JP2016102471A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸気ポート壁面の燃料付着量の不足により生じる筒内燃料量の目標燃料量に対するずれを燃料噴射量の増量によって抑えつつ、粒子状物質数量(PN)の上昇を抑えることのできる内燃機関の制御装置を提供する。【解決手段】内燃機関の運転状態に関する情報に基づいて、吸気ポートの壁面における燃料付着量の補正を実行するか判断する。燃料付着量の補正を実行すると判断された場合、吸気ポートの温度の推定値が高いほどポート噴射弁の燃料噴射量を増量し、前記推定値が低いほど筒内噴射弁の燃料噴射量を増量する。好ましくは、前記推定値が所定の判定温度以上の場合にはポート噴射弁の燃料噴射量を増量するが、前記推定値が判定温度よりも低い場合には、ポート噴射弁の燃料噴射量を増量することに代えて筒内噴射弁の燃料噴射量を増量する。【選択図】図2

Description

本発明は、吸気ポートに燃料を噴射するポート噴射弁と筒内に燃料を直接噴射する筒内噴射弁とを備える内燃機関の制御装置に関する。
吸気ポートに燃料を噴射するポート噴射弁を備える内燃機関では、吸気ポートの壁面への燃料の付着と吸気ポートの壁面に付着した燃料の気化を考慮した燃料噴射量制御が必要とされる。吸気ポートの壁面の燃料付着量が不足すると、筒内燃料量の目標燃料量に対するずれが生じ、空燃比が要求空燃比に対してリーンになってしまうおそれがある。下記の特許文献1には、吸気ポートの壁面における燃料付着量をポート噴射弁の燃料噴射量によって補正することと、燃料噴射量に含まれる壁面付着補正量を冷却水温が高いときには少なくし、冷却水温が低いときには多くすることが記載されている。
特開平04−342844号公報 特開2013−108399号公報 特開2006−348799号公報
しかしながら、低温時にポート噴射弁の燃料噴射量が過大になると、吸気ポート内での燃料の気化及び霧化は悪化し、筒内に液滴の状態で流入する燃料が急増する。その結果、未燃燃料の多量の発生によって排気ガスに含まれる粒子状物質数量(PN)が上昇し、エミッション性能の低下を招いてしまう。このことは、例えば上記の特許文献2や特許文献3に記載されているポート噴射弁と筒内噴射弁とを備える内燃機関にも共通する課題である。
本発明は、上記の課題に鑑みて創案されたものであって、吸気ポート壁面の燃料付着量の不足により生じる筒内燃料量の目標燃料量に対するずれを燃料噴射量の増量によって抑えつつ、粒子状物質(PM)の数量(PN)の上昇を抑えることのできる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
本発明に係る制御装置は、吸気ポートに燃料を噴射するポート噴射弁と、筒内に燃料を直接噴射する筒内噴射弁とを備える内燃機関を制御する。内燃機関は、好ましくは、筒内空燃比を理論空燃比に制御するストイキ燃焼モードによる運転と、筒内空燃比を理論空燃比よりも燃料リーンな空燃比に制御するリーン燃焼モードによる運転とを選択可能な内燃機関である。
本発明に係る制御装置は、内燃機関の運転状態に関する情報に基づいて、筒内燃料量の目標燃料量に対するずれを抑えるために吸気ポートの壁面における燃料付着量の補正を実行するかどうか判断する判断手段を備える。ここで行う燃料付着量の補正は、吸気ポートの壁面への燃料の付着状況、或いは、吸気ポートの壁面に付着した燃料の気化状況が急激に変化する過渡状態での燃料付着量の補正、より詳しくは、過渡状態での燃料付着量の増量補正である。
本発明に係る制御装置は、吸気ポートの温度を推定する吸気ポート温度推定手段を備える。その具体的な推定方法には限定はない。吸気ポートの温度と相関する状態量から吸気ポートの温度を推定することができるし、吸気ポートの温度に影響する複数の状態量の組み合わせから吸気ポートの温度を推定することもできる。
そして、本発明に係る制御装置は、燃料噴射量補正手段を備える。燃料噴射量補正手段は、判定手段によって燃料付着量の補正を実行すると判断された場合、吸気ポートの温度の推定値が高いほどポート噴射弁の燃料噴射量を増量し、吸気ポートの温度の推定値が低いほど筒内噴射弁の燃料噴射量を増量するように構成される。
吸気ポートの温度が低いほど燃料の気化及び霧化が悪化して排気ガス中のPNは上昇する。よって、吸気ポートの温度の推定値が相対的に低い場合には、燃料を直接筒内に噴射する筒内噴射弁による燃料噴射量を優先的に増量することによって、吸気ポート内で霧化或いは気化できなかった燃料が液滴となって筒内に流入することを抑えることができる。これにより、筒内燃料量の目標燃料量に対するずれを抑えつつPNの上昇を抑えることができる。吸気ポートの温度の推定値が相対的に高い場合には、ポート噴射弁による燃料噴射量を優先的に増量することよって、燃料と空気との混合時間を十分に確保して混合気の均質性を高めることができる。
本発明に係る制御装置の好ましい形態では、燃料噴射量補正手段は、判定手段によって燃料付着量の補正を実行すると判断された場合、吸気ポートの温度の推定値が所定の判定温度以上の場合には、ポート噴射弁の燃料噴射量を増量し、吸気ポートの温度の推定値が判定温度よりも低い場合には、ポート噴射弁に代えて筒内噴射弁の燃料噴射量を増量するように構成される。判定に用いる判定温度は、ポート噴射弁の燃料噴射量を増量してもPNが許容範囲に収まる温度域の下限温度に設定される。
吸気ポートの温度の推定値が判定温度以下の場合には、増量分の燃料を筒内噴射弁によって直接筒内に噴射することによって、吸気ポート内で霧化或いは気化できなかった燃料が液滴となって筒内に流入することを抑えることができる。これにより、筒内燃料量の目標燃料量に対するずれを抑えつつPNの上昇を抑えることができる。また、吸気ポートの温度の推定値が判定温度を超える場合には、増量分の燃料をポート噴射弁によって吸気ポートに噴射することによって、燃料と空気との混合時間を十分に確保して混合気の均質性を高めることができる。
本発明に係る制御装置の上記形態において、好ましくは、燃料噴射量補正手段は、ポート噴射弁に代えて筒内噴射弁の燃料噴射量を増量する場合、ポート噴射弁の燃料噴射量を増量する場合よりも燃料噴射量の増量分を小さくするように構成される。ポート噴射弁から噴射した燃料は一部が壁面に付着するのに対し、筒内噴射弁から噴射した燃料は壁面に付着せずにそのほとんどが空気と混合する。よって、この構成によれば、ポート噴射弁に代えて筒内噴射弁の燃料噴射量を増量する場合に、筒内燃料量が目標燃料量に対して過剰になるのを抑えることができる。
また、好ましくは、燃料噴射量補正手段は、ポート噴射弁に代えて筒内噴射弁の燃料噴射量を増量した場合の筒内噴射弁の燃料噴射の期間が所定の上限期間を超える場合、筒内噴射弁の燃料噴射量の増量分を減量するとともに、ポート噴射弁の燃料噴射量を増量するように構成される。上限期間は、シリンダの壁面への燃料の付着が懸念されはじめる期間である。この構成によれば、筒内噴射弁から噴射された燃料のシリンダの壁面への付着を抑えることができる。
また、好ましくは、制御装置は、燃料圧力制御手段をさらに備える。燃料圧力制御手段は、ポート噴射弁に代えて筒内噴射弁の燃料噴射量を増量した場合の筒内噴射弁の燃料噴射の期間が所定の上限期間を超える場合、筒内噴射弁の燃料噴射の期間が上限期間に収まるように、筒内噴射弁に供給する燃料の圧力を上昇させるように構成される。上限期間は、シリンダの壁面への燃料の付着が懸念されはじめる期間である。この構成によれば、筒内噴射弁から噴射された燃料のシリンダの壁面への付着を抑えることができる。
また、好ましくは、制御装置は、ピストンの温度を推定するピストン温度推定手段と、燃料噴射時期補正手段とをさらに備える。燃料噴射時期補正手段は、ポート噴射弁に代えて筒内噴射弁の燃料噴射量を増量した場合の筒内噴射弁の燃料噴射の期間が所定の上限期間を超える場合、ピストンの温度の推定値から筒内噴射弁の燃料噴射の開始時期の許容進角量を計算し、許容進角量を上限として筒内噴射弁の燃料噴射の開始時期を進角するように構成される。ピストンの温度が高ければ高いほど、ピストンの表面に付着した燃料は気化しやすくなる。よって、この構成によれば、筒内噴射弁から噴射された燃料のシリンダの壁面への付着を抑えることができる。
また、好ましくは、制御装置は、筒内の既燃ガスが吸気ポートへ吹き返されるように吸気バルブ及び排気バルブの各バルブタイミングを変更するバルブタイミング制御手段をさらに備える。そして、燃料噴射量補正手段は、筒内の既燃ガスが吸気ポートへ吹き返される場合、筒内噴射弁の燃料噴射量の増量分を減量するとともに、ポート噴射弁の燃料噴射量を増量するように構成される。この構成によれば、高温の既燃ガスが吸気ポートを通過することで壁面の付着燃料の気化を促進することができ、また、ポート噴射弁から噴射された燃料に既燃ガスを衝突させることによって噴射燃料の微粒化を促進することができるので、ポート噴射弁による燃料噴射の比率を高めることができる。
