JP2005343946A - 熱可塑性樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 色調およびHR分散性、耐衝撃性と剛性との物性バランスなどに優れたゴム強化スチレン系樹脂組成物及びその効果的な製造方法を提供する。
【解決手段】 ビニル系単量体(a)を連続塊状重合してビニル系(共)重合体(A)を製造し、続いて溶融状態のビニル系(共)重合体(A)にグラフト共重合体(B)をサイドフィードし、溶融混合して熱可塑性樹脂組成物を連続的に製造する方法において、グラフト共重合体(B)フィード搬送部からグラフト共重合体(B)に対して水を別途0.01以上〜5重量%未満添加することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物の製造方法。.
【選択図】 なし

Description

本発明は色調および耐衝撃性と剛性との物性バランスなどに優れた熱可塑性樹脂組成物に関するものである。
ABSの製造方法として、ゴム成分を含まない樹脂を連続塊状重合法で製造し、脱モノマー工程の後半、樹脂が溶融状態にある時点で、ゴム成分を含有するグラフト共重合体をサイドフィードして混合することにより機械的強度に優れた熱可塑性樹脂組成物が得られることを特徴とした手法が開発された(特許文献1、2参照)。この手法では色調と耐衝撃性と剛性との物性バランスが不十分であり、十分なレベルに達していない。
脱水乾燥したゴム含有グラフト共重合体が0.1〜5%の水分率を含有し、脱モノマー工程から0.1〜5wt%の水を添加することを特徴とした樹脂組成物が提案されているが、この方法を樹脂組成物に適用する場合には、ゴム含有率が高いグラフト共重合体の混練をする際、ゴム成分の分散不良が発生するという欠点があり、まだ不十分であった(特許文献3参照)。
また、エネルギーロス低減を目的とした手法が開発され、ゴム含有グラフト共重合体に対し5〜60wt%の水分率を含有することを特徴とした樹脂組成物が提案されているが、押出脱水過程でのスリット排出不良が発生し、製造品に異物が混入するという欠点があり実運転には不向きであった(特許文献4、5参照)。
特開平7−29920号公報 特開平8−134298号公報 特開2001−219344号公報 特開平8−151499号公報 特開2000−178405号公報
本発明の目的は、上記した従来技術の欠点を解消し、ゴム成分分散性および色調との物性バランスなどに優れた、熱可塑性樹脂を提供することにある。
このような課題を解決する手段として、熱可塑性樹脂組成物について鋭意検討した結果、ビニル系単量体から特定の方法で得られた(共)重合体に、サイドフィードする脱水乾燥したゴム含有グラフト共重合体に、ゴム含有グラフト共重合体とともに、搬送部から水を連続的に添加する方法で、色調およびゴム成分分散性との物性バランスなどに優れた、熱可塑性樹脂組成物が得られることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、「ビニル系単量体(a)を連続塊状重合または連続溶液重合してビニル系(共)重合体(A)を製造し、続いて溶融状態のビニル系(共)重合体(A)にグラフト共重合体(B)をサイドフィードし、溶融混合して熱可塑性樹脂組成物を連続的に製造する方法において、グラフト共重合体(B)フィード搬送部からグラフト共重合体(B)に対して水を別途0.01〜5重量%添加することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物の製造方法。」である。
本発明によると、色調、HR分散性、耐衝撃性および剛性が物性バランス良く優れているゴム強化スチレン系樹脂組成物とすることができ、また、この透明樹脂組成物を効果的に製造することができる。
本発明における熱可塑性樹脂組成物は、1種以上のビニル系単量体混合物(a)を連続塊状重合せしめるプロセス中の溶融状態の(共)重合体(A)10〜95重量部に対して、ゴム質重合体(b)の存在下に1種以上のビニル系単量体混合物(c)をグラフト重合してなるグラフト共重合体(B)90〜5重量部を添加、混合してなることを特徴とする。
(共)重合体(A)を構成する1種以上のビニル系単量体混合物(a)の組成は特に制限は無いが、得られる熱可塑性樹脂の透明性の点から、(共)重合体(A)の屈折率が実質的にゴム質重合体(b)と合致するようにビニル系単量体混合物(a)の組成を調整することが好ましい。具体的な範囲としては、(共)重合体(A)とゴム質重合体(b)の屈折率の差を0.03以下、さらには0.01以下に押さえることが好ましい。
