JP2015030812A - 熱可塑性樹脂組成物及び成形体 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物及び成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】硬質性樹脂との密着強度が優れる軟質性の熱可塑性樹脂組成物及び該熱可塑性樹脂組成物から得られた成形体の提供。【解決手段】ゴム強化スチレン系樹脂(A)と熱可塑性ポリウレタン(B)を含む熱可塑性樹脂組成物(C)であって、ゴム強化スチレン系樹脂(A)が下記(I)〜(III)の特徴を有する熱可塑性樹脂組成物。(I)芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、必要に応じてこれらの単量体と共重合することで得られる共重合体よりなる連続相成分と、前記単量体がグラフトしかつ前記の共重合体をオクルードしたゴム状重合体成分よりなる分散相成分からなる。(II)ゴム状重合体成分よりなる分散相成分の重量平均粒子径が0.1μm以上3.0μm未満。(III)ゴム状重合体を前記単量体に溶解した重合原料を重合装置に連続的に供給して重合を行う場合に、粒子形成工程と粒子径調製工程を含んだ重合を行う。【選択図】なし

Description

本発明は、特定のゴム強化スチレン系樹脂と熱可塑性ポリウレタンを含む熱可塑性樹脂組成物及び該熱可塑性樹脂組成物から得られた成形体に関するものである。詳しくは、ゴム強化スチレン系樹脂組成物との密着強度及び軟質性が優れる熱可塑性樹脂組成物及び該熱可塑性樹脂組成物から得られた成形体に関するものである。
近年、自動車分野、家電機器分野、OA機器分野、建材分野等における軟質性樹脂として、PVC系、オレフィン系、スチレン系等の樹脂が、特に硬質性樹脂との二層異形押出で使用されている。なかでもPVC系の軟質性樹脂は広く使用されているが、可塑剤を多量に添加する必要があり加熱減量によるブリード性に問題があるとともに、焼却時にダイオキシンが発生する恐れがある等の環境問題がある。また、オレフィン系エラストマーの軟質性樹脂は、硬質性樹脂との密着性が悪く、密着強度が劣るという欠点がある。さらに、特開2002−226654(特許文献1)で、ゴム強化スチレン系樹脂と熱可塑性ポリウレタンからなる軟質性樹脂が提案されているが、引張強度が劣ることで、硬質性樹脂との密着強度が劣るという欠点がある。
特開2002−226654号公報
本発明は、硬質性樹脂との密着強度が優れる軟質性の熱可塑性樹脂組成物及び該熱可塑性樹脂組成物から得られた成形体を提供することにある。
本発明者等は、従来技術の問題点を解決するために鋭意検討を行った結果、特定のゴム強化スチレン系樹脂と熱可塑性ポリウレタンを含む熱可塑性樹脂組成物において、該ゴム強化スチレン系樹脂の組成、分散相粒子径及び製造方法を制御することにより、上記課題を達成できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明はゴム強化スチレン系樹脂(A)と熱可塑性ポリウレタン(B)を含む熱可塑性樹脂組成物(C)であって、ゴム強化スチレン系樹脂(A)が下記(I)〜(III)の特徴を有する熱可塑性樹脂組成物に関する。
(I)芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、必要に応じてこれらの単量体と共重合可能な他の単量体を共重合することで得られる共重合体よりなる連続相成分と、前記単量体がグラフトしかつ前記の共重合体をオクルードしたゴム状重合体成分よりなる分散相成分からなる。
(II)ゴム状重合体成分よりなる分散相成分の重量平均粒子径が0.1μm以上3.0μm未満。
(III)ゴム状重合体を前記単量体に溶解した重合原料を重合装置に連続的に供給して重合を行うことにより、ゴム状重合体を前記単量体からなる共重合体で構成される連続相の中に分散する粒子に転移させた後、重合液から未反応単量体や不活性有機溶剤を分離除去する工程を経ることにより得られ、(1)この重合が少なくとも粒子形成工程と粒子径調整工程の2つの工程を含み、なおかつ、(2)第1段目の粒子形成工程は、少なくとも重合系の中にゴム状重合体の粒子を形成するまで重合する工程、(3)第2段目の粒子径調整工程が、単量体の重合体への転化量を粒子形成工程よりも高め、なおかつ粒子形成工程で生成したゴム状重合体の粒子を安定化する工程である。
本発明により、硬質性樹脂との密着強度及び軟質性が優れる熱可塑性樹脂組成物及び該熱可塑性樹脂組成物から得られた成形体を提供することができる。
