JP2015043305A - 絶縁電線の製造装置及び製造方法 - Google Patents

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正隆 志波
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Junichi Imai
惇一 今井
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悠史 畑中
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雅晃 山内
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Abstract

【課題】本発明は、絶縁電線の長さ方向での径の変動を抑制できる絶縁電線の製造装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係る絶縁電線の製造装置は、平行に配設され、1又は複数周回架け渡される導線を走行させる一対のドラムと、走行している導線の表面に絶縁塗料を塗布する塗布部と、上記絶縁塗料が塗布された導線への加熱により、導体表面に絶縁層を形成する加熱部とを備える絶縁電線の製造装置であって、上記一対のドラムの少なくとも一方を回転駆動する駆動部を備えている。また、本発明に係る絶縁電線の製造装置は、上記一対のドラム直前、直後又は周回中の導線の張力、又はこの張力と一対一関係にある物理量を測定する測定部と、この測定部の測定結果により上記駆動部の駆動力を制御する制御部とをさらに備えることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、絶縁電線の製造装置及び製造方法に関する。
従来、各種電気機器の配線として、導線の外周に絶縁層を有する絶縁電線が用いられている。このような絶縁電線として、例えばモーターや変圧器等の巻線に用いられるエナメル線が知られている。
このエナメル線は、一般に、溶剤が含有される絶縁ワニス(絶縁塗料)を導線に塗布する工程と焼き付ける工程とを複数回繰り返して行い、導線上に絶縁皮膜を形成することにより製造される。より具体的には、上下に設けたドラム間に導線を架け渡し、下側のドラムから上側のドラムに走行させる間に導線の表面に絶縁塗料を塗布し、次いで、焼付炉によって導線に塗布された絶縁塗料を焼き付け、乾燥させることを繰り返す(特開2008−123759号公報参照)。
特開2008−123759号公報
従来の絶縁電線の製造装置においては、ドラムの導線走行方向奥側に設けた巻取部が導線を引っ張ることによって導線が走行する。上下のドラムは、自ら駆動せず、この導線の走行に応じて回転する。しかしながら、このような製造装置においては、ドラム間に架け渡された導線の張力が経時的に変動し、塗布ダイスから導線を引き抜く力が導線の長さ方向で変化するので、絶縁電線の径や絶縁皮膜の厚さが長さ方向で変動するという不都合がある。
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、得られる絶縁電線の長さ方向での径の変動を抑制できる絶縁電線の製造装置及び製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた発明は、平行に配設され、1又は複数周回架け渡される導線を走行させる一対のドラムと、走行している導線の表面に絶縁塗料を塗布する塗布部と、上記絶縁塗料が塗布された導線への加熱により、導体表面に絶縁層を形成する加熱部とを備える絶縁電線の製造装置であって、上記一対のドラムの少なくとも一方を回転駆動する駆動部を備えている絶縁電線の製造装置である。
