JP6972933B2 - 鉱物粒子の表面分析方法 - Google Patents

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Description

本発明は、鉱石中に含まれ解析対象となる、有用な鉱物粒子の表面分析方法に関する。
鉱山から採掘された鉱石の中には、有用性の高いものから低いものまで様々な鉱物が含まれている。そこで、鉱石を製錬する前に選鉱処理による不要鉱物粒子と有用鉱物粒子との分離が行われる。
当該選鉱処理方法の1つとして、浮遊選鉱が挙げられる。浮遊選鉱では、選鉱される鉱物粒子の水に対する濡れ性の違いを利用して分離が行われることから、当該鉱物粒子の表面状態が有用鉱物の収率に大きな影響を及ぼすこととなる。
従って、浮遊選鉱において有用鉱物の収率の改善を検討するには、鉱石中に含まれる有用な鉱物粒子の表面状態を詳細に解析する必要が生じる。このような場合に、例えば、透過型電子顕微鏡(本発明において「TEM」と記載する場合がある。)による観測が考えられる。TEMを用いることにより、鉱物粒子表面のナノメートルオーダーの観察ができる。さらに当該TEMに付属のエネルギー分散型X線分析装置を用いれば、当該鉱物粒子の元素情報を得ることも可能である。
但し、TEMによる観測を行うためには、解析対象となる有用な鉱物粒子を含んだ薄片試料を作製しなければない。
有用な鉱物粒子を含んだ薄片試料を作製する方法として、集束イオンビーム加工装置(本発明において「FIB」と記載する場合がある。)が便宜で、一般的に用いられる。さらにFIBは、Gaイオンなどのイオンビームを試料上に走査し、発生した二次電子を検出することで走査イオン顕微鏡像(本発明において「SIM像」と記載する場合がある。)が得られる。そして、その当該SIM像を基に、試料の所望の位置にスパッタリング加工領域を設定することができる。
さらに、FIBを用いれば、当該FIBに付随するマイクロプローブを用いたマイクロサンプリング法により、上述した所望位置の部分を摘出し、0.1μmの厚さまで薄片化加工することが可能である(マイクロサンプリング法:特許文献1参照。)。
しかしながら、FIBによるSIM像観察だけでは、鉱石中に無数に含まれる鉱物粒子それぞれの鉱物種を同定し、その中から有用性の高い鉱物粒子を選択し、当該解析対象となる有用な鉱物粒子を含んだ薄片試料を作製することは困難であり、実質的に不可能であった。
一方、出願人は特許文献2において、鉱物粒子を樹脂包埋した後、断面研磨を施して研磨断面を有する試料を調製し、当該研磨断面を光学顕微鏡により観察して、露出した鉱物粒子断面の反射光の色から鉱物を同定することを開示している。
特開平5−52721号公報 特開2004−347330号公報
本発明は、上述の状況の下で為されたものであり、その解決しようとする課題は、多数の鉱物が含まれる鉱石から選択され、被測定対象とされる有用な鉱物粒子の表面分析を、迅速かつ確実に実施できる鉱物粒子の表面分析方法を提供することである。
本発明者らは研究の結果、
1)鉱石を粉砕して得た鉱物粒子を含む粉末試料を樹脂包埋した固結物を作製し、当該固結物を切断し、切断面を研磨して研磨断面を得る工程、
2)得られた研磨断面に現れた鉱物粒子に対し、光学顕微鏡を用いた観察像により鉱物同定を行う工程、
3)光学顕微鏡を用いた観察像による鉱物同定結果とFIBによるSIM像とを照合することで解析対象とする有用な鉱物粒子を選択し、当該選択された鉱物粒子を含む薄片試料を作製する工程、
4)作製された薄片試料に含まれる有用な鉱物粒子を、例えばTEMや当該TEMに付属のエネルギー分散型X線分析装置により観測し、有用な鉱物粒子の表面分析を行う工程、とを有する鉱物の表面分析方法に想到した。
ところが、本発明者らのさらなる検討の結果、上述した光学顕微鏡像による鉱物同定操作において、同定の対象である鉱物粒子の反射光の色が幅を持つ場合や、透明な鉱物粒子である場合などにおいては、当該鉱物粒子の同定が非常に難しい。この為、上述した研磨断面における鉱物粒子の全てを同定することは困難である。さらに、光学顕微鏡の焦点深度は浅いことから、薄片試料の研磨断面観察の際には表面凹凸を0.1μm以下にするための特殊な断面研磨が必要となり、試料作製に時間が掛かる等の新たな課題が知見された。
