JP2015048435A - インクジェットインク組成物、画像記録方法、及び画像記録物 - Google Patents
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Abstract
Description
インクジェット印刷、即ち、インクジェット方式による画像記録に用いられるインクジェットインク組成物(以下、単に「インク」ともいう)としては、溶媒として溶剤を用いた溶剤系のインクのほか、地球環境や作業環境に配慮する点から、溶媒として水を用いた水系のインクが注目されている。
例えば、画像の手触り感などの風合いがよく、優れた耐擦過性を有する画像が記録されるインクとして、ポリマー粒子、インク全量に対する比率が0.5質量%以上8質量%未満であるワックス粒子、着色剤、及び水を含有するインクが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、高い画像濃度を有し、記録紙上での滲みや浸透のない耐水性に優れた画像を提供することが可能で、且つ吐出安定性に優れたインクとして、着色剤、水、非光硬化型樹脂微粒子、および光硬化型樹脂を含有するインクが知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、カールの発生を抑制することができ、保存安定性が良好で、さらにインクの吐出安定性が良好で、画像変形の発生を抑制可能なインクとして、水と、色材と、水溶性高分子増粘剤と、全水溶性有機溶剤に対する含有率が70質量%以上であってSP値が27.5以下の水溶性有機溶剤とを含有し、全水溶性有機溶剤の含有率が30質量%以下であるインクが知られている(例えば、特許文献3参照)。
また、ライン方式のインクジェット記録ヘッドを用いた印字方式により、白スジの発生が抑制され、且つ、鮮鋭性に優れた画像を記録することができるインクとして、顔料、水、及び、水溶性高分子化合物を含有し、この水溶性高分子化合物が、親水性主鎖に対して複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより側鎖間で架橋または重合結合可能な高分子化合物であるインクが知られている(例えば、特許文献4参照)。
また、インクジェット記録方式により、ノーカーボン複写紙の減感剤層を形成するためのインクとして、水溶性有機系減感剤、非水溶性樹脂、及び水を含有し、前記水溶性有機系減感剤の含有量が15〜45質量%であり、前記水溶性有機系減感剤が、ポリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、及びポリプロピレングリコールからなる群より選択される1種又は2種以上であるインクが知られている(例えば、特許文献5参照)。
また、さまざまな記録媒体への印字適性を有し、カラーブリード耐性、ビーディング耐性、画像耐候性に優れ、さらには優れた光沢を示す画像が得られるインクとして、水、活性エネルギー線反応性樹脂微粒子及び親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物を含有するインクジェットインクが知られている(例えば、特許文献6参照)。
しかし近年では、インクジェット方式による高速印刷(高速の画像記録)を達成するために、大液滴(例えば10pL以上)のインクを吐出できる、ノズル径が大きいインクジェットヘッドからインクを吐出して画像を記録する場合がある。この場合には、インクの正常な吐出を行う観点から、高粘度(具体的には、30℃での粘度が10mPa・s以上)のインクを用いることがある。
かかる高粘度のインクを用いた高速の画像記録では、インクの吐出に関し、より高度な吐出安定性が要求される傾向がある。
ここでいう「吐出安定性」には、ヘッドからインクを連続して吐出する際の連続吐出性、及び、ヘッドからインクを間欠的に吐出する際の間欠吐出性の両方が包含される。
しかしこの方法では、画像が硬くなりすぎる場合があり、その結果、画像が記録された記録媒体を曲げ変形させた時に、記録媒体の曲げ変形に画像が追従できず、画像が割れてしまうことがある。かかる画像の割れは、例えば、非吸収性又は低吸収性であり、曲げ変形可能な(例えば厚さがある程度薄い)記録媒体に対し、高粘度のインクを大液滴で吐出して画像を記録する場合に特に問題となり易い。
このように、画像の耐擦性だけでなく、画像が記録された記録媒体を変形させたときの画像の割れを抑制すること、即ち、画像の耐擦性と画像の柔軟性(記録媒体の変形に対する追従性)との両立が求められる場合がある。
即ち、本発明の目的は、吐出安定性に優れ、かつ、耐擦性及び柔軟性に優れた画像を記録できるインクジェットインク組成物及び画像記録方法を提供することである。
また、本発明の目的は、上記画像記録方法によって得られ、耐擦性及び柔軟性に優れた画像を備えた画像記録物を提供することである。
<1> 数平均分子量1000以上の水溶性高分子と、重合性基を有する粒子と、着色剤と、水と、を含有し、水溶性高分子に対する上記粒子の含有質量比〔上記粒子/上記水溶性高分子〕が0.6〜3.5であり、30℃での粘度が10mPa・s〜14mPa・sであるインクジェットインク組成物である。
<2> 上記粒子が、エチレン性二重結合を有するポリウレタン粒子である<1>に記載のインクジェットインク組成物である。
<3> 更に、HLBが3〜12である界面活性剤を含有する<1>又は<2>に記載のインクジェットインク組成物である。
<4> 水溶性高分子の含有量が、1質量%〜16質量%である<1>〜<3>のいずれか1つに記載のインクジェットインク組成物である。
<5> 水溶性高分子が、ポリエチレングリコール、及び、エチレングリコールとプロピレングリコールとの共重合体からなる群から選択される少なくとも1種である<1>〜<4>のいずれか1つに記載のインクジェットインク組成物である。
<6> 水溶性高分子の数平均分子量が、1000〜100000である<1>〜<5>のいずれか1つに記載のインクジェットインク組成物である。
<7> 水溶性高分子の数平均分子量が、4000〜20000である<1>〜<6>のいずれか1つに記載のインクジェットインク組成物である。
<8> <1>〜<7>のいずれか1つに記載のインクジェットインク組成物を、インクジェットヘッドから10pL〜120pLの液滴量で吐出することにより、記録媒体上にインクジェットインク組成物を付与するインク付与工程を有する画像記録方法である。
<9> 記録媒体は、厚さが0.1μm〜1000μmであり、ASTM D570で規定される吸水率(24時間)が0.5%未満である<8>に記載の画像記録方法である。
<10> 記録媒体が、プラスチック製の記録媒体である<8>又は<9>に記載の画像記録方法である。
<11> インクジェットヘッドの吐出面が、金属及びシリコンからなる群から選択される少なくとも1種を含む<8>〜<10>のいずれか1つに記載の画像記録方法である。
<12> 更に、記録媒体上に付与された前記インクジェットインク組成物に光を照射する光照射工程を有する<8>〜<11>のいずれか1つに記載の画像記録方法である。
<13> 更に、インク付与工程後であって光照射工程前に設けられ、記録媒体上に付与されたインクジェットインク組成物を乾燥させる乾燥工程を有する<12>に記載の画像記録方法である。
