JP2008101591A - 内燃機関の着火時期制御装置 - Google Patents

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孝明 佐藤
Yoshihiro Nakase
善博 中瀬
Taku Ibuki
卓 伊吹
Shigeki Nakayama
茂樹 中山
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Abstract

【課題】内燃機関が過渡運転状態の場合においても噴射燃料の着火時期を精度良く目標着火時期に制御可能な技術を提供する。
【解決手段】内燃機関の気筒に燃料を噴射する燃料噴射手段と、内燃機関の運転状態に応じて基本燃料噴射量と基本燃料噴射時期を決定する手段(S102)と、内燃機関の運転状態に応じた目標着火時期を決定する手段(S107)と、基本燃料噴射時期における筒内圧力及び筒内温度の推定値に基づいて推定着火時期を算出する手段(S103,S104,S105,S106)と、推定着火時期と目標着火時期との偏差が所定の閾値より大きい場合には該偏差を解消するように基本燃料噴射時期を補正する手段(S108,S109,S110)とを備え、補正後の燃料噴射時期において燃料を噴射する。
【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関の着火時期制御装置に関する。
内燃機関における燃料の着火時期はスモークやNOx等の排気エミッション、燃焼騒音、燃費等の特性に影響を与える。着火時期に係る各種運転パラメータ(例えば燃料噴射量、燃料噴射時期、吸入空気量、EGR率等)は、これらの特性が所定の目標値や規制を満足するように予め適合作業により決定される。しかし、適合作業により決定される前記各運転パラメータの値は、所定の条件下において機関運転状態が定常運転状態である場合に前記諸特性を好適に制御し得るように最適化された値であるため、機関運転状態が時間的に変動する過渡運転状態の場合や燃料性状や外気温等の外的要因が変動した場合には、適合作業によって決定された運転パラメータに従って機関が運転されても、実際の着火時期が目標着火時期からずれる場合がある。
これに対し、特許文献1には、実際の着火時期を検出し、検出された着火時期と目標着火時期とがずれていた場合には、燃料噴射期間、燃料噴射時期、EGRガス温度等の着火時期に影響するパラメータを操作することによって、着火時期を補正する技術が開示されている。この技術によれば、例えば燃料のセタン価が変化した場合のように、外的要因によって内燃機関の運転条件が一様に適合作業時の状態から変化した場合等における着火時期のずれを補正し、着火時期を目標着火時期に制御することができる。
特開平11−107820号公報 特開2005−155603号公報 特開2005−133601号公報 特開2004−150376号公報
しかしながら、上記の従来技術のように実際の着火時期の検出結果に基づいて着火時期に係る運転パラメータを操作するので、内燃機関の運転状態が刻々と変化する過渡運転状態においては着火時期を精度良く目標着火時期に制御できない虞があった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とする所は、内燃機関が過渡運転状態の場合においても噴射燃料の着火時期を精度良く目標着火時期に制御することを可能にする技術を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明の内燃機関の着火時期制御装置は、内燃機関の気筒に燃料を噴射する燃料噴射手段と、内燃機関の運転状態に応じて定められる基本燃料噴射時期において前記燃料噴射手段に燃料噴射を行わしめる制御手段と、内燃機関の運転状態に応じた目標着火時期を決定する目標着火時期決定手段と、内燃機関の運転状態に基づいて実際の着火時期を推定する着火時期推定手段と、を備え、前記制御手段は、前記着火時期推定手段によって推定される着火時期と前記目標着火時期との偏差が所定値以下となるように前記基本燃料噴射時期を補正するとともに、該補正後の基本燃料噴射時期において前記燃料噴射手段に実際の燃料噴射を行わしめることを特徴とする。
ここで、「目標着火時期」とは、燃料噴射手段によって噴射された燃料が気筒内で好適に燃焼し、排気エミッション、燃焼騒音、燃費等の機関特性を所定の目標値や規制に好適
