JP2015224225A - 金属化合物吸着材およびそれを用いた金属化合物の回収方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】Na2WO4又はNa2MoO4の水溶液からタングステン及びモリブデンのうち少なくともいずれか一方の化合物を、簡単な処理工程で環境負荷を低減しつつ効率良く回収できる金属化合物吸着材、及びそれを用いた金属化合物の回収方法を提供。
【解決手段】無機材料からなる基体と、基体の表面に担持された吸着部を備え、吸着部が、アラニン,シスチン,メチオニン,チロシン,リシン,ヒスチジン,プロリン,グルタミン酸及びバリンからなる第1のアミノ酸群のうち、少なくともいずれか一種のアミノ酸残基を含む吸着材、及びペプチド又はタンパク質のうち少なくともいずれか一方である金属化合物吸着材。
【選択図】図1
【解決手段】無機材料からなる基体と、基体の表面に担持された吸着部を備え、吸着部が、アラニン,シスチン,メチオニン,チロシン,リシン,ヒスチジン,プロリン,グルタミン酸及びバリンからなる第1のアミノ酸群のうち、少なくともいずれか一種のアミノ酸残基を含む吸着材、及びペプチド又はタンパク質のうち少なくともいずれか一方である金属化合物吸着材。
【選択図】図1
Description
本発明は、タングステンおよびモリブデンのうち少なくともいずれか一方の化合物を吸着する金属化合物吸着材およびそれを用いた金属化合物の回収方法に関するものである。
タングステンおよびモリブデンは、超硬質合金としてコバルト、タンタル、ニオブなどとともに用いられ、その超硬質な性質に基づいて切削工具などに多く使用されている。また、高融点であることから高温用電気炉の発熱体や構造部材に使用されるほか、触媒として石油化学工業や環境機器等に用いられたり、アルミナ基板等のセラミック配線基板の配線や、Cuと複合化して放熱基板用部品に利用されるなど種々の用途に用いられている。それに伴い、これらの資源を有効活用するため、廃材(スクラップ)からの回収率の向上が求められている。
例えば、スクラップ超硬工具のリサイクル方法は、大きく分けて固形のスクラップを構成成分のまま粉末に再生する直接法(たとえば、特許文献1を参照)と、スクラップを化学的に溶解し、後に構成成分毎に分離回収する間接法(たとえば、特許文献2を参照)の二つに分類される。
間接法である湿式化学処理法では、スクラップのリサイクル工程に鉱石精錬のプロセスを適用させる方法が一般的である。超硬合金のスクラップはWC、Coを主成分とするため、図2に示すように、アルカリ抽出法やアルカリ溶解法によりNa2WO4の水溶液を作製し、超硬合金の添加元素として含まれるCo、Ti、Ta、Nb、Cr、V等のタングステン以外の不純物を、pH調整や硫化などにより難溶性の化合物として沈殿させ、ろ過して除去する。ろ過したNa2WO4の水溶液から、タングステン成分を分離抽出し、アンモニアを加えて加熱、濃縮することによりパラタングステン酸アンモニウム(APT)を晶析し、これを熱分解することにより酸化タングステンを精製する。なお、モリブデンの場合も同様なプロセスが行われる。
しかしながら、このような従来工法では、Na2WO4(またはNa2MoO4)の水溶液からタングステン(またはモリブデン)を化学的に精製する過程で、種々の化学薬品や水、イオン交換樹脂などを多量に必要とし、工数も多く煩雑なため、環境への負荷とエネルギー消費が多いという問題があった。また廃液量も多く、大規模な廃液処理設備や、イオン交換樹脂の再生工程なども必要となるという問題があった。
本発明は、従来の湿式化学処理法における上記のような問題を解決するものであり、タングステンおよびモリブデンのうち少なくともいずれか一方の化合物を、簡単な処理工程で環境負荷を低減しつつ効率良く回収できる金属化合物吸着材、およびそれを用いた金属化合物の回収方法を提供することを目的とする。
本発明の金属化合物吸着材は、タングステンおよびモリブデンのうち少なくともいずれか一方の化合物を吸着する金属化合物吸着材であって、無機材料からなる基体と、該基体の表面に担持された吸着部を備え、前記吸着部が、アラニン(Alanine),シスチン(Cystine),メチオニン(Methionine),チロシン(Tyrosine),リシン(Lysine),ヒスチジン(Histidine),プロリン(Proline),グルタミン酸(Glutamic acid)およびバリン(Valine)からな
