JP2006083710A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】可変動弁機構を備えた内燃機関において、燃料噴射量の暖機増量補正を好適に行うことで空燃比の制御精度を向上し、排気エミッションを良好とすることができる内燃機関の制御装置を提供する。
【解決手段】ECU40は、暖機増量値Kwを算出するための暖機増量ベース値Kwbaseを算出し、検出したバルブオーバーラップ量を用い推定筒内雰囲気温度を算出し、算出した推定筒内雰囲気温度に基づいて暖機増量値Kwの温度補正係数ktempを算出し、暖機増量ベース値Kwbaseに温度補正係数ktempを反映させて暖機増量値Kwを算出し、算出した暖機増量値Kwに基づいて燃料噴射量の暖機増量補正を実施する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、吸気バルブと排気バルブとのバルブオーバーラップ量を調整可能な可変動弁機構を備えた内燃機関の制御装置に関するものである。
ポート噴射を行うエンジンにおいて、エンジン未暖機状態では吸気ポートが冷えているため、吸気ポートの内壁面には噴射した燃料が十分に気化されずその一部が付着する、所謂燃料ウェットが生じる。また、筒内(燃焼室内)においてもシリンダライナの内壁面やピストン上面に燃料ウェットが付着したり、更には未燃焼のまま排気管に排出される状況が発生する。このような燃料ウェットはその大部分が燃焼に寄与しないものであるため、燃料ウェットの発生により筒内における燃焼可能な燃料が減少する。そのため、この減少分を考慮しないと実空燃比が目標空燃比よりもリーン側になるため、燃料噴射量の増量補正が行われている。
またエンジンの暖機が進んでくると、それに伴って筒内雰囲気温度が上昇するため、燃料ウェット分の気化量が増加する。そのため、この気化量増加分を考慮しないで燃料噴射量の増量補正を行うと、筒内における燃焼可能な燃料が増加して実空燃比が目標空燃比よりもリッチ側になるため、燃料噴射量の増量補正からは気化量増加分を除くようにしている。このようなエンジン暖機時における燃料噴射量の暖機増量補正は、例えば特許文献1や特許文献2にて開示されている。
ところで、近年のエンジンは、排気エミッションの低減や燃費向上等の目的で、例えば特許文献3に示されるように、吸気バルブと排気バルブとのバルブオーバーラップ量を調整可能な可変バルブタイミング機構等の可変動弁機構を備えたものが主流となっている。
しかしながら、このようなエンジンの暖機時においては、可変バルブタイミング機構等の動作状態により筒内雰囲気温度の上昇度が異なるため、これを考慮していない燃料噴射量の暖機増量補正を行っている特許文献3や特許文献1,2では、空燃比の制御精度が悪化し、排気エミッションの悪化を招く。
特開2002−213281号公報 特開平6−264791号公報 特開2002−276431号公報
本発明は、可変動弁機構を備えた内燃機関において、燃料噴射量の暖機増量補正を好適に行うことで空燃比の制御精度を向上し、排気エミッションを良好とすることができる内燃機関の制御装置を提供することを主たる目的とするものである。
以下、上記課題を解決するのに有効な手段等につき、効果等を示しつつ説明する。
手段1.内燃機関は、吸気バルブと排気バルブとのバルブオーバーラップ量を調整可能な可変動弁機構と、内燃機関の吸気ポート近傍に燃料を噴射供給する燃料噴射弁とを備えている。内燃機関の制御装置は、その暖機期間中において、その時々の暖機増量値を算出し、算出した暖機増量値に基づいて燃料噴射量の暖機増量補正を実施する。このような内燃機関の制御装置には、暖機増量値を算出するための暖機増量ベース値を算出するベース値算出手段と、バルブオーバーラップ量を検出するオーバーラップ量検出手段と、検出したバルブオーバーラップ量を用い推定筒内雰囲気温度を算出する筒内温度推定手段と、算出した推定筒内雰囲気温度に基づいて暖機増量値の温度補正項を算出する温度補正項算出手段と、暖機増量ベース値に温度補正項を反映させて暖機増量値を算出する暖機増量値算出手段とが備えられる。