また、好ましくは、判断手段は、スロットルバルブの目標開度が離散的に開き方向に変更された場合に、燃料付着量の補正を実行すると判断するように構成される。スロットルバルブが急速に開くとき、吸気ポートの負圧は急速に小さくなって吸気ポート内での燃料の気化及び霧化が悪化する。しかし、この構成によれば、スロットルバルブが急速に開かれるのに合わせてポート噴射弁の燃料噴射量或いは筒内噴射弁の燃料噴射量の増量補正が実行されるので、筒内燃料量の目標燃料量に対する不足を抑えることができる。
また、好ましくは、判断手段は、ポート噴射弁の燃料噴射量が離散的に増大される場合に、燃料付着量の補正を実行すると判断するように構成される。ポート噴射弁の燃料噴射量を急増させる場合、吸気ポート壁面の付着燃料が気化する分よりも噴射された燃料が壁面に付着する分の方が多くなるため、実際に吸気ポートから筒内に入る燃料量はポート噴射弁の燃料噴射量よりも少なくなる。しかし、この構成によれば、ポート噴射弁の燃料噴射量の急増に合わせてポート噴射弁の燃料噴射量或いは筒内噴射弁の燃料噴射量の増量補正が実行されるので、筒内燃料量の目標燃料量に対する不足を抑えることができる。
また、好ましくは、判断手段は、ストイキ燃焼モードからリーン燃焼モードへ内燃機関の運転モードが切り替えられた場合に、燃料付着量の補正を実行すると判断するように構成される。ストイキ燃焼モードは、筒内空燃比を理論空燃比に制御する運転モードであり、リーン燃焼モードは、筒内空燃比を理論空燃比よりも燃料リーンな空燃比に制御する運転モードである。ストイキ燃焼モードからリーン燃焼モードへの切り替え時には、スロットルバルブの開度が大きくされる。このため、吸気ポートの負圧が小さくなり吸気ポート内での燃料の気化及び霧化が悪化する。また、ストイキ燃焼モードからリーン燃焼モードへの切り替え時には、総燃料噴射量を減量する一方で、燃料と空気とを均質に混合させるためにポート噴射弁の燃料噴射量が増量される場合がある。この場合、吸気ポート壁面への燃料の付着によって吸気ポートから筒内に入る燃料量はポート噴射弁の燃料噴射量よりも少なくなる。このような理由により、ストイキ燃焼モードからリーン燃焼モードへの切り替え時には、筒内燃料量の目標燃料量に対する不足が生じうる。しかし、上記の構成によれば、運転モードの切り替えに合わせてポート噴射弁の燃料噴射量或いは筒内噴射弁の燃料噴射量の増量補正が実行されるので、筒内燃料量の目標燃料量に対する不足を抑えることができる。
本発明に係る制御装置の別の好ましい形態では、制御装置は、吸気ポートの温度の推定値に基づいてポート噴射弁の燃料噴射量の限界値を算出するポート噴射限界値算出手段をさらに備える。そして、燃料噴射量補正手段は、ポート噴射弁の燃料噴射量を増量した場合の増量後の燃料噴射量が限界値を超える場合は、限界値を超える分を筒内噴射弁の燃料噴射量の増量分に置き換えるように構成される。ポート噴射限界値算出手段により算出される限界値は、好ましくは、PNを許容範囲に収めることができるポート噴射弁の燃料噴射量の上限値である。
限界値を超える分の燃料を筒内噴射弁によって直接筒内に噴射することによって、吸気ポート内で霧化或いは気化できなかった燃料が液滴となって筒内に流入することを抑えることができる。これにより、筒内燃料量の目標燃料量に対するずれを抑えつつPNの上昇を抑えることができる。また、限界値に収まる分の燃料はポート噴射弁によって吸気ポートに噴射することによって、燃料と空気との混合時間を十分に確保して混合気の均質性を高めることができる。
以上述べたように、本発明に係る内燃機関の制御装置によれば、吸気ポートの温度の推定値が相対的に低い場合には、燃料を直接筒内に噴射する筒内噴射弁による燃料噴射量を優先的に増量することによって、吸気ポート内で霧化或いは気化できなかった燃料が液滴となって筒内に流入することを抑えることができる。これにより、筒内燃料量の目標燃料量に対するずれを抑えつつPNの上昇を抑えることができる。また、吸気ポートの温度の推定値が相対的に高い場合には、ポート噴射弁による燃料噴射量を優先的に増量することよって、燃料と空気との混合時間を十分に確保して混合気の均質性を高めることができる。これにより、排気ガスのPNをより低く抑えることができる。
本発明の実施の形態1にかかるシステムの構成を示す図である。 本発明の実施の形態1の燃料噴射制御のフローを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1の燃料噴射制御の実行例を示すタイムチャートである。 PFI比率とPM粒子数との関係を示す図である。 DI噴射終了時期とPM粒子数との関係を示す図である。 燃料によるオイルの希釈率をポート噴射と筒内噴射との間で比較した図である。 PFI噴射量とPM粒子数との関係を示す図である。 本発明の実施の形態2の燃料噴射制御のフローを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2の燃料噴射制御の実行例を示すタイムチャートである。 本発明の実施の形態3の燃料噴射制御のフローを示すフローチャートである。 筒内噴射弁の燃料圧力と噴射時間との関係を示す図である。 排気バルブの閉弁時期と始動時のTHC量との関係を示す図である。 バルブタイミングとPM粒子数との関係を示す図である。 既燃ガスの吹き返しの効果を示す図である。 本発明の実施の形態4の燃料噴射制御のフローを示すフローチャートである。 DI噴射開始時期とピストン温度とPM粒子数との関係を示す図である。 本発明の実施の形態5の燃料噴射制御のフローを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態6の燃料噴射制御のフローを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態7の燃料噴射制御のフローを示すフローチャートである。 ポート限界噴射量の設定を示す図である。
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1について図を用いて説明する。
[実施の形態1のシステムの構成]
図1は、本発明の実施の形態1にかかるシステムの構成を示す図である。本実施の形態にかかるシステムは、自動車に動力装置として搭載されるリーンバーンエンジン(以下、単にエンジンと称す)2を備える。エンジン2の気筒数および気筒配置は特に限定されない。
エンジン2は、ピストン12が配置されたシリンダブロック4とシリンダヘッド3とを備える。シリンダヘッド3とピストン12とで挟まれた空間が燃焼室5となる。エンジン2は火花点火式エンジンであって、シリンダヘッド3には燃焼室5の頂部に突き出るように点火装置の点火プラグ18が取り付けられている。
燃焼室5には吸気ポート6と排気ポート8がそれぞれ開口している。燃焼室5と吸気ポート6との連通状態は、シリンダヘッド3に設けられた吸気バルブ14によって制御される。燃焼室5と排気ポート8との連通状態は、シリンダヘッド3に設けられた排気バルブ16によって制御される。吸気バルブ14には、その開弁特性を可変とする吸気可変動弁機構24が設けられている。排気バルブ16には、その開弁特性を可変とする排気可変動弁機構26が設けられている。これらの可変動弁機構には、少なくともバルブタイミングを可変にする公知の動弁機構を適用することができる。
このエンジン2は、各気筒に2つずつ燃料噴射弁を備える。一つは、燃焼室5の中に燃料を直接噴射する筒内噴射弁22であり、もう一つは、吸気ポート6に燃料を噴射するポート噴射弁20である。以下、ポート噴射弁20による燃料噴射をポート噴射(PFIと表記する場合がある)と呼び、筒内噴射弁22による燃料噴射を筒内噴射或いは直接噴射(DIと表記する場合がある)。
吸気ポート6には、サージタンク19が一体化された吸気マニホールド10が接続されている。サージタンク19には、外部から空気を吸入する吸気通路30が接続されている。吸気通路30におけるサージタンク19の近傍には、電子制御式のスロットルバルブ40が設けられている。吸気通路30の先端には、エアクリーナ31が設けられている。
排気ポート8には、排気マニホールド11が接続されている。排気マニホールド11には、排気ガスを外部に排出する排気通路32が接続されている。排気通路32には、その上流側から順に、三元触媒62、NOx吸蔵還元型触媒(以下、NSR触媒)64が設けられている。
エンジン2は、ターボ過給機28を有している。ターボ過給機28のコンプレッサ28aは、吸気通路30におけるスロットルバルブ40の上流に設けられている。吸気通路30におけるコンプレッサ28aとスロットルバルブ40との間には、コンプレッサ28aで圧縮された吸入空気を冷却するインタークーラ36が設けられている。ターボ過給機28のタービン28bは、排気通路32における三元触媒62の上流に設けられている。タービン28bの近傍には、タービン28bの上流側と下流側とをバイパスするバイパス通路44が設けられている。バイパス通路44には、ウェイストゲートバルブ46が設置されている。ウェイストゲートバルブ46が開くと、排気ガスの一部は、タービン28bを通らずにバイパス通路44を通って流れる。ウェイストゲートバルブ46はダイアフラム式の負圧アクチュエータ48により駆動される。