る第1のアミノ酸群のうち、少なくともいずれか一種のアミノ酸残基を含むことを特徴とする。
る第1のアミノ酸群のうち、少なくともいずれか一種のアミノ酸残基を含むことを特徴とする。
本発明の金属化合物の回収方法は、タングステンおよびモリブデンのうち少なくともいずれか一方を含有する被処理物の金属成分をアルカリ溶液に溶出させ、金属化合物イオンが溶解した金属化合物溶液を得る工程と、酸性に調整した前記金属化合物溶液を、上述の金属化合物吸着材に接触させ、前記金属化合物イオンを前記金属化合物吸着材の前記吸着部に吸着させる吸着工程と、前記金属化合物イオンを吸着した前記金属化合物吸着材を、中性またはアルカリ性に調整した脱離用液に接触させ、前記金属化合物イオンを前記吸着部から前記脱離用液中に脱離させる脱離工程と、を有することを特徴とする。
本発明の金属化合物吸着材およびそれを用いた金属化合物の回収方法によれば、簡単な処理工程で環境負荷を低減しつつ効率良く金属化合物を回収できる。
以下、本発明の金属化合物吸着材およびそれを用いた金属化合物の回収方法について具体的に説明する。本発明の金属化合物吸着材(以下、単に吸着材という場合もある)は、無機材料からなる基体と、当該基体の表面に担持された吸着部を備えている。吸着部は、アラニン(Alanine),シスチン(Cystine),メチオニン(Methionine),チロシン(Tyrosine),リシン(Lysine),ヒスチジン(Histidine),プロリン(Proline),グルタミン酸(Glutamic acid)およびバリン(Valine)からなる第1のアミノ酸群のうち、少なくともいずれか一
種のアミノ酸残基を含んでいる。
種のアミノ酸残基を含んでいる。
基体を無機材料としたのは、有機材料を基体として用いると、耐熱性や耐薬品性という点から使用条件が限定されるが、無機材料を基体として用いると、その優れた耐熱性、耐薬品性により、金属化合物の吸着・脱離工程に限らず、回収工程に伴う吸着材の乾燥(例えば200℃以上など)や不純物の除去・洗浄において、より過酷な条件下でも好適に用いることができ、耐久性に優れた吸着材となるためである。無機材料は、セラミックおよびガラスのうち少なくともいずれか一方であることが好ましい。
セラミック材料としては、たとえばシリカ、アルミナ、ジルコニア、コージェライト、SiCなどが挙げられる。また、ガラス材料としては、たとえばケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、アルカリガラスなどが挙げられる。中でも、耐酸性、耐アルカリ性に優れたセラミック材料、ケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス等のガラス材料を用いることが好ましい。
基体は、細孔を有する多孔質体であることが好ましく、吸着部が基体の表面のほか、基体の細孔の内壁にも担持されていることが好ましい。基体が細孔を有し、細孔の内壁に吸着部が担持されていることにより、吸着部の密度が高くなり金属化合物の吸着効率を高め
ることができる。
ることができる。
基体の形状は、例えば粒子状、粒子の成形体、板状、ハニカム状など、使用形態に応じて適した形状を選択すればよい。
例えば、基体が粒子状である吸着材の場合は、後述する金属化合物溶液に吸着剤を投入し、金属化合物を吸着した吸着材を溶液から回収して所定の処理を施し金属化合物を回収すればよい。また、基体が粒子の成形体や板状、ハニカム状などのバルク体である吸着材の場合は、吸着材に金属化合物溶液を透過させることで吸着材に金属化合物を吸着させ、その後吸着材に所定の処理を施して金属化合物を回収すればよい。このように金属化合物溶液を吸着材に透過させる方法はより簡便であり、より効率的に金属化合物の回収を行うことができる。基体が粒子状の場合も、容器に吸着剤を充填して用いることで金属化合物溶液を吸着剤に透過させる方法を適用できる。
