルスTP=定数k×吸入空気量Qa/エンジン回転数Ne」により算出される。なお、こうした基本噴射パルスTPの算出方法は一例であって、この算出方法に限らず、他の既存の算出方法をそのまま利用することができる。
ステップS130では、図3に示すマップを用い、エンジン回転数及びエンジン負荷から、燃料を噴射する際の分割数(噴射回数)NSを演算する。続くステップS140では、分割数NSが、1〜3のいずれの回数であるかを判定する。分割数NSが1、すなわち噴射回数が1回である場合には、ステップS150に進んで、詳しくは後述するが、噴射回数が1回であるときの空燃比フィードバック補正係数λFBの平均値として算出された学習値ADP1を、学習値KGに代入する。分割数NSが2、すなわち噴射回数が2回である場合には、ステップS160に進んで、噴射回数が2回であるときの空燃比フィードバック補正係数λFBの平均値として算出された学習値ADP2を、学習値KGに代入する。分割数NSが3、すなわち噴射回数が3回である場合には、ステップS170に進んで、噴射回数が3回であるときの空燃比フィードバック補正係数λFBの平均値として算出された学習値ADP3を、学習値KGに代入する。
ステップS180では、インジェクタ21を駆動するための噴射パルスTAUを算出する。具体的には、基本噴射パルスTPに対して、エンジン11の冷却水温などに基づく補正係数Kの他、上述した学習値KG、及び空燃比フィードバック補正係数λFBを乗じることによって、噴射パルスTAUを算出する。
空燃比フィードバック制御は、エンジン11が始動された後、所定の空燃比フィードバック条件が成立したときに、ECU30によって実行される。具体的には、例えば、「燃焼室への燃料の供給を一時的に停止する燃料カット中でないこと」、「燃焼室への燃料の供給量を一時的に増量する高負荷時でないこと」、「エンジン11の冷却水温が零度以上であること」、及び、「排出ガスセンサ28が活性状態であること」の全ての条件が満足されたとき、空燃比フィードバック制御が実行される。
この空燃比フィードバック制御では、排出ガスセンサ28によって検出される実空燃比が目標空燃比(理論空燃比)からずれている場合に、実空燃比を目標空燃比に一致させるための空燃比フィードバック補正係数λFBが算出される。例えば、空燃比フィードバック補正係数λFBは、実空燃比と目標空燃比との差を目標空燃比で除した値に1を加えることによって算出される。なお、空燃比フィードバック条件が不成立の場合、空燃比フィードバック補正係数λFBは1に設定される。
そして、上述したように、基本噴射パルスTPに空燃比フィードバック補正係数λFBを乗じることにより、フィードバック補正量分だけ燃料噴射量が増減される。これにより、エンジン11に導入される混合気を目標空燃比近傍に維持することができる。
ただし、上述したように、分割数(噴射回数)NSが異なる場合には、インジェクタ21の無効噴射時間の発生回数も異なる。さらに、1回目の噴射時の無効噴射時間よりも、2回目以降の噴射時の無効噴射時間の方が長くなる。このような理由から、分割数NSが異なる場合に、同じ算出式に従って噴射パルスTAUを算出すると、主に無効噴射時間が異なることに起因して、全ての噴射回数による噴射に対して、目標空燃比とのずれが小さくなるように噴射パルスTAUを算出することはできない。このため、空燃比フィードバック制御を実行している場合であっても、特に、噴射回数の切り替え時に、実空燃比と目標空燃比とのずれが大きくなる虞がある。
そのため、本実施形態では、学習値KGを基本噴射パルスTPに乗じる。学習値KGは、噴射回数ごとに、空燃比フィードバック補正係数λFBの平均値として算出された学習値ADP1〜ADP3に基づき設定される。
同じ長さの噴射パルスTAUによってインジェクタ21を駆動しても、無効噴射時間が変化した場合には、実際の燃料噴射量も変化する。この実際の燃料噴射量の変化は、目標空燃比と実空燃比との差異に反映される。従って、空燃比フィードバック制御における、各噴射回数ごとの空燃比フィードバック補正係数λFBを用いて学習値ADP1〜ADP3を算出し、それに基づいて設定される学習値KGを乗じて算出される噴射パルスTAUは、無効噴射時間の変化を補償したものとなるので、無効噴射時間が変化した場合であっても、それを吸収することができる。
ステップS190では、ステップS180にて算出された噴射パルスTAUに従ってインジェクタ21を駆動する。この際、ステップS130にて演算された分割数NSが2以上である場合には、ステップS180にて演算された噴射パルスTAUが、その分割数NSに従い、均等に、あるいは所定の比率で分割され、その分割された噴射パルスに従って、インジェクタ21から燃料が分割噴射される。
