JP2015040724A - 鉱物分析装置および鉱物分析方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】鉱石中の鉱物種の存在割合を精度よく分析できる鉱物分析装置および鉱物分析方法を提供する。【解決手段】エネルギー分散型X線分析器11を有する走査電子顕微鏡10と、解析装置20とを備え、解析装置20は、研磨片のBSE画像において鉱物粒子の鉱物領域を特定し、鉱物粒子のEDSスペクトルを基に鉱物種を同定し、鉱物領域のうちBSE輝度が補正閾値以下の部分を除去し、鉱物領域の面積と鉱物種とから鉱石中の鉱物種の存在割合を求める。測定面下に埋没した鉱物部を鉱物領域から除外でき、測定面に露出した鉱物部のみを考慮に入れることができる。そのため、鉱物領域の面積を正確に求めることができ、鉱石中の鉱物種の存在割合を精度よく分析できる。【選択図】図1

Description

本発明は、鉱物分析装置および鉱物分析方法に関する。さらに詳しくは、鉱石中の鉱物種の存在割合を分析する鉱物分析装置および鉱物分析方法に関する。
銅、鉛、亜鉛、ニッケル、モリブデンなどの非鉄金属製錬においては、製錬工程へ供給可能な程度まで有用元素の品位を高めるため、採掘された原鉱石に対して選鉱処理が行われる。対象鉱物が硫化銅鉱物や輝水鉛鉱のような疎水性の鉱物である場合には浮遊選鉱処理が行われることが多い。一般に、浮遊選鉱処理は鉱石を粉砕してスラリーとし、スラリーに抑制剤、起泡剤、捕収剤などからなる浮選剤を添加し、空気を吹き込んで鉱物を浮上もしくは沈降させ、有価鉱物を含む精鉱を回収する。浮遊選鉱処理により得られる精鉱の品位および実収率は、鉱石中の鉱物性状に大きく依存する。そのため、浮遊選鉱処理の最適化や鉱物の挙動の把握のためには、鉱石中に含まれる鉱物種の同定や性状観察を行う鉱物分析が重要である。
特許文献1には、光学顕微鏡を用いた鉱物の定量的な分析方法が記載されている。しかし、光学顕微鏡を用いて手動で分析することから、非常に長時間を必要とするうえ、高度な技術を要するため、多数の試料を分析するのには向かない。
近年では、鉱物分析の点数が大幅に増加していることから、MLA(Mineral Liberation Analyser)やQEMSCANと呼ばれる、エネルギー分散型X線分析器を有する走査電子顕微鏡をベースとした鉱物分析装置が用いられている。
上記鉱物分析装置を用いて鉱物分析を行うには、まず、鉱石試料を樹脂に包埋し測定面を研磨して研磨片を作成する。つぎに、研磨片を走査電子顕微鏡に導入し、測定面のBSE画像を取得する。BSE輝度の差を利用して各鉱物粒子の領域を特定する。各鉱物粒子の代表点からEDSスペクトルを取得する。鉱物分析装置はこの一連の測定を所定の条件に達するまで自動で繰り返し行う。測定終了後、EDSスペクトルを基に各鉱物粒子の鉱物種の同定を行う。そして、各鉱物粒子の面積と鉱物種とから、鉱石中の鉱物種の存在割合を算出する。また、鉱物種の存在割合と元素組成から、鉱石の元素組成を算出する。
しかし、上記鉱物分析装置を用いて輝水鉛鉱などの特定の鉱物を多く含む鉱石試料の鉱物分析を行うと、求められた鉱物種の存在割合や元素組成の精度が低くなるという問題がある。
特開2004−347330号公報
本発明は上記事情に鑑み、鉱石中の鉱物種の存在割合を精度よく分析できる鉱物分析装置および鉱物分析方法を提供することを目的とする。
第1発明の鉱物分析装置は、鉱石試料を樹脂に包埋し測定面を研磨して得た研磨片を用いて分析を行う鉱物分析装置であって、エネルギー分散型X線分析器を有する走査電子顕微鏡と、前記エネルギー分散型X線分析器および前記走査電子顕微鏡により得られたデータが入力される解析装置と、を備え、前記解析装置は、前記走査電子顕微鏡により得られた前記研磨片のBSE画像において鉱物粒子の鉱物領域を特定する鉱物領域特定工程と、前記エネルギー分散型X線分析器により得られた前記鉱物粒子のEDSスペクトルを基に鉱物種を同定する鉱物種同定工程と、前記鉱物粒子の鉱物領域のうちBSE輝度が補正閾値以下の部分を除去する補正工程と、前記鉱物粒子の鉱物領域の面積と鉱物種とから、前記鉱石中の鉱物種の存在割合を求める分析工程と、を実行することを特徴とする。