このような基体の表面に担持されている吸着部は、第1のアミノ酸群のうち少なくともいずれか一種のアミノ酸残基を少なくとも1個含んでいる。第1のアミノ酸群を構成するアミノ酸は、タングステンまたはモリブデン(以下、対象金属という場合もある)の化合物を含む溶液中において、溶液を酸性に調整することで対象金属化合物のイオン(アニオン)を吸着する。
吸着部は、アミノ酸残基を複数含むものであってもよい。アミノ酸残基を複数含む場合、同一のアミノ酸残基を複数含むものでもよいし、異なる種類のアミノ酸残基を含むものであってもよい。
吸着部は、アミノ酸単体により構成されていてもよいが、ペプチドおよびタンパク質のうち少なくともいずれか一方であることが好ましい。吸着部を複数のアミノ酸残基を有するペプチドまたはタンパク質とすることで、金属化合物を吸着するアミノ酸残基の密度を高めることができ、金属化合物の吸着効率をより高めることができる。
また、吸着部は、第1のアミノ酸群のほか、アラニン(Alanine),シスチン(Cystine),メチオニン(Methionine),チロシン(Tyrosine),リシン(Lysine),ヒスチジン(Histidine),プロリン(Proline),トレオニン(Threonine),アスパラギン(Asparagine),グリシン(Glycine),イソロイシン(Isoleucine),オルニチン(Ornithine),アルギニン(Arginine)
,セリン(Serine),シトルリン(Citrulline)およびシスタチオニン(Cystathionine)から
なる第2のアミノ酸群のうち、少なくともいずれか一種のアミノ酸残基をさらに含有していてもよい。これらも、対象金属化合物のイオンの吸着能を有する。
,セリン(Serine),シトルリン(Citrulline)およびシスタチオニン(Cystathionine)から
なる第2のアミノ酸群のうち、少なくともいずれか一種のアミノ酸残基をさらに含有していてもよい。これらも、対象金属化合物のイオンの吸着能を有する。
基体の表面に吸着部を担持するには、たとえば、基体の表面を水熱処理、紫外線照射またはプラズマ照射などの手法により洗浄し、表面に吸着した有機物質(ハイドロカーボン)を除去して表面を親水性にする。その後、カルボン酸等の官能基を基体の表面に付与する。その後、官能基に直接、吸着部(アミノ酸、ペプチド、タンパク質)を化学的に修飾させればよい。なお、細孔の内壁も同様に処理すればよい。
基体の表面や細孔の内壁に吸着部が担持されていることは、例えば赤外分光(IR)分析により得られたスペクトルの解析により確認できる。吸着部に含まれるアミノ酸残基の種類は、例えば塩酸処理などにより吸着部を加水分解した後、アミノ酸分析を行うことにより同定できる。
以下、本発明の金属化合物吸着材を用いた金属化合物の回収方法について、図1に基づき説明する。
(第1の実施形態)
本発明の金属化合物の回収方法の第1の実施形態として、基体が粒子状の金属化合物吸着材を用いた場合の、超硬質合金スクラップから酸化タングステンを回収する方法について具体的に説明する。なおモリブデン(酸化モリブデン)についても同様な方法が適用できる。
本発明の金属化合物の回収方法の第1の実施形態として、基体が粒子状の金属化合物吸着材を用いた場合の、超硬質合金スクラップから酸化タングステンを回収する方法について具体的に説明する。なおモリブデン(酸化モリブデン)についても同様な方法が適用できる。
超硬質合金スクラップとは、金属タングステンや炭化タングステン(WC)等を主成分とする超硬質合金を用いた超硬工具の製造工程において生じるスクラップや使用済み工具などのハードスクラップのほか、研削スラッジなどの粉状のソフトスクラップが挙げられる。一般に超硬工具は、金属タングステンや炭化タングステン等の複合炭化物を主体とし、鉄、ニッケル、コバルト、銅などを結合相とし、必要に応じて添加物成分としてTiC、TaC、NbC、VC、Cr3C2等を含む超硬合金によって製造されており、具体的には、切削工具(チップ、ドリル、エンドミル等)、金型(成形ロール、成形型等)、土木鉱山用工具(石油掘削用工具、岩石粉砕用工具等)などがある。