本実施形態のシステムは、エンジン2の運転状態に関する情報を得るためのセンサを各所に備えている。吸気通路30におけるエアクリーナ31の直下流には、吸入空気量を計測するためのエアフローメータ34が設置されている。吸気通路30におけるインタークーラ36の直下流には、過給圧を計測するための過給圧センサ38が設置されている。スロットルバルブ40の近傍には、スロットルバルブ40の開度を計測するためのスロットルポジションセンサ42が設置されている。サージタンク19には吸気管圧力を計測するための吸気管圧センサ56が設置されている。
排気通路32における三元触媒62の直上流には、排気ガスの燃焼前の空燃比に対してリニアに変化する信号を出力する空燃比センサ70が設置されている。また、排気通路32における三元触媒62の直下流には、理論空燃比の混合気の燃焼により得られる排気ガスの酸素濃度を境にして、酸素過剰側と酸素不足側とでステップ的に変化する信号を出力する酸素センサ72が設置されている。排気通路32におけるNSR触媒64の直下流には、NSR触媒64を通過した排気ガス中のNOの濃度に応じて変化する信号を出力するNOセンサ74が設置されている。NSR触媒64には、その温度(詳しくは床温)を計測するための触媒温度センサ76が取り付けられている。
また、本実施形態のシステムは、アクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度)を計測するためのアクセルポジションセンサ52、エンジン2のクランク角度を計測するためのクランク角センサ54、及び、エンジン2の冷却水の温度を計測するための水温センサ58を有している。
上述した各種のセンサ及びアクチュエータは、制御装置50に電気的に接続されている。制御装置50はECU(Electronic Control Unit)である。制御装置50は、エンジン2のシステム全体の制御を行うものであり、CPU、ROM、RAMを含むコンピュータを主体として構成されている。ROMには、後述する燃料噴射制御を含む各種制御のルーチンが記憶されている。制御装置50は、各センサからの信号に基づいて各アクチュエータを操作することにより、エンジン2を制御する。具体的には、制御装置50は、先ず、アクセルポジションセンサ52によって計測されるアクセルペダルの踏み込み量に応じて要求トルクを算出する。そして、要求トルクと、クランク角センサ54が出力する信号から計算される現在のエンジン回転速度とに基づいてエンジン2の運転モードを決定し、決定した運転モードに従って各アクチュエータを操作する。制御装置50によって選択されるエンジン2の運転モードには、筒内空燃比を理論空燃比に制御して運転するストイキ燃焼モードと、筒内空燃比を理論空燃比よりも燃料リーンな空燃比に制御して運転するリーン燃焼モードとが含まれる。
[実施の形態1のシステムの動作]
<リーン燃焼モードへの切り替えのための燃料噴射制御>
制御装置50は、エンジン2の冷間時、NSR触媒64が暖機されるまでの間はストイキ燃焼モードでエンジン2を運転する。冷間時のストイキ燃焼モードでは、ポート噴射弁20の燃料噴射量よりも筒内噴射弁22の燃料噴射量のほうが多くされている。図2は、実施の形態1において制御装置50により実行される燃料噴射制御のフローを示すフローチャートである。制御装置50は、このフローチャートに示す燃料噴射制御をエンジン2の冷間時に実行する。
図2に示すフローのステップS102では、触媒温度センサ76によって計測したNSR触媒64の温度(Temp NSR)が判定温度(Const.1)と比較される。判定温度は、NSR触媒64がNOxを吸蔵可能になる温度、つまり、NSR触媒64の活性温度に基づいて定められている。NSR触媒64の温度が判定温度以下の場合、これ以降の処理は全てスキップされ、ストイキ燃焼モードによる運転が維持される。
NSR触媒64の温度が判定温度より高い場合、ステップS104の判定が行われる。ステップS104では、運転モードをストイキ燃焼モードからリーン燃焼モードへ切り替えることの可否が判定される。この判定は、予め定められた切り替え禁止条件が成立しているかどうかに基づいて行われる。切り替え禁止条件には、加速時のようにエンジン2のレスポンスが要求されている状態であること、リーン燃焼モードに切り替えた場合には燃焼の悪化が推定される状態であること、等が含まれる。何れか一つの条件でも満たされている場合には、リーン燃焼モードへの切り替えは不可と判定される。この場合、これ以降の処理は全てスキップされ、ストイキ燃焼モードによる運転が維持される。
ステップS104の判定において、全ての切り替え禁止条件が不成立の場合、リーン燃焼モードへの切り替えが許可される。この場合、ステップS106の処理が実行される。ステップS106では、水温センサ58の出力に基づいて吸気ポート6の温度の推定値(ethw)が算出される。吸気ポート6の温度とエンジン2の水温との間には相関がある。なお、エンジン2の水温に代えて油温から吸気ポート6の温度を推定してもよい。
ステップS106の処理の後、ステップS108の処理が行われる。ステップS108では、エンジン2の回転速度及び負荷情報からリーン燃焼モードでの各制御パラメータの目標値が算出される。制御パラメータには、スロットルバルブ40の開度、点火時期、バルブタイミング、ポート噴射の噴射比率(総燃料噴射量に占めるポート噴射弁20の燃料噴射量の比率)、筒内噴射の燃料圧力、等が含まれる。具体的な例では、スロットルバルブ40の目標開度は、筒内に吸入される空気量を増大させるためにストイキ燃焼モードにおける開度よりも大きくされる。ポート噴射の噴射比率の目標値は、燃料と空気とを均質に混合させるためにストイキ燃焼モードにおける噴射比率よりも大きくされる。各制御パラメータの目標値は、ROMに記憶されたマップにおいてエンジン回転速度及び吸入空気量に関連付けられている。
ステップS108の処理の後、ステップS110の処理が行われる。ステップS110では、ポート噴射弁20の燃料噴射量に加えるべき壁面付着補正量(fmwl)が算出される。壁面付着補正量は、以下に説明するように、吸気ポート6の壁面に付着した燃料の量をエンジン2の運転状態に応じた適切な量に補正するために必要な燃料量である。
ストイキ燃焼モードからリーン燃焼モードへの運転モードの切り替えでは、スロットルバルブ40の開度が大きくされることで吸気管圧力が上昇する。吸気管圧力の上昇によって吸気ポート6に作用している負圧は小さくなり、吸気ポート6内での燃料の気化及び霧化が悪化する。このため、リーン燃焼モードでは、ストイキ燃焼モードに比較して吸気ポート6の壁面の付着燃料を多くする必要がある。また、ストイキ燃焼モードからリーン燃焼モードへの運転モードの切り替えでは、総燃料噴射量は減量される一方で、ポート噴射の噴射比率が大きくされ、ポート噴射弁20の燃料噴射量は離散的に増大される。このとき、吸気ポート6の壁面に付着する燃料の量と、壁面付着燃料から気化する燃料の量とが釣り合うには、ポート噴射弁20の燃料噴射量に応じた量の燃料が壁面に付着している必要がある。
このような理由により、エンジン2の運転モードがストイキ燃焼モードからリーン燃焼モードへ切り替えられたときには、吸気ポート6の壁面に付着した燃料の量をストイキ燃焼モードにおける適正量からリーン燃焼モードにおける適正量へ速やかに変化させることが求められる。壁面付着燃料量が適正量に対して不足する場合、吸気ポート6から筒内に入る燃料量が必要量よりも少なくなり、筒内燃料量の目標燃料量に対する不足が生じてしまうからである。
ステップS110で算出される壁面付着補正量は、吸気ポート6の壁面付着燃料量を適正量にするためにポート噴射弁20の燃料噴射量に加える燃料量である。各運転モードにおける壁面付着燃料量の適正量はエンジン2の運転状態、具体的には、エンジン回転速度、負荷、吸気ポート温度によって異なる。このため、壁面付着補正量もエンジン2の運転状態によって異なった値となる。壁面付着補正量は、ROMに記憶されたマップにおいてエンジン回転速度、吸入空気量、水温(或いは油温)に関連付けられている。また、このマップによれば、壁面付着補正量は、リーン燃焼モードへの切り替え直後は大きい値とされ、サイクルごとに次第に小さい値へと変更されていく。
ステップS110の処理の後、ステップS112の判定が行われる。ステップS112では、ステップS106で算出された吸気ポート温度の推定値(ethw)が判定温度(Const.2)と比較される。この判定温度は、壁面付着補正の方法を吸気ポート温度から判断するための判断基準となる温度である。ポート噴射弁20から吸気ポート6に噴射された燃料の霧化及び気化は、ポート噴射弁20の燃料噴射量と吸気ポート6の温度とに影響される。燃料噴射量が多くなるほど霧化及び気化できない燃料の量が増え、また、吸気ポート6の温度が低いほど霧化及び気化できない燃料の量が増える。上記の判定温度は、ポート噴射弁20の燃料噴射量に壁面付着補正量を加えた場合に、噴射した燃料が十分に霧化或いは気化できる吸気ポート温度の下限温度、つまり、ポート噴射由来のPNを許容範囲に収めることができる吸気ポート温度の下限温度である。