第2発明の鉱物分析装置は、第1発明において、前記補正閾値は、前記鉱物粒子の鉱物種の典型的なBSE輝度の65%であることを特徴とする。
第3発明の鉱物分析装置は、第1または第2発明において、前記解析装置は、鉱物種の典型的なBSE輝度が選別閾値以上の鉱物粒子に対して前記補正工程を実行することを特徴とする。
第4発明の鉱物分析装置は、第3発明において、前記選別閾値は、前記研磨片の樹脂部のBSE輝度を0、金単体のBSE輝度を255としたときに、BSE輝度90であることを特徴とする。
第5発明の鉱物分析装置は、第1、第2、第3または第4発明において、前記鉱石試料は、粉末状の鉱石であることを特徴とする。
第6発明の鉱物分析方法は、鉱石試料を樹脂に包埋し測定面を研磨して得た研磨片を用いて分析を行う鉱物分析方法であって、前記研磨片のBSE画像において鉱物粒子の鉱物領域を特定する鉱物領域特定工程と、前記鉱物粒子のEDSスペクトルを基に鉱物種を同定する鉱物種同定工程と、前記鉱物粒子の鉱物領域のうちBSE輝度が補正閾値以下の部分を除去する補正工程と、前記鉱物粒子の鉱物領域の面積と鉱物種とから、前記鉱石中の鉱物種の存在割合を求める分析工程と、を備えることを特徴とする。
第7発明の鉱物分析方法は、第6発明において、前記補正閾値は、前記鉱物粒子の鉱物種の典型的なBSE輝度の65%であることを特徴とする。
第8発明の鉱物分析方法は、第6または第7発明において、鉱物種の典型的なBSE輝度が選別閾値以上の鉱物粒子に対して前記補正工程を実行することを特徴とする。
第9発明の鉱物分析方法は、第8発明において、前記選別閾値は、前記研磨片の樹脂部のBSE輝度を0、金単体のBSE輝度を255としたときに、BSE輝度90であることを特徴とする。
第10発明の鉱物分析方法は、第6、第7、第8または第9発明において、前記鉱石試料は、粉末状の鉱石であることを特徴とする。
第1発明によれば、鉱物領域のうちBSE輝度が補正閾値以下の部分を除去することで、測定面下に埋没した鉱物部を鉱物領域から除外でき、測定面に露出した鉱物部のみを考慮に入れることができる。そのため、鉱物領域の面積を正確に求めることができ、鉱石中の鉱物種の存在割合を精度よく分析できる。
第2発明によれば、補正閾値が鉱物粒子の鉱物種の典型的なBSE輝度の65%であるので、測定面下に埋没した鉱物部と、測定面に露出した鉱物部とを正確に分けることができる。そのため、鉱物領域の面積をより正確に求めることができる。
第3発明によれば、鉱物種の典型的なBSE輝度が選別閾値以上の鉱物粒子を選別して補正するので、BSE輝度が高く、測定面下に埋没した鉱物部が鉱物領域と認識されやすい鉱物種に対して補正できる。
第4発明によれば、選別閾値がBSE輝度90であるので、補正を要する鉱物粒子を正確に選別できる。
第5発明によれば、鉱石試料が粉末状の鉱石であるので、得られた研磨片は鉱物粒子の周囲に樹脂が存在する。そのため、補正の効果が大きく、鉱石中の鉱物種の存在割合を精度よく分析できる。
第6発明によれば、鉱物領域のうちBSE輝度が補正閾値以下の部分を除去することで、測定面下に埋没した鉱物部を鉱物領域から除外でき、測定面に露出した鉱物部のみを考慮に入れることができる。そのため、鉱物領域の面積を正確に求めることができ、鉱石中の鉱物種の存在割合を精度よく分析できる。
第7発明によれば、補正閾値が鉱物粒子の鉱物種の典型的なBSE輝度の65%であるので、測定面下に埋没した鉱物部と、測定面に露出した鉱物部とを正確に分けることができる。そのため、鉱物領域の面積をより正確に求めることができる。
