JP2015030054A - 刃型 - Google Patents

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Abstract

【課題】ハーフカット加工と全抜き加工とを同時に精度高く行うことができるゼンマイ刃タイプの刃型を提供する。【解決手段】刃型は、全抜き刃と、ハーフカット刃と、全抜き刃及びハーフカット刃の根元を固定するための刃固定部とを備え、刃固定部は互いに重畳及び固着されたベース材と裏板とを有しており、全抜き刃は、ベース材に形成された全抜き刃貫通溝を貫通すると共に裏板に形成された全抜き刃高調整溝に嵌入され全抜き刃高調整溝の溝底面に支持されており、ハーフカット刃は、ベース材に形成されたハーフカット刃貫通溝を貫通すると共に裏板に形成されたハーフカット刃高調整溝に嵌入されハーフカット刃高調整溝の溝底面に支持されており、全抜き刃がシート状基材を厚さ方向に打ち抜く際に、ハーフカット刃がシート状基材の一部深さまでハーフカットするように、全抜き刃高調整溝の溝底面までの掘込み深さとハーフカット刃高調整溝の溝底面までの掘込み深さが調整されている。【選択図】図5

Description

本発明は、紙やフィルム状のシート状基材を打ち抜くために用いられる刃型に関する。
例えば、シール、ラベル又はステッカー等の印刷物を製造する際には、紙やフィルム等のシート状基材に印刷を施した後、この印刷済みのシート状基材を平圧機等に取り付けたゼンマイ刃等の刃型で所望の形状に打ち抜く、打ち抜き加工が行われる。シート状基材は、主に上層のシール材と下層の剥離材とが積層されたものであるところ、上述の打ち抜き加工としては、シート状基材の上層及び下層をまとめて厚さ方向に打ち抜く全抜き加工と、上層のシール材のみを打ち抜き、下層の剥離材は打ち抜きしないハーフカット(半抜き)加工とがある。
このうち、目的たるシール部を剥がし易くするために、全抜き加工されたシート状基材の内周にハーフカット加工が施されたシール等が製造されている。このように全抜き加工及びハーフカット加工が施されたシール等は、一般的には、ハーフカット用の刃型を用いてシート状基材にハーフカット加工を施した後、刃型を全抜き用の刃型に取り換え、ハーフカット加工されたシート状基材について全抜き加工を施すことにより製造される。
しかしながら、上述の製造方法では、ハーフカット加工と全抜き加工とが別個の工程で行われるため、刃型の交換やフルカット位置の調整等に時間がかかると共にハーフカット位置と全抜き位置とにずれが生じやすい等の問題がある。そのため、ハーフカット加工と全抜き加工とを別個の工程ではなく、ひとつの工程で同時に行うことが求められている。
そこで、特許文献1には、ハーフカット加工と全抜き加工とをひとつの工程で同時に行うために、所定の刃物角度及び刃先厚さを有する半切り刃と全切り刃とを同一抜き型に設けたことが記載されている。そして、この半切り刃及び全切り刃は、所定の刃物角度及び刃先厚さに成形するために、寸法精度の高い削り出しやエッチングによって形成されることが記載されている。
特開2003−25287号公報
特許文献1に記載の抜き型は、削り出しにより形成された彫刻刃又はエッチングにより形成されたエッチング刃である。これら彫刻刃又はエッチング刃は、刃型の製作に時間がかかるためにコストが高い、刃が摩耗しても刃の交換ができない等の問題があった。
他方、シール用刃型の種類としては、彫刻刃又はエッチング刃の他に、ゼンマイ刃がある。ゼンマイ刃は帯状の鋼板からなる刃を所望の形状に曲げて形成し、その刃をアクリル樹脂等からなるベース材に埋め込みすることにより製作される。そのため、刃型の製作が容易で低コストであり、刃が摩耗した場合には刃を交換することができるという利点がある。それゆえ、ゼンマイ刃においても、同一刃型にハーフカット刃と全切り刃を設けたものが製造されており、その際には、刃高さが異なる刃を用いて、ハーフカット刃と全切り刃としている。
