JP2016081604A - 絶縁被覆線製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型化が可能な絶縁被覆線製造装置の提供。
【解決手段】素線D1に塗工液25を塗布し、塗工液25を素線D1の外周面に焼き付ける絶縁被覆線製造装置100において、塗工液25が塗布された素線D1が内側に配置されるように一列に配列される複数の誘導コイル31を有し、複数の誘導コイル31は、巻線ピッチが異なる第1誘導コイルC1と第2誘導コイルC2よりなり、第1誘導コイルC1と第2誘導コイルC2は直列接続され、誘導コイル31に通電されることで塗布済素線D2を加熱する。
【選択図】図1

Description

本発明は、エナメル線などの塗布型の絶縁被覆線を製造する技術に関し、詳しくは素線に絶縁被覆用の塗料を塗布した後に乾燥させる際、誘導コイルを用いて熱を発生させ、絶縁被覆膜を形成する技術に関する。
エナメル線などに代表される塗布型の絶縁被覆線の製造は、素線に絶縁性の被覆材を塗布して熱風乾燥炉で乾燥・硬化させるといった手法を採るのが一般的である。しかしながら、車両の動力に使うモータに用いるエナメル線は、モータの出力向上に伴い大容量の電流を流したいという要望がある。この為、絶縁被覆膜を厚くすることが好ましい。しかし、これまでの絶縁被覆線の製造方法を用いて車両の動力用のモータ用のエナメル線を製造すると、設備が大型化するか、塗り重ね回数が増えてエナメル線の高コスト化を招く傾向にある。以下に関連すると思われる技術を紹介する。
特許文献1に、ケーブル絶縁体の連続架橋設備における誘導加熱装置の制御方法に関する技術が開示されている。導体の上に押出し被覆された絶縁体の架橋反応を、架橋筒内の誘導加熱コイルにより導体を加熱することによって促進させる。この際に、絶縁体が押出し被覆される直前の位置における導体の外側に、誘導加熱コイルと同一径及び同一ピッチを有すると共にそのコイル巻き数を異ならせてなる制御用誘導加熱コイルを配置する。かつ、その制御用誘導加熱コイルと架橋筒内の誘導加熱コイルを直接に連結するとともにこれらに高周波電源により同一の電流を供給する。そして、制御用誘導かねるコイルによって絶縁体被覆前の導体を加熱し、その加熱された導体の温度を測定して指標として高周波電源の出力を調整する。こうすることでケーブル絶縁体を形成することができる。
特許文献2に、エナメル線製造方法に関する技術が開示されている。導線をワニスポットにくぐらせてエナメル塗料を塗布し、その後、誘導加熱装置で内部から加熱、そして熱風乾燥炉で外側から加熱することでエナメル線を製造している。
特許文献3に、絶縁電線の製造装置及び絶縁電線の製造方法に関する技術が開示されている。溶剤が含まれる絶縁塗料を導線に塗布する塗布装置と、この絶縁塗料が塗布された導線を走行状態で加熱し、絶縁塗料を硬化させて絶縁層を形成する焼付炉とを備える絶縁電線の製造装置であって、導線に塗布された未硬化状態の絶縁塗料から溶剤を回収する溶剤回収機構を備え、この溶剤回収機構は、絶縁塗料が塗布された導線の外周に配されると共に、導線を加熱して絶縁塗料から溶剤を気化される加熱装置と、気化された溶剤と接触して、この溶剤を凝縮させる液化部材とを備える。
特開昭57−15314号公報 特開2003−297163号公報 特開2011−108602号公報
しかしながら、特許文献1乃至特許文献3に開示される技術を用いてエナメル線をはじめとした塗布型の絶縁被覆線の製造を行う場合、以下に示すような問題があると考えられる。
上述した様に、車載する動力用モータに使用するエナメル線の皮膜の厚みは、絶縁性を高めるニーズがあるために厚くしたい。このため、特許文献2及び特許文献3に記載の熱風乾燥炉を用いて塗布型の絶縁被覆線を製造する手法では、乾燥炉の大型化を招きやすい。塗布された絶縁塗料を乾燥させるにあたって、熱風によって素線の温度を上げて乾燥させる。しかし熱風乾燥は空気を媒介させて熱を素線に伝達するために、加熱効率が悪い。これは空気の熱伝導率などが影響するためである。絶縁被覆膜の膜厚が厚くなれば、乾燥に時間がかかり、それだけ乾燥炉も大型化する必要が出てくる。しかし、絶縁被覆線の製造コスト削減の為には炉の大型化は好ましくない。