次に、図5のフローチャートに基づいて、噴射回数ごとの学習値ADP1〜ADP3を算出する処理について説明する。なお、図5のフローチャートに示す処理は、所定のクランク角度毎に繰り返し実行される。
まず、ステップS210では、上述したステップS130と同様にして、燃料を噴射する際の分割数(噴射回数)NSを演算する。続くステップS220では、分割数NSが、1であるか否かを判定する。
分割数NSが1である場合、ステップS230に進み、前回の分割数NS(I−1)が2または3であったか否かを判定する。このステップS230において、前回の分割数NS(I−1)が2または3であると判定されると、分割数NSが2または3の間に算出された空燃比フィードバック補正係数λFBの積分値IEP及び積算回数CFBを保存するために、後述するステップS240,S250の処理を行なうことなく、ステップS320の処理に進む。
一方、ステップS230において前回の分割数NSが2または3ではないと判定されると、ステップS240に進み、空燃比フィードバック制御において算出された空燃比フィードバック補正係数λFBの積分処理を行なう。つまり、積分値を示す変数IFBに空燃比フィードバック補正係数λFBを加算して変数IFBを更新する。続くステップS250では、空燃比フィードバック補正係数λFBを積分した回数を、カウンタCFBを用いてカウントする。このステップS240及びS250の処理は、燃料を噴射する分割数NSが1であるエンジン11の運転状態が続く限り、繰り返し実行される。
エンジン11の運転状態が変化し、ステップS220において、分割数NSは1ではないと判定されると、ステップS260の処理に進む。ステップS260では、前回の分割数NS(I−1)が1であったか否かを判定する。このステップS260において、前回の分割数NS(I−1)が1であると判定されると、ステップS270に進み、空燃比フィードバック補正係数λFBの積分値IFBを積分回数CFBで除算することにより、分割数(噴射回数)NS=1に対応する学習値ADP1を算出する。そして、ステップS280において、算出した学習値ADP1を不揮発性メモリに格納する。
ステップS290では、積分値を示す変数IFB及び積分回数を示すカウンタCFBをともにゼロにリセットする。これにより、変数IFB及びカウンタCFBを用いて、今回算出された分割数NSにおける、空燃比フィードバック補正係数λFBの積分、及び積分回数のカウントを行なうことができる。なお、変数及びカウンタは、分割数分だけ個別に用意しても良い。
このように、学習値ADP1は、分割数NSが1である間に行なわれた空燃比フィードバック制御における空燃比フィードバック補正係数λFBの平均値として算出される。これにより、学習値ADP1の誤差を低減することができる。
なお、既に学習値ADP1が算出され記憶されている状態で、新たな学習値ADP1が算出された場合は、新旧の学習値ADP1同士を乗算した結果を、新たな学習値ADP1として記憶する。
ステップS320〜S390の処理、及びステップS420〜S490の処理は、それぞれ分割数NSが2及び3である場合に、分割数NS=2及び分割数NS=3に対応する学習値ADP2及びADP3を算出するためのものである。これらの処理は、上述した分割数NS=1に対応する学習値ADP1を算出するためのステップS220〜S280の処理と同様であるため、説明を省略する。
ただし、ステップ330では、前回の分割数NS(I−1)が3であるかを判定している。これは、前回の分割数NS(I−1)が1である場合には、上述したステップS260〜S290までの処理により、分割数NS=1に対応する学習値ADP1が算出済みであり、変数IFB及びカウンタCFBはリセットされているためである。同様の理由から、分割数NSが3である場合には、前回の分割数NS(I−1)の値を判定することなく、空燃比フィードバック補正係数λFBの積分(ステップS440)及び積分回数のカウント(ステップS450)を行なっている。
(第2実施形態)
次に、本発明の2実施形態による内燃機関の燃料噴射装置について説明する。本実施形態による燃料噴射装置を含む、内燃機関制御システム全体の構成は、第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
次に、本発明の2実施形態による内燃機関の燃料噴射装置について説明する。本実施形態による燃料噴射装置を含む、内燃機関制御システム全体の構成は、第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
