JP2015054450A - クリヤ塗装ステンレス鋼板 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐食性及び意匠性が共に優れ、しかも耐食性を長期間維持するクリヤ塗装ステンレス鋼板を提供する。【解決手段】ステンレス鋼板と、該ステンレス鋼板の少なくとも一方の面が化成処理されて形成されたカップリング剤を含有する化成処理膜と、該化成処理膜の表面に熱硬化性樹脂の硬化塗膜であるクリヤ塗膜とを備える。化成処理膜及びクリヤ塗膜の少なくとも一方に液状防錆剤が含まれる。【選択図】なし

Description

本発明は、耐食性を有するクリヤ塗装ステンレス鋼板に関するものである。
ステンレス鋼板の表面にクリヤ塗膜を形成したクリヤ塗装ステンレス鋼板は、ステンレス特有の美麗な金属光沢を活かした高級感のある外観が得られる(例えば、特許文献1,2参照)。そのため、クリヤ塗装ステンレス鋼板は、家電製品の筐体や内装材、表装材に広く使われている。また、クリヤ塗装ステンレス鋼板は普通鋼に分類される亜鉛メッキ鋼板等をベースとした塗装鋼板や、これら普通鋼にフィルム材を貼り合せた複合材などに比べて、耐食性・耐久性に優れるという利点も有する。
家電用塗装鋼板としては、コスト的な観点から、SUS430(18Cr)等に代表されるフェライト系ステンレス鋼が使用されることがある。しかし、ステンレスの中においては、SUS304(18Cr−8Ni)等に代表されるオーステナイト系ステンレス鋼に比べると、フェライト系ステンレス鋼の防錆力は低い。
ステンレス鋼の発錆は塩化物イオン等のハライドイオンによって進行することが知られている。冷蔵庫や炊飯器などの家電類に対しては、調味料類等、食塩を多く含む液体が付着することがあった。そのため、塗装ステンレス鋼板を使用された家電類では、発錆による美観の低下や耐久性の低下を生じることがあった。
また、家電に使用されるクリヤ塗装ステンレス鋼板は、その用途によっては筒状に屈曲させた後に端面同士をカシメによって接合したり、端面部を折り曲げ加工した後に樹脂成型パーツを嵌合する等の加工を施すことがある。ところが、カシメ部あるいは嵌合部においては、隙間腐食が発生することがあった。
クリヤ塗装ステンレス鋼板の耐食性を向上させる方法としては、クリヤ塗料に防錆顔料を添加する方法が知られている(特許文献3)。防錆顔料を用いる方法は、一般的な塗料に対しては有効な方法であるが、防錆顔料自体の透明性が低いため、クリヤ塗料に防錆顔料を添加すると、得られるクリヤ塗膜が濁ったもしくは曇ったような外観になる。そのため、クリヤ塗装ステンレス鋼板の特徴である、ステンレス鋼板の表面外観を活かした高意匠、という特性を損ねる。
また、耐食性を向上させる方法としては、耐食性に優れるエポキシ樹脂を含む下塗塗料を塗装する方法が知られている(特許文献4)。しかしながら、下塗り塗装する場合には、塗装工程が増えて作業が煩雑になる。また、上塗塗料がクリヤ(透明)であるため、紫外線をよく透過するが、エポキシ樹脂は耐光性が低いため、長期間使用すると、下塗り塗膜が著しく変色する、あるいは剥離して耐食性を低下させることがあった。
特開平02−111865号公報 特開2002−143764号公報 特許第4027848号公報 特開2002−187234号公報
本発明の課題は、耐食性及び意匠性が共に優れ、しかも耐食性を長期間維持するクリヤ塗装ステンレス鋼板を提供することにある。
本発明は、以下の態様を有する。
[1]ステンレス鋼板と、該ステンレス鋼板の少なくとも一方の面が化成処理されて形成された化成処理膜と、該化成処理膜の表面に形成されたクリヤ塗膜とを備え、化成処理膜は、カップリング剤と、液状防錆剤とを含有し、液状防錆剤の含有量が、カップリング剤100質量部に対して10〜250質量部であり、クリヤ塗膜は、熱硬化性樹脂の硬化塗膜であり、液状防錆剤を、クリヤ塗膜100質量部に対して0.2〜20質量部含有する、クリヤ塗装ステンレス鋼板。
[2]ステンレス鋼板と、該ステンレス鋼板の少なくとも一方の面が化成処理されて形成された化成処理膜と、該化成処理膜の表面に形成されたクリヤ塗膜とを備え、化成処理膜は、カップリング剤と、液状防錆剤とを含有し、液状防錆剤の含有量が、カップリング剤100質量部に対して10〜250質量部である、クリヤ塗装ステンレス鋼板。
