JP2021195427A - スチレン系樹脂組成物 - Google Patents

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Shuji Inoue
貴彦 吉野
Takahiko Yoshino
和也 市瀬
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雅史 塚田
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Abstract

【課題】耐薬品性、耐熱性及び耐衝撃性に優れた樹脂組成物を提供する。【解決手段】スチレン系樹脂(A)30〜80質量部とポリエステル系樹脂(B)20〜70質量部とアクリル系樹脂(C)と重合体(D)を含むスチレン系樹脂組成物であって、重合体(D)がカルボキシル基を有する構造単位を含むスチレン系樹脂組成物である。【選択図】図1

Description

本発明は、耐薬品性、耐熱性及び耐衝撃性に優れた樹脂組成物に関するものである。
スチレン系樹脂はその特性を生かしパーソナルコンピュータ、プリンター、複写機等のOA機器、TV、オーディオ等の家電製品等を初めとする多岐の分野に使用されている。
一方、ポリエステル系樹脂は機械的特性などに優れることから、フィルム、シート、食器、包装容器など各種産業用途に広く使用されている。
近年、地球温暖化の問題から二酸化炭素の低減が求められており、見かけ上二酸化炭素を排出しない「カーボンニュートラル」なポリエステル系樹脂のひとつとしてポリ乳酸が注目されている。しかしながら、ポリ乳酸は耐薬品性に優れるものの、耐熱性及び耐衝撃性に劣るため、スチレン系樹脂などとのポリマーアロイが近年検討されている。
耐熱性を改善させる方法として、スチレン系樹脂/ポリ乳酸に対して芳香族ビニル単量体と不飽和カルボン酸化合物の共重合体からなるスチレン系樹脂を添加した方法が例示されているが、この方法では耐熱性は改善されるが、耐衝撃性が不十分という課題があった(特許文献1)。
耐衝撃性を改善させる方法として、スチレン系樹脂/ポリ乳酸に対してブタジエンとエチレン性不飽和カルボン酸エステルの共重合体を添加する方法が例示されているが、この方法では耐衝撃性は改善されるが、耐熱性が悪化するという課題があった(特許文献2)。
特開2008−050427号公報 特開2016−199654号公報
本発明の目的は、耐薬品性、耐熱性及び耐衝撃性に優れた樹脂組成物を提供することである。
本発明者は、これらの諸問題を解決すべく、鋭意研究した結果、スチレン系樹脂とポリエステル系樹脂とアクリル系樹脂にカルボキシル基を有する構造単位を含む重合体を添加した樹脂組成物が、耐薬品性、耐熱性及び耐衝撃性に優れた樹脂組成物が得られることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1)スチレン系樹脂(A)30〜80質量部とポリエステル系樹脂(B)20〜70質量部とアクリル系樹脂(C)と重合体(D)を含むスチレン系樹脂組成物であって、重合体(D)がカルボキシル基を有する構造単位を含むスチレン系樹脂組成物。
(2)スチレン系樹脂(A)がゴム変性ポリスチレンである(1)に記載のスチレン系樹脂組成物。
(3)ポリエステル系樹脂(B)がポリ乳酸である(1)または(2)に記載のスチレン系樹脂組成物。
(4)アクリル系樹脂(C)の重量平均分子量が150〜600万であることを特徴とする(1)から(3)までのいずれか1項に記載のスチレン系樹脂組成物。
(5)アクリル系樹脂(C)の構成単位が主としてメタクリル酸メチル単位からなり、その含有量が60質量%以上であることを特徴とする(1)から(4)までのいずれか1項に記載のスチレン系樹脂組成物。
(6)重合体(D)がスチレン−(メタ)アクリル酸共重合体である(1)から(5)までのいずれか1項に記載のスチレン系樹脂組成物。
(7)重合体(D)のカルボキシル基を有する構造単位の含有量が0.5〜9.5質量%であることを特徴とする(1)から(6)までのいずれか1項に記載のスチレン系樹脂組成物。
(8)(1)から(7)までのいずれか1項に記載のスチレン系樹脂組成物を主成分として含む樹脂組成物層を少なくとも1層含むシート。
(9)(8)に記載のシートを成形してなる食品包装用容器。