ビニル系単量体混合物(a)を構成する単量体成分は特に制限はないが、耐衝撃性と剛性との物性バランスの点から芳香族ビニル系単量体(ma1)5〜70重量%、シアン化ビニル系単量体(ma2)0〜35重量%、不飽和カルボン酸アルキルエステル系単量体(ma3)30〜95重量%およびこれらと共重合可能な他の単量体(ma4)0〜50重量%からなることが好ましく、さらに好ましくは芳香族ビニル系単量体(ma1)5〜55重量%、シアン化ビニル系単量体(ma2)0〜25重量%、不飽和カルボン酸アルキルエステル系単量体(ma3)45〜95重量%およびこれらと共重合可能な他の単量体(ma4)0〜40重量%である。
前記ビニル系単量体混合物(a)中の芳香族ビニル系単量体(ma1)としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、o−エチルスチレン、o−クロロスチレンおよびo,p−ジクロロスチレン等が挙げられるが、特にスチレン、α−メチルスチレンが好ましい。これらは1種または2種以上を用いることができる。
シアン化ビニル系単量体(ma2)としては、アクリロニトリル、メタアクリロニトリルおよびエタクリロニトリル等が挙げられるが、特にアクリロニトリルが好ましい。これらは1種または2種以上を用いることができる。
不飽和カルボン酸アルキルエステル系単量体(ma3)としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸クロロメチルおよび(メタ)アクリル酸2−クロロエチルなどが挙げられるが、特にメタクリル酸メチルが好ましい。これらは1種または2種以上を用いることができる。
また、他の単量体(ma4)としては、N−メチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド等のマレイミド化合物、アクリル酸、メタアクリル酸等の不飽和カルボン酸、マレイン酸等の不飽和ジカルボン酸、無水マレイン酸等の不飽和ジカルボン酸無水物およびアクリルアミド等の不飽和アミドなどが挙げられる。
前記ビニル系単量体混合物(a)中の芳香族ビニル系単量体(ma1)としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、o−エチルスチレン、o−クロロスチレンおよびo,p−ジクロロスチレン等が挙げられるが、特にスチレン、α−メチルスチレンが好ましい。これらは1種または2種以上を用いることができる。
本発明における(共)重合体(A)の極限粘度は特に制限はないが、0.05〜1.2dl/gが耐衝撃性および成形性のバランスの点から好ましく、さらには0.15〜0.8dl/gがより好ましい。
本発明においてビニル系単量体混合物(a)を連続塊状重合せしめ、(共)重合体(A)を得る工程における連続塊状重合方法には特に制限はなく、どのような連続塊状重合法も採用可能である。例えば、重合槽で重合した後、脱モノマー(脱揮)する方法などが知られている。重合槽としては、各種の撹拌翼、たとえばパドル翼、タービン翼、プロペラ翼、ブルマージン翼、多段翼、アンカー翼、マックスブレンド翼、ダブルヘリカル翼、などを有する混合タイプの重合槽、または各種の塔式の反応器などが使用できる。さらにまた、多管反応器、ニーダー式反応器、二軸押出機などを重合反応器として使用することもできる(例えば、高分子製造プロセスのアセスメント10「耐衝撃性ポリスチレンのアセスメント」:高分子学会、1989年1月26日など)。これら重合槽類(反応器)は、1基(槽)または、2基(槽)以上で使用され、また必要に応じて2種類以上の反応器を組み合わせても使用される。
これらの重合槽または反応器で重合した(共)重合体(A)の反応混合物は、通常、次に脱モノマー工程に供され、モノマーその他の揮発成分が除去される。脱モノマーの方法としては、ベントを有する一軸または二軸の押出機で加熱下常圧または減圧でベント穴より揮発成分を除去する方法、遠心型などのプレートフィン型加熱器をドラムに内蔵する蒸発器で揮発成分を除去する方法、遠心型などの薄膜蒸発器で揮発成分を除去する方法、多管式熱交換器を用いて余熱、発泡して真空槽へフラッシュして揮発成分を除去する方法などがあり、いずれの方法も使用できるが、特にベントを有する一軸または二軸の押出機が好ましく用いられる。
(共)重合体(A)の連続塊状重合は、開始剤を使用せずに熱重合することも、開始剤を用いて開始剤重合することも、さらに熱重合と開始剤重合を併用することも可能である。開始剤としては、過酸化物またはアゾ系化合物などが用いられる。
