JP2015114240A - 鉱石の金分配率分析方法 - Google Patents

鉱石の金分配率分析方法 Download PDF

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Abstract

【課題】金分配率を精度よく分析できる鉱石の金分配率分析方法を提供する。
【解決手段】鉱石試料を酸浸出またはアルカリ浸出した後にシアン浸出するステップを、酸またはアルカリの種類を変えながら繰り返し行い、各ステップの濾液および残渣を化学分析してステップ毎の金分配率を求め、各ステップの残渣を鉱物分析して酸またはアルカリに溶解した鉱物種の割合を求め、ステップ毎の金分配率と鉱物種の割合とから鉱物種毎の金分配率を求める。酸またはアルカリに目的とする鉱物種が全て溶解されない場合や、他の鉱物種が溶解される場合でも、金分配率を精度よく分析できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、鉱石の金分配率分析方法に関する。さらに詳しくは、鉱石中の金がいずれの鉱物種にどの程度分配されて共存しているかを示す金分配率を分析する方法に関する。
金は装飾品として歴史的に高価な貴金属として扱われてきた。また、工業的にもその耐食性、導電性の高さから数多くの電子機器に用いられている。しかし、地殻存在度が極めて低い金属としても知られている。
金は、自然金として存在する場合が多いが、銀を含むエレクトラムやテルル化金などの金鉱物として存在する場合もある。金鉱物は石英と共存する場合のほか、硫化銅鉱物、硫砒鉄鉱、黄鉄鉱などの硫化鉱物と共存する場合がある。
金の回収方法はその存在形態によって異なる。例えば、金が有価金属である銅を含む硫化銅鉱物と共存する場合は、鉱山における選鉱処理により銅とともに金も濃縮された銅精鉱が得られる。この銅精鉱を原料とした製錬により、金を銅精鉱中の副産物として回収する。また、金が硫砒鉄鉱や黄鉄鉱と共存する場合は、金のみを物理的・化学的に分離して回収する場合が多い。
鉱石中の金を物理的・化学的に回収する場合には、例えば以下のようなプロセスが行われる。まず、採掘された鉱石に浮遊選鉱処理や比重選鉱処理を施して精鉱を得る。つぎに、精鉱や鉱石(浮遊選鉱処理や比重選鉱処理を行わない場合)をシアン溶液に投入し、撹拌して、金‐シアン錯体としてシアン溶液中に金を溶解させる。つぎに、金を含んだシアン溶液に活性炭を加え数時間にわたって混合して、活性炭表面に金を吸着させる。つぎに、金が吸着された活性炭を高濃度のシアン溶液に投入し、シアン溶液中に金を逆抽出させる。最後に、得られた高濃度金含有シアン溶液を用いて電解採取や乾式製錬により金を回収する。
硫砒鉄鉱や黄鉄鉱と共存する金がサブミクロン以下の微細な形態で存在する場合や、金が硫化鉱物中に固溶して存在している場合には、精鉱や鉱石をそのままシアン溶液に投入しても、硫化鉱物中の金とシアン溶液が直接接触しないため、金が充分に溶解しない。このような場合には、精鉱や鉱石に焙焼や酸などによる酸化処理を施して硫化鉱物を分解した後に、シアン溶液に投入することが行われる。
このように、鉱石から金を回収するためのプロセスを決定したり、鉱山の経済性を評価したりするには、鉱石中の金の存在形態を分析することが重要である。
鉱石中の金の存在形態を分析する方法として、光学顕微鏡を用いて鉱物観察する方法、MLA(Mineral Liberation Analyser)やQEMSCANなどの鉱物分析装置を用いる方法、溶出診断試験(diagnostic leaching test)などが知られている。また、サブミクロン以下の微細金の存在を直接確認する方法として、二次イオン質量分析法(SIMS: Secondary Ion Mass Spectrometry)、レーザー気化ICP質量分析法(LA-ICP-MS: Laser Ablation Inductively Coupled Plasma Mass Spectrometry)などを用いた検出下限がサブppbレベルの高感度局所分析装置を用いる方法が知られている。
