JP2015046429A - 受光素子およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、多層のエピタキシャル成長プロセスを用いない、高感度なゲルマニウム受光素子を提供することにある。
【解決手段】 シリコン基板上の二酸化シリコン層上に、同一のシリコン層を領域に分けてイオン注入によって形成された第1の導電型を有する第1の電極と、第1のキャリア増倍層と、第2の導電型を有する第2の電極とを備え、前記第1のキャリア増倍層の上に細線形状の第1の受光層を備え、前記第1の電極と前記第2の電極は前記第1のキャリア増倍層を介して電気的に接続されており、前記第1のキャリア増倍層と前記第1の受光層は電気的に接続されているように構成する。
【選択図】 図3A

Description

本発明は、IV族元素を用いた受光素子およびその製造方法に関する。
インターネット産業を支えるブロード・バンド・ネットワークでは、光通信が採用されている。この光通信における光の送受信には、III-V族やII-VI族などの化合物半導体を用いたレーザ・ダイオードが使用されている。
一方、情報処理や記憶はシリコンを基幹としたLSI上で行われており、情報の送信は化合物半導体を基幹としたレーザによって行われている。シリコンのチップ間やチップ内といった近距離の光配線をシリコンを用いた光学素子で実現しようとする研究分野はシリコン・フォトニクスと呼ばれている。これは、世界的に広く普及している洗練されたシリコン・ラインを用いて、光学素子を作ろうとする技術である。現在はこれらのシリコン・ラインで、CMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductorの略、相補的MOS型トランジスタ)に基づくLSI(Large Scale Integrationの略、大規模集積回路)が生産されているが、将来的には、このようなシリコン・フォトニクスによる光回路をCMOS回路と集積したフォトニクスとエレクトロニクスの融合回路技術が実現すると考えられている。
シリコン・フォトニクスにおいて消費電力を低減するためには微小な光信号を高感度に受信する受信機が必要となる。高感度な受信機の候補として、ゲルマニウムを受光層として用いたアバランシェフォトダイオードがある。従来のゲルマニウム・アバランシェフォトダイオードは、例えば非特許文献1に記載されている。非特許文献1のシリコン基板上に電極となるシリコン層、キャリアの増倍層となるアンドープシリコン層を形成した後、単結晶ゲルマニウムからなる光の吸収層を設け、電極となるp型ドーピングをしたゲルマニウム層を形成する。ゲルマニウムの受光層で光が吸収されると、光のエネルギーによって電子とホールが発生し、電子は増倍層に、ホールはp型電極に移動する。そして、キャリアの増倍層であるシリコン層に電子が到達すると、印加電圧によって電子が加速され、増倍層内で散乱される際にキャリアを次々と発生させる。
Johnsi E. Bowers, Daoxin Dai, Yimin Kang, Mike Morse, "High-gain high-sensitivity resonant Ge/Si APD photodetectors", Proceeding of SPIE, Vol. 7660, p.76603H-1-8.
上述のようにシリコンのチップ内光配線、あるいはチップ間光配線のための高感度な受光素子として、ゲルマニウムを用いたアバランシェフォトダイオードの研究が行われている。従来のゲルマニウム・アバランシェフォトダイオードはシリコン基板上にドーピング濃度の異なるシリコン層及びゲルマニウム層を順次エピタキシャル成長する事によって形成される。
しかしながら、チップ内光配線において、多層のエピタキシャル成長膜上に形成された、ゲルマニウム受光領域にチップ上の導波路に光を効率良く結合させるためには多層のエピタキシャル成長によって生じた段差を補償するプロセスが必要となり、素子作製コストが上昇する。また、各エピタキシャル成長層の膜厚及びドーピング濃度を精密に制御したプロセスが必要となるため、素子の作製コストが高価になってしまう。従って、高感度な光受信機を低コストで作製するためには、多層のエピタキシャル成長プロセスを用いない、ゲルマニウム・アバランシェフォトダイオードが必要となる。
本発明の目的は、多層のエピタキシャル成長プロセスを用いない、高感度なゲルマニウム受光素子を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明では、シリコン基板上の第1の二酸化シリコン層上に、同一のシリコン層を領域に分けてイオン注入によって形成された第1の導電型を有する第1の電極と、第1のキャリア増倍層と、第2の導電型を有する第2の電極とを備え、前記第1のキャリア増倍層の上に細線形状の第1の受光層を備え、前記第1の電極と前記第2の電極は前記第1のキャリア増倍層を介して電気的に接続されており、前記第1のキャリア増倍層と前記第1の受光層は電気的に接続されていることを特徴とする受光素子を構成する。
また、上記課題を解決するために本発明では、前記第1の受光層は、ゲルマニウム、またはシリコンとゲルマニウムの混晶、またはゲルマニウムとスズの混晶で構成されている。