過酸化物の具体例としては、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカルボネート、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオクテート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3、3、5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートなどが挙げられる。なかでもクメンハイドロパーオキサイドおよび1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3、3、5−トリメチルシクロヘキサンが特に好ましく用いられる。アゾ系化合物の具体例として、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2,4ジメチルバレロニトリル)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル、2−シアノ−2−プロピルアゾホルムアミド、1,1′−アゾビスシクロヘキサン−1−カーボニトリル、アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2′−アゾビスイソブチレート、1−t−ブチルアゾ−1−シアノシクロヘキサン、2−t−ブチルアゾ−2−シアノブタン、2−t−ブチルアゾ−2−シアノ−4−メトキシ−4−メチルペンタンなどが挙げられる。これらの開始剤を使用する場合、1種または2種以上を併用して使用される。なかでも1,1′−アゾビスシクロヘキサン−1−カーボニトリルが特に好ましく用いられる。
本発明で用いる(共)重合体(A)の重合度調節を目的として、メルカプタン、テルペンなどの連鎖移動剤を使用することも可能であり、その具体例として、n−オクチルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、n−オクタデシルメルカプタン、テルピノレンなどが挙げられる。これらの連鎖移動剤を使用する場合、1種または2種以上を併用して使用される。なかでも特にn−オクチルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタンが好ましく用いられる。
本発明で用いる(共)重合体(A)は連続塊状重合法で製造されるのであるが、少量(例えば20%以下)の溶媒を使用して重合することも可能であり、本発明の範囲に含まれる。
本発明におけるグラフト共重合体(B)を構成するゴム質重合体(b)としては特に制限はないが、ジエン系ゴム、アクリル系ゴム、エチレン系ゴムなどが例示され、具体的には、ポリブタジエン、ポリ(ブタジエン−スチレン)、ポリ(ブタジエン−アクリロニトリル)、ポリイソプレン、ポリ(ブタジエン−アクリル酸ブチル)、ポリ(ブタジエン−アクリル酸メチル)、ポリ(ブタジエン−メタクリル酸メチル)、ポリ(ブタジエン−アクリル酸エチル)、エチレン−プロピレンラバー、エチレン−プロピレンージエンラバー、ポリ(エチレン−イソブチレン)、ポリ(エチレン−アクリル酸メチル)、ポリ(エチレン−アクリル酸メチル)などが挙げられる。これらのゴム質重合体は、1種または2種以上の混合物で使用される。なかでもポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合ゴムが耐衝撃性の点から特に好ましく用いられる。
前記ゴム質重合体(b)の重量平均粒子径は、得られる熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性、成形加工性、流動性、外観の点から0.1〜1.5μmであることが好ましく、さらに好ましくは0.15〜1.2μmである。
ビニル系単量体混合物(c)を構成する単量体成分は特に制限はないが、耐衝撃性と剛性との物性バランスの点から芳香族ビニル系単量体(mc1)5〜70重量%、シアン化ビニル系単量体(mc2)0〜35重量%、不飽和カルボン酸アルキルエステル系単量体(mc3)30〜95重量%およびこれらと共重合可能な他の単量体(mc4)0〜50重量%からなることが好ましく、さらに好ましくは芳香族ビニル系単量体(mc1)5〜55重量%、シアン化ビニル系単量体(mc2)0〜25重量%、不飽和カルボン酸アルキルエステル系単量体(mc3)45〜95重量%およびこれらと共重合可能な他の単量体(mc4)0〜40重量%である。ビニル系単量体混合物(c)を構成する単量体組成は、(共)重合体(A)を構成するビニル系単量体混合物(a)と同一であっても異なってもよい。
前記ビニル系単量体混合物(c)中の芳香族ビニル系単量体(mc1)としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、o−エチルスチレン、o−クロロスチレンおよびo,p−ジクロロスチレン等が挙げられるが、特にスチレン、α−メチルスチレンが好ましい。これらは1種または2種以上を用いることができる。
シアン化ビニル系単量体(mc2)としては、アクリロニトリル、メタアクリロニトリルおよびエタクリロニトリル等が挙げられるが、特にアクリロニトリルが好ましい。これらは1種または2種以上を用いることができる。
不飽和カルボン酸アルキルエステル系単量体(mc3)としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸クロロメチルおよび(メタ)アクリル酸2−クロロエチルなどが挙げられるが、特にメタクリル酸メチルが好ましい。これらは1種または2種以上を用いることができる。