尤も、塗布型の絶縁被覆線製造工程においては、塗布と乾燥を繰り返して行うということが一般的に行われている。しかし、絶縁被覆の厚みが厚くなることは、繰り返し回数を増やさねばならないことを意味するので、製造に掛かる時間が増えていくことになる。この為、複数の製造設備を並べて効率よく製造を行うことが考えられるが、乾燥炉など大きな設備を利用すると、工場の設置スペースの関係で効率的な絶縁被覆線の製造が困難となることも考えられる。また、絶縁被覆線の製造コストの増大を招く事も懸念される。
また、特許文献1に示される様に素線に接して温度を測定し、誘導加熱コイルを用いた素線の加熱を調整することも困難である。これは、特許文献1の技術が絶縁体の架橋反応を利用して導体に絶縁被覆するのに対し、エナメル線では塗布型の被覆材を用いているためである。塗料が乾燥する前に導体に触れることは好ましくない。したがって、測温するにあたり接触させての測温は困難である。また、代わりに非接触式の測温方法を採用する事も考えられるが、塗布後の素線の表面温度を測定することになるので、測定精度に難があると考えられる。
そこで、本発明はこのような課題を解決するために、小型化が可能な絶縁被覆線製造装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の一態様による絶縁被覆線製造装置は、以下のような特徴を有する。
(1)芯線に被覆液を塗布し、前記被覆液を前記芯線の外周面に焼き付ける絶縁被覆線製造装置において、前記被覆液が塗布された前記芯線が内側に通されるように一列に配列される複数の誘導コイルを有し、複数の前記誘導コイルは、巻線ピッチが異なる第1誘導コイルと第2誘導コイルよりなり、前記第1誘導コイルと前記第2誘導コイルは直列接続され、前記誘導コイルに通電されることで前記芯線を加熱すること、を特徴とする。
上記(1)に記載の態様により、絶縁被覆線製造装置の小型化が可能となる。これは、従来のように熱風乾燥炉を用いて熱した空気を用いて芯線を加熱する加熱乾燥方式ではなく、誘導コイルを用いて直接的に熱を発生させる方式だからである。空気は熱伝導率が低いので、芯線は高温の空気を長時間に触れさせ続ける必要がある。この結果、乾燥炉を長くする必要がある。その上、絶縁被覆の膜厚を均等にするには縦型炉を使う必要があるので、設備の大型化を招く。一方、誘導コイルで芯線を加熱する(1)に記載の態様の場合には、芯線の内部から熱を発することとなるため、効率的に芯線の加熱が可能となる。この結果、設備の小型化に貢献することができる。
(2)(1)に記載の絶縁被覆線製造装置において、前記芯線の外側であって前記誘導コイルの内側に、非磁性体で形成される非磁性保護材が配置されること、が好ましい。コイルの内側に非磁性保護材が配置されることで、芯材の表面に塗布された絶縁被覆材からの有機溶剤蒸発に伴う汚れなどが飛散して誘導コイルに付着することを防ぐことが可能となる。これによって、メンテナンスの手間を軽減することが可能である。
(3)(1)又は(2)に記載の絶縁被覆線製造装置において、前記誘導コイルは、モールドされてターン毎にコイル分割部が設けられ、前記コイル分割部を分割することで、前記芯線の交換が可能であること、が好ましい。
(4)(2)に記載の絶縁被覆線製造装置において、前記誘導コイルは、モールドされてターン毎にコイル分割部が設けられ、前記非磁性保護材は、前記芯線の長手方向に分割線が入るように保護材分割部が設けられ、前記コイル分割部を分割すると共に前記保護材分割部を分割することで、前記芯線の交換が可能であること、が好ましい。
上記(3)又は(4)に記載の態様により、芯線の交換が容易となる。この為、断替え時間を短縮することが可能となる。また、設備のメンテナンス性も向上する。
第1実施形態の、絶縁被覆線の製造装置の概略図である。 第1実施形態の、乾燥部の概略図である。 第1実施形態の、誘導コイルの構成について説明する略図である。 第1実施形態の、平角導体の温度と時間の関係について示すグラフである。 第1実施形態の、塗布直後の塗布済素線の断面図である。 第1実施形態の、乾燥済平角線の断面図である。 第2実施形態の、乾燥部の斜視図である。
まず、本発明の第1の実施形態について、参考となる図面を用いて説明する。なお、用いられている図面の詳細部分は、説明の都合上簡略化している。
