JP2015045041A - タングステン化合物の回収方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
タングステンを含有する被処理物から、微生物を使用した簡単な処理工程で環境負荷を低減しつつ効率良くタングステン化合物を回収する。
【解決手段】
水酸塩を含有するアルカリ溶液にタングステンを含有する被処理物の金属成分を溶出させ、タングステン化合物イオンが溶解したタングステン化合物溶液を得る工程と、この溶液に微生物を投入し、さらに塩酸を添加して酸性に調整し、前記微生物に前記タングステン化合物イオンを吸着させる吸着工程と、前記タングステン化合物イオンを吸着した前記微生物を回収する回収工程と、を有し、前記塩酸を添加する前の前記タングステン化合物溶液中の前記水酸塩の含有量が、化学量論比で、前記被処理物の前記タングステン化合物イオンを溶出させるのに必要な量の4倍以上であるタングステン化合物の回収方法である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、超硬合金などのタングステンを含有する被処理物のタングステン成分を簡単な処理工程で効率良く回収するタングステン化合物の回収方法に関する。
超硬質合金は、超硬質な性質に基づいて切削工具などに多く使用されているが、タングステン、コバルト、タンタル、ニオブなどの高価な希少元素を含んでいるので、そのスクラップから上記希少元素をできるだけ多く回収することが望まれている。
スクラップ超硬合金のリサイクル方法は、大きく分けて固形のスクラップを構成成分のまま粉末に再生する直接法と、スクラップを化学的に溶解し、後に構成成分毎に分離回収する間接法の二つに分類される。
直接法の代表例は亜鉛処理法である(たとえば、特許文献1を参照)。この方法は化学薬品や水溶液を使用せず、亜鉛も回収再利用が可能で、エネルギー消費も少ない点で優れおり、処理設備への投資額もあまり大きくなく、小規模で工業生産が成り立つ利点がある。しかし、直接法ではスクラップがそのままの組成で回収されるため、予め選別をしっかりと行う必要があり、選別コストが負担となって、プロセスコストの利点を減じている。また、生産比率が高い切削工具の被覆層成分が同時に回収されるため再生材の品質が低下する問題がある。その為、新粉に混ぜて使用する必要がある等、適用制限があるのが大きな問題であり、適用範囲を拡大できる用途を同時に開発することが課題となっている。
間接法である湿式化学処理法では、スクラップのリサイクル工程に鉱石精錬のプロセスを適用させる方法が一般的である(たとえば、特許文献2を参照)。超硬合金のスクラップはWC、Coを主成分とするため、図3に示すように、アルカリ抽出法やアルカリ溶解法によりNaWOの水溶液を作製し、超硬合金の添加元素として含まれるCo、Ti、Ta、Nb、Cr、V等のタングステン(W)以外の不純物を、pH調整や硫化などにより難溶性の化合物として沈殿させ、ろ過して除去する。ろ過したNaWOの水溶液から、タングステン成分を分離抽出し、アンモニアを加えて加熱、濃縮することによりパラタングステン酸アンモニウム(APT)を晶析し、これを熱分解することにより酸化タングステンを精製する。
なお、アルカリ抽出法は、スクラップを予め酸化焙焼した後にNaOH水溶液でアルカリ抽出するものであり、研削スラッジなどの粉状のソフトスクラップの処理に適している。一方、アルカリ溶解法は、スクラップをNaNO、NaSO、NaCO等のナトリウム塩の溶融塩を用いて酸化すると同時に溶解するものであり、固形のハードスクラップの処理に適している。
アルカリ溶解法を用いた従来工法では、たとえば酸化タングステンを得るために以下のようなプロセスが行われている。
(1)溶融塩溶解により生成したNaWOを水に溶解してNaWO水溶液を得る。なお、鉱石精錬では鉱石中に含まれるSiO、As、P、Mo等も溶解されるので、pH調整や硫化などの方法によりこれらの不純物を難溶性の化合物として沈殿させ、濾過して除去する。また、廃超硬合金のリサイクルでは、超硬合金の添加元素として含まれるCo、Ti、Ta、Nb、Cr、V等のタングステン以外の不純物を、pH調整や硫化などの方法により難溶性の化合物として沈殿させ、ろ過して除去する。