また、上記課題を解決するために本発明では、受光素子の製造方法において、シリコン基板上の二酸化シリコン層上に形成されたシリコン層上にシリコン・ゲルマニウム層を堆積させて、第1および第2のキャリア増倍層を形成する領域上のシリコン・ゲルマニウム層のみを残す加工をして、自己整合ハードマスクを構成し、フォトリソグラフィーを用いたレジストパターニングにより前記シリコン層を領域に分け、p型不純物をイオン注入して第1の電極を、p型不純物をイオン注入して電界緩和層を、及びPイオンをイオン注入して第2の電極をそれぞれ形成し、二酸化シリコン層を堆積した後、前記第1のキャリア増倍層の上のシリコン・ゲルマニウム層、及び二酸化シリコン層をウェットエッチングにより除去し、前記第1のキャリア増倍層の上に細線形状のゲルマニウム層を選択エピタキシャル成長により形成し、表面の二酸化シリコン層、および前記第2のキャリア増倍層上のシリコン・ゲルマニウム層をウェットエッチングにより除去し、二酸化シリコン層を堆積した後、前記第1の電極と前記第2の電極の上の所望の領域の二酸化シリコン層を除去して、該領域にそれぞれ金属材料で形成された電極を形成するようにした。
本発明によれば、IV族元素で構成された高感度な受光素子を安価に提供することができる。
第1、第3の各実施例に係る発光素子の製造工程を説明するための断面図である。 第1、第3の各実施例に係る発光素子の製造工程を説明するための断面図である。 第1、第3の各実施例に係る発光素子の製造工程を説明するための上面模式図である。 第1の各実施例に係る発光素子の製造工程を説明するための断面図である。 第1の各実施例に係る発光素子の製造工程を説明するための断面図である。 第1の各実施例に係る発光素子の製造工程を説明するための上面模式図である。 第1の各実施例に係る発光素子の製造工程を説明するための断面図である。 第1の各実施例に係る発光素子の製造工程を説明するための断面図である。 第1の各実施例に係る発光素子の製造工程を説明するための上面模式図である。 第2の各実施例に係る発光素子の製造工程を説明するための断面図である。 第2の各実施例に係る発光素子の製造工程を説明するための断面図である。 第2の各実施例に係る発光素子の製造工程を説明するための上面模式図である。 第3の各実施例に係る発光素子の製造工程を説明するための断面図である。 第3の各実施例に係る発光素子の製造工程を説明するための断面図である。 第3の各実施例に係る発光素子の製造工程を説明するための上面模式図である。 第3の各実施例に係る発光素子の製造工程を説明するための断面図である。 第3の各実施例に係る発光素子の製造工程を説明するための断面図である。 第3の各実施例に係る発光素子の製造工程を説明するための上面模式図である。 第3の各実施例に係る発光素子の製造工程を説明するための断面図である。 第3の各実施例に係る発光素子の製造工程を説明するための断面図である。 第3の各実施例に係る発光素子の製造工程を説明するための上面模式図である。 第4の各実施例に係る発光素子の製造工程を説明するための断面図である。 第4の各実施例に係る発光素子の製造工程を説明するための断面図である。 第4の各実施例に係る発光素子の製造工程を説明するための上面模式図である。 第5の各実施例に係る発光素子の製造工程を説明するための断面図である。 第5の各実施例に係る発光素子の製造工程を説明するための断面図である。 第5の各実施例に係る発光素子の製造工程を説明するための上面模式図である。
以下、実施例により詳細に説明する。以下、半導体受光素子として、ゲルマニウム・アバランシェフォトダイオードを例に実施形態を説明する。
第1の実施例に係る発光素子について図1A〜図3A、図1B〜図3B、図1C〜図3Cを用いて説明する。本実施例では、通常のシリコン・プロセスを用いて容易に形成可能な方法によって作成したゲルマニウム・アバランシェフォトダイオード及びその製造方法について説明する。
図1A〜図3A、図1B〜図3Bは、製造工程順の発光素子の断面構造を示す。また、図1C〜図3Cは、上から見た製造工程順の発光素子の模式図を示す。ここで図1A〜図3A、及び図1B〜図3Bは、図1C〜図3Cに示す水平ライン23、及び垂直ライン24でそれぞれ切り出した時の断面構造を表している。本実施例におけるデバイスの完成図は図3A、図3B及び図3Cである。
以下、順を追って製造工程を説明する。
まず、図1A、図1B及び図1Cに示すように、支持基板として、シリコン基板1、埋め込み酸化膜として二酸化シリコン層2及びSilicon On Insulator(以下SOIと略す)層3が積層されたSOI基板を用意する。本実施例で試作したSOI層3は表面に(100)面を有しており、プロセス前の初期膜厚は70nmであった。また、二酸化シリコン層2の膜厚は2000nmであった。
図1Aに示すように、シリコン基板1の裏面にも二酸化シリコン層2が形成されている。これは、シリコン基板1のウェハの反りを防止するためのものである。2000nmと厚い二酸化シリコン層2を形成しているため、シリコン基板1に強い圧縮応力が印加されており、表面と裏面に同じ膜厚だけ形成させることでウェハ全体として反りが低減、あるいは防止される。この裏面の二酸化シリコン層2もプロセス中に無くならないように注意を払わなくてはならない。洗浄やウェットエッチングのプロセス中に裏面の二酸化シリコン層2が消失してしまうとウェハ全体が反ってしまい、静電チャックにウェハが吸着されないようになり、その後の製造プロセスが行えなくなる懸念がある。
次にレジストを塗布した後に、フォトリソグラフィーによるマスク露光によって、所望の領域にのみレジストを残した後に、異方性ドライエッチングを施すことによって、SOI層3をメサ形状に加工した。この工程によって、SOI層を島状(メサ形状)に分離する。また、本実施例で行ったようにSOI層3をメサ形状に加工する代わりに、Shallow Trench Isolation(STI)やLocal Oxidation of Si(LOCOS)工程などによって分離を施しても差し支えない。