第8発明によれば、鉱物種の典型的なBSE輝度が選別閾値以上の鉱物粒子を選別して補正するので、BSE輝度が高く、測定面下に埋没した鉱物部が鉱物領域と認識されやすい鉱物種に対して補正できる。
第9発明によれば、選別閾値がBSE輝度90であるので、補正を要する鉱物粒子を正確に選別できる。
第10発明によれば、鉱石試料が粉末状の鉱石であるので、得られた研磨片は鉱物粒子の周囲に樹脂が存在する。そのため、補正の効果が大きく、鉱石中の鉱物種の存在割合を精度よく分析できる。
本発明の一実施形態に係る鉱物分析装置の説明図である。 測定処理のフローチャートである。 解析処理のフローチャートである。 モリブデン精鉱を用いて得た研磨片の(A)BSE画像、(B)鉱物マップである。 研磨片の縦断面図である。
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る鉱物分析装置1は、エネルギー分散型X線分析器(EDS:Energy dispersive X-ray spectrometry)11を有する走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)10と、走査電子顕微鏡10と接続されたコンピュータ20とを備えている。コンピュータ20により走査電子顕微鏡10およびエネルギー分散型X線分析器11の制御が行われる。また、コンピュータ20に走査電子顕微鏡10およびエネルギー分散型X線分析器11により得られたデータが入力され、後述の解析処理が実行される。なお、コンピュータ20が特許請求の範囲に記載の「解析装置」に相当する。
鉱物分析装置1による鉱物分析は、大きく分けて(1)測定処理と、(2)解析処理の2段階で行われる。以下、順に説明する。
図2に基づき、鉱物分析装置1による測定処理を説明する。
まず、鉱石試料の研磨片Sを作成する(ステップS11)。鉱石試料としては、粉末状の鉱石を用いてもよいし、塊状の鉱石を用いてもよい。例えば、製錬工程で浮遊選鉱処理が行われる鉱石については、浮遊選鉱処理における粒径(平均粒径(D80)が5〜200μm)と同程度の粒径の粉末状の鉱石が用いられる。鉱石試料を樹脂に包埋して固結片を得て、固結片の測定面を研磨し、カーボン蒸着を施して研磨片Sを得る。
得られた研磨片Sを走査電子顕微鏡10に導入する(ステップS12)。走査電子顕微鏡10の各種調整および測定条件等を設定し、測定を開始する(ステップS13)。
測定においては、まず、走査電子顕微鏡10で研磨片Sの測定面の一部(視野部分)のBSE(Back Scattered Electron)画像(反射電子像ともいう。以下、「BSE画像」と称する。)を取得する(ステップS14)。一般に、BSE画像におけるBSE輝度は樹脂部を0、金単体を255とした相対値を用いて表される。以下、BSE輝度としてこの相対値を用いて説明する。
つぎに、走査電子顕微鏡10により得られた研磨片SのBSE画像において、各鉱物粒子の領域(以下、「鉱物領域」と称する。)を特定する(鉱物領域特定工程:ステップS15)。この鉱物領域により各鉱物粒子の形状や大きさが分かる。
ここで、鉱物領域の特定は、以下の2工程で行われる。
(1)まず、鉱物部を抽出する。BSE輝度は平均原子量に依存することから、相対的に樹脂部のBSE輝度は低く、鉱物部のBSE輝度は高くなる。このBSE輝度の差を利用して樹脂部と鉱物部とを分離し、鉱物部のみを抽出する。例えば、BSE輝度が20以上の部分を鉱物部として抽出する。
(2)つぎに、隣接する異鉱物種の鉱物粒子同士を分離する。鉱物種が異なればBSE輝度が異なるため、その境ではBSE輝度の位置変化率が高くなる。そのためBSE輝度の位置変化率から境を見つけ、異鉱物種の鉱物粒子同士を分離できる。