<14> 乾燥は、記録媒体上に付与されたインクジェットインク組成物に、風速5m/s〜30m/s、温度20℃〜80℃の温風を吹き付けることにより行う<13>に記載の画像記録方法である。
また、本発明によれば、上記画像記録方法によって得られ、耐擦性及び柔軟性に優れた画像を備えた画像記録物が提供される。
また、本明細書において、組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
また、本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても、その工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本発明のインクジェットインク組成物(以下、「本発明のインク」ともいう)は、数平均分子量1000以上の水溶性高分子と、重合性基を有する粒子と、着色剤と、水と、を含有し、上記水溶性高分子に対する上記粒子の含有質量比〔上記粒子/上記水溶性高分子〕が0.6〜3.5であり、30℃での粘度が10mPa・s〜14mPa・sである。
即ち、本発明のインクによれば、インクの吐出安定性が向上し、かつ、耐擦性及び柔軟性に優れた画像を記録できる。
上記吐出安定性の効果は、インクジェットヘッドから本発明のインクを、10pL〜120pLの液滴量(比較的大きい液滴量)で吐出する画像記録方法において、特に効果的に奏される。かかる画像記録方法については後述する。
上記粘度が10mPa・s未満であると、インクの吐出安定性が低下する。例えば、インクがノズルから溢れてノズル面(吐出面)に固着し、その結果、インクの不吐出が生じる場合がある。この不吐出は、ヘッドの吐出面(ノズル面)が、金属及びシリコンからなる群から選択される少なくとも1種を含む場合に、より生じやすい傾向がある。
一方、上記粘度が14mPa・sを超えても、インクの吐出安定性が低下する。
上記粘度は、11mPa・s〜13mPa・sであることがより好ましい。
また、本発明のインクの粘度は、主として、上記水溶性高分子の種類及び含有量、並びに上記含有質量比〔上記粒子/上記水溶性高分子〕によって調整することができる。
含有質量比が上記範囲であると、画像の耐擦性と画像の柔軟性とを両立できる。
上記含有質量比が0.6未満であると、画像の耐擦性が低下する。
一方、上記含有質量比が3.5を超えると、画像の柔軟性が低下する。
上記含有質量比は、0.6〜3.0が好ましい。
本発明のインクは、数平均分子量(Mn)1000以上の水溶性高分子を少なくとも1種含有する。
本発明において、「水溶性高分子」とは、100gの水に対する溶解度(25℃)が1g以上である高分子化合物を指す。
本発明において、上記水溶性高分子は、インク粘度上昇に寄与する成分であるとともに、画像の柔軟性向上に寄与する成分(即ち、画像の可塑剤として機能する成分)である。更に、数平均分子量が1000以上である点で、画像の耐擦性向上に寄与する成分でもある。
水溶性高分子の数平均分子量が1000未満であると、画像のベタつきが生じ、これにより、画像の耐擦性が低下する。また、所望とするインクの粘度を得るために多くの含有量が必要となり、これにより、インクの保存安定性が低下する懸念がある。
水溶性高分子の数平均分子量は1000以上であるが、2000以上であることが好ましく、4000以上であることがより好ましく、6000以上であることが更に好ましく、8000以上であることが特に好ましい。
水溶性高分子として、より具体的には、例えば、ゼラチン類、ポリビニルアルコール類、各種変性ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ビニルホルマール類及びその誘導体、ポリアルキレングリコール類、ポリアクリルアミド、ポリジメチルアクリルアミド、ポリジメチルアミノアクリレート、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸メタクリル酸共重合体塩、ポリメタクリル酸ソーダ、アクリル酸ビニルアルコール共重合体塩のアクリル基を含むポリマー、澱粉、酸化澱粉、カルボキシル澱粉、ジアルデヒド澱粉、デキストリン、アルギン酸ソーダ、アラビアゴム、カゼイン、プルラン、デキストラン、セルロース又はその誘導体(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等)などの天然ポリマー又はその誘導体、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルエーテル、ポリグリセリン、マレイン酸アルキルビニルエーテル共重合体、マレイン酸N−ビニルピロール共重合体、スチレン無水マレイン酸共重合体、エチレングリコールとプロピレングリコールとの共重合体、ポリエチレンイミン等の合成ポリマー等を挙げることができる。
以下では、エチレングリコールとプロピレングリコールとのブロック共重合体を、「ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール共重合体」ということがある。
エチレングリコールとプロピレングリコールとの共重合体(好ましくはポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール共重合体)における、プロピレングリコールに由来する構造単位に対するエチレングリコールに由来する構造単位のモル比(以下、「モル比〔PEG/PPG〕」ともいう)は、インクの吐出性の観点から、3.0以上が好ましく、4.0以上がより好ましく、5.0以上が特に好ましい。
モル比〔PEG/PPG〕の上限には特に制限はないが、モル比〔PEG/PPG〕は、例えば8.0以下とすることができ、7.0以下が好ましい。
・ポリエチレングリコール(数平均分子量(Mn)2000、4000、8000、20000、50000、100000)
・ニューポールPE−68(商品名、三洋化成工業社製、ポリオキシエチレングリコール/ポリオキシプロピレングリコール共重合体、Mn:8800、モル比〔PEG/PPG〕=160/30)
・ニューポールPE−78(商品名、三洋化成工業社製、ポリオキシエチレングリコール/ポリオキシプロピレングリコール共重合体、Mn:3400、モル比〔PEG/PPG〕=150/35)
・ニューポールPE−108(商品名、三洋化成工業社製、ポリオキシエチレングリコール/ポリオキシプロピレングリコール共重合体、Mn:16500、モル比〔PEG/PPG〕=300/55)
・ニューポールPE−128(商品名、三洋化成工業社製、ポリオキシエチレングリコール/ポリオキシプロピレングリコール共重合体、Mn:25000、モル比〔PEG/PPG〕=455/86)
・ポリビニルピロリドン(Mn:10000)
・ポリアクリルアミド(Mn:10000)
本発明のインク中における上記水溶性高分子の含有量は、インクの粘度及び含有質量比〔上記粒子/上記水溶性高分子〕が上述した範囲となるように適宜調整できるが、1質量%〜16質量%が好ましく、1質量%〜14質量%がより好ましく、2質量%〜12質量%が更に好ましく、3質量%〜9質量%が特に好ましい。
