JP2015033335A - 製菓用油脂及びそれを利用した食品 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた酸化安定性を有し、かつ風味良好な汎用性の高い製菓用油脂及びそれを利用した食品を提供すること。【解決手段】本来、油脂に難溶性である水溶性の茶ポリフェノールを、100重量ppm〜500重量ppm、乳化剤含有量が50重量ppm〜1000重量ppm、ただし乳化剤含有量は茶ポリフェノール含有量の2倍以下である製菓用油脂を調製し、それを利用した食品を得る。【選択図】なし

Description

本発明は、製菓用油脂及びそれを利用した食品に関し、より詳しくは、製菓用油脂に求められる酸化安定性の向上を実現した製菓用油脂及びそれを利用した食品に関する。
油脂は様々な食品に使用されている。製菓用途もその使用例のひとつであるが、油脂は酸化を被り易いため、油脂の酸化安定性の向上は製菓用油脂を含有する食品において特に重要である。
近年、デパート地下の洋菓子店、コンビニエンスストア、スーパーマーケット等では、蛍光灯によって強い光を長時間照射しながら種々の食品をショーケースに陳列して販売することが多くなった。製菓用油脂を利用した食品全般に、かかる耐性を有する食品が求められる。このとき、照射される光から与えられるエネルギーによって、陳列されている食品中の成分が変化し、異味、異臭や退色が生じる光劣化の問題が顕在化するようになった。食品の風味を著しく損ねて商品価値を下落させるために、光劣化防止対策は品質保持の上で大きな問題となっている。従い、製菓用油脂を利用した食品全般に、かかる光照射に対する耐性が求められている。
製菓用油脂を利用した食品の代表例であるチョコレートは、カカオマス、ココアパウダー、カカオバター等のカカオ成分、全粉乳、脱脂粉乳、ホエーパウダーなどの粉乳類、砂糖、乳糖、麦芽糖、果糖などの糖類を主原料として製造され、種類としてはダークチョコレート、ミルクチョコレート、ホワイトチョコレートがある。光に曝された場合、特にホワイトチョコレートにおいては光に曝されると照射される光エネルギーにより成分が変化し、異味、異臭が生じ著しく商品価値を下落させ、この解決は従来当業者では非常に難しいとされ、この原因がホワイトチョコレート中の成分である乳成分にあると考えられていた。
かかる光劣化を防止するために特許文献1ではミリセリン類とクエルセチン類を特定の配合比でもって併用したり、特許文献2ではプロポリスを使用したり、特許文献3ではクロロゲン酸、カフェー酸、フェルラ酸から選ばれる少なくとも1種を使用するなど様々な風味劣化防止剤が光劣化の抑制作用を有する物質として食品中に添加されてきたが、添加しすぎるとそのもの自体の風味が出るなど使用量が限定され、何よりも非油成分にカカオ成分を実質的に含まないホワイトチョコレート類においてはそれだけでは十分な効果が得られなかった。
本出願人は、特許文献4にて、ハードバターがロビボンド比色計のY値が20以下の精製油脂であり、非油成分がカカオ成分を実質的に含まない、チョコレート類とすることで、蛍光灯等の光照射下に曝されても異味、異臭などの品質劣化が少なく風味に優れた、光劣化耐性を有するホワイトチョコレート類が得られることを開示している。
また、油脂の酸化安定性を向上させる為、抗酸化剤の添加が一般的に行われている。油脂への分散が容易な油溶性の抗酸化剤が用いられているが、水溶性の抗酸化物質との対比で比較的抗酸化能が低く、水溶性の抗酸化物質を油脂へ分散させ、油脂または油脂を多く含有する食品の酸化安定性を向上させる方法が幾つか開示されている。
特許文献5では、水溶性抗酸化活性物質一種又は、二種以上を含む水溶液100重量部を必要に応じて相乗剤と共に、一種又は二種以上の親油性乳化剤1〜500重量部を用いて乳化した、油中水型の親油性抗酸化剤が開示されている。
特許文献6では、カテキン類を除く水溶性化合物とHLBが6〜14の乳化剤を水またはアルコールに溶解し、得られた溶液にポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを添加して、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル中水型乳化液を調製し、この乳化液に酵素分解レシチン0.5〜30重量部を添加して、十分に混和して得られる、油脂に可溶な水溶性化合物油溶化製剤が開示されている。
特許文献7では、アスコルビン酸、エリソルビン酸、コウジ酸、没食子酸、リンゴ酸等の油脂に難溶性の抗酸化物質をエタノールのような低級アルキルアルコールに溶解し、ついでクエン酸モノグリセライド等の有機酸モノグリセライドに溶解し、さらに混合溶液をポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルに溶解することにより、油脂への溶解性が良好な抗酸化剤組成物が開示されている。