つぎに、エネルギー分散型X線分析器11により各鉱物粒子の鉱物領域中の代表点のEDSスペクトルを取得する(ステップS16)。EDSスペクトルとは、電子線照射により発生する特性X線をエネルギーで分光したスペクトルである。
鉱物分析装置1は、以上のBSE画像取得(ステップS14)からEDSスペクトル取得(ステップS16)までを、所定の条件(所定の視野、所定の粒子数、所定の測定時間など)に達するまで、視野を変更しつつ自動で繰り返し行う。
上記測定処理が終了した後、後述の解析処理において、各鉱物粒子の鉱物種を同定し、鉱物領域の面積を求めて、それらの情報から鉱石中の鉱物種の存在割合を求める。また、鉱物種の存在割合と元素組成から、鉱石の元素組成を算出する。
ここで、本願発明者は、輝水鉛鉱などの特定の鉱物を多く含む鉱石試料の鉱物分析を行うと、求められた鉱物種の存在割合や元素組成の精度が低くなるという知見を得た。
図4にモリブデン精鉱を用いて得た研磨片の(A)BSE画像と、(B)鉱物マップの一例を示す。なお、鉱物マップは、研磨片の測定面における鉱物粒子の分布を示し、鉱物領域特定工程(ステップS15)で特定された鉱物領域に加え、各鉱物粒子のEDSスペクトルを基に同定した鉱物種の別を示している。
図4(A)、(B)の中央の輝水鉛鉱粒子について、BSE画像ではその周辺部の一部に不鮮明な部分が存在している。一方、鉱物マップでは不鮮明部分(白線外側部分)も輝水鉛鉱粒子であると特定されている。本願発明者は、BSE画像の不鮮明部分は測定面下に埋没した輝水鉛鉱粒子であると考え、鉱物種の存在割合や元素組成の精度が低くなる原因を以下の通りに考えた。
図5に示すように、研磨片中の鉱物粒子は、測定面に露出した部分と、測定面下に埋没した部分とを有する。鉱物種の存在割合の分析においては、測定面に露出した鉱物部のみを考慮に入れることが重要である。しかし、走査電子顕微鏡10は被写界深度が深いことから、鉱物部が測定面下に埋没し測定面には樹脂が露出した部分も鉱物領域として特定してしまう場合がある。特に、輝水鉛鉱などのBSE輝度が高い鉱物については、樹脂部を通して鉱物部が検知され、測定面下に埋没した鉱物部が鉱物領域として特定される可能性が高くなると考えられる。その結果、鉱物領域の面積が実際よりも広くなり、鉱物種の存在割合の精度が低くなる。また、鉱物種の存在割合から求められる元素組成の精度も低くなる。
本願発明者は、測定面下に埋没した鉱物部のBSE輝度は、その鉱物種の典型的なBSE輝度よりも低くなると仮定し、鉱物粒子の鉱物領域のうちBSE輝度が補正閾値以下の部分を除去することで、鉱物領域を補正することとした。この補正は以下に説明する解析処理において行う。
図3に基づき、鉱物分析装置1による解析処理を説明する。
まず、測定処理により特定された複数の鉱物粒子のうちの一の鉱物粒子に対して、エネルギー分散型X線分析器11により得られたEDSスペクトルを基に鉱物種を同定する(鉱物種同定工程:ステップS21)。コンピュータ20は、各鉱物種の典型的なEDSスペクトルが登録されたデータベースを有している。ステップS16で得られた鉱物粒子のEDSスペクトルと、データベースに登録されたEDSスペクトルとのスペクトルマッチングを行い、鉱物粒子の鉱物種を同定する。
つぎに、鉱物種同定工程(ステップS21)で同定された鉱物種の典型的なBSE輝度が、選別閾値以上であるか否かを判断する(ステップS22)。鉱物種の典型的なBSE輝度が選別閾値以上の鉱物粒子に対して、次の補正工程(ステップS23)を実行する。ここで、コンピュータ20には、各鉱物種の典型的なBSE輝度が記憶されている。鉱物種同定工程(ステップS21)で同定された鉱物種について典型的なBSE輝度を取得し、その値と選別閾値とを比較する。