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明の熱可塑性樹脂組成物(C)は、ゴム強化スチレン系樹脂(A)と熱可塑性ポリウレタン(B)を含むことを特徴とする。
―ゴム強化スチレン系樹脂(A)―
本発明で用いられるゴム強化スチレン系樹脂(A)とは、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、必要に応じてこれらの単量体と共重合可能な他の単量体を共重合することで得られる共重合体よりなる連続相成分と、前記単量体がグラフトしかつ前記の共重合体をオクルードしたゴム状重合体成分よりなる分散相成分から構成されるゴム強化スチレン系樹脂である。
ゴム強化スチレン系樹脂(A)で用いられるゴム状重合体としては、常温でゴム状を示す重合体であれば特に限定するものではないが、例えばポリブタジエン、イソプレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエンランダム共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレンープロピレンー非共役ジエン共重合体などが用いられ、好ましくはポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体が用いられる。これらは使用される全単量体とゴム状重合体との総量100重量部に対し、通常2〜50重量部、好ましくは4〜20重量部の範囲で用いられる。
ゴム強化スチレン系樹脂(A)で用いられる芳香族ビニル系単量体としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン、ハロゲン化スチレン、エチルスチレン、p−イソプロピルスチレン、p−t−ブチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、ジビニルベンゼンなどの1種あるいは2種以上が用いられ、特にスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレンが好ましい。これらのうちスチレンは最も汎用性が高くかつ安価であり、またα−メチルスチレン、p−メチルスチレンを用いると樹脂の耐熱性が向上する。
芳香族ビニル系単量体は使用される全単量体とゴム状重合体との総量100重量部中、通常30〜80重量部の範囲で用いられる。
ゴム強化スチレン系樹脂(A)で用いられるシアン化ビニル系単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル、フマロニトリルなどの1種あるいは2種以上が用いられ、特にアクリロニトリルが好ましい。
シアン化ビニル系単量体は使用される全単量体とゴム状重合体との総量100重量部中、通常5〜50重量部の範囲で用いられる。
また、これら単量体と共重合可能な他の単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等の不飽和カルボン酸アルキルエステル系単量体、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系単量体、アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和カルボン酸等を使用することも可能である。
これら共重合可能な他の単量体は使用される全単量体とゴム状重合体との総量100重量部中、通常0〜50重量部の範囲で用いられる。
ゴム強化スチレン系樹脂(A)の連続相成分と分散相成分の重量比率に特に制限はないが、熱可塑性樹脂組成物(C)の引張強度の観点から、連続相成分50〜95重量%、分散相成分5〜50重量%であることが好ましい。
ゴム強化スチレン系樹脂(A)の分散相成分の重量平均粒子径が大きいと、熱可塑性樹脂組成物(C)の引張強度が劣ることで、硬質性樹脂(D)との密着強度が劣り、分散相成分の重量平均粒子径が小さいと熱可塑性樹脂組成物(C)の軟質性が劣る。上記観点から、本願ではゴム強化スチレン系樹脂(A)の分散相成分の重量平均粒子径が0.1μm以上3.0μm未満の必要がある。