しかしながら、ゼンマイ刃タイプの刃型は、その構造上、一般的に、抜きムラが発生しやすい。そのため、シート状基材を全抜きすると同時にシール材のみを均一にハーフカットすることは非常に困難であった。
さらに、ゼンマイ刃に用いられる帯状の刃の根元から刃先にかけての高さ(刃高さ)は通常7〜10mmであり、その刃高さの種類としては、0.1mm刻みのものしか市場に流通していない。そのため、全抜き刃として、例えば8mmの刃高さのものを選択すれば、ハーフカット刃としては、7.9mm以下の高さの刃を0.1mm刻みでしか選択することができない。そのため、ハーフカット対象である、シート状基材の下層の剥離材の厚みが0.1mm(100ミクロン)より小さい場合には、ハーフカットすることができなかった。
本発明は上述した点に鑑み案出されたもので、その目的は、ハーフカット加工と全抜き加工とを同時に精度高く行うことができるゼンマイ刃タイプの刃型を提供することにある。
本発明の他の目的は、打ち抜き対象のシート状基材の厚み(特に、下層の剥離材の厚み)が薄い場合においても、既存の流通しているゼンマイ刃用の刃を用いて、ハーフカット加工と全抜き加工とを同時に精度高く行うことができるゼンマイ刃タイプの刃型を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の刃型は、全抜き刃と、ハーフカット刃と、この全抜き刃及びハーフカット刃の根元を固定するための刃固定部とを備え、刃固定部は互いに重畳及び固着されたベース材と裏板とを有しており、全抜き刃は、ベース材に形成された全抜き刃貫通溝を貫通すると共に裏板に形成された全抜き刃高調整溝に嵌入され全抜き刃高調整溝の溝底面に支持されており、ハーフカット刃は、ベース材に形成されたハーフカット刃貫通溝を貫通すると共に裏板に形成されたハーフカット刃高調整溝に嵌入されハーフカット刃高調整溝の溝底面に支持されており、全抜き刃がシート状基材を厚さ方向に打ち抜く際に、ハーフカット刃がシート状基材の一部深さまでハーフカットするように、全抜き刃高調整溝の溝底面までの掘込み深さとハーフカット刃高調整溝の溝底面までの掘込み深さが調整されている。
本発明の刃型は、主に全抜き刃と、ハーフカット刃と、これらの刃を固定支持する刃固定部とから構成されている。この刃固定部はベース材と裏板とが互いに重畳及び固着されたものである。このベース材には全抜き刃貫通溝及びハーフカット刃貫通溝がそれぞれ設けられており、全抜き刃及びハーフカット刃は、それらの根元側が上述の刃貫通溝をそれぞれ貫通することにより、ベース材に固定される。さらに、ベース材を貫通した全抜き刃及びハーフカット刃は、裏板に設けられた全抜き刃高調整溝及びハーフカット刃高調整溝にそれぞれ嵌入することにより、それら溝の底面に支持されると共に、全抜き刃及びハーフカット刃のベース材表面からの刃の突出高さが調整される。ここで、これらの刃のベース材表面からの突出高さの調整は、裏板に形成される全抜き刃高調整溝及びハーフカット刃高調整溝の溝底面までの掘り込み深さの調整により行われる。すなわち、全抜き刃がシート状基材を厚さ方向に打ち抜く際に、ハーフカット刃がシート状基材の一部深さまでハーフカットするように、全抜き刃高調整溝の溝底面までの掘込み深さとハーフカット刃高調整溝の溝底面までの掘込み深さが調整されている。このように、従来では補強板として使用されている裏板に全抜き刃高調整溝及びハーフカット刃高調整溝を設け、これらの刃高調整溝の溝底面までの掘り込み深さを適宜調整することによって、ベース材表面から突出する全抜き刃及びハーフカット刃の突出高さを所望の値とすることができる。これにより、従来技術では、シート状基材において、ハーフカット加工時に切断しない部材の厚みが0.1mm(100ミクロン)より小さい場合には、全抜き加工と同時にハーフカット加工することが困難であるが、切断しない部材の厚みが100ミクロンより薄い材料であっても、全抜き加工と同時にハーフカット加工することができるようになる。同様に、押圧されていない通常の状態では、切断しない部材の厚みが100ミクロン以上であるが、ハーフカット刃に押圧されることにより当該部材の厚みが減少して100ミクロンより小さくなるような材料についても、全抜き加工と同時にハーフカット加工することができるようになる。