引き続き、洗浄工程を施した後、表面を保護するために、SOI層3の表面を酸化して厚さ約30nmの二酸化シリコン層2を形成した。二酸化シリコン層2はこの後のプロセスで導入されるイオン注入によってSOI層3が受けるダメージを軽減するばかりでなく、活性化熱処理によって不純物が大気中に抜けるのを抑制する役割がある。この際、裏面にも二酸化シリコン層2は形成される。また、二酸化シリコン層2は必ずしも熱酸化プロセスによって形成する必要もなく、Chemical Vapor Deposition(CVD)などの装置を用いて、表面にのみ堆積させる工程を用いても差し支えない。
次に、イオン注入によって不純物をSOI層3の所望の領域に入れる。不純物注入に際しては、まず、フォトリソグラフィーを用いたレジストパターニングによって、所望の領域のみにレジストを残した後に、BFイオンをイオン注入することによって、SOI層3中に、p型にドープされた電界緩和層4を形成した。引き続き、レジストを除去した後に、再び、フォトリソグラフィーを用いたパターニングを用いたレジストパターニングによって、所望の領域のみにレジストを残した後に、BFイオンをイオン注入することによって、SOI層3中に、p型拡散層電極5を形成した。引き続き、レジストを除去した後に、再び、フォトリソグラフィーを用いたレジストパターニングによって、所望の領域のみにレジストを残した後に、Pイオンをイオン注入することによってSOI層3中にn型拡散層電極6を形成した。引き続き900℃の窒素雰囲気中で20分間のアニール処理を行うことによって、不純物を活性化させると同時にSOI層3の結晶性を回復させ、図2A、図2B、及び図2Cの状態とした。p型拡散層電極5及びn型拡散層電極6はデバイス完成後にそれぞれ正孔及び電子を注入するための電極としての役割がある。また、電界緩和層4はデバイス完成後に光電流をキャリア増倍層に注入する役割がある。電界緩和層4とn型拡散層電極6はアンドープのSOI層3を介して接続されており、前記アンドープのSOI層はデバイス完成後にデバイスに電圧を印加した時、大きな電界がかかるため、キャリア増倍層としての機能を持つ。
このイオン注入工程においては、イオンが注入された部分のSOI層3がアモルファス化するため、結晶性が悪くなる。そこで、図には示していないが、SOI層3の表面のみがアモルファス化し、SOI層3が二酸化シリコン層2と隣接している領域には結晶シリコンが残るようにしていることが重要である。イオン注入の加速電圧を高く設定しすぎると、イオン注入した領域のSOI層3の全てを非晶質化してしまうため、その後のアニール処理を施しても、単結晶性が回復せず、多結晶になってしまうという問題が生じる。本実施例ではSOI層3の表面のみがアモルファス化するような条件でイオン注入を行うことにより、二酸化シリコン層2と隣接している領域には結晶シリコン層が残っているため、イオン注入後の活性化熱処理などによって結晶性を回復させることができる。
次にフォトリソグラフィーを用いたレジストパターニングによって所望の領域のみにレジストを残し、フッ酸を用いたウェットエッチングを施すことによって、二酸化シリコン層2の所望の領域に開口部を設けた。二酸化シリコン層2の開口に関してはドライエッチングを用いても差し支えない。
引き続き、洗浄工程を施した後、SOI層3の開口部へ厚さ200nmのゲルマニウム層7の選択エピタキシャル成長を行った。
ゲルマニウム層7はそのバンドギャップエネルギーに対応して、1550nm付近の波長までの光を吸収する事ができるため、デバイス完成後に光吸収層として機能する。また、ゲルマニウムは屈折率が約4程度と大きいため、シリコン細線導波路などの光導波路を伝搬してきた光信号を容易に結合する事が出来る。本実施例ではゲルマニウム層7は細線形状に加工されている。
次に、CVD等で二酸化シリコン層2を堆積した後、フォトリソグラフィーを用いたレジストパターニングによって、所望の領域のみにレジストを残し、フッ酸を用いたウェットエッチングによって所望の領域の二酸化シリコン層を除去した。なお、加工方法は異方性ドライエッチングを用いても差し支えない。引き続き全面にTiN及びAl層を堆積させた後、フォトリソグラフィーを用いたレジストパターニングによって所望の領域のみにレジストを残し、Al層をウェットエッチングで加工した後にTiN層をウェットエッチングで加工し、その結果TiN電極8及びAl電極9を形成した。なお、加工方法は異方性ドライエッチングを用いても差し支えない。引き続き、水素アニール処理を施し、プロセス中に生じた欠陥を水素終端する処理を行うことで図3A、図3B,図3Cの状態としてデバイスを完成させた。
図3Aを用いて、上記で作製したデバイス、すなわちゲルマニウム・アバランシェホトダイオードの構成と動作特性について説明する。
細線形状のゲルマニウム層7が電界緩和層4上に設けられ、p型拡散層電極5及びn型拡散層電極6が、電界緩和層4とアンドープのSOI層3を介して電気的に接続されている。p型拡散層電極5とn型拡散層電極6の間に逆方向電圧を印加している際、ゲルマニウム層7に微小な光信号が入力されると、ゲルマニウム層7が入力光を吸収して電子正孔対を生成する。生成した電子と正孔は電界によってそれぞれ、n型電極6、p型電極5に引き抜かれるが、電子は高電界が印加されているアンドープSOI層3を通過する際にアバランシェ増幅を起こし、キャリア数が増大し、受光素子としての感度が10倍向上した。
