JP2015045678A - 硬化槽 - Google Patents

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Abstract

【課題】
短時間で重合阻害物質を排除可能で、低コストで重合反応を確実に起こすことができる、硬化槽を提供すること。
【解決手段】
試料を保持する試料保持部、及び、エネルギー照射手段を有する硬化槽であって、前記試料保持部は、硬化槽底部に設けられた凹部または硬化槽上部に設けられた凸部であり、前記試料保持部にガス導入口を有することを特徴とする硬化槽。
【選択図】図1

Description

本発明は、硬化性物質を硬化させる硬化槽に関する。
電子写真プロセスを用いた画像形成装置では、感光体に対して帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程を施すことにより画像形成が行われる。帯電工程で生成した感光体表面に残る放電生成物、及び、転写工程後に感光体表面に残る(転写)残トナーはクリーニングプロセスを経て除去される。
画像形成装置の信頼性向上の観点から、感光体には、アモルファスシリコンのような無機系材料を用いたり、有機感光体の表面にアクリレート系材料や無機微粒子を分散させた表面層を有する高耐久感光体が用いられたりするようになってきた。
これらの感光体は、クリーニングブレード等による摺擦に対する耐摩耗性に優れるため、従来よりも遥かに長い寿命を実現することができ、メンテナンスの回数を大幅に減らし、また、感光体の交換を少なくでき、コスト的にも、環境的にも非常に好ましいものである。
しかし、感光体の長寿命化が図れても、該感光体をクリーニングするクリーニングブレードの寿命も長くできなければ、画像形成装置のメンテナンスの回数を減らすことはできない。
また、最近の電子写真装置においては、メンテナンスを容易にするため、感光体とクリーニングブレード等の他の部材とを一体にした、所謂プロセスカートリッジが用いられることが多くなっている。このプロセスカートリッジは、感光体が十分に使用可能であっても、クリーニングブレードが寿命を迎えるとプロセスカートリッジ全体を交換する必要がある。
クリーニングブレードは、一般的には、ポリウレタンゴムなどの短冊形状の弾性体であり、クリーニングブレードの基端を支持部材で支持して先端稜線部を感光体の周面に押し当て、感光体上に残留するトナーをせき止めて掻き落とし除去する。
近年の高画質化の要求に応えるべく、重合法等により形成された、球形に近い形状の小粒径トナー(以下、重合トナーと称する。)を用いた画像形成装置が知られている。
この重合トナーは、従来の粉砕トナーに比べて転写効率が高いなどの特徴があり、上記高画質化の要求に応えることが可能である。
しかし、重合トナーは、クリーニングブレードを用いて感光体表面から除去しようとしても、その形状により十分に除去することが困難であり、クリーニング不良が発生してしまうという問題を有している。
これは、クリーニングブレードと感光体との間に形成される僅かな隙間を、小粒径で且つ球形度に優れた重合トナーがすり抜けるからである。
かかるすり抜けを抑えるには、感光体とクリーニングブレードとの当接圧力を高めてクリーニング能力を高める必要がある。
しかし、クリーニングブレードの当接圧を高めると、図6(a)に示すように、感光体23とクリーニングブレード262との摩擦力が高まり、クリーニングブレード262が感光体23の移動方向に引っ張られて、クリーニングブレード262の先端稜線部262cがめくれてしまう。
このクリーニングブレード262の先端稜線部262cがめくれた状態でクリーニングをし続けると、図6(b)に示すように、クリーニングブレード262の先端面262bの先端稜線部262cから数[μm]離れた場所に局所的な摩耗が生じてしまう。
このような状態で、さらにクリーニングを続けると、この局所的な摩耗が大きくなり、最終的には、図6(c)に示すように、先端稜線部262cが欠落してしまう。先端稜線部262cが欠落してしまうと、トナーを正常にクリーニングできなくなり、クリーニング不良を生じてしまい、クリーニングブレードの寿命となる。特にこの局所的な磨耗は、低温環境で使用されるクリーニングブレードで生じやすい。
クリーニングブレードの高寿命化するため、例えば、特許文献1の特開2005−107376号公報には、ポリウレタンエラストマーからなるブレード材料の感光体との当接部に、イソシアネートを0.1mm積層したクリーニングブレードが開示されている。
このクリーニングブレードは、アモルファスシリコンのように、表面が平滑な感光体に対しては優れた性能を示す。しかしながら、クリーニング性あるいは感光体の耐摩耗性を向上させるために無機微粒子を表面層に用いた有機感光体等、表面に凹凸を有する荒れた感光体においては、感光体と接する先端が早期に欠けてしまい、クリーニング不良を発生することが多い。
また、特許文献2の特開2000−66555号公報には、クリーニングブレードにフッ素樹脂やシリコン等の低摩耗処理物質を含む低摩耗化処理層を設けることにより、感光体とクリーニングブレードの摩擦力を低減させた画像形成装置が開示されている。このクリーニングブレードは、画像形成をそれほど行っていない初期の場合には、非常に優れたクリーニング性を有している。