本発明のインクは、重合性基を有する粒子(以下、「重合性基含有粒子」ともいう)を少なくとも1種含有する。
本発明において、上記重合性基含有粒子は、主に、画像の耐擦性向上に寄与する。
重合性基含有粒子は、光(例えば紫外線)が照射されることにより、重合性基によって重合し硬化する粒子である。
ここで、「水不溶性」とは、粒子を105℃で2時間乾燥させた後、25℃の水100g中に溶解させたときに、その溶解量が10g以下である粒子を指す。この溶解量は、好ましくは5g以下、更に好ましくは1g以下である。
エチレン性二重結合を有する基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基が好ましく、(メタ)アクリロイル基が特に好ましい。
ここで、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基及びメタクリロイル基の少なくとも一方を意味する。
以下、重合性基を有するポリウレタンを「特定ポリウレタン」ということがあり、重合性基を有するポリウレタン粒子を「特定ポリウレタン粒子」ということがある。
特定ポリウレタン粒子としては、エチレン性二重結合を有するポリウレタン粒子、即ち、重合性基として、エチレン性二重結合を含む基(好ましくは(メタ)アクリロイル基)を有するポリウレタン粒子が特に好ましい。
ここで、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びメタクリレートの少なくとも一方を意味する。
特定ポリウレタン粒子は、合成された特定ポリウレタンを、公知の転相乳化法などにより粒子化することにより作製できる。このとき、合成された特定ポリウレタンに重合開始剤(好ましくは光重合開始剤)を添加して粒子化することにより、特定ポリウレタン粒子中に重合開始剤を導入してもよい。
すなわち、特定ポリウレタンにおけるポリウレタン骨格は、ポリマー間で水素結合のような強固な相互作用が可能なウレタン部位と、ポリマー間での相互作用が比較的弱い非ウレタン部位とから形成されている。そして、インクの膜(画像)が形成される際に、ミクロな構造として、相互作用が比較的強い部位と比較的弱い部位とがそれぞれ寄り集まって海−島構造を構築し、この海−島構造の構築により、画像に柔軟性が付与されるものと推測される。
更に、特定ポリウレタンは、記録された画像に光が照射されると、重合性基による重合によって硬化する。これにより、画像に耐擦性が付与される。
R1で表される脂肪族基としては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水素化m−キシレンジイソシアネート(H6XDI)、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート(H12MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等に由来する2価の基が挙げられる。
R1で表される芳香族基としては、m−キシレンジイソシアネート(XDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)等に由来する2価の基が挙げられる。
このうち、R1としては、画像の耐擦性の観点から、脂肪族基であることが好ましい。これは、比較的柔らかい構造を選択することで、インクが記録媒体に定着した後のインク膜の柔軟性が向上し、画像の耐擦性が向上するためと推察される。
また、mは、整数を表し、後述の分子量を満たす範囲で適宜選択すればよい。
かかる市販品としては、特定ポリウレタン粒子のエマルジョン(分散液)として、大成ファインケミカル社製のアクリットWBR−829、同WBR−829D、同WBR−839(いずれもエチレン性二重結合を有するウレタン(メタ)アクリレート系樹脂のエマルジョン)、等が挙げられる。
ここで、(メタ)アクリルとは、アクリル及びメタクリルの少なくとも一方を指す。
(メタ)アクリル系樹脂としては、アニオン性基を有するものが好ましい。このような(メタ)アクリル系樹脂は、例えば、アニオン性基を有する(メタ)アクリルモノマー(アニオン性基含有(メタ)アクリルモノマー)と、必要に応じて、このアニオン性基含有(メタ)アクリルモノマーと共重合可能な他のモノマーとを溶媒中で重合して得られる。アニオン性基含有(メタ)アクリルモノマーとしては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、及びホスホン基から選ばれる1つ以上の基を有する(メタ)アクリルモノマーが挙げられ、中でもカルボキシル基を有する(メタ)アクリルモノマー(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、エタアクリル酸、プロピルアクリル酸、イソプロピルアクリル酸、イタコン酸、フマル酸等)が好ましく、特に、アクリル酸又はメタクリル酸が好ましい。
スチレン系樹脂としては、スチレン単独重合体のほか、スチレンとアクリルモノマー等の他のモノマーとの共重合体が挙げられる。アクリルモノマーとしては、上記のアクリル系樹脂と同様のアニオン性基含有アクリルモノマーが挙げられる。
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いてポリスチレン換算値として測定された値である。測定条件は下記の通りである。
<条件>
・GPC:HLC−8220 GPC(東ソー社製)
・カラム:TSKgeL SuperHZM−H、TSKgeL SuperHZ4000、TSKgeL SuperHZ2000(いずれも東ソー社製)
・移動相溶媒:テトラヒドロフラン
・標準試料:標準ポリスチレン
・流速:0.35ml/min
・カラム温度:40℃
自己分散性ポリマーについては、特開2013−82209号公報の段落0066〜0108の記載を適宜参照できる。
なお、重合性基含有粒子の平均粒子径及び粒径分布は、ナノトラック粒度分布測定装置(日機装社製、UPA−EX150)を用いて、動的光散乱法により体積平均粒径を測定することで求められるものである。
重合開始剤としては、光重合開始剤が好ましく、ラジカル型光重合開始剤がより好ましい。ラジカル型光重合開始剤の市販品としては、例えば、BASF社製のIRGACUREシリーズ、DAROCURシリーズ、LUCIRINシリーズなどが挙げられる。
重合性基含有粒子が重合開始剤を含む場合、重合開始剤の含有量は、重合性基含有粒子全体に対し、0.1質量%〜20質量%が好ましく、1質量%〜15質量%がより好ましく、1質量%〜10質量%が特に好ましい。
また、重合性基含有粒子中におけるポリマー(例えば特定ポリウレタン)の含有量は、重合性基含有粒子全体に対し、80質量%以上が好ましく、90質量%以上が特に好ましい。
上記ポリマーの含有量の上限には特に制限はないが、重合性基含有粒子が重合開始剤を含む場合には、上記ポリマーの含有量は99.9質量%以下が好ましく、99質量%以下がより好ましい。
本発明のインクにおける重合性基含有粒子の含有量は、インクの粘度及び含有質量比〔粒子/水溶性高分子〕が上述した範囲となるように適宜調整できるが、インク全量に対して、例えば1質量%〜30質量%とすることができ、2質量%〜15質量%が好ましく、3質量%〜10質量%がより好ましい。