に合致せしめることが可能な燃料の着火時期であって、内燃機関の運転状態毎に予め定められる。また、「基本燃料噴射時期」とは、燃料噴射手段によって筒内に噴射された燃料が目標着火時期に着火するような燃料噴射時期であって、内燃機関の運転状態毎に予め定められる。
上記構成によれば、実際に燃料噴射手段によって筒内に燃料が噴射される前の任意の時点において、当該時点における内燃機関の運転状態に基づいて、該運転状態に対応する基本燃料噴射時期において燃料噴射手段から燃料が噴射された場合に予測される着火時期が着火時期推定手段によって推定される。
そして、推定された着火時期(以下「推定着火時期」という)が目標着火時期からずれている場合には、そのずれを解消可能なより適切な燃料噴射時期が求められる。そして、制御手段は、基本燃料噴射時期を該燃料噴射時期に補正する。
この補正は実際に燃料噴射が行われる前の時点で実行され、補正された基本燃料噴射時期は当該サイクルにおける燃料噴射に直ちに反映される。よって、各サイクルにおいて最新の内燃機関の運転状態を反映させた燃料噴射時期において燃料噴射を実行することができ、内燃機関が過渡運転状態であっても、確実に着火時期を目標着火時期に制御することが可能になる。
本発明においては、筒内温度を推定する筒内温度推定手段と、筒内圧力を推定する筒内圧力推定手段と、前記基本燃料噴射時期における筒内温度及び筒内圧力を前記筒内温度推定手段及び前記筒内圧力推定手段によって推定するとともに、該推定された筒内温度及び筒内温度に基づいて、前記基本燃料噴射時期において燃料が噴射された場合の着火遅れ時間を推定する着火遅れ時間推定手段と、を更に備え、前記着火時期推定手段は、前記基本燃料噴射時期から前記着火遅れ時間推定手段によって推定される着火遅れ時間経過した時を実際の着火時期と推定するようにしてもよい。
ここで、「着火遅れ時間」とは、燃料噴射手段によって燃料が噴射されてから、当該燃料が着火するまでの時間である。着火遅れ時間は、主に、筒内に噴射された燃料が蒸発して吸入空気と混合して混合気を形成し、該混合気の温度が上昇して着火可能な雰囲気になるまでの時間(物理的着火遅れ)と、該混合気が燃焼反応する際の反応速度(化学的着火遅れ)とによって決まる。物理的着火遅れは主に筒内温度に依存し、化学的着火遅れは主に筒内温度及び筒内圧力に依存している。
上記構成によれば、実際に燃料噴射手段によって筒内に燃料が噴射される前の任意の時点において、当該時点における内燃機関の運転状態に基づいて、該運転状態に対応する基本燃料噴射時期における筒内温度及び筒内圧力を予測することができる。よって、基本燃料噴射時期において燃料噴射手段から燃料が噴射された場合に予測される着火遅れ時間を、前記予測された筒内温度及び筒内圧力に基づいて精度良く推定することができる。
これにより、より精度良く推定着火時期を推定することができるため、内燃機関が過渡運転状態であっても、より確実に着火時期を目標着火時期に制御することが可能になる。
本発明によれば、内燃機関の運転状態が過渡運転状態の場合においても、噴射燃料の着火時期を精度良く目標着火時期に制御することが可能になる。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を例示的に詳しく説明す
る。本実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置等は、特に特定的な記載がない限りは、発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
図1は、本実施例に係る内燃機関の燃料噴射制御装置を適用する内燃機関とその吸気系及び排気系の概略構成を示す図である。図1に示す内燃機関1は水冷式の4サイクルディーゼルエンジンである。内燃機関1の気筒5の内部にはピストン3が摺動自在に挿入されており、ピストン3の上面と気筒5の内壁とによって燃焼室2が区画・形成されている。燃焼室2の上部には、燃焼室2の内部に燃料を直接噴射する燃料噴射弁6が設けられている。
燃焼室2は吸気ポート20を介して吸気管22に連通している。また、燃焼室2は排気ポート30を介して排気管32に連通している。気筒5には、燃焼室2と吸気ポート20との接続箇所における開口部を開閉する吸気弁23、及び、燃焼室2と排気ポート30との接続箇所における開口部を開閉する排気弁33が設けられている。
