JP2020153738A - 試料に含まれる鉱物の存在比率に関するデータ取得方法 - Google Patents

試料に含まれる鉱物の存在比率に関するデータ取得方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来の技術に係る観察では鉱物の判別が困難な試料粒子であっても、高い再現性をもって鉱物を判別し、且つ当該試料粒子の粒度を測定する方法を提供する。【解決手段】試料を樹脂にて固化して作製した研磨片を、MLAに導入してBSE像を取得し、画像処理を行って、分析対象である元素を含有する粒子のBSE像を抽出する画像処理工程と、前記画像処理により抽出された試料から、EDSを取得するEDS取得工程と、取得されたEDSから試料に含有されている元素を特定し、当該含有されている元素を構成元素とする鉱物を2種以上選択し、選択された複数の鉱物のEDSをデータベースから取得し、当該取得されたEDSから、当該複数の鉱物が所定の存在比率で混合された場合のEDSを算出する混合EDS算出工程と、取得された一の試料のEDSと、算出された混合EDSとを比較して、当該一の試料における前記選択された複数の鉱物の存在比率を得る、試料に含まれる鉱物の存在比率に関するデータ取得方法を提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、試料に含まれる鉱物の存在比率に関するデータの取得方法に関する。
従来、試料を構成する試料粒子に含有されている鉱物の種類や存在比率、当該試料粒子の粒度に係るデータを得ようとする場合、光学顕微鏡を用いる方法がある。
本出願人は特許文献1において、当該試料の光学的な性質の違い(主に色)から、当該試料に含有されている鉱物を判別し、一方、マイクロメータにより当該試料粒子の粒度を計測して記録し、いわゆるポイントカウンティング法で当該粒度別の試料に含まれる鉱物に関するデータを得る方法を開示した。
特開2004−347330号公報
実際には、所定の鉱物に由来する複数の鉱物が混在する試料粒子が発生する場合がある。
例えば、鉱物を処理した場合の試料であって、所定の鉱物αx1βy1γz1を加熱処理する際に、αx1βy1γz1→αx2βy2γz2→αx3βy3γz3といった反応が起こり、これら3種類の鉱物αx1βy1γz1、αx2βy2γz2、αx3βy3γz3が混在するといった試料粒子がある(尚、本発明における鉱物の分子式の標記において、α、β、γ、δは所定の元素を示し、x1、y1、z1、x2、y2、z2、x3、y3、z3は同一原子の個数を示すために元素記号の右下付きに付する添え字である。)。
このような場合においては、試料粒子の形態観察や、試料粒子に含まれる鉱物または化合物の存在比率に係るデータが重要である。
ところが、このような場合、試料の粒度別の形態観察や含まれる鉱物の測定を従来技術に係る光学顕微鏡を用いる方法で行うと、反応中間の試料の色(純粋な鉱物であるαx2βy2γz2の色は例えば茶色、純粋な鉱物であるαx3βy3γz3の色は例えば青色、両鉱物を含む中間反応物の色は例えば紫色であるといった場合がある。)の判断が困難な為、当該試料に含まれる鉱物を判別することが困難な場合があった。この結果、従来技術に係る方法では再現性のあるデータを得ることが困難な場合がある、ということが判明した。
本発明者らは、当該試料に含まれる鉱物が、純粋な鉱物であるαx1βy1γz1、αx2βy2γz2、αx3βy3γz3のみではなく、熱を受けて反応が進行した結果、試料には、これらの鉱物が混合した固溶体が含まれている為、上述の困難がもたらされることに想到した。
さらに上述の困難に加え、そもそも粒度別の試料に含まれる鉱物を求める為の、光学顕微鏡を用いたポイントカウンティング法による測定は、多量の労力と時間とが必要な作業である。
本発明は、上述の状況の下で為されたものであり、その解決しようとする課題は、従来の技術に係る方法では、試料に含まれる鉱物の判別が困難な試料であっても、高い再現性と少ない労力とをもって鉱物を判別し、且つ当該試料の粒度を測定することで、粒度別試料に含まれる鉱物の存在比率に関するデータを得ることが出来る方法を提供することである。
上述の課題を解決する為、本発明者らは研究を行い、全自動鉱物分析装置(本発明において「MLA」と記載する場合がある。)を用いて、試料に含まれる鉱物を判別し、当該試料が、例えばαx1βy1γz1、αx2βy2γz2、αx3βy3γz3といった鉱物のいずれか、または、これらの鉱物をどのような存在比率で含むのかを判別し、且つ、当該試料子の粒度を計測する構成に想到した。
