JP6455305B2 - エナメル線の製造方法及び製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エナメル線の製造方法及び製造装置に関する。
従来より、エナメル線は、銅や鋼などの金属線材(走行線)の周囲に、絶縁塗料等の塗料を塗布して塗料層(絶縁層)を形成する工程を経て製造されている。
このような塗料層の形成は、例えば、塗料が貯留される塗料槽と、走行線の走行路上で塗料槽の下流側に移動可能に設けられるダイス(金型)と、ダイスを保持するダイスホルダとを備える塗料塗布装置によって行われている。塗料塗布装置は、走行線が、塗料槽を通過した後、ダイスに設けられた貫通孔内を通過することで、走行線に塗布された余分な塗料が除去されるように構成されている(例えば、特許文献1の段落〔0002〕〜〔0018〕参照)。
近年、環境保護、経済性の観点から、電気自動車やハイブリッド自動車が注目を集めており、販売台数を伸ばしている。これらの自動車の駆動源は、モータ単体、或いはエンジンとモータの併用であり、モータには非常に大きな負荷がかかる。そのため、駆動用のモータには、高出力のモータが適用される傾向にある。
一方、自動車駆動用モータは小型化が進んでいる。小型化したモータは、相間の絶縁紙を使用しないことで実用化されている。
これらのことより、自動車駆動用モータを構成するエナメル線には、これまでよりも大きな電圧がかかっても皮膜が絶縁破壊しないことが求められている。皮膜の絶縁性は、皮膜の厚さに比例する傾向があることから、エナメル線の皮膜を厚膜化する必要があり、例えば、これまでの倍以上に厚膜化することが求められている。
特開平11−297136号公報
エナメル線を製造する方法として、銅やアルミ等の導電性の金属線材を送り出し、任意の回数、塗料を塗布・焼付けする方法が一般的に取られているが、1回当たりの塗布厚さを厚くすると、塗膜の乾燥が適正に行われず、発泡が生じ、絶縁性や外観が悪化してしまう。
そこで、1回当たりの塗膜厚さはそのままにして、塗布回数を増やす手法を取ることが考えられるが、塗布する度に塗布した塗料を搾り取り、適正な塗膜厚さにする工程が必要となるため、塗布回数を増やすほど、引取機により走行線を引っ張る力が増大し、線が伸びてしまう。これにより、寸法精度が低下し、品質が低下してしまう。
また、線が伸びることで、導体と皮膜樹脂との密着性が低下するため、コイル成型時に曲げ加工した際に、皮膜のヨレや割れが発生しやすくなってしまう。また、線が伸ばされる加工が加わることで、エナメル線が硬くなるため、モータ用コイルへ加工する際の曲げ加工がしにくくなったり、加工後の形状が維持されにくくなったりする。
一方、塗布回数が多くなくても、高粘度の塗料を塗布する場合や走行速度を高速化した場合には、引取機により走行線を引っ張る力が増大し、線が伸びてしまう。これにより、寸法精度が低下し、品質が低下してしまう。
そこで、本発明の目的は、走行線の伸びに起因する寸法精度の低下を抑制することのできるエナメル線の製造方法及び製造装置を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために、下記のエナメル線の製造方法及び製造装置を提供する。
[1]導体にエナメル線塗料を塗布する塗布工程と、前記導体に塗布された前記エナメル線塗料を焼付する焼付工程とを1セットとして、Nセット(N=2以上の整数)繰り返して行なうことにより前記導体に皮膜を形成するエナメル線の製造方法であって、n−1(n=2〜Nから選ばれる1つ以上の整数)セット目の焼付工程後からnセット目の塗布工程前までの間を走行中の前記導体に対して引張力を進行方向に付与して前記導体をnセット目の塗布工程に送り出す送出工程を備えるエナメル線の製造方法。
[2]前記Nセットが5セット以上であり、前記nが(N/2)−2〜(N/2)+2の範囲内から選ばれる1つの整数である前記[1]に記載のエナメル線の製造方法。
[3]前記Nセットが20セット以上であり、前記nが(N/3)−2〜(N/3)+2の範囲内から選ばれる1つの整数、及び(2N/3)−2〜(2N/3)+2の範囲内から選ばれる1つの整数である前記[1]に記載のエナメル線の製造方法。
