JP2015046426A - 光電変換装置の製造方法 - Google Patents

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祐介 宮道
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Abstract

【課題】 大面積で作製しても半導体層における組成ばらつきを少なくすることが可能な光電変換装置の製造方法を提供する。【解決手段】 基板1上に金属元素を含む皮膜3aが配されている基体A1、A2を2枚準備する工程と、2枚の基体A1、A2をそれぞれの皮膜3a同士が対向するように隙間をあけて配置する工程と、隙間に第1カルコゲン元素を含むガスGを流動させながら2枚の基体A1、A2を加熱することによって金属元素と第1カルコゲン元素とを反応させて金属カルコゲナイドを含む半導体層3を形成する工程とを具備する。【選択図】 図5

Description

本発明は、金属カルコゲナイドを含む光電変換装置の製造方法に関するものである。
太陽光発電等に使用される光電変換装置として、CISやCIGS等の金属カルコゲナイドを含む半導体層を光吸収層として用いたものがある。このような光電変換装置は、例えば特許文献1に記載されている。
このような金属カルコゲナイドを用いた光電変換装置は、複数の光電変換セルが平面的に並設された構成を有する。各光電変換セルは、ガラス等の基板の上に、金属電極等の下部電極と、光吸収層やバッファ層等からなる光電変換層と、透明電極や金属電極等の上部電極とが、この順に積層されて構成される。また、複数の光電変換セルは、隣り合う一方の光電変換セルの上部電極と他方の光電変換セルの下部電極とが接続導体によって電気的に接続されることで、電気的に直列に接続されている。
このような金属カルコゲナイドを含む半導体層は、下部電極上に金属を含む皮膜が形成され、この皮膜が、セレン等のカルコゲン元素を含む雰囲気で熱処理され、カルコゲン化されることによって形成される。
特開2009−135299号公報
金属カルコゲナイドを含む半導体層は、量産性の向上のため、一辺が50cm以上の大面積で作製されることが要求される。しかしながら、大面積の皮膜を雰囲気ガスとの反応でカルコゲン化しようとすると、皮膜の全面を均一にカルコゲン化するのが困難である。皮膜のカルコゲン化反応が十分に進行しない場合、皮膜中の金属元素の一部が気化して消失しやすくなり、組成ばらつきが大きくなる傾向がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、大面積で作製しても半導体層における組成ばらつきを少なくすることが可能な光電変換装置の製造方法を提供する。
本発明の一態様に係る光電変換装置の製造方法は、基板上に金属元素を含む皮膜が配されている基体を2枚準備する工程と、前記2枚の基体をそれぞれの前記皮膜同士が対向するように隙間をあけて配置する工程と、前記隙間に前記第1カルコゲン元素を含むガスを流動させながら前記2枚の基体を加熱することによって前記金属元素と前記第1カルコゲン元素とを反応させて金属カルコゲナイドを含む半導体層を形成する工程とを具備する。
本発明の上記態様によれば、大面積で作製しても半導体層における組成ばらつきを少なくすることが可能となる。
本発明の一実施形態に係る光電変換装置の製造方法を用いて作製した光電変換装置の一例を示す斜視図である。 図1の光電変換装置の断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 光電変換装置の製造途中における加熱炉内の様子を模式的に示す断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 光電変換装置の製造方法の他の例における加熱炉内の様子を模式的に示す断面図である。
以下、本発明の一実施形態に係る光電変換装置の製造方法について、図面を参照しながら説明する。なお、図面においては同様な構成および機能を有する部分については同一符号が付されており、下記説明では重複説明が省略される。また、図面は模式的に示されたものであり、各図における各種構造のサイズおよび位置関係等は正確に図示されたものではない。