また、他の単量体(mc4)としては、N−メチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド等のマレイミド化合物、アクリル酸、メタアクリル酸等の不飽和カルボン酸、マレイン酸等の不飽和ジカルボン酸、無水マレイン酸等の不飽和ジカルボン酸無水物およびアクリルアミド等の不飽和アミドなどが挙げられる。
本発明におけるグラフト共重合体(B)を構成するグラフト成分(d)の極限粘度は特に制限はないが、0.05〜1.2dl/gが耐衝撃性および成形性のバランスの点から好ましく、さらには0.1〜0.7dl/gがより好ましい。
本発明におけるグラフト共重合体(B)は、ゴム質重合体(b)の存在下に1種以上のビニル系単量体混合物(c)をグラフト重合してなるものであるが、ビニル系単量体混合物(c)全量がグラフトしている必要はなく、通常はグラフトしていない(共)重合体との混合物として得られたものを使用する。グラフト共重合体(B)のグラフト率に制限はないが、耐衝撃性の点から好ましくは5〜150重量%、より好ましくは10〜100重量%のものが使用される。
グラフト共重合体(B)中のゴム状重合体の割合は、得られる樹脂組成物の機械的強度、色調および成形性の観点から5〜80重量部であり、より好ましくは20〜70重量部である。
グラフト共重合体(B)の製造方法には制限ないが、好ましくは乳化重合法または塊状重合法で製造される。なかでも過度の熱履歴によるゴム成分の劣化、および着色を抑制するという点から、乳化重合法で製造されることが最も好ましい。通常乳化重合はゴム状重合体ラテックスの存在化に単量体混合物を乳化グラフト重合する。この乳化グラフト重合に用いられる乳化剤に特に制限はなく、各種の界面活性剤が使用できるが、カルボン酸塩型、硫酸エステル塩型、スルホン酸塩型などのアニオン系界面活性剤が特に好ましく使用される。このような乳化剤の具体例としては、カプリル酸塩、カプリン酸塩、ラウリル酸塩、ミスチリン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、オレイン酸塩、リノール酸塩、リノレン酸塩、ロジン酸塩、ベヘン酸塩、ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、その他高級アルコール硫酸エステル塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルジフェニールエーテルジスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩縮合物、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンラウリル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩などが挙げられる。ここでいう塩とはアルカリ金属塩、アンモニウム塩などであり、アルカリ金属塩の具体例としてはカリウム塩、ナトリウム塩、リチウム塩、などが挙げられる。これらの乳化剤は、1種または2種以上を併用して使用される。
また、これら乳化グラフト重合で使用可能な開始剤および連鎖移動剤としては、前記(共)重合体(A)の製造であげた開始剤および連鎖移動剤が挙げられ、開始剤はレドックス系でも使用される。
乳化グラフト重合で製造されたグラフト共重合体(B)は、次に凝固剤を添加してラテックスを凝固してグラフト共重合体(B)を回収する。凝固剤としては酸または水溶性塩が用いられ、その具体例として、硫酸、塩酸、リン酸、酢酸、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化バリウム、塩化アルミニウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウムアンモニウム、硫酸アルミニウムカリウム、硫酸アルミニウムナトリウムなどが挙げられる。これらの凝固剤は1種または2種以上の混合物で使用される。凝固したグラフト共重合体(B)はあらかじめ脱水・乾燥して、溶融状態にある(共)重合体(A)に添加することが工程における取り扱い性の点から好ましい。
また上述の通り、グラフト共重合体(B)は塊状重合法で製造することも可能である。塊状重合法で製造する場合は、脱モノマー機から出た溶融状態にあるグラフト共重合体(B)を直接(共)重合体(A)に添加することも可能であるし、また、予め単離したグラフト共重合体(B)を(共)重合体(A)に添加することも可能であるが、通常熱劣化防止および工程の連続化の点から脱モノマー機から出た溶融状態にあるグラフト共重合体(B)を直接添加することがより好ましい。