本発明の樹脂組成物は、耐薬品性、耐熱性及び耐衝撃性に優れたものである。したがって本発明の樹脂組成物はOA機器、家電製品、食器、包装容器等の用途で有効に利用できる。
耐薬品性評価における定ひずみ耐薬性試験装置の側面図である。 耐薬品性評価における定ひずみ耐薬性試験装置の平面図である。
以下に、本発明の樹脂組成物について詳細に説明する。
先ず、(A)スチレン系樹脂について説明する。本発明において使用する(A)スチレン系樹脂とは、芳香族ビニル化合物の単量体を重合して得られるものである。芳香族ビニル化合物の単量体は、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン等の公知のものが使用できるが、好ましくはスチレンである。これらの単量体を単独で用いてもよいし、併用しても構わない。また、これらの単量体と共重合可能なアクリロニトリル、エチレン、プロピレン等の単量体も、(A)スチレン系樹脂の性能を損なわない程度のものであれば添加して重合したものであっても差し支えない。
(A)スチレン系樹脂に含まれる総揮発成分量(TVM)は500ppm以下であることが好ましい。500ppm以下であることによりダイス出口に付着するメヤニの量が低減できるため好ましい。特に好ましくは400ppm以下である。
また(A)スチレン系樹脂は必要に応じて共役ジエン系ゴム状重合体を加えてゴム変性を行ってもよい。ゴム変性に用いる共役ジエン系ゴム状重合体としては、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエンのランダムまたはブロック共重合体、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、スチレン−イソプレンのランダム、ブロック又はグラフト共重合体、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴムなどが挙げられるが、特にポリブタジエン、スチレン−ブタジエンのランダム、ブロック又はグラフト共重合体が好ましい。また、これらは一部水素添加されていても差し支えない。
このような(A)スチレン系樹脂としては例えば、ポリスチレン(GPPS)、ゴム変性ポリスチレン(HIPS)、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)、AS樹脂(アクリロニトリル−スチレン共重合体)、AAS樹脂(アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン共重合体)、AES樹脂(アクリロニトリル−エチレンプロピレン−スチレン共重合体)等が挙げられる。この中では、ゴム変性ポリスチレンが、樹脂組成物の耐衝撃性を特に高くすることができるため、好ましい。
ゴム変性ポリスチレンの芳香族ビニル重合体の分子量については特に制限はないが、還元粘度(ηsp/C)で0.5〜1.0が好ましい。0.5以上であることにより樹脂の溶融ストランドが断線しにくく安定製造に有利なため好ましい。また1.0以下であることにより溶融した樹脂の流動性が確保出来、好ましい。
ゴム変性ポリスチレン中のゴム状重合体の含有量については特に制限はないが、3〜15質量%が好ましい。ゴム状重合体の含有量がこの範囲にあることで成形体の耐衝撃性と剛性のバランスが良いため好ましい。
次に(B)ポリエステル系樹脂について説明する。本発明で使用する(B)ポリエステル系樹脂はカルボン酸とアルコールを含む単量体を重合することで得られるエステル結合を有する重合体の総称である。
(B)ポリエステル系樹脂は、ジカルボン酸とジオールを主たる構成成分とする単量体から重合により得ることが出来、このようなポリエステル系樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、さらにはポリヘキサメチレンテレフタレート並びにポリヘキサメチレンナフタレート等が挙げられるが本発明はこれらに限定されない。