<(1)光電変換装置の構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る光電変換装置の製造方法を用いて作製した光電変換装置11の一例を示す斜視図である。図2は、図1の光電変換装置11のXZ断面図である。なお、図1から図9には、光電変換セル10の配列方向(図1の図面視左右方向)をX軸方向とする右手系のXYZ座標系が付されている。
光電変換装置11は、基板1の主面上に複数の光電変換セル10が並設された構成を有している。図1では、図示の都合上、2つの光電変換セル10のみが示されているが、実際の光電変換装置11には、図面のX軸方向、或いは更に図面のY軸方向に、多数の光電変換セル10が平面的に(二次元的に)配列されている。
各光電変換セル10は、下部電極層2、第1の半導体層3、第2の半導体層4、上部電極層5、および集電電極7を主に備えている。光電変換装置11では、上部電極層5および集電電極7が設けられた側の主面が受光面となっている。また、光電変換装置11には、第1〜3溝部P1,P2,P3といった3種類の溝部が設けられている。
基板1は、複数の光電変換セル10を支持するものであり、例えば、ガラス、セラミックス、樹脂、または金属等の材料で構成されている。具体例として、例えば、基板1として、1〜3mm程度の厚さを有する青板ガラス(ソーダライムガラス)が挙げられる。
下部電極層2は、基板1の主面の上に設けられた導電層であり、例えば、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、または金(Au)等の金属、あるいはこれらの金属の積層構造体からなる。また、下部電極層2は、0.2〜1μm程度の厚さを有し、例えば、スパッタリング法または蒸着法等の公知の薄膜形成方法によって形成される。
光吸収層としての第1の半導体層3は、下部電極層2の+Z側の主面の上に設けられた、第1の導電型(ここではp型の導電型)を有する半導体層であり、1〜3μm程度の厚さを有している。そして、第1の半導体層3は、金属カルコゲナイドを主として含む半導体層である。金属カルコゲナイドとは、金属元素とカルコゲン元素との化合物である。また、カルコゲン元素とは16族元素(VI−B族元素ともいう)のうちのS、Se、Teをいう。金属カルコゲナイドとしては、11族元素(I−B族元素ともいう)と13族元素(III−B族元素ともいう)と16族元素との化合物であるI−III−VI族化合物、11族元素と12族元素(II−B族元素ともいう)と14族元素(IV−B族元素ともいう)と16族元素との化合物であるI−II−IV−VI族化合物および12族元素と16族元素との化合物であるII−VI族化合物等が採用され得る。
I−III−VI族化合物としては、例えば、CuInSe(二セレン化銅インジウム、
CISともいう)、Cu(In,Ga)Se(二セレン化銅インジウム・ガリウム、CIGSともいう)、Cu(In,Ga)(Se,S)(二セレン・イオウ化銅インジウム・ガリウム、CIGSSともいう)が挙げられる。あるいは、第1の半導体層3は、薄膜の二セレン・イオウ化銅インジウム・ガリウム層を表面層として有する二セレン化銅インジウム・ガリウム等の多元化合物半導体薄膜にて構成されていてもよい。
I−II−IV−VI族化合物としては、例えば、CuZnSnS(CZTSともいう)、CuZnSn(S,Se)(CZTSSeともいう)、およびCuZnSnSe(CZTSeともいう)が挙げられる。また、II−VI族化合物としては、例えば、CdTe等が挙げられる。