ゲルマニウム層7は屈折率が高いため、シリコン基板1に対して平衡に出射された光と効率良く結合するため、オンチップ上での光配線などの用途に最適であることも実証された。
ところで、上述の図3A、図3B及び図3Cでは配線工程の前までの工程とその構造を示したが、光集積回路を形成する場合には、この後所望の配線処理を施せばよい。また、電子回路と混載させる時には、上述の工程の幾つかをトランジスタ形成の工程と同時に行うことが出来る。このように通常のシリコン・プロセスを通して光デバイスを作製すると、電子デバイスとの混載は容易である。特に、本発明に基づくゲルマニウム・アバランシェフォトダイオードは光ファイバの伝送ロスの少ない波長1550nm付近の光の受光が可能であるため、従来の光通信のインフラをそのまま活用して、高信頼、低価格の受光素子を提供できることが明らかになった。
以上、本実施例によれば、IV族元素で構成された高感度なゲルマニウム受光素子を提供することができる。
第2の実施例について、図3A、図4A、図3B、図4B、および図3C、図4C、を用いて説明する。なお、実施例1に記載され本実施例に未記載の事項は特段の事情がない限り本実施例にも適用することができる。本実施例では、ゲルマニウム受光層に伸長歪みを印加する事によって波長1550nm付近の光に対して感度の高いゲルマニウム・アバランシェフォトダイオード及びその製造方法を開示する。
図3A、図4A、図3B、図4Bは、ゲルマニウム受光素子の断面構造を示す。また、図3C、図4Cは、上から見たゲルマニウム受光素子の模式図を示す。ここで図3A、図4A、及び図3B、図4Bは、図3C、図4Cにおける水平ライン23、及び垂直ライン24でそれぞれ切り出した時の断面構造を表している。本実施例におけるデバイスの完成図は図4A、図4B及び図4Cである。
以下、順を追って製造工程を説明する。
図3A、図3B、及び図3Cまでの工程は実施例1と同様なので省略する。図3A、図3B、及び図3Cの状態からCVD等で窒化シリコン層10を堆積した。この時、窒化シリコン層10は接している膜に伸長歪を印加する成長条件を用いて堆積したため、窒化シリコン層10は二酸化シリコン層2を介してゲルマニウム層7に伸長歪みを印加する事ができる。次に、フォトリソグラフィーを用いたレジストパターニングによって、所望の領域のみにレジストを残し、ドライエッチングによって所望の領域の窒化シリコン層を除去し、図4A、図4B、及び図4Cの状態としてデバイスを完成させた。
図4Aを用いて、上記で作製したデバイス、すなわちゲルマニウム・アバランシェホトダイオードの構成と動作特性について説明する。
細線形状のゲルマニウム層7が電界緩和層4上に設けられ、p型拡散層電極5及びn型拡散層電極6が、電界緩和層4とアンドープのSOI層3を介して電気的に接続されている。また、窒化シリコン層10とゲルマニウム層7が二酸化シリコン層2を介して接続されている。窒化シリコン層10は接している膜に対して伸長歪を印加する性質を持つため、ゲルマニウム層7には伸長歪が印加されている。p型拡散層電極5とn型拡散層電極6の間に逆方向電圧を印加している際、ゲルマニウム層7に波長が1550nm付近の微小な光信号が入力されると、ゲルマニウム層7が入力光を吸収して電子正孔対を生成する。この時、ゲルマニウム層7には窒化シリコン層10によって伸長歪が印加されているため、バンドギャップエネルギーが小さくなり、結果として波長1550nm付近の光の吸収係数が大きくなる。その結果、伸長歪が印加されていない場合と比較して波長1550nm付近の光に対する受光感度が10倍向上した。生成した電子と正孔は電界によってそれぞれ、n型電極6、p型電極5に引き抜かれるが、電子は高電界が印加されているアンドープSOI層3を通過する際にアバランシェ増幅を起こし、キャリア数が増大し、受光素子としての感度がさらに10倍向上した。
ゲルマニウム層7は屈折率が高いため、シリコン基板1に対して平衡に出射された光と効率良く結合するため、オンチップ上での光配線などの用途に最適であることも実証された。
ところで、上述の図4A、図4B及び図4Cでは配線工程の前までの工程とその構造を示したが、光集積回路を形成する場合には、この後所望の配線処理を施せばよい。また、電子回路と混載させる時には、上述の工程の幾つかをトランジスタ形成の工程と同時に行うことが出来る。このように通常のシリコン・プロセスを通して光デバイスを作製すると、電子デバイスとの混載は容易である。特に、本発明に基づくゲルマニウム・アバランシェフォトダイオードは光ファイバの伝送ロスの少ない波長1550nm付近の光の受光が可能であるため、従来の光通信のインフラをそのまま活用して、高信頼、低価格の受光素子を提供できることが明らかになった。
以上、本実施例によれば、IV族元素で構成された高感度なゲルマニウム受光素子を提供することができる。
第3の実施例について、図1A、図5A〜図7A、図1B、図5B〜図7B、および図1C、図5C〜図7Cを用いて説明する。なお、実施例1、2に記載され本実施例に未記載の事項は特段の事情がない限り本実施例にも適用することができる。本実施例では、自己整合プロセスを用いる事によって素子製造の歩留りが高いゲルマニウム・アバランシェフォトダイオード及びその製造方法を開示する。
図1A、図5A〜図7A、図1B、図5B〜図7Bは、製造工程順の発光素子の断面構造を示す。また、図1C、図5C〜図7Cは、上から見た製造工程順の発光素子の模式図を示す。ここで図1A、図5A〜図7A、及び図1B、図5B〜図7Bは、図1C、図5C〜図7Cに示す水平ライン23、及び垂直ライン24でそれぞれ切り出した時の断面構造を表している。本実施例におけるデバイスの完成図は図7A、図7B及び図7Cである。