内燃機関1には排気の一部を燃焼室2に再循環させるEGR装置40が設けられている。EGR装置40はEGR通路41及びEGR弁42を備えて構成されている。EGR通路41は排気管32と吸気管22とを接続する通路であり、EGR通路41を通って排気管32を流れる排気の一部が吸気管22に流入し、吸気ポート20を通って燃焼室2に吸入される。本実施例では、EGR装置40によって燃焼室2に再循環する排気をEGRガスと称している。EGR弁42は、EGR通路41の流路断面積を変更することにより、EGR通路41を流れるEGRガス量を変更可能な流量調節弁である。EGR弁42の開度を調節することによりEGRガス量を調節することができる。
なお、EGRガス量を調量する方法としては、EGR弁42の開度を調節する方法以外にも、可変容量型ターボチャージャを備えた構成においてタービンの流量特性を変更するノズルベーンの開度を調節する方法や、排気管32に排気絞り弁を有する構成又は吸気管22に吸気絞り弁を有する構成において、排気絞り弁や吸気絞り弁の開度を調節する方法でもよい。
内燃機関1には、機関の制御を行う電子制御装置(ECU)8が併設されている。ECU8は、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、中央演算装置(CPU)、入出力ポート、デジタルアナログコンバータ(DAコンバータ)、アナログデジタルコンバータ(ADコンバータ)等を双方向バスで接続した公知の構成のマイクロコンピュータとして構成されている。
ECU8は、内燃機関1の運転状態や運転者による要求に応じて、燃料噴射弁6による燃料噴射量や燃料噴射時期の制御等のディーゼルエンジンにおいて既知の基本制御を行う。該基本制御を行うために、内燃機関1には、内燃機関1の冷却水温度Twを検出する水温センサ70、内燃機関1のクランクシャフトの回転位相(クランク角度)θを検出するクランクポジションセンサ71、運転者によるアクセルペダル7の踏み込み量(アクセル開度)Accpを検出するアクセル開度センサ72、吸気管22に流入する新気の圧力Pinを検出する吸気圧センサ73、吸気管22に流入する新気の温度Tinを検出する吸気温度センサ74、が設けられている。その他、特に図示及び説明を省略するが、ディーゼルエンジンが一般的に備えているセンサ類が設けられている。これらのセンサは電気配線を介してECU8に接続され、各センサからの出力信号がECU8に入力されるようになっている。
また、ECU8には、燃料噴射弁6、EGR弁42、吸気弁23、排気弁33を駆動するための駆動装置等の機器が電気配線を介して接続されている。ECU8は、前記各種センサによる検出値に基づいて内燃機関1の運転状態や運転者の要求を把握し、該機関運転状態や運転者の要求に応じて燃料噴射弁6やEGR弁42等の各種制御対象機器に制御信号を送信してこれらの機器を制御する。
燃料噴射弁6によって燃焼室2内に噴射された燃料の着火時期は、スモークやNOx等の排気エミッション、燃焼騒音、燃費等の機関特性に影響を与える。そこで、着火時期に係る各種運転パラメータ(例えば、燃料噴射量、燃料噴射時期、吸入空気量、EGR率等)は、これらの機関特性が所定の目標値や規制を満たすように予め適合作業により決定され、ECU8のROMにマップや演算式等の形で記憶されている。
ECU8は内燃機関1の運転状態を検出し、検出された運転状態に対応する運転パラメータの目標値を読み込み、読み込んだ目標値を制御指令値として燃料噴射弁6やEGR弁42等の制御対象機器を制御する。これにより、機関特性に対する目標値や規制を満たしつつ内燃機関1の運転を行うことが可能になる。
しかし、適合作業により決定される運転パラメータの値は、基本的に内燃機関1の運転状態が時間的に変動しない定常状態で運転された場合に前記機関特性が所望の目標値又は規制を満足するように求められた値である。そのため、内燃機関1の運転状態が時間的に変動する過渡状態においては、適合作業によって決定された運転パラメータに従って内燃機関1が運転されても、着火時期が目標着火時期からずれてしまう場合があった。
そこで、本実施例では、各サイクルにおいて実際に燃料噴射が行われる前の任意の時点において、(1)まず、前記適合作業により決定された燃料噴射時期(以下「基本燃料噴射時期」という)において同じく適合作業により決定された燃料噴射量(以下「基本燃料噴射量」という)の燃料が噴射されたと仮定した場合に予測される着火時期(以下「推定着火時期」という)を、当該時点における内燃機関1の運転状態に基づいて算出し、(2)推定着火時期と目標着火時期とを比較し、(3)推定着火時期が目標着火時期からずれている場合には、そのずれに応じて基本燃料噴射時期を補正して、(4)補正後の基本燃料噴時期において実際の燃料噴射を実行する。