まず、このような超硬質合金スクラップの金属成分をアルカリ溶液に溶出させ、タングステン化合物イオンが溶解したタングステン化合物溶液を得る。この時、予め酸化焙焼したスクラップをたとえばNaOH水溶液でアルカリ抽出してもよいし、NaNO3、Na2SO4、Na2CO3やNaOH等のナトリウム塩の溶融塩を用いて酸化すると同時に溶解するアルカリ溶解法を用いてもよい。たとえば、ソフトスクラップは反応性が高く制御が難しいためアルカリ抽出法を用いることが好ましく、ハードスクラップは酸化焙焼により表面部分しか酸化できないため、アルカリ溶解法を用いることが好ましい。
このようにして得られたタングステン化合物溶液に、本発明の金属化合物吸着材を投入する。タングステン濃度は、たとえば0.1〜10mmol/l(アルカリ溶液1リットルに対して、タングステン濃度が0.1〜10mmol)に調整する。金属化合物吸着材を投入したタングステン化合物溶液を、塩酸などを用いて酸性に調整することで、吸着部にアニオンであるタングステン化合物イオンを吸着させる(吸着工程)。温度は室温で構わないが、高温で処理した方が吸着効率がよい。
次に、タングステン化合物イオンを吸着した吸着材を、ろ過や遠心分離等の手段により脱水するとともに、不純物を除去する。その後、タングステン化合物イオンを吸着した吸着材を純水などの脱離用液に投入し、NH4Cl等のアンモニア溶液を加えて脱離用液を中性またはアルカリ性にする。脱離用液を中性またはアルカリ性、たとえばpH7以上にすることにより、タングステン化合物イオンが吸着部から脱離用液中に脱離する(脱離工程)。
次に、遠心分離やフィルターろ過を行うことにより、吸着材とタングステン化合物イオンを含む脱離用液とを分離する。ここで分離した吸着材は、回収して再利用できる。
その後、タングステン化合物イオンを含む脱離用液を加熱濃縮することにより、タングステン化合物をパラタングステン酸アンモニウム(APT)として晶析させる。その後、ATPを酸化・熱分解することにより酸化タングステンを得ることができる。また、さらに得られた酸化タングステンを還元雰囲気中で熱処理して炭化することにより、炭化タングステンを得ることができる。
このように、本実施形態の金属化合物の回収方法では、多段階の工程や多量の薬品が必要であった溶媒抽出法や、溶離工程や樹脂の再生工程が必要なイオン交換法などのタングステンの分離抽出工程に替えて、本発明の金属化合物吸着材を用いた吸着法を利用するこ
とにより、工数を低減することができると同時に、使用する薬品量や廃液量が少ないため低コストでタングステン化合物を回収することができる。
とにより、工数を低減することができると同時に、使用する薬品量や廃液量が少ないため低コストでタングステン化合物を回収することができる。
なお、吸着工程におけるタングステン化合物溶液のpHは酸性(7未満)、特に4以下、好ましくは1〜3とすることで、タングステン化合物の回収率を高めることができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の金属化合物の回収方法の第2の実施形態として、多孔質のバルク状基材の細孔の内壁に吸着部を備える金属化合物吸着材を用いた場合の、超硬質合金スクラップから酸化タングステンを回収する方法について具体的に説明する。なおモリブデン(酸化モリブデン)についても同様な方法が適用できる。
次に、本発明の金属化合物の回収方法の第2の実施形態として、多孔質のバルク状基材の細孔の内壁に吸着部を備える金属化合物吸着材を用いた場合の、超硬質合金スクラップから酸化タングステンを回収する方法について具体的に説明する。なおモリブデン(酸化モリブデン)についても同様な方法が適用できる。
まず、第1の実施形態と同様に、超硬質合金スクラップの金属成分をアルカリ溶液に溶出させ、タングステン化合物イオンが溶解したタングステン化合物溶液を得る。
得られたタングステン化合物溶液を、塩酸などを用いて酸性に調整した後、金属化合物吸着材の細孔を透過させることにより、吸着部にアニオンであるタングステン化合物イオンを吸着させる(吸着工程)。ここで、吸着材を透過したタングステン化合物溶液(以下、透過液という)のタングステン濃度を分析し、必要に応じて再度吸着材を透過させてもよい。