第2の半導体層4は、第1の半導体層3の主面の上に設けられた半導体層である。この第2の半導体層4は、第1の半導体層3の導電型とは異なる導電型(ここではn型の導電型)を有している。第1の半導体層3と第2の半導体層4との接合によって、第1の半導体層3で光電変換されて生じた正負キャリアが良好に電荷分離される。なお、導電型が異なる半導体とは、主要な伝導担体(キャリア)が異なる半導体のことである。また、上記のように第1の半導体層3の導電型がp型である場合、第2の半導体層4の導電型は、n型でなく、i型であっても良い。更に、第1の半導体層3の導電型がn型またはi型であり、第2の半導体層4の導電型がp型である態様も有り得る。
第2の半導体層4は、例えば、硫化カドミウム(CdS)、硫化インジウム(In)、硫化亜鉛(ZnS)、酸化亜鉛(ZnO)、セレン化インジウム(InSe)、In(OH,S)、(Zn,In)(Se,OH)、および(Zn,Mg)O等の化合物半導体によって構成されている。そして、電流の損失が低減される観点から言えば、第2の半導体層4は、1Ω・cm以上の抵抗率を有するものとすることができる。なお、第2の半導体層4は、例えばケミカルバスデポジション(CBD)法等で形成される。
また、第2の半導体層4は、第1の半導体層3の主面の法線方向に厚さを有する。この厚さは、例えば5〜200nmに設定される。
上部電極層5は、第2の半導体層4の上に設けられた、n型の導電型を有する透明導電膜であり、第1の半導体層3において生じた電荷を取り出す電極である。上部電極層5は、第2の半導体層4よりも低い抵抗率を有する物質によって構成されている。上部電極層5には、いわゆる窓層と呼ばれるものも含まれ、この窓層に加えて更に透明導電膜が設けられる場合には、これらが一体の上部電極層5とみなされても良い。
上部電極層5は、禁制帯幅が広く且つ透明で低抵抗の材料を主に含んでいる。このような材料としては、例えば、ZnO、InおよびSnO等の金属酸化物半導体等が採用され得る。これらの金属酸化物半導体には、Al、B、Ga、In、FおよびSn等のうちの何れかの元素が含まれても良い。このような元素が含まれた金属酸化物半導体の具体例としては、例えば、AZO(Aluminum Zinc Oxide)、GZO(Gallium Zinc Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、ITO(Indium Tin Oxide)、FTO(Fluorine tin Oxide)等がある。
上部電極層5は、スパッタリング法、蒸着法、または化学的気相成長(CVD)法等によって、0.05〜3.0μmの厚さを有するように形成される。ここで、第1の半導体層3から電荷が良好に取り出される観点から言えば、上部電極層5は、1Ω・cm未満の抵抗率と、50Ω/□以下のシート抵抗とを有するものとすることができる。
第2の半導体層4および上部電極層5は、第1の半導体層3が吸収する光の波長領域に対して光を透過させ易い性質(光透過性とも言う)を有する素材によって構成され得る。これにより、第2の半導体層4と上部電極層5とが設けられることで生じる、第1の半導体層3における光の吸収効率の低下が低減される。
また、光透過性が高められると同時に、光反射のロスが防止される効果と光散乱効果とが高められ、更に光電変換によって生じた電流が良好に伝送される観点から言えば、上部電極層5は、0.05〜0.5μmの厚さとなるようにすることができる。更に、上部電極層5と第2の半導体層4との界面で光反射のロスが低減される観点から言えば、上部電極層5と第2の半導体層4との間で絶対屈折率が略同一となるようにすることができる。
集電電極7は、Y軸方向に離間して設けられ、それぞれがX軸方向に延在している。集電電極7は、導電性を有する電極であり、例えば、銀(Ag)等の金属からなる。
集電電極7は、第1の半導体層3において発生して上部電極層5において取り出された電荷を集電する役割を担う。集電電極7が設けられれば、上部電極層5の薄層化が可能となる。
集電電極7および上部電極層5によって集電された電荷は、第2溝部P2に設けられた接続導体6を通じて、隣の光電変換セル10に伝達される。接続導体6は、例えば、図2に示されるように集電電極7のY軸方向への延在部分によって構成されている。これにより、光電変換装置11においては、隣り合う光電変換セル10の一方の下部電極層2と、他方の集電電極7とが、第2溝部P2に設けられた接続導体6を介して電気的に直列に接続されている。なお、接続導体6は、これに限定されず、上部電極層5の延在部分によって構成されていてもよい。