また、上記課題を解決するためになされた別の発明は、平行に配設される一対のドラムに導線を1又は複数周回架け渡し、導線を走行させる工程と、走行している導線の表面に絶縁塗料を塗布する工程と、上記絶縁塗料が塗布された導線への加熱により、導体表面に絶縁層を形成する工程とを備える絶縁電線の製造方法であって、上記一対のドラムの少なくとも一方を回転駆動する絶縁電線の製造方法である。
なお、「ドラム直前」とは、ドラムでの導線の入側の近傍をいい、「ドラム直後」とは、ドラムでの導線の出側の近傍をいう。また、「導線の走行方向手前側」とは導線が走行してくる側(送り出し側)をいい、「導線の走行方向奥側」とは導線が走行していく側(巻き取り側)をいう。
本発明の絶縁電線の製造装置及び製造方法は、得られる絶縁電線の長さ方向での径の変動を抑制できる。
図1は、本発明の一実施形態の絶縁電線の製造装置の模式的構成図である。 図2は、本発明の一実施形態の測定部の模式的構成図である。
[本発明の実施形態の説明]
本発明は、平行に配設され、1又は複数周回架け渡される導線を走行させる一対のドラムと、走行している導線の表面に絶縁塗料を塗布する塗布部と、上記絶縁塗料が塗布された導線への加熱により、導体表面に絶縁層を形成する加熱部とを備える絶縁電線の製造装置であって、上記一対のドラムの少なくとも一方を回転駆動する駆動部を備えている絶縁電線の製造装置である。
当該絶縁電線の製造装置は、上記一対のドラムの少なくとも一方を回転駆動する駆動部を備えている。従来の絶縁電線の製造装置では、導線が架け渡される一対のドラムが自ら駆動せず、導線の走行に応じて回転するだけだったので、架け渡された導線に弛みが生じたり、過度な張力が掛っても、導線の弛みや過度な張力を十分に緩和することができなかった。しかしながら、当該絶縁電線の製造装置では、架け渡された導線の弛みや過度な張力を検知したとき、上記一対のドラムの少なくとも一方を回転駆動させることにより導線の弛みや過度な張力を緩和することができる。このことにより、塗布ダイスから導線を引き抜く力が導線の長さ方向で変動し難くなり、絶縁電線の長さ方向での径の変動を抑制できる。
当該絶縁電線の製造装置は、上記一対のドラム直前、直後又は周回中の導線の張力、又はこの張力と一対一関係にある物理量を測定する測定部と、この測定部の測定結果により上記駆動部の駆動力を制御する制御部とをさらに備えることが好ましい。このことにより、上記一対のドラム直前、直後又は周回中の導線の張力を容易に制御できるので、塗布ダイスから導線を引き抜く力が導線の長さ方向で更に変動し難くなり、絶縁電線の長さ方向での径の変動を更に抑制できる。
上記測定部が、上記一対のドラム直後の導線の張力、又はこの張力と一対一関係にある物理量を測定することが好ましい。一対のドラムにおける導線の走行方向奥側は一対のドラム間よりも空間を確保し易いので、周回中の導線の張力よりも一対のドラム直後の導線の張力の方が容易に測定できる。また、一対のドラム直後の導線の張力の方が一対のドラム直前の張力よりも塗布ダイスから導線を引き抜く力に与える影響力が大きいと考えられる。従って、一対のドラム直後の導線の張力、又はこの張力と一対一関係にある物理量を測定することで、絶縁電線の長さ方向での径の変動を更に抑制できる。
上記測定部が、上記導線の走行方向に所定間隔を開けて配設され、導線の周面の一方側を支持する一対のプーリと、この一対のプーリ間に配設され、導線の他方側を支持し、その他方側に付勢される遊動プーリと、上記一対のプーリに対する上記遊動プーリの位置を測定するセンサとを備えることが好ましい。測定部をこのような構成にすることにより、導線の張力と一対一関係にある物理量である上記遊動プーリの位置を容易に、かつ確実に測定することができる。
上記センサが、上記遊動プーリを導線の走行方向手前側又は奥側で回転自在に支持し、その支持角度により上記遊動プーリの位置を検出することが好ましい。センサをこのような構成にすることにより、導線の張力と一対一関係にある物理量である上記遊動プーリの位置を更に容易に、かつ確実に測定することができる。