ゴム強化スチレン系樹脂(A)は、塊状重合にて製造することができる。通常、ゴム強化スチレン系樹脂の塊状重合においては、最初均一溶液として存在したゴム状重合体成分と単量体(および必要に応じて少量の不活性有機溶剤)からなる重合溶液が、ある単量体の重合率以上では相分離し分散粒子の形をとる。これが相転移と呼ばれる現象であり、この相転移で生成した分散粒子がほぼそのまま最終製品中の分散粒子となるものである。本発明においては、ゴム状重合体を、芳香族ビニル系単量体及びシアン化ビニル系単量体、または芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体及びこれらの単量体と共重合可能な他の単量体に溶解した重合原料を重合装置に連続的に供給して重合を行うことにより、ゴム状重合体を上記単量体からなる共重合体で構成される連続相の中に分散する粒子に転移させた後、重合液から未反応単量体や不活性有機溶剤等とを分離除去する工程を経ることにより得られる樹脂組成物において、(1)この重合が少なくとも粒子形成工程と粒子径調整工程の2つの工程を含み、なおかつ、(2)第1段目の粒子形成工程は、少なくとも重合系の中にゴム状重合体の粒子を形成するまで重合する工程、(3)第2段目の粒子径調整工程が、単量体の重合体への転化量を粒子形成工程よりも高め、なおかつ粒子形成工程で生成したゴム状重合体の粒子を安定化する工程からなる連続的製造方法を採用する必要がある。
乳化重合や懸濁重合など、塊状重合以外の重合方法を用いると、熱可塑性樹脂組成物(C)の軟質性が劣る。
本発明において用いられる重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシオクトエート、クミルパーオキシオクトエート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサンなどの有機過酸化物、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ化合物を使用することができる。特に、有機過酸化物の使用が好ましく、その中でも特にt−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシオクトエート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサンが好ましい。これらは使用される全単量体とゴム状重合体との総量100重量部に対し通常0.001〜5.0重量部の範囲で用いられる。
本発明においては必要に応じて不活性有機溶剤を用いることができる。不活性有機溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、アセトン、イソプロピルベンゼン、メチルエチルケトンなどが挙げられ、特にトルエン、エチルベンゼンの使用が好ましい。不活性有機溶剤をあまり多量に用いると重合速度が低下して生産性が悪化し、さらにゴム状重合体の粒子が凝集しやすくなるので、重合に使用される全単量体とゴム状重合体との総量100重量部に対し通常0〜50重量部の範囲で用いられる。
本発明においては、必要に応じて連鎖移動剤を用いることも可能である。特に粒子形成工程において連鎖移動剤としてメルカプタン類を使用される全単量体とゴム状重合体との総量100重量部に対して0.01〜0.7重量部の濃度で連続的に供給することが好ましい。このようなメルカプタン類としては、t−ドテシルメルカプタン、n−ドテシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン等を挙げることができる。
本発明において使用することのできる重合装置としては特に限定されるものではなく、槽型反応器、管型反応器、塔型反応器など任意の形式の反応器を用いることができる。また重合装置を構成する反応器の数は、その重合が第1の粒子形成工程および第2の粒子径調整工程からなることが好ましいため、少なくとも2基以上が必要である。該反応器には重合熱の除去システムとして、ジャケットあるいはドラフチューブに熱媒体を流して除熱するシステムや、重合液から単量体や有機溶剤等の低沸点成分を蒸発させ蒸発潜熱で重合液を冷却するシステムが組み込まれているものが好ましい。さらに反応器にはパドル翼、タービン翼、格子翼、ゲート翼、プロペラ翼、スクリュー翼、ファウドラー翼、ヘリカルリボン翼等の公知の撹拌翼が取り付けられ、これらの翼は1種または2種以上組み合わせて用いることもできる。また翼の構成は1段翼でも多段翼でも良い。