ところで、内燃機関の暖機期間中(未暖機状態)においては、筒内(燃焼室内)や燃料噴射が行われる吸気ポートに、燃焼に寄与できない燃料ウェットが発生するため、これを考慮し、燃料噴射の暖機増量補正が実施されている。しかしながら、可変動弁機構を備えた内燃機関では、バルブオーバーラップが生じることにより内部EGRが生じ、筒内に高温の既燃ガス(EGRガス)が残留する。またバルブオーバーラップ量の増加は、筒内の内部EGR率(燃焼室内で内部EGRの占める割合)又は内部EGR量の増加を促進させ、この内部EGR率又は量の増加は、筒内雰囲気温度の上昇を促進させる。これにより、燃料ウェットの気化が促進され、燃焼に寄与できる燃料が増加する。そのため、バルブオーバーラップによる筒内雰囲気温度の上昇に基づいた燃料ウェットの気化増加分を予め暖機増量値から除いて互いが相殺するようにすれば、筒内の燃焼可能な燃料が余剰となってリッチ状態となることが防止される。その結果、空燃比の制御精度を向上でき、排気エミッションを良好とすることができる。
手段2.上記手段1において、筒内温度推定手段は、バルブオーバーラップ量及び吸入空気量を用い内部EGR率又は内部EGR量を算出し、その内部EGR率又は内部EGR量を用い推定筒内雰囲気温度を算出する。
すなわち、推定筒内雰囲気温度は、バルブオーバーラップ量及び吸入空気量を用い算出される内部EGR率又は量に基づいて算出される。上記のようにバルブオーバーラップ量の増加は、筒内の内部EGR率又は量の増加を促進させ筒内雰囲気温度の上昇を促進させるため、このバルブオーバーラップ量と、内部EGR率又は量を算出するのに重要な要素である吸入空気量とを用いることで、精度の高い推定筒内雰囲気温度を検出することができる。そのため、空燃比の制御精度をより確実に向上することができる。
手段3.上記手段2において、筒内温度推定手段は、内部EGR率又は内部EGR量と、点火時期及び空燃比を用い算出される内部EGR推定温度と、吸気温度と、を用い推定筒内雰囲気温度を算出する。
すなわち、推定筒内雰囲気温度を算出するのに重要な要素である内部EGR率又は量と内部EGR推定温度と吸気温度とに基づいて該筒内雰囲気温度が算出されるので、これによって更に精度の高い推定筒内雰囲気温度を検出することができ、空燃比の制御精度をより確実に向上することができる。
手段4.上記手段1〜3のいずれかにおいて、温度補正項算出手段は、推定筒内雰囲気温度が所定温度となるまでは、推定筒内雰囲気温度の上昇に応じて暖機増量値が減少するような温度補正項を算出する。
すなわち、筒内雰囲気温度が所定温度となるまでの正常範囲では、推定筒内雰囲気温度の上昇に応じて暖機増量値が減少するような温度補正項が算出される。この筒内雰囲気温度の正常範囲では、内燃機関の暖機が進んでくるに従って筒内雰囲気温度が上昇し、筒内や吸気ポートに付着している燃料ウェットの気化量が増加し、この気化分で筒内の燃焼可能な燃料が補填されるため、暖機増量値を減少させることで、空燃比の制御精度をより確実に向上することができる。
手段5.上記手段4において、温度補正項算出手段は、推定筒内雰囲気温度が所定温度を超えると、推定筒内雰囲気温度の上昇に応じて所定温度の暖機増量値から該暖機増量値が増加するような温度補正項を算出する。
すなわち、筒内雰囲気温度が所定温度を超える異常範囲では、推定筒内雰囲気温度の上昇に応じて所定温度の暖機増量値から該暖機増量値が増加するような温度補正項が算出される。この筒内雰囲気温度の異常範囲では、筒内雰囲気温度が上昇するほど燃焼が不安定になるため、暖機増量値を増加させることで、燃焼を安定化させることができる。
以下、本発明を具体化した一実施の形態を図面に従って説明する。本実施の形態は、内燃機関である車載多気筒ガソリンエンジンを対象にエンジン制御システムを構築するものであり、当該制御システムのエンジンには過給機として電動機付きターボチャージャが設けられている。先ずは、図1を用いてエンジン制御システムの全体概略構成図を説明する。
図1に示すエンジン10において、吸気管11の最上流部にはエアクリーナ12が設けられ、このエアクリーナ12の下流側には吸入空気量を検出するためのエアフローメータ13が設けられている。エアフローメータ13の下流側には、DCモータ等のアクチュエータによって開度調節されるスロットルバルブ14と、スロットル開度を検出するためのスロットル開度センサ15とが設けられている。スロットルバルブ14の下流側にはサージタンク16が設けられ、このサージタンク16には吸気管圧力を検出するための吸気管圧力センサ17が設けられている。また、サージタンク16には、エンジン10の各気筒に空気を導入する吸気マニホールド18が接続されており、吸気マニホールド18において各気筒の吸気ポート近傍には燃料を噴射供給する電磁駆動式の燃料噴射弁19が取り付けられている。つまり、燃料噴射弁19によりポート噴射が行われる。