]導体にエナメル線塗料を塗布する塗料塗布部と、前記導体に塗布された前記エナメル線塗料を焼付する焼付部と、前記塗料塗布部及び前記焼付部へ前記導体を繰り返し搬送するためのターンプーリと、前記焼付部を通過した前記導体に対して引張力を進行方向に付与して前記導体を前記塗料塗布部の方向へ送り出す駆動機構付き送出機とを備えるエナメル線の製造装置。
本発明によれば、走行線の伸びに起因する寸法精度の低下を抑制することのできるエナメル線の製造方法及び製造装置を提供することができる。
本発明の実施の形態に係るエナメル線の製造装置(竪型)の一例を示す概略図である。 図1の製造装置の主要部を示す上面図である。 本発明の実施の形態に係るエナメル線の製造装置(横型)の一例を示す概略図である。 図3の製造装置の主要部を示す上面図である。
〔エナメル線の製造方法〕
本発明の実施の形態に係るエナメル線の製造方法は、導体にエナメル線塗料を塗布する塗布工程と、前記導体に塗布された前記エナメル線塗料を焼付する焼付工程とを1セットとして、Nセット(N=2以上の整数)繰り返して行なうことにより前記導体に皮膜を形成するエナメル線の製造方法であって、n−1(n=2〜Nから選ばれる1つ以上の整数)セット目の焼付工程後からnセット目の塗布工程前までの間を走行中の前記導体に対して引張力を進行方向に付与して前記導体をnセット目の塗布工程に送り出す送出工程を備えることを特徴とする。図を参照して、以下に本実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るエナメル線の製造装置(竪型)の一例を示す概略図であり、図2は、図1の製造装置の主要部を示す上面図である。また、図3は、本発明の実施の形態に係るエナメル線の製造装置(横型)の一例を示す概略図であり、図4は、図3の製造装置の主要部を示す上面図である。
以下の説明においては、図1〜2の竪型の製造装置を中心に説明し、図3〜4の横型の製造装置については竪型の製造装置と異なる部分を中心に説明する。
図に示されるプーリ11、ターンプーリ12、塗料塗布部13,23、焼付部14,24、引取機16,26、及び巻取機17については、特に限定されるものではないが、例えばエナメル線製造装置における公知の構成を採用することができる。
本発明の実施の形態に係るエナメル線の製造方法においては、まず、ボビンや舞輪、インライン伸線機から引き出された導体1(走行線)がプーリ11を介して図示していない焼鈍炉に供給され、焼鈍しが行われる。焼鈍しは、必要が無ければ省略可能である。その後、図に示されるように、導体1は、ターンプーリ12を介して塗料塗布部13,23へ送られ、そこで導体1の外周にエナメル線塗料が塗布される。
エナメル線塗料が塗布された導体1は、焼付部14,24へ送られ、焼付部14,24を通過中にエナメル線塗料中の溶剤の蒸発(すなわちエナメル線塗料の乾燥)及びエナメル線塗料中の樹脂の硬化(すなわち皮膜の焼付)が行われる。焼付部14,24は、例えば、溶剤の蒸発及び樹脂の硬化を行なうことが可能な一体の焼付炉で構成されていてもよいし、溶剤の蒸発を行なう蒸発炉と樹脂の硬化を行なう硬化炉(蒸発炉とは別体)とから構成されていてもよい。
エナメル線塗料中の溶剤の蒸発及びエナメル線塗料中の樹脂の硬化の方法は、特に限定されるものではなく、熱風、近赤外線ヒータ、誘導加熱等により加熱することで行なうことができる。
図に示されるように、エナメル線2は、下流側のターンプーリ12を介して上流側のターンプーリ12に戻され、再度、塗料塗布部13,23及び焼付部14,24へ送られる。塗料塗布部13,23でのエナメル線塗料を塗布する塗布工程と、焼付部14,24でのエナメル線塗料を焼付する焼付工程とを1セットとして、所望の皮膜厚さとなるまでNセット(N=2以上の整数)繰り返し行なわれることにより導体1に皮膜が形成される。