特許文献8では、緑茶由来ヘキサン可溶分及びカテキンを油脂に添加して70〜130℃に加熱し、磨砕することを特徴とするカテキン分散油脂の製造方法が開示されている。
特開2003−33164号公報 特開平11−341971号公報 特開平10−183164号公報 特開2006−197830号公報 特開昭63-135483号公報 特開平6-254378号公報 特開2001-131572号公報 特開2010-41965号公報
本出願人が開示した特許文献4は、非油成分がカカオ成分を実質的に含まないチョコレート類とすることであり、ホワイトチョコレート類へ使用範囲が限定されるという課題があった。油脂成分を限定しない光劣化耐性を有する製菓用油脂とすればさらに種々の製菓用油脂を利用した食品へ使用範囲が拡大できると考えさらに検討を進めた。
チョコレート類と同様の傾向として、クリーム(サンドクリーム等や乳飲料に入れた場合)においても、光や熱に長時間曝されると、より風味劣化が強まる傾向にある。最近の傾向として終日販売のコンビニエンス店で商品が扱われるようになると特に光劣化の問題が顕著である。また、抹茶や果実パウダーを含む製品については、光照射により異味、異臭が生じるのとともに、退色が起こり、外観も著しく損なわれるという問題がある。
また、製菓用油脂を利用した食品において、酸化安定性、光劣化耐性の向上と共に、食品本来のおいしさを損なわない風味良好な製菓用油脂利用製品が求められており、酸化安定性を向上させると共に、良好な風味を得ることも重要である。油脂の酸化安定性を向上させる方法も開示されているが、前記のとおり、特許文献5〜特許文献7では、水溶性抗酸化物質を可溶化するために比較的多量の乳化剤の添加を必須とするためか、光照射を受ける前の製菓用油脂そのものの風味が好ましくないという問題があった。また、特許文献8は乳化剤を含まないが、カテキンと共に緑茶由来ヘキサン可溶分を含む。緑茶由来ヘキサン可溶分には、苦み・渋味の成分が含まれているため、カテキン大量添加には適さない。
本発明の目的は、製菓用油脂に平易な方法で水溶性の茶ポリフェノールを分散させて、優れた酸化安定性を有し、かつ風味良好な汎用性の高い製菓用油脂及びそれを利用した食品を提供する事にある。
本発明者らは上記課題を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、本来油脂に難溶性である水溶性の茶ポリフェノールを、水性媒体を用いて溶液状態で油脂に添加することで、優れた酸化安定性を有し、かつ風味良好な製菓用油脂が得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、
(1) 茶ポリフェノールの含有量が100重量ppm〜500重量ppm、乳化剤含有量が50重量ppm〜1000重量ppm、ただし乳化剤含有量は茶ポリフェノール含有量の2倍以下、および下記方法で得られるA/Nの値が2.0以上である製菓用油脂、
A:茶ポリフェノールを100重量ppm〜500重量ppm含有する製菓用油脂のCDM安定性時間
N:茶ポリフェノールを含まない前記Aのベース油脂のCDM安定性時間
(2) 茶ポリフェノールの含有量が100重量ppm〜500重量ppm、乳化剤含有量が100重量ppm〜750重量ppm、ただし乳化剤含有量は茶ポリフェノール含有量の1.5倍以下、および下記方法で得られるA/Nの値が2.0以上である製菓用油脂、
A:茶ポリフェノールを100重量ppm〜500重量ppm含有する製菓用油脂のCDM安定性時間
N:茶ポリフェノールを含まない前記Aのベース油脂のCDM安定性時間
(3) 茶ポリフェノールの含有量が300重量ppm〜500重量ppm、乳化剤含有量が100重量ppm〜750重量ppmただし乳化剤含有量は茶ポリフェノール含有量の1.5倍以下、および下記方法で得られるA/Nの値が3.0以上である製菓用油脂、
A:茶ポリフェノールを300重量ppm〜500重量ppm含有する製菓用油脂のCDM安定性時間
N:茶ポリフェノールを含まない前記Aのベース油脂のCDM安定性時間
(4) (1)〜(3)のいずれかの製菓用油脂を使用した食品、
(5) (1)〜(3)のいずれかの製菓用油脂を使用し、全油分中の茶ポリフェノールの含有量が30重量ppm〜500重量ppmである食品、
(6) (1)〜(3)のいずれかの製菓用油脂を使用し、全油分中の茶ポリフェノールの含有量が30重量ppm〜350重量ppmであり、かつ油分が20重量%〜70重量%であるチョコレート類、
(7) (1)〜(3)のいずれかの製菓用油脂を使用した食品が、チョコレート類、クリーム、マーガリン及びショートニングから選ばれる1種である、(4)の食品、