非特許文献1には溶出診断試験の具体例が開示されている。溶出診断試験では、鉱石を酸浸出した後にシアン浸出するステップを、酸の種類を変えながら繰り返し行う。各ステップでは、酸浸出により特定の鉱物種を溶解して金を単体化し、単体化された金をシアン溶液に溶解させる。得られたシアン溶液中の金濃度を分析することでその酸に溶解する鉱物種と共存する金の量を求めることができる。使用する酸の酸化度によって溶解する鉱物種が異なることを利用し、ステップ毎に順次酸化度が強い酸を用いることで、鉱石中の金がいずれの鉱物種にどの程度分配されて共存しているか、すなわち金分配率を定量的に分析できる。
溶出診断試験においては、各ステップで用いられた酸に目的とする鉱物種のみが全て溶解されるという前提で分析が行われる。しかし、現実にはその酸に目的とする鉱物種が全て溶解されない場合や、他の鉱物種が溶解される場合がある。この場合には求められた金分配率に誤差が生じるという問題がある。その結果、鉱石中の金の存在形態を誤って把握し、鉱石から金を回収するためのプロセスを最適化できなかったり、鉱山の経済性を誤って評価したりする恐れがある。
Modern gold departmentsand its application to industry, Minerals Engineering, Volume 24, (2011), Pages565-575
本発明は上記事情に鑑み、金分配率を精度よく分析できる鉱石の金分配率分析方法を提供することを目的とする。
第1発明の鉱石の金分配率分析方法は、鉱石試料を酸浸出またはアルカリ浸出した後にシアン浸出するステップを、酸またはアルカリの種類を変えながら繰り返し行い、各ステップの濾液および残渣を化学分析して、該濾液および該残渣の金濃度を求め、前記濾液および前記残渣の金濃度からステップ毎の金分配率を求め、各ステップの残渣を鉱物分析して、前記酸または前記アルカリに溶解した鉱物種の割合を求め、前記ステップ毎の金分配率と前記鉱物種の割合とから鉱物種毎の金分配率を求めることを特徴とする。
第1発明によれば、化学分析により求められたステップ毎の金分配率と、鉱物分析により求められた鉱物種の割合とから、鉱物種毎の金分配率を求めるので、酸またはアルカリに目的とする鉱物種が全て溶解されない場合や、他の鉱物種が溶解される場合でも、金分配率を精度よく分析できる。
本発明の一実施形態に係る鉱石の金分配率分析方法の全体フローである。 鉱物分析装置の説明図である。 鉱物分析装置による処理のフローチャートである。 研磨片の(A)BSE画像、(B)鉱物マップである。 実施例1の化学分析により得られた金濃度、金分配率を示す表である。 実施例1の鉱物分析により得られた鉱物種割合を示す表である。 実施例1の金および鉱物の浸出率を示すグラフである。 実施例1および比較例1の金分配率を示すグラフである。
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
図1に基づき、本発明の一実施形態に係る鉱石の金分配率分析方法のフローを説明する。本実施形態の金分配率分析方法は、基本的に溶出診断試験と同様の処理を行う。溶出診断試験では、鉱石試料を酸浸出またはアルカリ浸出した後にシアン浸出するステップを、酸またはアルカリの種類を変えながら繰り返し行う。
(1)粉砕処理
まず、金を含有する鉱石試料を所定量採取し粉砕する。例えば、鉱石試料1kgを80%通過粒度で20〜75μmに粉砕する。得られた粉砕産物を次の第1ステップに供する。
(2)第1ステップ
第1ステップは、鉱石試料中に元々金単体として存在する金の量を定量化することを目的としている。
まず、粉砕産物と蒸留水とを混合し、固液比が1:1のスラリー1を作成する。
つぎに、スラリー1に水酸化ナトリウム(NaOH)を添加しpHを10.0以上に調整した後、シアン化ナトリウム(NaCN)を添加して24時間浸出する。シアン化ナトリウムの添加量は鉱石試料1tあたり1kgとする。シアン浸出により、鉱石試料中に元々金単体として存在している金がシアン溶液に溶解される。
シアン浸出終了後、スラリー1を濾過、洗浄し、濾液1と残渣1とを回収する。濾液1と残渣1を秤量した後、濾液1は化学分析に供する。残渣1の一部を縮分、秤量し、化学分析および鉱物分析に供する。残渣1の残りを次の第2ステップに供する。
(3)第2ステップ
第2ステップは、鉱石試料中の炭酸塩鉱物、アンチモン硫化鉱物、針鉄鉱などと共存する金の量を定量化することを目的としている。