(2)NaWO水溶液にCaClを加え、CaWOの沈殿を形成し、このCaW
のスラリーを水洗してNa成分を除去する。
(3)CaWOのスラリーにHClを加え、タングステン酸(HWO)の沈殿を生成し、このHWOスラリーを水洗してCaイオンを除去する。
(4)HWOにNHOHを加え、(NHWOの水溶液を生成する。
(5)この水溶液を加熱・濃縮することにより、パラタングステン酸アンモニウム(APT)を晶出させる。
(6)APTを熱分解して酸化タングステン(WO)を得る。
なお、NaWO水溶液を(NHWO水溶液に変換する工程として、溶媒抽出法やイオン交換法なども行われている。
湿式化学処理法を用いた場合、亜鉛処理法とは異なり鉱石精錬と同等の品質が得られ、リサイクルしたタングステン化合物を利用制限なしに再使用できる利点がある。
特公平03−020445号公報 特開2004−002927号公報
しかしながら、このような従来工法では、NaWOの水溶液からタングステン化合物を化学的に精製する過程で、種々の化学薬品や水、イオン交換樹脂などを多量に必要とし、工数も多く煩雑なため、環境への負荷とエネルギー消費が多いという問題があった。また廃液量も多く、大規模な廃液処理設備や、イオン交換樹脂の再生工程なども必要となるという問題があった。
また、超硬合金などのタングステンを含有する被処理物から、微生物を使用した処理工程でタングステン化合物を回収する方法も検討されているが、タングステン化合物の回収効率を高めることが求められている。
本発明は、従来の湿式化学処理法における上記のような問題を解決するものであり、超硬合金などのタングステンを含有する被処理物から、微生物を使用した簡単な処理工程で環境負荷を低減しつつ効率良くタングステン化合物を回収できるタングステン化合物の回収方法を提供することを目的とする。
本発明のタングステン化合物の回収方法は、水酸塩を含有するアルカリ溶液にタングステンを含有する被処理物の金属成分を溶出させ、タングステン化合物イオンが溶解したタングステン化合物溶液を得る工程と、前記タングステン化合物溶液に微生物を投入し、前記タングステン化合物溶液に塩酸(HCl)を添加して酸性に調整し、前記微生物に前記タングステン化合物イオンを吸着させる吸着工程と、前記タングステン化合物イオンを吸着した前記微生物を回収する回収工程と、を有して、前記被処理物の金属成分を溶出させるための前記アルカリ溶液中の前記水酸塩の含有量が、化学量論比で、前記被処理物の金属成分を溶出させるのに必要な量の4倍以上であるものである。
本発明のタングステン化合物の回収方法によれば、アルカリ溶液中の水酸塩とアルカリ溶液中に添加する塩酸(HCl)との中和反応にて発生する中和熱、および水酸塩がアルカリ溶液中に溶解する際の溶解熱によって、微生物を投入したタングステン化合物溶液の
温度が上昇する。その結果、微生物の活動が活発になって、微生物がタングステン化合物イオンを吸着しやすくなる。また、微生物の濃度が高い場合でも、溶液の粘度が高くなることを抑制して、微生物がタングステン化合物イオンを吸着する活動を促進する。これによって、超硬合金などのタングステンを含有する被処理物から、微生物を使用した簡単な処理工程で、効率良くタングステン化合物を回収できる。
本発明の第1の実施形態であるタングステン化合物の回収方法の概略を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態であるタングステン化合物の回収方法の概略を示すフローチャートである。 従来のタングステン化合物の回収方法の概略を示すフローチャートである。
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態として、図1に基づいて、超硬質合金スクラップから酸化タングステンを回収する方法について具体的に説明する。超硬質合金スクラップとは、金属タングステンや炭化タングステン(WC)等を主成分とする超硬質合金を用いた超硬合金の製造工程において生じるスクラップや使用済み工具などのハードスクラップのほか、研削スラッジなどの粉状のソフトスクラップが挙げられる。一般に超硬合金は、金属タングステンや炭化タングステン等の複合炭化物を主体とし、鉄、ニッケル、コバルト、銅などを結合相とし、必要に応じて添加物成分としてTiC、TaC、NbC、VC、Cr等を含む超硬合金によって製造されており、具体的には、切削工具(チップ、ドリル、エンドミル等)、金型(成形ロール、成形型等)、土木鉱山用工具(石油掘削用工具、岩石粉砕用工具等)などがある。