タングステン化合物溶液が透過した吸着材に、純水などをNH4Cl等のアンモニア溶液で中性またはアルカリ性に調整した脱離用液を透過させることにより、タングステン化合物イオンが吸着部から脱離用液中に脱離する(脱離工程)。
得られたタングステン化合物イオンを含む脱離用液を加熱濃縮することにより、タングステン化合物をパラタングステン酸アンモニウム(APT)として晶析させる。その後、ATPを酸化・熱分解することにより酸化タングステンを得ることができる。また、さらに得られた酸化タングステンを還元雰囲気中で熱処理して炭化することにより、炭化タングステンを得ることができる。
このように、金属化合物溶液を吸着材に透過させる方法はより簡便であり、より効率的に金属化合物の回収を行うことができる。なお、多孔質のバルク状基材に代えて、注入口と排出口を備える容器に粒子状の基材を充填したものを用いてもよい。
以上、タングステンまたはモリブデンの化合物を回収する方法について述べたが、他の金属元素についてもオキソ酸や錯体を形成し、アニオン化するものであれば、同様な方法で回収が可能と考えられる。
なお、本発明は、廃棄物から金属化合物を回収するほか、鉱物原料から金属化合物を抽出する際にも適用できる。
Claims (6)
- タングステンおよびモリブデンのうち少なくともいずれか一方の化合物を吸着する金属化合物吸着材であって、
無機材料からなる基体と、該基体の表面に担持された吸着部を備え、
前記吸着部が、アラニン(Alanine),シスチン(Cystine),メチオニン(Methionine),チロシン(Tyrosine),リシン(Lysine),ヒスチジン(Histidine),プロリン(Proline),グルタミン酸(Glutamic acid)およびバリン(Valine)からなる第1のアミノ酸群のうち、少なく
ともいずれか一種のアミノ酸残基を含むことを特徴とする金属化合物吸着材。 - 前記無機材料が、セラミックおよびガラスのうち少なくともいずれか一方であることを特徴とする請求項1に記載の金属化合物吸着材。
- 前記基体が、細孔を有する多孔質体であるとともに、前記吸着部が、前記細孔の内壁にも担持されていることを特徴とする請求項1または2に記載の金属化合物吸着材。
- 前記吸着部が、ペプチドおよびタンパク質のうち少なくともいずれか一方であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の金属化合物吸着材。
- 前記吸着部が、アラニン(Alanine),シスチン(Cystine),メチオニン(Methionine),チロシン(Tyrosine),リシン(Lysine),ヒスチジン(Histidine),プロリン(Proline),トレオニン(Threonine),アスパラギン(Asparagine),グリシン(Glycine),イソロイシン(Isoleucine),オルニチン(Ornithine),アルギニン(Arginine),セリン(Serine),シトルリ
ン(Citrulline)およびシスタチオニン(Cystathionine)からなる第2のアミノ酸群のうち
、少なくともいずれか一種のアミノ酸残基をさらに含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の金属化合物吸着材。 - タングステンおよびモリブデンのうち少なくともいずれか一方を含有する被処理物の金属成分をアルカリ溶液に溶出させ、金属化合物イオンが溶解した金属化合物溶液を得る工程と、
酸性に調整した前記金属化合物溶液を、請求項1乃至5のいずれかに記載の金属化合物吸着材に接触させ、前記金属化合物イオンを前記金属化合物吸着材の前記吸着部に吸着させる吸着工程と、
前記金属化合物イオンを吸着した前記金属化合物吸着材を、中性またはアルカリ性に調整した脱離用液に接触させ、前記金属化合物イオンを前記吸着部から前記脱離用液中に脱離させる脱離工程と、を有することを特徴とする金属化合物の回収方法。
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