さらに、本発明の刃型では、裏板に全抜き刃及びハーフカット刃の両方について精度良く掘り込みした刃高調整溝を設け、その溝の底面で全抜き刃及びハーフカット刃を支持している。これにより、裏板の表面等に生じている板厚ムラに影響されずに、ベース材表面から突出する全抜き刃及びハーフカット刃の突出高さを精度良く所望の値に調整することができる。
また、本発明の刃型は、シート状基材が少なくともシール材及び剥離材が積層されてなり、全抜き刃がシート状基材を厚さ方向に打ち抜く際に、ハーフカット刃がシート状基材のうちのシール材のみを打ち抜くように、全抜き刃高調整溝の掘込み深さとハーフカット刃高調整溝の掘込み深さとは、全抜き刃の刃高さからハーフカット刃の刃高さを差し引いた値に、ハーフカット刃高調整溝の掘込み深さから全抜き刃高調整溝の掘込み深さを差し引いた値を足した値が、剥離材の厚み以下の値となるように調整されていることも好ましい。
本発明の刃型で加工されるシート状基材として、少なくともシール材及び剥離材が積層されたものが選択される。また、上述したように、全抜き刃及びハーフカット刃のベース材表面からの突出高さの調整は、裏板に形成される全抜き刃高調整溝及びハーフカット刃高調整溝の溝底面までの掘り込み深さの調整により行われる。すなわち、全抜き刃がシート状基材を厚さ方向に打ち抜く際に、ハーフカット刃がシール材のみを打ち抜くように、全抜き刃高調整溝の掘込み深さとハーフカット刃高調整溝の掘込み深さとが調整されている。具体的にこれらの掘り込み深さは、全抜き刃の刃高さからハーフカット刃の刃高さを差し引いた値に、ハーフカット刃高調整溝の掘込み深さの値から全抜き刃高調整溝の掘込み深さの値を差し引いた値を足した値が、実質的に剥離材の厚み以下の値となるように調整されている。これにより、従来技術であれば、シート状基材において、少なくとも剥離材の厚みが100ミクロンより小さい場合には、全抜き加工と同時にハーフカット加工することが困難であるが、剥離材の厚みが100ミクロンより薄い場合においても、全抜き加工と同時にハーフカット加工することができる。なお、本明細書において、全抜き刃やハーフカット刃の刃高さとは、刃の根元から刃先にかけての距離のことをいう。
また、剥離材の厚み以下の値とは、ハーフカット刃がシート状基材のうちのシール材のみを打ち抜く際に、ハーフカット刃で押圧された際の剥離材の厚みの値であることも好ましい。これにより、押圧されていない通常の状態では剥離材の厚みが100ミクロン以上であるが、ハーフカット加工時にハーフカット刃に押圧されることにより、剥離材の厚みが減少して100ミクロンより小さくなるような剥離材を有するシート状基材であっても、全抜き加工と同時にハーフカット加工することができるようになる。
そして、本発明の刃型は、全抜き刃の刃高さとハーフカット刃の刃高さとは略同じであることも好ましい。
本発明の刃型に使用される全抜き刃及びハーフカット刃として、刃高さが略同じものが選択されることが望ましい。この場合、上述したように、全抜き刃及びハーフカット刃のベース材表面からの突出高さの調整は、裏板に形成される全抜き刃高調整溝及びハーフカット刃高調整溝の溝底面までの掘り込み深さの調整により行われる。具体的にこれらの掘り込み深さは、ハーフカット刃高調整溝の掘込み深さの値から、全抜き刃高調整溝の掘込み深さの値を差し引いた値が、実質的に剥離材の厚み以下の値となるように調整される。これにより、従来では、刃高さの異なる2種類の刃を用いて刃型を作成しなければならなかったところ、1種類の刃を用いて全抜き刃及びハーフカット刃とすることができるため、刃型を構成する資材を減らすことができる。もちろん、全抜き刃の刃高さとハーフカット刃の刃高さとが互いに異なっていても良い。