まず、このような超硬質合金スクラップの金属成分をアルカリ溶液に溶出させ、タングステン化合物イオンが溶解したタングステン化合物溶液を得る。この時、予め酸化焙焼したスクラップを、たとえばNaOHやKOH等の水酸塩の水溶液でアルカリ抽出する。このとき、アルカリ水溶液中のNaOH等の水酸塩の初期における含有量は、上記被処理物のタングステン化合物イオンを溶出させるのに必要な量である化学量論比以上とする。
このようにして得られたタングステン化合物溶液に、微生物を投入する。微生物としては、たとえば、E.coli(Escherichia coli)、Bacillus sp、Thiobacillus ferrooxidans
、Streptomyces rimosus、Pseudomonas sp、Arthrobacter nicotianae、Shewanella algae、Shewanella oneidensisなどのバクテリアや、Saccharomyces cerevisiae,Schizosaccharomyces pombe, Candida albicans, Yarrowia lipolytica, Pichia pastoris, Hansenula polymorpha, Kluyveromyces lactis,酒かすや焼酎かすなどに含まれる酵母,麹菌を用いることができる。中でも、酒かすや焼酎かすは、アルコール飲料などを製造する工程からの廃棄物として存在するために、資源の有効活用ができるとともに非常に安価に入手でき管理も容易であるため、さらに低コストでタングステン化合物の回収を実現できる。
たとえば、タングステン化合物イオン濃度を0.1〜10mmol/l(アルカリ溶液1リットル当たりタングステン化合物イオンを0.1〜10mmol)に調整したタングステン化合物溶液に、E.coli(大腸菌)などの微生物を微生物濃度1×1014〜1×1017cells/mとなるように投入する。これによって、タングステン化合物の回収率がよく、かつ溶液の粘度が高くなることを抑制して、タングステン化合物の回収速度も速くなる。
本実施態様によれば、タングステン化合物溶液に微生物を投入すると同時、または微生
物を投入した後に、水酸塩の一部、望ましくは、アルカリ抽出に必要な水酸塩以外の水酸塩をタングステン化合物溶液に添加する。これによって、水酸塩がタングステン化合物溶液に溶解し、これに伴って水酸塩の溶解熱が発生し、タングステン化合物溶液の温度が上昇する。なお、アルカリ抽出時に添加する水酸塩の全量を添加しても、本発明の効果を失わない。
そして、本実施態様によれば、微生物を投入したタングステン化合物溶液に、塩酸を添加して酸性に調整することで、微生物の表面にアニオンであるタングステン化合物イオンを吸着させる(吸着工程)。
このとき、塩酸と水酸イオンが中和反応を起こして中和熱が発生する。この中和熱と上記溶解熱によって、タングステン化合物溶液が加温される。その結果、微生物の活動が活発になって、微生物がタングステン化合物イオンを吸着しやすくなる。また、タングステン化合物の回収効率を高めるために微生物の濃度を高くした場合でも、溶液の粘度が高くなりにくく、微生物がタングステン化合物イオンを吸着する活動を促進する。これによって、超硬合金などのタングステン物を含有する被処理物から、微生物を使用した簡単な処理工程で、効率良くタングステン化合物を回収できる。塩酸を添加する前のタングステン化合物溶液中の水酸塩の含有量は、前記被処理物の前記タングステン化合物イオンを溶出させるのに必要な化学量論比の4倍以上、特に10〜40倍である必要がある。これによって、タングステン化合物溶液の温度が30〜80℃に上昇する。
ここで、下記化学式
WO+2NaOH→NaWO+H
CoWO+2NaOH→NaWO+Co(OH)
からわかるとおり、タングステン化合物イオンを溶出させるのに必要な化学量論比は、タングステン化合物イオン1molに対して、NaOHが4molである。