以下、順を追って製造工程を説明する。
まず、図1A、図1B及び図1Cに示すように、支持基板として、シリコン基板1、埋め込み酸化膜として二酸化シリコン層2及びSilicon On Insulator(以下SOIと略す)層3が積層されたSOI基板を用意する。本実施例で試作したSOI層3は表面に(1,0,0)面を有しており、プロセス前の初期膜厚は70nmであった。また、二酸化シリコン層2の膜厚は2000nmであった。
次にレジストを塗布した後に、フォトリソグラフィーによるマスク露光によって、所望の領域にのみレジストを残した後に、異方性ドライエッチングを施すことによって、SOI層3をメサ形状に加工した。この工程によって、SOI層を島状(メサ形状)に分離する。また、本実施例で行ったようにSOI層3をメサ形状に加工する代わりに、Shallow Trench Isolation(STI)やLocal Oxidation of Si(LOCOS)工程などによって分離を施しても差し支えない。
引き続き、洗浄工程を施した後、表面を保護するために、SOI層3の表面を酸化して厚さ約30nmの二酸化シリコン層2を形成した。二酸化シリコン層2はこの後のプロセスで導入されるイオン注入によってSOI層3が受けるダメージを軽減するばかりでなく、活性化熱処理によって不純物が大気中に抜けるのを抑制する役割がある。この際、裏面にも二酸化シリコン層2は形成される。また、二酸化シリコン層2は必ずしも熱酸化プロセスによって形成する必要もなく、Chemical Vapor Deposition(CVD)などの装置を用いて、表面にのみ堆積させる工程を用いても差し支えない。
次にCVDなどの装置を用いて、ゲルマニウム組成が30%のシリコン・ゲルマニウム層11を表面に堆積させる。本実施例ではゲルマニウム組成を30%としたが、組成が異なっていても差し支えない。
次にレジストを塗布した後に、フォトリソグラフィーによるマスク露光によって、所望の領域にのみレジストを残した後に、異方性ドライエッチングを施すことによって、シリコン・ゲルマニウム層11を加工した。加工されたシリコン・ゲルマニウム層はこの後のプロセスで行われるイオン注入の際の自己整合ハードマスクとして用いられる。
次に、イオン注入によって不純物をSOI層3の所望の領域に入れる。レジストを塗布した後に、フォトリソグラフィーによるマスク露光によって、所望の領域にのみレジストを残した後に、BFイオンをイオン注入することによって、SOI層3中に、p型にドープされた電界緩和層4を形成した。引き続き、レジストを除去した後に、再び、フォトリソグラフィーを用いたパターニングを用いたレジストパターニングによって、所望の領域のみにレジストを残した後に、BFイオンをイオン注入することによって、SOI層3中に、p型拡散層電極5を形成した。引き続き、レジストを除去した後に、再び、フォトリソグラフィーを用いたレジストパターニングによって、所望の領域のみにレジストを残した後に、Pイオンをイオン注入することによってSOI層3中にn型拡散層電極6を形成した。これらのイオン注入プロセスに際して、通常はフォトリソグラフィーの合わせずれによって完成後の素子の性能にバラツキが生じるが、本実施例においては、レジストの端部をシリコン・ゲルマニウム層11上に重なるようにレイアウトする事によって、シリコン・ゲルマニウム層11をハードマスクとして用いる事が出来る。即ち、シリコン・ゲルマニウム層11によって電界緩和層4、p型拡散層電極5、n型拡散層電極6のイオン注入領域を決定する事ができるため、フォトリソグラフィーの際に生じる合わせずれを回避する事ができ、結果として完成後のデバイスの性能バラツキが抑制されて製造歩留りを向上する事が出来る。
引き続き900℃の窒素雰囲気中で20分間のアニール処理を行うことによって、不純物を活性化させると同時にSOI層3の結晶性を回復させ、図5A、図5B、及び図5Cの状態とした。p型拡散層電極5及びn型拡散層電極6はデバイス完成後にそれぞれ正孔及び電子を注入するための電極としての役割がある。また、電界緩和層4はデバイス完成後に光電流をキャリア増倍層に注入する役割がある。電界緩和層4とn型拡散層電極6はアンドープのSOI層3を介して接続されており、前記アンドープのSOI層はデバイス完成後にデバイスに電圧を印加した時、大きな電界がかかるため、キャリア増倍層としての機能を持つ。
次にCVDなどの装置を用いて100nmの厚さの二酸化シリコン層2を堆積した後、フォトリソグラフィーを用いたレジストパターニングによって、所望の領域のみにレジストを残した後に、異方性ドライエッチングを施すことによって二酸化シリコン層2に開口部を設けてシリコン・ゲルマニウム層11の一部を露出させた。引き続き、洗浄工程を施した後、二酸化シリコン層2の開口によって露出したシリコン・ゲルマニウム層11を過酸化水素水を含む薬液を用いたウェットエッチングによって除去した。
さらに引き続きフッ酸を用いたウェットエッチングによって二酸化シリコン層2の一部を開口した。この際、前記の工程で除去されたシリコン・ゲルマニウム層11の下部の二酸化シリコン層は膜厚が30nmと薄いため、エッチング時間を調整する事によって該当する領域のみ開口する事が出来た。
引き続き、洗浄工程を施した後、SOI層3の開口部へ厚さ200nmのゲルマニウム層7の選択エピタキシャル成長を行い、図6A、図6B、図6Cの状態とした。