集電電極5は、良好な導電性が確保されつつ、第1の半導体層3への光の入射量を左右する受光面積の低下が最小限にとどめられるように、50〜400μmの幅を有するものとすることができる。
<(2)光電変換装置の製造方法>
図3から図9は、光電変換装置11の製造途中の様子をそれぞれ模式的に示す断面図である。図3から図9で示される各断面図は、図2で示された断面に対応する部分の製造途中の様子を示す。
まず、洗浄された基板1の主面の略全面に、スパッタリング法等を用いて、Mo等からなる下部電極層2を成膜する。そして、下部電極層2の上面のうちのY方向に沿った直線状の形成対象位置からその直下の基板1の上面にかけて、第1溝部P1を形成する。第1溝部P1は、例えば、YAGレーザー等によるレーザー光を走査しつつ形成対象位置に照射することで溝加工を行なう、レーザースクライブ加工によって形成することができる。図3は、第1溝部P1を形成した後の状態を示す図である。
第1溝部P1を形成した後、下部電極層2の上に、金属元素を含む皮膜3aを形成する
。皮膜3aに含まれる金属元素は、第1の半導体層3に含まれる金属カルコゲナイドを構成する金属元素である。皮膜3aは、例えば、第1の半導体層3に含まれる金属カルコゲナイドがI−III−VI族化合物であれば、Cu元素等の11族元素、およびIn元素やG
a元素等の13族元素を含んでいればよい。また、第1の半導体層3に含まれる金属カルコゲナイドがI−II−IV−VI族化合物であれば、皮膜3aは、Cu等の11族元素、Zn等の12族元素、およびSn等の14族元素を含んでいればよい。また、第1の半導体層3に含まれる金属カルコゲナイドがII−VI族化合物であれば、皮膜3aは、Cd等の12族元素を含んでいればよい。
特に光吸収係数が高く、5μm以下の薄膜でも高い光電変換効率の第1の半導体層3を得ることができるという観点からは、皮膜3aに含まれる金属元素として11族元素および13族元素を用いて第1の半導体層3としてI−III−VI族化合物を含むようにするか
、あるいは皮膜3aに含まれる金属元素として11族元素、12族元素および14族元素を用いて第1の半導体層3としてI−II−IV−VI族化合物を含むようにしてもよい。
皮膜3aの作製方法は特に限定されず、種々の方法を用いることができる。例えば、スパッタリング法や蒸着法等の薄膜形成方法を用いて作製してもよい。他の方法としては、例えば、後述する原料液を用いて、いわゆる塗布法または印刷法と称されるプロセスによって作製してもよい。なお、皮膜3aは複数層からなっていてもよい。図4は、皮膜3aを形成した後の状態を示す図である。以下では、基板1、下部電極層2および皮膜3aの積層体を基体Aという。
皮膜3aを塗布法または印刷法と称されるプロセスによって作製する場合に用いる原料液としては、例えば、金属元素を含む有機化合物、金属元素を含む無機化合物、金属元素の単体等を有機溶媒等に溶解または分散したものを用いることができる。
上記基体Aを複数枚用意し、これらを加熱炉100に設置する。複数の基体Aの加熱炉100への設置は、図5に示すように、2枚の基体A1、A2を、隙間をあけてそれぞれの皮膜3a同士が対向する(皮膜3a同士が向かい合う)ようにする。複数の基体Aは2枚の基体A同士が対向した一対に限らず、複数対であってもよい。図5では6枚の基体A1〜A6が加熱炉100内に設置されている。そして、基体A1の皮膜3aと基体A2の皮膜3aとが対向している。また、基体A3の皮膜3aと基体A4の皮膜3aとが対向している。また、基体A5の皮膜3aと基体A6の皮膜3aとが対向している。
そして、一対の基体A1と基体A2の隙間、一対の基体A3と基体A4の隙間、および、一対の基体A5と基体A6の隙間に、第1カルコゲン元素を含むガスを流動させながら、基体A1〜A6を加熱する。この加熱によって、皮膜3a中の金属元素と第1カルコゲン元素とを反応させて、皮膜3aを、金属カルコゲナイドを含む第1の半導体層3にする。