上記の新たな課題を解決すべく、本発明者らは再び研究を行い、被測定対象である鉱石粒子を含む粉末試料が樹脂包埋された固結物の研磨断面を、上述の光学顕微鏡に換えて全自動鉱物分析装置(本発明において「MLA」と記載する場合がある。)で観測し、鉱物粒子の反射電子(本発明において「BSE」と記載する場合がある。)像と、エネルギー分散X線スペクトル(本発明において「EDS」と記載する場合がある。)測定による鉱物同定結果とを採取し、当該採取データから解析対象とする有用な鉱物粒子を選択した後、FIBを用いて有用な鉱物粒子を含む薄片試料を作製し、当該薄片試料に含まれた有用な鉱物粒子の表面分析を行う構成に想到し、本発明を完成した。
さらに本発明者らは、前記BSE像において各々の鉱物粒子が、当該鉱物粒子に含まれている元素の原子番号に応じた所定の輝度をもって発光することに着目した。
即ち、被測定対象とする有用な鉱物粒子が、前記BSE像においてどの様な所定の輝度をもって発光するかを予め把握しておき、当該所定の輝度をもって発光している鉱物粒子を、MLAを用いて選別する。そして、当該選別された鉱物粒子を、有用な鉱物粒子または有用な鉱物粒子の候補と考え、当該鉱物粒子の研磨面の位置をMLAに記憶させる構成に想到し、本発明の生産性をさらに上げることが出来た。
即ち、上述の課題を解決するための第1の発明は、
鉱石を粉砕して得た鉱物粒子を樹脂包埋して固結物とし、前記固結物の研磨断面を得、鉱物自動分析装置(MLA)に装填する工程と、
前記鉱物自動分析装置(MLA)を用いて、前記研磨断面の反射電子(BSE)像を測定し、前記研磨断面における鉱物粒子の研磨面を判別する工程と、
前記判別された鉱物粒子の研磨面毎に、エネルギー分散X線スペクトル(EDS)測定を行う工程と、
前記測定されたエネルギー分散X線スペクトル(EDS)と、鉱物リストのエネルギー分散X線スペクトル(EDS)とを照合し、前記鉱物粒子の鉱物種を同定する工程と、
前記同定された鉱物種から、被測定対象となる鉱物粒子を選定する工程と、
集束イオンビーム加工装置(FIB)を用いて、前記研磨断面から、前記被測定対象となる鉱物粒子を含む薄片試料を作製する工程と、
前記薄片試料を透過型電子顕微鏡(TEM)に装填し、前記被測定対象となる鉱物粒子のエネルギー分散X線スペクトル(EDS)を測定し、前記鉱物粒子の鉱物種を構成する元素以外に含有される元素を同定する工程と、
前記同定された前記鉱物粒子の鉱物種を構成する元素以外に含有される元素から、前記鉱物粒子の表面状態を分析する工程と、を有することを特徴とする鉱物粒子の表面分析方法である。
第2の発明は、
鉱石を粉砕して得た鉱物粒子を樹脂包埋して固結物とし、前記固結物の研磨断面を得、鉱物自動分析装置(MLA)に装填する工程と、
前記鉱物自動分析装置(MLA)を用いて、前記研磨断面の反射電子(BSE)像を測定し、前記研磨断面における鉱物粒子の研磨面を判別する工程と、
前記研磨断面の反射電子(BSE)像において、所定の輝度を有する鉱物粒子を選択する工程と、
前記選択された鉱物粒子の研磨面毎に、エネルギー分散X線スペクトル(EDS)測定を行う工程と、
前記測定されたエネルギー分散X線スペクトル(EDS)と、鉱物リストのエネルギー分散X線スペクトル(EDS)とを照合し、前記鉱物粒子の鉱物種を同定する工程と、
前記同定された鉱物種から、被測定対象となる鉱物粒子を選定する工程と、
集束イオンビーム加工装置(FIB)を用いて、前記研磨断面から、前記被測定対象となる鉱物粒子を含む薄片試料を作製する工程と、
前記薄片試料を透過型電子顕微鏡(TEM)に装填し、前記被測定対象となる鉱物粒子のエネルギー分散X線スペクトル(EDS)を測定し、前記鉱物粒子の鉱物種を構成する元素以外に含有される元素を同定する工程と、
前記同定された前記鉱物粒子の鉱物種を構成する元素以外に含有される元素から、前記鉱物粒子の表面状態を分析する工程と、を有することを特徴とする鉱物粒子の表面分析方法である。
第3の発明は、