ゲルマニウム層7はそのバンドギャップエネルギーに対応して、1550nm付近の波長までの光を吸収する事ができるため、デバイス完成後に光吸収層として機能する。また、ゲルマニウムは屈折率が約4程度と大きいため、シリコン細線導波路などの光導波路を伝搬してきた光信号を容易に結合する事が出来る。本実施例ではゲルマニウム層7は細線形状に加工されている。
次にフッ酸を用いたウェットエッチングによってp型拡散層電極5やn型拡散層電極6を含むSOI層上の二酸化シリコン層2を除去した。この際、リフトオフによってシリコン・ゲルマニウム層11も除去された。
引き続きCVD等で二酸化シリコン層2を堆積した後、フォトリソグラフィーを用いたレジストパターニングによって、所望の領域のみにレジストを残し、フッ酸を持ちいたウェットエッチングによって所望の領域の二酸化シリコン層を除去した。なお、加工方法は異方性ドライエッチングを用いても差し支えない。引き続き全面にTiN及びAl層を堆積させた後、フォトリソグラフィーを用いたレジストパターニングによって所望の領域のみにレジストを残し、Al層をウェットエッチングで加工した後にTiN層をウェットエッチングで加工し、その結果TiN電極8及びAl電極9を形成した。なお、加工方法は異方性ドライエッチングを用いても差し支えない。引き続き、水素アニール処理を施し、プロセス中に生じた欠陥を水素終端する処理を行うことで図7A、図7B,図7Cの状態としてデバイスを完成させた。
図7Aを用いて、上記で作製したデバイス、すなわちゲルマニウム・アバランシェホトダイオードの構成と動作特性について説明する。
細線形状のゲルマニウム層7がSOI層3上に設けられ、p型拡散層電極5及びn型拡散層電極6が、アンドープのSOI層3、電界緩和層4とアンドープのSOI層3を介して電気的に接続されている。p型拡散層電極5とn型拡散層電極6の間に逆方向電圧を印加している際、ゲルマニウム層7に微小な光信号が入力されると、ゲルマニウム層7が入力光を吸収して電子正孔対を生成する。生成した電子と正孔は電界によってそれぞれ、n型電極6、p型電極5に引き抜かれる。素子に逆バイアスを印加した際に、電界緩和層4とn型拡散層電極6の間に設けられたアンドープSOI層3に特に強い電界が印加されるため、電界緩和層4とn型拡散層電極6の間に設けられたアンドープのSOI層を通過する際にアバランシェ増幅を起こし、キャリア数が増大し、受光素子としての感度が10倍向上した。
本素子を大量生産するにあたって、キャリア増倍層として機能するアンドープのSOI層3や電界緩和層4のサイズがばらつくとアバランシェフォトダイオードとしての動作電圧がばらつく懸念があるが、本実施例で開示した自己整合プロセスを用いればフォトリソグラフィーによる合わせずれを回避できるため、結果として素子の製造歩留りが向上した。
ゲルマニウム層7は屈折率が高いため、シリコン基板1に対して平衡に出射された光と効率良く結合するため、オンチップ上での光配線などの用途に最適であることも実証された。
ところで、上述の図7A、図7B及び図7Cでは配線工程の前までの工程とその構造を示したが、光集積回路を形成する場合には、この後所望の配線処理を施せばよい。また、電子回路と混載させる時には、上述の工程の幾つかをトランジスタ形成の工程と同時に行うことが出来る。このように通常のシリコン・プロセスを通して光デバイスを作製すると、電子デバイスとの混載は容易である。特に、本発明に基づくゲルマニウム・アバランシェフォトダイオードは光ファイバの伝送ロスの少ない波長1550nm付近の光の受光が可能であるため、従来の光通信のインフラをそのまま活用して、高信頼、低価格の受光素子を提供できることが明らかになった。
以上、本実施例によれば、IV族元素で構成された高感度なゲルマニウム受光素子を歩留りよく提供することができる。
第4の実施例について、図8A、図8B、および図8C、を用いて説明する。なお、実施例1〜3に記載され本実施例に未記載の事項は特段の事情がない限り本実施例にも適用することができる。本実施例では、高速動作に適したゲルマニウム・アバランシェフォトダイオードを開示する。
ここで図8A、図8Bは、図8Cに示す水平ライン23、及び垂直ライン24でそれぞれ切り出した時の断面構造を表している。
図8Aを用いて、上記で作製したデバイス、すなわちゲルマニウム・アバランシェフォトダイオードの構成と動作特性について説明する。
細線形状のゲルマニウム層7がSOI層3上に設けられ、p型拡散層電極5及びn型拡散層電極6が、アンドープのSOI層3、電界緩和層4とアンドープのSOI層3を介して電気的に接続されている。また、ゲルマニウム層7の両側面には斜めイオン注入によって、p型に低濃度ドーピングされたゲルマニウム層12が形成されている。
p型拡散層電極5とn型拡散層電極6の間に逆方向電圧を印加している際、ゲルマニウム層7に微小な光信号が入力されると、ゲルマニウム層7が入力光を吸収して電子正孔対を生成する。
生成された電子正孔対はゲルマニウム層7中に印加された電界によってドリフトし、p型拡散層電極5、及びn型拡散層電極6に引き抜かれるが、ゲルマニウム層7中の電界が一定でないと、キャリアのドリフト速度に分布が生じて、素子の応答速度としては遅い成分のキャリアのドリフトに制限される懸念がある。
本実施例では光を吸収するゲルマニウム層7の両側面に低濃度ドーピングされたゲルマニウム層12があるため、ゲルマニウム層7中に均一に電界を印加する事が可能となり、生成した電子正孔対のドリフト速度を一定にする事ができるため、高速動作における応答性が向上した。