このような方法によって、1辺が50cm以上の四角形状のような大面積で第1の半導体層3を作製しても第1の半導体層3における組成ばらつきを少なくすることが可能になる。これは以下の理由によると考えられる。
つまり、従来法としての特許文献1の方法のように、金属元素を含む皮膜を、カルコゲン元素を含む雰囲気ガス中で加熱すると、雰囲気ガスが、自然対流によってあるいは攪拌ファンによって対流されているために、皮膜の近傍では、雰囲気ガスの流れが生じることとなる。そして、雰囲気ガスの流れの上流側では、カルコゲン化反応が進行し易いのに対し、下流側では、カルコゲン化反応が進行し難くなる。そして、この下流側では、カルコゲン化反応が進行し難い状態で加熱されるため、皮膜中の金属元素が雰囲気中に気化して
金属元素の含有量が減少し易くなる。その結果、第1の半導体層に組成ばらつきが生じる。特に1辺が50cm以上の四角形状のような大面積で第1の半導体層を作製しようとすると、組成ばらつきが顕著になりやすい。一方、雰囲気ガスの下流側でのカルコゲン化反応を高めるため、雰囲気ガス中のカルコゲン元素の濃度を高めた場合、上流側での反応が進行し過ぎて皮膜の剥離が生じる易くなり、第1の半導体層を良好に作製することが困難である。
これに対し、図5に示すような製造方法であれば、第1のカルコゲン元素を含むガスの下流側において、カルコゲン化反応が進行し難い状態となって基体A1の皮膜3aから金属元素が気化したとしても、対向する基体A2の皮膜3aにすぐに捕捉され、また逆に、基体A2の皮膜3aから金属元素が気化したとしても、対向する基体A1の皮膜3aにすぐに捕捉される。その結果、第1の半導体層に組成ばらつきが生じ難くなる。
対向する基体A同士の間隔、つまり基体A1の皮膜3aと基体A2の皮膜3aとの間の距離(同様に、基体A3の皮膜3aと基体A4の皮膜3aとの間の距離、および基体A5の皮膜3aと基体A6の皮膜3aとの間の距離)は、5〜15mmとすることができる。
また、第1のカルコゲン元素を含むガスGは、水素等の還元性ガス、または窒素等の不活性ガス中に第1のカルコゲン元素を、例えば、カルコゲン元素単体の蒸気やカルコゲン元素の水素化物等として含んでいる。ガスGに含まれるカルコゲン元素単体の蒸気やカルコゲン元素の水素化物等の含有量は0.001〜10mol%程度とすることができる。
なお、上記皮膜3aには上記第1のカルコゲン元素と同じ元素である第2のカルコゲン元素を含めておいてもよい。皮膜3に第2のカルコゲン元素を含めておいた場合、皮膜3aの加熱処理において、金属元素のカルコゲン化を皮膜3a全体でさらに良好に行なうことができ、組成ばらつきが生じるのをさらに有効に低減できる。
第2のカルコゲン元素は、種々の化合物または単体の状態で皮膜3aに含めることができる。例えば、第2のカルコゲン元素は、皮膜3aに含まれる金属元素との化合物である金属カルコゲナイドとして皮膜3aに含むようにしてもよい。このような皮膜3aに含める金属カルコゲナイドは、第1の半導体層3に含まれる金属カルコゲナイドと同じ組成であってもよく、異なる組成であってもよい。例えば、第1の半導体層3が金属カルコゲナイドとしてI−III−VI族化合物を含む場合、皮膜3aがI−III−VI族化合物の微粒子を
含むようにしてもよい。この場合、皮膜3aを加熱することによって、I−III−VI族化
合物の微粒子同士が結合してI−III−VI族化合物の多結晶体を含む第1の半導体層3と
なる。あるいは、第1の半導体層3が金属カルコゲナイドとしてI−III−VI族化合物を含む場合、皮膜3aがI−VI族化合物(I−VI族化合物とは11族元素と16族元素との化合物である)およびIII−VI族化合物(III−VI族化合物とは13族元素と16族元素との化合物である)を含むようにしてもよい。この場合、皮膜3aを加熱することによって、I−VI族化合物およびIII−VI族化合物が反応してI−III−VI族化合物の多結晶体を含む第1の半導体層3となる。