まず、固液比が1:2となるように残渣1と濃度32%の塩酸(HCl)とを混合して、50〜80℃で24時間浸出する。塩酸浸出により、鉱石試料中の炭酸塩鉱物、アンチモン硫化鉱物、針鉄鉱などが溶解し、これらと共存する金が単体化される。
つぎに、塩酸浸出後の残渣1を十分に洗浄した後、蒸留水と混合し、固液比が1:1のスラリー2を作成する。
つぎに、スラリー2に水酸化ナトリウムを添加し、pHを10.0以上に調整した後、シアン化ナトリウムを添加して24時間浸出する。シアン化ナトリウムの添加量は鉱石1tあたり1kgとする。シアン浸出により、塩酸浸出で単体化された金がシアン溶液に溶解される。
シアン浸出終了後、スラリー2を濾過、洗浄し、濾液2と残渣2とを回収する。濾液2と残渣2を秤量した後、濾液2は化学分析に供する。残渣2の一部を縮分、秤量し、化学分析および鉱物分析に供する。残渣2の残りを次の第3ステップに供する。
(4)第3ステップ
第3ステップは、鉱石試料中の硫砒鉄鉱と共存する金の量を定量化することを目的としている。
まず、固液比が1:2となるように残渣2と水酸化ナトリウムとを混合してpH12以上のスラリーとし、50〜80℃で24時間浸出する。水酸化ナトリウム浸出により、鉱石試料中の硫砒鉄鉱が溶解し、これらと共存する金が単体化される。
つぎに、水酸化ナトリウム浸出後の残渣2を十分に洗浄した後、蒸留水と混合し、固液比が1:1のスラリー3を作成する。
つぎに、スラリー3に水酸化ナトリウムを添加し、pHを10.0以上に調整した後、シアン化ナトリウムを添加して24時間浸出する。シアン化ナトリウムの添加量は鉱石1tあたり1kgとする。シアン浸出により、水酸化ナトリウム浸出で単体化された金がシアン溶液に溶解される。
シアン浸出終了後、スラリー3を濾過、洗浄し、濾液3と残渣3とを回収する。濾液3と残渣3を秤量した後、濾液3は化学分析に供する。残渣3の一部を縮分、秤量し、化学分析および鉱物分析に供する。残渣3の残りを次の第4ステップに供する。
(5)第4ステップ
第4ステップは、鉱石試料中の黄鉄鉱と共存する金の量を定量化することを目的としている。
まず、固液比が1:10となるように残渣3と硝酸(HNO3)とを混合してpH1以下のスラリーとし、50〜80℃で24時間浸出する。硝酸浸出により、鉱石試料中の黄鉄鉱が溶解し、これらと共存する金が単体化される。
つぎに、硝酸浸出後の残渣3を十分に洗浄した後、蒸留水と混合し、固液比が1:1のスラリー4を作成する。
つぎに、スラリー4に水酸化ナトリウムを添加し、pHを10.0以上に調整した後、シアン化ナトリウムを添加して24時間浸出する。シアン化ナトリウムの添加量は鉱石1tあたり1kgとする。シアン浸出により、硝酸浸出で単体化された金がシアン溶液に溶解される。
シアン浸出終了後、スラリー4を濾過、洗浄し、濾液4と残渣4とを回収する。濾液4と残渣4を秤量した後、濾液4は化学分析に供する。残渣4は乾燥、秤量した後、化学分析および鉱物分析に供する。
なお、上記では4ステップとしているが、3ステップ以下でもよいし、5ステップ以上でもよい。例えば、鉱石試料に硫砒鉄鉱が存在しないことが分かっている場合には、上記第3ステップを省略すればよい。また、各ステップで使用する酸やアルカリは、ステップ毎に目的とする鉱物種のみを順に溶解できる種類を選択すればよい。例えば、酸はステップ毎に順次酸化度が強い酸を用いればよい。酸やアルカリの種類は上記第1〜第4ステップに例示されたものに限られず、種々のものを用いることができる。これらの条件は、測定対象である鉱石試料の性質などによって選択すればよい。
(6)化学分析
各ステップで回収された濾液1〜4および残渣1〜4を化学分析して、それらの金濃度を求める。化学分析はICP発光分析法などにより行われる。濾液および残渣の金濃度から「ステップ毎の金分配率」、すなわち鉱石中の金がいずれのステップの酸またはアルカリに溶解した鉱物にどの程度分配されて共存しているかを定量的に分析できる。
(7)鉱物分析