図1に、第1実施形態の絶縁被覆線の製造装置の概略図を示す。絶縁被覆線製造装置100は、巻出部10と、塗工部20と、乾燥部30と、巻取部40とを有している。巻出部10には平角導体Dの素線D1が巻かれたボビン11が巻き出し可能に備えられている。素線D1は無酸素銅を矩形断面に加工した線材である。塗工部20には、エナメル槽21が備えられて、ポリアミドイミド樹脂にN−メチルピロリドン(NMP)や、ナフサ、ジメチルアセトアミド等が溶剤として用いられた塗工液25が満たされている。この塗工部20で、素線D1に絶縁被覆膜が塗布される。
ここで便宜的にエナメル槽21を通過して素線D1表面に塗工液25が塗布された平角導体Dを塗布済素線D2とし、塗布済素線D2を乾燥させた平角導体Dを乾燥済平角線D3とする。塗布済素線D2は乾燥部30にて乾燥され乾燥済平角線D3となり、巻取部40にて図示しないボビンに巻き取られる。なお、特に断り無く平角導体Dと記載する場合は、素線D1乃至乾燥済平角線D3のいずれか、或いは全てを指すものとする。
図2に、乾燥部30の概略図を示す。乾燥部30には、誘導コイル31、交流電源38、冷却塔39、及び非磁性保護材に相当する非磁性パイプ37が備えられる。誘導コイル31は、直列接続される第1誘導コイルC1、第2誘導コイルC2、第3誘導コイルC3、第4誘導コイルC4、第5誘導コイルC5、及び第6誘導コイルC6よりなる。第1誘導コイルC1乃至第6誘導コイルC6はそれぞれ異なるピッチに構成されている。それぞれのピッチに関しては、後述する。誘導コイル31には、交流電源38が接続されて高周波電流が通電される。
誘導コイル31の内周側には、非磁性保護材として非磁性パイプ37が備えられる。非磁性パイプ37の材質は、非磁性のステンレス材料や耐熱性の高い樹脂、セラミック系の素材などが考えられる。非磁性パイプ37の内周側に平角導体Dが通されている。誘導コイル31の上部には、冷却塔39が設けられている。冷却塔39によって塗布済素線D2の冷却を行う。そして、巻取部40で乾燥済平角線D3がボビンに巻き取られる。
図3に、誘導コイル31の構成について説明する略図を示す。第1誘導コイルC1乃至第6誘導コイルC6は、それぞれの長さや巻き方の粗密が、平角導体Dの温度管理目標値によって決定されている。図4に、平角導体Dの温度と時間の関係について示す。縦軸に平角導体Dの表面温度(℃)を、横軸に経過時間(sec)を示す。(T0、S0)から(T1、S1)までの第1区間A1の加熱は、密に巻かれた第1誘導コイルC1によって行われ、平角導体Dの表面温度が昇温される。(T1、S1)から(T2、S2)までの区間の加熱は、疎に巻かれた第2誘導コイルC2によって平角導体Dの表面温度保持がなされる。この区間では主に、平角導体Dに塗布された絶縁性被覆材に混入された揮発剤を蒸発させる。
(T2、S2)から(T3、S3)までの第2区間A2の加熱は、密に巻かれた第3誘導コイルC3によって、平角導体Dの表面温度が昇温される。(T3、S3)から(T4、S4)までの第3区間A3の加熱は、疎に巻かれた第4誘導コイルC4によって、平角導体Dの表面温度が維持される。ここで、平角導体Dの表面に塗布された絶縁性被覆材の硬化を図る。
(T4、S4)から(T5、S5)までの第5区間の加熱は、密に巻かれた第5誘導コイルC5によって、平角導体Dの表面温度が昇温される。そして、(T5、S5)から(T6、S6)までの第6区間の加熱は、疎に巻かれた第6誘導コイルC6によって、平角導体Dの表面温度が維持される。ここで、平角導体Dの表面に塗布された絶縁性被覆材の更なる硬化を図る。誘導コイル31には交流電源38が直列で接続されている為、第1誘導コイルC1乃至第6誘導コイルC6の加熱条件は、コイルの巻き方の粗密と、コイルの長さで決定される。
第1実施形態の絶縁被覆線製造装置100は上記構成である為、小型化が可能な絶縁被覆線製造装置100を提供することが可能である。これは、第1実施形態の、芯線に相当する素線D1に被覆液に相当する塗工液25を塗布し、塗工液25を素線D1の外周面に焼き付ける絶縁被覆線製造装置100において、塗工液25が塗布された素線D1が内側に配置されるように一列に配列される複数の誘導コイル31と、を有し、複数の誘導コイル31は、巻線ピッチが異なる第1誘導コイルC1と第2誘導コイルC2よりなり、第1誘導コイルC1と第2誘導コイルC2は直列接続され、誘導コイル31に通電されることで塗布済素線D2を加熱するからである。