なお、本実施形態では、実験の結果、E.coli等のバクテリアよりも焼酎かす等の酵母のほうが、短い反応時間でタングステン化合物イオンを吸着し、かつ微生物の細胞1つ当たりが吸着できるタングステン化合物イオン量が増すことがわかっている。そのため、酵母のほうがバクテリアよりもタングステン化合物の回収効率が高い。
また、本実施形態では、微生物を濃縮した状態、特に、培養後の微生物を乾燥させた粉末状態でタングステン化合物溶液中に添加してもよい。実験の結果、この微生物を濃縮または粉末状態とすることにより、微生物の細胞1つに吸着できるタングステン化合物イオン量である平衡吸着量が高くなることがわかっている。ここで、平衡吸着量(qe:mmol/g)とは、吸着平衡状態に達した時の吸着量を示す。さらに、微生物を濃縮または粉末状態とすると、大容量の微生物貯蔵タンクが不要となるために、微生物の保管が容易であり、被処理物の処理量増加への対応も可能である。
次に、タングステン化合物イオンを吸着した微生物を、遠心分離等の手段により脱水し、純水洗浄するなどして不純物を除去(回収洗浄工程)することで、容易にタングステン化合物を濃縮することができる。その後、たとえばタングステン化合物イオンを吸着した微生物を、たとえば大気中で300℃以上の温度で焼却するなどしてタングステン化合物を酸化することで、酸化タングステンが得られる。また、たとえば還元雰囲気にて500℃以上の温度で熱処理することで、タングステン化合物を還元・炭化して炭化タングステンを得ることができる。
このように、本実施形態では、多段階の工程や多量の薬品が必要であった溶媒抽出法や溶離工程や樹脂の再生工程が必要なイオン交換法などのタングステン化合物の分離抽出工
程、およびそれに続くAPT化工程に替えて、微生物を用いた吸着法(バイオソープション)を利用することにより、工数を低減することができると同時に、使用する薬品量や廃液量が少ないため低コストでタングステン化合物を回収することができる。特に、酵母はアルコール飲料などを製造する工程からの廃棄物として非常に安価に入手でき管理も容易なため、微生物として酵母を用いることで、さらに低コストのタングステン化合物回収工程を実現できる。
なお、吸着工程におけるタングステン化合物溶液のpHは4以下、好ましくは1〜3とすることで、タングステン化合物の回収率を高めることができ好ましい。たとえば、微生物としてE.coliを用いた場合にはpHを1〜3に調整すればよく、酵母を用いた場合にはpHを1〜4に調整すればよい。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態として、図2に基づいて、超硬質合金スクラップから酸化タングステンを回収する方法について具体的に説明する。
第1の実施形態と大きく異なる点は、投入した微生物を回収し、再利用する点である。最初に、第1の実施形態と同様に、超硬質合金スクラップの金属成分をアルカリ溶液に溶出させ、タングステン化合物イオンが溶解したタングステン化合物溶液を得、この溶液に前述のバクテリアや酵母等の微生物を投入し、微生物を投入したタングステン化合物溶液を、塩酸などを用いて酸性に調整することにより、微生物の表面にタングステン化合物イオンを吸着させる(吸着工程)。
次に、タングステン化合物イオンを吸着した微生物を、遠心分離等の手段により脱水するとともに不純物を除去(回収洗浄工程)することで、タングステン化合物イオンを吸着した微生物を濃縮する。その後、濃縮したタングステン化合物イオンを吸着した微生物を純水などの脱離用液に投入して懸濁液を作成し、この懸濁液にNHCl等のアンモニア溶液を加えることにより懸濁液を中性またはアルカリ性にする。懸濁液を中性またはアルカリ性、たとえばpH7以上にすることにより、タングステン化合物イオンが微生物から脱離用液中に脱離する。このとき、懸濁液をpH10以上とすることにより3分以内に80%以上のタングステン化合物イオンを微生物から脱離させることができる。
次に、微生物と、この微生物から離脱したタングステン化合物イオンとを含む懸濁液を遠心分離やフィルターろ過を行うことにより、微生物と、タングステン化合物イオンを含む脱離用液とに分離する。このとき、タングステン化合物イオンと中和反応によって生成したNaCl等の他の金属塩とも遠心分離やフィルターろ過によって分離することができる。