本発明では塊状重合プロセス中の溶融状態にある(共)重合体(A)にグラフト共重合体(B)を添加した後、混合する必要があり、それによって初めて色調、耐衝撃性などの優れた樹脂組成物が得られる。またその際、溶融状態にある(共)重合体(A)10〜95重量部にグラフト共重合体(B)を90〜5重量部を添加する必要があり、より好ましくは(共)重合体(A)30〜95重量部にグラフト共重合体(B)を70〜5重量部を添加した後混合する。このグラフト共重合体(B)の添加は連続的に行うのが好ましい。この際のグラフト共重合体(B)の添加は、(共)重合体(A)の塊状重合プロセスの脱モノマー工程中もしくは脱モノマー工程以降で残存モノマー量が10%以下、さらに好ましくは5%以下になった点で行うと、その後の脱モノマー操作中にゴム成分が熱履歴により劣化せず、本発明の特徴である色調、耐衝撃性などがさらに良好となるので特に好ましい。また本発明においては、(共)重合体(A)にグラフト共重合体(B)を添加した後の混合は、溶融混合することが耐衝撃性などの物性を十分に発現させるためにも好ましい。この溶融混合は添加混合時に行ってもあるいは混合物単離後、例えば溶融成形時に行ってもよい。
グラフト共重合体(B)の添加方法には特に制限はなく、任意の方法で添加することが可能である。通常、各種のフィーダー類、例えばベルト式フィーダー、スクリュー式フィーダー、単軸押出機、二軸押出機などを用い連続的に添加されるが、(共)重合体(A)の脱モノマー押出機に接続した単軸押出機および二軸押出機が特に好ましく用いられる。これら連続添加装置は定量できるものが好ましい。また、連続添加装置は加熱装置を有していてグラフト共重合体(B)を半溶融もしくは溶融状態で添加すると混合状態が良くなり好ましい。この目的には加熱装置を有している押出機などを使用することができる。脱水乾燥したグラフト共重合体(B)の水分率は貯蔵時の異常滞留や壁面での付着がみられない1重量%以下が望ましい。
本発明ではグラフト共重合体(B)に水を0.01〜5%添加することにより、色調、分散性、物性バランスを改善できることを最大の特徴とする。機構の詳細は不明であるが、水を添加することで、樹脂を冷却したり、押出機バレルからの焼けを防止したり、焼け劣化の原因である酸素を押し出すことができるため色調が改善すると考える。また、水を添加することで、グラフト共重合体(B)が(共)重合体(A)と混合する際に、水蒸気の体積膨張が発生し、分散性を向上するドライビングフォースになっていると考える。本発明では、添加装置に水を添加することもできるが、水の影響でホッパー内壁面にグラフト共重合体が付着するため、装置搬送部に水注入口を設けた方が好ましい。水注入口はサイドフィードする押出機スクリューやホッパー内コンパクターに直接水を添加できるように、注入ノズルを設置した方がよい。水の添加量は樹脂の酸化劣化原因である酸素を押し出すことができ、脱モノマー機ベントで全て留去される量が望ましい。水の添加量は多くすれば色調、HR分散性に効果が見られるが、ベント発泡汚れの問題から、グラフト共重合体(B)に対し0.01〜5wt%が好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物に、本発明の目的を損なわない範囲で塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチルテレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、各種エラストマー類を加えて成形用樹脂としての性能を改良することができる。また、必要に応じてヒンダードフェノール系、含硫黄有機化合物系、含リン有機化合物系等の酸化防止剤、フェノール系、アクリレート系等の熱安定剤、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリシレート系等の紫外線吸収剤、有機ニッケル系、ヒンダードアミン系等の光安定剤等の各種安定剤、高級脂肪酸の金属塩類、高級脂肪酸アミド類等の滑剤、フタル酸エステル類、リン酸エステル類等の可塑剤、ポリブロモジフェニルエーテル、テトラブロモビスフェノール−A、臭素化エポキシオリゴマー、臭素化ポリカーボネートオリゴマー等の含ハロゲン系化合物、リン系化合物、三酸化アンチモン等の難燃剤・難燃助剤、帯電防止剤、カーボンブラック、酸化チタン、顔料および染料等を添加することもできる。更に、ガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、炭素繊維、金属繊維等の補強剤や充填剤を添加することもできる。これら添加物の添加方法については特に制限はなく、グラフト共重合体(B)とともに連続的に添加することも可能であり、また(A)、(B)の混合物単離後に後工程として添加する等種々の方法を用いることができる。
本発明をさらに具体的に説明するため、以下に実施例および比較例を挙げて説明するが、これら実施例は本発明を何ら制限するものではない。なお、ここで特に断りのない限り「%」は重量%、「部」は重量部を示す。熱可塑性樹脂組成物の樹脂特性の分析方法を下記する。耐衝撃性、引張強度等の一般的な特性については、射出成形によりテストピースを成形し、下記試験法に準拠し測定した。