これらのポリエステル系樹脂の単量体のうち、芳香族ジカルボン酸として、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4′−ジフェニルジカルボン酸、4,4′−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4′−ジフェニルスルホンジカルボン酸などを挙げることができる。脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ダイマー酸、ドデカンジオン酸、シクロヘキサンジカルボン酸とそれらのエステル誘導体などが挙げられる。これらの酸成分は1種のみ用いてもよく、2種以上併用してもよく、さらには、ヒドロキシ安息香酸等のオキシ酸などを一部共重合してもよい。
またジオール成分としては例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、イソソルベート、スピログリコールなどを挙げることができる。
一方、(B)ポリエステル系樹脂は単一の化合物でカルボン酸とアルコールの両方を有する単量体の重合によっても得ることが出来、このようなポリエステル系樹脂としては、ポリ乳酸が挙げられる。
これらの(B)ポリエステル系樹脂のうち、カーボンニュートラルの観点から好ましいのはポリ乳酸である。
ポリ乳酸は、ポリ(L−乳酸)が用いられる。二酸化炭素排出量削減という観点から、植物由来原料が好ましい。
ポリ(L−乳酸)の場合、D−乳酸成分の比率によってその結晶化速度が異なる。本発明の樹脂組成物の耐熱性および成形性を考慮すると、D−乳酸成分の比率は0.01〜5.0モル%とすることが好ましい。特に好ましくは0.01〜1.5モル%の範囲である。
ポリ乳酸の分子量は、重量平均分子量Mwが5万〜40万であることが好ましく、特に好ましくは10〜30万の範囲である。
ポリ乳酸のラクチド含有量はポリ乳酸100質量部に対して0.01〜0.50質量部であることが好ましい。この範囲にあることでダイス出口に付着するメヤニの量が低減できるため好ましい。
(A)スチレン系樹脂と(B)ポリエステル系樹脂の比率は、(A)スチレン系樹脂と(B)ポリエステル系樹脂の合計を100質量部とした時に、(B)ポリエステル系樹脂が20〜70質量部であることが必須である。(B)ポリエステル系樹脂の比率がこの範囲にあることで、耐薬品性、耐熱性及び耐衝撃性が特に高くなる。
次に、(C)アクリル系樹脂について説明する。本発明において(C)アクリル系樹脂とは、アクリル系単量体などの重合により得られる重合体のことを指す。(C)アクリル系樹脂を添加することで、メヤニ抑制効果を発揮し、かつ耐薬品性及び耐衝撃性を向上させる。
(C)アクリル系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、150万〜600万であることが好ましい。アクリル系樹脂の重量平均分子量(Mw)がこの範囲にあることで押出成形時のゲル化を抑えながらメヤニ低減と耐薬品性及び耐衝撃性向上の効果が特に発揮されるため好ましい。
アクリル系単量体の種類は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されず、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、フェニルアクリレート、クロロエチルアクリレート等のアクリレート単量体や、メチルメタアクリレート、エチルメタアクリレート、イソプロピルメタクリレート、ブチルメタアクリレート、2−エチルヘキシルメタアクリレート、ベンジルメタアクリレート、シクロヘキシルメタアクリレート、フェニルメタアクリレート、クロロエチルメタアクリレート等のメタクリレート単量体の単独重合体、あるいはこれらの単量体二種以上を共重合させた共重合体等を用いることができる。
(C)アクリル系樹脂の構成単位はメタクリル酸メチル単位が主成分であり、その含有量は60質量%以上であることが好ましい。アクリル系樹脂のメタクリル酸メチル単位の含有量がこの範囲にあることで、メヤニ抑制効果を発揮し、かつ耐薬品性及び耐衝撃性を向上させる。特に好ましくは70質量%以上である。
(C)アクリル系樹脂の含有量は(A)スチレン系樹脂と(B)ポリエステル系樹脂の合計100質量部に対して0.1質量部〜10質量部が好ましい。(C)アクリル系樹脂の含有量がこの範囲にあることで、押出成形時のゲル化を抑えながらメヤニ低減と耐薬品性及び耐衝撃性が特に高くなる。