上述した第1実施形態では、燃料の噴射分割数NSごとに、空燃比フィードバック補正係数λFBの平均値から学習値ADP1〜ADP3を算出した。それに対して、本実施形態では、空燃比フィードバック制御が行なわれたときの燃料噴射量の、基本燃料噴射量からの燃料偏差を示す偏差パルスを用いて学習値ADPP1〜ADPP3を算出するものである。
空燃比フィードバック制御が行なわれたときの燃料噴射量は、実空燃比を目標空燃比に一致させるための空燃比フィードバック補正量が加味された燃料量である。この燃料量が、基本燃料噴射量と異なる場合、その燃料偏差は、インジェクタ21の無効噴射時間の変化に起因するものとみなすことができる。従って、この無効噴射時間を用いて学習値ADPP1〜ADPP3を算出することができる。
ただし、このように算出される学習値ADPP1〜ADPP3は、インジェクタ21の無効噴射時間に相当するので、第1実施形態における学習値ADP1〜ADP3と異なり、基本噴射パルスTPに乗算するのではなく、加算することによって、噴射パルスTAUを算出する。
以下、図6のフローチャートに基づいて、本実施形態における、噴射分割数(噴射回数)NSごとの学習値ADPP1〜ADPP3を算出する処理について説明する。なお、図6のフローチャートに示す処理は、所定のクランク角度毎に繰り返し実行される。
まず、ステップS510では、基本噴射パルスTPを演算し、続くステップS520で、燃料を噴射する際の分割数(噴射回数)NSを演算する。そして、ステップS530では、分割数NSが、1であるか否かを判定する。
分割数NSが1である場合、ステップS540に進み、前回の分割数NS(I−1)が2または3であったか否かを判定する。このステップS540において、前回の分割数NS(I−1)が2または3であると判定されると、分割数NSが2または3の間に算出されたパルス偏差の積分値IEP及び積算回数CFBを保存するために、後述するステップS550〜S570の処理を行なうことなく、ステップS630の処理に進む。
一方、ステップS230において前回の分割数NSが2または3ではないと判定されると、ステップS550に進み、空燃比フィードバック制御において算出された空燃比フィードバック補正係数λFBから1を減算した値を基本噴射パルスTPに乗算することにより、パルス偏差を求める。つまり、このような演算を行なうことにより、基本噴射パルスTPにフィードバック補正係数λFBを乗算することにより求められるフィードバック補正量が加味された燃料量に相当するパルスから、基本燃料噴射量に相当する基本噴射パルスTPが減算される。従って、上述した演算結果は、空燃比フィードバック制御が行なわれたときの燃料噴射量の、基本燃料噴射量からの燃料偏差を示す偏差パルスとなる。
ステップS560では、ステップS550において算出されたパルス偏差の積分処理を行なう。つまり、積分値を示す変数IFBにパルス偏差を加算して変数IFBを更新する。続くステップS570では、パルス偏差を積分した回数を、カウンタCFBを用いてカウントする。
エンジン11の運転状態が変化し、ステップS530において、分割数NSは1ではないと判定されると、ステップS580の処理に進む。ステップS580では、前回の分割数NS(I−1)が1であったか否かを判定する。このステップS580において、前回の分割数NS(I−1)が1であったと判定されると、ステップS590に進み、偏差パルスの積分値IFBを積分回数CFBで除算することにより、分割数(噴射回数)NS=1に対応する学習値ADPP1を算出する。そして、ステップS600において、算出した学習値ADPP1を不揮発性メモリに格納する。
ステップS610では、積分値を示す変数IFB及び積分回数を示すカウンタCFBをともにゼロにリセットする。これにより、変数IFB及びカウンタCFBを用いて、今回算出された分割数NSにおける、偏差パルスの積分、及び積分回数のカウントを行なうことができるようになる。
このように、学習値ADPP1は、分割数NSが1である間に行なわれた空燃比フィードバック制御における空燃比フィードバック補正係数λFBと基本噴射パルスTPから求められるパルス偏差の平均値として算出される。これにより、学習値ADPP1の誤差を低減することができる。
なお、既に学習値ADPP1が算出され記憶されている状態で、新たな学習値ADPP1が算出された場合は、新旧の学習値ADP1同士を加算した結果を、新たな学習値ADPP1として記憶する。
ステップS630〜S710の処理、及びステップS730〜S810の処理は、それぞれ分割数NSが2及び3である場合に、分割数NS=2及び分割数NS=3に対応する学習値ADPP2及びADPP3を算出するためのものである。これらの処理は、上述した分割数NS=1に対応する学習値ADPP1を算出するためのステップS530〜S600の処理と同様であるため、説明を省略する。