(8) (1)〜(3)のいずれかの製菓用油脂を使用した(4)の食品の光劣化耐性を向上させる方法、
(9) (1)〜(3)のいずれかの製菓用油脂を使用した(4)の食品の光照射に伴う退色を抑制する方法、
(10) 茶ポリフェノールを水性媒体に加えて、溶液状態で油脂に添加することを特徴とする(1)〜(3)のいずれかの製菓用油脂の製造方法、
(11) 茶ポリフェノールを水性媒体に加えて、溶液状態で油脂に添加後、減圧下で水分除去することを特徴とする(10)の製菓用油脂の製造方法、である。
茶ポリフェノールの含有量が100重量ppm〜500重量ppm、乳化剤含有量が50重量ppm〜1000重量ppm、ただし乳化剤含有量は茶ポリフェノール含有量の2倍以下とすることで、平易な方法で酸化安定性を向上し、かつ風味良好な製菓用油脂が得られる。本発明の製菓用油脂を用いることで、優れた酸化安定性と光劣化耐性を有し、かつ風味良好な食品を提供することができる。
本発明の製菓用油脂は、チョコレート類、クリーム、マーガリン、ショートニング等通常食用油脂が使用されている製菓用途に利用することができる。好ましくは、チョコレート類、クリーム、マーガリン、ショートニングに利用することができる。
本明細書において、チョコレート類とは、油脂が連続相をなす油脂加工食品であり、全国チョコレート業公正取引協議会で規定されたチョコレート生地および準チョコレート生地を含むが、これらに限定されるものではなく、カカオマス、ココア、カカオバター、カカオバター代用脂、ハードバター等を利用した油脂加工食品をも包含するものである。
本発明の製菓用油脂に使用することができる油脂類としては、大豆油、菜種油、コーン油、綿実油、落花生油、ひまわり油、こめ油、ベニバナ油、サフラワー油、オリーブ油、ゴマ油、カカオバター、パーム油、ヤシ油、パーム核油等の植物性油脂及び牛脂、豚脂、乳脂等の動物性油脂が使用できる。並びにこれらを分別、水素添加、エステル交換等を施した加工油脂、さらにこれらの混合油脂等が例示できる。
製菓用油脂はその利用食品がチョコレート類である場合には、カカオバターの他、前記油脂類を原料とした、公知のハードバターを用いることができ、そのパーツ油脂(例えば、POPに富むパーム中融点画分、StOStに富むシア脂分別油、StLSt脂、ただし、P:パルミチン酸、O:オレイン酸、St:ステアリン酸、L:リノール酸)などであってもよく、あるいはハードバターの融点や硬さを調整する液体油であってもよい。ハードバターは主としてCBEと称される1,3位飽和、2位不飽和のトリグリセリド型油脂に富むものと、CBRとして称されるラウリン系もしくは高エライジン酸タイプのものがある。かかる油脂類を組み合わせて使用しても良い。
また、製菓用油脂を使用したチョコレート類は、被覆用途で使用することができる。被覆する食品としては、ケーキ、シュー、エクレア等の洋菓子、焼き菓子、和菓子、パン、ドーナツ等のベーカリー製品、冷菓、アイスクリーム等の表面に被覆する用途が例示できる。
一般的に被覆用途に用いられるチョコレート類は、使用時の簡便性からテンパリングが不要であるものが好まれる場合が多い。さらに被覆後の搬送や包装の工程に速やかに移すためには室温で短時間に固化することが要求される。また、固化した後は視覚的に購買、喫食意欲を高めるために適度なつやや鮮やかな色調を有することが望まれる。その他食した場合には被覆物からはがれにくく、良好な口溶け、風味の発現を有するものが好まれている。
本発明では、水溶性抗酸化物質として茶ポリフェノールを使用する。トコフェロール等の油溶性の抗酸化剤、ローズマリー抽出物、ヤマモモ抽出物等の水溶性ポリフェノール類、およびアスコルビン酸等、水溶性の抗酸化物質は、本発明の所望する機能、風味と酸化安定性を損なわない範囲で茶ポリフェノールと組み合わせて使用することができる。
本発明で使用する茶ポリフェノールは、茶抽出物の油溶性画分を含まない茶ポリフェノールを用いることが好ましい。茶抽出物の油溶性画分には、苦み・渋味の成分が含まれているためである。油溶性画分を含まない茶ポリフェノールを得る好ましい方法として、熱水、アルコール等の水性媒体を用いて、茶葉より抽出する方法が例示できる。より好ましくは、水溶液抽出が例示できる。有機溶媒を用いることなく、水溶液を用いて抽出することで、油溶性画分を殆ど含まない、茶ポリフェノールを得ることができる。茶ポリフェノールはカテキン類を主成分とし、代表的なカテキン類として8種存在することが知られており、ガレート型カテキン として、エピガロカテキンガレート、エピカテキンガレート、カテキンガレート、ガロカテキンガレートが例示できる。遊離型カテキンとして、エピガロカテキン、エピカテキン、カテキン、ガロカテキンが例示できる。