本発明によれば、以下のような優れた効果を有する刃型を提供することができる。
(1)ベース材表面から突出する全抜き刃及びハーフカット刃の突出高さを所望の値とすることができる。
(2)シート状基材において、ハーフカット加工時に切断しない部材の厚みが100ミクロンより薄い場合においても、全抜き加工と同時にハーフカット加工することができる。また、押圧されていない通常の状態では、切断しない部材の厚みが100ミクロン以上であるが、ハーフカット刃に押圧されることにより当該部材の厚みが減少して100ミクロンより小さくなるような材料についても、全抜き加工と同時にハーフカット加工することができる。
(3)裏板の表面に生じている板厚ムラに影響されずに、ベース材表面から突出する全抜き刃及びハーフカット刃の突出高さを精度良く所望の値とすることができる。
(4)少なくともシール材及び剥離材からなるシート状基材において、剥離材の厚みが100ミクロンより薄い場合においても、全抜き加工と同時にハーフカット加工することができる。また、押圧されていない通常の状態では剥離材の厚みが100ミクロン以上であるが、ハーフカット加工時にハーフカット刃に押圧されることにより、剥離材の厚みが減少して100ミクロンより小さくなるような場合であっても、全抜き加工と同時にハーフカット加工することができる。
(5)1種類の刃高さの刃を用いて全抜き刃及びハーフカット刃を形成できるため、刃型を構成する資材を減らすことができる。
本発明の第1の実施形態に係る刃型の分解斜視図である。 図1に示す刃型の斜視図である。 図2に示すА−A線に沿う断面図である。 図3に示す断面図において、全抜き刃及びハーフカット刃を取り外した状態を示す図である。 図3に示す刃型の使用状態を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る刃型の断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る刃型の斜視図である。 図7に示すB−B線に沿う断面図において、刃型の使用状態を示す図である。
以下、図1〜図5を参照しつつ本発明の第1の実施形態に係る刃型1について説明する。なお、図3〜図5については、図1及び図2と上下が逆に表示されており、また、理解を容易にするために構成する部材の縮尺を変化させて表示されている。
図1〜図4に示すように、本実施形態に係る刃型1は、全抜き刃5及びハーフカット刃6と、これらの刃を固定する刃固定部2とから概略形成されている。この刃固定部2は、ベース材3と裏板4とが互いに重畳及び固着されて構成されている。このベース材3には、全抜き刃5を貫通固定させるための全抜き刃貫通溝(全抜き刃用スリット)30及び、ハーフカット刃6を貫通固定させるためのハーフカット刃貫通溝(ハーフカット刃用スリット)31がそれぞれ設けられている。また、裏板には、ベース材3を貫通した全抜き刃5及びハーフカット刃6の根元側を嵌入させその溝底面で支持すると共に、全抜き刃5及びハーフカット刃6のベース材3の表面からの突出高さを調整するための全抜き刃高調整溝40及びハーフカット刃高調整溝41がそれぞれ設けられている。このベース材3と裏板4はそれぞれ四隅に4つのビス孔32、42を備えており、ビス7によってベース材3と裏板4とが互いに重畳状態で取り外し可能に固着されている。
図1〜図2を参照しつつ、刃型1に埋め込まれている全抜き刃5及びハーフカット刃6について説明する。この全抜き刃5及びハーフカット刃6は、帯状の薄い鋼板からなり、短手方向の一端側に刃先を有する刃材料を所望の形状に曲げることにより形成される。本実施形態においては、図1〜図2に示すように、全抜き刃5及びハーフカット刃6は、その上面から見た平面形状が互いに異なる大きさの矩形形状となるように、4隅がそれぞれ折り曲げられて形成されている。