本実施形態の金分配率分析方法は、各ステップで回収された残渣1〜4を鉱物分析するところに特徴を有する。各ステップで回収された残渣1〜4を鉱物分析して、各ステップの酸またはアルカリに溶解した鉱物種の割合(鉱物種割合)を求める。鉱物分析は、MLA(Mineral Liberation Analyzer)やQEMSCANと呼ばれる、エネルギー分散型X線分析器を有する走査電子顕微鏡をベースとした鉱物分析装置が用いられる。
図2に示すように、鉱物分析装置1は、エネルギー分散型X線分析器(EDS:Energy dispersive X-ray spectrometry)11を有する走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)10と、走査電子顕微鏡10と接続されたコンピュータ20とを備えている。コンピュータ20により走査電子顕微鏡10およびエネルギー分散型X線分析器11の制御が行われる。また、コンピュータ20に走査電子顕微鏡10およびエネルギー分散型X線分析器11により得られたデータが入力される。
図3に基づき、鉱物分析装置1による処理を説明する。
まず、各ステップで回収された残渣1〜4それぞれの研磨片Sを作成する(ステップS1)。残渣は、粉末状としてもよいし、塊状でもよい。残渣を樹脂に包埋して固結片を得て、固結片の測定面を研磨し、カーボン蒸着を施して研磨片Sを得る。
得られた研磨片Sを走査電子顕微鏡10に導入する(ステップS2)。走査電子顕微鏡10の各種調整および測定条件などを設定し、測定を開始する(ステップS3)。
測定においては、まず、走査電子顕微鏡10で研磨片Sの測定面の一部(視野部分)のBSE(Back Scattered Electron)画像(反射電子像ともいう。以下、「BSE画像」と称する。)を取得する(ステップS4)。一般に、BSE画像におけるBSE輝度は樹脂部を0、金単体を255とした相対値を用いて表される。以下、BSE輝度としてこの相対値を用いて説明する。
つぎに、走査電子顕微鏡10により得られた研磨片SのBSE画像において、各鉱物粒子の領域(以下、「鉱物領域」と称する。)を特定する(ステップS5)。この鉱物領域により各鉱物粒子の形状や大きさが分かる。
ここで、鉱物領域の特定は、以下の2工程で行われる。
(1)まず、鉱物部を抽出する。BSE輝度は平均原子量に依存することから、相対的に樹脂部のBSE輝度は低く、鉱物部のBSE輝度は高くなる。このBSE輝度の差を利用して樹脂部と鉱物部とを分離し、鉱物部のみを抽出する。例えば、BSE輝度が20以上の部分を鉱物部として抽出する。
(2)つぎに、隣接する異鉱物種の鉱物粒子同士を分離する。鉱物種が異なればBSE輝度が異なるため、その境ではBSE輝度の位置変化率が高くなる。そのためBSE輝度の位置変化率から境を見つけ、異鉱物種の鉱物粒子同士を分離できる。
つぎに、エネルギー分散型X線分析器11により各鉱物粒子の鉱物領域中の代表点のEDSスペクトルを取得する(ステップS6)。EDSスペクトルとは、電子線照射により発生する特性X線をエネルギーで分光したスペクトルである。
鉱物分析装置1は、以上のBSE画像取得(ステップS4)からEDSスペクトル取得(ステップS6)までを、所定の条件(所定の視野、所定の粒子数、所定の測定時間など)に達するまで、視野を変更しつつ自動で繰り返し行う。
つぎに、特定された複数の鉱物粒子のうちの一の鉱物粒子に対して、エネルギー分散型X線分析器11により得られたEDSスペクトルを基に鉱物種を同定する(ステップS7)。コンピュータ20は、各鉱物種の典型的なEDSスペクトルが登録されたデータベースを有している。ステップS6で得られた鉱物粒子のEDSスペクトルと、データベースに登録されたEDSスペクトルとのスペクトルマッチングを行い、鉱物粒子の鉱物種を同定する。
鉱物分析装置1は、以上の鉱物種同定工程(ステップS7)を、鉱物粒子を変更しつつ繰り返し行い、全ての鉱物粒子に対して処理を行う。
つぎに、各鉱物粒子の鉱物領域の面積を算出する(ステップS8)。そして、ステップS8で求められた各鉱物粒子の鉱物領域の面積と、ステップS7で同定された各鉱物粒子の鉱物種とから、残渣中の鉱物種の割合(鉱物種割合)を求める(ステップS9)。
図4にモリブデン精鉱を用いて得た研磨片の(A)BSE画像と、(B)鉱物マップの一例を示す。なお、鉱物マップは、研磨片の測定面における鉱物粒子の分布を示し、鉱物領域特定工程(ステップS5)で特定された鉱物領域に加え、各鉱物粒子のEDSスペクトルを基に同定した鉱物種の別を示している。このように、鉱物分析装置1を用いれば、残渣の鉱物種割合を求めることができる。