茶ポリフェノールは、かかるカテキン類以外に、茶葉の発酵状態により発生する酸化されたポリフェノール類も含まれる。本発明において、かかるカテキン類やポリフェノール類を1種以上含有する茶ポリフェノールを用いることが好ましい。さらに好ましくは、ポリフェノール濃度が一定の濃度範囲に調整された、市販されている茶ポリフェノール含有組成物を使用することが好ましく、最も好ましくは、乳化剤等で調整されていない水溶性の物が好ましい。好ましい茶ポリフェノール含有組成物として、太陽化学株式会社製、商品名:サンフェノン、三菱化学フーズ株式会社製、商品名:サンフード等が例示できる。効率的に高濃度で油脂中に分散させることが可能な為、茶ポリフェノール含有組成物中ポリフェノール含有量としては高いほど良く、茶ポリフェノール含有組成物中に茶ポリフェノールを50%以上含有することが好ましい。
CDM(Conductmetric Determination Method)安定性とは、油脂の酸化安定性を示す値である。CDM安定性試験により得られた値を、本明細書では「CDM安定性時間」として、酸化安定性の評価の指標とする。CDM安定性時間が長いほど酸化安定性が優れている。本明細書において、CDM安定性試験の方法は、基準油脂分析試験法2.5.1.2-1996に従う。詳しくは、油脂を反応容器中で120℃に加熱しながら清浄空気を送り込み、酸化により生成した揮発性分解物を水中に捕集し、水の導電率を継続して測定する。その値が急激に変化する折曲点までの時間が前記「CDM安定性時間」を示す。
本発明の製菓用油脂に使用される乳化剤は、W/O型乳化作用を有する乳化剤であれば特に制限はなく、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等を使用することができる。好ましい乳化剤として、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルが使用できる。例えば、市販されている理研ビタミン株式会社製 ポエムPR-100、ポエム PR-300、阪本薬品工業株式会社製 SYグリスターCRS-75、SYグリスターCR-ED、太陽化学株式会社製 サンソフト818H等が例示できる。
本発明の製菓用油脂は、茶ポリフェノールの含有量が100重量ppm〜500重量ppm、乳化剤含有量が50重量ppm〜1000重量ppm、ただし乳化剤含有量は茶ポリフェノール含有量の2倍以下、及び下記方法で得られるA/Nの値が2.0以上である。
A:茶ポリフェノールを100重量ppm〜500重量ppm含有する製菓用油脂のCDM安定性時間
N:茶ポリフェノールを含まない前記Aのベース油脂のCDM安定性時間
本発明の製菓用油脂は、好ましくは、茶ポリフェノールの含有量が100重量ppm〜500重量ppm、乳化剤含有量が100重量ppm〜750重量ppm、ただし乳化剤含有量は茶ポリフェノール含有量の1.5倍以下、及び下記方法で得られるA/Nの値が2.0以上である。
A:茶ポリフェノールを100重量ppm〜500重量ppm含有する製菓用油脂のCDM安定性時間
N:茶ポリフェノールを含まない前記Aのベース油脂のCDM安定性時間
本発明の製菓用油脂は、より好ましくは、茶ポリフェノールの含有量が300重量ppm〜500重量ppm、乳化剤含有量が100重量ppm〜750重量ppmただし乳化剤含有量は茶ポリフェノール含有量の1.5倍以下、及び下記方法で得られるA/Nの値が3.0以上である。
A:茶ポリフェノールを3000重量ppm〜500重量ppm含有する製菓用油脂のCDM安定性時間
N:茶ポリフェノールを含まない前記Aのベース油脂のCDM安定性時間
製菓用油脂中の茶ポリフェノール含有量が100重量ppm未満では、充分な酸化安定性向上効果が得られない、500重量ppmを超えると得られる効果との対比で、非効率であるため好ましくない。
製菓用油脂中の乳化剤含有量が50重量ppm未満では、茶ポリフェノールを油脂中に均質に分散できない。また、1000重量ppmを超えたり、乳化剤含有量が茶ポリフェノール含有量の2倍を超えたりすると、得られる効果との対比で、非効率であるため好ましくない。また、乳化剤由来の好ましくない風味が感じられるようになり、食品本来の良好な風味が得られなくなる。
製菓用油脂を使用した食品の全油分中の茶ポリフェノールの含有量は、好ましくは30重量ppm〜500重量ppmである。
製菓用油脂はその利用食品がチョコレート類である場合には、全油分中の茶ポリフェノールの含有量は、好ましくは30重量ppm〜350重量ppm、より好ましくは50重量ppm〜350重量ppm、さらに好ましくは100重量ppm〜350重量ppmである。