本発明のインクは、界面活性剤を少なくとも1種含有することができる。
これにより、インクの表面張力をより効果的に調整できる。
界面活性剤としては特に制限はなく、公知の界面活性剤の中から適宜選択して用いることができる。
界面活性剤としては、アセチレングリコール系界面活性剤が好ましい。
アセチレングリコール系界面活性剤は、他の界面活性剤に比べ、表面張力及びインクと接触するインクジェットヘッド部材(ヘッドノズルなど)との間の界面張力を適正に保ちやすく、泡立ちが発生しにくい。このため、インクがアセチレングリコール系界面活性剤を含有することにより、インクの吐出安定性が高められる。また、インクがアセチレングリコール系界面活性剤を含有することにより、記録媒体に対する濡れ性や浸透性が良好になり、インクの濃淡ムラや滲みが抑えられる。このため、精細な画像形成に有利である。
界面活性剤のHLBが12以下であると、インクの泡立ちや空気の巻き込みをより効果的に抑制でき、吐出安定性をより向上させることができる。
界面活性剤のHLBは、3〜10がより好ましく、3〜8が特に好ましい。
また、界面活性剤としては、数平均分子量が1000未満である界面活性剤が好ましい。
市販品としては、例えば、オルフィンE1008(分子量:578.78、HLB:10−12)、オルフィンE1006(分子量:490.67、HLB9−10)、サーフィノール2520(分子量:562.78、HLB8)、サーフィノール440(分子量:380.54、HLB8)、サーフィノールSE−F(分子量:不明、HLB6)、サーフィノール420(分子量:270.41、HLB4)、サーフィノール104PG−50(分子量:226.36、HLB4)、サーフィノールDF110D(分子量:不明、HLB3)などが挙げられる。
なかでも、好ましくは、サーフィノール2520、サーフィノール440、サーフィノールSE−F、サーフィノール420、サーフィノール104PG−50、サーフィノールDF110Dであり、特に好ましくは、サーフィノールSE−F、サーフィノール420、サーフィノール104PG−50、サーフィノールDF110Dである。
上記市販品の中には、分子量非開示のものがあるが、いずれも、当該界面活性剤の物性より分子量1000以上の化合物ではないことが明らかである。
なお、「界面活性剤」の数平均分子量は、明確に構造がわかる場合は、計算で算出することも可能であるが、ゲル透過クロマトグラフ(GPC)により測定することもできる。GPCは、HLC−8020GPC(東ソー(株)製)を用い、カラムとしてTSKgel SuperHZM−H、TSKgel SuperHZ4000、TSKgel SuperHZ200(東ソー(株)製、4.6mmID×15cm)を、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用い、カラムオーブンの設定温度を40℃として測定する。分子量の算出には、標準ポリスチレンを用いる。
本発明のインクが界面活性剤を含有する場合、その含有量は、インクの表面張力を考慮して適宜選択できるが、0.1質量%〜2質量%が好ましく、0.1質量%〜1.5質量%がより好ましく、0.2質量%〜1質量%が特に好ましい。
本発明のインクは、着色剤を少なくとも1種含有する。
着色剤としては、顔料、染料等が好適であり、中でも画像の耐光性の観点から、顔料が好ましい。顔料は、特に限定されるものではなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、有機顔料又は無機顔料のいずれであってもよい。インク着色性の観点から、顔料は、水に殆ど不溶であるか又は難溶であることが好ましい。
また、無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄系顔料、カーボンブラック系顔料等が挙げられる。
本発明のインクでは、カラーインデックスに記載されていない顔料であっても、水相に分散可能であればいずれも使用可能である。顔料を界面活性剤や高分子分散剤等で表面処理したものや、グラフトカーボン等も使用可能である。
本発明のインクにおいては、上記顔料の中でも、特に、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、及びカーボンブラック系顔料が好ましい。
水分散性顔料の具体例としては、下記(1)〜(4)の顔料が挙げられる。
(1)カプセル化顔料:ポリマー粒子に顔料を含有させてなるポリマー分散物、より詳しくは、親水性水不溶性の樹脂で顔料を被覆し、顔料表面の樹脂層にて親水化することで顔料を水に分散可能にしたもの
(2)自己分散顔料:表面に少なくとも1種の親水基を有し、分散剤の不存在下で水分散性及び水溶性の少なくともいずれかを示す顔料、より詳しくは、主にカーボンブラック等を表面酸化処理して親水化し、顔料単体が水に分散するようにしたもの
(3)樹脂分散顔料:重量平均分子量50,000以下の水溶性高分子化合物により分散された顔料
(4)界面活性剤分散顔料:界面活性剤により分散された顔料
また、自己分散顔料も好ましい例の1つである。自己分散顔料とは、多数の親水性官能基及び/又はその塩(以下、「分散性付与基」と称する。)を、顔料表面に直接又はアルキル基、アルキルエーテル基、アリール基等を介して間接的に結合させたもので、顔料分散用の分散剤を用いずに水性媒体中に分散可能な顔料である。ここで、「分散剤を用いずに水性媒体中に分散」とは、顔料を分散させるための分散剤を用いなくても水性媒体中に分散可能なことをいう。
自己分散顔料は、市販品を使用してもよく、具体的には、マイクロジェットCW−1(商品名;オリヱント化学工業社製)、CAB−O−JET200、CAB−O−JET300(商品名;キャボット社製)等が挙げられる。
本発明のインクにおいて、着色剤として顔料を用いる場合には、分散剤を用いてもよい。
分散剤としては、ポリマー分散剤及び低分子の界面活性剤型分散剤が挙げられ、本発明のインクにおいては、これらのいずれを用いてもよい。
また、ポリマー分散剤としては、水溶性又は非水溶性のいずれの分散剤を用いてもよい。
ポリマー分散剤のなかでも、顔料の分散安定性の観点から、カルボキシル基を含む高分子化合物が好ましく、例えば、水溶性スチレンアクリル樹脂等のアクリル系樹脂、水溶性スチレンマレイン酸樹脂、水溶性ビニルナフタレンアクリル樹脂、水溶性ビニルナフタレンマレイン酸樹脂等のようなカルボキシル基を含む高分子化合物が特に好ましい。
ここでいう水溶性樹脂は、分子内に、架橋剤により架橋反応を起こす基を有している。このような基は、特に限定されないが、カルボキシル基又はその塩、イソシアナート基、エポキシ基等が挙げられる。本発明のインクにおいては、水溶性樹脂は、分散性向上の観点から、カルボキシル基又はその塩を有していることが好ましい。
水溶性樹脂の酸価(水溶性樹脂1gを中和するに必要なKOHのmg数)は、顔料の分散性及び分散安定性の観点から、135mgKOH/g〜250mgKOH/gであることが好ましく、135mgKOH/g〜200mgKOH/gであることがより好ましく、135mgKOH/g〜180mgKOH/gであることが特に好ましい。