上記第1の粒子形成工程において、ゴム状重合体を粒子に転移させる反応器としては、グラフト効率およびグラフト収率の高さから、プラグフロー型反応槽が好ましい。また、第2の粒子調整工程において、生成するゴム状重合体の粒子径の制御のしやすさ、重合液を均一に混合する能力の高さから完全混合槽型反応槽が好ましい。なお、本発明でプラグフロー型反応槽とは必ずしも厳密な意味でのプラグフローを意味するものではない。例えば粒子形成工程のプラグフロー型反応槽の例としては、好ましくは3基以上の完全混合槽を直列に連結した重合系、また完全混合槽よりもプラグフロー性の高い管型反応槽や塔型反応槽を用いた重合系が挙げられ、特に仕切り板で複数の部分に分離された管型反応槽や塔型反応槽を1〜3基、好ましくは1〜2基用いた重合系が好ましく使用される。該塔型反応槽としては、例えば「新ポリマー製造プロセス」(工業調査会、佐伯康治/尾見信三著)185頁、図7.5記載のもの等が挙げられる。上記第1段目の粒子形成工程で重合を行う場合、粒子形成工程の原料の装入液入口と粒子形成サブ工程の終了後の反応液の出口を有し、この入口と出口の間が粒子形成工程に用いられる反応槽について次の通り流れテストを実施し、その結果から該反応槽におけるプラグフロー性が判断される。即ち、入口より粘度10ポイズの液をF(リットル/Hr)の速度で反応槽に供給し、出口よりF(リットル/Hr)の速度で液を取り出し、反応槽の容積がV(リットル)であって、その時F=Vとして連続的に定常状態で液を流しておき、時刻t0において突然、濃度C0(%)の赤色に着色した粘度10ポイズの液に切り換えた時、時刻t1(t1はt0より
2Hr経過した時間)で出口の濃度C1(%)が(C1/C0)>0.9となる重合系のものが本発明の粒子形成工程で好ましく使用され、この条件を満たす重合を本発明ではプラグフロー重合と定義し、またこのプラグフロー重合に用いる反応槽をプラグフロー型反応槽とする。なお、プラグフロー型反応槽は単数の反応槽でも複数の反応機でもかまわないが複数の方が好ましい。
また、撹拌翼の回転数は反応器の容積、重合液の粘度、必要とするせん断力などによって変化するが、通常は3rpm〜600rpmである。また、本発明においては、重合温度は通常50〜180℃、好ましくは80〜140℃の範囲で行われる。重合温度が50℃より低いと重合速度が低いため生産性が悪くなり、また180℃以上では低分子量の共重合体が多く生成し、製品の耐熱性が悪化するので好ましくない。さらに反応槽内の平均滞留時間としては、通常0.2〜5時間が適当である。平均滞留時間が0.2時間より短いと、重合原料が十分に重合されないまま反応槽を素通りしてしまう現象が起こり、製品の物性が低下する。平均滞留時間が5時間より長いと、生産量が減少し、樹脂の製造費用が増加し、生産性が低下する。本発明において、第1の粒子形成工程である反応槽、好ましくはプラグフロー型反応槽における重合液中の固形分量が10〜60重量%、好ましくは15〜50重量%の状態で、ゴム状重合体を芳香族ビニル−シアン化ビニル共重合体で構成される連続相の中に分散する粒子径0.1μm以上3.0μm未満の粒子に転移させる。重合液中の固形分量とは重合液に含まれるゴム状重合体と芳香族ビニル−シアン化ビニル共重合体の総和を言う。ゴム状重合体が分散相に転移する主な要因はゴム状重合体との重量比であり、該共重合体が重合液中のゴム状重合体量の約2倍を越えると相転移が起こるが、本発明では前述したゴム状重合体分子の種類、ゴム状重合体濃度、重合開始剤量、重合温度などの条件と重合液中の固形分量(10〜60重量%)を調整することにより、相転移後のゴム状重合体粒子径を所定の範囲に制御することができる。
その後、第2の粒子径調整工程、通常は完全混合槽型反応器を用いて行われるが、この工程において粒子径の調整が行われる。この工程においては特に強いせん断力を必要としない。そして、この工程においては、単量体の転化量を第1の粒子形成工程よりも高め、なおかつ粒子形成工程で生成したゴム状重合体の粒子を安定化するものである。
さらに、第2の反応槽から連続的に抜き出された重合液は、例えば特公昭48−29798、特開昭61−228012,特開昭62−179508、特公平3−56242などに示されるような脱揮発分装置に連続的に供給され、重合液から未反応単量体や有機溶剤などの揮発性物質が除去される。このときの重合液中の固形分量は20〜75重量%、好ましくは20〜60重量%である。固形分量が20重量%未満では揮発性物質を蒸発させるための熱量が大きく生産性が低いので好ましくない。固形分量が70重量%を越えると重合液の粘度が高く脱揮発分装置の操作が困難になるので好ましくない。脱揮発分工程に続く製造工程は特に限定するものではないが、連続流通式塊状重合あるいは溶液重合法による芳香族ビニル系樹脂の製造方法において通常おこなわれている押出工程や添加剤供給工程、造粒工程を経てゴム強化スチレン系樹脂(A)が得られる。
―熱可塑性ポリウレタン(B)―
本発明で用いられる熱可塑性ポリウレタン(B)とは、ポリイソシアネート化合物(イソシアネート成分)とポリヒドロキシル化合物(高分子ポリオールおよび/または低分子量ポリオール)とを反応してなるポリウレタン樹脂である。