吸気ポート温度の推定値が判定温度より低い場合、ステップS114の処理が実行される。ステップS114では、まず、吸入空気量、要求空燃比、及び、目標噴射比率に基づき、ポート噴射弁20の燃料噴射量と筒内噴射弁22の燃料噴射量の各目標値が算出される。そして、ポート噴射弁20に代えて筒内噴射弁22の燃料噴射量が増量補正される。筒内噴射弁22の燃料噴射量を増量補正すれば、吸気ポート6の壁面付着燃料量が適正量に対して不足しているままであっても、筒内燃料量の目標燃料量に対する不足は抑えることができる。ただし、ポート噴射弁20から噴射した燃料は一部が壁面に付着するのに対し、筒内噴射弁22から噴射した燃料は壁面に付着せずにそのほとんどが空気と混合する。このため、ステップS110で算出された壁面付着補正量をそのまま筒内噴射弁22の燃料噴射量に加えると、筒内燃料量が目標燃料量に対して過剰になってしまう。このため、ステップS114では、ステップS110で算出された壁面付着補正量(fmwl)が補正係数(Cd)により補正される。補正係数は1より小さい値である。そして、筒内噴射弁22の燃料噴射量(qinjd)に補正後の壁面付着補正量(fmwl*Cd)が加えられる。
一方、吸気ポート温度の推定値が判定温度以上の場合、ステップS116の処理が実行される。ステップS116では、まず、吸入空気量、要求空燃比、及び、目標噴射比率に基づき、ポート噴射弁20の燃料噴射量と筒内噴射弁22の燃料噴射量の各目標値が算出される。そして、ポート噴射弁20の燃料噴射量(qinjp)にステップS110で算出された壁面付着補正量(fmwl)が加えられる。つまり、吸気ポート温度の推定値が判定温度以上であれば、ポート噴射弁20の燃料噴射量が増量補正される。吸気ポート6の温度が高いときには、増量分の燃料を筒内噴射弁22ではなくポート噴射弁20によって吸気ポート6に噴射することにより、燃料と空気との混合時間を十分に確保して混合気の均質性を高め、排気ガスのPNをより低く抑えることができる。
ステップS118では、ステップS108、S114、S116で算出された各制御パラメータの目標値がアクチュエータに対して設定される。これにより、エンジン2の運転モードはストイキ燃焼モードからリーン燃焼モードへ切り替えられる。また、ステップS114或いはステップS116で算出された各燃料噴射量を目標値としてポート噴射弁20及び筒内噴射弁22が駆動されることにより、壁面付着燃料量の不足により生じる筒内燃料量の目標燃料量に対するずれを抑えつつ、PNの上昇が抑えられる。
ステップS118の処理の後、ステップS120の判定が行われる。ステップS120では、エンジン2の所定の状態量がリーン燃焼モードでの目標値に収束したかどうか判定される。判定に用いられる所定の状態量は、例えば、吸気管圧力である。スロットルバルブ40の開度が大きくされることで吸気管圧力は上昇する。吸気管圧力の上昇は連続的であるので、吸気管圧力が目標値に達するまでにはある程度の時間を要する。ステップS120の判定結果が肯定になるまで、ステップS110からステップS118の処理が繰り返し行われ、燃料噴射量の増量補正が続けられる。ただし、燃料噴射量に加えられる壁面付着補正量は、サイクルごとに次第に小さい値に変更されていく。そして、ステップS120の判定結果が肯定になったとき、壁面付着補正量による燃料噴射量の増量補正は終了し、これによりリーン燃焼モードへの切り替えのための燃料噴射制御は終了する。
<燃料噴射制御の実行例>
図3は、上述の燃料噴射制御の実行例を示すタイムチャートである。このタイムチャートには、上から順に、吸気ポート6の温度の推定値(ethw)、NSR触媒64の温度(NSR温度)、リーン燃焼モードへの切り替え許可フラグ(リーン許可フラグ)、要求空燃比、スロットルバルブ開度、吸気管圧力、総燃料噴射量、ポート噴射の噴射比率、筒内燃料量、ポート噴射弁20燃料噴射量(PFI噴射量)、筒内噴射弁22の燃料噴射量(DI噴射量)、筒内に液滴の状態で流入する燃料の量(筒内液滴燃料量)、1サイクルで生成されるPMの粒子数(生成PN)の各時間変化が示されている。
タイムチャートの例では、NSR触媒64の温度が判定温度(Const.1)より高くなった時点で、リーン燃焼モードへの切り替えが許可されてリーン許可フラグがオフからオンへ切り替えられている。リーン許可フラグがオフからオンに切り替えられたことに連動して、要求空燃比はストイキ燃焼モードでの空燃比値(14.5程度)からリーン燃焼モードでの空燃比値(20〜30程度)へ切り替わる。そして、要求空燃比が切り替わったことにより、スロットルバルブ40の目標開度は離散的に開き方向に変更される。これによりスロットルバルブ開度は急速に増大し、吸気管圧力は大きく上昇していく。また、ポート噴射の噴射比率が高められ、筒内噴射弁22の燃料噴射量は減少される一方で、ポート噴射弁20燃料噴射量は離散的に増大される。
タイムチャートの例では、リーン許可フラグがオフからオンに切り替えられたとき、吸気ポート温度の推定値は判定温度(Const.2)よりも低い。このため、壁面付着補正量による燃料噴射量の増量補正は、ポート噴射弁20ではなく筒内噴射弁22の燃料噴射量に対して行われる。タイムチャートにおいて、破線は、ポート噴射弁20の燃料噴射量に対して増量補正を行った場合を示し、実線は、筒内噴射弁22の燃料噴射量に対して増量補正を行った場合を示している。
ポート噴射弁20の燃料噴射量に対して増量補正を行う場合と、筒内噴射弁22の燃料噴射量に対して増量補正を行う場合とで、総燃料噴射量及び筒内燃料量に大きな差はない。しかし、吸気ポート温度が低い状況においてポート噴射弁20の燃料噴射量に対して増量補正を行った場合、破線で示すように、筒内液滴燃料量が一時的に増大して生成PNが上昇する。これに対し、筒内噴射弁22の燃料噴射量に対して増量補正を行うことにより、実線で示すように、リーン燃焼モードへの切り替え後の筒内液滴燃料量の増大は抑えられ、ひいては、生成PNの上昇が抑えられる。
ここで、図4は、吸気ポート温度が低い場合のポート噴射の噴射比率と1サイクルあたりのPM粒子数とのおおよその関係を示している。この図に示すように、ポート噴射の噴射比率が高い場合には、吸気ポート6内で燃料が十分に霧化或いは気化できないためにPM粒子数は大きくなる。しかし、タイムチャートの例のようにポート噴射の噴射比率を下げれば、PM粒子数を大幅に減少させることができる。
実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2について図を用いて説明する。
[実施の形態2のシステムの構成]
本実施の形態にかかるシステムは、実施の形態1のシステムと同じく、図1に示す構成のエンジン2と、エンジン2を制御する制御装置50とを備える。本実施の形態のシステムと実施の形態1のシステムとの違いは、制御装置50の機能、より詳しくは、リーン燃焼モードへの切り替えのための燃料噴射制御にある。
[実施の形態2のシステムの動作]
<リーン燃焼モードへの切り替えのための燃料噴射制御>
実施の形態2の燃料噴射制御は、実施の形態1の燃料噴射制御のさらなる改良である。実施の形態1の燃料噴射制御では、吸気ポート温度の推定値が判定温度より低い場合、ポート噴射弁20に代えて筒内噴射弁22の燃料噴射量が増量補正される。これにより、吸気ポート6内で霧化或いは気化できずに液滴のまま筒内に流入する燃料の量を抑えることができる。しかし、その一方で、筒内噴射弁22の燃料噴射量が増量されることによって、必要な燃料噴射期間が長くなる。通常、燃料噴射の開始時期は固定され、燃料噴射の終了時期を変化させることによって燃料噴射期間が調整される。このため、燃料噴射期間が長くなれば、燃料噴射の終了時期が遅くなる。
ここで、図5は、筒内噴射弁22の燃料噴射の終了時期(DI噴射終了時期)と1サイクルあたりのPM粒子数とのおおよその関係を示している。燃料噴射の終了時期がある時期よりも遅くなると、PM粒子数は急激に増大する。これは、燃料噴射の終了時期が遅くなる、つまり、燃料噴射期間が長くなると、筒内噴射弁22から噴射された燃料のシリンダ壁面への付着が顕著になるためである。シリンダ壁面に付着した燃料は未燃のまま排出され、これがPM粒子数の増大を招くことになる。
また、シリンダ壁面に付着した燃料はオイルを希釈する。図6は、燃料によるオイルの希釈率をポート噴射(PFI)と筒内噴射(DI)との間で比較した図である。燃料と空気とを予混合させることができるポート噴射に比べて、液状の燃料を筒内に直接噴射する筒内噴射のほうがオイルの希釈率は大きい。燃料によるオイルの希釈は空燃比制御に悪影響を及ぼし、エミッション性能や燃費の低下を招いてしまう。
筒内噴射弁22から噴射された燃料のシリンダの壁面への付着を抑えるためには、単純には、筒内噴射弁22の燃料噴射量に加える壁面付着補正量を減量し、その分、ポート噴射弁20の燃料噴射量を増量すればよい。しかし、実施の形態1の説明において述べたとおり、吸気ポート温度が低い状況でポート噴射弁20の燃料噴射量が増やすと、吸気ポート6内で霧化或いは気化できない燃料の量が増えてしまい、PNが上昇してしまう。図7は、吸気ポート温度が判定温度より低い場合における筒内噴射弁22の燃料噴射量(PFI噴射量)と1サイクルあたりのPM粒子数とのおおよその関係を示している。筒内噴射弁22の燃料噴射量がある量を超えたところで、PM粒子数は急激に増大する。