以下、本実施例の着火時期制御について図2を参照して説明する。図2は本実施例の着火時期制御の概略を示すブロック図である。
図2において、破線で描かれた領域はECU8を表し、破線領域内部のブロックB1〜ブロックB16はECU8によって実行される各種演算処理を表している。ECU8の外部に描かれた各種センサや制御対象機器は、ECU8に電気配線を介して接続され、ECU8との間で検出信号や制御信号が入出力される。
詳細には、EGR弁42への制御信号はEGR弁開度としてECU8に入力される(ブロックB1)。吸気温度センサ73による検出値は吸気温度としてECU8に入力される(ブロックB2)。吸気圧センサ75による検出値は吸気圧としてECU8に入力される(ブロックB3)。水温センサ70による検出値は冷却水温としてECU8に入力される(ブロックB4)。アクセル開度センサ72による検出値はアクセル開度としてECU8に入力され、機関負荷に換算されて各種演算処理に用いられる(ブロックB5)。クランクポジションセンサ71による検出値はクランク角度としてECU8に入力され、機関回転数に換算されて各種演算処理に用いられる(ブロックB6)。
ブロックB7では、内燃機関1の運転状態に応じた基本燃料噴射量が決定される。具体
的には、機関負荷及び機関回転数に応じて基本燃料噴射量を定める予め求められたマップに基づいて、ブロックB5の機関負荷及びブロックB6の機関回転数に応じた基本燃料噴射量が求められる。
ブロックB8では、内燃機関1の運転状態に応じた基本燃料噴射時期が決定される。具体的には、機関負荷及び機関回転数に応じて基本燃料噴射時期を定める予め求められたマップに基づいて、ブロックB5の機関負荷及びブロックB6の機関回転数に応じた基本燃料噴射時期が求められる。
ブロックB9では、基本燃料噴射時期における筒内温度が推定される。具体的には、吸気がEGRガスと混合しつつ燃焼室2内に吸入される際に機関部材(吸気管22、吸気ポート20、吸気弁23、ピストン3、気筒5等)やEGRガスとの間で行われる熱授受や、燃焼室2内に吸入されたガスの圧縮行程における圧縮による温度変化を考慮して予め求められた物理計算モデルを用いて、現時点における機関運転状態(EGR弁開度、吸気温度、吸気圧、冷却水温、機関負荷、機関回転数等)に基づいて基本燃料噴射時期における筒内ガスの温度が計算される。
ブロックB10では、基本燃料噴射時期における筒内圧力が推定される。具体的には、ブロックB9で算出した筒内温度を用いて、予め実験等により求められた吸入ガスの状態方程式に基づいて基本燃料噴射時期における筒内ガスの圧力が計算される。
ブロックB11では、基本燃料噴射時期において基本燃料噴射量の燃料が噴射された場合の着火遅れ時間が推定される。具体的には、ブロックB9で算出された基本燃料噴射時期における筒内温度の推定値及びブロックB10で算出された基本燃料噴射時期における筒内圧力の推定値を用いて、予め実験等により求められた物理化学計算モデルに基づいて、(1)燃料が蒸発して吸気と混合して混合気を形成し、該混合気が着火可能な温度にまで昇温するのに要する時間(物理的着火遅れ時間)と、(2)混合気が燃焼反応する際の反応速度(化学的着火遅れ時間)とが計算される。例えば、化学的着火遅れ時間は下記の数1に示されるアレニウスの反応速度式に基づいて計算される。
Figure 2008101591
ブロックB12では、現在の内燃機関1の運転状態で基本燃料噴射時期において基本燃料噴射量の燃料が噴射された場合の着火時期(推定着火時期)が推定される。具体的には、ブロックB11で算出された着火遅れ時間の推定値を基本燃料噴射時期に加算することによって推定着火時期が計算される。
ブロックB13では、現時点での内燃機関1の運転状態に応じた目標着火時期が決定される。具体的には、基本燃料噴射量と機関回転数とに応じて目標着火時期を定める予め求められたマップに基づいて、ブロックB7の基本燃料噴射量及びブロック6の機関回転数に応じた目標着火時期が求められる。
ブロックB14では、目標着火時期と推定着火時期との偏差が求められる。具体的には、ブロックB12で算出された推定着火時期と、ブロックB13で求められた目標着火時期との差が計算される。