[3]ステンレス鋼板と、該ステンレス鋼板の少なくとも一方の面が化成処理されて形成された化成処理膜と、該化成処理膜の表面に形成されたクリヤ塗膜とを備え、クリヤ塗膜は、熱硬化性樹脂の硬化塗膜であり、液状防錆剤を、クリヤ塗膜100質量部に対して0.2〜20質量部含有する、クリヤ塗装ステンレス鋼板。
[4]前記液状防錆剤のpHが7.0以上である、[1]〜[3]のいずれか一項に記載のクリヤ塗装ステンレス鋼板。
本発明のクリヤ塗装ステンレス鋼板は、耐食性及び意匠性が共に優れ、しかも耐食性を長期間維持する。
以下、本発明の一実施形態について説明する。
<クリヤ塗装ステンレス鋼板>
本実施形態のクリヤ塗装ステンレス鋼板は、ステンレス鋼板と、該ステンレス鋼板の少なくとも一方の面に形成された化成処理膜と、該化成処理膜の表面に形成されたクリヤ塗膜とを備える。
化成処理膜は、カップリング剤を含有する塗膜である。
化成処理膜としては、アミノシラン系シランカップリング剤およびエポキシシラン系シランカップリング剤の一方又は両方を含有する塗膜が好ましい。ステンレス鋼板とクリヤ塗膜との間に、これらシランカップリング剤を含有する化成処理膜を有することにより、無公害なクロメートフリーにでき、さらにステンレス鋼板とクリヤ塗膜との密着性を高くできる。
ここで、アミノシラン系カップリング剤としては、例えば、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
エポキシ系シランカップリング剤としては、例えば、2−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。
化成処理膜の付着量は2〜50mg/mであることが好ましい。化成処理膜の付着量が2mg/m未満であると、光沢および耐食性が低下しやすくなり、付着量が50mg/mを超えると、沸騰水試験後の塗膜表面にブリスターを生じることがある。化成処理膜の付着量の好ましい上限は30mg/mであり、より好ましくは10mg/mである。
化成処理膜の付着量は、蛍光X線分析にてSiO量を測定することによって求めることができる。
本発明における化成処理膜には、液状防錆剤が含まれる。ここで、「液状」とは、10〜40℃において、溶剤に溶解させなくても液体であることを意味する。
液状防錆剤としては、アルキルアリルスルホン酸の亜鉛、カルシウム、バリウム、マグネシウム等の金属塩あるいはアミン塩、高級アルコールのリン酸エステル、ポリオキシアルキニルスルホン酸のアミン塩、有機リン酸エステル、脂肪酸アミン塩などが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記液状防錆剤は、通常は、金属材料や金属部品等に塗布される錆止めとして使用される防錆油であり、塗膜中に含有させるものではない。
液状防錆剤は、25℃におけるpHが7以上であることが好ましく、7〜8であることがより好ましい。液状防錆剤のpHが7未満であると、防錆力がやや低くなる。また、化成処理液中の他の成分と反応するおそれがある。
化成処理膜における液状防錆剤の含有量は、化成処理膜100質量部に対して10〜250質量部であり、50〜200質量部であることが好ましい。
化成処理膜における液状防錆剤の含有量が前記下限値未満であると、防錆効果が充分発揮されない。一方、液状防錆剤の含有量が前記上限値を超えると、防錆効果の向上が頭打ちになり、含有量を増やしてもコストが高くなるばかりで無益である。
化成処理膜中には、防錆効果をより高めるために、透明性が著しく低下しない範囲で、固形防錆剤が含まれてもよい。固形防錆剤の含有量は、化成処理膜100質量部に対して4.0質量部以下であることが好ましい。
固形防錆剤は、それ自体が10〜40℃において固体の防錆剤である。
具体的な固形防錆剤としては、ジンククロメート、ストロンチウムクロメート、鉛丹、亜酸化鉛、シアナミド鉛、クロム酸鉛、硫酸鉛、鉛酸カルシウム、リン酸亜鉛、リン酸カルシウム、リン酸アルミニウム、トリポリリン酸アルミニウム、トリポリリン酸カルシウム、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛カルシウム、モリブデン酸カルシウム、リンモリブデン酸亜鉛、リンモリブデン酸カルシウム等が挙げられる。但し、環境負荷の点から、これらの内、クロムあるいは鉛を含む固形防錆剤は好ましくない。