エンジン10の吸気ポート及び排気ポートにはそれぞれ吸気バルブ21及び排気バルブ22が設けられており、吸気バルブ21の開動作により空気と燃料との混合気が燃焼室23内に導入され、排気バルブ22の開動作により燃焼後の排気ガスが排気管24に排出される。吸気バルブ21及び排気バルブ22にはそれぞれ可変動弁機構25,26が設けられている。これら可変動弁機構25,26は、各バルブ21,22の開閉時期やバルブオーバーラップ量等のバルブ開閉動作条件を連続的に可変とすることができる構造を有し、その時々のエンジン運転状態や運転者の要求等に応じてバルブ開閉動作条件が適宜調整されるようになっている。
エンジン10のシリンダヘッドには、吸気側カム角センサ27と排気側カム角センサ28とが取り付けられている。吸気側カム角センサ27は、吸気バルブ21の開閉時期等を算出するために可変動弁機構25に備えられる吸気側カム角を検出する。排気側カム角センサ28は、排気バルブ22の開閉時期等を算出するために可変動弁機構26に備えられる排気側カム角を検出するものである。検出されたこれら吸気側及び排気側カム角から、両バルブ21,22のバルブオーバーラップ量も算出される。
また、エンジン10のシリンダヘッドには気筒毎に点火プラグ29が取り付けられており、点火プラグ29には、点火コイル等よりなる点火装置30及びECU40により、所望とする点火時期において高電圧が印加される。この高電圧の印加により、各点火プラグ29の対向電極間に火花放電が発生し、燃焼室23内に導入した混合気が着火され燃焼に供される。排気ガスが排出される排気管24には、排気ガス中のCO,HC,NOx等を浄化するための三元触媒等の触媒31が設けられ、この触媒31の上流側には排気ガスを検出対象として混合気の空燃比を検出するための空燃比センサ32が設けられている。
エンジン10のシリンダブロックには、エンジン10内を主に循環する冷却水の温度(冷却水温)を検出する冷却水温センサ33や、クランク位置(回転角)及びエンジン回転数等を検出するために所定クランク角毎に(例えば30°CA周期で)矩形状となるクランク角信号を出力するクランク角度センサ34が取り付けられている。
ECU40は、周知の通りCPU、ROM、RAM等よりなるマイクロコンピュータを主体として構成されている。ECU40には、上記した各種センサの他、吸入空気の温度(吸気温)を検出するための吸気温センサ35や大気圧力を検出するための大気圧センサ36からも検出信号が入力される。ECU40は、随時入力される各種の検出信号に基づいてその時々のエンジン運転状態や運転者の要求を把握し、それに応じた各種制御を制御プログラムに従って実行している。
すなわち、ECU40は、吸気バルブ21及び排気バルブ22の開弁時期やバルブオーバーラップ量等のバルブ開閉動作条件が、その時々のエンジン運転状態や運転者の要求に対応するように可変動弁機構25,26を制御している。因みに、エンジン始動直後においては、ECU40は可変動弁機構25,26を非作動状態としており、このとき両バルブ21,22のバルブオーバーラップが生じていない状態となっている。エンジン始動時から所定時間経過すると、ECU40は可変動弁機構25,26の作動を開始する。これにより、排気バルブ22の開弁期間が遅角側に、吸気バルブ21の開弁期間が進角側にそれぞれシフトし、バルブオーバーラップが生じるようになっている。
また、ECU40は、エンジン暖機時(エンジン始動時から暖機完了時までの期間)において、燃料噴射量の暖機増量補正を行っている。すなわち、ECU40は、各種検出信号から得られるエンジンパラメータから暖機増量ベース値Kwbaseを算出している。また、バルブオーバーラップ量を含み内部EGR率に影響を与えるパラメータと、内部EGR推定温度に影響を与えるパラメータとから推定筒内雰囲気温度(燃焼室23内の推定雰囲気温度)を算出し、この推定筒内雰囲気温度から温度補正係数ktempを算出している。そして、算出した暖機増量ベース値Kwbaseに温度補正係数ktempを掛けることにより暖機増量値Kwを算出し、この暖機増量値Kw分、燃料噴射量を増量補正している。