また、別の本発明は、平行に配設される一対のドラムに導線を1又は複数周回架け渡し、導線を走行させる工程と、走行している導線の表面に絶縁塗料を塗布する工程と、上記絶縁塗料が塗布された導線への加熱により、導体表面に絶縁層を形成する工程とを備える絶縁電線の製造方法であって、上記一対のドラムの少なくとも一方を回転駆動する絶縁電線の製造方法を含む。
当該製造方法では、架け渡された導線の弛みや過度な張力を検知したとき、上記一対のドラムの少なくとも一方を回転駆動させることにより導線の弛みや過度な張力を緩和することができる。このことにより、塗布ダイスから導線を引き抜く力が導線の長さ方向で変動し難くなり、絶縁電線の長さ方向での径の変動を抑制できる。
[本発明の実施形態の詳細]
以下、本発明に係る絶縁電線の製造装置の実施形態について、図面を参照しつつ詳説する。
図1の当該絶縁電線の製造装置は、平行に配設され、1又は複数周回架け渡される導線Wを走行させる一対の第一ドラム1a及び第二ドラム1bと、導線Wの表面に絶縁塗料を塗布する塗布部2と、絶縁塗料が塗布された導線Wへの加熱により導体表面に絶縁層を形成する加熱部3と、一対のドラムの一方である第一ドラム1aを回転駆動する駆動部4とを備えている。また、当該絶縁電線の製造装置は、第二ドラム1b直後の導線Wの張力と対応関係にある物理量を測定する測定部5と、測定部5の測定結果により駆動部4の駆動力を制御する制御部6とを備えている。また、当該絶縁電線の製造装置は、巻かれた導線Wを第一ドラム1aに送り出す送出部7と、絶縁層を形成された電線W、つまり絶縁電線を巻き取る巻取部8とを備えている。
<導線>
導線Wとしては、特に材質及び構成が限定されるわけではないが、例えば銅線、錫めっき銅線、アルミ線、アルミ合金線、鋼心アルミ線、カッパーフライ線、ニッケルめっき銅線、銀めっき銅線、銅覆アルミ線等を用いることができる。また、導線Wの断面形状としては、特に制限されず、略円形状(丸線)、略楕円形状、及び略四角形状(平角線)等の略多角形状等とすることができる。
<送出部>
送出部7は、リールに巻かれた導線Wを第一ドラム1aに送り出す。送出部7のリールは、駆動式としてもよく、非駆動式としてもよい。送出部7のリールを駆動式とする場合は、第一ドラム1aとの間の導線Wに過度な弛みや張力が発生しないように、送出部7の駆動を制御することが好ましい。送出部7の駆動には、サーボモーター及びステッピングモーター等の公知のモーターを用いることができる。
<一対のドラム>
第一ドラム1aと第二ドラム1bとは、塗布部2と加熱部3とを挟んで上下方向に対向して配置されており、下側に第一ドラム1aが配置され、上側に第二ドラム1bが配置されている。この第一ドラム1aと第二ドラム1bとは、導線Wを周回させる。この第一ドラム1a及び第二ドラム1bは、図1の紙面に垂直な方向に延伸しており、導線Wを掛ける位置をドラムの軸方向で紙面奥側に1周毎に一定間隔ずらすことで導線Wを周回させることができるようになっている。一定回数ドラム間を周回させて表面にエナメル被覆が形成された導線W、即ち、絶縁電線は、最終的には測定部5の導線走行方向奥側に設けられた巻取部8に巻き取られる。ドラムの材質としては、金属や樹脂等を用いることができる。第一ドラム1aは、駆動ドラムであり、後述する駆動部4によって回転駆動する。第二ドラム1bは、回転自在に支持されており、導線Wの走行に伴って回転する。
<駆動部>
駆動部4は、第一ドラム1aに隣接して設けられ、モーターによって第一ドラム1aを回転駆動する。このモーターとしては、例えばサーボモーター及びステッピングモーター等の公知のモーターを用いることができる。
<塗布部>