水溶性樹脂の顔料に対する量は、10質量%〜250質量%であることが好ましく、10質量%〜200質量%であることがより好ましく、20質量%〜150質量%であることが更に好ましく、30質量%〜100質量%であることが特に好ましい。
染料を保持した担体(水不溶性着色粒子)は、分散剤を用いて水系分散物として用いることができる。分散剤としては上述した分散剤を好適に用いることができる。
また、本発明のインクにおいては、有機顔料とカルボキシル基を含むポリマー分散剤とを含み、顔料表面の少なくとも一部がカルボキシル基を有するポリマー分散剤で被覆された水分散性顔料として含有されることが特に好ましい。
ここで、分散状態での顔料の平均粒子径は、インク化した状態での平均粒子径を示すが、インク化する前段階のいわゆる濃縮インク分散物についても同様である。
本発明のインクが顔料を含有する場合、この顔料のインク中における含有量は、画像濃度の観点から、インクの全量に対して、1質量%〜25質量%であることが好ましく、2質量%〜15質量%であることがより好ましい。
本発明のインクは、水を含有する。
即ち、本発明のインクは、いわゆる水系のインクである。
水としては、不純物を含まないイオン交換水、蒸留水等を用いることが好ましい。
本発明のインクにおける水の含有量は特に限定されるものではないが、保存安定性及び吐出安定性の確保の観点から、10質量%〜90質量%が好ましく、20質量%〜90質量%がより好ましく、30質量%〜90質量%が更に好ましく、40質量%〜90質量%が特に好ましい。
本発明のインクは、水溶性有機溶剤を少なくとも1種含有することができる。
ここで、水溶性有機溶剤とは、25℃の水100gに対して1g以上溶解する有機溶剤を指す。
水溶性有機溶剤としては特に制限はなく、例えば、特開2013−82209の段落0130〜0134に記載された公知の水溶性有機溶剤を用いることができる。
水溶性有機溶剤としては、例えば、2−ピロリドン、ジエチレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。
本発明のインクは、上記の成分に加え、必要に応じて、その他の添加剤を含むことができる。
その他の添加剤としては、例えば、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、重合開始剤、固体湿潤剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。これらの各種添加剤は、インクを調製後に直接添加してもよく、インクの調製時に添加してもよい。
その他の添加剤については、特開2010−65205号公報の段落0088〜0096の記載や、特開2010−70669号公報の段落0083〜0090の記載を適宜参照できる。
本発明のインクの表面張力には特に制限はないが、20mN/m〜40mN/mが好ましく、より好ましくは30mN/m〜38mN/mであり、特に好ましくは、35mN/m〜37mN/mである。
インクの表面張力は、Automatic Surface Tensiometer CBVP−Z(協和界面科学株式会社製)を用い、プレート法により25℃の温度条件下で測定された値を指す。
インクの表面張力は、例えば、界面活性剤の種類や量によって調整することができる。
本発明の画像記録方法は、上記本発明のインクを、インクジェットヘッドから10pL〜120pLの液滴量で吐出することにより、記録媒体上に前記インクジェットインク組成物を付与するインク付与工程を有する。本発明の画像記録方法は、必要に応じ、その他の工程を有していてもよい。
本発明の画像記録方法によれば、インクの吐出安定性が向上し、かつ、耐擦性及び柔軟性に優れた画像を記録できる。
本発明の画像記録方法によれば、例えば、従来よりも高速で記録媒体を搬送しつつ、高周波数で、且つ、比較的大液滴でインクの吐出を行っても、高品質の画像を有する画像記録物が生産性よく得られる。
本発明の画像記録方法では、記録媒体上に、本発明のインクが吐出(付与)されることによって画像が記録される。
記録媒体としては特に制限はなく、支持体や記録材料として公知の記録媒体を用いることができる。
記録媒体の材質としては、例えば、紙、ガラス、金属(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチック(例えば、ポリ塩化ビニル樹脂、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)等が挙げられる。
記録媒体の形状は、シート状(フィルム状)又は板状が好適である。
かかる形状の記録媒体としては、紙、ガラス板、金属板、プラスチックシート(プラスチックフィルム)、プラスチックがラミネートされた紙、金属がラミネート又は蒸着された紙、金属がラミネート又は蒸着されたプラスチックシート(プラスチックフィルム)、等が挙げられる。
即ち、非吸収性又は低吸収性の記録媒体に画像を記録する場合には、インクが記録媒体に浸透しないため、通常は、記録された画像の耐擦性が低下し易い。しかし、上述の本発明のインクを用いた本発明の画像形成方法によれば、非吸収性又は低吸収性の記録媒体に画像を記録する場合でも、画像の耐擦性の低下を抑制できる。
より詳細には、「非吸収性の記録媒体」とは、上記吸水率が0.2%未満である記録媒体を指し、「低吸収性の記録媒体」とは、上記吸水率が0.2%以上0.5%未満である記録媒体を指す。
吸水率の単位である「%」は、質量基準である。
記録媒体の厚みが0.1μm〜1000μmの範囲内であると、記録媒体を曲げ変形させることがより容易となるため、画像の柔軟性(記録媒体の曲げ変形に対する画像の追従性)向上の効果がより効果的に発揮される。
かかる記録媒体として、具体的には、プラスチック製の記録媒体が好ましい。
プラスチックの例については前述のとおりであるが、汎用性の点から、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル樹脂が好ましい。
プラスチック製の記録媒体としては、プラスチックシート(プラスチックフィルム)が挙げられ、より具体的には、食品等を包装する軟包装材、量販店のフロア案内用のパネル、等が挙げられる。
・処理電圧:10〜15.6kV
・処理速度:30〜100mm/s
本発明における親水化処理としては、コストや作業性の点で、コロナ処理を施す態様が好ましい。
インク吐出工程は、上述の記録媒体上に本発明のインクを、インクジェットヘッドから10pL〜120pLの液滴で吐出(付与)して画像を記録する工程である。
ヘッドの耐久性をより向上させる観点から、ヘッドの吐出面(ノズル面)は、金属及びシリコンからなる群から選択される少なくとも1種を含む材質であることが好ましい。
また、上記材質の吐出面を備えたヘッドから水系インクを吐出する場合には、水系インクがノズル面(吐出面)に固着して不吐出が発生し易い傾向がある。
しかし本発明のインク及び画像形成方法によれば、インクの粘度を高くしたこと等の作用により、上記材質の吐出面を備えたヘッドを用いた場合においても不吐出の発生が抑制され、ひいては吐出安定性の低下が抑制される。