図5に、塗布直後の塗布済素線D2の断面図を示す。図6に、乾燥済平角線D3の断面図を示す。図5に示される塗布済素線D2は塗工部20から乾燥部30の途中までの平角導体Dの状態を示している。図6に示される乾燥済平角線D3は、乾燥部30から巻取部40までの平角導体Dの状態を示している。図5及び図6に示される、素線D1に塗工液25が塗布されて形成された絶縁層50である。絶縁層50は、平角導体Dの種類や形状等によって異なるが、概ね複数解塗布されることで数十μmから数百μm程度に形成されている。
この塗工液25が素線D1に塗布されて直ぐの塗布済素線D2では、塗工液25に有機溶媒が含まれており、図5に示すように絶縁層50の内部に有機溶媒が揮発する際に生じる気泡51ができる場合がある。しかし、そうした場合には絶縁層50に泡・膨れ等が残るケースがあり、平角導体Dの不良に繋がる。そこで、誘導コイル31を用いて素線D1の表面から発熱するようにすることで、被膜の品質の向上を図ることが可能となる。
絶縁被覆線製造装置100の乾燥部30では、誘導コイル31に高周波電流を通電することで、素線D1の表面に誘導電流を誘起し渦電流を発生させてこのジュール熱で、絶縁層50の溶媒揮発及び硬化を実現している。この為、塗布済素線D2の内側、すなわち素線D1の表面から発熱するため、効率よく絶縁層50の乾燥を行うことが可能である。また、第1誘導コイルC1、第2誘導コイルC2によって適切な温度制御をすることができる。これは、第1誘導コイルC1と第2誘導コイルC2で誘導コイル31の巻き数やピッチを変更し、適切な昇温速度や温度維持が実現できるためである。
具体的には、図5に示したように昇温用の誘導コイル31と温度保持用の誘導コイル31を分けてきめ細かく温度設定ができる様になっている。この為、第1誘導コイルC1で絶縁層50に含まれる溶剤が揮発する温度に昇温し、第2誘導コイルC2で適切な時間温度保持する事で、効率よく溶剤の揮発を促すことができる。この温度は溶剤の種類によっても調整をする事が望ましい。また、第3誘導コイルC3で絶縁層50を硬化させる温度に昇温し、第4誘導コイルC4で適切な時間温度保持をすることで、絶縁層50の効率のよい硬化が実現できる。更に、第6誘導コイルC6にて条件2で絶縁層50の硬化を促している。そして、その後適切に冷却することで、乾燥済平角線D3の品質向上に貢献することが可能となる。
また、従来用いられた熱風乾燥炉は、熱量を確保する為に大型化する必要がある。これは、平角導体Dに形成される絶縁層50に厚みが増すことでその傾向が強くなる。しかし、誘導コイル31による加熱を行うことで、塗布済素線D2の内側から加熱することが可能となり効率的な加熱、及び温度管理が可能となる。又、熱風乾燥炉のように空気による断熱効果で伝熱性が阻害される事がないため、結果的に乾燥部30の大きさを小さくすることができる。出願人は、1/3程度にまで乾燥部30の大きさを縮小ができることを確認している。つまり、絶縁被覆線製造装置100の乾燥部30の小型化に貢献することができる。
また、誘導コイル31による加熱を行うことで、塗布済素線D2の内側から加熱することで、気泡51を閉じ込めたまま外側から絶縁層50が硬化することを防ぐことができる。塗布済素線D2の外部から加熱する場合には、絶縁層50から揮発する有機溶剤が閉じ込められて膨れや泡などを生じるおそれがあるが、内側から発熱させることでそれを防ぐことが可能である。これは、絶縁層50の内部に気泡などが発生しても表面が硬化する前に外部に抜け、結果的に膨れやボイドの形成を抑えることができる。つまり、平角導体Dの不良の発生の低減にも貢献ができる。当然、歩留まりの改善はコスト低下に貢献する。
また、絶縁被覆線製造装置100は熱風乾燥炉のように風を使わないため、塗料の破片が飛び散るようなことがないことも、設備コストなどの低減に貢献する。これは、平角導体Dの外側であって誘導コイル31の内側に、非磁性体で形成される非磁性パイプ37が配置されることも関連する。つまり、素線D1の周囲に塗布された絶縁層50の乾燥によって、有機溶剤が揮発する。それに伴って絶縁被覆材が飛散する場合がある。また、有機溶剤は設備によって吸引されるので、それに伴って絶縁被覆材がヒュームとなって飛散する場合もある。非磁性パイプ37を用いることで、こうした汚れの拡散を抑えることができる。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第2実施形態は第1実施形態とほぼ同様であるが、乾燥部30の構成について若干異なるので、以下にその点を中心に説明をする。