しかしながら、低摩耗処理層の耐久性が十分でなく、画像形成を繰り返していると、低摩耗処理層最表面の低摩耗処理物質が脱落してしまい、感光体とクリーニングブレードの摩擦力が高くなってクリーニングブレードの欠けが部分的に起き、クリーニング不良が発生してしまう。
特許文献3の特許第3602898号公報には、ポリウレタンエラストマーからなるクリーニングブレードの少なくとも当接部に、アクリルウレタンモノマー等の鉛筆硬度B〜6Hの被膜硬度を有する樹脂をコーティングまたは含浸させ、UV光を照射して、硬化させたクリーニングブレードが開示されている。
このクリーニングブレードは、画像形成を行う初期においてはクリーニング性に問題はないものの、画像形成を繰り返していくと、感光体と接する先端が欠け、クリーニング不良を引き起こすことが多い。
この現象について検討したところ、アクリルウレタンモノマーを塗布し、UV光を照射して硬化させた膜自体は、十分な硬度を有していることが確認できたが、コート層は剥がれ易いものであった。
また、アクリルウレタンモノマーを含浸させ、UV光を照射したウレタンエラストマーの硬度は、予想されるよりも遥かに小さく、何も処理していないウレタンエラストマーの硬度とほとんど変化がなかったり、逆に柔らかくなったりしていることもあった。
アクリルウレタンモノマーの重合は、ラジカルが発生しアクリルウレタンモノマーの二重結合を連鎖的に開裂させて重合する。通常の重合条件では発生したラジカルの周りにモノマーが充分存在し、かつラジカルを発生させるエネルギーも直接照射されるため、ラジカルを失活させる酸素等が存在していても重合は進む。
しかし、アクリルウレタンモノマーを浸透させたクリーニングブレードの場合は、クリーニングブレード内部のアクリルウレタンモノマーの濃度自体が小さく、また、ラジカルを発生させるエネルギーもウレタンエラストマーを介して供給されるため、酸素等の重合阻害物質の影響が大きく、未反応のアクリルウレタンモノマー、オリゴマー等の低分子物質が残存すると、ウレタンエラストマーの強度を弱めてしまう。
特許文献4の特開2011−138110号公報には、酸素による重合阻害を防止するため、アクリレート塗工液中の酸素を除去し、重合性アクリレート化合物を含浸させたクリーニングブレードを低酸素雰囲気中で重合反応させることが開示されている。
クリーニングブレード表面に窒素パージを行ったり、重合雰囲気(硬化槽内)を窒素で置換したりすることで酸素等の重合阻害物質濃度を下げることができる。
しかし、空気は、主に窒素と酸素の混合物であり、窒素を78%含有しているため、窒素パージを行っても直ぐに空気と混じってしまい、酸素濃度を下げるためには、非常に多量の窒素をパージしなければならず、非常に高いコストがかかってしまう。
また、UV光を照射する雰囲気を密閉にして窒素に置換する場合、クリーニングブレードをUV光の照射雰囲気中に入れる際に、空気が雰囲気中に混じってしまうため、出し入れの際は、搬出入口を閉じ雰囲気を減圧にした後、窒素を補充しなければ、酸素濃度を十分下げることができない。
そのため、UV光を照射する硬化槽は減圧に耐えられる強固な構造のものが必要となり、また、減圧、窒素補充にかかる時間も長いため、製造コストが非常に高いものとなってしまう。
本発明は、短時間で重合阻害物質を排除可能で、低コストで重合反応を確実に起こすことができる、硬化槽を提供することを目的とする。
本発明者らが鋭意検討したところ、硬化槽底部の凹部または硬化槽上部の凸部にガス導入口を設けることで、硬化槽内への空気の混入を減少させることができ、かつ空気が混入しても重合反応への影響を最小限に止められることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、上記課題は、本発明の、下記(1)〜(10)によって解決される。
(1)「試料を保持する試料保持部、及び、エネルギー照射手段を有する硬化槽であって、前記試料保持部は、硬化槽底部に設けられた凹部または硬化槽上部に設けられた凸部であり、前記試料保持部にガス導入口を有することを特徴とする硬化槽」、
(2)「前記試料保持部に設けられたガス導入口から供給されるガスが非酸化性ガスであり、該非酸化性ガスの密度は、空気の密度(0 ℃、1気圧)と0.4g/l以上異なることを特徴とする前記第(1)項に記載の硬化槽」、
(3)「少なくとも前記試料保持部を非酸化性ガスで満たし、エネルギーを照射することを特徴とする前記第(1)項または第(2)項に記載の硬化槽」、
(4)「硬化槽底部に設けられた凹部を満たす非酸化性ガスが、アルゴンであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載の硬化槽」、
(5)「前記硬化槽は、試料搬入口及び/または試料搬出口が前記試料保持部よりも高い位置に存在することを特徴とする前記第(4)項に記載の硬化槽」、
(6)「硬化槽上部に設けられ凸部を満たす非酸化性ガスが、水素またはヘリウムであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載の硬化槽、
(7)「前記硬化槽は、試料搬入口及び/または試料搬出口が前記試料保持部よりも低い位置に存在することを特徴とする前記第(6)項に記載の硬化槽」、