(1)ゴム質含有グラフト共重合体(B)のグラフト率
80℃で4時間真空乾燥を行ったゴム質含有グラフト共重合体(B)の所定量(m;約1g)にアセトン100mlを加え、70℃の湯浴中で3時間還流し、この溶液を8800r.p.m.(10000G)で40分間遠心分離した後、不溶分を濾過し、この不溶分を80℃で4時間真空乾燥し、重量(n)を測定した。グラフト率は下記式より算出した。ここでLはグラフト共重合体のゴム含有量である。
グラフト率(%)={[(n)−(m)×L]/[(m)×L]}×100
(2)ゴム質含有グラフト共重合体(B)の水分率
測定サンプルを精秤し、カールフィッシャー水分計を用いて測定した。
(3)共重合体(A)の還元粘度ηsp/c
測定サンプルをメチルエチルケトンに溶解し、0.4g/100mlメチルエチルケトン溶液として、ウベローデ粘度計を用い、30℃で還元粘度ηsp/cを測定した。
(4)ゴム質重合体(b)の屈折率
文献から、以下の値を用いた。共重合ゴムに関しては、FT−IR、粘弾性測定等による同定を行い、各共重合成分から下式により求めることができる。
ポリブタジエンの屈折率:1.516
=1.516MPB+1.594MPS+1.516MPA ・・・(式2)
但し、式中の値は以下の通り。
:共重合ゴムの屈折率、 M:ブタジエン含量(wt%)、 M:スチレン含量(wt%)、 M:アクリロニトリル含量(wt%)
(5)樹脂組成物の色調(YI値)
JIS K7103に準拠して測定した。
(6)樹脂組成物の透明性(全光線透過率、ヘイズ値)
80℃熱風乾燥機中で3時間乾燥した樹脂組成物のペレットを、シリンダー温度250℃に設定した東芝(株)製IS50A成形機内に充填し、即時に成形した角板成形品(厚さ3mm)の全光線透過率、ヘイズ値[%]を東洋精機(株)製直読ヘイズメーターを使用して測定した。
(7)樹脂組成物のアイゾット衝撃強度
ASTM D256(23℃,Vノッチ付き)により測定した。
(8)樹脂組成物の引張強度
ASTM 638に準拠して測定した。
(9)HR分散性レベル
80℃熱風乾燥機中で3時間乾燥した樹脂組成物のペレットを、210℃に設定したプレス機を用いて厚さ1mm以下のフィルム状にして、ゴム成分の分散性を評価した。
(10)残モノマ量
測定サンプル2g50mlアセトンに溶解サンプルを島津(株)製GC−17Aガスクロマトグラフィーを用いて測定した。
(11)ブリード量
80℃熱風乾燥機中で3時間乾燥した樹脂組成物のペレットを15g秤量し、270℃に設定したホットプレートにサンプルを、上部にサンプルと接触しないように金属板を置き、10分後、金属に付着したブリード量を秤量した。
(12)揮発分量
80℃熱風乾燥機中で3時間乾燥した樹脂組成物ペレット3gを秤量し、180℃、3時間ギアオーブンで熱したときの重量変化から揮発分量を求めた。
(参考例)
(B)グラフト共重合体
B−1:ポリブタジエンラテックス(ゴム粒子径0.3μm、ゲル含率85%)50部(固形分換算)、純水200部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.4部、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム0.1部、硫酸第一鉄(0.01部)およびリン酸ナトリウム0.1部を反応容器に仕込み、窒素置換後65℃に温調し、撹拌下スチレン11.5部、アクリロニトリル4.0部、メタクリル酸メチル34.5部およびn−ドデシルメルカプタン0.3部の混合物を4時間かけて連続滴下した。同時に並行してクメンハイドロパーオキサイド0.25部、乳化剤であるラウリン酸ナトリウム2.5部および純水25部の混合物を5時間かけて連続滴下し、滴下終了後さらに1時間保持して重合を終了させた。
重合を終了したラテックスを1.5%硫酸で凝固し、次いで水酸化ナトリウムで中和、洗浄、遠心分離、乾燥して、パウダー状のグラフト共重合体を調整した。グラフト特性およびグラフト成分の屈折率は表3に示したとおりであった。
B−2:脱水乾燥後の水分率の他はB−1と同様にして、表3に示したグラフト共重合体を製造した。
B−3:ポリブタジエンラテックス(ゴム粒子径0.3μm、ゲル含率85%)60部(固形分換算)、純水200部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.4部、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム0.1部、硫酸第一鉄(0.01部)およびリン酸ナトリウム0.1部を反応容器に仕込み、窒素置換後65℃に温調し、撹拌下スチレン29.2部、アクリロニトリル10.8部およびn−ドデシルメルカプタン0.2部の混合物を4時間かけて連続滴下した。同時に並行してクメンハイドロパーオキサイド0.22部、乳化剤であるラウリン酸ナトリウム1.5部および純水25部の混合物を5時間かけて連続滴下し、滴下終了後さらに1時間保持して重合を終了させた。