選別閾値は、測定面下に埋没した鉱物部が鉱物領域と特定されてしまう鉱物種を選別できるように設定される。例えば、選別閾値はBSE輝度90と定められる。BSE輝度が90以上の鉱物としては、輝水鉛鉱(BSE輝度130)、方鉛鉱(BSE輝度200)、黄銅鉱(BSE輝度110)、輝銅鉱(BSE輝度110)、黄鉄鉱(BSE輝度90)等が挙げられる。選別閾値をBSE輝度90とすれば、補正を要する鉱物粒子を正確に選別できる。
なお、予め、典型的なBSE輝度が選別閾値以上の鉱物種を記憶しておき、鉱物種同定工程(ステップS21)で同定された鉱物種が、記憶された鉱物種に該当するか否かを判断するようにしてもよい。特許請求の範囲に記載の「鉱物種の典型的なBSE輝度が選別閾値以上の鉱物粒子」とは、BSE輝度を選別閾値と比較する形態のほか、鉱物種自体を比較する形態も含まれる概念である。
鉱物種の典型的なBSE輝度が選別閾値以上の鉱物粒子を選別して補正するので、BSE輝度が高く、測定面下に埋没した鉱物部が鉱物領域と認識されやすい鉱物種に対して補正できる。
補正工程(ステップS23)では、鉱物粒子の鉱物領域のうちBSE輝度が補正閾値以下の部分を除去する。BSE輝度が補正閾値以下の部分を除去することで、測定面下に埋没した鉱物部を除去できる。例えば、図4(B)における白線外側部分を除去できる。
補正閾値は、化学分析との比較から最適な値を定めればよい。例えば、鉱物種同定工程(ステップS21)で同定された鉱物種の典型的なBSE輝度の65%と定められる。このように定めれば、測定面下に埋没した鉱物部と、測定面に露出した鉱物部とを正確に分けることができる。
鉱物分析装置1は、以上の鉱物種同定工程(ステップS21)から補正工程(ステップS23)までを、鉱物粒子を変更しつつ繰り返し行い、全ての鉱物粒子に対して処理を行う。なお、鉱物種の典型的なBSE輝度が選別閾値未満の鉱物粒子に対しては、補正工程(ステップS23)を実行しない。
つぎに、各鉱物粒子の鉱物領域の面積を算出する(ステップS24)。そして、ステップS24で求められた各鉱物粒子の鉱物領域の面積と、ステップS21で同定された各鉱物粒子の鉱物種とから、鉱石中の鉱物種の存在割合を求める(分析工程:ステップS25)。さらに、各鉱物種の存在割合と元素組成から、鉱石の元素組成を算出する。
以上のように、補正工程(ステップS23)において、鉱物領域のうちBSE輝度が補正閾値以下の部分を除去することで、測定面下に埋没した鉱物部を鉱物領域から除外でき、測定面に露出した鉱物部のみを考慮に入れることができる。そのため、鉱物領域の面積を正確に求めることができ、鉱石中の鉱物種の存在割合を精度よく分析できる。
特に、鉱石試料が粉末状の鉱石の場合、得られた研磨片Sは鉱物粒子の周囲に樹脂が存在するので、測定面下に埋没した鉱物部が鉱物領域と認識される可能性が高い。このような鉱石試料については補正の効果が大きく、鉱石中の鉱物種の存在割合を精度よく分析できる。
(その他の実施形態)
上記実施形態では、鉱物粒子を選別して補正しているが、全ての鉱物粒子に対して補正を行なってもよい。ただし、BSE輝度が低い鉱物粒子については、測定面下に埋没した鉱物部の影響が少ないと考えられるので、補正の効果は大きくないと予想される。
(共通の条件)
実施例および比較例ともに、以下の条件で鉱物分析を行った。
鉱物分析装置としてFEI製MLA650 FEGを用いた。また、鉱石試料としてチリ産のモリブデン精鉱を用いた。このモリブデン精鉱をICP発光分析法により化学分析を行うと、その元素組成は表1に示す通りであった。
モリブデン精鉱を樹脂に包埋して固結片を得て、固結片の測定面を研磨し、カーボン蒸着を施して研磨片を得た。研磨片を走査電子顕微鏡に導入して測定を行った。測定条件は、倍率400倍、解像度1μm/pixel、測定範囲6.75mm×6.75mmとした。
(実施例)