(C)アクリル系樹脂はこれらのアクリル系単量体の他に本発明の効果を損なわない限りこれらと共重合可能なビニル単量体を添加して重合したものでも良く、例えば、α−オレフィン、不飽和ニトリル類、不飽和カルボン酸エステル、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の多価不飽和化合物等の単量体を添加していてもよい。
(C)アクリル系樹脂の重合方法としては、例えば、乳化重合、ソープフリー乳化重合、微細懸濁重合、懸濁重合、塊状重合、溶液重合等の公知の重合方法が挙げられる。これらの重合方法の中でも、高分子量体の生成が容易であることから、乳化重合が好ましい。
(C)アクリル系樹脂を乳化重合によって製造するときの乳化剤としては、公知の乳化剤を用いることができる。例えば、アニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤、高分子乳化剤、分子内にラジカル重合可能な不飽和二重結合を有する反応性乳化剤が挙げられる。
(D)カルボキシル基を有する構造単位を含む重合体の種類は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されず、例えば、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体が挙げられ、これらのカルボキシル基を有する構造単位を含む重合体はスチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−無水イタコン酸共重合体等の酸無水物となっていてもよい。この中では、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体が、樹脂組成物の耐熱性及び耐衝撃性が特に高くなるため、好ましい。
本発明の(D)重合体は、(D)重合体を100質量%としたときにカルボキシル基を有する構造単位の含有量が0.5〜9.5質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることが、耐熱性及び耐衝撃性が特に高くなるため、より好ましい。カルボキシル基を有する構造単位の含有量は、重合工程における原料液のカルボキシル基を有する構造単位の濃度によって調整出来る。
本発明の(D)重合体の含有量は(A)スチレン系樹脂と(B)ポリエステル系樹脂の合計100質量部に対して1質量部〜35質量部が好ましい。(D)重合体の含有量がこの範囲にあることで、耐熱性及び耐衝撃性が特に高くなる。
本発明の目的を損なわない範囲で他の添加剤、例えば可塑剤、展着剤、溶剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、老化防止剤、光安定剤、安定剤、帯電防止剤、着色剤、染顔料、充填剤、着色防止剤、補強剤、相溶化剤、結晶化促進剤、難燃剤、難燃助剤、等を添加することができる。
特に補強剤としてのメチルメタクリレートとブタジエン、及びスチレンの共重合体(MBS)、結晶化促進剤としてのタルク、展着剤としての流動パラフィンを好適に添加することが出来る。MBSは、(A)スチレン系樹脂、(B)ポリエステル系樹脂、(C)アクリル系樹脂、(D)カルボキシル基を有する構造単位を含む重合体のいずれとも分散性が良く本発明の樹脂組成物の耐衝撃性を効率良く補強することが出来るため好ましい。タルクは本発明での(B)ポリエステル系樹脂の結晶化を促進することが出来、樹脂組成物の耐熱性及び機械強度を向上することが出来るため好ましい。流動パラフィンは石油の潤滑油留分に含まれる芳香族炭化水素や硫黄化合物等の不純物を無水硫酸や発煙硫酸で取り除き精製された飽和炭化水素であって、本発明の樹脂組成物を混合する際に、比重が異なる樹脂間での分級を抑制することが出来るため押出製造の際の樹脂組成物の品質バラツキを抑制できるため好ましい。
これらの添加方法は、特に限定されず、公知の方法で添加すれば良い。例えば、(A)スチレン系樹脂または(B)ポリエステル系樹脂の製造時の原料の仕込工程、重合工程、仕上工程で添加する方法や、押出機や成形機を用いて樹脂組成物を混合する工程で添加する方法を適用することができる。
次に本発明の樹脂組成物の製造方法について説明する。
