JP7345277B2 - 分析用試料埋込樹脂の評価方法および、分析用試料埋込樹脂の作製方法 - Google Patents
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それゆえに従来は、試料埋込樹脂を作製する場合、はじめに、粒状試料に対して篩別を行って篩上と篩下に分けた後にさらにそれらを混合し、その混合試料を液体状樹脂材料とともに容器に投入し、容器内を手動作業でかき混ぜるとともに、真空デシケーターを用いた液体状樹脂材料の脱泡、超音波撹拌機による容器内の撹拌を行った後、液体状樹脂材料を大気中で硬化させることとしていた。またここでは、試料埋込樹脂中の粒状試料の分散性を高めるため、容器に、液体状樹脂材料を投入するに先立って、グラファイトを投入し、これを粒状試料と混合させることもある。さらに断面を作製して測定する場合もある。
一の実施形態に係る分析用試料埋込樹脂の評価方法では、粒径が不均一な粒子からなり、単体及び/又は化合物を含む分析対象の複数種類の粒状試料と、前記粒状試料が埋め込まれて固定された樹脂材料とを有する試料埋込樹脂を評価する方法であって、当該試料埋込樹脂の互いに平行で1mm以上離隔した二つの断面のそれぞれにおける観測領域にて、前記粒状試料を構成する粒子のうち、当該観測領域で含有量が最も多い種類の対象粒子の当該含有量について、前記二つの断面の各観測領域での差が、4%以内であるか否かを確認する。
分析の対象とする粒状試料は、鉱石、スラグ、汚泥、粉塵もしくは、電気電子機器を含むその他のリサイクル原料等に対して所定の処理を施すこと等によって、比較的小さい粒子となったものとすることができる。このような粒状試料は通常、組成および粒径の意図的な均一化が行われていないので、組成が異なるとともに粒径も異なる不均一な多種類の粒子からなる。
電気電子機器からなる粒状試料の場合、基板に含まれる樹脂部や回路を構成する金属部、難燃剤部等の様々な組成を持つ粒子が存在する。
汚泥、粉塵に至っては単一の組成となっている場合はまず無い。
上述した粒状試料を埋め込んで固定するための樹脂材料としては、後述する容器への投入の際および撹拌の際に液体状に維持でき、かつその後に硬化させることができれば様々なものを用いることができるが、たとえば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂等を挙げることができ、このなかでも、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂が好ましい。アクリル樹脂は電子線照射に弱いことから、電流量を増やすことができず、それにより測定に時間を要し、またフェノール樹脂は樹脂以外のものが含有されていることがあり、それが測定試料と判別ができない懸念があるからである。
評価は、たとえば、図1に示すような試料埋込樹脂11に対して行うことができる。この試料埋込樹脂11は、容器1に、上述した粒状試料2と、粒状試料2が埋め込まれて固定された樹脂材料3とを有する円柱状のものである。なお、試料埋込樹脂11の作製方法の詳細については後述する。
なお、後述のMLAでは所定の円の範囲をマッピング分析する手段もあるが、その測定範囲を決める際に円の半径を決めるといったことができず、測定するフレーム数、測定時間、及び粒子の数を設定して測定することになるため、測定したい範囲を精度よく測定することが難しい。
そして、各観測領域A1、A2で算出した対象粒子の含有量を比較し、観測領域A1での対象粒子の含有量と、観測領域A2での対象粒子の含有量との差が4%以内であるかどうかを確認する。断面S1、S2の各観測領域A1、A2での対象粒子の含有量の差が4%以内であれば、試料埋込樹脂11中で粒状試料2が十分に分散していると評価することができる。このような試料埋込樹脂11をMLA等による分析に供することで、安定した高精度の分析結果を得ることができる。
また、いずれの観測領域A1、A2でも、最も含有量の多い所定の一種類の粒子の含有量が50質量%以上である場合は、その一種類の粒子を上記の対象粒子とする。一方、いずれかの観測領域A1、A2で、最も含有量の多い所定の一種類の粒子の含有量が50質量%未満である場合は、含有量が多い順に合計含有量が50質量%以上になるまでの上位の複数種類の粒子を上記の対象粒子とし、それらの複数種類の粒子の合計含有量の、観測領域A1、A2間の差が4%以内であるか否かを確認する。