より詳しくは、ECU40は、上記の暖機増量値Kwを図3に示す演算ロジックにて算出しており、またその算出処理を図2に示す算出フローに沿って実施している。なお、ECU40は、この算出処理を所定時間毎に実施する。
ステップS101では、エンジン10が暖機中、すなわちエンジン10の始動時からエンジン10の暖機完了条件を満たす期間中にあり、燃料噴射量の暖機増量補正を実施しているか否かを判定する。エンジン10の暖機が完了し、暖機増量補正を実施していないと判定すると、処理を終了する。これに対し、暖機増量補正の実施中(暖機増量補正を実施する期間中)であると判定すると、ステップS102に進む。
ステップS102では、暖機増量ベース値Kwbaseを算出する。暖機増量ベース値Kwbaseを算出するにあたり、エンジン始動時の冷却水温及び現在の冷却水温を用い2次元マップを参照して得られた演算結果と、エンジン回転数及びエンジン負荷を用い2次元マップを参照して得られた演算結果とを乗算し、ベース値算出用演算値K1を算出する。また、気化燃料補正係数と、大気圧力を用い1次元マップを参照して得られた大気圧力補正係数と、吸気管圧力を用い1次元マップを参照して得られた吸気管圧力補正係数と、始動後燃焼回数及びエンジン始動時の冷却水温を用い2次元マップを参照して得られたシリンダ推定壁温とを乗算し、ベース値算出用演算値K2を算出する。そして、このベース値算出用演算値K2と前記ベース値算出用演算値K1とを加算し、暖機増量ベース値Kwbaseを算出する。
ステップS103では、バルブオーバーラップ量に基づいてバルブオーバーラップが発生しているか否かを判定する。バルブオーバーラップが生じていないと判定すれば、ステップS104に進み、暖機増量ベース値Kwbaseをそのまま暖機増量値Kwとして処理を終了する。
一方、前記ステップS103においてバルブオーバーラップが生じていると判定すれば、ステップS105に進み、温度補正係数ktempを算出する。温度補正係数ktempを算出するにあたり、先ず、バルブオーバーラップ量と吸入空気量とを用い2次元マップを参照して得られた内部EGR率と、点火時期と空燃比(A/F)とを用い2次元マップを参照して得られた内部EGR推定温度と、吸気温度とを用いて推定筒内雰囲気温度を計算する。なおこの場合、内部EGR率に代えて内部EGR量を算出し、この内部EGR量を用い推定筒内雰囲気温度を計算しても良い。
ここで、バルブオーバーラップが生じると内部EGRが生じ、筒内(燃焼室23内)に高温の既燃ガス(EGRガス)が残留する。またバルブオーバーラップ量の増加は、筒内の内部EGR率(燃焼室23内でEGRガスの占める割合)の増加を促進させ、この内部EGR率の増加は、筒内雰囲気温度の上昇を促進させる。従って、推定筒内雰囲気温度の算出にはバルブオーバーラップ量が重要な要素の一つとなっているため、このバルブオーバーラップ量を、推定筒内雰囲気温度を算出するパラメータの一つとしている。
そして、こうして算出した推定筒内雰囲気温度を用い、図4から温度補正係数ktempを求めている。
図4には、推定筒内雰囲気温度と温度補正係数ktempとの関係が示されている。推定筒内雰囲気温度が正常範囲の最大値の所定温度Tlimit となるまでは、推定筒内雰囲気温度の上昇に応じて温度補正係数ktempが「1」から次第に小とされる。これは、エンジン10の暖機が進んでくるに従って筒内雰囲気温度が上昇し、筒内や吸気ポートに付着している燃料ウェットの気化量が増加して、この気化分で筒内の燃焼可能な燃料が補填されることを考慮しているためである。なお、筒内のEGRガスの過度の増加や点火時期が過遅角化されることにより筒内雰囲気温度が所定温度Tlimit を超える異常範囲においては、筒内雰囲気温度が上昇するほど燃焼が不安定になる。従って、算出した推定筒内雰囲気温度が所定温度Tlimit を超える場合には、推定筒内雰囲気温度の上昇に応じて温度補正係数ktempが次第に大とされ、やがて「1」よりも大とされる。
そして、温度補正係数ktempの算出に基づいてステップS106に進み、該ステップS106では、暖機増量ベース値Kwbaseに対してこの温度補正係数ktempを乗じて暖機増量値Kwを算出し、処理を終了する。
このようにECU40は、図5に示すように、エンジン暖機時においてバルブオーバーラップが生じていない期間では暖機増量ベース値Kwbaseをそのままの暖機増量値Kwとし、バルブオーバーラップが生じている期間では暖機増量ベース値Kwbaseに温度補正係数ktempを乗じた暖機増量値Kwとし、この暖機増量値Kwに基づいて燃料噴射量の暖機増量補正を行っている。