本発明の実施の形態においては、Nセットが繰り返し行なわれる際に、n−1(n=2〜Nから選ばれる1つ以上の整数)セット目の焼付工程後からnセット目の塗布工程前までの間を走行中の導体1に対して駆動機構付き送出機15,25により引張力を進行方向に付与して導体1をnセット目の塗布工程に送り出す送出工程を備える。本発明の実施の形態においては、図2から分かる通り、2つの送出機15が設けられているが、1つ、又は3つ以上であってもよい。図3〜4の横型の製造装置における送出機25についても同様である。
従来の装置では、巻取機17の手前の引取機16,26の駆動機構のみで導体1を引っ張って走行させていたため、繰り返し回数が増えるほど、導体1にかかる張力が累加的(累積的)に増加するので、導体1が伸びて、寸法精度が低下してしまっていたが、上記の構成を採用することで、累加的に増える張力を送出機15,25の位置でゼロにする乃至減少させることができるため、導体1の伸びが抑制され、高い寸法精度のエナメル線2が得られる。
送出機15,25の構成としては、例えば、図に示されるキャプスタン15A,25Aと押さえロール15B,25Bが挙げられ、動力を与える駆動機構がキャプスタン15A,25Aに連結されている。キャプスタン15A,25Aは、押さえロール15B,25Bと協同して、これらの間に挟み込まれた導体1(エナメル線2)を引っ張り、進行方向に送り出す。当該構成に替えて図1に示される引取機16と同様の構成としても良い。すなわち、キャプスタンへの接触面積や接触長さを大きくすることにより、押さえロールを省くことができる。また、図3に示される引取機26と同様の構成としても良く、2つの駆動ロールの挟み込みにより引いて送り出すことができる。
また、本発明の実施の形態においては、同調機構により上記送出工程の前後における導体1の走行速度を同調させる工程を備えることが望ましい。同調機構としては、前述の引用文献1に開示されるダンサー及びダンサープーリーが挙げられる。導体1の走行速度を引取機16,26や送出機15,25により調整することで、同調機構を設けることなく送出工程の前後における導体1の走行速度を同調させることもできる。
ターンプーリ12と駆動機構付き送出機15とを一体化させ、ターンプーリ12に駆動機構付き送出機15としての役割を兼務させてもよい。
送出機の設置場所としては、特に限定されないが、竪型の製造装置では、例えば、図1〜2に示されるように、送出機15の設置スペースが確保できる程度に竪型装置(塗料塗布部13及び焼付部14)から離れた位置に設置されることが好ましく、下流側のターンプーリ12でターンした導体1が上流側のターンプーリ12でターンする前に送出工程が行われるような位置であることが好ましい。一方、横型の製造装置では、例えば、図3〜4に示されるように、下流側のターンプーリ12の下流側(図において右側)或いは、上流側のターンプーリ12の上流側(図において左側)に設置されることが好ましい。走行方向が乱れないように、かつ走行距離が最短となるように、走行方向の延長線上に設けることが好ましい。
前述したNセット(繰り返し数)が5セット以上(好ましくは10セット以上)である場合、前述のnが(N/2)−2〜(N/2)+2の範囲内から選ばれる1つの整数であるタイミングで送出工程が行われることが好ましく、当該タイミングで送出工程を行なうことが可能な位置に送出機15,25を設けることが好ましい。nが(N/2)−1〜(N/2)+1の範囲内から選ばれる1つの整数であることがより好ましい。例えば、繰り返し数が10セットである場合、n=3〜7(より好ましくは4〜6)となるので、3セット目の焼付工程後から4セット目の塗布工程前までの間、4セット目の焼付工程後から5セット目の塗布工程前までの間、5セット目の焼付工程後から6セット目の塗布工程前までの間、6セット目の焼付工程後から7セット目の塗布工程前までの間のいずれかで送出工程が行われることが好ましく、4セット目の焼付工程後から5セット目の塗布工程前までの間、5セット目の焼付工程後から6セット目の塗布工程前までの間のいずれかで送出工程が行われることがより好ましい。