塗布部2は、第一ドラム1aの導線走行方向奥側に設けられ、絶縁ワニスを貯留する絶縁ワニス槽21と、絶縁ワニス槽21の導線走行方向奥側に設けられ、絶縁ワニス槽21を通過した導線Wが挿通される塗布ダイス22とを備え、第一ドラム1a及び第二ドラム1bを周回する導線Wの外周面に絶縁ワニスを塗布する。絶縁ワニス槽21の底部には、導線Wを貫通させる貫通穴が図1の紙面奥側に一定間隔毎に複数配列されており、貫通穴を貫通した導線Wの外周面には絶縁ワニス槽21の絶縁ワニスが塗布される。そして、導線Wの外周面に塗布された絶縁ワニスは、導線Wが塗布ダイス22に挿通されることでダイス孔の径に応じてほぼ均一な厚さに整えられる。この塗布ダイス22は、上記貫通穴に対応して図1の紙面奥側に一定間隔毎に複数配列され、紙面奥側に行くほどダイス孔の径が大きくなっている。このように、塗布部2によって導線Wの外周面に形成されるエナメル被覆を徐々に厚くし、一定の厚さのエナメル被覆を形成できる。
絶縁ワニスとしては、エナメル被覆の構成樹脂を溶剤で溶解したものが用いられる。この構成樹脂としては、絶縁性が高く、耐熱性が高い樹脂であれば特に限定されない。具体的には、例えばポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステルイミド樹脂等を用いることができる。また、溶剤としては、例えばピロリドンやクレゾール等を用いることができる。
<加熱部>
加熱部3は、絶縁ワニスが塗布された導線Wを加熱し、絶縁ワニスに含まれる樹脂を硬化させ、導線表面に絶縁層のエナメル被覆を形成する。加熱部3での導線Wの加熱には、種々の加熱手段を使用でき、例えばヒータ、誘導加熱、マイクロ波加熱、熱風、蒸気、過熱水蒸気等を用いることができる。この加熱部3の加熱温度は、絶縁ワニスに含まれる樹脂の硬化温度以上とすればよい。
<測定部>
測定部5は、図2に示すように導線Wの走行方向に所定間隔を開けて配設され、導線Wの周面の一方側(図2の導線Wの下方側)を支持する一対のプーリ51、52と、この一対のプーリ51、52間に配設され、導線Wの他方側(図2の導線Wの上方側)を支持し、その他方側に付勢される遊動プーリ53と、一対のプーリ51、52に対する遊動プーリ53の位置を測定するセンサ54とを備える。一対のプーリ51、52及び遊動プーリ53は、回転自在に支持され、接する導線Wの走行に応じて回転する。
センサ54は、遊動プーリ53を導線Wの走行方向手前側で回転自在に支持し、その支持角度により遊動プーリ53の位置を検出する。具体的には、センサ54は、一方の端が支点Oを中心に図2の紙面と平行な面内で回転可能に軸支された支持棒55を有しており、支持棒55の他方の端には、遊動プーリ53が、プーリの軸が支持棒55と垂直になるように取り付けられている。支持棒55に取り付けられたバネ等(図示せず)の弾性部材によって、遊動プーリ53は導線Wの上方側に付勢される。センサ54は、支持角度θ(具体的には支持棒55と例えば水平線とが成す角度θ)を検出することで、遊動プーリ53の位置を測定する。この遊動プーリ53の位置は、プーリにかかる付勢力によって変化し、ドラム1直後の導線Wの張力と一対一関係にある。
なお、センサ54は、導線Wの走行方向手前側でなく、導線Wの走行方向奥側で遊動プーリ53を回転自在に支持してもよい。
<制御部>
制御部6は、支持角度θが一定の設定値になるように、第一ドラム1aを駆動させる駆動部4の駆動力を操作量としてフィードバック制御する。上記設定値は、製造する絶縁電線の種類や寸法等に応じて事前に定めておいてもよいし、当該絶縁電線の製造装置の運転中に検出された支持角度θの変動に基づいて定めてもよい。
<巻取部>
巻取部8は、導線Wを引っ張ってリールに巻き取る。この巻取部8の引張力によって、導線Wが塗布部2及び加熱部3間を周回する。巻取部8の駆動には、サーボモーター及びステッピングモーター等の公知のモーターを用いることができる。
[絶縁電線の製造方法]
次に当該絶縁電線の製造方法について説明する。当該絶縁電線の製造方法は、図1の当該絶縁電線の製造装置を用い、平行に配設される一対のドラム1に導線Wを1又は複数周回架け渡し、導線Wを走行させる工程と、走行している導線Wの表面に絶縁塗料を塗布する工程と、絶縁塗料が塗布された導線Wへの加熱により、導体表面に絶縁層を形成する工程とを備える。
<走行工程>