以下、当該試料が、例えばαx1βy1γz1、αx2βy2γz2、αx3βy3γz3といった鉱物のいずれを含むのか、または、これらの鉱物をどのような存在比率で含むのかを判別する場合を具体的に説明する。
まず、MLAのデータベースから、純鉱物であるαx1βy1γz1、αx2βy2γz2、αx3βy3γz3のエネルギー分散X線スペクトル(本発明において「EDS」と記載する場合がある。)を準備する。そして、当該工程における粒子の基本反応である〈1〉αx1βy1γz1→αx2βy2γz2および〈2〉αx2βy2γz2→αx3βy3γz3に係る鉱物の両成分が、所定の存在比率で混ざり合った固溶体(例えば、後述する表1、2参照)のEDSをリファレンスとして算出する。
一方、試料のEDSを観測し、当該リファレンスのEDSと照合する。そして、最もスペクトルパターンが一致するリファレンスのEDSに係る鉱物の組成をもって、試料がαx1βy1γz1、αx2βy2γz2、αx3βy3γz3のいずれであるのか、または、これらの鉱物をどのような存在比率で含むのかを判別する。
一方、当該試料の反射電子像(本発明において「BSE像」と記載する場合がある。)より、当該試料の粒度を測定する。
以上より、当該試料が、αx1βy1γz1、αx2βy2γz2、αx3βy3γz3のいずれの鉱物を含んでいるかの存在比率と、粒度の測定結果とを併せることにより、粒度別の試料に含まれる鉱物の存在比率が判明する。そして当該粒度別の試料に含まれる鉱物の存在比率は再現性のある結果であることに想到し、本発明を完成した。
即ち、上述の課題を解決した第1の発明は、
試料を液状の樹脂と混合して混合物を得、当該液状の樹脂を固化して固結片を得、当該固結片を適宜な位置で切断して測定面を形成し、当該測定面を研磨した後、導電性を付与して研磨片を得る研磨片作製工程と、
前記得られた研磨片を全自動鉱石分析装置(MLA)に導入し、前記試料の反射電子像(BSE像)を取得する反射電子像取得工程と、
前記取得された試料の反射電子像へ画像処理を行って、分析対象である元素を含有する前記試料の反射電子像を抽出する画像処理工程と、
前記画像処理により抽出された一の試料から、エネルギー分散X線スペクトル(EDS)を取得するエネルギー分散X線スペクトル取得工程と、
前記取得されたエネルギー分散X線スペクトルから前記一の試料に含有されている元素を特定し、当該含有されている元素を構成元素とする鉱物を2種以上選択し、当該選択された複数の鉱物のエネルギー分散X線スペクトルをデータベースから取得し、当該取得されたエネルギー分散X線スペクトルから、当該複数の鉱物が所定の存在比率で混合された場合のエネルギー分散X線スペクトルを算出する混合エネルギー分散X線スペクトル算出工程と、
前記取得された一の試料のエネルギー分散X線スペクトルと、前記算出された混合エネルギー分散X線スペクトルとを比較して、当該一の試料における前記選択された複数の鉱物の存在比率を得ることを特徴とする、試料に含まれる鉱物の存在比率に関するデータ取得方法である。
第2の発明は、
前記選択された複数の鉱物のエネルギー分散X線スペクトルをデータベースから取得し、当該取得されたエネルギー分散X線スペクトルから、当該複数の鉱物が所定の存在比率で混合された場合のエネルギー分散X線スペクトルを算出する際、全自動鉱石分析装置の解析ソフトウェアを用いることを特徴とする、第1の発明に記載の試料に含まれる鉱物の存在比率に関するデータ取得方法である。
本発明によれば、光学顕微鏡による方法では鉱物の判別が困難な試料であっても、高い再現性をもって含まれる鉱物を判別し、且つ当該試料の粒度を測定することが出来た。
試料に含まれる鉱物の存在比率に関するデータ取得の操作フロー図 αx1βy1γz1とαx2βy2γz2、および、それらが所定の割合で混合している固溶体試料のEDSである。 但し、(a)はαx1βy1γz1=100(質量%)、(b)はαx1βy1γz1:αx2βy2γz2=70:30(質量%)、(c)はαx1βy1γz1:αx2βy2γz2=30:70(質量%)、(d)はαx2βy2γz2=100(質量%)である。 αx2βy2γz2とαx3βy3γz3、および、それらが所定の割合で混合している固溶体試料のEDSである。 但し、(a)はαx2βy2γz2=100(質量%)、(b)はαx2βy2γz2:αx3βy3γz3=70:30(質量%)、(c)はαx2βy2γz2:αx3βy3γz3=30:70(質量%)、(d)はαx3βy3γz3=100(質量%)である。 αx2βy2γz2を70質量%、αx3βy3γz3を30質量%含有している固溶体試料のEDS(黒実線)と、実施例1に係る試料のEDS(短破線)とを照合したものである。