製菓用油脂はその利用食品がチョコレート類である場合には、製菓用油脂の使用量はチョコレート類全体に対して、20〜70重量%、好ましくは25〜70重量%であり、さらに好ましくは30〜70重量%である。製菓用油脂単独で使用しても良いし、前記油脂類を配合して使用しても良い。好ましくは、製菓用油脂の使用量は油脂全量に対して、5重量%以上、例えば5重量%〜100重量%、より好ましくは10重量%以上、例えば10〜100重量%であり、さらに好ましくは20重量%以上、例えば20〜100重量%である。
本発明の製菓用油脂を得る方法は、油脂に水溶性の茶ポリフェノールを分散させることができれば特に限定はされないが、茶ポリフェノールを含有してなる製菓用油脂を得ようとすれば、例えば、茶ポリフェノール含有組成物を1重量%溶解した水溶液を作製し、油脂中に規定量加えた後、50〜180℃、0.5〜100torrの減圧条件下で攪拌しながら15分〜1時間処理して十分に脱水を行うことにより茶ポリフェノールを含有し、水分含量0.1重量%以下の食用油脂を得ることができる。茶ポリフェノール含有組成物を溶解する水溶液の濃度は0.1〜60重量%が好ましく、さらに好ましくは1〜50重量%である。1重量%未満では、かかる水溶液を油脂に添加した際、油脂に対する水の量が多くなり水分除去に長時間を要するため好ましくない。また、50重量%を超えると茶ポリフェノール含有組成物に含まれる茶ポリフェノールが析出して油脂への含有量が低下するため好ましくない。温度は50〜180℃が好ましく、50℃未満では水分除去に長時間を要するため好ましくない。減圧条件は、0.5〜100torrが好ましく、可及的に低い方が好ましい。
本発明の製菓用油脂をチョコレート類に利用した場合、用いる原料は、チョコレート成分として公知の成分、カカオ分、植物性脂肪、乳化剤の他には、乳固形分(全脂粉乳や脱脂粉乳あるいはチーズ粉末等の乳製品粉末)、および砂糖等の糖類を主成分とすることができる。
本発明の製菓用油脂をチョコレート類に利用した場合、一般的なチョコレート類を作製する常法によって製造できる。すなわち、カカオマス、油脂、ココアパウダー、糖類、粉乳等を適宜選択し、混合して生地を調製し、リファイナーにより適度な粒径にまで固形物を微細化した後、混練を行い、香料等を添加してチョコレート類を得ることができる。
本発明の製菓用油脂は、光に長時間曝される油脂利用食品(例えば終日営業のコンビニエンスストアに棚置きされる製品)等にてその効果をよく発揮し、本発明の製菓用油脂を使用した食品では、光を照射した際に生じる異味、異臭の発生を抑制できる。また、食品中に抹茶等が含まれる場合には、退色を抑制することができる。
以下に本発明の実施例を示し本発明をより詳細に説明するが、本発明の精神は以下の実施例に限定されるものではない。なお、例中、%および部はいずれも重量基準を意味する。
<製菓用油脂の作製>
茶ポリフェノールを含有する製菓用油脂の作製において、太陽化学株式会社製サンフェノン90Sを、茶ポリフェノール含有組成物として使用する。かかる茶ポリフェノール含有組成物中のポリフェノール含有量が80重量%以上であることより、茶ポリフェノール含有組成物中の茶ポリフェノール含有量は80重量%として、製菓用油脂中の茶ポリフェノール含有量を算出した。
<製菓用油脂Aの作製方法>
茶ポリフェノール含有組成物(太陽化学株式会社製:商品名:サンフェノン90S)を水に加え、10重量%茶ポリフェノール含有組成物が溶解した水溶液を作製する。次いで50℃に加温したカカオバター(不二製油製 商品名「GO201」ヨウ素価36)1kgに、乳化剤(理研ビタミン株式会社製 ポエムPR-100)を0.1g加えて溶解し、さらに10重量%茶ポリフェノール含有組成物が溶解した水溶液を1.25g加えた後、ホモミキサー(TK ROBO MIX:特殊機化工業株式会社製)にて10000rpmで10分間の撹拌を行った。その後、50℃、10torrの減圧条件下で、攪拌しながら30分間脱水処理を行い、茶ポリフェノール100重量ppm、乳化剤100重量ppmを含有するカカオバター(製菓用油脂A)を得た。
<製菓用油脂Bの作製方法>
茶ポリフェノール含有組成物(太陽化学株式会社製:商品名:サンフェノン90S)を水に加え、10重量%茶ポリフェノール含有組成物が溶解した水溶液を作製する。次いで50℃に加温したハードバター(不二製油製 商品名「メラノNEWSS7」ヨウ素価34)1kgに、乳化剤(理研ビタミン株式会社製 ポエムPR-100)を0.15g加えて溶解し、さらに10重量%茶ポリフェノール含有組成物が溶解した水溶液を1.875g加えた後、ホモミキサー(TK ROBO MIX:特殊機化工業株式会社製)にて10000rpmで10分間の撹拌を行った。その後、50℃、10torrの減圧条件下で、攪拌しながら30分間脱水処理を行い、茶ポリフェノール150重量ppm、乳化剤150重量ppmを含有するハードバター(製菓用油脂B)を得た。