(クリヤ塗膜)
クリヤ塗膜は、熱硬化性樹脂の硬化塗膜であり、具体的には、熱硬化性樹脂が架橋剤によって架橋された塗膜である。このクリヤ塗膜は、通常、化成処理膜の表面に単層で形成されるが、複数積層されても構わない。
熱硬化性樹脂としては、表面硬度、透明性、ステンレスに対する密着性を有するものであれば特に制限されず、例えば、アクリル樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。これらのうち、高い表面硬度が得られやすいことから、アクリル樹脂が好ましい。
本発明におけるアクリル樹脂は、非架橋性アクリル系単量体と架橋性アクリル系単量体とを重合した重合体である。
非架橋性アクリル系単量体としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ラウリル等の脂肪族、又は環式アクリレートを用いることができる。
架橋性アクリル系単量体としては、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アルコキシシラン基等の架橋性官能基を有するアクリル酸アルキルエステルあるいはメタクリル酸アルキルエステルが挙げられる。
また、本発明におけるアクリル樹脂は、必要に応じて、メチルビニルエーテル類、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等のアクリルアミド系単量体等から選ばれる1種、または2種以上の他の単量体を共重合してもよい。
架橋性アクリル系単量体、非架橋性アクリル系単量体及び他の単量体は1種であってもよいし、2種以上であってもよい。
上記アクリル樹脂は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アルコキシシラン基等の架橋性官能基を有するが、これら架橋性官能基は1分子中に2個以上有することができる。
また、アクリル樹脂のガラス転移温度は30〜90℃であることが好ましい。ガラス転移温度が30℃未満であると、架橋反応によって得られたクリヤ塗膜の表面硬度が低くなることがある。さらに、塗装鋼板をプレス加工などで加工する際に生じた熱によって塗膜軟化が起きるため、カジリ付きと呼ばれる剥離した塗膜が金型に付着してしまう不具合を生じることがある。一方、ガラス転移温度が90℃を超えると、クリヤ塗膜のレベリング性等が低くなる傾向が見られ、クリヤ塗装ステンレス鋼板が持つ美麗な表面外観自体を損ねるおそれがある。なお、ガラス転移温度は、例えば、示差熱分析等によって測定することができる。
アクリル樹脂の数平均分子量としては、3000〜50000であることが好ましい。数平均分子量が3000未満であると、架橋剤との反応性が低くなるため、充分に架橋反応せず、反応した樹脂が膜として形成されないことがある。一方、数平均分子量が50000を超えると、溶剤に対する溶解性が不足してくるために、樹脂液にすることができず、塗料用樹脂として使用できないことがある。
架橋剤としては、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する多官能イソシアネート化合物、アミノ樹脂、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する多官能エポキシ化合物等が挙げられる。これらのなかでも、汎用性の点では、多官能イソシアネート化合物が好ましい。特に、熱硬化性樹脂がアクリル樹脂である場合には、架橋剤として多官能イソシアネート化合物を用いると、目的の性能(防錆性、意匠性)が得られやすくなる。