(8)「前記硬化槽は、前記試料保持部とは異なる高さに設けられたガス導入口をさらに有し、該ガス導入口は、窒素ガスを導入するものであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(7)項のいずれかに記載の硬化槽」、
(9)「前記エネルギー照射手段が、UV−LED露光装置であることを特徴とする前記第(1)乃至第(8)項のいずれかに記載の硬化槽」、
(10)「前記試料が、電子写真用クリーニングブレードであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(9)項のいずれかに記載の硬化槽」。
以下の詳細かつ具体的な説明から理解されるように、本発明によれば、短時間で重合阻害物質を排除可能で、低コストで重合反応を確実に起こすことができる、硬化槽が提供される。
本発明の硬化槽の一例を示す概略図である。 本発明の硬化槽の他の一例を示す概略図である。 クリーニングブレード62の構成を示す概略斜視図である。 図3のクリーニングブレード62の使用状態の一例を示す拡大断面図である。 摩耗幅及び摩耗形態を説明するためのクリーニングブレードを長手方向から見た説明図である。 従来のクリーニングブレードの状態を示す説明図である。
本発明の硬化槽について詳細に説明する。
図1に本発明の硬化槽の概略図を示す。硬化槽1は、その底部にさら一段低いに凹状の試料保持部2を有し、該試料保持部2にはガス導入口3が設けられる。該ガス導入口3は、試料保持部2に設けられていれば、試料保持部2のどこに設けられても構わないが、最底部に設けられることが好ましい。
試料保持部2にガス導入口3が設けられることで、試料保持部2内の空気が導入ガスで置換され、空気による重合阻害が防止される。
また、硬化槽1には、前記ガス導入口3からのガスの導入を容易にし、かつ空気が硬化槽内に入ることを防止するため、硬化槽内が所定の圧力なったときに硬化槽内のガスを排出する排気弁4がガス導入口3から離れた位置に設けられる。さらに、本発明の硬化槽1は前記試料保持部より高い位置に第2のガス導入口5を有することが好ましく、第2のガス導入口5は、硬化槽の最上部に設けられることが好ましい。
硬化槽1には、試料搬入口6及び試料搬出口7が設けられる。図1では、搬入口と搬出口とを別に記載しているが搬入と搬出を兼ねる搬出入口が一つであってもよい。前記試料搬入口6及び試料搬出口7は、試料保持部2への空気の混入を防ぐため、試料保持部2から離れた硬化槽の高い位置に設けられることが好ましい。
試料8は、前記試料搬入口6から、硬化槽内に搬入され、前記試料保持部2に保持され、試料保持部2と対向する位置に設けられたエネルギー照射手段9からエネルギーを照射され硬化された後、試料搬出口7から搬出される。
エネルギー照射手段9は、エネルギーを均一に照射できるようにできれば、どの場所に配置していても構わず、鏡や光ファイバー等により、硬化槽の外からエネルギーを照射するものであってもよい。
また、図2に本発明の他の硬化槽の概略図を示す。図2の硬化槽は、前記図1に示す硬化槽の上下を逆にしたものであり、他の構成は、図1の硬化槽と同じである。
図1に示す硬化槽と図2に示す硬化槽とは、ガス導入口3から供給するガスの密度によって使い分けられる。
すなわち、ガス導入口3から供給するガスの密度が空気の密度よりも大きい場合は図1に示す硬化槽が用いられ、逆にガス導入口3から供給するガスの密度が空気の密度よりも小さい場合は図2に示す硬化槽が用いられる。
次に、本発明の硬化槽を用いた試料の硬化方法について説明する。
本発明の硬化槽は、硬化槽内に非酸化性ガスを導入し空気(酸素)を排除して硬化させる。ここで、非酸化性ガスとは、希ガスや窒素ガス等の不活性ガスの他、水素ガス、CO等の還元性のガスをも含むものである。
前記非酸化性ガスは、空気の密度(0 ℃、1気圧)と0.4g/l以上異なるものであることが好ましく、さらに1.0g/l以上異なることが好ましい。
通常、空気に含まれる酸素を排除するために、不活性ガスである窒素ガスを供給するが、空気は窒素と酸素との混合物であり、空気と窒素の密度は、それぞれ、1.2929g/l、1.25057g/lであり、密度差が小さいため混合し易く、窒素を導入しても、酸素を除去する効率が悪い。
本発明においては、空気との密度の差が大きい非酸化性ガスを用いることで、硬化槽底部に設けられた凹部または硬化槽上部に設けられた凸部の試料保持部に前記非酸化性ガスがたまり易く、効率よく試料保持部2内の空気を排除できる。
また、前記空気との密度差が大きい非酸化性ガスは高価であることが多く、該非酸化性ガスの使用量を少なくすることができ、製造コストの低減が図れる。
前記空気と密度の差が大きい非酸化性ガスとしては、例えば、水素(0.08988g/l)、ヘリウム(0.1785g/l)、アルゴン(1.7832g/l)、クリプトン(3.708g/l)、キセノン(5.851g/l)等が挙げられる。中でも、コストとのバランスから、水素、ヘリウム、アルゴンであることが好ましい。
また、前記空気との密度差が大きい非酸化性ガスの使用量を少なくするため、試料保持部の容積は少ないことが好ましく、試料の大きさに応じて容積が変更できることが好ましい。