前記樹脂包埋において、熱硬化性樹脂またはUV硬化性樹脂を用いることを特徴とする第1または第2の発明に記載の鉱物粒子の表面分析方法である。
本発明によれば、無数の鉱物が含まれる鉱石から選択された被測定対象であって、有用な鉱物粒子の表面分析を迅速かつ確実に実施することが出来た。
固結物の研磨断面のBSE像である。 図1に示す固結物の研磨断面における、MLAによる鉱物の同定結果を示す模式図である。
本発明により、鉱物粒子の鉱物粒子の表面分析を実施する具体的な手順について、以下詳細に説明する。
1.鉱石粒子試料の固結および断面研磨
被測定対象である鉱石を粉砕して得た鉱物粒子を含む粉末試料と、樹脂とを混合して混合物を得、当該混合物を固結して固結物を得る。ここで、樹脂としては熱硬化性樹脂やUV硬化性樹脂を用いることが好ましい。樹脂として熱硬化性樹脂やUV硬化性樹脂を用いることにより、後工程において固結物が加熱されても軟化に依る変形が起こらない為である。
樹脂として熱硬化性樹脂を用いた場合は、粉末試料と樹脂との混合物を加熱して熱間固結させて、固結物を得る。
一方、樹脂としてUV硬化性樹脂を用いた場合は、粉末試料と樹脂との混合物へUV照射して、固結物を得る。
次に、得られた固結物にバフ研磨機を用いて断面研磨を施し、得られた研磨断面に鉱石粒子の断面を露出させる。
2.MLAによる鉱物解析
上述した固結物断面研磨において、MLAによる鉱物解析を行う際の本発明に係る第1の態様について説明する。
上述した断面研磨を施した固結物をMLAに設置し、研磨断面のBSE像を測定して、当該研磨断面における鉱物粒子の研磨面と、樹脂面とを判別し、研磨断面における当該鉱物粒子の研磨面の位置をMLAに記憶させる。
次に、判別された鉱物粒子の研磨面毎にEDSを測定し、得られたEDSと、MLAに予め内蔵された鉱物リストのEDSとを照合し、当該鉱物粒子の鉱物種を同定する。そして、得られた各鉱物粒子の鉱物種の同定結果から、被測定対象とする有用な鉱物粒子を選定し、当該有用な鉱物粒子の研磨断面における位置を、MLAに記憶させる。
また、本発明に係る第2の態様として、上述した第1の態様において、断面研磨を施した固結物をMLAに設置し、BSE像を測定して解析結果を得る際、各々の鉱物粒子が、当該鉱物粒子に含まれている元素の原子番号に応じた所定の輝度をもって発光する現象を利用して、MLAによる有用な鉱物粒子の選定操作を効率化する態様について説明する。
通常、MLAにて測定されるBSE像の輝度は256階調をもって表現されている。
ここで、本発明者らは、各々の鉱物粒子のBSE像において、当該各々の鉱物粒子に含まれている元素の原子番号に応じ、所定の輝度をもって発光していることに着目した。
つまり、被測定対象とすべき有用な鉱物粒子が、どの様な輝度をもって発光するかを予め把握しておけば(例えば、178〜180階調の輝度をもって発光することを把握しておけば)、観測されたBSE像において、当該把握されている階調(例えば、178〜180階調)の輝度をもって発光している鉱物粒子の研磨面を判別し、当該鉱物粒子を有用な鉱物粒子、または、有用な鉱物粒子の候補と考え、当該鉱物粒子の研磨面における位置をMLAに記憶させる。
そして、当該鉱物粒子を有用な鉱物粒子の候補と考えた場合は、当該鉱物粒子の研磨面毎にEDSを測定し、得られたEDSと、MLAに予め内蔵された鉱物リストのEDSとを照合し、当該鉱物粒子の鉱物種を同定する。そして、得られた各鉱物粒子の鉱物種の同定結果から、被測定対象とする有用な鉱物粒子を選定し、当該有用な鉱物粒子の研磨断面における位置を、MLAに記憶させる。
また、当該鉱物粒子を有用な鉱物粒子と考えられる場合であっても、当該鉱物粒子の研磨面毎にEDSを測定し鉱物種の同定を行うことが好ましいが、当該有用な鉱物粒子の研磨断面における位置を、そのままMLAに記憶させることも出来る。
以上説明した、本発明に係る第2の態様をとる場合は、研磨断面において、EDSを測定し、得られたEDSと、MLAに予め内蔵された鉱物リストのEDSとを照合する鉱物粒子の数を予め絞り込むことが出来る。従って、当該本発明に係る第2の態様を採用出来る場合は、作業工数の削減が可能になり好ましい構成である。