基体Aの加熱の際に用いる加熱炉100としては、図5に示すように、内部に空洞を有するとともに、この空洞内に筒状部材101および攪拌ファン102を設けたものを用いることができる。そして、筒状部材101内に基体Aを配置した後、加熱炉100内を、カルコゲン元素を含むガスGで満たす。そして、攪拌ファン102を作動させることによって、ガスGが図5の点線矢印で示すように対流することによって、基体A間の隙間に一定方向のガスGの流れを生じさせることができる。なお、ガスGの流れを生じさせるための手段としては、上記攪拌ファン102に限定されず、他の装置でもよく、あるいは自然対流でもよい。
また、加熱炉100は内部に収容した基体Aの皮膜3aに対して加熱を行なうヒーター等の加熱手段(図示せず)を有している。皮膜3aの加熱条件は、皮膜3aを金属カルコゲナイドの多結晶体にすることのできる条件であればよく、例えば、皮膜3aの加熱温度が450〜650℃であり、皮膜3aの加熱時間が0.5〜5時間である。図6は、第1の半導体層3を形成した後の状態を示す図である。
第1の半導体層3を形成した後、第1の半導体層3の上に、第2の半導体層4および上部電極層5を順に形成する。
第2の半導体層4は、溶液成長法(CBD法とも言う)によって形成することができる。例えば、塩化インジウムとチオアセトアミドとを塩酸水に溶解し、これに第1の半導体層3の形成まで行なった基板1を浸漬することで、第1の半導体層3の上にInを含む第2の半導体層4を形成することができる。
上部電極層5は、例えば、Alが含まれた酸化亜鉛(AZO)等を主成分とする透明導電膜であり、スパッタリング法、蒸着法、またはCVD法等で形成することができる。図7は、第2の半導体層4および上部電極層5を形成した後の状態を示す図である。
上部電極層5を形成した後、上部電極層5の上面のうちのY方向に沿った直線状の形成対象位置からその直下の下部電極層2の上面にかけて、第2溝部P2を形成する。第2溝部P2は、例えば、40〜50μm程度のスクライブ幅のスクライブ針を用いたメカニカルスクライブ加工を行なうことで形成できる。図8は、第2溝部P2を形成した後の状態を示す図である。第2溝部P2は、第1溝部P1よりも若干X方向(図中では+X方向)にずれた位置に形成する。
第2溝部P2を形成した後、集電電極7および接続導体6を形成する。集電電極7および接続導体6については、例えば、Ag等の金属粉が樹脂バインダー等に分散している導電性を有するペースト(導電ペーストとも言う)を、所望のパターンを描くように印刷し、これを加熱することで形成できる。図9は、集電電極7および接続導体6を形成した後の状態を示す図である。
集電電極7および接続導体6を形成した後、上部電極層5の上面のうちの直線状の形成対象位置からその直下の下部電極層2の上面にかけて、第3溝部P3を形成する。第3溝部P3の幅は、例えば、40〜1000μm程度とすることができる。また、第3溝部P3は、第2溝部P2と同様に、メカニカルスクライブ加工によって形成できる。このようにして、第3溝部P3の形成によって、図1および図2で示された光電変換装置11を製作したことになる。
<(3)光電変換装置の製造方法の他の例>
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良などが可能である。
例えば、複数の基体A1〜A6を加熱する際、図5に示す配置に変えて図10に示すように基体A1〜A6を配置してもよい。図10では、基体A1と基体A2との間隔(同様に基体A3と基体A4との間隔、基体A5と基体A6との間隔)を、第1のカルコゲン元素を含むガスGの流動方向における下流側ほど小さくなるようにしている。このように配置することによって、ガスGの流動方向の下流側において、第1のカルコゲン元素が皮膜3aに接触する確率が高くなり、下流側における皮膜3aのカルコゲン化反応をより促進することができる。
次に、本発明の一実施形態に係る光電変換装置の製造方法について、具体例を示して説明する。
<評価用試料の作製>