以上のことから、PNの上昇をより確実に抑えるためには、ポート噴射弁20の燃料噴射量と筒内噴射弁22の燃料噴射の終了時期とをうまく調整することが必要である。
図8は、実施の形態2において制御装置50により実行される燃料噴射制御のフローを示すフローチャートである。制御装置50は、このフローチャートに示す燃料噴射制御をエンジン2の冷間時に実行する。図8において、図2に示す燃料噴射制御のフローと同じ内容の処理には、同一のステップ番号を付している。図8に示すフローと図2に示すフローとの違いは、図8に示すフローでは、ステップS114の処理の後にステップS202からステップS208までの処理を行うことにある。
図8に示すフローによれば、ステップS114において、筒内噴射弁22の燃料噴射量が増量補正された後、ステップS202の処理が行われる。ステップS202では、筒内噴射弁22の燃料噴射の終了時期(injd_end)が燃料圧力に基づいて算出される。筒内噴射弁22に供給される燃料の圧力は、燃料供給ラインに設けられた図示しない圧力センサによって計測される。
ステップS202の処理の後、ステップS204の判定が行われる。ステップS204では、ステップS202で算出された燃料噴射の終了時期が所定の限界時期(Const.3)よりも遅いかどうか判定される。フローチャートにおけるinjd_end及びConst.3の単位はdegBTDCであり、injd_endがConst.3より小さいことは燃料噴射の終了時期が限界時期より遅いことを意味する。限界時期は、ROMに記憶されたマップにおいて少なくとも水温に関連付けられている。なお、フローチャートでは燃料噴射の終了時期を限界時期と比較しているが、これは燃料噴射期間を所定の上限期間と比較することと等価である。燃料噴射の終了時期が限界時期に達していない場合(燃料噴射期間が上限期間に収まっている場合)、次に説明するステップS206及びS208の処理はスキップされ、次に、ステップS118の処理が行われる。
燃料噴射の終了時期が限界時期を超えている場合(燃料噴射期間が上限期間を超えている場合)、ステップS206の処理が実行される。ステップS206では、ポート噴射弁20の燃料噴射可能量とステップS114で算出された現状の燃料噴射量(qinjp)との差分が余裕量(alpha)として算出される。燃料噴射可能量は、ポート噴射に由来するPMの生成を許容範囲に収めることができる燃料噴射量の上限値である。ポート噴射弁20の燃料噴射可能量は、ROMに記憶されたマップにおいて少なくとも水温に関連付けられている。
ステップS206の処理の後、ステップS208の処理が行われる。ステップS208では、ポート噴射弁20の燃料噴射量(qinjp)にステップS206で算出された余裕量(alpha)が加えられる。また、ステップS206で算出された余裕量(alpha)が補正係数(Cd)により補正される。補正係数は1より小さい値である。そして、筒内噴射弁22の燃料噴射量(qinjd)から補正後の余裕量(alpha*Cd)が減じられる。ポート噴射弁20から噴射した燃料は一部が壁面に付着するのに対し、筒内噴射弁22から噴射した燃料は壁面に付着せずにそのほとんどが空気と混合する。このことを考慮して、筒内噴射弁22の燃料噴射量の減量分は、ポート噴射弁20の燃料噴射量の増量分よりも小さくされる。
ステップS208の処理の後、ステップS118の処理が行われる。ステップS118では、ステップS108、S114、S116、S208で算出された各制御パラメータの目標値がアクチュエータに対して設定される。
<燃料噴射制御の実行例>
図9は、上述の燃料噴射制御の実行例を示すタイムチャートである。このタイムチャートには、上から順に、吸気ポート6の温度の推定値(ethw)、NSR触媒64の温度(NSR温度)、リーン燃焼モードへの切り替え許可フラグ(リーン許可フラグ)、要求空燃比、スロットルバルブ開度、吸気管圧力、総燃料噴射量、ポート噴射の噴射比率、筒内燃料量、ポート噴射弁20燃料噴射量(PFI噴射量)、筒内噴射弁22の燃料噴射の終了時期(DI噴射終了時期)、筒内噴射弁22の燃料噴射量(DI噴射量)、シリンダの壁面に付着する燃料の量(シリンダ付着燃料量)、1サイクルで生成されるPMの粒子数(生成PN)の各時間変化が示されている。
タイムチャートにおいて、破線は、実施の形態1のフローに従って燃料噴射制御を行う場合を示し、実線は、実施の形態2のフローに従って燃料噴射制御を行う場合を示している。タイムチャートの例では、実施の形態1のフローに従う場合、リーン燃焼モードへの切り替え後、筒内噴射弁22の燃料噴射量の増量補正によって燃料噴射の終了時期は限界時期(Const.3)を超えることになる。この場合、シリンダの壁面に付着する燃料量が一時的に増大して生成PNが上昇する。これに対し、実施の形態2のフローに従って燃料噴射制御を行う場合は、上限値を超えない範囲でポート噴射弁20燃料噴射量が増量され、その分、筒内噴射弁22の燃料噴射量が減量される。これにより、筒内噴射弁22の燃料噴射の終了時期は限界時期よりも早められ、筒内噴射弁22から噴射された燃料のシリンダの壁面への付着は抑えられる。
実施の形態3.
次に、本発明の実施の形態3について図を用いて説明する。
[実施の形態3のシステムの構成]
本実施の形態にかかるシステムは、実施の形態1のシステムと同じく、図1に示す構成のエンジン2と、エンジン2を制御する制御装置50とを備える。本実施の形態のシステムと実施の形態1のシステムとの違いは、制御装置50の機能、より詳しくは、リーン燃焼モードへの切り替えのための燃料噴射制御にある。
[実施の形態3のシステムの動作]
<リーン燃焼モードへの切り替えのための燃料噴射制御>
実施の形態3の燃料噴射制御は、実施の形態2の燃料噴射制御と同じく、実施の形態1の燃料噴射制御のさらなる改良である。実施の形態3の燃料噴射制御では、筒内噴射弁22の燃料噴射期間に関する課題を燃料圧力の制御によって解決する。
図10は、実施の形態3において制御装置50により実行される燃料噴射制御のフローを示すフローチャートである。制御装置50は、このフローチャートに示す燃料噴射制御をエンジン2の冷間時に実行する。図10において、図2に示す燃料噴射制御のフローと同じ内容の処理には、同一のステップ番号を付している。図10に示すフローと図2に示すフローとの違いは、図10に示すフローでは、ステップS114の処理の後にステップS302からステップS308までの処理を行うことにある。
図10に示すフローによれば、ステップS114において、筒内噴射弁22の燃料噴射量が増量補正された後、ステップS302の処理が行われる。ステップS302では、筒内噴射弁22の燃料噴射の終了時期(injd_end)が燃料圧力に基づいて算出される。筒内噴射弁22に供給される燃料の圧力は、燃料供給ラインに設けられた図示しない圧力センサによって計測される。
ステップS302の処理の後、ステップS304の判定が行われる。ステップS304では、ステップS302で算出された燃料噴射の終了時期が所定の限界時期(Const.3)よりも遅いかどうか判定される。ステップS304の判定の内容は実施の形態2のフローにおけるステップS204の判定の内容と同じである。燃料噴射の終了時期が限界時期に達していない場合(燃料噴射期間が上限期間に収まっている場合)、次に説明するステップS306及びS308の処理はスキップされ、次に、ステップS118の処理が行われる。
燃料噴射の終了時期が限界時期を超えている場合(燃料噴射期間が上限期間を超えている場合)、ステップS306の処理が実行される。ステップS306では、燃料供給ラインに設けられた圧力センサの信号に基づいて現在の燃料圧力が算出される。
ステップS306の処理の後、ステップS308の処理が行われる。ステップS308では、筒内噴射弁22の燃料噴射の終了時期を限界時期に収めることができる燃料圧力が算出される。具体的には、まず、現在の燃料噴射の終了時期と限界時期との間の差分が算出される。この差分の単位は角度であるので、エンジン回転速度に基づいて差分の時間換算が行われる。これにより得られた差分時間と現在の燃料噴射時間とに基づき、図11に示す筒内噴射弁22の燃料圧力(DI燃料圧力)と燃料噴射時間(DI噴射時間)との関係を用いて、必要な燃料圧力の補正量が算出される。燃料圧力は制御パラメータの1つであり、ここで算出された燃料圧力の補正量を現在の燃料圧力に加えた値が燃料圧力の新たな目標値として設定される。なお、図11に示す関係は、マップ化されてROMに記憶されている。
ステップS308の処理の後、ステップS118の処理が行われる。ステップS118では、ステップS108、S114、S116、S308で算出された各制御パラメータの目標値がアクチュエータに対して設定される。燃料圧力がステップS308で設定された目標値に調整されることにより、筒内噴射弁22の燃料噴射期間が短縮され、筒内噴射弁22から噴射された燃料のシリンダの壁面への付着が抑えられるようになる。
実施の形態4.