ブロックB15では、推定着火時期と目標着火時期とがずれていた場合にそのずれを解消するように基本燃料噴射時期が補正される。具体的には、ブロックB14で算出された推定着火時期が目標着火時期より進角側にずれていた場合には、基本燃料噴射時期を遅角側に補正する。また、推定着火時期が目標着火時期より遅角側にずれていた場合には、基本燃料噴射時期を進角側に補正する。
ブロックB16では、補正後の基本燃料噴射時期及び基本燃料噴射量が燃料噴射指令値として設定され、燃料噴射弁6に対して制御信号として出力される。
次に、上記説明した着火時期制御を実行するための具体的な手順について、図3を参照して説明する。図3は本実施例の着火時期制御を実行するためのルーチンを表すフローチャートである。このルーチンは内燃機関1の運転中所定間隔毎に定期的に実行される。
ステップS101において、ECU8は、内燃機関1の運転状態を検出する。具体的には、アクセル開度センサ72による検出値に基づいて機関負荷を算出し、クランクポジションセンサ71による検出値に基づいて機関回転数を算出する。
ステップS102において、ECU8は、前記ステップS101において検出した内燃機関1の運転状態に応じた基本燃料噴射時期及び基本燃料噴射量を決定する。具体的には、機関負荷及び機関回転数に応じて基本燃料噴射量及び基本燃料噴射時期を定める予め求められたマップに基づいて、前記ステップS101において検出した機関負荷及び機関回転数に応じた基本燃料噴射量及び基本燃料噴射時期を求める。
ステップS103において、ECU8は、前記ステップS102において決定した基本燃料噴射時期における筒内温度を推定する。具体的には、現時点における内燃機関1の運転状態(EGR弁開度、吸気温度、吸気圧、冷却水温、機関負荷、機関回転数等)に基づいて、吸気及びEGRガスの混合気である吸入ガスとの間で熱授受を行い得る機関部材(吸気管22、吸気ポート20、吸気弁23、排気弁33、ピストン3、気筒5等)の壁面温度を所定の計算モデルを用いて計算し、該各機関部材から吸入ガスへの熱伝達率を所定の計算モデルに従って計算し、ピストン3の圧縮による吸入ガスの温度変化も考慮して、基本燃料噴射時期における筒内の吸入ガス温度を計算する。本実施例では、ステップS103を実行するECU8が、本発明における筒内温度推定手段に相当する。
ステップS104において、ECU8は、前記基本燃料噴射時期における筒内圧力を推定する。具体的には、前記ステップS102で算出した筒内温度に基づいて、筒内ガスの状態方程式等の予め求められた計算モデルを用いて基本燃料噴射時期における筒内の吸入ガスの圧力を計算する。本実施例では、ステップS104を実行するECU8が、本発明における筒内圧力推定手段に相当する。
ステップS105において、ECU8は、現時点の運転状態で基本燃料噴射時期において基本燃料噴射量の燃料が噴射されたと仮定した場合の燃料の着火遅れ時間を推定する。具体的には、前記ステップS102で算出した基本燃料噴射時期における筒内温度の推定値と前記ステップS103で算出した基本燃料噴射時期における筒内圧力の推定値とを用いて、(1)予め実験等により求められた計算モデルに基づき、前記筒内温度及び筒内圧力によって規定される筒内環境下に燃料が噴射された時に、該燃料が蒸発して吸入ガスと混合し、これにより形成された混合気が着火可能な温度にまで昇温するのに要する時間(物理的着火遅れ時間)を計算するとともに、(2)例えばアレニウスの反応速度式等の化学計算モデルに基づき、前記混合気が燃焼反応する際の反応速度(化学的着火遅れ時間)を計算する。本実施例では、ステップS105を実行するECU8が、本発明における着火遅れ時間推定手段に相当する。
ステップS106において、ECU8は、現時点の運転状態で基本燃料噴射時期において基本燃料噴射量の燃料が噴射されたと仮定した場合の推定着火時期を算出する。具体的には、基本燃料噴射時期から前記ステップS105において算出した着火遅れ時間経過した時点として推定着火時期を計算する。本実施例では、ステップS106を実行するECU8が、本発明における着火時期推定手段に相当する。
ステップS107において、ECU8は、前記ステップS101において検出した内燃機関1の運転状態に応じた目標着火時期を決定する。具体的には、機関回転数及び基本燃
料噴射量に応じて目標着火時期を定める予め求められたマップに基づいて、前記ステップS101で検出した機関回転数及び前記ステップS102で決定した基本燃料噴射量に応じた目標着火時期を求める。本実施例では、ステップS107を実行するECU8が、本発明における目標着火時期決定手段に相当する。