本発明の硬化槽中に酸素が混入する可能性があるのは、試料を出し入れする際が最も可能性が高い。そのため、試料を硬化槽中に出し入れする搬出入口は、試料保持部が硬化槽底部に設けられた硬化槽の場合は、試料保持部よりも高い位置に設け、また、試料保持部が硬化槽上部に設けられた硬化槽の場合は、試料保持部よりも低い位置に設け、非酸化性ガスを導入し前記搬出入口から排気しながら行い、搬出入口からの空気の流入を防止して試料の出し入れを行うことが好ましい。
試料の出し入れを行う際に導入する非酸化性ガスとしては、空気の密度との差が大きい非酸化性ガスであってもよいが、窒素等の空気との密度との差が小さい非酸化性ガスであってもよい。
空気との密度との差が小さい非酸化性ガスの導入は、試料保持部とは異なる高さに設けられた第2のガス導入口から行う。第2のガス導入口から導入することで、試料保持部内に空気との密度差が大きい非酸化性ガスが留まったまま、試料の搬出入を行うことができる。
また、試料の出し入れを行う際に導入する非酸化性ガスの流量としては、ガス導入口の径や、試料保持部や搬出入口の形状・大きさ等にもよるが、硬化槽の全容積の1%/分以上15%/分以下の流量で行うことが好ましい。
全容積の1%/分未満では、圧力差が小さく空気の流入を防止できないことがあり、また、15%/分を超えると硬化槽内でガスの循環流が起こり、空気を引き込むことがある。
試料保持部に搬入された試料にエネルギーを照射して硬化させる。エネルギー照射手段としては、熱エネルギー、光エネルギー、電子線等、重合させることができればいずれであってもよいが、光エネルギーであることが好ましい。
硬化性物質によっては、分解の活性化エネルギー、成長の活性化エネルギー、停止の活性化エネルギーの関係から、硬化させる雰囲気の温度が高いと、重合体の重合度が低くなるものがある。
光エネルギーを照射する光源としては、高圧水銀灯、UV−LED等が例示でき、UV−LEDであることが好ましい。
高圧水銀灯は、従来から使われている信頼性の高いUV光源であるが、高圧水銀灯自体の発熱が大きく、硬化槽内部に配置すると、硬化槽内部の温度が上昇してしまい、重合体の重合度が大きく低下してしまうことがある。
そのため、高圧水銀灯をUV光源に用いる時には、硬化槽外部からUV照射を行うか、光ファイバーのような光路を用いてUV照射を行うか、高圧水銀灯のみを隔離して、高圧水銀灯雰囲気の換気と冷却するとともに、UVフィルターを設置する工夫が必要となる。
一方、UV−LEDは、光源自体の発熱はほとんどなく、形状もコンパクトであるため、閉鎖空間である本発明の硬化槽の光源として用いるには、最適な光源である。本発明の硬化槽にUV−LEDを用いることで、重合阻害物質が排除されことと相俟って重合度が高くなり、充分硬化させることができる。
前記UV−LEDは、一つまたは複数配置しても良く、固定して使用されるだけではなく、走査させながら、UV光を均一に照射させても良い。
また、硬化性物質の重合度を高くするため、硬化槽内部を冷却する装置を設けることがさらに好ましい。
本発明の硬化槽は、電子写真の分野における感光体表面をクリーニングする、電子写真用クリーニングブレードに(メタ)アクリレート等の重合性物質を含浸またはコートしたものを硬化させる際に好ましく使用できる。
次に、前記クリーニングブレードについて説明する。
クリーニングブレードの母体に使用される弾性体ブレード622は、従来公知の組成、工法で製造することができる。図3は、クリーニングブレード62の斜視図であり、図4は、クリーニングブレード62の拡大断面図である。
前記弾性体ブレード622の表面には、表面層623が形成され、該表面層623は、本発明の硬化槽を用いて硬化性物質を硬化することで形成される。
前記表面層623の層厚は基本的には薄いほどよいが、0.01〜3.00μm、好ましくは、0.02〜2μmにすることが好ましい。層厚が0.01μmより小さいと、表面層を均一に形成することが難しく、表面層のない箇所が生じやすく、好ましくない。層厚が3μmより大きいと、クリーニングブレードの変形に、表面層が耐えられなくなり、微細な割れが発生しやすく、このましくない。
前記表面層を形成する材料としては、アクリレート化合物、ポリエン/ポリチール化合物を例示することができ、表面層はフッ素成分を有するアクリル重合体で形成されることが好ましい。
弾性体ブレードへの、重合性化合物を含浸させる方法としては、重合性モノマーを含む溶液に、弾性体ブレードを一定時間含浸させる。その際、弾性体ブレードの乾燥は十分に行っていることが重要である。また、重合性モノマーを含む溶液にクリーニングブレードを含浸させる際には、減圧下で重合性モノマーを含む溶液にクリーニングブレードを浸漬した後、常圧に戻したり、さらに加圧したりすることにより、アクリレートモノマーは、高濃度で弾性体ブレード内に含浸することができる。
弾性体ブレードへ重合性モノマーを含む溶液を含浸させた後、弾性体ブレード表面に付着している溶液は不要であるため、ウエス等による拭き取り、あるいはエアナイフ等により除去することが好ましい。
弾性体ブレード内部に光重合性モノマーを含浸させる際には、溶液中にビニル基あるいはアクリロイル基含有のフッ素化合物モノマーは必要ない。これは、アクリロイル基含有のフッ素化合物モノマーは、気液界面に存在しやすい性質のため、弾性体ブレード内部には、侵入しにくいことと、フッ素成分は、クリーニングブレード表面にあってこそ、摩擦抵抗を減少させるものであり、クリーニングブレード内部にあっても効果はほとんどないためである。