次に、本発明の実施の形態4について図を用いて説明する。
[実施の形態4のシステムの構成]
本実施の形態にかかるシステムは、実施の形態1のシステムと同じく、図1に示す構成のエンジン2と、エンジン2を制御する制御装置50とを備える。本実施の形態のシステムと実施の形態1のシステムとの違いは、制御装置50の機能、より詳しくは、リーン燃焼モードへの切り替えのための燃料噴射制御にある。
[実施の形態4のシステムの動作]
<リーン燃焼モードへの切り替えのための燃料噴射制御>
実施の形態4の燃料噴射制御は、実施の形態2及び3の燃料噴射制御と同じく、実施の形態1の燃料噴射制御のさらなる改良である。実施の形態4の燃料噴射制御では、筒内噴射弁22の燃料噴射期間に関する課題を吸気バルブ14及び排気バルブ16の各バルブタイミングの制御によって解決する。
図12は、排気バルブ16の閉弁時期(EVC)と始動時のTHC量との関係を示す図である。排気バルブ16を排気行程中に早めに閉じることで、始動時のTHC量を低減することができる。これは、排気バルブ16の早閉じにより筒内圧力が上がり、吸気バルブ14の開弁時に既燃ガスが吸気ポート6に吹き返されることによる。高温の既燃ガスが吸気ポート6に吹き返されることで、吸気ポート6の温度が上昇して壁面の付着燃料の気化が促進される。また、ポート噴射弁20から噴射された燃料に既燃ガスを衝突させることによって噴射燃料の微粒化が促進される。
図13は、吸気バルブ14及び排気バルブ16の各バルブタイミングと1サイクルあたりのPM粒子数との関係を示す図である。吸気バルブ14の開弁時期(IVO)が同一であれば、排気バルブ16の閉弁時期(EVC)が早いほどPM粒子数は低減される。また、排気バルブ16の閉弁時期(EVC)が同一であれば、吸気バルブ14の開弁時期(IVO)が早いほどPM粒子数は低減される。吸気バルブ14を排気行程中に開くことによって、筒内の既燃ガスが吸気ポート6に吹き返されるからである。吸気ポート6に吹き返される既燃ガスの量が大きくなる条件ほど、PM粒子数の低減効果は大きくなる。
図14は、既燃ガスの吹き返しの効果を示す図である。破線は、既燃ガスの吸気ポート6への吹き返しを行わない場合のポート噴射弁20の燃料噴射量(PFI噴射量)と1サイクルあたりのPM粒子数との関係を示している。実線は、既燃ガスの吸気ポート6への吹き返しを行う場合のポート噴射弁20の燃料噴射量と1サイクルあたりのPM粒子数との関係を示している。既燃ガスの吸気ポート6への吹き返しを利用することにより、ポート噴射弁20の燃料噴射量の上限値(PM粒子数を低く抑えることができる燃料噴射量の最大値)を高めることができる。
図15は、実施の形態4において制御装置50により実行される燃料噴射制御のフローを示すフローチャートである。制御装置50は、このフローチャートに示す燃料噴射制御をエンジン2の冷間時に実行する。図15において、図2に示す燃料噴射制御のフローと同じ内容の処理には、同一のステップ番号を付している。図15に示すフローと図2に示すフローとの違いは、図15に示すフローでは、ステップS114の処理の後にステップS402からステップS408までの処理を行うことにある。
図15に示すフローによれば、ステップS114において、筒内噴射弁22の燃料噴射量が増量補正された後、ステップS402の処理が行われる。ステップS402では、既燃ガスを吸気ポート6へ吹き返させるための吸気バルブ14及び排気バルブ16の各バルブタイミングが算出される。吸気バルブ14及び排気バルブ16の各バルブタイミングは、ROMに記憶されたマップにおいてエンジン回転速度、吸入空気量及び水温に関連付けられている。
ステップS402の処理の後、ステップS404の処理が行われる。ステップS404では、ステップS402で算出された吸気バルブ14及び排気バルブ16の各バルブタイミングに基づき、エンジン2のトルクが一定となるように、ステップS108で算出されたスロットルバルブ開度及び点火時期の各目標値が修正される。
ステップS404の処理の後、ステップS406の処理が行われる。ステップS406では、既燃ガスの吸気ポート6への吹き返しによって上昇したポート噴射弁20の燃料噴射可能量とステップS114で算出された現状の燃料噴射量(qinjp)との差分が余裕量(beta)として算出される。燃料噴射可能量は、ポート噴射に由来するPMの生成を許容範囲に収めることができる燃料噴射量の上限値である。ポート噴射弁20の燃料噴射可能量は、ROMに記憶されたマップにおいて吸気バルブ14及び排気バルブ16の各バルブタイミングと水温に関連付けられている。
ステップS406の処理の後、ステップS408の処理が行われる。ステップS408では、ポート噴射弁20の燃料噴射量(qinjp)にステップS406で算出された余裕量(beta)が加えられる。また、ステップS406で算出された余裕量(beta)が補正係数(Cd)により補正される。補正係数は1より小さい値である。そして、筒内噴射弁22の燃料噴射量(qinjd)から補正後の余裕量(beta*Cd)が減じられる。ポート噴射弁20から噴射した燃料は一部が壁面に付着するのに対し、筒内噴射弁22から噴射した燃料は壁面に付着せずにそのほとんどが空気と混合する。このことを考慮して、筒内噴射弁22の燃料噴射量の減量分は、ポート噴射弁20の燃料噴射量の増量分よりも小さくされる。
ステップS408の処理の後、ステップS118の処理が行われる。ステップS118では、ステップS108、S114、S116、S402、S404、S408で算出された各制御パラメータの目標値がアクチュエータに対して設定される。実施の形態4のフローに従って燃料噴射制御を行うことにより、燃料と空気とをより均質に混合させることができるポート噴射弁20による燃料噴射の比率を高めることができる。
実施の形態5.
次に、本発明の実施の形態5について図を用いて説明する。
[実施の形態5のシステムの構成]
本実施の形態にかかるシステムは、実施の形態1のシステムと同じく、図1に示す構成のエンジン2と、エンジン2を制御する制御装置50とを備える。本実施の形態のシステムと実施の形態1のシステムとの違いは、制御装置50の機能、より詳しくは、リーン燃焼モードへの切り替えのための燃料噴射制御にある。
[実施の形態5のシステムの動作]
<リーン燃焼モードへの切り替えのための燃料噴射制御>
実施の形態5の燃料噴射制御は、実施の形態2乃至4の燃料噴射制御と同じく、実施の形態1の燃料噴射制御のさらなる改良である。実施の形態5の燃料噴射制御では、筒内噴射弁22の燃料噴射期間に関する課題を筒内噴射弁22の燃料噴射の開始時期の制御によって解決する。
図16は、筒内噴射弁22の燃料噴射の開始時期(DI噴射開始時期)とピストン温度と1サイクルあたりのPM粒子数との関係を示す図である。筒内噴射弁22の燃料噴射の開始時期を早めていくと、燃料噴霧がピストン12と干渉するようになる。このときのピストン12の温度が低い場合には、ピストン12に燃料が付着し、それがPMとなって排出される。しかし、ピストン12の温度が高くなるにつれて、ピストン12と干渉する燃料噴霧はピストン12の表面で気化するようになり、燃料噴射の開始時期を早めてもPM粒子数は大きく上昇しなくなる。ピストン12の温度が高ければ高いほど、ピストン12の表面において燃料は気化しやすくなるので、筒内噴射弁22の燃料噴射の開始時期を早めることができる。燃料噴射の開始時期が早まれば、それに連動して燃料噴射の終了時期も早まるので、筒内噴射弁22から噴射された燃料のシリンダの壁面への付着を抑えることができる。
図17は、実施の形態5において制御装置50により実行される燃料噴射制御のフローを示すフローチャートである。制御装置50は、このフローチャートに示す燃料噴射制御をエンジン2の冷間時に実行する。図17において、図2に示す燃料噴射制御のフローと同じ内容の処理には、同一のステップ番号を付している。図17に示すフローと図2に示すフローとの違いは、図17に示すフローでは、ステップS114の処理の後にステップS502からステップS510までの処理を行うことにある。
図17に示すフローによれば、ステップS114において、筒内噴射弁22の燃料噴射量が増量補正された後、ステップS502の処理が行われる。ステップS502では、筒内噴射弁22の燃料噴射の終了時期(injd_end)が燃料圧力に基づいて算出される。筒内噴射弁22に供給される燃料の圧力は、燃料供給ラインに設けられた図示しない圧力センサによって計測される。
ステップS502の処理の後、ステップS504の判定が行われる。ステップS504では、ステップS502で算出された燃料噴射の終了時期が所定の限界時期(Const.3)よりも遅いかどうか判定される。ステップS504の判定の内容は実施の形態2のフローにおけるステップS204の判定の内容と同じである。燃料噴射の終了時期が限界時期に達していない場合(燃料噴射期間が上限期間に収まっている場合)、次に説明するステップS506乃至S510の処理はスキップされ、次に、ステップS118の処理が行われる。
燃料噴射の終了時期が限界時期を超えている場合(燃料噴射期間が上限期間を超えている場合)、ステップS506の処理が実行される。ステップS506では、エンジン回転速度、負荷、積算吸入空気量及び水温などのパラメータに基づいてピストン12の温度が算出される。ROMには、ピストン温度をこれらのパラメータに関連付けるマップが記憶されている。
ステップS506の処理の後、ステップS508の処理が行われる。ステップS508では、ステップS506で算出されたピストン温度に基づいて筒内噴射弁22の燃料噴射の開始時期の許容進角量が算出される。ROMには、許容進角量をピストン温度に関連付けるマップが記憶されている。許容進角量はピストン温度に比例して、ピストン温度が高いほど大きくなるように設定されている。
ステップS508の処理の後、ステップS510の処理が行われる。ステップS510では、ステップS508で算出された許容進角量を上限として、筒内噴射弁22の燃料噴射の開始時期が進角される。具体的には、まず、限界時期(Const.3)と現在の燃料噴射の終了時期(injd_end)との間の差分が算出される。フローチャートにおけるinjd_end及びConst.3の単位はdegBTDCであるので、燃料噴射の終了時期が限界時期より遅い場合、限界時期から現在の燃料噴射の終了時期を引いて得られる差分は正値となる。この差分が許容進角量以下の場合、差分が進角補正量(Δinjd)として算出される。一方、差分が許容進角量より大きい場合、許容進角量が進角補正量(Δinjd)として算出される。こうして得られた進角補正量(Δinjd)を現在の燃料噴射の開始時期(injd)に加算することで、新たな燃料噴射の開始時期(injd)が得られる。なお、フローチャートにおけるinjdの単位はdegBTDCであるので、injdの値が大きいほど燃料噴射の開始時期は進角されることになる。
ステップS510の処理の後、ステップS118の処理が行われる。ステップS118では、ステップS108、S114、S116、S510で算出された各制御パラメータの目標値がアクチュエータに対して設定される。実施の形態5のフローに従って燃料噴射制御を行うことにより、ピストンの温度が高ければ高いほど、筒内噴射弁22から噴射された燃料のシリンダの壁面への付着を抑えることができるようになる。
実施の形態6.