<製菓用油脂Cの作製方法>
茶ポリフェノール含有組成物(太陽化学株式会社製:商品名:サンフェノン90S)を水に加え、10重量%茶ポリフェノール含有組成物が溶解した水溶液を作製する。次いで50℃に加温したハードバター(不二製油製 商品名「メラノNEWSS7」ヨウ素価34)1kgに、乳化剤(理研ビタミン株式会社製 ポエムPR-100)を0.3g加えて溶解し、さらに10重量%茶ポリフェノール含有組成物が溶解した水溶液を3.75g加えた後、ホモミキサー(TK ROBO MIX:特殊機化工業株式会社製)にて10000rpmで10分間の撹拌を行った。その後、50℃、10torrの減圧条件下で、攪拌しながら30分間脱水処理を行い、茶ポリフェノール300重量ppm、乳化剤を300重量ppm含有するハードバター(製菓用油脂C)を得た。
<製菓用油脂Dの作製方法>
茶ポリフェノール含有組成物(太陽化学株式会社製:商品名:サンフェノン90S)を水に加え、10重量%茶ポリフェノール含有組成物が溶解した水溶液を作製する。次いで50℃に加温したハードバター(不二製油製 商品名「メラノNEWSS7」ヨウ素価34)1kgに、乳化剤(理研ビタミン株式会社製 ポエムPR-100)を0.3g加えて溶解し、さらに10重量%茶ポリフェノール含有組成物が溶解した水溶液を5.0g加えた後、ホモミキサー(TK ROBO MIX:特殊機化工業株式会社製)にて10000rpmで10分間の撹拌を行った。その後、50℃、10torrの減圧条件下で、攪拌しながら30分間脱水処理を行い、茶ポリフェノール400重量ppm、乳化剤を300重量ppm含有するハードバター(製菓用油脂D)を得た。
<評価方法>
(1)チョコレートの官能評価方法
パネラー10名により、嗅覚と味覚により風味が優れている順に「5 」、「4 」、「3 」、「2 」、「1 」の五段階にて評価を行い、平均化した評価点数を評価結果とした。4点以上を合格とした。
(2)CDM安定性時間
メトローム社製CDM試験機ランシマットを使用して製菓用油脂の酸化安定性を評価する。各食用油脂の酸化安定性の判定は、食用油脂の酸化安定性の増加に相関してCDM安定性時間が延びることによる時間差の比較により行った。測定条件:測定温度120℃、空気吹き込み量20L/h、油脂検体3g仕込み。
(3)抹茶チョコレートの退色評価方法
1000lux、2日間光を照射し、抹茶チョコレート表面の色を評価した。
(製菓用油脂の酸化安定性の評価)
下記方法でA/Nの値を算出して、CDM安定性時間を指標として酸化安定性を対比し評価した。
評価結果を表1に示す。
A:製菓用油脂A〜製菓用油脂DのCDM安定性時間
N:茶ポリフェノールを含まない前記Aのベース油脂、カカオバターまたはハードバターのCDM安定性時間
Figure 2015033335
作製した製菓用油脂を用いてチョコレートを作製して評価した。
(実施例1)
融解したホワイトチョコレート(不二製油製 油分約34%)80部に、製菓用油脂A20部を加え、品温を27℃に温調し、そこにシード剤(不二製油製 商品名「チョコシードA」)をチョコレートに対し0.2%加えテンパリング処理した。冷却後、1週間のエージングを経てホワイトチョコレート(油分約47%)を得た。
20℃にて2000luxの照度で蛍光灯を照射し、上記の方法で官能評価を実施した。結果を表3にまとめた。
(比較例1)
カカオバター(不二製油製 商品名「GO201」ヨウ素価36) 20部を用い、その他の配合組成、製造方法は実施例1と同様にホワイトチョコレートを作製した。実施例1と同様に評価した。結果を表3にまとめた。
(比較例2)
融解したホワイトチョコレート(不二製油製 油分約34%)80部に、カカオバター(不二製油製 商品名「GO201」ヨウ素価36) 20部を加え、更に茶ポリフェノール含有組成物(太陽化学株式会社製:商品名:サンフェノン90S)を全体に対して25ppmとなるよう紛体で加え、全体に馴染むように撹拌・混合し、品温を31℃に温調し、そこにシード剤(不二製油製 商品名「チョコシードA」)をチョコレートに対し0.2%加えテンパリング処理した。冷却後、1週間のエージングを経てホワイトチョコレート(油分約47%)を作製した。実施例1と同様に評価した。結果を表3にまとめた。
(実施例2)
製菓用油脂B 20部を用い、その他の配合組成、製造方法は実施例1と同様にホワイトチョコレートを作製した。20℃にて1000luxの照度で蛍光灯を照射し、上記の方法で官能評価を実施した。結果を表4にまとめた。
(実施例3)
製菓用油脂C 20部を用い、その他の配合組成、製造方法は実施例1と同様にホワイトチョコレートを作製した。実施例2と同様に評価した。結果を表4にまとめた。
(実施例4)