弾性体ブレード内部に光重合性モノマーを十分含浸させた後、該弾性体ブレード表面にアクリロイル基含有のフッ素化合物モノマーを含有したアクリレートモノマー溶液を塗布する。その際、塗布する溶液は、フッ素化合物モノマーを表面に一定量以上存在させることができれば、できるだけ少ない方が良い。
前述のように、フッ素化合物モノマーは、気液界面に存在しやすい性質があるため、塗工した溶液が、弾性体ブレード内部に過剰に染みこんでいかなければ、弾性体ブレード表面に存在し、弾性体ブレード内部に含浸したアクリレートモノマーと化学的に反応、あるいは、塗布したアクリルモノマーを介して、弾性体ブレード内部に含浸したアクリレートモノマーと化学的に結合させることができる。
その後、熱、UV光、電子線等のエネルギー線を照射することで、アクリレートモノマー及びアクリロイル基含有のフッ素化合物モノマーを含有したアクリレートモノマーを重合させることができる。
前記弾性体ブレード622の材質としては、感光体23の偏心や感光体表面の微小なうねりなどに追随できるように、高い反発弾性体率を有するものが好ましく、ウレタン基を含むウレタンエラストマーなどが好適である。
前記ポリウレタンエラストマーは、通常、ポリオール成分としてポリエチレンアジペートエステルやポリカプロラクトンエステルを用い、ポリイソシアネート成分として4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを用いてプレポリマーを調製し、これに硬化剤及び必要に応じて触媒を加えて、所定の型内にて架橋し、炉内にて後架橋させた後、常温で放置熟成することによって製造され、これを好ましく使用できるがこれに限るものではない。
他のポリウレタンエラストマーとしては、高分子量ポリオールとして、例えば、アルキレングリコールと脂肪族二塩基酸との縮合体であるポリエステルポリオール;エチレンアジペートエステルポリオール、ブチレンアジペートエステルポリオール、ヘキシレンアジペートエステルポリオール、エチレンプロピレンアジペートエステルポリオール、エチレンブチレンアジペートエステルポリオール、エチレンネオペンチレンアジペートエステルポリオールのようなアルキレングリコールとアジピン酸とのポリエステルポリオール等のポリエステル系ポリオール;カプロラクトンを開環重合して得られるポリカプロラクトンエステルポリオール等のポリカプロラクトン系ポリオール;ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ポリ(オキシプロピレン)グリコール等のポリエーテル系ポリオール等を用いたものであってもよい。
また、低分子量ポリオールとして、例えば、1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヒドロキノン−ビス(2−ヒドロキシエチル)エーテル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフエニルメタン、4,4’−ジアミノジフエニルメタン等の二価アルコールや、1,1,1−トリメチロールプロパン、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、1,1,1−トリス(ヒドロキシエトキシメチル)プロパン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール等の三価及びそれ以上の多価アルコールを用いたものであってもよい。
前記イソシアネートとしては、前記4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの他、1,5−ナフタレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニルジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、2,4−ト リレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−トリレンジイソシアネートの混合物、キシレン −1,4−ジイソシアネート、キシレン−1,3−ジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジ イソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添化トリレンジイソシアネート、水添化ジフェニルメタンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート等を用いたものであってもよい。
硬化触媒の具体例として、例えば、2−メチルイミダゾールや1,2−ジメチルイミダゾールを挙げることができるが、特に、1,2−ジメチルイミダゾールが好ましく用いられる。このような触媒は、通常、ポリオール成分とポリイソシアネート成分との合計量100重量部に対して、0.01〜0.5重量部、好ましくは0.05〜0.3重量部の範囲で用いられる。
作製されたクリーニングブレード62は、金属や硬質プラスチックなどの剛性材料からなる短冊形状のホルダー621と、短冊形状の弾性体ブレード622とで構成されている。弾性体ブレード622は、ホルダー621の一端側に接着剤などにより固定されており、ホルダー621の他端側は、クリーニング装置のケースに片持ち支持されて感光体表面のクリーニングを行う。