ヘッドの吐出面の材質としては、銅、銀、パラジウム、ニッケル、金などの金属;ニッケル/金合金、ステンレス、真鍮などの合金;酸化チタンなどの金属酸化物;シリコン;シリコンの酸化皮膜(SiO2膜)等が挙げられる。
ここで、1パスとは、記録媒体の搬送方向と交差する方向(記録素子の配列方向)について1回の吐出でその方向における走査領域に形成すべきドット(インク滴)の全てを形成して記録する記録方式を意味する。1パスは、ライン方式とも呼ばれており、記録時に搬送される記録媒体の搬送方向と交差する記録媒体幅方向に該記録媒体幅長に対応した長さのヘッド(記録素子が配列されているラインヘッド)が用いられ、該ヘッドに設けられた複数の吐出孔から記録素子の配列方向に同時にインクを吐出する。1パスでは、記録素子の配列方向と交差する方向に記録媒体を走査することで記録媒体の全面に画像の記録が行なえる。従って、短尺のシリアルヘッドを記録媒体の幅方向に走査しながら記録するシャトル方式とは異なり、キャリッジ等の搬送系が不要である。
また、2パスとは、走査領域に形成するドットを2回の吐出により形成して記録する方法である。
液滴量が10pL以上であることは、前述のとおり、高速の画像記録を行える点で有利である。更に、液滴量が10pL以上であることにより、記録媒体上に付与されたインクの領域がより広く確保され、これにより、画像の耐擦性がより高められる。
一方、液滴量が120pL以下であることにより、記録媒体上に付与されたインクの乾燥をより良好に行うことができ、これにより、画像の滲みをより抑制できる。
ヘッドから吐出されるインクの液滴量は、30pL〜120pLがより好ましく、60pL〜120pLがより好ましく、70pL〜110pLが特に好ましい。
インクジェットヘッドの例としては、SapphireQS256/10、SapphireQS256/30、SapphireQS256/80、EmeraldQE256/30、EmelraldQE256/80、Galaxy256/30、Galaxy256/50、Galaxy256/80、Polaris512/15、Polaris512/35、Polaris512/85、SG−1024(いずれも富士フイルムDIMATIX社製)が挙げられる。
光照射工程は、記録媒体上に付与されたインクに光を照射する工程である。
光照射工程において照射する光としては、紫外線(以下、「UV光」という場合がある。)が好適である。
UV光源としては、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、又はUV−LEDが好ましく、中圧水銀ランプ又は低圧水銀ランプがより好ましく、低圧水銀ランプが特に好ましい。
照射条件及び照射方法は、特開昭60−132767号公報に開示されている照射条件及び照射方法を本発明においても同様に適用することができる。具体的には、インクの吐出装置を含むヘッドユニットの両側に光源を設け、いわゆるシャトル方式でヘッドユニットと光源とを走査する方式や、駆動を伴わない別光源によって照射する方式が好ましい。 光照射は、インクが記録媒体に着弾し、加熱乾燥された後、一定時間(例えば、0.01秒間〜120秒間、好ましくは、0.01秒間〜60秒間)を経て行われることが好ましい。
本発明の画像記録方法は、記録媒体上に付与されたインクを乾燥させる乾燥工程を有していてもよい。
乾燥工程を有することにより、耐擦性及び柔軟性に優れた画像をより短時間で得ることができる。更に、記録媒体のシワやカールをより効果的に抑制することができる。
更に、重合性基含有粒子がポリマー(例えば特定ポリウレタン)を含む場合において、上記乾燥として加熱を伴う乾燥を行ったときには、加熱によりポリマーの融着が促進され、良好な皮膜(画像)が形成される。これにより、画像の耐擦性がより一層向上する。
本発明の画像記録方法が光照射工程を有する場合には、乾燥工程は、上記インク吐出工程後であって上記光照射工程前に設けられることが好ましい。
中でも、乾燥温度は、20℃〜150℃であることが好ましく、40℃〜80℃であることがより好ましい。乾燥温度が80℃以下であると、加熱による記録媒体の変形をより抑制できる。
なお、乾燥の時間は、インク組成や記録速度等を考慮して、適宜選択することができる。
乾燥の方法としては、例えば、記録前後の記録媒体に熱を加える方法、記録後の記録媒体に風(温風を含む)を吹き付ける方法、これらを組み合わせた方法等が挙げられる。
乾燥の方法として、より具体的には、強制空気加熱、輻射加熱、伝導加熱、高周波乾燥、マイクロ波乾燥、乾燥空気送風等が挙げられる。
また、温風の風速は、風速5m/s〜30m/sが好ましい。
本工程における乾燥は、記録媒体の変形抑制と乾燥の効率とをより効果的に両立させる観点から、記録媒体上のインクに、風速5m/s〜30m/s、温度20℃〜80℃の温風を吹き付けることにより行うことが特に好ましい。
本発明の画像記録物は、本発明の画像記録方法によって記録された画像を有する。
本発明の画像記録物は、耐擦性及び柔軟性に優れた画像を有するため、例えば、食品等を包装するための軟包装材、量販店のフロア案内用のパネル、紙製又はプラスチック製の手提げ袋等として、好適に用いることができる。
<インクの調製>
下記組成の成分を混合し、マゼンダ(M)インクを得た。
−組成−
・Projet Magenta APD1000(FUJIFILM Imaging Colorants社製、マゼンタ顔料分散液、顔料濃度:14%) ・・・28.57質量部
・WBR−829(大成ファインケミカル社製の水性紫外線硬化型ウレタンアクリレート系樹脂エマルジョン;エチレン性二重結合を有するポリウレタン粒子の39%分散液) ・・・ 13.1質量部
・PEG8000(MPバイオメディカルズ社製のポリエチレングリコール、Mn:8000) ・・・ 6.1質量部
・オルフィンE1010(日信化学工業社製の界面活性剤;HLB13〜14)
・・・ 1質量部
・イオン交換水 ・・・インク総量を100質量部とした場合の残分(質量部)
下記表1に、水溶性高分子(A)と重合性基含有粒子(B)との含有質量比〔B/A〕を示す。
得られたインクについて、以下の測定及び評価を行った。
結果を下記表1に示す。
インクを30℃に温度調整し、振動式粘度計(BROOKFIELD社製、DV−II+VISCOMETER)及びコーンプレート(φ35mm)を用い、温度30℃、相対湿度50%の環境下で、液温30℃のインクの粘度を測定した。
詳細には、上記測定条件の下、トルク20%〜90%、且つ、回転数0.5rpm〜100rpmの条件で測定された測定値(粘度)の平均値を、実施例1におけるインクの粘度とした。
上記インクを60℃で1週間放置し、この放置の前後においてインクの粘度を測定した。得られた測定結果に基づき、下記評価基準に従ってインクの保存安定性を評価した。
インクの粘度は、上記と同様にして測定した。
A:60℃での1週間の放置の前後において、粘度変化量が0.3mPa・s未満であり、実用上問題ない。
B:60℃での1週間の放置の前後において、粘度変化量が0.3mPa・s以上0.5mPa・s未満であり、実用上問題ない。
C:60℃での1週間の放置の前後において、粘度変化量が0.5mPa・s以上0.8mPa・s未満であり、実用上懸念がある。