生成した電子と正孔は電界によってそれぞれ、n型電極6、p型電極5に引き抜かれる。素子に逆バイアスを印加した際に、電界緩和層4とn型拡散層電極6の間に設けられたアンドープSOI層3に特に強い電界が印加されるため、電界緩和層4とn型拡散層電極6の間に設けられたアンドープのSOI層を通過する際にアバランシェ増幅を起こし、キャリア数が増大し、受光素子としての感度が10倍向上した。
ゲルマニウム層7は屈折率が高いため、シリコン基板1に対して平衡に出射された光と効率良く結合するため、オンチップ上での光配線などの用途に最適であることも実証された。
ところで、上述の図8A、図8B及び図8Cでは配線工程の前までの工程とその構造を示したが、光集積回路を形成する場合には、この後所望の配線処理を施せばよい。また、電子回路と混載させる時には、上述の工程の幾つかをトランジスタ形成の工程と同時に行うことが出来る。このように通常のシリコン・プロセスを通して光デバイスを作製すると、電子デバイスとの混載は容易である。特に、本発明に基づくゲルマニウム・アバランシェフォトダイオードは光ファイバの伝送ロスの少ない波長1550nm付近の光の受光が可能であるため、従来の光通信のインフラをそのまま活用して、高信頼、低価格の受光素子を提供できることが明らかになった。
以上、本実施例によれば、IV族元素で構成された高感度なゲルマニウム受光素子を歩留りよく提供することができる。
第5の実施例について、図9A、図9B、および図9C、を用いて説明する。なお、実施例1〜4に記載され本実施例に未記載の事項は特段の事情がない限り本実施例にも適用することができる。本実施例では、電子と正孔をそれぞれアバランシェ増幅するゲルマニウム・アバランシェフォトダイオードを開示する。ここで図9A、図9Bは、図9Cに示す水平ライン23、及び垂直ライン24でそれぞれ切り出した時の断面構造を表している。
図9Aを用いて、上記で作製したデバイス、すなわちゲルマニウム・アバランシェフォトダイオードの構成と動作特性について説明する。
細線形状のゲルマニウム層7がアンドープのSOI層3上に設けられ、p型拡散層電極5及びn型拡散層電極6が、アンドープのSOI層3を介して電気的に接続されている。
p型拡散層電極5とn型拡散層電極6の間に逆方向電圧を印加している際、ゲルマニウム層7に微小な光信号が入力されると、ゲルマニウム層7が入力光を吸収して電子正孔対を生成する。
生成した電子と正孔は電界によってそれぞれ、n型電極6、p型電極5に引き抜かれる。素子に逆バイアスを印加した際に、アンドープSOI層3に特に強い電界が印加されるため、アンドープのSOI層を通過する際にアバランシェ増幅を起こした。この際、電子と正孔それぞれがアンドープのSOI層を通過する際にアバランシェ増幅を起こしたため、キャリア数が飛躍的に増大し、受光素子としての感度が15倍向上した。
ゲルマニウム層7は屈折率が高いため、シリコン基板1に対して平衡に出射された光と効率良く結合するため、オンチップ上での光配線などの用途に最適であることも実証された。
ところで、上述の図8A、図8B及び図8Cでは配線工程の前までの工程とその構造を示したが、光集積回路を形成する場合には、この後所望の配線処理を施せばよい。また、電子回路と混載させる時には、上述の工程の幾つかをトランジスタ形成の工程と同時に行うことが出来る。このように通常のシリコン・プロセスを通して光デバイスを作製すると、電子デバイスとの混載は容易である。特に、本発明に基づくゲルマニウム・アバランシェフォトダイオードは光ファイバの伝送ロスの少ない波長1550nm付近の光の受光が可能であるため、従来の光通信のインフラをそのまま活用して、高信頼、低価格の受光素子を提供できることが明らかになった。
以上、本実施例によれば、IV族元素で構成された高感度なゲルマニウム受光素子を歩留りよく提供することができる。
また、実施例1乃至5において、受光層としてゲルマニウム層7を使用する例を示したが、受光層をゲルマニウムに替えて、シリコンとゲルマニウムの混晶、またはゲルマニウムとスズの混晶で構成しても、ほぼ同様の効果が得られる。
1…シリコン基板、2…二酸化シリコン層、3…SOI層、4…電界緩和層、5…p型拡散層電極、6…n型拡散層電極、7…ゲルマニウム層、8…TiN電極、9…Al電極、10…窒化シリコン層、11…シリコン・ゲルマニウム層、12…p型に低濃度ドーピングされたゲルマニウム層。

Claims (15)

  1. シリコン基板上の第1の二酸化シリコン層上に、同一のシリコン層を領域に分けてイオン注入によって形成された第1の導電型を有する第1の電極と、第1のキャリア増倍層と、第2の導電型を有する第2の電極とを備え、
    前記第1のキャリア増倍層の上に細線形状の第1の受光層を備え、
    前記第1の電極と前記第2の電極は前記第1のキャリア増倍層を介して電気的に接続されており、
    前記第1のキャリア増倍層と前記第1の受光層は電気的に接続されていることを特徴とする受光素子。
  2. 請求項1記載の受光素子において、
    前記二酸化シリコン層上に第1の電界緩和層を更に備え、
    前記第1の電極と前記第1のキャリア増倍層が前記第1の電界緩和層を介して電気的に接続されており、
    第2の受光層は前記第1のキャリア増倍層に替えて、前記第1の電界緩和層上に設けられていることを特徴とする受光素子。
  3. 前記細線形状の第1の受光層上には、第2の二酸化シリコン膜、および窒化シリコン膜が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項2記載の受光素子。