ただし、図5のフローチャートの場合と同様に、ステップ640では、前回の分割数NS(I−1)が3であるかを判定している。これは、前回の分割数NS(I−1)が1である場合には、上述したステップS580〜S610までの処理により、分割数NS=1に対応する学習値ADPP1が算出済みであり、変数IFB及びカウンタCFBはリセットされているためである。同様の理由から、分割数NSが3である場合には、前回の分割数NS(I−1)の値を判定することなく、パルス偏差の算出(S750)、算出したパルス偏差の積分(ステップS760)及び積分回数のカウント(ステップS770)を行なっている。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することができる。
例えば、上述した実施形態では、燃料を噴射する際の分割数の最大値を3としたが、その最大値は2であっても良いし、4以上であっても良い。また、エンジン回転数が3000rpm未満であるときに低回転領域であるとしたが、そのエンジン回転数は、適宜設定できるものである。
11…筒内噴射式エンジン、12…吸気管、14…エアフローメータ、21…インジェクタ、25…排気管、28…排出ガスセンサ、30…ECU
Claims (5)
- 車両に搭載されたバッテリーの電圧を昇圧し、チャージコンデンサに一時的に蓄える昇圧回路と、
前記チャージコンデンサに蓄えられた昇圧電圧の印加により駆動され、内燃機関の燃焼室に燃料を噴射するインジェクタと、
前記内燃機関の排気管に設けられ、実空燃比を測定する空燃比センサと、
前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、
前記運転状態検出手段の検出結果に応じて、前記内燃機関における空燃比が目標空燃比となるように、前記インジェクタから噴射すべき基本燃料量を算出する燃料量算出手段と、
前記運転状態検出手段の検出結果に基づいて、前記内燃機関に燃料を噴射する際に、1回の噴射回数によって噴射するか、複数回の噴射回数に分割して噴射するか決定する噴射回数決定手段と、
前記噴射回数決定手段によって決定された噴射回数ごとに、前記空燃比センサによって検出された実空燃比と目標空燃比とに基づいて、前記実空燃比を目標空燃比に近づけるように、前記基本燃料量を補正するための学習値を個別に算出する学習値算出手段と、
前記燃料量算出手段によって算出された基本燃料量を前記噴射回数決定手段によって決定された噴射回数に対応する学習値を用いて補正した補正燃料量を算出し、当該補正燃料量が前記インジェクタから噴射されるように、前記噴射回数決定手段によって決定された噴射回数に従って前記インジェクタを駆動制御する制御手段と、を備えることを特徴とする内燃機関の燃料噴射装置。 - 前記内燃機関における実空燃比を目標空燃比に一致させるための空燃比フィードバック制御を行なう空燃比フィードバック制御手段を備え、
前記学習値算出手段は、前記空燃比フィードバック制御手段により空燃比フィードバック制御が行なわれたときのフィードバック補正量を用いて前記学習値を算出することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射装置。 - 前記学習手段は、前記噴射回数決定手段によって決定された噴射回数が不変である間に行なわれた空燃比フィードバック制御における前記フィードバック補正量の平均値を前記学習値として算出することを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の燃料噴射装置。
- 前記内燃機関における実空燃比を目標空燃比に一致させるための空燃比フィードバック制御を行なう空燃比フィードバック制御手段を備え、
前記学習値算出手段は、前記空燃比フィードバック制御手段により空燃比フィードバック制御が行なわれたときの燃料量の、前記基本燃料量からの偏差を用いて前記学習値を算出することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射装置。 - 前記学習手段は、前記噴射回数決定手段によって決定された噴射回数が不変である間に行なわれた空燃比フィードバック制御による燃料量の、前記基本燃料量からの偏差の平均値を前記学習値として算出することを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の燃料噴射装置。
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