重合を終了したラテックスを1.5%硫酸で凝固し、次いで水酸化ナトリウムで中和、洗浄、遠心分離、乾燥して、パウダー状のグラフト共重合体を調整した。グラフト特性は表3に示したとおりであった。
[実施例1]
単量体蒸気の蒸発還流用コンデンサーおよびヘリカルリボン翼を有する2mの完全混合型重合槽と、単軸押出機型予熱機と、図1に示した58mmφ2軸押出機型脱モノマー機および脱モノマー機のバレルNo.6部にタンデムに接続した加熱装置を有する48mmφ2軸押出機型フィーダーとからなる連続式塊状重合装置を用いて、重合及び樹脂混合を実施した。脱モノマー機のバレル温度は180℃、サイドフィーダーのバレル温度は180℃に設定した。
まず、スチレン23.0部、アクリロニトリル8.0部、メタクリル酸メチル69.0部、n−オクチルメルカプタン0.15部およびジ−t−ブチルパーオキサイド0.01部からなる単量体混合物を、液量1000kgの重合槽に250kg/時で連続的に供給し、重合温度130℃、槽内圧0.08MPaに保って連続塊状重合させた。重合槽出における重合反応混合物の重合率は74〜76%の間に制御した。
重合反応混合物は単軸押出機型予熱機で予熱された後、2軸押出機型脱モノマー機により未反応の単量体をベント口より減圧蒸発回収し、回収した未反応単量体は連続的に重合槽へ還流させた。脱モノマー機バレルNo.6で見掛け上の重合率が99%以上に上昇したスチレン/アクリロニトリル/メタクリル酸メチル共重合体に、加熱装置を有した2軸押出機型フィーダーにより、フェノール系安定剤であるt−ブチルヒドロキシトルエン0.225kg/時、リン系の安定剤であるトリ(ノニルフェニル)ホスファイト0.225kg/時、及び、参考例で製造したグラフト共重合体(B−1)105kg/時と水を50g/時を供給した。この水およびその他の揮発分は、脱モノマー機の下流に設置したベント口より減圧蒸発させて除去した。その後溶融ポリマーをストランド状に吐出させカッターにより樹脂組成物ペレットを得た。樹脂特性評価結果を表3に示す。
[実施例2]
表2に示した水添加量以外は実施例1と同様にして樹脂組成物ペレットを得た。樹脂特性評価結果を表3に示す。
[実施例3]
表2に示した水添加量以外は実施例1と同様にして樹脂組成物ペレットを得た。樹脂特性評価結果を表3に示す。
[実施例4]
加熱した2軸押出機型フィーダーより、参考例で製造したグラフト共重合体(B−2)を添加した以外は実施例2と同様にして樹脂組成物ペレットを得た。樹脂特性評価結果を表3に示す。
[実施例5]
実施例1と同様の連続式塊状重合装置を用いて、重合及び樹脂混合を実施した。
まず、スチレン72.0部、アクリロニトリル28.0部、n−オクチルメルカプタン0.30部およびジ−t−ブチルパーオキサイド0.01部からなる単量体混合物を、250kg/時で重合槽に連続的に供給し、重合温度130℃、槽内圧0.08MPaに保って連続塊状重合させた。重合槽出における重合反応混合物の重合率は74〜76%の間に制御した。
重合反応混合物は単軸押出機型予熱機で予熱された後、2軸押出機型脱モノマー機により未反応の単量体をベント口より減圧蒸発回収し、回収した未反応単量体は連続的に重合槽へ還流させた。脱モノマー機バレルNo.6で見掛け上の重合率が99%以上に上昇したスチレン/アクリロニトリル共重合体に、加熱装置を有した2軸押出機型フィーダーにより、参考例で製造したグラフト共重合体(B−3)92.4kg/時と水を9g/時を供給した。この水およびその他の揮発分は、脱モノマー機の下流に設置したベント口より減圧蒸発させて除去した。その後溶融ポリマーをストランド状に吐出させカッターにより樹脂組成物ペレットを得た。樹脂特性評価結果を表3に示す。
[比較例1]
グラフト共重合体と同時に水添加を実施しなかったこと以外は実施例1と同様にして樹脂組成物ペレットを得た。樹脂特性評価結果を表3に示す。
[比較例2]
グラフト共重合体と同時に水添加を実施しなかったこと以外は実施例5と同様にして樹脂組成物ペレットを得た。樹脂特性評価結果を表3に示す。
実施例1〜5のとおり、本発明で特定したゴム強化スチレン系透明樹脂組成物は、色調、HR分散性において物性バランスが良く、優れたものであった。水の注入量を増やすとその効果は顕著に現れており、製造物への異物混入も見受けられなかった。更に実施例3の通り水を多く入れるとベント発泡汚れが確認され、製品異物となる可能性が見られた。
比較例1、2で得られた樹脂組成物は、色調、HR分散性が悪かった。
Figure 2005343946
Figure 2005343946
Figure 2005343946
本発明法を実施するための装置の一実施態様を示す装置概略図である。
符号の説明
1:ベント口 2:ベント口 3:ベント口
4:サイドフィーダー 5:水注入口 6:コンパクター