熱可塑性ポリウレタン(B)の製造に用いられるポリイソシアネートとしては、芳香族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネートおよびこれらのジイソシアネートの変性物が挙げられる。このようなジイソシアネートの具体例としては、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンロンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、ピリジンジイソシアネート、トルイジンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネートおよびこれらの混合物が挙げられる。
熱可塑性ポリウレタン(B)の製造に用いられるポリヒドロキシル化合物としての高分子ポリオールは、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリエーテルポリオールおよびこれらの混合物が好ましい。
ポリエステルポリオールとは、多価アルコールと多塩基性カルボン酸の縮合物、ヒドロキシカルボン酸と多価アルコールとの縮合物等が挙げられ、多価アルコールとしては例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、2,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、1,5−ペンタメチレングリコール、1,6−ヘキサメチレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール等のグリコール単独あるいは混合物が挙げられる。多塩基性カルボン酸としては、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸等の2塩基酸が例示される。ヒドロキシカルボン酸と多価アルコールの縮合物としては、ひまし油、ひまし油とエチレングリコール、プロピレングリコール等の反応物も使用できる。
低分子ポリオールとしては、前記ジオールが使用できる。
さらに、ポリエステルポリオールとしては、ε−カプロラクタムをグリコール等の存在下で開環付加重合したポリカプロラクトンジオール類も用いることができる。このカプロラクトンジオール類としては、先に述べた多価アルコール類にε−カプロラクタム、σ−バレロラクトン等の1種または2種以上を付加重合させたものを使用することができる。
ポリエーテルポリオールとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン等のアルキレンオキサイドの1種または2種以上を、2個以上の活性水素を有する化合物に付加重合させた生成物であり、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリメチレングリコール等が例示される。ここで2個以上の活性水素を有する化合物としては例えば先に述べた多価アルコール、多塩基性カルボン酸の他、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等のアミン類、レゾルシン、ビスフェノール等の多価フェノール類、ひまし油等が挙げられる。
ポリブタジエンジオールとは数平均分子量500〜25000の炭素数4〜12のジエン系重合体、共重合体で、更にはこれらのジエンモノマーと炭素数2〜22のオレフィン性付加重合体モノマーとの共重合体があり、例えばポリブタジエンホモポリマー、ポリイソプレンホモポリマー、ブタジエン−スチレンコポリマー、ブタジエン−アクリロニトリルコポリマー等が挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、多価アルコール例えば、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオールとホスゲン、クロル酢酸エステル、ジアルキルカーボネートまたはジアリルカーボネートとの縮合により得られる数平均分子量300〜15000程度のものである。
―熱可塑性樹脂組成物(C)―
本発明の熱可塑性樹脂組成物(C)は、ゴム強化スチレン系樹脂(A)および熱可塑性ポリウレタン(B)を含む熱可塑性樹脂組成物である。熱可塑性樹脂(C)中にゴム強化スチレン系樹脂(A)が少なすぎると、熱可塑性樹脂(C)の引張強度や熱可塑性樹脂(C)と硬質性樹脂(D)との密着性が悪く、密着強度が劣る傾向にある。また、熱可塑性樹脂(C)中にゴム強化スチレン系樹脂(A)が多すぎると、熱可塑性樹脂(C)の軟質性が劣る傾向にあることから、熱可塑性樹脂(C)中のゴム強化スチレン系樹脂(A)は10〜90重量であることが好ましく、30〜70重量%であることがさらに好ましい。