多官能イソシアネート化合物は、熱硬化性樹脂を架橋できるものであれば特に制限されない。具体的に、多官能イソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、メタキシリレンジイソシアネート(XDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)等の芳香族ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等の脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)やシクロヘキサンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート等が挙げられる。クリヤ塗装ステンレス鋼板が持つ透明感の高い意匠性を充分に確保できる点では、無黄変型と称されるものが好ましく、具体的には、HDI、IPDI、XDIが好ましい。
多官能イソシアネート化合物は、熱架橋を前提として非加熱下での反応性を抑えるために、イソシアネート基をブロック剤によって封止した、いわゆるブロック型イソシアネートであってもよい。
ブロック型イソシアネートにおいては、ブロック剤の解離温度が高い程、クリヤ塗膜の表面硬度が下がる傾向がある。そのため、ブロック剤の解離温度は130℃以下であることが好ましい。
アミノ樹脂としてはメラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等が挙げられる。アミノ樹脂のうち、加工性と反応性との両方が高くなる点では、メラミン樹脂が好ましい。
熱硬化性樹脂と架橋剤との組み合わせには特に制限はなく、加工性、耐薬品性、耐候性など、必要とされる性能に応じて適宜選択すればよい。熱硬化性樹脂及び架橋剤は、各々、2種類以上であっても構わない。
本発明におけるクリヤ塗膜には、液状防錆剤が含まれる。クリヤ塗膜に液状防錆剤が含まれることにより、クリヤ性を維持しつつ耐食性を向上させることができる。
クリヤ塗膜に含まれる液状防錆剤としては、化成処理膜に含まれる液状防錆剤と同様のものを使用することができる。また、クリヤ塗膜に含まれる液状防錆剤は、化成処理膜に含まれる液状防錆剤と同様に、25℃におけるpHが7以上であることが好ましく、7〜8であることがより好ましい。液状防錆剤のpHが7未満であると、防錆力がやや低くなる。また、クリヤ塗料中の他の成分(例えば、着色顔料等)と反応し、他の成分が凝集するおそれがある。
また、架橋剤としてアミノ樹脂を用いた場合には、酸性の防錆剤が擬似的に酸触媒の効果を発現し、アミノ樹脂の架橋反応が過剰に進むため、加工性が低下することがある。そのため、架橋剤としてアミノ樹脂を用いることは好ましくない。
クリヤ塗膜における液状防錆剤の含有量は、クリヤ塗膜100質量部に対して0.2〜20.0質量部であり、1.0〜10.0質量部であることが好ましく、2.0〜6.0質量部であることがより好ましい。
クリヤ塗膜における液状防錆剤の含有量が前記下限値未満であると、防錆効果が充分発揮されない。一方、液状防錆剤の含有量が前記上限値を超えると、防錆効果の向上が頭打ちになり、含有量を増やしてもコストが高くなるばかりで無益である。
クリヤ塗膜中には、防錆効果をより高めるために、透明性が著しく低下しない範囲で、固形防錆剤が含まれてもよい。固形防錆剤の含有量は、クリヤ塗膜100質量部に対して2.0質量部以下であることが好ましい。
クリヤ塗膜に含まれる固形防錆剤としては、化成処理膜に含まれる固形防錆剤と同様のものを使用することができる。
クリヤ塗膜には、着色顔料、体質顔料、艶消し剤、光輝材(例えば、アルミニウム粉、パール顔料、ガラスフレーク等)が含まれてもよい。また、クリヤ塗膜には、表面の光沢や外観を調整する目的で樹脂ビーズが含まれてもよい。また、クリヤ塗膜には、酸化防止剤、防腐剤、潤滑剤、導電剤、紫外線吸収剤、光安定剤等が含まれてもよい。
ただし、クリヤ塗膜に含まれてもよい上記成分は、クリヤ塗膜のクリヤ性を損なわない範囲で含まれる。クリヤ塗膜100質量部に対して0.1〜18.0質量部であることが好ましく、0.1〜10.0質量部であることがより好ましい。
本発明におけるクリヤ塗膜はクリヤであるため、本発明のクリヤ塗装ステンレス鋼板は、基材であるステンレスが有する美麗な外観を活かした高級感のある意匠性を発揮する。ここで「クリヤ」とは可視光領域の光線透過率が30%以上のことである。可視光領域の光線透過率は、分光光度計を用いて、380nm〜750nmの波長範囲で測定した光線透過率である。