求めた残渣1〜4の鉱物種割合から、各ステップの酸またはアルカリに溶解した鉱物種の割合を逆算して求める。そして、化学分析により求められたステップ毎の金分配率と、鉱物分析により求められた鉱物種割合とから、「鉱物種毎の金分配率」を求める。ここで、「鉱物種毎の金分配率」とは、鉱石試料中の金がいずれの鉱物種にどの程度分配されて共存しているかを意味する。単に「金分配率」というときは、「鉱物種毎の金分配率」を意味する。
以上のように、化学分析により求められたステップ毎の金分配率と、鉱物分析により求められた鉱物種の割合とから、鉱物種毎の金分配率を求めるので、酸またはアルカリに目的とする鉱物種が全て溶解されない場合や、他の鉱物種が溶解される場合でも、金分配率を精度よく分析できる。
つぎに、実施例を説明する。
(実施例1)
鉱石試料として、表1に示す化学組成の鉱石を用いた。なお、表1はICP発光分析法を用いて求めた。
鉱石試料lkgを80%通過粒度で20μmに粉砕し、上記実施形態と同様の分析を行った。化学分析にはICP発光分析法を用いた。また、鉱物分析装置としてMLA(FEI社製MLA650FEG)を用いた。
図5に濾液1〜4および残渣1〜4を秤量し、化学分析した結果を示す。秤量により得られた濾液1〜4の液量および残渣1〜4の重量と、化学分析により得られた濾液1〜4の金濃度および残渣1〜4の金品位とから、濾液1〜4および残渣1〜4に含まれる金量を求めることができる。また、濾液1〜4および残渣1〜4に含まれる金量から、ステップ毎の実収率、積算実収率、金分配率を求めることができる。
実収率は下記数1により求まる。ここで、Rnは第nステップの実収率、Wfnは第nステップの濾液の金量、Wrnは第nステップの残渣の金量である。
積算実収率は下記数2により求まる。ここで、Tnは第nステップの積算実収率である。なお、T0=0である。
ステップ毎の金分配率は下記数3により求まる。ここで、Dnは第nステップの金分配率である。なお、T0=0である。
図6に残渣1〜4を鉱物分析した結果得られた鉱物種割合を示す。また、図7に、化学分析の結果(図5参照)および鉱物分析の結果(図6参照)から求められた、各ステップの酸またはアルカリに溶解した鉱物種の割合を示す。
図7から、硫砒鉄鉱および黄鉄鉱第はともに第3ステップおよび第4ステップで溶出されることが分かる。これより、硫砒鉄鉱と黄鉄鉱を区別することはできないと判断できる。このことから、各ステップの金分配率(図5参照)のうち第3ステップと第4ステップの金分配率を合わせて、硫砒鉄鉱および黄鉄鉱の金分配率と補正して、図8に示す鉱物種毎の金分配率を得ることができる。
(比較例1)
比較例1では、鉱物分析を行わず、化学分析のみにより金分配率を求めた。その結果、図8に示す金分配率を得た。比較例1では、第3ステップの金分配率40.1%が硫砒鉄鉱の金分配率であるとし、第4ステップの金分配率25.2%が黄鉄鉱の金分配率であるとした。
比較例1では、硫砒鉄鉱の金分配率が40.1%、黄鉄鉱の金分配率が25.2%であるという結果を得ているが、実施例1のように鉱物分析をすることにより、硫砒鉄鉱と黄鉄鉱とを区別することができないと分かる。したがって、実施例1の方が金分配率を精度よく分析できるといえる。
1 鉱物分析装置
10 走査電子顕微鏡
11 エネルギー分散型X線分析器
20 コンピュータ

Claims (1)

  1. 鉱石試料を酸浸出またはアルカリ浸出した後にシアン浸出するステップを、酸またはアルカリの種類を変えながら繰り返し行い、
    各ステップの濾液および残渣を化学分析して、該濾液および該残渣の金濃度を求め、
    前記濾液および前記残渣の金濃度からステップ毎の金分配率を求め、
    各ステップの残渣を鉱物分析して、前記酸または前記アルカリに溶解した鉱物種の割合を求め、
    前記ステップ毎の金分配率と前記鉱物種の割合とから鉱物種毎の金分配率を求める
    ことを特徴とする鉱石の金分配率分析方法。
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