測定処理の終了後、解析処理において、上記実施形態と同様の方法で鉱物領域の補正を行った。ここで、選別閾値はBSE輝度90、補正閾値は典型的なBSE輝度の65%とした。求めた鉱物種の存在割合からモリブデン精鉱の元素組成を算出した結果を表1に示す。
(比較例)
測定処理の終了後、解析処理において、鉱物領域の補正を行わずに鉱物種の存在割合を求めた。求めた鉱物種の存在割合からモリブデン精鉱の元素組成を算出した結果を表1に示す。
表1から分かるように、比較例と化学分析値ではモリブデンの組成割合に6%の乖離が見られるが、実施例と化学分析値では乖離が見られなかった。また、他の元素においても、実施例と化学分析値との乖離はほとんど見られなかった。以上より、本発明に係る鉱物分析装置によれば、鉱石中の鉱物種の存在割合および元素組成を精度よく分析できることが確認された。
1 鉱物分析装置
10 走査電子顕微鏡
11 エネルギー分散型X線分析器
20 コンピュータ

Claims (10)

  1. 鉱石試料を樹脂に包埋し測定面を研磨して得た研磨片を用いて分析を行う鉱物分析装置であって、
    エネルギー分散型X線分析器を有する走査電子顕微鏡と、
    前記エネルギー分散型X線分析器および前記走査電子顕微鏡により得られたデータが入力される解析装置と、を備え、
    前記解析装置は、
    前記走査電子顕微鏡により得られた前記研磨片のBSE画像において鉱物粒子の鉱物領域を特定する鉱物領域特定工程と、
    前記エネルギー分散型X線分析器により得られた前記鉱物粒子のEDSスペクトルを基に鉱物種を同定する鉱物種同定工程と、
    前記鉱物粒子の鉱物領域のうちBSE輝度が補正閾値以下の部分を除去する補正工程と、
    前記鉱物粒子の鉱物領域の面積と鉱物種とから、前記鉱石中の鉱物種の存在割合を求める分析工程と、を実行する
    ことを特徴とする鉱物分析装置。
  2. 前記補正閾値は、前記鉱物粒子の鉱物種の典型的なBSE輝度の65%である
    ことを特徴とする請求項1記載の鉱物分析装置。
  3. 前記解析装置は、鉱物種の典型的なBSE輝度が選別閾値以上の鉱物粒子に対して前記補正工程を実行する
    ことを特徴とする請求項1または2記載の鉱物分析装置。
  4. 前記選別閾値は、前記研磨片の樹脂部のBSE輝度を0、金単体のBSE輝度を255としたときに、BSE輝度90である
    ことを特徴とする請求項3記載の鉱物分析装置。
  5. 前記鉱石試料は、粉末状の鉱石である
    ことを特徴とする請求項1、2、3または4記載の鉱物分析装置。
  6. 鉱石試料を樹脂に包埋し測定面を研磨して得た研磨片を用いて分析を行う鉱物分析方法であって、
    前記研磨片のBSE画像において鉱物粒子の鉱物領域を特定する鉱物領域特定工程と、
    前記鉱物粒子のEDSスペクトルを基に鉱物種を同定する鉱物種同定工程と、
    前記鉱物粒子の鉱物領域のうちBSE輝度が補正閾値以下の部分を除去する補正工程と、
    前記鉱物粒子の鉱物領域の面積と鉱物種とから、前記鉱石中の鉱物種の存在割合を求める分析工程と、を備える
    ことを特徴とする鉱物分析方法。
  7. 前記補正閾値は、前記鉱物粒子の鉱物種の典型的なBSE輝度の65%である
    ことを特徴とする請求項6記載の鉱物分析方法。
  8. 鉱物種の典型的なBSE輝度が選別閾値以上の鉱物粒子に対して前記補正工程を実行する
    ことを特徴とする請求項6または7記載の鉱物分析方法。
  9. 前記選別閾値は、前記研磨片の樹脂部のBSE輝度を0、金単体のBSE輝度を255としたときに、BSE輝度90である
    ことを特徴とする請求項8記載の鉱物分析方法。
  10. 前記鉱石試料は、粉末状の鉱石である
    ことを特徴とする請求項6、7、8または9記載の鉱物分析方法。
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