全抜き刃5及びハーフカット刃6の刃高さ、すなわち、刃の根元から刃先にかけての距離は、特に限定されないが、使用される刃固定部2の厚みとの関係から、6〜20mmのものが好適に用いられる。このとき、後述するように、全抜き刃5及びハーフカット刃6のベース材3の表面からの刃の突出高さは、全抜き刃高調整溝40及びハーフカット刃高調整溝41の溝底面までの掘り込み深さによって調整可能であるため、全抜き刃5とハーフカット刃6とは、同一の刃高さの刃材料を使用することが可能である。これにより、従来では、例えば、全抜き刃として刃高8.0mm、ハーフカット刃として刃高7.9mmの刃材料が使用されるといったように、2つの刃高さの刃材料が使用されていたが、本実施形態においては、1つの刃高さの刃材料で全抜き刃5及びハーフカット刃6の両方を形成することが可能である。
なお、全抜き刃5とハーフカット刃6とは、同一刃高さの刃材料に限られず、従来通り異なる刃高さの刃材料を使用することも可能である。例えば、同じ刃高さの刃材料を使用した場合において、ハーフカット加工時に切断しない剥離材等の部材の厚みが比較的厚く、ハーフカット刃高調整溝41を裏板4に深く掘り込む必要があるような場合には、ハーフカット刃6を形成する際に短い刃高さの刃材料を選択することが好ましい。
次に、図1〜図5を参照しつつ、上述の全抜き刃5及びハーフカット刃6を固定支持する刃固定部2について詳細に説明する。刃固定部2は、これらの図1〜図4に示すとおり、ベース材3と裏板4とが互いに重畳状態で固着されて構成されている。まず、ベース材3について以下説明する。
図3に示すように、ベース材3はその表面から全抜き刃5及びハーフカット刃6の刃先を突出させた状態でこれら全抜き刃5及びハーフカット刃6を貫通させている。すなわち、図1及び図4に示すように、ベース材3には、ベース材3の厚さ方向に貫通する全抜き刃貫通溝(全抜き刃用スリット)30とハーフカット刃貫通溝(ハーフカット刃用スリット)31とがそれぞれ形成されている。これらの貫通溝30及び31は、全抜き刃5又はハーフカット刃6の平面形状と対応した平面形状となるようにそれぞれ形成されており、全抜き刃5は全抜き刃貫通溝30に、ハーフカット刃6はハーフカット刃貫通溝31にそれぞれ貫通可能なように形成されている。全抜き刃貫通溝30は、貫通した全抜き刃5が容易に抜け落ちない程度の溝幅で形成されており、ハーフカット刃貫通溝31も同様に、貫通させたハーフカット刃6が容易に抜け落ちない程度の溝幅で形成されている。具体的には、貫通させる全抜き刃5又はハーフカット刃6の厚みと同程度の溝幅で形成されることが好ましい。他方、これら貫通溝30及び31の溝幅を貫通させる刃の厚みよりも大きめに形成しておき、刃型1を組み立てた後にこれらの貫通溝内に接着材等を注ぎ、貫通させた全抜き刃5又はハーフカット刃6を固定することも可能である。これらの貫通溝30及び31は、一般的なレーザー加工等によりベース材3を溝切りすることにより形成することができる。
ベース材3の材料としては、樹脂材料、金属材料又は木材などが用いられ、特に限定されないが、溝切り等の加工のし易さ及び機械的特性の観点等から、アクリル樹脂、ABS樹脂、PET樹脂、アルミニウム板、鉄板又は合板などが好適に用いられる。ベース材3は、単一の材料で構成されていてもよいが、異なる複数の材料が積層されて構成されていてもよい。また、ベース材3は単一の材料の複数の板材から構成されていてもよく、例えば、ベース材3の材料として金属材料を選択した場合には、アクリル樹脂等の樹脂材料に比べ、全抜き刃貫通溝30等の形成のための溝切り加工が困難な場合があるところ、薄い金属板で溝切り等の加工を行い、加工後の金属板を複数枚積層させてベース材3とすることも可能である。
ベース材3の厚みとしては、ベース材3に設けられた貫通溝30及び31を貫通する全抜き刃5及びハーフカット刃6を固定支持できる程度の厚みであればよく、特に限定されないが、ベース材3からこれらの刃が抜け落ちずに固定支持する観点から、全抜き刃5の刃高さH5又はハーフカット刃6の刃高さH6の約1/3以上の長さに相当する厚みであることが好ましく、全抜き刃5の刃高さH5又はハーフカット刃6の刃高さH6の約半分程度の長さに相当する厚みであることが特に好ましい。本実施形態においては、全抜き刃5の刃高さH5及びハーフカット刃6の刃高さH6はいずれも8mmであり、ベース材3は厚み4mmのアクリル樹脂を用いている。すなわち、全抜き刃5及びハーフカット刃6の刃高さのうち、その半分の長さがベース材3を貫通している部分となっている。