走行工程では、導線Wを送出部7から送り出し、第一ドラム1aを経由させ、絶縁ワニス槽21の底部の貫通穴及び塗布ダイス22に挿通させて第二ドラム1bに架け渡す。導線Wを一対のドラム1に複数周回架け渡す場合には、第二ドラム1bに架け渡した後に、更に第一ドラム1aを経由して絶縁ワニス槽21の底部の貫通穴及び塗布ダイス22に挿通させて第二ドラム1bに架け渡すことを繰り返す。このとき、導線Wを架ける位置をドラムの軸方向で図1の紙面奥側に1周毎に一定間隔ずらす。導線Wを一対の第一ドラム1a及び第二ドラム1bに架け渡した後、測定部5を経由させて導線Wを巻取部8に巻き取り、巻取部8によって導線Wを走行させる。そして、走行中に、測定部5の遊動プーリ53の支持角度θが設定値になるように、第一ドラム1aの駆動力を制御部6でフィードバック制御する。
<塗布工程>
塗布工程では、絶縁ワニス槽21と塗布ダイス22とに導線Wを走行させる。導線Wは、絶縁ワニス槽21の底部の貫通穴から挿入され、絶縁ワニス槽21に貯留された絶縁ワニス中を通過することによって外周面に絶縁ワニスが塗布される。そして、導線Wの外周面に塗布された絶縁ワニスは、導線Wが塗布ダイス22に挿通されることでダイス孔の径に応じてほぼ均一な厚さに整えられる。
<加熱工程>
加熱工程では、絶縁ワニスを塗布された導線Wを加熱し、絶縁ワニスに含まれる樹脂を硬化させ、導線表面に絶縁層のエナメル被覆を形成する。
<利点>
当該絶縁電線の製造装置では、測定部5の遊動プーリ53の支持角度θが所定の値になるように、第一ドラム1aの駆動力を制御部6で制御する。この支持角度θは、第二ドラム1bの直後における導線Wの張力と一対一関係にあるので、上記制御により第二ドラム1bの直後における導線Wの張力が一定値に制御される。このことにより、塗布ダイス22から導線Wを引き抜く力が経時的に変動し難くなり、絶縁電線の径、及び絶縁電線の芯である導線の長さ方向での径の変動が小さくなる。
また、当該絶縁電線の製造装置では、第二ドラム1bにおける導線の走行方向奥側は一対の第一ドラム1a及び第二ドラム1b間よりも空間を確保し易いので、周回中の導線の張力よりも第二ドラム1b直後の導線の張力の方が容易に測定できる。また、第二ドラム1b直後の導線の張力の方が第一ドラム1a直前の張力よりも塗布ダイスから導線を引き抜く力に与える影響力が大きいと考えられる。従って、第二ドラム1b直後の導線の張力と一対一関係にある物理量である遊動プーリ53の位置を測定することで、絶縁電線の長さ方向での径の変動を更に抑制できる。
[その他の実施形態]
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
上記実施形態では、駆動部4によって第一ドラム1aを回転駆動させたが、第二ドラム1bを回転駆動させてもよいし、第一ドラム1aと第二ドラム1bとの両方を回転駆動させてもよい。このように回転駆動させるドラムを変えても第一ドラム1aを回転駆動させるのと同様に、絶縁電線の径の長さ方向での変動を抑制できる。
また、上記実施形態では、測定部5と制御部6とを用い、駆動部4の駆動力を制御した。しかし、測定部5と制御部6とを用いずに、例えばオペレータが目視等によって架け渡された導線Wの弛みや過度な張力を検知し、オペレータが駆動部4の駆動力を制御してもよい。
また、上記実施形態では、測定部5で導線Wの張力と一対一関係にある物理量である遊動プーリ53の支持角度を測定したが、導線Wの張力自体を測定してもよい。また、上記物理量として他のもの、例えば導線Wを弾いた時の音の周波数等を用いることができる。
また、上記実施形態では、第二ドラム1b直後の導線Wにおいて測定部5の遊動プーリ53の支持角度を測定したが、第一ドラム1a直前の導線W、又は周回中の導線Wの張力、又はこの張力と一対一関係にある物理量を測定してもよい。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例]