前述したNセット(繰り返し数)が20セット以上(好ましくは30セット以上)である場合、前述のnが(N/3)−2〜(N/3)+2の範囲内から選ばれる1つの整数、及び(2N/3)−2〜(2N/3)+2の範囲内から選ばれる1つの整数であるタイミングで送出工程が行われることが好ましく、当該タイミングで送出工程を行なうことが可能な位置に送出機15,25を設けることが好ましい。nが(N/3)−1〜(N/3)+1の範囲内から選ばれる1つの整数、及び(2N/3)−1〜(2N/3)+1の範囲内から選ばれる1つの整数であるタイミングで送出工程が行われることがより好ましい。
前述したNセット(繰り返し数)が40セット以上(好ましくは50セット以上)である場合、前述のnが(N/4)−2〜(N/4)+2の範囲内から選ばれる1つの整数、(2N/4)−2〜(2N/4)+2の範囲内から選ばれる1つの整数、及び(3N/4)−2〜(3N/4)+2の範囲内から選ばれる1つの整数であるタイミングで送出工程が行われることが好ましく、当該タイミングで送出工程を行なうことが可能な位置に送出機15,25を設けることが好ましい。nが(N/4)−1〜(N/4)+1の範囲内から選ばれる1つの整数、(2N/4)−1〜(2N/4)+1の範囲内から選ばれる1つの整数、及び(3N/4)−1〜(3N/4)+1の範囲内から選ばれる1つの整数であるタイミングで送出工程が行われることがより好ましい。
前述したNセット(繰り返し数)が5セット未満(すなわち2〜4セット)である場合には、以下の通りである。2セットの場合には、1セット目の焼付工程後から2セット目の塗布工程前までの間で送出工程が行われる。3セットの場合には、1セット目の焼付工程後から2セット目の塗布工程前までの間、2セット目の焼付工程後から3セット目の塗布工程前までの間のいずれかで送出工程が行われる。3セットの場合には、1セット目の焼付工程後から2セット目の塗布工程前までの間、2セット目の焼付工程後から3セット目の塗布工程前までの間、3セット目の焼付工程後から4セット目の塗布工程前までの間のいずれかで送出工程が行われるが、2セット目の焼付工程後から3セット目の塗布工程前までの間で行われることが好ましい。
皮膜の焼付が終了したエナメル線2は、引取機16で引っ張られ、巻取機17に送られて、巻き取られる。図1に示されるように、引取機16と巻取機17とが一体化された装置を用いても良いし、図3に示されるように、引取機26と巻取機27とが別体の装置を用いても良い。
本実施の形態において使用される導体1の素材は、銅、銅合金等、特に限定されることなく使用できる。また、導体1の形状としては、丸線、平角導体等が挙げられるが、特に扁平率の高い平角導体の場合に従来方法に比べてメリットがある。
本実施の形態において使用されるエナメル線塗料としては、エナメル線に使用可能なものであれば特に限定されることなく用いることができる。例えば、エナメル線塗料中の溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、クレゾール、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、シクロヘキサノン等が挙げられる。また、エナメル線塗料中の樹脂としては、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエステルイミド等が挙げられる。
〔エナメル線の製造装置〕
本発明の実施の形態に係るエナメル線の製造装置は、導体1にエナメル線塗料を塗布する塗料塗布部13,23と、導体1に塗布されたエナメル線塗料を焼付する焼付部14,24と、塗料塗布部13,23及び焼付部14,24へ導体を繰り返し搬送するためのターンプーリ12と、焼付部14,24を通過した導体1に対して引張力を進行方向に付与して導体1を塗料塗布部13,23の方向へ送り出す駆動機構付き送出機15,25とを備えることを特徴とする。送出機15,25の前後における導体1の走行速度を同調させる同調機構(図示なし)を備えることが好ましい。
エナメル線の製造装置の具体的な構成例は、図1〜4に示す通りであり、詳細は前述した通りである。ターンプーリ12と駆動機構付き送出機15,25とは、前述した通り、一体化されていても良い。
〔本発明の実施の形態の効果〕