図7に、乾燥部の斜視図を示す。乾燥部30の誘導コイル31は、半円ずつ非磁性ガイド41の内部に埋め込まれている。非磁性ガイド41の内周には非磁性パイプ37が設けられている。そして、非磁性パイプ37は平角導体Dの搬送方向に分割面37aが設けられており、非磁性ガイド41にも分割面41aが設けられており、分割可能な構成となっている。なお、非磁性パイプ37と非磁性ガイド41は非磁性材料を用いて一体的に形成されていても良い。
第2実施形態の絶縁被覆線製造装置100は上記構成であるので、平角導体Dの張り替えや、乾燥部30のメンテナンスを行う際に、メンテナンスに必要な時間を短縮することが可能である。
以上、本実施形態に則して発明を説明したが、この発明は前記実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で構成の一部を適宜変更することにより実施することもできる。例えば、第1実施形態又は第2実施形態に例示した材質などは、適宜変更することを妨げない。また、非磁性パイプ37を用いた構成としているが、これを設けない構成であっても良い。また、絶縁被覆線製造装置100の構成についても必要な装置を付加することを妨げない。
更に、第2実施形態で非磁性パイプ37及び非磁性ガイド41の構成を示しているが、一体的な部品にすることを妨げない。また、第1実施形態及び第2実施形態では平角導体Dが芯線として説明されているが、芯線が丸線であってもその他の形状であっても適応が可能である。また、図5に示した温度制御は、平角導体Dの形状や太さ、絶縁層50の材質や溶剤の種類によっても適宜変更することが好ましい。また、誘導コイル31の構成として第1誘導コイルC1乃至第6誘導コイルC6を用いているが、これを増減したり、第1誘導コイルC1乃至第6誘導コイルC6のいずれかの長さや粗密を変更したりすることを妨げない。
10 巻出部
20 塗工部
30 乾燥部
31 誘導コイル
37 非磁性パイプ
38 交流電源
39 冷却塔
40 巻取部
41 非磁性ガイド
50 絶縁層
51 気泡
100 絶縁被覆線製造装置
D 平角導体
D1 素線
D2 塗布済素線
D3 乾燥済平角線

Claims (4)

  1. 芯線に被覆液を塗布し、前記被覆液を前記芯線の外周面に焼き付ける絶縁被覆線製造装置において、
    前記被覆液が塗布された前記芯線が内側に通されるように一列に配列される複数の誘導コイルを有し、
    複数の前記誘導コイルは、巻線ピッチが異なる第1誘導コイルと第2誘導コイルよりなり、
    前記第1誘導コイルと前記第2誘導コイルは直列接続され、
    前記誘導コイルに通電されることで前記芯線を加熱すること、
    を特徴とする絶縁被覆線製造装置。
  2. 請求項1に記載の絶縁被覆線製造装置において、
    前記芯線の外側であって前記誘導コイルの内側に、非磁性体で形成される非磁性保護材が配置されること、
    を特徴とする絶縁被覆線製造装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の絶縁被覆線製造装置において、
    前記誘導コイルは、モールドされてターン毎にコイル分割部が設けられ、
    前記コイル分割部を分割することで、前記芯線の交換が可能であること、
    を特徴とする絶縁被覆線製造装置。
  4. 請求項2に記載の絶縁被覆線製造装置において、
    前記誘導コイルは、モールドされてターン毎にコイル分割部が設けられ、
    前記非磁性保護材は、前記芯線の長手方向に分割線が入るように保護材分割部が設けられ、
    前記コイル分割部を分割すると共に前記保護材分割部を分割することで、前記芯線の交換が可能であること、
    を特徴とする絶縁被覆線製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110663089A (zh) * 2017-09-11 2020-01-07 哈利伯顿能源服务公司 用于增强型电磁线绝缘材料的系统和方法

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