次に、裏板4について説明する。従来の刃型では、裏板は全抜き刃等の刃材を固定するベース材を補強する補強板として使用されているのみであるが、本実施形態における裏板4は、全抜き刃5及びハーフカット刃6を支持すると共に全抜き刃5及びハーフカット刃6のベース材3表面からの突出高さを調整するという機能を備えている。
図1、図3及び図4に示すように、裏板4には、裏板4の厚さ方向に掘り込みされた全抜き刃高調整溝40とハーフカット刃高調整溝41とがそれぞれ形成されている。これらの刃高調整溝40及び41は、全抜き刃5及びハーフカット刃6の形状と対応した形状にそれぞれ形成されており、ベース材3の全抜き刃貫通溝30を貫通した全抜き刃5が全抜き刃高調整溝40に、ベース材3のハーフカット刃貫通溝31を貫通したハーフカット刃6がハーフカット刃高調整溝41にそれぞれ嵌入されるように形成されている。全抜き刃高調整溝40は、全抜き刃貫通溝30を貫通した全抜き刃5をその溝底面で確実に受け止めて支持すると共に、全抜き刃高調整溝40を掘り込み形成した際に生じる切粉を溝内から排出できる程度の溝幅で形成されている。ハーフカット刃高調整溝41も同様に、ハーフカット刃貫通溝31を貫通したハーフカット刃6をその溝底面で確実に受け止めて支持すると共に、ハーフカット刃高調整溝41を掘り込み形成した際に生じる切粉を溝内から確実に排出できる程度の溝幅で形成されている。具体的には、これらの溝幅は、それぞれ、全抜き刃5及びハーフカット刃6の刃の厚みの2倍以上に相当する溝幅とすることが好ましい。本実施形態においては、これらの刃高調整溝40及び41の溝幅を1mmで形成している。また、全抜き刃高調整溝40及び/又はハーフカット刃高調整溝41は、これらの刃高調整溝40及び/又は41に嵌入しようとする全抜き刃5及び/又はハーフカット刃6を容易に溝底面に案内するために、溝側壁をベース材3方向に広がり溝底面方向に狭まるテーパー状に形成することもできる。これらの刃高調整溝40及び41は、一般的なマシニングセンタ、フライス盤等の工作機械により裏板4を加工することにより形成することができる。
次に、図3〜図5を参照しながら裏板4に形成される全抜き刃高調整溝40の溝底面までの掘り込み深さD40とハーフカット刃高調整溝41の溝底面までの掘り込み深さD41とについて説明する。本実施形態においては、抜き加工の対象であるシート状基材8の剥離材81が、一定の硬度を備えた素材等で形成されていることにより、通常の状態においても、ハーフカット加工時にハーフカット刃で押圧された状態においても、剥離材81自体の厚みがほとんど変わらない場合を想定している。
図5に示すように、本実施形態のこれらの刃高調整溝40及び41は、全抜き刃5がシート状基材8を構成するシール材80及び剥離材81を同時に切断する際に、ハーフカット刃6がシール材80のみを切断し、剥離材81は切断しない掘り込み深さで形成されている。すなわち、実質的に剥離材の厚みT81に相当する長さ分、全抜き刃5及びハーフカット刃6のベース材3表面からの突出高さに差が設けられるように、全抜き刃高調整溝40及びハーフカット刃高調整溝41の溝底面までの掘り込み深さが設定されている。具体的には、全抜き刃の刃高さH5からハーフカット刃の刃高さH6を差し引いて得られた値αに、ハーフカット刃高調整溝の溝底面までの掘込み深さD41から全抜き刃高調整溝の溝底面までの掘込み深さD40を差し引いて得られた値βを足した値(α+β)が、実質的に剥離材の厚みT81の値となるように設計されている。このとき、全抜き刃の刃高さH5と、ハーフカット刃の刃高さH6とが同じである場合には、全抜き刃高調整溝40及びハーフカット刃高調整溝41の溝底面までの掘り込み深さは、ハーフカット刃高調整溝の溝底面までの掘込み深さD41から全抜き刃高調整溝の溝底面までの掘込み深さD40を差し引いて得られた値βが、実質的に剥離材の厚みT81の値となるように設計される。これにより、全抜き刃5及びハーフカット刃6のいずれの部分においても、剥離材の厚みT81に相当する長さ分、全抜き刃5のベース材3表面からの突出高さよりもハーフカット刃6のベース材3表面からの突出高さが低い刃型1が得られる。