クリヤ塗膜の可視光領域の光線透過率が30%以上を下回ると、可視光は僅かに透過しているものの、目視では、ステンレス鋼板を殆ど見ることはできない。そのため、ステンレスの持つ美麗な外観を活かした意匠は得られない。
クリヤ塗膜の可視光透過率は40%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましい。
また、本発明の最も特徴的な効果は、防錆剤を含んでいるにもかかわらず、クリヤ塗膜が白濁せず、その透明性が維持されることにある。具体的には、本発明における、液状防錆剤を含むクリヤ塗膜においては、下記で定義される可視光透過率の減衰率が90%以上である。
可視光線透過率の減衰率は、防錆剤を含まないクリヤ塗膜の可視光線透過率に対する、防錆剤を含むクリヤ塗膜の可視光線透過率の百分率である。ここでの可視光線透過率は、分光光度計を用いて、380nm〜750nmの波長範囲で測定した光線透過率である。
この可視光透過率の減衰率は95%以上であることがより好ましい。
クリヤ塗膜はステンレス鋼板の表面側のみに形成してもよいし、表面側及び裏面側の両方に形成してもよい。
ステンレス鋼板の表面側に形成したクリヤ塗膜の膜厚は、1〜25μmが好ましい。ステンレス鋼板の表面側に形成したクリヤ塗膜の膜厚が1μm未満であると、膜厚の調整が難しくなるだけでなく、塗膜中の液状防錆剤の含有量が少なくなり、耐食性が充分に発揮されないことがある。ステンレス鋼板の表面側に形成したクリヤ塗膜の膜厚が25μmを超えると、塗装コストが増大するだけでなく、表面硬度が低くなる傾向にある。さらには、可視光領域の光線透過率が低下して、ステンレスの外観を活かした意匠性が損なわれることがある。クリヤ塗膜中に着色顔料が含まれる場合には、光線透過率低下による意匠性低下がより顕著となる。
裏面のクリヤ塗膜の膜厚は特には限定されないが1μm以上であればよい。
<クリヤ塗装ステンレス鋼板の製造方法>
本実施形態のクリヤ塗装ステンレス鋼板の製造方法は、化成処理膜形成工程とクリヤ塗膜形成工程とを有する。
化成処理膜形成工程は、ステンレス鋼板の少なくとも一方の面に化成処理液を塗布し、硬化させて、化成処理膜を形成する工程である。
前記の化成処理液は、カップリング剤と架橋剤と液状防錆剤と溶剤とを含むものである。
化成処理液に含まれる溶剤としては特に限定されず、例えば、炭化水素(トルエン、キシレン、ベンゼン、シクロヘキサン、ヘキサン等)、アルコール化合物(メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等)、エステル化合物(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、エーテル化合物(ジエチルエーテル等)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、その他極性溶媒(ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等)が挙げられ、適宜選択される。
化成処理液の塗布方法としては特に制限されず、例えば、スプレー、ロールコート、バーコート、カーテンフローコート、静電塗布等を採用できる。
化成処理液を塗布した後には、ステンレス鋼板の表面到達温度(PMT)が60〜140℃となるように焼付け、乾燥することが好ましい。焼付け処理の前には、必要に応じて、アルカリ脱脂や酸によるエッチング等の前処理を施しても構わない。
クリヤ塗膜形成工程は、化成処理膜の表面にクリヤ塗料を塗布し、硬化させて、クリヤ塗膜を形成する工程である。
前記のクリヤ塗料は、熱硬化性樹脂と架橋剤と液状防錆剤と溶剤とを含むものである。
クリヤ塗料において、熱硬化性樹脂とアミノ樹脂以外の架橋剤の構成比率は、熱硬化性樹脂中に含まれる架橋性官能基の合計のモル数1モルに対して架橋剤中のイソシアネート基等の反応基が0.1〜2.0モルとなることが好ましく、0.1〜1.0モルとなることがより好ましい。
クリヤ塗料に含まれる溶剤としては特に限定されず、化成処理液に含まれる溶剤と同様のものを使用することができる。