本発明の樹脂組成物の混合方法は、特に限定されず、公知の混合技術を適用することが出来る。例えば、ミキサー型混合機、V型他ブレンダー、及びタンブラー型混合機等の混合装置を用いて、各種原料を予め混合しておき、その混合物を溶融混練することによって、均一な樹脂組成物を製造することが出来る。溶融混練装置も、特に限定されないが、例えばバンバリー型ミキサー、ニーダー、ロール、単軸押出機、特殊単軸押出機、及び二軸押出機等が挙げられる。更に、押出機等の溶融混練装置の途中から他の添加剤を別途添加する方法もある。
本発明の樹脂組成物から成形品を得る成形法には特に制限は無くカレンダ成形、中空成形、押出発泡成形、異形押出成形、ラミネート成形、インフレーション成形、Tダイフィルム成形、シート成形、真空成形、圧空成形などの押出成形法や、射出成形、RIM成形、射出発泡成形などの射出成形法といった公知の成形法を好適に用いることが出来るが、好ましくは射出成形またはシート成形である。
以下に本発明を実施例及び比較例によって詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例及び比較例で使用した材料は以下の通りである。
(A−1)東洋スチレン株式会社製 ゴム変性した耐衝撃性ポリスチレン樹脂(還元粘度0.89dl/g、ゴム状重合体含有量6.9質量%、シャルピー衝撃強さ11kJ/m2、ビカット軟化温度92℃)
(A−2)東洋スチレン株式会社製 ポリスチレン樹脂(還元粘度0.94dl/g、シャルピー衝撃強さ2.1kJ/m2、ビカット軟化温度99℃)
(B−1)ポリエステル系樹脂 ポリ乳酸 海正生物製REVODE190
(D−乳酸成分の比率0.5モル%、重量平均分子量(Mw)20万、ラクチド含有量0.20質量%)
(B−2)ポリエステル系樹脂 PET イーストマン製PET−G GN001
(C−1)アクリル系樹脂の製造
温度計、窒素導入管、冷却管および攪拌装置を備えたセパラブルフラスコ(容量5リットル)に、分散媒としてイオン交換水300質量部(3000グラム)、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホンナトリウム1.1質量部、連鎖移動剤としてn−オクチルメルカプタン0.009質量部、単量体としてメタクリル酸メチル75質量部、アクリル酸ブチル25質量部を投入した。このセパラブルフラスコに窒素気流を通じることにより、フラスコ内雰囲気の窒素置換を行なった。次いで、内温を60℃まで昇温させ、過硫酸カリウム0.15質量部、脱イオン水5質量部を加えた。その後、加熱攪拌を2時間継続して重合を終了し、アクリル系樹脂ラテックスを得た。
得られたアクリル系樹脂ラテックスを25℃まで冷却後、酢酸カルシウム5質量部を含む70℃の温水500質量部中に滴下した後、90℃まで昇温させて凝析させた。得られた凝析物を分離洗浄後、60℃で12時間乾燥させて、アクリル系樹脂(C−1)を得た。
(C−1)の実施例の各種原料仕込み量を調整し、上記と同様の製造条件で表1に記載の各種アクリル系樹脂C−2、C−3、C−4を得た。
Figure 2021195427
(D−1)東洋スチレン株式会社製 スチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体(メルトマスフローレイト1.7g/10min、シャルピー衝撃強さ1.5kJ/m2、ビカット軟化温度110℃、メタクリル酸単量体単位の含有量4質量%)
(D−2)東洋スチレン株式会社製 スチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体(メルトマスフローレイト1.7g/10min、シャルピー衝撃強さ1.1kJ/m2、ビカット軟化温度117℃、メタクリル酸単量体単位の含有量8質量%)
(D−3)東洋スチレン株式会社製 スチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体(メルトマスフローレイト1.8g/10min、シャルピー衝撃強さ1.0kJ/m2、ビカット軟化温度122℃、メタクリル酸単量体単位の含有量10質量%)
(E−1)ポリカルボジイミド 日清紡製LA−1
(F−1)オキサゾリン基含有ポリマー 日本触媒製RPS1005
(G−1)エポキシ化大豆油 日油製N−510
(H−1)スチレン−メタクリル酸メチル共重合体(メタクリル酸メチル単量体単位の含有量4質量%)の製造