前記クリーニングブレードと組み合わせる感光体について説明する。
前記感光体としては、単層型の感光層を有するもの、または、電荷発生層と電荷輸送層とを積層した積層型感光層を有するもののいずれであってもよく、必要に応じて下引き層や保護層が設けられる。
前記下引き層は、樹脂や白色顔料と樹脂を主成分としたもの、及び、導電性基体表面を化学的あるいは電気化学的に酸化させた酸化金属膜等が例示できるが、前記白色顔料と樹脂を主成分とするものを好ましく使用できる。
前記白色顔料としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛等の金属酸化物が挙げられ、中でも導電性基体からの電荷の注入防止性が優れる酸化チタンを含有させることが最も好ましい。
下引層に用いる樹脂としてはポリアミド、ポリビニルアルコール、カゼイン、メチルセルロース等の熱可塑性樹脂、アクリル、フェノール、メラミン、アルキッド、不飽和ポリエステル、エポキシ等の熱硬化性樹脂、これらの中の一種あるいは多種の混合物を例示することができる。
前記感光層に用いられる電荷発生物質としては、例えば、モノアゾ系顔料、ビスアゾ系顔料、トリスアゾ系顔料、テトラキスアゾ顔料等のアゾ顔料、トリアリールメタン系染料、チアジン系染料、オキサジン系染料、キサンテン系染料、シアニン系色素、スチリル系色素、ピリリウム系染料、キナクリドン系顔料、インジゴ系顔料、ペリレン系顔料、多環キノン系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料、インダスロン系顔料、スクアリリウム系顔料、フタロシアニン系顔料等の有機系顔料及び染料や、セレン、セレン−ヒ素、セレン−テルル、硫化カドミウム、酸化亜鉛、酸化チタン、アモルファスシリコン等の無機材料を使用することができ、電荷発生物質は一種あるいは多種混合して使用することができる。
前記感光層に用いられる電荷輸送物質としては、例えば、アントラセン誘導体、ピレン誘導体、カルバゾール誘導体、テトラゾール誘導体、メタロセン誘導体、フェノチアジン誘導体、ピラゾリン化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、スチリルヒドラゾン化合物、エナミン化合物、ブタジエン化合物、ジスチリル化合物、オキサゾール化合物、オキサジアゾール化合物、チアゾール化合物、イミダゾール化合物、トリフェニルアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アミノスチルベン誘導体、トリフェニルメタン誘導体等を挙げることができ、これらは一種あるいは多種を混合して使用することができる。
上記電荷発生層、電荷輸送層の感光層を形成するのに使用する結着樹脂としては、電気絶縁性であり、それ自体公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂及び光導電性樹脂等を使用することができ、適当な結着樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネ−ト、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ABS樹脂等の熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、イソシアネート樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、熱硬化性アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン等の光導電性樹脂など一種の結着樹脂あるいは多種と結着樹脂の混合物を挙げることができるが、特にこれらのものに限定されるものではない。ただし、電荷輸送層が最表面になる場合には、ポリカーボネートを含有した結着樹脂を用いることが好ましい。
感光層には酸化防止剤を含有させることができ、酸化防止剤としては、例えば以下のものが使用される。
・モノフェノール系化合物
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3−t−ブチル−4−ヒドロキシニソールなど。
・ビスフェノール系化合物
2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)など。
・高分子フェノール系化合物
1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、トコフェノール類など。
・パラフェニレンジアミン類
N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−tーブチル−p−フェニレンジアミンなど。
・ハイドロキノン類
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
・有機硫黄化合物類
ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネートなど。
・有機燐化合物類
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