これにより、エンジン暖機時においてバルブオーバーラップが生じ始め、そのバルブオーバーラップ量が増加すると、筒内の内部EGR率の増加が促進され、この内部EGR率の増加が筒内雰囲気温度の上昇を促進させる。そのため、筒内雰囲気温度の上昇度が大きくなると、筒内や吸気ポートに付着している燃料ウェットの気化量が増加する。これに対応するように、筒内雰囲気温度の上昇(内部EGR量の増加)を促進させるバルブオーバーラップが生じると、その筒内雰囲気温度の上昇に応じて「1」より小さくされる温度補正係数ktempが暖機増量ベース値Kwbaseに乗じられるので、これによる暖機増量値Kwの減少分と燃料ウェットの気化増加分とが相殺され、筒内の燃焼可能な燃料が余剰となってリッチ状態となることが防止される。その結果、空燃比の制御精度を向上でき、排気エミッションが良好となる。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
本実施の形態では、ECU40は、暖機増量値Kwを算出するための暖機増量ベース値Kwbaseを算出し、検出したバルブオーバーラップ量を用い推定筒内雰囲気温度を算出し、算出した推定筒内雰囲気温度に基づいて暖機増量値Kwの温度補正係数ktempを算出し、暖機増量ベース値Kwbaseに温度補正係数ktempを反映させて暖機増量値Kwを算出し、算出した暖機増量値Kwに基づいて燃料噴射量の暖機増量補正を実施している。すなわち、本実施の形態のように可変動弁機構25,26を備えたエンジン10では、バルブオーバーラップが生じることにより内部EGRが生じ、筒内(燃焼室23内)に高温の既燃ガス(EGRガス)が残留する。またバルブオーバーラップ量の増加は、筒内の内部EGR率の増加を促進させ、この内部EGR率の増加は、筒内雰囲気温度の上昇を促進させる。これにより、燃料ウェットの気化が促進され、燃焼に寄与できる燃料が増加する。そのため、バルブオーバーラップによる筒内雰囲気温度の上昇に基づいた燃料ウェットの気化増加分を予め暖機増量値Kwから除いて互いが相殺するようにすれば、筒内の燃焼可能な燃料が余剰となってリッチ状態となることを防止することができる。その結果、空燃比の制御精度を向上することができ、排気エミッションを良好とすることができる。
また本実施の形態では、ECU40は、バルブオーバーラップ量及び吸入空気量を用い内部EGR率を算出し、その内部EGR率を用い推定筒内雰囲気温度を算出している。すなわち、上記のようにバルブオーバーラップ量の増加は、筒内の内部EGR率の増加を促進させ筒内雰囲気温度の上昇を促進させるため、このバルブオーバーラップ量と、内部EGR率を算出するのに重要な要素である吸入空気量とを用いることで、精度の高い推定筒内雰囲気温度を検出することができる。そのため、空燃比の制御精度をより確実に向上することができる。
また本実施の形態では、ECU40は、内部EGR率と、点火時期及び空燃比を用い算出される内部EGR推定温度と、吸気温度と、を用い推定筒内雰囲気温度を算出している。すなわち、推定筒内雰囲気温度を算出するのに重要な要素である内部EGR率と内部EGR推定温度と吸気温度とに基づいて該筒内雰囲気温度が算出されるので、これによって更に精度の高い推定筒内雰囲気温度を検出することができ、空燃比の制御精度をより確実に向上することができる。
また本実施の形態では、ECU40は、筒内雰囲気温度が所定温度Tlimit となるまでの正常範囲では、推定筒内雰囲気温度の上昇に応じて暖機増量値Kwが減少するような温度補正係数ktempを算出する。この筒内雰囲気温度の正常範囲では、エンジン10の暖機が進んでくるに従って筒内雰囲気温度が上昇し、筒内や吸気ポートに付着している燃料ウェットの気化量が増加し、この気化分で筒内の燃焼可能な燃料が補填されるため、暖機増量値Kwを減少させることで、空燃比の制御精度をより確実に向上することができる。
また本実施の形態では、ECU40は、筒内雰囲気温度が所定温度Tlimit を超える異常範囲では、ECU40は、推定筒内雰囲気温度の上昇に応じて所定温度の暖機増量値Kwから該暖機増量値Kwが増加するような温度補正係数ktempを算出する。この筒内雰囲気温度の異常範囲では、筒内雰囲気温度が上昇するほど燃焼が不安定になるため、暖機増量値Kwを増加させることで、燃焼を安定化させることができる。