熱可塑性樹脂組成物(C)を構成するゴム強化スチレン系樹脂(A)および熱可塑性ポリウレタン(B)の混合方法は特に制限は無く、通常使用されるロール、ニーダー、バンバリミキサー、プラストミル、押出し機等を使用することができる。
熱可塑性樹脂組成物(C)には目的に応じて滑剤、染顔料、帯電防止剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン等の光安定剤、難燃剤等の添加剤を加えてもよい。
熱可塑性樹脂組成物(C)は、異型押出成形、Tダイシート加工、インフレーション成形、射出成形、パウダースラッシュ成形などにて各種工業部品に成形することが可能であるが、硬質性樹脂(D)との二層異形押出成形であることが好ましい。
さらに、熱可塑性樹脂組成物(C)と硬質性樹脂(D)との二層異形押出成形したときの密着強度が、熱可塑性ポリウレタン(B)単体と硬質性樹脂(D)を二層異形押出成形したときの密着強度の15倍以上であることが好ましい。
ここで、本発明における熱可塑性樹脂組成物(C)と硬質性樹脂(D)との二層異形押出成形したときの密着強度とは、後述する段落0053に記載された方法により測定された値のことをいう。熱可塑性樹脂組成物(C)と硬質性樹脂(D)の密着性が低いと、早期に剥離を起こしてしまい、また、熱可塑性樹脂組成物(C)の引張強度が低いと、熱可塑性樹脂組成物(C)が早期に材料破壊を起こしてしまう。したがって、熱可塑性樹脂組成物(C)と硬質性樹脂(D)の密着強度においては、熱可塑性樹脂組成物(C)と硬質性樹脂(D)の密着性と、熱可塑性樹脂組成物(C)の引張強度が重要であり、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、ともに優れることを特徴としている。
熱可塑性樹脂組成物(C)の引張強度は、ゴム強化スチレン系樹脂(A)の分散相粒子径により適宜調整することができ、具体的には、分散相粒子径を小さくすると、熱可塑性樹脂組成物(C)の引張強度が高くなる傾向にある。また、その他ゴム強化スチレン系樹脂(A)の分散相比率や、熱可塑性樹脂組成物(C)中のゴム強化スチレン系樹脂(A)の含有率によっても調整可能である。
熱可塑性樹脂組成物(C)と硬質性樹脂(D)の密着性は、熱可塑性樹脂組成物(C)中のゴム強化スチレン系樹脂(A)の含有率等により適宜調整可能である。
―硬質性樹脂(D)―
本発明で使用される硬質性樹脂(D)とは、ゴム状重合体の存在下に芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、その他の共重合可能な単量体から構成される群より選ばれる、少なくとも一種の単量体をグラフト重合して得られるグラフト共重合体、又は該グラフト共重合体と上記単量体を(共)重合して得られる(共)重合体から構成される樹脂組成物である。
硬質性樹脂(D)を構成するゴム状重合体、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、共重合可能な他の単量体としては、ゴム強化スチレン系樹脂(A)で用いられる単量体と同様のものを用いることができる。
本発明の熱可塑性樹脂成形体は、本発明の熱可塑性樹脂組成物(C)と硬質性樹脂(D)との二層異形押出成形によって得られる。
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら制限
されるものではない。なお、実施例中にて示す「部」及び「%」は重量に基づくものであ
る。
ゴム強化スチレン系樹脂(A−1)の製造
容積が15リットルのプラグフロー塔型反応槽(「新ポリマー製造プロセス」(工業調査会、佐伯康治/尾見信三著)185頁、図7.5(b)記載の三井東圧タイプと同種の反応槽で10段に仕切られたC1/C0=0.955を示すもの。)に10リットルの完全混合槽2基を直列に接続した連続的重合装置を用いて熱可塑性樹脂を製造した。プラグフロー塔型反応槽が粒子形成工程を、第2反応器である1基目の完全混合槽が粒子径調整工程を、第3反応器が後重合工程を構成する。プラグフロー塔型反応槽にスチレン69.2重量部、アクリロニトリル21.9重量部、エチルベンゼン25重量部、日本ゼオン社製NS310Sを8.9重量部、t−ドデシルメルカプタン0.18重量部、1、1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3、3、5−トリメチルシクロヘキサン0.04重量部からなる原料を調整し、この原料を3段の攪拌式重合槽列反応器に10kg/hで連続的に供給して単量体の重合をおこなった。3段目の槽より重合液を予熱器と減圧室より成る分離回収工程に導いた。回収工程から出た樹脂は押出工程を経て粒状のペレットとしてゴム強化スチレン系樹脂A−1を得た。このとき、A−1のゴム状分散相成分量は15.5重量%、ゴム状分散相成分の重量平均粒径は0.6μmであった。