また、可塑剤を含有させることができ、可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレートなどの一般的な樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は結着樹脂100重量部に対して0〜30重量部程度が適当である。
電荷輸送層中にレベリング剤を添加してもかまわない。レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、測鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが使用され、その使用量は、結着樹脂100重量部に対して、0〜1重量部が適当である。
前記保護層は、感光体の機械的強度、耐磨耗性、耐ガス性、クリーニング性等の向上のため設けられる。保護層としては、感光層よりも機械的強度の高い高分子、高分子に無機フィラーを分散させたものが例示できる。
保護層は薄い膜厚であれば、電荷輸送能力を有していなくても支障はないが、電荷輸送能力を有しない保護層を厚く形成すると、感光体の感度低下、露光後電位上昇、残留電位上昇を引き起こしやすいため、保護層中に前述の電荷輸送物質を含有させたり、表面層に用いる高分子を電荷輸送能力を有するものを用いることが好ましい。
感光層と保護層との機械的強度は一般に大きく異なるため、クリーニングブレードとの摩擦により保護層が磨耗し、消失すると、すぐに感光層は磨耗していってしまうため、保護層を設ける場合には、保護層は十分な膜厚とすることが重要であり、0.01〜12μm、好ましくは1〜10μm、さらに好ましくは2〜8μmとすることが好ましい。
保護層の膜厚が0.1μm以下では、薄すぎてクリーニングブレードとの摩擦により部分的に消失しやすくなり、消失した部分から感光層の磨耗が進んでしまうため好ましくない。保護層の膜厚が12μm以上では、感度低下、露光後電位上昇、残留電位上昇が生じやすく、特に電荷輸送能力を有する高分子を用いる場合には、電荷輸送能力を有する高分子のコストが高くなってしまうため好ましくない。
保護層中には表面層の機械的強度を高めるために金属、又は金属酸化物の微粒子を分散させることができる。金属酸化物としては酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化チタン、酸化錫、チタン酸カリウム、TiO、TiN、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化アンチモン等が挙げられる。その他、耐摩耗性を向上する目的でポリテトラフルオロエチレンのような弗素樹脂、シリコーン樹脂、及びこれらの樹脂に等の無機材料を分散したもの等を添加することができる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
弾性体ブレード(リコー製imagio Neo C4500用ポリウレタン製のクリーニングブレード)をガラス製容器に入れ、感光体と当接する面と対向する側の面をアルミ製金属板に貼り付け、感光体と接する面とその面と垂直な面との頂点から1cmの以上の領域をマスキングした。この弾性体ブレードを下記処方の溶液に3分間浸漬した。
その後、弾性体ブレードを前記溶液から引き上げ、10分間真空乾燥を行った。
カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 15部
(日本化薬製KAYARAD DPCA−120)
重合開始剤 1部
(シ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、チバケミカル製I−184)
2−ブタノール 74部
図1に示す硬化槽の上部に、内圧が1.05気圧以上になると開放する排気口設け、硬化槽底部の試料保持部に設けたガス導入口からアルゴンガスを導入して、硬化槽の全容積の1倍に相当するアルゴンガスを導入した。
硬化槽底部の試料保持部に設けたガス導入口より、硬化槽の全容積の10%/分となる流量でアルゴンガスを導入しながら、前記乾燥した弾性体ブレードを硬化槽に入れ、紫外線(UV)照射(1000mJ/cm)を行い、[クリーニングブレード1]を作製した。
[実施例2]
アルゴンガスの流量を5%/分に代える他は実施例1と同様にして[クリーニングブレード2]を作製した。
[実施例3]
予め、硬化槽の全容積の1倍に相当する窒素ガスを硬化槽底部の試料保持部に設けたガス導入口から導入し、さらに該ガス導入口部からアルゴンガスを硬化槽の全容積の0.3倍に相当する量(試料保持部の容積の1.2倍に相当する量)を導入した。
その後、試料保持部以外の硬化槽上部に設けられたガス導入口から硬化槽の全容積の10%/分の流量で窒素ガス、試料保持部に設けたガス導入口から硬化槽の全容積の2%/分の流量でアルゴンガスを導入しながら、弾性体ブレードを硬化槽に入れる他は実施例1と同様にして[クリーニングブレード3]を作製した。
[実施例4]
試料保持部に設けたガス導入口から硬化槽の全容積の0.7%/分の流量でアルゴンガスを導入しながら、弾性体ブレードを硬化槽に入れる他は実施例3と同様にして[クリーニングブレード4]を作製した。
[参考例1]
実施例1において、アルゴンガスに代えて窒素ガスを用い、硬化槽底部の試料保持部に設けたガス導入口より窒素ガスを、硬化槽全体の20%/分で導入する以外は実施例1と同様にして[クリーニングブレード5]を作製した。