7:ホッパー 8:吐出口 9:脱モノマー機
10:バレル1 11:バレル2 12:バレル3
13:バレル4 14:バレル5 15:バレル6
16:バレル7 17:バレル8 18:バレル9

Claims (9)

  1. ビニル系単量体(a)を連続塊状重合または連続溶液重合してビニル系(共)重合体(A)を製造し、続いて溶融状態のビニル系(共)重合体(A)に予め脱水乾燥させたグラフト共重合体(B)をサイドフィードし、溶融混合して熱可塑性樹脂組成物を連続的に製造する方法において、グラフト共重合体(B)フィード搬送部から水をグラフト共重合体(B)に添加することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  2. グラフト共重合体(B)フィード搬送部から水をグラフト共重合体(B)に対して0.01〜5重量%添加することを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  3. 工程に供給される時のグラフト共重合体(B)の水分率が1重量%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  4. 溶融混合装置部分に供給される時のグラフト共重合体(B)が半溶融もしくは溶融状態である請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  5. グラフト共重合体(B)がゴム質重合体(b)の存在下にビニル系単量体(c)をグラフト重合してなる共重合体であり、溶融混合して得られる熱可塑性樹脂組成物はビニル系(共)重合体(A)10〜95重量部とグラフト共重合体(B)90〜5重量部の組成からなり、かつ、ビニル系単量体(a)を連続塊状重合して得られた溶融状態のビニル系(共)重合体(A)に対し、グラフト共重合体(B)を添加し溶融混合する請求項1〜4のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  6. グラフト共重合体(B)が添加される時のビニル系(共)重合体(A)の未反応単量体量が10重量%以下である請求項1〜5のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  7. ビニル系単量体(a)を連続塊状重合させ続いて脱モノマーを行うビニル系(共)重合体(A)の製造工程において、脱モノマー工程途中もしくは脱モノマー工程の後のビニル系(共)重合体(A)に対し、グラフト共重合体(B)を添加し溶融混合する請求項1〜6のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  8. ビニル系(共)重合体(A)が、芳香族ビニル系単量体(a1)45〜
    85重量%、不飽和カルボン酸アルキルエステル系単量体(a2)0〜30重量%、シア
    ン化ビニル系単量体(a3)15〜50重量%およびこれらと共重合可能な他の単量体
    (a4)0〜35重量%からなるビニル系単量体混合物(a′)を連続塊状重合してなる
    ビニル系共重合体(A′)であり、かつ、グラフト共重合体(B)が、ゴム質重合体
    (b)の存在下に、芳香族ビニル系単量体(c1)45〜85重量%、不飽和カルボン酸
    アルキルエステル系単量体(c2)0〜30重量%、シアン化ビニル系単量体(c3)
    15〜50重量%およびこれらと共重合可能な他の単量体(c4)0〜35重量%からな
    るビニル系単量体混合物(c′)をグラフト重合してなるグラフト共重合体(B′)であ
    る請求項5〜7のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  9. ビニル系(共)重合体(A)が、芳香族ビニル系単量体(a1)5〜
    70重量%、不飽和カルボン酸アルキルエステル系単量体(a2)30〜95重量%、シ
    アン化ビニル系単量体(a3)0〜35重量%およびこれらと共重合可能な他の単量体
    (a4)0〜50重量%からなるビニル系単量体混合物(a″)を連続塊状重合してなる
    ビニル系共重合体(A″)であり、かつ、グラフト共重合体(B)が、ゴム質重合体
    (b)の存在下に、芳香族ビニル系単量体(c1)5〜70重量%、不飽和カルボン酸ア
    ルキルエステル系単量体(c2)30〜95重量%、シアン化ビニル系単量体(c3)
    0〜35重量%およびこれらと共重合可能な他の単量体(c4)0〜50重量%からなる
    ビニル系単量体混合物(c″)をグラフト重合してなるグラフト共重合体(B″)である
    請求項5〜7のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
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