D:60℃での1週間の放置の前後において、粘度変化量が0.8mPa・s以上であり、実用上問題になる。
上記インクを、Polarisヘッド(富士フイルムDimatix社製)の全ノズル256chから10kHzの周波数にて連続吐出した。この連続吐出において、インクの液滴量は85pLとした。
上記連続吐出の開始から20分経過後において、不吐出を生じることなく吐出できている残存ノズル数を、ストロボ写真撮影によって計測した。
計測結果に基づき、全ノズル数に対する残存ノズル数の割合を求め、下記評価基準に従ってインクの連続吐出性を評価した。
A:連続吐出の開始から20分経過後における残存ノズル数の全ノズル数に対する割合が98%以上であり、実用上問題ない。
B:連続吐出の開始から20分経過後における残存ノズル数の全ノズル数に対する割合が95%以上98%未満であり、実用上問題ない。
C:連続吐出の開始から20分経過後における残存ノズル数の全ノズル数に対する割合が90%以上95%未満であり、実用上懸念がある。
D:連続吐出の開始から20分経過後における残存ノズル数の全ノズル数に対する割合が90%未満であり、実用上問題になる。
上記インクを、Polarisヘッド(富士フイルムDimatix社製)の全ノズル256chから10kHzの周波数にて、1分間連続吐出した。この連続吐出において、インクの液滴量は85pLとした。
上記1分間の連続吐出の後、規定の時間、インクの吐出を停止した。
その後、上記と同様の条件で連続吐出を再開し、この2回目の連続吐出の開始から1分経過後において、不吐出を生じることなく吐出できている残存ノズル数を、ストロボ写真撮影によって計測した。
計測結果に基づき、全ノズル数に対する残存ノズル数の割合を求め、下記評価基準に従ってインクの間欠吐出性を評価した。
A:2回目の連続吐出の開始から1分経過後における残存ノズル数の、全ノズル数に対する割合が98%以上であり、実用上問題ない。
B:2回目の連続吐出の開始から1分経過後における残存ノズル数の、全ノズル数に対する割合が95%以上98%未満であり、実用上問題ない。
C:2回目の連続吐出の開始から1分経過後における残存ノズル数の、全ノズル数に対する割合が90%以上95%未満であり、実用上懸念がある。
D:2回目の連続吐出の開始から1分経過後における残存ノズル数の、全ノズル数に対する割合が90%未満であり、実用上問題になる。
上記インクを、上記連続吐出性の評価と同様にして上質紙上に連続吐出し、上質紙上に100%ベタ画像(200×200dpi、印刷方向平行60cm×印刷方向垂直5cm)を記録した。
画像の記録は、30m/分(1kHz)、50m/分(2kHz)、100m/分(4kHz)、150m/分(6kHz)、200m/分(8kHz)、250m/分(10kHz)の条件(搬送速度及び周波数)で行った。これらの条件において、画像間隔が60秒となるようにして、連続で10回、画像の記録を繰り返した。
得られた画像の品質を目視で確認し、下記評価基準に従った画像品質を評価した。
−評価基準
A: 画像の全体において、濃度ムラやスジが目立たず、実用上問題ない。
B: 画像の全体において、濃度ムラやスジがわずかに確認されるが、実用上問題ない。
C: 画像の全体において、濃度ムラやスジが確認され、実用上懸念がある。
D: 画像の全体において、濃度ムラやスジが確認され、実用上問題になる。
記録媒体として、ポリプロピレンシート(積水成型工業社製、ポリセームP−8134、厚さ200μm)を準備した。このポリプロピレンシートについて、ASTM D570に従って吸水率(24時間)を測定したところ、0.2%未満であった。
上記ポリプロピレンシートに対し、コロナマスター(信光電気計社製、PS−10S)を用い、処理電圧:15kV、処理速度:50mm/secの条件で2回コロナ処理を行なった。
次に、上記インクをインクジェットヘッド(FUJIFILM Dimatix社製、Polaris PQ512/85)に充填した。次いで、このヘッドからインクを、85pLの液滴量で、上記ポリプロピレンシートのコロナ処理を施された側の面に吐出し、200dpi(dot per inch)の100%ベタ画像を記録した。
得られたベタ画像を、ドライヤを用い、風速7m/s、温度40℃の温風を120秒間吹き付けることによって乾燥させた。
次いで、乾燥させたベタ画像に、低圧水銀灯を用い、500mJ/cm2のエネルギーとなる条件でUV光を照射し、ベタ画像を硬化させた。
以上により、画像サンプルを得た。
A:白綿を20回往復させて画像部を擦っても、白綿への色移りは僅かであり、実用上問題ない。
B:白綿を10回往復させて画像部を擦ると、白綿に色移りが僅かに観られたが、実用上問題ない。
C:白綿を10回往復させて画像部を擦ると、白綿に色移りが観られ、実用上懸念がある。
D:白綿を2回往復させて画像部を擦ると、白綿に顕著に色移りが観られ、実用上問題になる。
画像柔軟性を評価する一試験法として、折り曲げ試験を行なった。
評価には、上記画像の耐擦性の評価に用いた画像サンプルと同様の方法により作製した画像サンプルを用いた。
画像サンプルを画像が記録された面方向に折り曲げ、次いで、折り曲げた箇所を画像が記録された面とは逆方向に折り曲げた。この操作を1回の折り曲げとし、画像が割れるまで繰り返し、下記の評価基準に従って画像の柔軟性を評価した。
画像が割れたかどうかは、折り曲げた箇所を、光学顕微鏡(キーエンス社製、VK−9700、倍率:対物10倍)を用いて観察することにより確認した。
A:画像が割れるまでの折り曲げ回数が8回以上であり、実用上問題ない。
B:画像が割れるまでの折り曲げ回数が5回以上7回以下であり、実用上問題ない。
C:画像が割れるまでの折り曲げ回数が2回以上4回以下であり、実用上懸念がある。
D:画像が割れるまでの折り曲げ回数が1回であり、実用上問題になる。
実施例1において、オルフィンE1010(1質量部)を、エアープロダクツアンドケミカルズ社製の界面活性剤「サーフィノール104PG−50」(0.41質量部)に変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行った。
結果を下記表1に示す。
表1中では、「サーフィノール104PG−50」を「SFN104」と表記する。
「サーフィノール104PG−50」のHLBは、表1に示すとおり4である。
実施例2において、WBR−829(13.1質量部)を、大成ファインケミカル社製の水性紫外線硬化型ウレタンアクリレート系樹脂エマルジョン「WBR−829D」(14.6質量部)に変更したこと以外は実施例2と同様の測定及び評価を行った。
測定及び評価の結果を下記表1に示す。
実施例3において、PEG8000(6.1質量部)をPEG2000(11質量部)に変更し、WBR−829Dの量を14.6質量部から20質量部に変更したこと以外は実施例3と同様の操作を行った。
測定及び評価の結果を下記表1に示す。
ここで、PEG2000は、和光純薬工業社製のポリエチレングリコール(Mn:2000)である。
実施例3において、PEG8000(6.1質量部)を、PEG100000(1.5質量部)に変更したこと以外は実施例3と同様の操作を行った。
測定及び評価の結果を下記表1に示す。