クリヤ塗料には、熱硬化性樹脂と架橋剤との反応促進剤として触媒を含有させてもよい。特に、架橋剤としてブロック型イソシアネートを選択する場合には、クリヤ塗料に触媒を含有させることが好ましい。クリヤ塗料に触媒を含有させれば、ブロック剤の解離を促進させ、架橋反応を塗膜全体で均一に進行させることができる。
触媒としては、例えば、スズ系等の金属触媒、アミン系等の有機触媒が挙げられるが、これらの種類は特に限定されない。
クリヤ塗料には、塗装時の作業性を向上させるために、消泡剤、レベリング剤、レオロジーコントロール剤、沈降防止剤が含まれてもよい。
クリヤ塗料の塗布方法としては特に制限されず、例えば、スプレー、ロールコート、バーコート、カーテンフローコート、静電塗布等を採用できる。
クリヤ塗料塗布後の硬化条件は、素材最高到達温度(PMT)が190〜250℃となるように加熱することが好ましい。素材最高到達温度が190℃未満であると、硬化反応が充分に進まず、クリヤ塗膜の表面硬度が低下するだけでなく、ステンレス鋼板とクリヤ塗膜との密着性が低下することがある。一方、素材最高到達温度が250℃を超えると、硬化反応が飽和するだけでなく、クリヤ塗装ステンレス鋼板が黄変して意匠性を低下させることがある。
<作用効果>
従来使用されていた固形防錆剤は、それ自体の透明性が低い上に、塗料中の溶剤に対する溶解性を有していないため、ステンレス鋼板の美観を活かせず、意匠性を低下させていた。特に、塗膜を薄くする場合には、固形防錆剤が塗膜表面から突出するため、表面外観を損ね、意匠性を低下させやすかった。
これに対し、本実施形態における化成処理膜及びクリヤ塗膜には、液状防錆剤が含まれており、クリヤ塗装ステンレス鋼板は耐食性に優れる。さらに、耐食性を長期間維持できる。
また、液状防錆剤はそれ自体に透明性を有する上に、塗料の溶剤に容易に溶解させることができ、塗膜中に均一に分散しやすい。そのため、透明性に優れ、ステンレス鋼板の美観を損ねることがなく、意匠性に優れる。
とりわけ、着色顔料が多くなる濃色のクリヤ塗装ステンレス鋼板においては防錆力が低下する傾向にあるが、本発明によれば、濃色の場合においても意匠性の低下を抑制しつつも、耐食性を確保することができる。
なお、本発明は、上記実施形態のものに限定されるものではない。液状防錆剤は、化成処理膜及びクリヤ塗膜の少なくとも一方に含まれていればよく、化成処理膜のみに含まれてもよいし、クリヤ塗膜のみに含まれてもよい。しかし、充分な耐食性が得られることから、液状防錆剤は、化成処理膜及びクリヤ塗膜の両方に含まれていることが好ましい。化成処理膜及びクリヤ塗膜の一方のみに液状防錆剤が含まれるよりも、化成処理膜及びクリヤ塗膜の両方に液状防錆剤が含まれる方が、耐食性が高くなりやすい。そのため、化成処理膜及びクリヤ塗膜の両方に液状防錆剤が含まれる場合には、液状防錆剤の合計の含有量を少なめにすることができる。
以下に、実施例および比較例によって本発明をさらに具体的に説明する。ただし、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜25及び比較例1〜6)
ステンレス鋼板として、新日鐵住金ステンレス(株)製のステンレス鋼板NSSC FW1/No.4研磨仕上げ材を用いた。このステンレス鋼板の両面に、表1〜4に示す配合の化成処理液を、ロールコーター用いて、蛍光X線の測定でSiOが2〜10mg/mになるように塗装した。次いで、表面到達温度(PMT)が100℃になるように焼き付け、乾燥させた。
次いで、表1〜4に示す配合のクリヤ塗料を、バーコーターを用いて、乾燥時の膜厚が3〜5μmとなるように塗装した。その後、表面到達温度(PMT)が216〜235℃になるように加熱し、アクリル樹脂をジイソシアネートによって架橋して、塗膜を形成した。これにより、クリヤ塗装ステンレス鋼板を得た。
なお、使用したアクリル樹脂としては、数平均分子量が5000、ガラス転移温度が60℃、OH価60mgKOH/gのものを用いた。ジイソシアネートとしては、アミンブロック型のHDIで、NCO価が10%のものを用いた。
防錆剤としては、下記のものを用いた。
液状防錆剤A:アルキルアリルスルホン酸亜鉛塩(25℃でのpHが6.0)
液状防錆剤B:ポリオキシアルキニルアミン塩(25℃でのpHが7.0)
液状防錆剤C:有機リン酸エステル(25℃でのpHが7.3)