(1)本発明の実施の形態によれば、走行線の伸びに起因する寸法精度の低下を抑制することのできるエナメル線の製造方法及び製造装置を提供することができる。具体的には、任意の数の駆動機構付き送出機を設置することで、繰り返しの塗布・焼付工程中に走行線にかかる張力を緩和し、線の伸びを低減することができるため、寸法精度の高いエナメル線を提供できる。
(2)本発明の実施の形態によれば、これまでに無いほど厚膜(例えば皮膜厚さが70μm以上)のエナメル線であっても、寸法精度が高く、導体と皮膜樹脂の密着性の低下が抑えられ、コイル成型時に曲げ加工した際に皮膜のヨレや割れが発生しないエナメル線を提供できる。また、走行線の伸びが抑制されるため、エナメル線が硬くなりにくく、モータ用コイルへ加工する際、曲げ加工しにくかったり、加工後の形状を維持しにくくなったりする不具合が無いエナメル線を提供できる。また、絶縁皮膜と導体間の密着性や絶縁皮膜同士の密着性の低下が抑えられる効果もある。
次に実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
〔エナメル線の製造及び評価〕
上記本発明の実施の形態に係るエナメル線の製造方法及び製造装置(図1の竪型製造装置)により、エナメル線を製造した。送出機15は、図1〜2の通り、ターンプーリ12や塗料塗布部13及び焼付部14から約2m離れた位置に設置した。ダンサー及びダンサープーリーからなる同調機構を送出機15の近くに設置した。各実施例における塗布・焼付工程の繰り返し回数及び駆動機構付き送出機の位置は、表1に記載の通りである。実施例5〜6では、駆動機構付き送出機を2つ設けた。一方、比較例1〜5では、駆動機構付き送出機を設けなかった他は実施例2〜6と同様にしてエナメル線を製造した。
使用導体:銅からなる平角導体(角部の曲率半径0.30mm)
使用塗料:N−メチル−2−ピロリドン(NMP)
使用ダイス:超鋼製ダイス
走行速度:10m/分
1回目の塗布工程前の導体の寸法(塗装前導体寸法)、及びすべての塗布・焼付工程終了後の導体の寸法(塗装後導体寸法)を測定した。また、製造された皮膜付き導体の寸法(仕上寸法)を測定した。測定結果を表1に示す。
塗装後導体寸法が、表1に記載した目標導体寸法の範囲内にあるものを合格と判定した。実施例ではいずれも高い導体寸法精度のエナメル線が得られた。
Figure 0006455305
なお、本発明は、上記実施の形態及び実施例に限定されず種々に変形実施が可能である。
1:導体、2:エナメル線
11:プーリ、12:ターンプーリ
13,23:塗料塗布部、14,24:焼付部
15,25:送出機
15A,25A:キャプスタン、15B,25B:押さえロール
16,26:引取機、17:巻取機

Claims (4)

  1. 導体にエナメル線塗料を塗布する塗布工程と、前記導体に塗布された前記エナメル線塗料を焼付する焼付工程とを1セットとして、Nセット(N=2以上の整数)繰り返して行なうことにより前記導体に皮膜を形成するエナメル線の製造方法であって、
    n−1(n=2〜Nから選ばれる1つ以上の整数)セット目の焼付工程後からnセット目の塗布工程前までの間を走行中の前記導体に対して引張力を進行方向に付与して前記導体をnセット目の塗布工程に送り出す送出工程を備えるエナメル線の製造方法。
  2. 前記Nセットが5セット以上であり、前記nが(N/2)−2〜(N/2)+2の範囲内から選ばれる1つの整数である請求項1に記載のエナメル線の製造方法。
  3. 前記Nセットが20セット以上であり、前記nが(N/3)−2〜(N/3)+2の範囲内から選ばれる1つの整数、及び(2N/3)−2〜(2N/3)+2の範囲内から選ばれる1つの整数である請求項1に記載のエナメル線の製造方法。
  4. 導体にエナメル線塗料を塗布する塗料塗布部と、前記導体に塗布された前記エナメル線塗料を焼付する焼付部と、前記塗料塗布部及び前記焼付部へ前記導体を繰り返し搬送するためのターンプーリと、前記焼付部を通過した前記導体に対して引張力を進行方向に付与して前記導体を前記塗料塗布部の方向へ送り出す駆動機構付き送出機とを備えるエナメル線の製造装置。
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