ここで、PEG100000は、和光純薬工業社製のポリエチレングリコール(Mn:100000)である。
実施例3において、PEG8000の量を、6.1質量部から5.3質量部に変更したこと以外は実施例3と同様の操作を行った。
測定及び評価の結果を下記表1に示す。
実施例3において、PEG8000の量を、6.1質量部から7.6質量部に変更したこと以外は実施例3と同様の操作を行った。
測定及び評価の結果を下記表1に示す。
実施例3において、PEG8000の量を、6.1質量部から3質量部に変更し、WBR−829Dの量を14.6質量部から25質量部に変更したこと以外は実施例3と同様の操作を行った。
測定及び評価の結果を下記表1に示す。
実施例3において、PEG8000(6.1質量部)からPEG4000(9質量部)に変更し、WBR−829Dの量を14.6質量部から16質量部に変更したこと以外は実施例3と同様の操作を行った。
測定及び評価の結果を下記表1に示す。
実施例3において、PEG8000の量を、6.1質量部から6.55質量部に変更したこと以外は実施例3と同様の操作を行った。
測定及び評価の結果を下記表1に示す。
実施例3において、WBR−829Dの量を、14.6質量部から17.5質量部に変更したこと以外は実施例3と同様の操作を行った。
測定及び評価の結果を下記表1に示す。
実施例3において、PEG8000(6.1質量部)をPEG20000(3.8質量部)に変更し、WBR−829Dの量を14.6質量部から8.6質量部に変更したこと以外は実施例3と同様の操作を行った。
測定及び評価の結果を下記表1に示す。
実施例3において、PEG8000(6.1質量部)をPE−108(3.1質量部)に変更し、WBR−829Dの量を14.6質量部から8.6質量部に変更した以外は実施例3と同様の操作を行った。
測定及び評価の結果を下記表1に示す。
ここで、「PE−108」は、三洋化成工業社製のポリオキシエチレングリコール/ポリオキシプロピレングリコール共重合体(商品名:ニューポールPE−108、Mn:16500、モル比〔PEG/PPG〕=300/55)である。
実施例3において、PEG8000(6.1質量部)を、PEG600(13質量部)に変更したこと以外は実施例3と同様の操作を行った。
測定及び評価の結果を下記表1に示す。
ここで、PEG600は、和光純薬工業社製のポリエチレングリコール(Mn:600)である。
実施例3において、PEG8000(6.1質量部)及びWBR−829D(14.6質量部)を、それぞれ、PEG100000(1.5質量部)及びWBR−829D(19.2質量部)に変更したこと以外は実施例3と同様の操作を行った。
測定及び評価の結果を下記表1に示す。
実施例3において、PEG8000の量を、6.1質量部から5.0質量部に変更したこと以外は実施例3と同様の操作を行った。
測定及び評価の結果を下記表1に示す。
実施例3において、PEG8000の量を、6.1質量部から8.5質量部に変更したこと以外は実施例3と同様の操作を行った。
測定及び評価の結果を下記表1に示す。
実施例1において、PEG8000を用いなかったこと以外は実施例1と同様の操作を行った。
測定及び評価の結果を下記表1に示す。
実施例1において、WBR−829を用いなかったこと以外は実施例1と同様の操作を行った。
測定及び評価の結果を下記表1に示す。
一方、水溶性高分子(A)のMnが1000未満であり含有質量比〔B/A〕が0.6未満である比較例1では、インクの吐出安定性、画像の耐擦性、及び画像の柔軟性(特に画像の耐擦性)が低下した。
また、含有質量比〔B/A〕が3.5を超える比較例2では、画像の柔軟性が低下し、インクの吐出安定性が低下した。
また、粘度が10mPa・s未満である比較例3及び粘度が14mPa・sを超える比較例4では、いずれもインクの吐出安定性が低下した。
また、水溶性高分子(A)を用いず、かつ、粘度が10mPa・s未満である比較例5では、インクの吐出安定性及び画像の柔軟性が低下した。
また、重合性基含有粒子(B)を用いなかった比較例6では、画像の耐擦性及び画像の柔軟性(特に画像の耐擦性)が低下した。
Claims (15)
- 数平均分子量1000以上の水溶性高分子と、重合性基を有する粒子と、着色剤と、水と、を含有し、前記水溶性高分子に対する前記粒子の含有質量比〔前記粒子/前記水溶性高分子〕が0.6〜3.5であり、30℃での粘度が10mPa・s〜14mPa・sであるインクジェットインク組成物。
- 前記粒子が、エチレン性二重結合を有するポリウレタン粒子である請求項1に記載のインクジェットインク組成物。
- 更に、HLBが3〜12である界面活性剤を含有する請求項1又は請求項2に記載のインクジェットインク組成物。
- 前記水溶性高分子の含有量が、1質量%〜16質量%である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物。
- 前記水溶性高分子が、ポリエチレングリコール、及び、エチレングリコールとプロピレングリコールとの共重合体からなる群から選択される少なくとも1種である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物。
- 前記水溶性高分子の数平均分子量が、1000〜100000である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物。
- 前記水溶性高分子の数平均分子量が、4000〜20000である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物。
- 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物を、インクジェットヘッドから10pL〜120pLの液滴量で吐出することにより、記録媒体上に前記インクジェットインク組成物を付与するインク付与工程を有する画像記録方法。
- 前記記録媒体は、厚さが0.1μm〜1000μmであり、ASTM D570で規定される吸水率(24時間)が0.5%未満である請求項8に記載の画像記録方法。
- 前記記録媒体が、プラスチック製の記録媒体である請求項8又は請求項9に記載の画像記録方法。
- 前記インクジェットヘッドの吐出面が、金属及びシリコンからなる群から選択される少なくとも1種を含む請求項8〜請求項10のいずれか1項に記載の画像記録方法。
- 更に、前記記録媒体上に付与された前記インクジェットインク組成物に光を照射する光照射工程を有する請求項8〜請求項11のいずれか1項に記載の画像記録方法。
- 更に、前記インク付与工程後であって前記光照射工程前に設けられ、前記記録媒体上に付与された前記インクジェットインク組成物を乾燥させる乾燥工程を有する請求項12に記載の画像記録方法。
- 前記乾燥は、前記記録媒体上に付与された前記インクジェットインク組成物に、風速5m/s〜30m/s、温度20℃〜80℃の温風を吹き付けることにより行う請求項13に記載の画像記録方法。
- 記録媒体上に、請求項8〜請求項14のいずれか1項に記載の画像記録方法により記録された画像を有する画像記録物。
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