その後、タングステン化合物イオンを含む脱離用液を加熱濃縮することにより、タングステン化合物をパラタングステン酸アンモニウム(APT)として晶析させる。このとき、本実施態様においては、遠心分離によって、NaCl等の中和反応によって生成した塩をパラタングステン酸アンモニウム(APT)と分離する。その後、ATPを熱分解することにより、ATPを酸化して酸化タングステンを得ることができる。また、さらに得られた酸化タングステンを還元雰囲気中で熱処理して炭化することにより、炭化タングステンを得ることができる。
このように、第2の実施形態においては、多段階の工程や多量の薬品が必要であった溶媒抽出法や溶離工程や樹脂の再生工程が必要なイオン交換法などのタングステン化合物の分離抽出工程に替えて、微生物を用いた吸着法(バイオソープション)および脱着法(デソープション)を利用することにより、工数を低減することができると同時に、使用する
薬品量や廃液量が少ないため低コストでタングステン化合物を回収することができる。また、第2の実施形態においては、微生物を再利用することができるので、微生物の廃棄に係るコストが不要になる他、微生物の調達費用(培養)、大量保管も低減することができる。
使用済の超硬合金製の切削インサートを粉砕して酸化焙焼し、酸化焙焼された既焙焼物を水温23℃の純粋に投入し、NaOH溶液を添加して、表1に記載された初期NaOH濃度となるように調整し、酸化焙焼された既焙焼物をNaOH水溶液に溶出させて、表1の濃度のタングステン化合物イオンが溶解したタングステン化合物含有溶液を得た。このタングステン化合物含有溶液に表1の濃度のE.coliを投入し、その後に、表1に記載された追加NaOH濃度のNaOH溶液を添加し、撹拌した。そして、この溶液に、塩酸(HCl)を添加して、pHを2に調整して溶液を撹拌し、タングステン化合物イオンをE.coliに吸着させた。
E.coliを投入してから3分後と60分後の溶液の温度と溶液中のタングステン化合物イオン濃度とを測定し、微生物を投入する前の溶液中のタングステン化合物イオン濃度に対して減じた割合(微生物投入前の溶液中のタングステン化合物イオン濃度−微生物投入後の溶液中のタングステン化合物イオン濃度)/微生物投入前の溶液中のタングステン化合物イオン濃度×100)(%)をE.coliがタングステン化合物イオンを吸着したタングステン化合物イオンの吸着率として見積もった。表1には、W吸着率として記載した。
Figure 2015045041
表1の結果から明らかな通り、塩酸を添加する前のタングステン化合物溶液中の水酸塩の含有量が、化学量論比で、被処理物のタングステン化合物イオンを溶出させるのに必要な量の4倍未満である試料No.1では、タングステン化合物イオンの吸着量が低く、タングステン化合物の回収率も低いものであった。
これに対して、塩酸を添加する前のタングステン化合物溶液中の水酸塩の含有量が、化学量論比で、被処理物のタングステン化合物イオンを溶出させるのに必要な量の4倍以上である試料No.2〜11では、いずれもタングステン化合物イオンの吸着量が高く、タングステン化合物の回収率も高くなった。

Claims (2)

  1. 水酸塩を含有するアルカリ溶液にタングステンを含有する被処理物の金属成分を溶出させ、タングステン化合物イオンが溶解したタングステン化合物溶液を得る工程と、
    前記タングステン化合物溶液に微生物を投入し、前記タングステン化合物溶液に塩酸(HCl)を添加して酸性に調整し、前記微生物に前記タングステン化合物イオンを吸着させる吸着工程と、
    前記タングステン化合物イオンを吸着した前記微生物を回収する回収工程と、を有するタングステン化合物の回収方法であって、
    前記塩酸を添加する前の前記タングステン化合物溶液中の前記水酸塩の含有量が、化学量論比で、前記被処理物の前記タングステン化合物イオンを溶出させるのに必要な量の4倍以上であるタングステン化合物の回収方法。
  2. 前記塩酸を添加する前の前記タングステン化合物溶液中の前記水酸塩の一部は、前記微生物の投入と同時またはその後に、前記タングステン化合物溶液に添加する請求項1記載のタングステン化合物の回収方法。
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