なお、ゴム強化スチレン系樹脂中のゴム状重合体の重量平均粒子径については、下記方法により測定した。ゴム強化スチレン系樹脂(A)のゴム状重合体の重量平均粒子径:オスミウム酸で染色した樹脂組成物超薄切片を透過型電子顕微鏡で撮影し、写真中のゴム状重合体粒子500〜700個の粒子径を測定して下記の式により平均したものが重量平均粒子径である。ただし、nは粒子径Dのゴム状重合体粒子の個数である。
ゴム状重合体の平均粒子径=ΣnD4/ΣnD3
ゴム強化スチレン系樹脂(A−2)の製造
A−1において、原料をスチレン69.2重量部、アクリロニトリル21.9重量部、エチルベンゼン25重量部、旭化成社製アサプレンBR730Aを8.9重量部、t−ドデシルメルカプタン0.18重量部、1、1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3、3、5−トリメチルシクロヘキサン0.04重量部からなる原料に変えた以外は、A−1と同様にして重合を行い、ゴム強化スチレン系樹脂A−2を得た。このとき、A−2のゴム状分散相成分量は15.5重量%、ゴム状分散相成分の重量平均粒径は1.4μmであった。
ゴム強化スチレン系樹脂(A−3)の製造
A−1において、原料をスチレン64.6重量部、アクリロニトリル20.4重量部、エチルベンゼン25重量部、旭化成社製アサプレンBR730Aを15重量部、t−ドデシルメルカプタン0.18重量部、1、1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3、3、5−トリメチルシクロヘキサン0.04重量部からなる原料に変えた以外は、A−1と同様にして重合を行い、ゴム強化スチレン系樹脂A−3を得た。このとき、A−3のゴム状分散相成分量は19.2重量%、ゴム状分散相成分の重量平均粒径は2.5μmであった。
ゴム強化スチレン系樹脂(A−4)の製造
A−1において、原料をスチレン59重量部、アクリロニトリル19.8重量部、エチルベンゼン25重量部、旭化成社製アサプレンBR730Aを21.2重量部、t−ドデシルメルカプタン0.35重量部、1、1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3、3、5−トリメチルシクロヘキサン0.04重量部からなる原料に変えた以外は、A−1と同様にして重合を行い、ゴム強化スチレン系樹脂A−4を得た。このとき、A−4のゴム状分散相成分量は24重量%、ゴム状分散相成分の重量平均粒径は3.5μmであった。
ゴム強化スチレン系樹脂(A−5)の製造
予め公知の乳化重合法により得られたポリブタジエンゴムラテックス(重量平均粒子径0.35μm、ゲル90%)50部(固形分)、スチレン35部、アクリロニトリル15部を公知の乳化重合法により重合し、一方、別の反応器でスチレン70部およびアクリロニトリル30部を公知の乳化重合法により重合した。その後、得られた重合体ラテックスを分散相成分が15重量%になるように混合した後、塩析、脱水、乾燥の処理を行い、ゴム強化スチレン系樹脂A−5を得た。
ゴム強化スチレン系樹脂(A−6)の製造
A−5において、予め公知の乳化重合法により得られたポリブタジエンゴムラテックス(重量平均粒子径0.35μm、ゲル90%)50部(固形分)、スチレン35部、アクリロニトリル15部を公知の懸濁重合法により重合し、一方、別の反応器でスチレン70部およびアクリロニトリル30部を公知の乳化重合法により重合した。その後、得られた重合体ラテックスを分散相成分が15重量%になるように混合した後、塩析、脱水、乾燥の処理を行い、ゴム強化スチレン系樹脂A−6を得た。
熱可塑性ポリウレタン(B)
ディーアイシーバイエルポリマー株式会社製、パンデックスT−1375(硬度(ショアーA)75)を用いた。
熱可塑性樹脂組成物(C)の作成
表1に示す割合で樹脂組成物を配合し、40mmφ押出し機にてシリンダー温度200℃で溶融混練し、ペレット化した。得られたペレットを射出成形機を用い、シリンダー温度200℃、金型温度50℃の条件で射出成形して熱可塑性樹脂組成物(C)を作成した。得られた熱可塑性樹脂組成物につき次の評価を行った。評価結果を表1に示す。なお、それぞれの評価方法を以下に示す。