本発明を実施するための形態について、試料に含まれる鉱物として、αx1βy1γz1、αx2βy2γz2、αx3βy3γz3とが考えられる場合を例として図面を参照しながら説明する。尚、本発明は、αが各種金属の精錬工程と当該精錬工程で生成する鉱物である場合に適用出来る。
図1は、本発明を実施するための操作フロー図である。当該操作フロー図を参照しながら(1)研磨片作製、(2)BSE像取得、(3)画像処理による試料の抽出、(4)リファレンスデータ作成、(5)EDS取得、(6)鉱物の判別、(7)粒度別試料に含まれる鉱物の存在比率に関するデータ取得、(8)まとめ、の順に説明する。
(1)研磨片作製
被測定対象である試料を準備し、液状の樹脂と混合して混合物を得る。当該液状の樹脂としてはエポキシ系樹脂、アクリル樹脂等が好ましい。
当該樹脂を固化して試料を樹脂中に包埋した固結片とした後、当該固結片を適宜な位置で切断して測定面を形成する。
当該測定面を研磨した後、カーボン等を蒸着して当該測定面へ導電性を付与し、研磨片を得る。
(2)BSE像取得
研磨片をMLAに導入し、電子線を照射し試料のBSE像を取得する。この際、当該試料の粒度に合わせて観察倍率と解像度を調整し、測定面の全面が測定されるように測定視野数を調整する。そして、コントラスト・輝度の調整用標準試料として純金と樹脂を用い、BSE像のグレイレベルにおいて純金がおよそ256(白色)となり、樹脂部が0(黒色)となるようにコントラストと輝度を調整する。
(3)画像処理による試料の抽出
取得された試料のBSE像に対し、MLAに備えられた測定粒子の輝度範囲を限定する機能を用いて、データの取得目的である元素を含有する試料粒子を抽出する画像処理を行う。即ち、例えば、データの取得目的元素がαであれば、αを含有する試料粒子、また例えば、データの取得目的元素がδであれば、δを含有する試料粒子を画像処理によって抽出する。
当該画像処理によって抽出される試料粒子は、当該粒子のグレイレベルによって決定される。従って、当該抽出する粒子のグレイレベルの範囲を適切に調整することで、データの取得目的元素であるαを含む試料粒子のBSE像を抽出することが出来る。
(4)リファレンスデータ作成
まず、純物質であるαx1βy1γz1と、純物質であるαx2βy2γz2と、純物質であるαx3βy3γz3とのEDSを準備する。
そして、
〈1〉αx1βy1γz1とαx2βy2γz2とが、例えば、表1に示す所定の存在比率で混在している固溶体試料のEDS(当該所定の存在比率は、適宜、設定することが出来る。)を、αx1βy1γz1とαx2βy2γz2とのEDSから算出し、算出結果を、それぞれの固溶体試料のリファレンスデータとする。
〈2〉αx2βy2γz2とαx3βy3γz3とが、例えば、表2に示す所定の存在比率で混在している固溶体試料のEDS(当該所定の存在比率は、適宜、設定することが出来る。)を、αx1βy1γz1とαx2βy2γz2とのEDSから算出し、算出結果を、それぞれの固溶体試料のリファレンスデータとする。
これらリファレンスデータの算出には、MLAの解析ソフトウェアであるImage Processing中のMineral reference editor機能を用いるのが便宜である。
(5)EDS取得
「画像処理」欄にて説明した、画像処理により抽出された一の試料粒子に電子線を照射し、EDSを取得する。
(6)鉱物の判別
「EDS取得」欄にて説明した試料粒子のEDSと、「EDSのリファレンスデータ作成」欄にて説明したリファレンスデータとの照合を行うことによって試料粒子に含まれる鉱物の判別を行う。
具体的には、抽出された一の試料粒子のEDSと、表1に示すNo.1〜6のリファレンスデータとを照合し、いずれかのリファレンスデータと、パターンが実質的に一致した場合、その一致したリファレンスデータにおけるαx1βy1γz1の存在比率を得る。そして、試料粒子は最多鉱物としてαx1βy1γz1を含むと判別する。一方、試料粒子のEDSと、表1に示すNo.7〜12のいずれかのリファレンスデータと、パターンが実質的に一致した場合、その一致したリファレンスデータにおけるαx2βy2γz2の存在比率を得る。そして、抽出された一の試料粒子は最多鉱物としてαx2βy2γz2を含むと判別する。