単量体としてメタクリル酸メチル4質量部と、スチレン96質量部と、重合開始剤としてt−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(アルケマ吉富社製、商品名:ルペロックス575)0.001質量部からなるモノマー組成物を、ヘリカルリボン翼付き10L完全混合槽に1kg/hで連続的に供給し、平均滞留時間2.5時間、重合温度150℃で連続重合を行った。重合槽の液面が一定となるよう底部から連続的に抜き出し、脱溶剤装置に導入してペレット状のスチレン−メタクリル酸メチル共重合体(H−1)を得た。
[還元粘度(ηsp/C)の測定方法]
(A)スチレン系樹脂の還元粘度(ηsp/C)の測定は、(A)スチレン系樹脂1gにメチルエチルケトン17.5mlとアセトン17.5mlの混合溶媒を加え、温度25℃で2時間振とう溶解した後、遠心分離で不溶分を沈降させ、デカンテーションにより上澄み液を取り出し、250mlのメタノールを加えて樹脂分を析出させ、不溶分を濾過乾燥した。同操作で得られた樹脂分をトルエンに溶解してポリマー濃度0.4%(質量/体積)の試料溶液を作製した。この試料溶液、及び純トルエンを温度30℃の恒温でウベローデ型粘度計により溶液流下秒数を測定して、下式にて算出した。
ηsp/C=(t1/t0−1)/C
t0:純トルエン流下秒数
t1:試料溶液流下秒数
C:ポリマー濃度
[ゴム状重合体含有量の測定方法]
ゴム状重合体含有量の測定は、ゴム変性スチレン系樹脂をクロロホルムに溶解させ、一定量の一塩化ヨウ素/氷酢酸溶液を加え暗所に約30分放置後、15質量%のヨウ化カリウム溶液と純水50mlを加え、過剰の一塩化ヨウ素を0.1Nチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定し、付加した一塩化ヨウ素量から算出した。
[シャルピー衝撃強さの測定方法]
JIS K7111に準拠し、ISO179/1eA方法でシャルピー衝撃強さを測定した。
[ビカット軟化温度の測定方法]
射出成型機を用いて試験片を作成し、JIS K7206に基づき50N荷重の条件により測定した。
[定ひずみ耐薬試験評価用試験片作製方法]
押出工程で得られたペレットを温度70℃×3時間で加熱乾燥後、シート押出機にて、シート(幅200mm×奥行300mm×厚み0.5mm)を作製した。作製したシートから下記寸法の試験片を切出し定ひずみ耐薬試験評価用試験片とした。
シート押出機:ユニオンプラスチック製USV型30粍押出機
シリンダー温度:215℃
ロール温度:85℃
試験片の寸法:幅15mm×奥行150mm×厚み0.5mm(奥行き方向がシートの押出し方向)
[定ひずみ耐薬試験の評価方法]
本発明の定ひずみ耐薬試験法による破断時間は、図に示す定ひずみ耐薬性試験装置を用いてガーゼを当てた試験片の屈曲部にスポイトで薬品を0.05ml塗布し、試験片が破断するまでの時間を計測し、下の判定基準にて耐薬品性の合否を決定した。
ひずみ量:0.6%
使用薬品:日油社製パナセート810(中鎖脂肪酸油)
◎: 60分以上破断しない。
×: 60分未満で破断する。
[重量平均分子量の測定方法]
重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、次の条件で測定した。
GPC機種:昭和電工株式会社製Shodex GPC−101
カラム:ポリマーラボラトリーズ社製 PLgel 10μm MIXED−C
移動相:クロロホルム
試料濃度:0.2質量%
温度:オーブン40℃
検出器:示差屈折計
本発明における各成分の分子量測定は、単分散ポリスチレンの溶出曲線より各溶出時間に
おける分子量を算出し、ポリスチレン換算の分子量として算出したものである。
[ポリ乳酸樹脂のD体含有量の測定方法]
ポリ乳酸を0.3g秤量し、1N−水酸化カリウム/メタノール溶液6mLに加え、65℃にて充分撹拌した。次いで、硫酸450μLを加えて、65℃にて撹拌し、ポリ乳酸を分解させ、サンプルとして5mLを計り取った。このサンプルに純水3mL、および、塩化メチレン13mLを混合して振り混ぜた。静置分離後、下部の有機層を約1.5mL採取し、孔径0.45μmのHPLC用ディスクフィルターでろ過後、HewletPackard製HP−6890SeriesGCsystemを用いてガスクロマトグラフィー測定した。乳酸メチルエステルの全ピーク面積に占めるD−乳酸メチルエステルのピーク面積の割合(%)を算出し、これをポリ乳酸樹脂のD体含有量(モル%)とした。