製菓用油脂D 20部を用い、その他の配合組成、製造方法は実施例1と同様にホワイトチョコレートを作製した。実施例2と同様に評価した。結果を表4にまとめた。
(比較例3)
ハードバター(不二製油製 商品名「メラノNEWSS7」ヨウ素価34) 20部を用い、その他の配合組成、製造方法は実施例1と同様にホワイトチョコレートを作製した。実施例2と同様に評価した。結果を表4にまとめた。
(比較例4)
融解したホワイトチョコレート(不二製油製 油分約34%)80部に、ハードバター(不二製油製 商品名「メラノNEWSS7」ヨウ素価34) 20部を加え、更に茶ポリフェノール含有組成物(太陽化学株式会社製:商品名:サンフェノン90S)を全体に対して37.5ppmとなるよう紛体で加え、その他は比較例2と同様としホワイトチョコレートを作製した。実施例2と同様に評価した。結果を表4にまとめた。
(比較例5)
融解したホワイトチョコレート(不二製油製 油分約34%)80部に、ハードバター(不二製油製 商品名「メラノNEWSS7」ヨウ素価34) 20部を加え、更に茶ポリフェノール含有組成物(太陽化学株式会社製:商品名:サンフェノン90S)を全体に対して375ppmとなるよう紛体で加え、その他は比較例2と同様としホワイトチョコレートを作製した。実施例2と同様に評価した。結果を表4にまとめた。
(比較例6)
ハードバター(不二製油製 商品名「メラノNEWSS7」ヨウ素価34) に油溶性の茶ポリフェノール含有製剤(太陽化学株式会社製、商品名:サンカトールM97、茶ポリフェノール10%含有、ミックストコフェロール9%含有、グリセリン脂肪酸エステル64%、食品素材17%)を1500重量ppm添加し食用油脂を得た。この食用油脂を20部、その他の配合組成、製造方法は実施例1と同様にホワイトチョコレートを作製した。実施例2と同様に評価した。結果を表4にまとめた。
(実施例5)
融解したホワイトチョコレート(不二製油製 油分約34%)78部に、チョコレート用油脂B 20部および抹茶パウダー2部を加え、品温を31℃に温調し、そこにシード剤(不二製油製 商品名「チョコシードA」)をチョコレートに対し0.2%加えテンパリング処理した。冷却後、1週間のエージングを経て抹茶チョコレート(油分約47%)を得た。20℃にて1000luxの照度で蛍光灯を照射し、上記の方法で官能評価および退色評価を行った。結果を表5および表6にまとめた。
(実施例6)
製菓用油脂C 20部を用い、その他の配合組成、製造方法は実施例5と同様に抹茶チョコレートを作製した。実施5と同様に評価した。結果を表5および表6にまとめた。
(比較例7)
ハードバター(不二製油製 商品名「メラノNEWSS7」ヨウ素価34) 20部を用い、その他の配合組成、製造方法は実施例5と同様に抹茶チョコレートを作製した。実施5と同様に評価した。結果を表5および表6にまとめた。
(実施例7)
融解したホワイトチョコレート(不二製油製 油分約34%)78部に、製菓用油脂B 20部およびイチゴパウダー2部を加え、品温を31℃に温調し、そこにシード剤(不二製油製 商品名「チョコシードA」)をチョコレートに対し0.2%加えテンパリング処理した。冷却後、1週間のエージングを経てイチゴチョコレート(油分約47%)を得た。20℃にて1000luxの照度で蛍光灯を照射し、上記の方法で官能評価を実施した。結果を表5にまとめた。
(実施例8)
製菓用油脂C 20部を用い、その他の配合組成、製造方法は実施例7と同様にイチゴチョコレートを作製した。実施7と同様に評価した。結果を表5にまとめた。
(比較例8)
ハードバター(不二製油製 商品名「メラノNEWSS7」ヨウ素価34) 20部を用い、その他の配合組成、製造方法は実施例5と同様にイチゴチョコレートを作製した。実施例7と同様に評価した。結果を表5にまとめた。
表2に実施例1〜実施例8、比較例1〜比較例8の茶ポリフェノール含有量と乳化剤含有量(製菓用油脂中、チョコレート全油分中およびチョコレート中)をまとめた。製菓用油脂中の茶ポリフェノール含有量(C)に対する製菓用油脂中の乳化剤の含有量(E)をE/Cにて示す。
Figure 2015033335
Figure 2015033335
(表3の考察)
表3 において、実施例1の風味評価は、光照射後も製造直後の良好な風味が維持され、風味の低下が抑制された。比較例1は、光照射1日後で異風味が強く感じられ、チョコレートの風味を著しく害する結果であった。比較例2では、茶ポリフェノール量は実施例1と同量であるが、実施例1と対比し、チョコレートの風味低下が有意に早かった。
Figure 2015033335
(表4の考察)