次に、本発明の実施の形態6について図を用いて説明する。
[実施の形態6のシステムの構成]
本実施の形態にかかるシステムは、実施の形態1のシステムと同じく、図1に示す構成のエンジン2と、エンジン2を制御する制御装置50とを備える。本実施の形態のシステムと実施の形態1のシステムとの違いは、制御装置50の機能にある。より詳しくは、本実施の形態では、壁面付着補正を加速時において実施する。加速時には、ストイキ燃焼モードからリーン燃焼モードへの切り替え時と同様、スロットルバルブ40の目標開度は離散的に開き方向に大きく変更される。また、ストイキ燃焼モードからリーン燃焼モードへの切り替え時と同様、ポート噴射弁20の燃料噴射量が離散的に大きく増大される。これらの動作は、何れも壁面付着燃料量の不足を生じさせる動作であるので、壁面付着燃料量の補正のための燃料増量が必要となる。
[実施の形態6のシステムの動作]
<加速のための燃料噴射制御>
図18は、実施の形態6において制御装置50により実行される燃料噴射制御のフローを示すフローチャートである。制御装置50は、このフローチャートに示す燃料噴射制御をエンジン2の冷間時に実行する。
図18に示すフローのステップS602では、アクセルポジションセンサ52によって計測されるアクセル開度(accp)が判定開度(Const.4)と比較される。判定開度は、ドライバがエンジン2に加速を要求していると判断することができる開度である。アクセル開度が判定開度以下の場合、これ以降の処理は全てスキップされる。なお、ここでは加速要求をアクセル開度から判断しているが、アクセル開度の変化速度から判断してもよいし、アクセル開度とその変化速度の両方から判断してもよい。
ステップS602の判定において、アクセル開度が判定開度より大きい場合、ステップS604の処理が実行される。ステップS604では、水温センサ58の出力に基づいて吸気ポート6の温度の推定値(ethw)が算出される。
ステップS604の処理の後、ステップS606の処理が行われる。ステップS606では、アクセル開度から算出された目標トルクに基づいて各制御パラメータの目標値が算出される。制御パラメータには、スロットルバルブ40の開度、点火時期、バルブタイミング、ポート噴射の噴射比率等が含まれる。各制御パラメータの目標値は、ROMに記憶されたマップにおいて目標トルクに関連付けられている。
ステップS606の処理の後、ステップS608の処理が行われる。ステップS608では、ポート噴射弁20の燃料噴射量に加えるべき壁面付着補正量(fmwa)が算出される。壁面付着補正量は、吸気ポート6の壁面に付着した燃料の量をエンジン2の運転状態に応じた適切な量に補正するために必要な燃料量である。
ステップS608で算出される壁面付着補正量は、吸気ポート6の壁面付着燃料量を適正量にするためにポート噴射弁20の燃料噴射量に加える燃料量である。壁面付着補正量は、ROMに記憶されたマップにおいてエンジン回転速度、吸入空気量、水温(或いは油温)に関連付けられている。また、このマップによれば、壁面付着補正量は、加速開始直後は大きい値とされ、サイクルごとに次第に小さい値へと変更されていく。
ステップS608の処理の後、ステップS610の判定が行われる。ステップS610では、ステップS604で算出された吸気ポート温度の推定値(ethw)が判定温度(Const.5)と比較される。この判定温度は、ポート噴射弁20の燃料噴射量に壁面付着補正量を加えた場合に、噴射した燃料が十分に霧化或いは気化できる吸気ポート温度の下限温度、つまり、ポート噴射由来のPNを許容範囲に収めることができる吸気ポート温度の下限温度である。
吸気ポート温度の推定値が判定温度より低い場合、ステップS612の処理が実行される。ステップS612では、まず、吸入空気量、要求空燃比、及び、目標噴射比率に基づき、ポート噴射弁20の燃料噴射量と筒内噴射弁22の燃料噴射量の各目標値が算出される。そして、ポート噴射弁20に代えて筒内噴射弁22の燃料噴射量が増量補正される。具体的には、ステップS608で算出された壁面付着補正量(fmwa)が補正係数(Cd)により補正される。補正係数は1より小さい値である。そして、筒内噴射弁22の燃料噴射量(qinjd)に補正後の壁面付着補正量(fmwa*Cd)が加えられる。
一方、吸気ポート温度の推定値が判定温度以上の場合、ステップS614の処理が実行される。ステップS614では、まず、吸入空気量、要求空燃比、及び、目標噴射比率に基づき、ポート噴射弁20の燃料噴射量と筒内噴射弁22の燃料噴射量の各目標値が算出される。そして、ポート噴射弁20の燃料噴射量(qinjp)にステップS608で算出された壁面付着補正量(fmwa)が加えられる。
ステップS616では、ステップS606、S612、S614で算出された各制御パラメータの目標値がアクチュエータに対して設定される。これにより、エンジン2の加速が開始される。また、ステップS612或いはステップS614で算出された各燃料噴射量を目標値としてポート噴射弁20及び筒内噴射弁22が駆動されることにより、壁面付着燃料量の不足により生じる筒内燃料量の目標燃料量に対するずれを抑えつつ、PNの上昇が抑えられる。
ステップS616の処理の後、ステップS618の判定が行われる。ステップS618では、エンジン2のトルクがエンジン回転速度、吸入空気量、点火時期、空燃比の各計測値或いは設定値から推定され、その推定トルクが目標トルクに収束したかどうか判定される。ステップS618の判定結果が肯定になるまで、ステップS608からステップS616の処理が繰り返し行われ、燃料噴射量の増量補正が続けられる。ただし、燃料噴射量に加えられる壁面付着補正量は、サイクルごとに次第に小さい値に変更されていく。そして、ステップS618の判定結果が肯定になったとき、壁面付着補正量による燃料噴射量の増量補正は終了し、これにより加速のための燃料噴射制御は終了する。
実施の形態7.