まず、皮膜3aを作製するための原料液を作製した。原料液としては、米国特許第6992202号明細書に基づいて作製した単一源錯体をピリジンに溶解したものを用いた。なお、この単一源錯体としては、CuとInとフェニルセレノールとが1つの錯体分子を作製したものと、CuとGaとフェニルセレノールとが1つの錯体分子を作製したものとの混合体(これらの混合体のInとGaとのモル比は6:4とした)を用いた。
次に、ガラスによって構成される基板1の表面に、Moからなる下部電極層2を所望のパターンに作製したものを用意した。この下部電極層2の上に上記原料液をブレード法によって塗布して、350℃で有機成分を熱分解することを6回繰り返して皮膜3aを作製した。これによって、基板1、下部電極層2および皮膜3aの積層体から成る基体A(基体Aにおける皮膜3aの大きさは、X軸方向の長さが80cmであり、Y軸方向の長さが50cmの長方形状である)が作製されたことになる。同様にして、上記基体Aを合計6枚用意した。
次に、これらの基体Aを、図5に示すように、2枚ずつが互いに皮膜3aを対向させるようにして焼成炉100の筒状部材101内に配置した後、水素ガス中にセレン蒸気が分圧比で20ppmv含まれるガスGで焼成炉100内を満たした。そして、攪拌ファン102によって基板A同士の間にガスGを−X側から+X側に流動させながら、6枚の基板Aを550℃で1時間加熱して主としてCIGSを含み、厚さが2μmの第1の半導体層を作製した。
<比較用試料の作製>
また、比較用試料を以下のようにして作製した。まず、上記評価用試料と同様にして、6枚の基体を作製した。そして、これらの6枚の基体を焼成炉100の筒状部材101内に、皮膜3aがすべて同じ方向(+Z方向)に向くように配置した。この配置の仕方を評価用試料と異なるようにしたこと以外は、上記評価用試料と同様にして6枚の基体の加熱し、第1の半導体層を作製した。
<各試料の評価>
これらの作製した評価用試料の第1の半導体層および比較用試料の第1の半導体層について、ガスGの流れの上流側(−X側)の部位と下流側(+X側)の部位における各元素濃度をXRF分析で測定した。
上流側と下流側の部位におけるXRF分析結果より、Cuの原子濃度(M1)に対するInの原子濃度(M2)の濃度比P=M2/M1を求めた。その結果、比較用試料は、上流側の濃度比Pを1としたときに下流側の濃度比が0.95であり、下流側でInが少なくなっていた。これに対し、評価用試料は、上流側の濃度比Pを1としたときに下流側の濃度比が1.00であり、下流側でのInの減少はほとんどなく、組成ばらつきが少ないことがわかった。
1:基板
2:下部電極層
3:第1の半導体層
3a:皮膜
4:第2の半導体層
5:上部電極層
6:接続導体
7:集電電極
10:光電変換セル
11:光電変換装置
100:加熱炉
101:筒状部材
102:攪拌ファン
A:基体
G:ガス

Claims (5)

  1. 基板上に金属元素を含む皮膜が配されている基体を2枚準備する工程と、
    前記2枚の基体をそれぞれの前記皮膜同士が対向するように隙間をあけて配置する工程と、
    前記隙間に前記第1カルコゲン元素を含むガスを流動させながら前記2枚の基体を加熱することによって前記金属元素と前記第1カルコゲン元素とを反応させて金属カルコゲナイドを含む半導体層を形成する工程と
    を具備する光電変換装置の製造方法。
  2. 前記皮膜に前記第1カルコゲン元素と同じ元素である第2カルコゲン元素を含ませる、請求項1に記載の光電変換装置。
  3. 前記金属元素として11族元素および13族元素を用いる、請求項1または2に記載の光電変換装置。
  4. 前記金属元素として11族元素、12族元素および14族元素を用いる、請求項1または2に記載の光電変換装置。
  5. 前記2枚の基体同士の間隔を前記ガスの流動方向における下流側ほど小さくなるようにする、請求項1乃至4のいずれかに記載の光電変換装置の製造方法。
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