3.FIBによる薄片試料作製
断面研磨を施した固結物をFIBに設置し、上述したMLAによる測定により選定された有用鉱物粒子と、その研磨断面における位置情報とを基に、FIBのSIM像観察から当該有用鉱物粒子を特定する。そして、当該有用鉱物粒子に対し、次工程においてTEMを用いた分析を行なう為、FIBに付随するマイクロプローブを用いたマイクロサンプリング法により、固結物の研磨断面から当該特定された有用鉱物粒子を含む薄片試料を摘出し、有用な鉱物粒子を含む薄片試料を作製する。
4.TEMによる観測
作製された有用な鉱物粒子を含む薄片試料をTEMに設置し、当該有用な鉱物粒子のTEM像を観察し、当該TEMに付属のエネルギー分散型X線分析装置によりEDSを測定する。
上述した「2.MLAによる鉱物解析」に続いてTEMによる観測を行うのは、MLAとTEMとにおける倍率と、それに対応する視野とに関する基本的な相違による。
MLAはTEMに比較して、倍率が低く広い視野での測定に適している。この結果、MLAにて鉱石粒子試料のEDSを測定することにより、広い視野中に存在する鉱物の種類、即ち鉱物種を同定することが可能である。
一方、TEMは倍率が高く、狭い視野での精密な測定に適している。そこで、当該同定結果より、特定の有用な鉱物種をさらに詳細に把握するために、TEM観察用の当該有用な鉱物粒子を含む薄片試料を調製する。そして当該有用な鉱物粒子に的を絞り、高倍率のTEM像を観察し、当該TEMに付属のエネルギー分散型X線分析装置によりEDSを測定することで、その当該有用な鉱物粒子を構成する化合物の形態や元素情報を精密に把握することが可能となる。
以下、実施例を参照しながら本発明をより具体的に説明する。但し、本発明の技術的範囲は、当該実施例の範囲に限られるものではない。
(実施例1)
鉱石中において狙いとする有用な鉱物粒子を含む薄片試料作製を例にとって、本発明を具体的に説明する。
まず、鉱石を粉砕して得た粒径0.01〜100μm程度の鉱物粒子を含む粉末試料と、ベークライト樹脂とを体積比で1:3.5の割合で混合して混合物とした。そして、万力を用い、当該混合物を直径20mm、高さ3mmの円柱状へ圧縮成型し成形体を得た。
次に、熱間埋め込み機へ、当該成形体とフェノール樹脂約2gとを封入し、180℃、75bar、5分間の条件で熱間固結し、直径25mm高さ6mm程度の円柱状の固結体を作製した。
バフ研磨機を用いて、当該円柱状の固結体へ断面研磨を施し、鉱物粒子の断面を露出させた研磨断面を得た。この断面研磨を行った固結体にカーボン蒸着を施し、MLA装置内に設置した。
MLA装置により、固結体の研磨断面の全面に存在する鉱物粒子の解析を実施した。今回の解析では、原子量の大きな金属元素を含む鉱物を、狙いの有用な鉱物粒子の候補と考えられる鉱物粒子とした。この結果、図1に示す鉱物粒子の研磨断面のBSE像と、図2に示す図1に係る鉱石の研磨断面におけるMLAによる鉱物同定結果を得た。
すると、図1おける中央部に存在する鉱物粒子はBSE像における輝度が、256階調中の180階調と高く、予め把握していた諧調であった為、原子量が多い有用な元素を含んでいる有用な鉱物粒子の候補であると考えられた。
一方、図2より実施例1に係る薄片試料には鉱物粒子A〜Kが含まれていること。および、図1、2の対比により、上述の図1おける中央部に存在する鉱物粒子は、図2における同じく中央部の鉱物粒子Gに対応し、当該鉱物粒子Gが有用な鉱物粒子の候補であると考えられた。
そこで、当該鉱物粒子GのEDSを測定し、得られたEDSと、MLAに予め内蔵された鉱物リストのEDSとを照合したところ、当該鉱物粒子Gが狙いの有用な鉱物粒子であると判断した。
固結体をMLA装置内からFIB装置内へ設置し、MLAにて得られた研磨断面における鉱物粒子Gの位置情報を基に、FIBを用いたマイクロサンプリング法により、固結物の研磨断面から、鉱物粒子Gを含む試料を摘出してさらに薄片加工を施し、その厚みを0.1μmまで薄くして、実施例1に係る薄片試料を作製することが出来た。
実施例1に係る薄片試料をTEMに設置して、TEMおよび付属のエネルギー分散型X線分析装置により鉱物粒子Gの観測を行うことで、有用な鉱物粒子の表面分析を迅速かつ確実に実施することが出来た。