液状防錆剤D:脂肪酸アミン塩(25℃でのpHが8.4)
固形防錆剤A:ストロンチウムクロメート
固形防錆剤B:トリポリリン酸二水素アルミニウム
Figure 2015054450
Figure 2015054450
Figure 2015054450
Figure 2015054450
<評価>
得られた塗装ステンレス鋼板について、耐食性、可視光線透過率の減衰率、意匠性目視評価、塗膜の鉛筆硬度、塗膜の密着性、塗膜の加工性を、下記のように測定又は評価した。それらの結果を表1〜4に示す。
(1)耐食性
耐食性は、以下のように試験・評価した。まず、クリヤ塗装ステンレス鋼板の試験板について、JIS K 5600−7−1/中性塩水噴霧試験を24時間実施し、その後、試験板を洗浄することなくそのまま23℃の環境下にて24時間放置した。このサイクルを15回繰り返し、これにより得た試験板を、以下の(i)〜(iii)の方法によって評価した。
これにより得た試験板を、以下の(i)〜(iii)の方法によって評価した。
(i)エリクセン押し出し
デュポン式エリクセン押出し試験機を用い、クリヤ塗装ステンレス鋼板を8mm押し出し、このクリヤ塗装ステンレス鋼板に対して中性塩水噴霧試験を実施して発錆の有無を目視により確認した。
5:押し出し加工部からの発錆は見られない。(合格)
4:押し出し加工部から僅かな点錆が確認できる。(合格)
3:押し出し加工部からはっきりとした発錆がある。(不合格)
2:押し出し加工部から発錆し、錆が下端部まで流れ出ている。(不合格)
1:押し出し加工部から著しく発錆し、塗膜が剥離している。(不合格)
(ii)90度曲げ加工
曲げ半径R=0.5mmにて直角に折り曲げたクリヤ塗装ステンレス鋼板に対して中性塩水噴霧試験を実施して発錆の有無を目視により確認した。
5:加工部に発錆は見られない。(合格)
4:加工部に1点微細な発錆が確認できる。(合格)
3:加工部から数箇所の点錆が確認できる。(不合格)
2:加工部からの大きく発錆し、錆が流れ出ている。(不合格)
1:加工部からの著しい発錆によって塗膜の大部分が剥離している。(不合格)
(iii)切断下端部
塗膜表面部方向から裏面部方向に力が加わるように、クリヤ塗装ステンレス鋼板を切断し、この切断箇所が下端部となるように配置し、中性塩水噴霧試験を実施して発錆の有無を目視により確認した。
5:下端部からの発錆はほとんど見られない。(合格)
4:下端部から数点微細な発錆が確認できる。(合格)
3:下端部の数箇所からの発錆と共に、僅かに錆溜りが確認できる。(不合格)
2:下端部から数箇所の大きな発錆による錆溜りが出来ている(不合格)
1:著しく発錆し、下端部の塗膜の大部分が剥離している。(不合格)
(2)可視光線透過率の減衰率
防錆剤を含まないクリヤ塗膜の可視光線透過率に対する、防錆剤を含むクリヤ塗膜の可視光線透過率の比率を求め、求めた値を可視光線透過率の減衰率とした。減衰率が小さい程、意匠性に優れる。
具体的には、以下のように測定した。
まず、厚さ2mmの無塗装のガラス板に対して、防錆剤を含む無着色のクリヤ塗料を、膜厚が3〜5μmとなるように塗装し、硬化させて塗膜を形成した。その塗膜について、可視光領域の透過率曲線を測定し、この曲線の積分値を算出した。
次に、厚さ2mmの無塗装のガラス板に対して、防錆剤を含まない無着色クリヤ塗料を、膜厚が3〜5μmとなるように塗装し、硬化させて塗膜を形成した。その塗膜について、可視光領域の透過率曲線を測定し、この曲線の積分値を算出した。
さらに、無塗装のガラス板においても同様に可視光領域の透過率曲線を測定し、その積分値を算出した。
これらの数値を元に、下記(1)〜(4)により、可視光線透過率の減衰率を算出した。
なお、光線透過率は、分光光度計(日本分光(株)製V670)を用いて、380nm〜750nmの波長範囲で測定した。
減衰率90%以上:合格、95%以上は特に優れている
減衰率90%未満:不合格
Figure 2015054450
x:無塗装ガラス板の算出積分値
X:無塗装ガラス板の光線透過率(%)
y:防錆剤を含む塗膜と無塗装ガラス板との積層体の算出積分値
Y:防錆剤を含む塗膜の光線透過率(%)
z:防錆剤を含まない塗膜と無塗装ガラス板との積層体の算出積分値
Z:防錆剤を含まない塗膜の光線透過率(%)