上記の粒状試料および樹脂材料にて分析用の試料埋込樹脂を作製するには、はじめに、図1及び2に例示するような底付き円筒状等の所定の容器1に、粒状試料2を液体状樹脂材料3とともに投入する。なお、粒状試料2は、上述したように、所定の目開きを有する篩で篩別した後の篩下物とすることが好ましい。
またここでは、必要に応じて、エポキシ樹脂等の液体状樹脂材料3を撹拌後の加熱で硬化させるための樹脂硬化剤を使用することができる。この場合、事前に液体状樹脂材料3と樹脂硬化剤を所定の比率で混合して調合しておき、それを粒状試料2とともに容器1に投入することができる。樹脂硬化剤としては、液体状樹脂材料3の種類に適合する公知のものを用いることが可能である。
例えば、後述するように自転公転撹拌機により液体状樹脂材料3中に粒状試料2を十分に分散させる方法が有効であり、グラファイト等をさらに投入することを要しないことがわかる。さらに、具体的な方法について適切な条件も評価できる。以下にその条件を説明する。
なお、上述した公転速度および自転速度は、自転公転撹拌機で設定可能である。
ここで撹拌の初期段階は、自転公転撹拌機による撹拌の開始時点から、30秒~60秒が経過したときまでとすることができる。その後に真空雰囲気とする時間は、60秒~30分とすることができる。
そして、このような試料埋込樹脂は、様々な分析装置を用いた粒状試料の元素含有量、粒度分布、単体分離度などの分析に供することができる。特にここで、粒状試料を構成する粒子を鉱石粒子とした場合、その試料埋込樹脂は、鉱物解析システム(Mineral Liberation Analyzer、MLA)による分析に有効に用いることができる。
そこで、さらに、鉱物粒子を含む所定の粒状試料について、篩別を行わなかった粒状試料を用いたことを除いて、上述した混練法と同様の方法及び条件下で、試料埋込樹脂を作製及び評価した。その結果を表3に示す。
2 粒状試料
3 樹脂材料(液体状樹脂材料)
4 粒状試料および液体状樹脂材料入りの容器
11 試料埋込樹脂
CL 試料埋込樹脂の中心軸線
S1、S2 試料埋込樹脂の二つの断面
D 二つの断面間の離隔距離
θ 公転軸に対する自転軸の傾斜角度
A1、A2 観測領域
Claims (7)
- 粒径が不均一な粒子からなり、単体及び/又は化合物を含む分析対象の複数種類の粒状試料と、前記粒状試料が埋め込まれて固定された樹脂材料とを有する試料埋込樹脂を評価する方法であって、
当該試料埋込樹脂の互いに平行で1mm以上離隔した二つの断面のそれぞれにおける観測領域にて、前記粒状試料を構成する粒子のうち、当該観測領域で含有量(mass%)が最も多い種類の対象粒子の当該含有量について、前記二つの断面の各観測領域での差が、4%以内であるか否かを確認する、分析用試料埋込樹脂の評価方法。 - 前記試料埋込樹脂が有する前記粒状試料が、前記樹脂材料に埋め込まれる前に、所定の大きさの目開きの篩で篩別された篩下物である、請求項1に記載の分析用試料埋込樹脂の評価方法。
- 前記目開きの所定の大きさが100μm~250μmである、請求項2に記載の分析用試料埋込樹脂の評価方法。
- 前記粒状試料を構成する粒子が鉱石粒子である、請求項1~3のいずれか一項に記載の分析用試料埋込樹脂の評価方法。
- 当該試料埋込樹脂が円柱状であり、前記二つの断面のうちの一つを、円柱状の当該試料埋込樹脂の中心軸線を含む断面とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の分析用試料埋込樹脂の評価方法。
- 粒径が不均一な粒子からなり単体及び/又は化合物を含む分析対象の複数種類の粒状試料を、樹脂材料に埋め込んで、該樹脂材料中に前記粒状試料を固定した試料埋込樹脂を作製する方法であって、
請求項1~5のいずれか一項に記載の試料埋込樹脂の評価方法を用いて、前記対象粒子の含有量(mass%)の、二つの断面の各観測領域での差が、4%以内である試料埋込樹脂を得る、分析用試料埋込樹脂の作製方法。 - 前記試料埋込樹脂の作製に当り、
容器内に、前記粒状試料を液体状樹脂材料とともに投入し、粒状試料および液体状樹脂材料入りの前記容器を、自転公転撹拌機で自転させつつ該自転と同じ又は逆の回転方向に公転させることにより、容器内の粒状試料および液体状樹脂材料を撹拌してから、液体状樹脂材料を硬化させる、請求項6に記載の分析用試料埋込樹脂の作製方法。
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