次に、本発明の実施の形態7について図を用いて説明する。
[実施の形態7のシステムの構成]
本実施の形態にかかるシステムは、実施の形態1のシステムと同じく、図1に示す構成のエンジン2と、エンジン2を制御する制御装置50とを備える。本実施の形態のシステムと実施の形態1のシステムとの違いは、制御装置50の機能、より詳しくは、リーン燃焼モードへの切り替えのための燃料噴射制御にある。
[実施の形態7のシステムの動作]
<リーン燃焼モードへの切り替えのための燃料噴射制御>
実施の形態7の燃料噴射制御は、実施の形態1の燃料噴射制御の変形例である。実施の形態7の燃料噴射制御では、基本的には、ポート噴射弁20の燃料噴射量の増量によって壁面付着補正を行う。ただし、増量補正後のポート噴射弁20の燃料噴射量が吸気ポート温度から決まる限界値を超えるのであれば、その超過分は筒内噴射弁22の燃料噴射量に対する増量補正によって賄う。
ポート噴射弁20の燃料噴射量に対して設定される限界値は、吸気ポート温度が高いほど高く、吸気ポート温度が低いほど低くなるように設定される。つまり、吸気ポート内で燃料が気化或いは霧化しやすい条件であるほど、限界値を高くして、均質性の高い混合気を得ることができるポート噴射によって壁面付着補正を行うようにする。逆に、吸気ポート内で燃料が気化或いは霧化し難い条件であるほど、限界値を低くして、壁面付着補正のための増量分をポート噴射から筒内噴射へ移していき、ポート噴射由来のPNの発生を抑えるようにする。
図19は、実施の形態7において制御装置50により実行される燃料噴射制御のフローを示すフローチャートである。制御装置50は、このフローチャートに示す燃料噴射制御をエンジン2の冷間時に実行する。図19において、図2に示す燃料噴射制御のフローと同じ内容の処理には、同一のステップ番号を付している。図19に示すフローと図2に示すフローとの違いは、図19に示すフローでは、ステップS110の処理の後、ステップS112からステップS116までの処理に代えて、ステップS702からステップS714までの処理を行うことにある。
図19に示すフローによれば、ステップS110において壁面付着補正量が算出された後、ステップS702の処理が行われる。ステップS702では、ポート噴射弁20の燃料噴射量(qinjp)にステップS110で算出された壁面付着補正量(fmwl)が加えられる。
ステップS704では、ポート噴射弁20の燃料噴射量の限界値であるポート限界噴射量(pqmax)が算出される。ポート限界噴射量は、ポート噴射由来のPNを許容範囲に収めることのできる燃料噴射量の上限値である。ROMに記憶されたマップにおいて、ポート限界噴射量は、エンジン水温で代表される吸気ポート温度の推定値(ethw)とエンジン回転速度とに関連付けられている。図20には、そのマップにおけるポート限界噴射量の設定が示されている。吸気ポート温度が高いほど、また、エンジン回転速度が低いほど、ポート限界噴射量は大きくされ、吸気ポート温度が低いほど、また、エンジン回転速度が高いほど、ポート限界噴射量は小さくされる。
ステップS704の処理の後、ステップS706の判定が行われる。ステップS706では、ステップS702で算出された燃料噴射量(qinjp)と、ステップS704で算出されたポート限界噴射量(pqmax)との差がゼロよりも大きいかどうか判定される。この判定の結果が否定の場合、つまり、ポート噴射弁20の燃料噴射量がポート限界噴射量以下の場合は、ステップS714の処理が行われる。ステップS714では、ステップS702で算出された燃料噴射量が、ポート噴射弁20の燃料噴射量として確定される。
ポート噴射弁20の燃料噴射量がポート限界噴射量を超えている場合、ステップS708、S710、及びS712の処理が実行される。ステップS708では、ステップS702で算出された燃料噴射量(qinjp)のポート限界噴射量(pqmax)に対する超過分が、筒内噴射弁22の燃料噴射量に対する補正量(qinjdp)として算出される。
ステップS710では、ステップS704で算出されたポート限界噴射量(pqmax)がポート噴射弁20の燃料噴射量(qinjp)として設定される。
ステップS712では、筒内噴射弁22の燃料噴射量(qinjd)にステップS708で算出された補正量(qinjdp)が加えられる。なお、ステップS710の処理とステップS712の処理の実行順序は逆でも良い。
ステップS712の処理の後、または、ステップS714の処理の後、ステップS118の処理が行われる。ステップS118では、ステップS108、S710、S712、S714で算出された各制御パラメータの目標値がアクチュエータに対して設定される。実施の形態7のフローに従って燃料噴射制御を行うことにより、ポート噴射由来のPNが許容範囲を超えない範囲内で、ポート噴射弁20の燃料噴射量を最大限まで増量することが可能となる。
その他実施の形態.
本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
実施の形態4で実施するバルブタイミング制御は、実施の形態2に係る燃料噴射制御と組み合わせることができる。つまり、筒内噴射弁22の燃料噴射量を減量し、ポート噴射弁20の燃料噴射量を増量する場合に、ポート噴射弁20の燃料噴射量が上限値を超えるようであれば、実施の形態4に係るバルブタイミング制御を行いポート噴射弁20の燃料噴射可能量を高めるようにしてもよい。
また、実施の形態4で実施するバルブタイミング制御は、実施の形態3に係る燃料噴射制御と組み合わせることもできる。つまり、筒内噴射弁22の燃料圧力を上昇させたにもかかわらず燃料噴射の終了時期が限界時期を超えるようであれば、ポート噴射弁20の燃料噴射量を増量できるように、実施の形態4に係るバルブタイミング制御を行いポート噴射弁20の燃料噴射可能量を高めるようにしてもよい。
同様に、実施の形態5で実施する筒内噴射弁22の燃料噴射開始時期の制御は、実施の形態2に係る燃料噴射制御と組み合わせることもできるし、実施の形態3に係る燃料噴射制御と組み合わせることもできる。また、実施の形態4に係る燃料噴射制御と組み合わせることもできる。
実施の形態2−5に係る燃料噴射制御が実施の形態1に係る燃料噴射制御の改良であるように、実施の形態6に係る加速のための燃料噴射制御にも同様の改良を適用することができる。また、実施の形態7に係る燃料噴射制御を加速のための燃料噴射制御に適用することもできる。
2 リーンバーンエンジン
5 燃焼室
6 吸気ポート
8 排気ポート
14 吸気バルブ
16 排気バルブ
20 ポート噴射弁
22 筒内噴射弁
24 吸気可変動弁機構
26 排気可変動弁機構
30 吸気通路
32 排気通路
40 スロットルバルブ
50 制御装置
56 吸気管圧センサ
58 水温センサ
64 NSR触媒
76 触媒温度センサ

Claims (11)

  1. 吸気ポートに燃料を噴射するポート噴射弁と筒内に燃料を直接噴射する筒内噴射弁とを備える内燃機関の制御装置において、
    前記内燃機関の運転状態に関する情報に基づいて、筒内燃料量の目標燃料量に対するずれを抑えるために前記吸気ポートの壁面における燃料付着量の補正を実行するかどうか判断する判断手段と、
    前記吸気ポートの温度を推定する吸気ポート温度推定手段と、
    前記燃料付着量の補正を実行すると判断された場合、前記吸気ポートの温度の推定値が高いほど前記ポート噴射弁の燃料噴射量を増量し、前記吸気ポートの温度の推定値が低いほど前記筒内噴射弁の燃料噴射量を増量する燃料噴射量補正手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記燃料噴射量補正手段は、前記吸気ポートの温度の推定値が所定の判定温度以上の場合には、前記ポート噴射弁の燃料噴射量を増量し、前記吸気ポートの温度の推定値が前記判定温度よりも低い場合には、前記ポート噴射弁に代えて前記筒内噴射弁の燃料噴射量を増量することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記吸気ポートの温度の推定値に基づいて前記ポート噴射弁の燃料噴射量の限界値を算出するポート噴射限界値算出手段をさらに備え、
    前記燃料噴射量補正手段は、前記ポート噴射弁の燃料噴射量を増量した場合の増量後の燃料噴射量が前記限界値を超える場合は、前記限界値を超える分を前記筒内噴射弁の燃料噴射量の増量分に置き換えることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記燃料噴射量補正手段は、前記ポート噴射弁に代えて前記筒内噴射弁の燃料噴射量を増量する場合は、前記ポート噴射弁の燃料噴射量を増量する場合よりも燃料噴射量の増量分を小さくすることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記燃料噴射量補正手段は、前記ポート噴射弁に代えて前記筒内噴射弁の燃料噴射量を増量した場合の前記筒内噴射弁の燃料噴射の期間が所定の上限期間を超える場合、前記筒内噴射弁の燃料噴射量の増量分を減量するとともに、前記ポート噴射弁の燃料噴射量を増量することを特徴とする請求項2又は4に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記ポート噴射弁に代えて前記筒内噴射弁の燃料噴射量を増量した場合の前記筒内噴射弁の燃料噴射の期間が所定の上限期間を超える場合、前記筒内噴射弁の燃料噴射の期間が前記上限期間に収まるように、前記前記筒内噴射弁に供給する燃料の圧力を上昇させる燃料圧力制御手段をさらに備えることを特徴とする請求項2又は4に記載の内燃機関の制御装置。
  7. ピストンの温度を推定するピストン温度推定手段と、
    前記ポート噴射弁に代えて前記筒内噴射弁の燃料噴射量を増量した場合の前記筒内噴射弁の燃料噴射の期間が所定の上限期間を超える場合、前記ピストンの温度の推定値から前記筒内噴射弁の燃料噴射の開始時期の許容進角量を計算し、前記許容進角量を上限として前記筒内噴射弁の燃料噴射の開始時期を進角する燃料噴射時期補正手段とをさらに備えることを特徴とする請求項2又は4に記載の内燃機関の制御装置。
  8. 筒内の既燃ガスが前記吸気ポートへ吹き返されるように吸気バルブ及び排気バルブの各バルブタイミングを変更するバルブタイミング制御手段をさらに備え、
    前記燃料噴射量補正手段は、筒内の既燃ガスが前記吸気ポートへ吹き返される場合、前記筒内噴射弁の燃料噴射量の増量分を減量するとともに、前記ポート噴射弁の燃料噴射量を増量することを特徴とする請求項2又は4に記載の内燃機関の制御装置。
  9. 前記判断手段は、スロットルバルブの目標開度が離散的に開き方向に変更された場合に、前記燃料付着量の補正を実行すると判断することを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  10. 前記判断手段は、前記ポート噴射弁の燃料噴射量が離散的に増大される場合に、前記燃料付着量の補正を実行すると判断することを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  11. 前記判断手段は、筒内空燃比を理論空燃比に制御するストイキ燃焼モードから、筒内空燃比を理論空燃比よりも燃料リーンな空燃比に制御するリーン燃焼モードへ前記内燃機関の運転モードが切り替えられた場合に、前記燃料付着量の補正を実行すると判断することを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の内燃機関の制御装置。
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