(3)意匠性目視評価
得られたクリヤ塗装ステンレス鋼板の意匠性を目視観察により以下の基準で評価した。その際、昼光色蛍光灯下にて、鋼板より20〜30cm程度の距離から観察した。
5:塗膜は完全に透明で、基材ステンレスの研磨目がくっきり見える。(合格)
4:見る角度によってごく僅かに曇りが確認できる。(合格)
3:どの角度からみても塗膜の濁りもしくは曇りが確認できる(不合格)
2:僅かに素地は確認できるが、目視距離を少し離すと素地が分からない。(不合格)
1:完全に隠蔽されて素地が全く見えない。(不合格)
(4)塗膜の鉛筆硬度(表面硬度)
塗膜の表面硬度は、JIS K5600−5−4 引っかき硬度(鉛筆法)に準じ、三菱鉛筆製鉛筆引っかき値試験用鉛筆を用いて、鉛筆硬度にて評価した。
鉛筆硬度H以上:合格、2H以上は特に優れている
鉛筆硬度F以下:不合格
(5)塗膜の密着性
JIS K5600−5−6/付着性(クロスカット法)に従って試験し、以下の基準で評価した。
5:カットの交差部分を含めて、剥離は全く見られない。(合格)
4:カットの交差部分や縁にごく僅かな剥離が見られる。(合格)
3:カットの交差部分や縁から、マス目の2割近くが剥離する。(不合格)
2:カットの縁に沿って大きく欠け、マス目の5割近くが剥離する。(不合格)
1:カットした部分が全面的に剥離する。(不合格)
(6)塗膜の加工性
被試験体として、矩形状の塗装ステンレス鋼板を用意した。該塗装ステンレス鋼板において、その長手方向の中央を境界とした片側を、塗装ステンレス鋼板と同じ厚みの2枚の板で挟んだ。次いで、塗装ステンレス鋼板を、長手方向の中央を折り曲げ部として180度折り曲げて、折り曲げた塗装ステンレス鋼板と2枚の板とを重ね合せ、万力でしっかりと締めた。
これにより伸ばされた加工箇所を30倍ルーペで拡大して目視観察し、そのクラックの程度を以下の基準で評価した。
5:加工箇所にクラックは見られない。(合格)
4:加工箇所に微細なクラックが数箇所見られる。(合格)
3:加工箇所に小さなクラックが多数目視確認できる。(不合格)
2:加工箇所に小さなクラックと合わせて大きなクラックも確認できる。(不合格)
1:加工箇所に大きなクラックが多数入り、塗膜がめくれ上がっている。(不合格)
クリヤ塗膜及び化成処理膜の少なくとも一方に液状防錆剤を含む実施例1〜25では、耐食性及び意匠性に優れていた。また、塗膜の表面硬度、塗膜の密着性及び塗膜の加工性にも優れていた。
クリヤ塗膜及び化成処理膜に防錆剤を一切含まない比較例1では、耐食性が低かった。固形防錆剤を含むが、液状防錆剤を含まない比較例2〜6では、意匠性が低かった。

Claims (4)

  1. ステンレス鋼板と、該ステンレス鋼板の少なくとも一方の面が化成処理されて形成された化成処理膜と、該化成処理膜の表面に形成されたクリヤ塗膜とを備え、
    化成処理膜は、カップリング剤と、液状防錆剤とを含有し、液状防錆剤の含有量が、カップリング剤100質量部に対して10〜250質量部であり、
    クリヤ塗膜は、熱硬化性樹脂の硬化塗膜であり、液状防錆剤を、クリヤ塗膜100質量部に対して0.2〜20質量部含有する、クリヤ塗装ステンレス鋼板。
  2. ステンレス鋼板と、該ステンレス鋼板の少なくとも一方の面が化成処理されて形成された化成処理膜と、該化成処理膜の表面に形成されたクリヤ塗膜とを備え、
    化成処理膜は、カップリング剤と、液状防錆剤とを含有し、液状防錆剤の含有量が、カップリング剤100質量部に対して10〜250質量部である、クリヤ塗装ステンレス鋼板。
  3. ステンレス鋼板と、該ステンレス鋼板の少なくとも一方の面が化成処理されて形成された化成処理膜と、該化成処理膜の表面に形成されたクリヤ塗膜とを備え、
    クリヤ塗膜は、熱硬化性樹脂の硬化塗膜であり、液状防錆剤を、クリヤ塗膜100質量部に対して0.2〜20質量部含有する、クリヤ塗装ステンレス鋼板。
  4. 前記液状防錆剤のpHが7.0以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のクリヤ塗装ステンレス鋼板。
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