図1の製造装置を用い、銅の平角導線(厚み:1.729mm、幅:2.954mm)に、絶縁ワニスを塗布、焼き付け、及び乾燥し、絶縁電線を製造した。絶縁ワニスとしては、樹脂としてポリイミドを用い、溶剤としてN−メチル−2−ピロリドンを用いた。
上記絶縁電線の製造においては、一対のドラム1直後の導線Wにおいて測定部5の遊動プーリ53の支持角度θを測定し、支持角度θが事前に定めた角度になるようにフィードバック制御し、第一ドラム1aを回転駆動させた。製造後の絶縁電線の厚み及び幅と、絶縁電線の平角導線の厚み及び幅とを絶縁電線の長さ方向の120箇所で測定し、それぞれの最大、最小、平均、及び4倍標準偏差を算出した。
[比較例]
第一ドラム1aを駆動ドラムとせずに第一ドラム1aを回転自在に支持し、駆動力のフィードバック制御を行わなかった以外は、実施例と同一の条件で絶縁電線を製造した。実施例と同様に、製造後の絶縁電線の厚み及び幅と、絶縁電線中の平角導線の厚み及び幅とを絶縁電線の長さ方向の120箇所で測定し、それぞれの最大、最小、平均、及び4倍標準偏差を算出した。
上記実施例及び比較例の測定結果を表1に示す。
Figure 2015043305
[評価]
絶縁電線の厚み及び幅の4倍標準偏差は、実施例の方が比較例よりも小さくなっている。また、絶縁電線中の平角導線の厚み及び幅の4倍標準偏差も、実施例の方が比較例よりも小さくなっている。つまり、当該絶縁電線の製造装置によって、絶縁電線の長さ方向での径の変動を抑制できた。
本発明は、例えば径の寸法変動が小さいことが要求される絶縁電線の製造装置及び製造方法として好適に用いることができる。
1a 第一ドラム
1b 第二ドラム
2 塗布部
21 絶縁ワニス槽
22 塗布ダイス
3 加熱部
4 駆動部
5 測定部
51、52 プーリ
53 遊動プーリ
54 センサ
55 支持棒
6 制御部
7 送出部
8 巻取部
W 導線
O 支点

Claims (6)

  1. 平行に配設され、1又は複数周回架け渡される導線を走行させる一対のドラムと、
    走行している導線の表面に絶縁塗料を塗布する塗布部と、
    上記絶縁塗料が塗布された導線への加熱により、導体表面に絶縁層を形成する加熱部と
    を備える絶縁電線の製造装置であって、
    上記一対のドラムの少なくとも一方を回転駆動する駆動部を備えている絶縁電線の製造装置。
  2. 上記一対のドラム直前、直後又は周回中の導線の張力、又はこの張力と一対一関係にある物理量を測定する測定部と、
    この測定部の測定結果により上記駆動部の駆動力を制御する制御部と
    をさらに備える請求項1に記載の絶縁電線の製造装置。
  3. 上記測定部が、上記一対のドラム直後の導線の張力、又はこの張力と一対一関係にある物理量を測定する請求項2に記載の絶縁電線の製造装置。
  4. 上記測定部が、
    上記導線の走行方向に所定間隔を開けて配設され、導線の周面の一方側を支持する一対のプーリと、
    この一対のプーリ間に配設され、導線の他方側を支持し、その他方側に付勢される遊動プーリと、
    上記一対のプーリに対する上記遊動プーリの位置を測定するセンサと
    を備える請求項2又は請求項3に記載の絶縁電線の製造装置。
  5. 上記センサが、上記遊動プーリを導線の走行方向手前側又は奥側で回転自在に支持し、その支持角度により上記遊動プーリの位置を検出する請求項4に記載の絶縁電線の製造装置。
  6. 平行に配設される一対のドラムに導線を1又は複数周回架け渡し、導線を走行させる工程と、
    走行している導線の表面に絶縁塗料を塗布する工程と、
    上記絶縁塗料が塗布された導線への加熱により、導体表面に絶縁層を形成する工程と
    を備える絶縁電線の製造方法であって、
    上記一対のドラムの少なくとも一方を回転駆動する絶縁電線の製造方法。
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