なお、本発明は上記実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施しても良い。
上記実施の形態では、暖機増量値Kwを図3に示す演算ロジックにて算出したが、暖機増量値Kwの算出はこれに限定されるものではなく、適宜変更しても良い。例えば、暖機増量ベース値Kwbaseや推定筒内雰囲気温度を算出するパラメータの変更や、その組み合わせ等を適宜変更しても良い。この場合、加算乗算以外に加え、減算除算を用いて算出するようにしても良い。また、バルブオーバーラップ量から内部EGR率(又は量)を算出し、この内部EGR率(又は量)と内部EGR推定温度と吸気温度とに基づいて推定筒内雰囲気温度を算出したが、バルブオーバーラップ量から直接的に推定筒内雰囲気温度を算出するようにしても良い。
上記実施の形態では、温度補正係数ktempを図4に示す推定筒内雰囲気温度との関係から求めたが、図4に示す推定筒内雰囲気温度と温度補正係数ktempとの関係はこれに限定されるものではなく、適宜変更しても良い。
発明の実施の形態におけるエンジン制御システムの概略を示す構成図である。 暖機増量補正時に用いる暖機増量値を算出するためのフロー図である。 暖機増量値を算出するための演算ロジックを示す機能ブロック図である。 筒内雰囲気温度と温度補正係数との関係を示す図である。 暖機完了時までの暖機増量値の変化を示す図である。
符号の説明
10…エンジン、21…吸気バルブ、22…排気バルブ、25,26…可変動弁機構、40…ECU(ベース値算出手段、オーバーラップ量検出手段、筒内温度推定手段、温度補正項算出手段、暖機増量値算出手段)、Kw…暖機増量値、Kwbase…暖機増量ベース値、ktemp…温度補正係数(温度補正項)、Tlimit …所定温度。

Claims (5)

  1. 吸気バルブと排気バルブとのバルブオーバーラップ量を調整可能な可変動弁機構と、内燃機関の吸気ポート近傍に燃料を噴射供給する燃料噴射弁とを備えた内燃機関の暖機期間中において、その時々の暖機増量値を算出し、算出した暖機増量値に基づいて燃料噴射量の暖機増量補正を実施する内燃機関の制御装置であって、
    前記暖機増量値を算出するための暖機増量ベース値を算出するベース値算出手段と、
    前記バルブオーバーラップ量を検出するオーバーラップ量検出手段と、
    検出した前記バルブオーバーラップ量を用い推定筒内雰囲気温度を算出する筒内温度推定手段と、
    算出した前記推定筒内雰囲気温度に基づいて前記暖機増量値の温度補正項を算出する温度補正項算出手段と、
    前記暖機増量ベース値に前記温度補正項を反映させて前記暖機増量値を算出する暖機増量値算出手段と
    を備えたことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記筒内温度推定手段は、前記バルブオーバーラップ量及び吸入空気量を用い内部EGR率又は内部EGR量を算出し、その内部EGR率又は内部EGR量を用い前記推定筒内雰囲気温度を算出することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記筒内温度推定手段は、前記内部EGR率又は内部EGR量と、点火時期及び空燃比を用いて算出される内部EGR推定温度と、吸気温度と、を用い前記推定筒内雰囲気温度を算出することを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記温度補正項算出手段は、前記推定筒内雰囲気温度が所定温度となるまでは、前記推定筒内雰囲気温度の上昇に応じて前記暖機増量値が減少するような前記温度補正項を算出することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記温度補正項算出手段は、前記推定筒内雰囲気温度が所定温度を超えると、前記推定筒内雰囲気温度の上昇に応じて前記所定温度の前記暖機増量値から該暖機増量値が増加するような前記温度補正項を算出することを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の制御装置。
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