表4において、実施例2〜4は風味評価にて、光照射後も製造直後の良好な風味が維持され、風味の低下が抑制された。比較例3は、光照射1日後で異風味が強く感じられ、チョコレートの風味を著しく害する結果であった。比較例4では、茶ポリフェノール量は実施例2と同量であるが、実施例2と対比し、チョコレートの風味低下が有意に早かった。実施例2の10倍量の茶ポリフェノールをチョコレートに後添加した比較例5では、製造直後に、ホワイトチョコレートには好ましくない若干カテキンの味が感じられた。光照射後の劣化風味は感じられないが、茶ポリフェノールの添加量に対して、光劣化防止効果の発揮が非効率であった。比較例6は製造直後から乳化剤由来と考えられる異風味が感じられ、実施例2〜4と対比して、チョコレートの風味が低下した。
Figure 2015033335
(表5の考察)
表5において、実施例5〜8は風味評価にて、光照射後も風味の低下が有意に抑制された。比較例7、8は、光照射1日後で異風味が強く感じられ、チョコレートの風味を著しく害する結果であった。
Figure 2015033335
(表6の考察)
表6において、実施例5、6は抹茶の緑色の退色が有意に抑制された。比較例7は、光照射1日後に緑色が失われ黄褐色になり、チョコレートの外観を著しく害する結果であった。
本発明により、平易な方法で酸化安定性を向上し、かつ風味良好な製菓用油脂が得られ、本発明の製菓用油脂を用いることで、優れた酸化安定性および光劣化耐性を有し、かつ風味良好な食品を提供することができる。

Claims (11)

  1. 茶ポリフェノールの含有量が100重量ppm〜500重量ppm、乳化剤含有量が50重量ppm〜1000重量ppm、ただし乳化剤含有量は茶ポリフェノール含有量の2倍以下、及び下記方法で得られるA/Nの値が2.0以上である製菓用油脂。
    A:茶ポリフェノールを100重量ppm〜500重量ppm含有する製菓用油脂のCDM安定性時間
    N:茶ポリフェノールを含まない前記Aのベース油脂のCDM安定性時間
  2. 茶ポリフェノールの含有量が100重量ppm〜500重量ppm、乳化剤含有量が100重量ppm〜750重量ppm、ただし乳化剤含有量は茶ポリフェノール含有量の1.5倍以下、及び下記方法で得られるA/Nの値が2.0以上である製菓用油脂。
    A:茶ポリフェノールを100重量ppm〜500重量ppm含有する製菓用油脂のCDM安定性時間
    N:茶ポリフェノールを含まない前記Aのベース油脂のCDM安定性時間
  3. 茶ポリフェノールの含有量が300重量ppm〜500重量ppm、乳化剤含有量が100重量ppm〜750重量ppmただし乳化剤含有量は茶ポリフェノール含有量の1.5倍以下、及び下記方法で得られるA/Nの値が3.0以上である製菓用油脂。
    A:茶ポリフェノールを300重量ppm〜500重量ppm含有する製菓用油脂のCDM安定性時間
    N:茶ポリフェノールを含まない前記Aのベース油脂のCDM安定性時間
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の製菓用油脂を使用した食品。
  5. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の製菓用油脂を使用し、全油分中の茶ポリフェノールの含有量が30重量ppm〜500重量ppmである食品。
  6. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の製菓用油脂を使用し、全油分中の茶ポリフェノールの含有量が30重量ppm〜350重量ppmであり、かつ油分が20重量%〜70重量%であるチョコレート類。
  7. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の製菓用油脂を使用した食品が、チョコレート類、クリーム、マーガリン及びショートニングから選ばれる1種である、請求項4に記載の食品。
  8. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の製菓用油脂を使用した請求項4に記載の食品の光劣化耐性を向上させる方法。
  9. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の製菓用油脂を使用した請求項4に記載の食品の光照射に伴う退色を抑制する方法。
  10. 茶ポリフェノールを水性媒体に加えて、溶液状態で油脂に添加することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の製菓用油脂の製造方法。
  11. 茶ポリフェノールを水性媒体に加えて、溶液状態で油脂に添加後、減圧下で水分除去することを特徴とする請求項10に記載の製菓用油脂の製造方法。
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