密着強度の測定
200℃に設定したプレス成形機により縦90mm×横80mm×厚さ3mmの平板試験片を作成した。一方、ゴム強化スチレン系樹脂組成物(D)(日本エイアンドエル(株)製
GA−501)を使用して同様の平板試験片を作成した。その後、さらに200℃に設定した同プレス成形機で各平板試験片を重ね合わせ(互いに縦方向90mmの片から奥行き3mm:接着部分の面積は90mm×3mm)、2枚の片端を熱接着した(接着後の試験片は縦90mm×横(80+80−6)mm×厚さ3mm(接着部分の3mm間は6mm)。その後、横方向(80+80−6)mmの片から奥行き30mmの地点で切断し、短柵〔縦30mm××横(80+80−6)mm×厚さ3mm(接着部分の3mm間は6mm)〕を切り出した。得られた短冊につき引張り試験機で速度10mm/分で引張り試験を行い、材料破壊及び剥離したときの強度を測定し、また破壊状態を観察した。
硬度(ショアーA)の測定
JIS−K−7311に従って測定した。なお、硬すぎて測定できない場合は×とした。
表1に示すとおり、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、硬質性樹脂との密着強度及び軟質性に優れる。
比較例1は、ゴム強化スチレン系樹脂(A)の分散相粒子径が本願規定範囲を超えているため、熱可塑性樹脂組成物(C)の引張強度が劣り、早期に材料破壊が起こることで、熱可塑性樹脂組成物(C)と硬質性樹脂(D)の密着強度が劣っている。
比較例2、3は、ゴム強化スチレン系樹脂(A)の製造方法が本願規定の(III)の工程を満たしていないため、軟質性が劣っている。
比較例4は、熱可塑性ポリウレタン(B)を含有していないため、熱可塑性樹脂組成物(C)の軟質性が劣っている。
比較例5は、ゴム強化スチレン系樹脂(A)を含有していないため、熱可塑性樹脂組成物(C)と硬質性樹脂(D)の密着性が劣り、早期に剥離が起こることで、熱可塑性樹脂組成物(C)と硬質性樹脂(D)の密着強度が劣っている。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、ゴム強化スチレン系樹脂との密着強度及び軟質性が優れるため、自動車分野、家電機器分野、OA機器分野、建材分野等において、特に、硬質性樹脂との二層異形押出で使用される軟質性樹脂として好適である。

Claims (4)

  1. ゴム強化スチレン系樹脂(A)と熱可塑性ポリウレタン(B)を含む熱可塑性樹脂組成物(C)であって、ゴム強化スチレン系樹脂(A)が下記(I)〜(III)の特徴を有する熱可塑性樹脂組成物。
    (I)芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、必要に応じてこれらの単量体と共重合可能な他の単量体を共重合することで得られる共重合体よりなる連続相成分と、前記単量体がグラフトしかつ前記の共重合体をオクルードしたゴム状重合体成分よりなる分散相成分からなる。
    (II)ゴム状重合体成分よりなる分散相成分の重量平均粒子径が0.1μm以上3.0μm未満。
    (III)ゴム状重合体を前記単量体に溶解した重合原料を重合装置に連続的に供給して重合を行うことにより、ゴム状重合体を前記単量体からなる共重合体で構成される連続相の中に分散する粒子に転移させた後、重合液から未反応単量体や不活性有機溶剤を分離除去する工程を経ることにより得られ、(1)この重合が少なくとも粒子形成工程と粒子径調整工程の2つの工程を含み、なおかつ、(2)第1段目の粒子形成工程は、少なくとも重合系の中にゴム状重合体の粒子を形成するまで重合する工程、(3)第2段目の粒子径調整工程が、単量体の重合体への転化量を粒子形成工程よりも高め、なおかつ粒子形成工程で生成したゴム状重合体の粒子を安定化する工程である。
  2. 熱可塑性樹脂組成物(C)と硬質性樹脂(D)を二層異形押出成形した際の密着強度が、熱可塑性ポリウレタン(B)単体と硬質性樹脂(D)を二層異形押出成形した際の密着強度の15倍以上である請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. 硬質性樹脂(D)との二層異形押出成形用である請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物(C)と硬質性樹脂(D)を二層異形押出成形して得られた熱可塑性樹脂成形体。
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