また、抽出された一の試料粒子のEDSと、表2に示すNo.1〜6のいずれかのリファレンスデータとを照合し、パターンが実質的に一致した場合、その一致したリファレンスデータにおけるαx2βy2γz2の存在比率を得る。そして、試料粒子は最多鉱物としてαx2βy2γz2を含むと判別する。一方、試料粒子のEDSと、表2に示すNo.7〜12のいずれかのリファレンスデータとパターンが実質的に一致した場合、その一致したリファレンスデータにおけるαx3βy3γz3の存在比率を得る。そして、抽出された一の試料粒子は最多鉱物としてαx3βy3γz3を含むと判別する。
そして、以上の判別を画像処理により抽出された一の試料粒子に続けて、二の試料粒子、三の試料粒子と、順次、実施する。
(7)粒度別試料に含まれる鉱物の存在比率に関するデータ取得
「試料の判別」欄にて説明した、αx1βy1γz1を含むと判別された各試料粒子の粒度をBSE画像から取得する。同様に、αx2βy2γz2を含むと判別された各試料粒子、および、αx3βy3γz3を含むと判別された各試料粒子の粒度をBSE画像から取得する。
以上の、画像処理により抽出された試料粒子に含まれる鉱物および粒度のデータから、粒度別の試料粒子に含まれる鉱物の存在比率のデータを取得する。
(8)まとめ
本実施形態によれば、光学顕微鏡による観察では識別が困難な試料粒子であっても、含まれる鉱物の存在比率が明らかとなり、且つ、当該判別結果の再現性も高い粒度別の試料粒子が含む鉱物の存在比率のデータが得られる。
これらのデータは、従来の技術によって、過去に取得された粒度別の試料粒子が含む鉱物の存在比率のデータと相関を有するものである。そこで、当該過去の蓄積データも活用しながら、各種工程の操業条件管理へ適用出来るものである。
さらに好ましいことに、粒度別の試料粒子が含む鉱物の存在比率のデータを取得する為の、労力と時間とが大幅に削減出来た。
以下、実施例を参照しながら、本発明をより具体的に説明する。
(実施例1)
被測定試料として、αの生産工程から採取した試料を用いた。
当該試料1gを、液状のエポキシ樹脂10mlに混合し十分に分散させた後、当該樹脂を固化して、試料を樹脂中に包埋した固結片を得た。当該固結片を切断し、得られた切断面を研磨して測定面を形成し、当該測定面にカーボン蒸着を施して研磨片を得た。
MLAとして、FEI製MLA650 FEGを用いた。
研磨片を当該MLAに導入してBSE像を取得した。BSE像の測定条件は、倍率400倍、解像度1μm/Pixel、測定範囲は15mm×15mmとした。
BSE像中に得られた試料に含まれた試料粒子の画像に対し画像処理を実施して、グレイレベルが20〜120の範囲にある粒子を、試料として抽出した(このとき、当該BSE像のグレイレベルにおいて純金を256(白色)となり、樹脂部が0(黒色)となるようにコントラストと輝度を調整した。)。
当該BSE像によって抽出された各試料粒子のEDSから、当該各試料に含まれる元素がα、β、およびγであることが判明した。このことから、抽出された各試料粒子に含まれる鉱物がαx1βy1γz1、αx2βy2γz2、αx3βy3γz3のいずれかであることが判明した。
そしてMLAのデータベースから、αx1βy1γz1、αx2βy2γz2、αx3βy3γz3のEDSを準備し、αx1βy1γz1:αx2βy2γz2=90:10、80:20、70:30、60:40、55:45、45:55、40:60、30:70、20:80、10:90(質量%)である固溶体のEDSを、MLAのImage Processing中のMineral reference editorという機能を用いて算出しリファレンスデータとした(表1参照)。
ここで、αx1βy1γz1=100(質量%)のときのEDSを図2(a)、αx1βy1γz1:αx2βy2γz2=70:30(質量%)のときのEDSを図2(b)、αx1βy1γz1:αx2βy2γz2=30:70(質量%)のときのEDSを図2(c)、αx2βy2γz2=100(質量%)のときのEDSを図2(d)に示す。(尚、図2(a)〜(d)の横軸はX線のエネルギー、縦軸は所定のX線カウント数を1.0と規格化してスケールを設けたものである。)
同様に、αx2βy2γz2:αx3βy3γz3=90:10、80:20、70:30、60:40、55:45、45:55、40:60、30:70、20:80、10:90(質量%)である固溶体のEDSを算出しリファレンスデータとした(表2参照)。