[実施例5]
図2に示す硬化槽を用い、硬化槽上部の試料保持部に設けられたガス導入口から水素ガスを導入した。硬化槽上部の試料保持部に設けたガス導入口より、硬化槽の全容積の10%/分となる流量で水素ガスを導入しながら、弾性体ブレードを硬化槽に入れる他は実施例1と同様にして[クリーニングブレード6]を作製した。
[実施例6]
水素ガスの流量を5%/分に代える他は実施例5と同様にしてクリーニングブレード7を作製した。
[実施例7]
予め、硬化槽の全容積の1倍に相当する窒素ガスを硬化槽上部の試料保持部に設けたガス導入口から導入し、さらに該ガス導入口部から水素ガスを硬化槽の全容積の0.3倍に相当する量(試料保持部の容積の1.2倍に相当する量)を導入した。
その後、試料保持部以外の硬化槽底部に設けられたガス導入口から硬化槽の全容積の10%/分の流量で窒素ガス、試料保持部に設けたガス導入口から硬化槽の全容積の2%/分の流量で水素ガスを導入しながら、弾性体ブレードを硬化槽に入れる他は実施例5と同様にして[クリーニングブレード8]を作製した。
[実施例8]
試料保持部に設けたガス導入口から硬化槽の全容積の0.7%/分の流量で水素ガスを導入しながら、弾性体ブレードを硬化槽に入れる他は実施例7と同様にして[クリーニングブレード9]を作製した。
[参考例2]
実施例5において、水素ガスに代えて窒素ガスを用い、硬化槽上部の試料保持部に設けたガス導入口より窒素ガスを、硬化槽全体の20%/分で導入する以外は実施例5と同様にして[クリーニングブレード10]を作製した。
上記クリーニングブレード1〜10をリコー製カラー複合機imagio Neo C4500に取り付け、重合法により作製したトナーを用いて、以下の環境で評価した。

実験室環境:21[℃]・65[%RH]
通紙条件:画像面積率5%チャートを3プリント/ジョブで、50,000枚(A4横)
なお、トナーの物性は、以下のとおりである。

トナー母体:円形度0.98、平均粒径4.9[μm]
外添剤 :小粒径シリカ1.5部(クラリアント製H2000)
小粒径酸化チタン0.5部(テイカ製MT−150AI)
大粒径シリカ1.0部(電気化学工業製UFP−30H)
[評価項目]
(クリーニング評価)
紙進行方向に対して43[mm]幅の縦帯パターンが3本のチャートを20枚(A4横)出力し、クリーニング不良発生の有無を目視により確認した。

(クリーニングブレードエッジ摩耗幅)
図7に示す、クリーニングブレード下面側からみた摩耗幅を測定した。
評価結果を表1に示す。
Figure 2015045678
1 硬化槽
2 試料保持部
3 ガス導入口
4 排気弁
5 第2のガス導入口
6 試料搬入口
7 試料搬出口
8 試料
9 エネルギー照射手段
23 感光体
62 クリーニングブレード
62a 先端面
62b ブレード下面
62c 先端稜線部
621 ホルダー
622 弾性体ブレード
623 表面層
特開2005−107376号公報 特開2000−66555号公報 特許第3602898号公報 特開2011−138110号公報

Claims (10)

  1. 試料を保持する試料保持部、及び、エネルギー照射手段を有する硬化槽であって、前記試料保持部は、硬化槽底部に設けられた凹部または硬化槽上部に設けられた凸部であり、前記試料保持部にガス導入口を有することを特徴とする硬化槽。
  2. 前記試料保持部に設けられたガス導入口から供給されるガスが非酸化性ガスであり、該非酸化性ガスの密度は、空気の密度(0 ℃、1気圧)と0.4g/l以上異なることを特徴とする請求項1に記載の硬化槽。
  3. 少なくとも前記試料保持部を非酸化性ガスで満たし、エネルギーを照射することを特徴とする請求項1または2に記載の硬化槽。
  4. 硬化槽底部に設けられた凹部を満たす非酸化性ガスが、アルゴンであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の硬化槽。
  5. 前記硬化槽は、試料搬入口及び/または試料搬出口が前記試料保持部よりも高い位置に存在することを特徴とする請求項4に記載の硬化槽。
  6. 硬化槽上部に設けられ凸部を満たす非酸化性ガスが、水素またはヘリウムであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の硬化槽。
  7. 前記硬化槽は、試料搬入口及び/または試料搬出口が前記試料保持部よりも低い位置に存在することを特徴とする請求項6に記載の硬化槽。
  8. 前記硬化槽は、前記試料保持部とは異なる高さに設けられたガス導入口をさらに有し、該ガス導入口は、窒素ガスを導入するものであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の硬化槽。
  9. 前記エネルギー照射手段が、UV−LED露光装置であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の硬化槽。
  10. 前記試料が、電子写真用クリーニングブレードであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の硬化槽。
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