[ポリ乳酸のラクチド含有量の測定方法]
ポリ乳酸250mgを、ジフェニルエーテル(DPE)25mlに溶解し、ジクロロメタン3mlを加えサンプルを完全に溶解させる。その後、N−ヘキサンを加えて定容し、その上澄み液約1.5mL採取した。孔径0.45μmのHPLC用ディスクフィルターでろ過後、ガスクロマトグラフを用いてポリ乳酸のラクチドの含有量を測定した。
ガスクロマトグラフ: GC−2014(株式会社島津製作所製)
カラム:SUPELCO SPB−5
[メルトマスフローレイトの測定方法]
JIS K7210に基づき200℃、49N荷重の条件により求めた。
[メタクリル酸メチル単位含有量の測定方法]
特開2001−141725号公報の実施例7の分析方法に基づいて、以下に示すように、アクリル系樹脂中のメタクリル酸メチル単位含有量を測定した。
アクリル系樹脂0.1023gとエタノール3.4613gをオートクレーブ(SUS316製、内容積9ml、圧力計付)に仕込み、サンドバスにて300℃まで昇温して反応を開始した。60分後オートクレーブを急冷し、室温に戻った後に反応液をオートクレーブから取り出した。反応液を濾過し、エタノールにより10mlに定容し、生成物として得られるアルコールを、ヒューレットパッカード社製ガスクロマトグラフ「HP5890」にJ&Wサイエンティフィク製「DB−WAX」型カラムを装着し、FID検出器を用いて検出した。検出されたアルコールを、検量線法を用いて定量し、メタクリル酸メチル単量体の含有量を算出した。
次に、本発明の樹脂組成物の混合方法を述べる。
実施例1〜11、比較例1〜10:(A)スチレン系樹脂、(B)ポリエステル系樹脂、(C)アクリル系樹脂、(D)カルボキシル基を有する構造単位を含む重合体、(E)ポリカルボジイミド、(F)オキサゾリン基含有ポリマー、(G)エポキシ化大豆油、及び(H)スチレン−メタクリル酸メチル共重合体を表2及び表3に示す配合量で、ヘンシェルミキサー(三井三池化工社製、FM20B)にて予備混合し、二軸押出機(東芝機械社製、TEM26SS)に供給して、シリンダー温度200℃、供給量30kg/hの条件にてストランドとし、水冷してからペレタイザーへ導きペレット化した。
Figure 2021195427
Figure 2021195427
表2の実施例より本発明の樹脂組成物は、耐薬品性、耐熱性及び耐衝撃性に優れることが分かる。また、表3の比較例より本発明の規定を満足しない樹脂組成物は耐薬品性、耐熱性又は耐衝撃性に劣ることが分かる。

Claims (9)

  1. (A)スチレン系樹脂30〜80質量部と(B)ポリエステル系樹脂20〜70質量部と(C)アクリル系樹脂と(D)重合体を含むスチレン系樹脂組成物であって、(D)重合体がカルボキシル基を有する構造単位を含むスチレン系樹脂組成物。
  2. (A)スチレン系樹脂がゴム変性ポリスチレンである請求項1に記載のスチレン系樹脂組成物。
  3. (B)ポリエステル系樹脂がポリ乳酸である請求項1または2に記載のスチレン系樹脂組成物。
  4. (C)アクリル系樹脂の重量平均分子量が150〜600万であることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載のスチレン系樹脂組成物。
  5. (C)アクリル系樹脂の構成単位が主としてメタクリル酸メチル単位からなり、その含有量が60質量%以上であることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載のスチレン系樹脂組成物。
  6. (D)重合体がスチレン−(メタ)アクリル酸共重合体である請求項1から5までのいずれか1項に記載のスチレン系樹脂組成物。
  7. (D)重合体のカルボキシル基を有する構造単位の含有量が0.5〜9.5質量%であることを特徴とする請求項1から6までのいずれか1項に記載のスチレン系樹脂組成物。
  8. 請求項1から7までのいずれか1項に記載のスチレン系樹脂組成物を主成分として含む樹脂組成物層を少なくとも1層含むシート。
  9. 請求項8に記載のシートを成形してなる食品包装用容器。






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