ここで、αx2βy2γz2=100(質量%)のときのEDSを図3(a)、αx2βy2γz2:αx3βy3γz3=70:30(質量%)のときのEDSを図3(b)、αx2βy2γz2:αx3βy3γz3=30:70(質量%)のときのEDSを図3(c)、αx3βy3γz3=100(質量%)のときのEDSを図3(d)に示す。(尚、図3(a)〜(d)の横軸はX線のエネルギー、縦軸は所定のX線カウント数を1.0と規格化してスケールを設けたものである。)
そして、BSE像によって抽出された各試料粒子のEDSと、各鉱物のリファレンスデータのEDSとにおいてスペクトルの照合を行い、実質的に一致するスペクトルから、各試料粒子に含有されている鉱物の存在比率を得る。そして、最多鉱物が、αx1βy1γz1、αx2βy2γz2、αx3βy3γz3のいずれであるのかを判別した。
ここで一例として、BSE像によって抽出された試料粒子のEDSと、αx2βy2γz2を70質量%、αx3βy3γz3を30質量%含有しているリファレンスデータとの照合例を図4に示す。図4において、短破線は実施例1に係る試料粒子のEDSを示し、黒実線はαx2βy2γz2を70質量%、αx3βy3γz3を30質量%含有しているリファレンスのEDSを示す。
当該照合より、実施例1に係る試料粒子に含有されている鉱物は、αx2βy2γz2が70質量%、αx3βy3γz3が30質量%であり、最多鉱物はαx2βy2γz2と判別することができた。
BSE像において抽出された各試料粒子について、順次αx1βy1γz1、αx2βy2γz2、αx3βy3γz3の鉱物のいずれであるのかの判別結果、および、粒度データを併せることにより、粒度別の試料粒子に含まれる鉱物の存在比率に関するデータを取得することが出来た。
以上の粒度別の試料粒子に含まれる鉱物の存在比率に関するデータを取得するのに要した工数は、後述する比較例の1/10であった。
(比較例1)
実施例1と同様の試料を用い、光学顕微鏡とポイントカウンティング法を用いて、粒度別の試料粒子に含まれる鉱物の存在比率に関するデータを取得しようとしたが、αx1βy1γz1、αx2βy2γz2、αx3βy3γz3のいずれの鉱物であるのか、判別が困難な試料粒子が存在した。
さらに、粒度別の試料粒子に含まれる鉱物の存在比率に関するデータを取得するのに要した工数は、上記実施例の10倍であった。

Claims (2)

  1. 試料を液状の樹脂と混合して混合物を得、当該液状の樹脂を固化して固結片を得、当該固結片を適宜な位置で切断して測定面を形成し、当該測定面を研磨した後、導電性を付与して研磨片を得る研磨片作製工程と、
    前記得られた研磨片を全自動鉱石分析装置に導入し、前記試料の反射電子像を取得する反射電子像取得工程と、
    前記取得された試料の反射電子像へ画像処理を行って、分析対象である元素を含有する前記試料の反射電子像を抽出する画像処理工程と、
    前記画像処理により抽出された一の試料から、エネルギー分散X線スペクトルを取得するエネルギー分散X線スペクトル取得工程と、
    前記取得されたエネルギー分散X線スペクトルから前記一の試料に含有されている元素を特定し、当該含有されている元素を構成元素とする鉱物を2種以上選択し、当該選択された複数の鉱物のエネルギー分散X線スペクトルをデータベースから取得し、当該取得されたエネルギー分散X線スペクトルから、当該複数の鉱物が所定の存在比率で混合された場合のエネルギー分散X線スペクトルを算出する混合エネルギー分散X線スペクトル算出工程と、
    前記取得された一の試料のエネルギー分散X線スペクトルと、前記算出された混合エネルギー分散X線スペクトルとを比較して、当該一の試料における前記選択された複数の鉱物の存在比率を得ることを特徴とする、試料に含まれる鉱物の存在比率に関するデータ取得方法。
  2. 前記選択された複数の鉱物のエネルギー分散X線スペクトルをデータベースから取得し、当該取得されたエネルギー分散X線スペクトルから、当該複数の鉱物が所定の存在比率で混合された場合のエネルギー分散X線スペクトルを算出する際、全自動鉱石分析装置の解析ソフトウェアを用いることを特徴とする、請求項1に記載の試料に含まれる鉱物の存在比率に関するデータ取得方法。
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