ステップS108において、ECU8は、前記ステップS106で算出した推定着火時期と前記ステップS107で決定した目標着火時期との偏差を算出する。
ステップS109において、ECU8は、前記ステップS108で算出した推定着火時期と目標着火時期との偏差が所定の閾値以下であるか否かを判定する。ステップS109において肯定判定された場合、ECU8は本ルーチンの実行を一旦終了する。一方、ステップS109において否定判定された場合、ECU8はステップS110を実行する。
ステップS110において、ECU8は、前記ステップS108で算出した推定着火時期と目標着火時期との偏差に基づいて燃料噴射時期を補正する。具体的には、推定着火時期が目標着火時期より遅角側にずれていた場合には、着火時期を進角側に補正すべく基本燃料噴射時期を進角側に補正する。一方、推定着火時期が目標着火時期より進角側にずれていた場合には、着火時期を遅角側に補正すべく基本燃料噴射時期を遅角側に補正する。
ECU8が以上説明した着火時期制御ルーチンを実行することにより、内燃機関1の最新の運転状態に基づいて、燃料をより確実に目標着火時期において着火せしめることが可能な燃料噴射時期が、実際の燃料噴射が実行される以前の段階で推定計算によって算出され、算出された燃料噴射時期において実際の燃料噴射が行われる。これにより、内燃機関1の運転状態が過渡状態の場合や、外気温や燃料性状が適合作業時と異なる等の外的条件が変動した場合においても、精度良く着火時期を目標着火時期に制御することが可能になる。
なお、以上述べた実施の形態は本発明を説明するための一例であって、本発明の本旨を逸脱しない範囲内において上記の実施形態には種々の変更を加え得る。例えば、上記の実施例では燃料噴射弁6によって主燃料噴射のみが行われる内燃機関について説明したが、主燃料噴射の他に主燃料噴射の前及び/又は後に副燃料噴射(パイロット噴射、アフター噴射等)を行う内燃機関に対しても本発明を適用することができる。例えばパイロット噴射を行うことによって燃焼騒音の低減を図った内燃機関に対して本発明を適用することにより、よりパイロット噴射燃料及び主噴射燃料がより確実に所望の目標着火時期において着火するようにできるので、より確実に燃焼騒音を低減することも可能になる。
実施例1の内燃機関及びその吸気系及び排気系の概略構成を示す図である。 実施例1において実行される着火時期制御の概略を表すブロック図である。 実施例1において実行される着火時期制御ルーチンを表すフローチャートである。
符号の説明
1 内燃機関
2 燃焼室
3 ピストン
5 気筒
6 燃料噴射弁
7 アクセルペダル
8 ECU
20 吸気ポート
22 吸気管
23 吸気弁
30 排気ポート
32 排気管
33 排気弁
40 EGR装置
41 EGR通路
42 EGR弁
70 水温センサ
71 クランクポジションセンサ
72 アクセル開度センサ
73 吸気圧センサ
74 吸気温度センサ

Claims (2)

  1. 内燃機関の気筒に燃料を噴射する燃料噴射手段と、
    内燃機関の運転状態に応じて定められる基本燃料噴射時期において前記燃料噴射手段に燃料噴射を行わしめる制御手段と、
    内燃機関の運転状態に応じた目標着火時期を決定する目標着火時期決定手段と、
    内燃機関の運転状態に基づいて実際の着火時期を推定する着火時期推定手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記着火時期推定手段によって推定される着火時期と前記目標着火時期との偏差が所定値以下となるように前記基本燃料噴射時期を補正するとともに、該補正後の基本燃料噴射時期において前記燃料噴射手段に実際の燃料噴射を行わしめることを特徴とする内燃機関の着火時期制御装置。
  2. 請求項1において、
    筒内温度を推定する筒内温度推定手段と、
    筒内圧力を推定する筒内圧力推定手段と、
    前記基本燃料噴射時期における筒内温度及び筒内圧力を前記筒内温度推定手段及び前記筒内圧力推定手段によって推定するとともに、該推定された筒内温度及び筒内圧力に基づいて、前記基本燃料噴射時期において燃料が噴射された場合の着火遅れ時間を推定する着火遅れ時間推定手段と、
    を更に備え、
    前記着火時期推定手段は、前記基本燃料噴射時期から前記着火遅れ時間推定手段によって推定される着火遅れ時間経過した時を実際の着火時期と推定する内燃機関の着火時期制御装置。
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