(実施例2)
実施例1で得られたBSE像を基に、研磨断面における鉱物粒子の研磨面と樹脂面とを判別し、当該鉱物粒子の研磨面の位置をMLAに記憶させた。
次に、判別された鉱物粒子の研磨面毎にEDSを測定し、得られたEDSと、MLAに予め内蔵された鉱物リストのEDSとを照合し、当該鉱物粒子の鉱物種を同定した。当該同定結果を図2に示す。但し、図2は、MLAによる鉱物同定結果から同種の鉱物と判断された鉱物粒子には同種のハッチングを施した模式図である。
そして、図2に示す各鉱物粒子の鉱物種の同定結果から、中央部に存在する鉱物粒子Gが有用な元素を含んでいることが判明した。
固結体をMLA装置内からFIB装置内へ設置し、実施例1と同様にして、実施例2に係る薄片試料を作製することが出来た。
実施例2に係る薄片試料をTEMに設置して、TEMおよび付属のエネルギー分散型X線分析装置により鉱物粒子Gの観測を行うことで、実施例1と同様に、有用な鉱物粒子の表面分析を実施することが出来た。
A:鉱物粒子A
B:鉱物粒子B
C:鉱物粒子C
D:鉱物粒子D
E:鉱物粒子E
F:鉱物粒子F
G:鉱物粒子G(狙いの鉱物)
H:鉱物粒子H
I:鉱物粒子I
J:鉱物粒子J
K:鉱物粒子K

Claims (3)

  1. 鉱石を粉砕して得た鉱物粒子を樹脂包埋して固結物とし、前記固結物の研磨断面を得、鉱物自動分析装置(MLA)に装填する工程と、
    前記鉱物自動分析装置(MLA)を用いて、前記研磨断面の反射電子(BSE)像を測定し、前記研磨断面における鉱物粒子の研磨面を判別する工程と、
    前記判別された鉱物粒子の研磨面毎に、エネルギー分散X線スペクトル(EDS)測定を行う工程と、
    前記測定されたエネルギー分散X線スペクトル(EDS)と、鉱物リストのエネルギー分散X線スペクトル(EDS)とを照合し、前記鉱物粒子の鉱物種を同定する工程と、
    前記同定された鉱物種から、被測定対象となる鉱物粒子を選定する工程と、
    集束イオンビーム加工装置(FIB)を用いて、前記研磨断面から、前記被測定対象となる鉱物粒子を含む薄片試料を作製する工程と、
    前記薄片試料を透過型電子顕微鏡(TEM)に装填し、前記被測定対象となる鉱物粒子のTEM像を観察し、当該TEMに付属のエネルギー分散型X線分析装置によりEDSを測定することで、前記被測定対象となる鉱物粒子を構成する化合物の形態や元素情報を得る工程と、を有することを特徴とする鉱物粒子の表面分析方法。
  2. 鉱石を粉砕して得た鉱物粒子を樹脂包埋して固結物とし、前記固結物の研磨断面を得、鉱物自動分析装置(MLA)に装填する工程と、
    前記鉱物自動分析装置(MLA)を用いて、前記研磨断面の反射電子(BSE)像を測定し、前記研磨断面における鉱物粒子の研磨面を判別する工程と、
    前記研磨断面の反射電子(BSE)像において、所定の輝度を有する鉱物粒子を選択する工程と、
    前記選択された鉱物粒子の研磨面毎に、エネルギー分散X線スペクトル(EDS)測定を行う工程と、
    前記測定されたエネルギー分散X線スペクトル(EDS)と、鉱物リストのエネルギー分散X線スペクトル(EDS)とを照合し、前記鉱物粒子の鉱物種を同定する工程と、
    前記同定された鉱物種から、被測定対象となる鉱物粒子を選定する工程と、
    集束イオンビーム加工装置(FIB)を用いて、前記研磨断面から、前記被測定対象となる鉱物粒子を含む薄片試料を作製する工程と、
    前記薄片試料を透過型電子顕微鏡(TEM)に装填し、前記被測定対象となる鉱物粒子のTEM像を観察し、当該TEMに付属のエネルギー分散型X線分析装置によりEDSを測定することで、前記被測定対象となる鉱物粒子を構成する化合物の形態や元素情報を得る工程と、を有することを特徴とする鉱物粒子の表面分析方法。
  3. 前記樹脂包埋において、熱硬化性樹脂またはUV硬化性樹脂を用いることを特徴とする請求項1または2に記載の鉱物粒子の表面分析方法。
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