  4. 請求項1記載の受光素子において、
    前記二酸化シリコン層上に第1の電界緩和層、第2のキャリア増倍層を更に備え、
    前記第1の電極と前記第2の電極が、前記第2のキャリア増倍層、前記第1の電界緩和層、および前記第1のキャリア増倍層を介して電気的に接続されており、
    第3の受光層は前記第1のキャリア増倍層に替えて、前記第2のキャリア増倍層上に設けられていることを特徴とする受光素子。
  5. 前記第3の受光層の上には第2の二酸化シリコン膜が形成され、前記第3の受光層の両側面に前記第1の電界緩和層と同じ極性を持つ不純物が低濃度にイオン注入され、その上に窒化シリコン膜が形成されていることを特徴とする請求項4記載の受光素子。
  6. 請求項1乃至5のいずれかの請求項に記載の受光素子において、
    前記第1乃至3の受光層は、ゲルマニウム、またはシリコンとゲルマニウムの混晶、またはゲルマニウムとスズの混晶で構成されていることを特徴とする受光素子。
  7. 請求項1乃至5のいずれかの請求項に記載の受光素子において、
    前記第1の電極は、シリコン層にp型不純物をイオン注入することによって形成され、
    前記第2の電極は、シリコン層にn型不純物をイオン注入することによって形成されていることを特徴とする受光素子。
  8. 請求項2乃至5のいずれかの請求項に記載の受光素子において、
    前記第1の電界緩和層はシリコンにp型不純物をイオン注入することにより構成されていることを特徴とする受光素子。
  9. 請求項8記載の受光素子において、
    前記第1の電界緩和層は前記第1の電極と同じ導電型であり、導電性が前記第1の電極より低いことを特徴とする受光素子。
  10. シリコン基板上の二酸化シリコン層上に形成されたシリコン層をフォトリソグラフィーを用いたレジストパターニングにより領域に分け、p型不純物をイオン注入して第1の電極を、及びn型不純物をイオン注入して第2の電極をそれぞれ形成し、
    前記第1の電極と前記第2の電極の間に挟まれたアンドープのキャリア増倍層の上に細線形状のゲルマニウム層を選択エピタキシャル成長により形成し、
    二酸化シリコン層を堆積した後、前記第1の電極と前記第2の電極の上の所望の領域の二酸化シリコン層を除去して、該領域にそれぞれ金属材料で形成された電極を形成することを特徴とする受光素子の製造方法。
  11. 請求項10に記載の受光素子の製造方法において、
    前記シリコン基板上の二酸化シリコン層上に形成されたシリコン層をフォトリソグラフィーを用いたレジストパターニングにより領域に分け、前記第1の電極と前記キャリア増倍層の間に、BF2イオンをイオン注入して電界緩和層を更に形成し、
    前記キャリア増倍層に替えて前記電界緩和層の上に細線形状のゲルマニウム層を選択エピタキシャル成長により形成することを特徴とする受光素子の製造方法。
  12. 請求項11に記載の受光素子の製造方法において、
    前記ゲルマニウム層の上に堆積した二酸化シリコン層の上に、窒化シリコン層を堆積し、
    前記窒化シリコン層を、前記ゲルマニウム層が形成された領域を覆う部分のみを残して、ドライエッチングにより除去することを特徴とする受光素子の製造方法。
  13. シリコン基板上の二酸化シリコン層上に形成されたシリコン層上にシリコン・ゲルマニウム層を堆積させて、第1および第2のキャリア増倍層を形成する領域上のシリコン・ゲルマニウム層のみを残す加工をして、自己整合ハードマスクを構成し、
    フォトリソグラフィーを用いたレジストパターニングにより前記シリコン層を領域に分け、p型不純物をイオン注入して第1の電極を、p型不純物をイオン注入して電界緩和層を、及びn型不純物をイオン注入して第2の電極をそれぞれ形成し、
    二酸化シリコン層を堆積した後、前記第1のキャリア増倍層の上のシリコン・ゲルマニウム層、及び二酸化シリコン層をウェットエッチングにより除去し、
    前記第1のキャリア増倍層の上に細線形状のゲルマニウム層を選択エピタキシャル成長により形成し、
    表面の二酸化シリコン層、および前記第2のキャリア増倍層上のシリコン・ゲルマニウム層をウェットエッチングにより除去し、
    二酸化シリコン層を堆積した後、前記第1の電極と前記第2の電極の上の所望の領域の二酸化シリコン層を除去して、該領域にそれぞれ金属材料で形成された電極を形成することを特徴とする受光素子の製造方法。
  14. 請求項13に記載の受光素子の製造方法において、
    前記ゲルマニウム層の両側面に、斜めイオン注入によって前記電界緩和層と同じ極性を持つ不純物を低濃度ドーピングされたゲルマニウム層を更に形成し、
    前記ゲルマニウム層の上に堆積した二酸化シリコン層の上に、窒化シリコン層を堆積し、
    前記窒化シリコン層を、前記ゲルマニウム層が形成された領域を覆う部分のみを残して、ドライエッチングにより除去することを特徴とする受光素子の製造方法。
  15. 請求項10乃至13のいずれかの請求項に記載の受光素子の製造方法において、
    シリコン基板上の二酸化シリコン層上に形成されたシリコン層を領域に分けて形成する前記第1、第2の電極、及び前記第1の電界緩和層には、少なくとも二酸化シリコン層と接続する領域には結晶シリコン層が残るようにイオン注入することを特徴とする受光素子の製造方法。
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