さらに、全抜き刃高調整溝40及びハーフカット刃高調整溝41に関しては、裏板4に刃高調整溝を設ける際に、全抜き刃高調整溝40又はハーフカット刃高調整溝41のいずれかを掘り込み形成して全抜き刃5及びハーフカット刃6のベース材3表面からの突出高さを調整するのではなく、全抜き刃高調整溝40及びハーフカット刃高調整溝41の両方を掘り込み形成させている。これにより、裏板の表面等に板厚ムラが生じている場合においても、この板厚ムラに影響されずに、ベース材3表面から突出する全抜き刃5及びハーフカット刃6の突出高さを精度良く所望の値とした刃型1を得ることができる。
裏板4の材料としては、樹脂材料又は金属材料などが用いられ、特に限定されないが、アルミニウム板、塩化ビニル樹脂又は鉄板等が好適に用いられる。このうち、アルミニウム板は補強効果があり、軽く、板厚ムラも少ないことから、好適に用いられる。裏板4の厚みとしては、ベース材3を補強しつつ、裏板4に全抜き刃高調整溝40及びハーフカット刃高調整溝41を形成できる程度の厚みであればよく、1mm〜5mm程度が好ましく、1.5mm〜3mmが特に好ましい。本実施形態においては、全抜き刃5の刃高さH5及びハーフカット刃6の刃高さH6はいずれも8mmであり、ベース材3は厚み4mmのアクリル樹脂を用い、裏板4は厚み2mmのアルミニウム板を用いている。また、抜き加工対象であるシート状基材8のうち、剥離材の厚みT81は30ミクロン(0.03mm)であり、裏板4に形成された全抜き刃高調整溝40の掘込み深さD40とハーフカット刃高調整溝41の掘込み深さD41の差の値βは30ミクロンとなるように形成されている。
次に、本実施形態における刃型1の使用方法について説明する。図5に示すように、本実施形態における刃型1は、通常使用される平圧機等に取り付けて使用される。シート状基材8は、一般的に、連続したシート状基材8をロール状に巻回させたものが用いられ、刃型1と基台9との間に連続的に送られて所望の形状に打ち抜き加工される。なお、シート状基材8は不連続(一枚ごと)に形成されたものを用いることもできる。このシート状基材8は、シール材80と剥離材81とが積層されて形成されており、これらシール材80及び剥離材81は、さらに複数の素材がそれぞれ積層されて形成されている。具体的には、シール材80は、その表面から裏面にかけて、例えば、印刷が施される表面材層と貼り付けのための粘着層とが積層されて形成され、さらに、表面材層の表面側にはラミネート層を備えることも可能である。また、表面材層と粘着層とからなる構成を複数重ねてシール材80を形成させることも可能である。他方、剥離材81は、その表面から裏面にかけて、例えば、離型材層と台紙層とが積層されて形成されている。
図5に示すように、シート状基材8を打ち抜き加工する際には、全抜き刃5がシート状基材8を構成するシール材80及び剥離材81を同時に打ち抜く際に、ハーフカット刃6が剥離材81を切断せずにシール材80のみを打ち抜くことができる。全抜き刃5とハーフカット刃6のベース材3の表面からの突出高さを精度高く調整できるため、樹脂フィルム等の薄い材料からなるシート状基材8であっても、全抜き加工及びハーフカット加工を1つの刃型で同時に行うことができる。
次に、図6を参照しつつ本発明の第2の実施形態に係る刃型100について説明する。本実施形態に係る刃型100では、上述した第1の実施形態と、全抜き刃高調整溝140の溝底面までの掘り込み深さD140とハーフカット刃高調整溝141の溝底面までの掘り込み深さD141の調整の点において異なるため、その点について詳細に説明する。なお、図6については、理解を容易にするために構成する部材の縮尺を変化させて表示されている。
本実施形態においては、抜き加工の対象であるシート状基材108の剥離材181が、嵩高い素材又は柔らかい素材等で形成されていることにより、通常の状態では一定の厚みを有しているが、ハーフカット加工時にハーフカット刃106でシール材180を介して押圧されることにより、剥離材181自体の厚みが減少するような場合を想定している。
図6に示すように、本実施形態のこれらの刃高調整溝140及び141は、全抜き刃105がシート状基材108を構成するシール材180及び剥離材181を同時に切断する際に、ハーフカット刃106がシール材180のみを切断し、剥離材181は切断しない掘り込み深さで形成されている。ここで、この剥離材181は、ハーフカット加工時にハーフカット刃106でシール材180を介して押圧されることにより、剥離材181自体の厚みが減少するものである。そのため、第1の実施形態に記載されたように、実質的に剥離材の厚みT181に相当する長さ分、全抜き刃105及びハーフカット刃106のベース材103表面からの突出高さに差が設けられるように、全抜き刃高調整溝140及びハーフカット刃高調整溝141の溝底面までの掘り込み深さを設定してしまうと、シール材180を切断できず、ハーフカット加工することができない。そこで、剥離材の厚みT181よりも短い長さ分、全抜き刃105及びハーフカット刃106のベース材103表面からの突出高さに差が設けられるように、全抜き刃高調整溝140及びハーフカット刃高調整溝141の溝底面までの掘り込み深さが設定されている。具体的には、全抜き刃の刃高さH105からハーフカット刃の刃高さH106を差し引いて得られた値αに、ハーフカット刃高調整溝の溝底面までの掘込み深さD141から全抜き刃高調整溝の溝底面までの掘込み深さD140を差し引いて得られた値βを足した値(α+β)が、ハーフカット刃106がシート状基材108のうちのシール材180のみを打ち抜く際に、ハーフカット刃106で押圧された際の剥離材181の厚みT181´の値となるように設計されている。このとき、全抜き刃の刃高さH105と、ハーフカット刃の刃高さH106とが同じである場合には、全抜き刃高調整溝140及びハーフカット刃高調整溝141の溝底面までの掘り込み深さは、ハーフカット刃高調整溝の溝底面までの掘込み深さD141から全抜き刃高調整溝の溝底面までの掘込み深さD140を差し引いて得られた値βが、ハーフカット刃106がシート状基材108のうちのシール材180のみを打ち抜く際に、ハーフカット刃106で押圧された際の剥離材181の厚みT181´の値となるように設計される。これにより、全抜き刃105及びハーフカット刃106のいずれの部分においても、ハーフカット刃106で押圧された際の剥離材181の厚みT181´に相当する長さ分、全抜き刃105のベース材103表面からの突出高さよりもハーフカット刃106のベース材103表面からの突出高さが低い刃型100が得られる。
本実施形態において、剥離材181のハーフカット刃106で押圧された際の剥離材181の厚みT181´は、特に限定されないが、通常の状態の剥離材の厚みT181の1/4以上であることが好ましく、1/3以上であることがより好ましい。本実施形態においては、全抜き刃105の刃高さH105及びハーフカット刃106の刃高さH106はいずれも8mmであり、ベース材103は厚み4mmのアクリル樹脂を用い、裏板104は厚み2mmのアルミニウム板を用いている。また、抜き加工対象であるシート状基材108のうち、剥離材181の通常の状態での厚みT181は100ミクロン(0.1mm)であるが、ハーフカット刃106で押圧された際の剥離材181の厚みT181´は、60ミクロン(0.06mm)であり、裏板104に形成された全抜き刃高調整溝140の掘込み深さD140とハーフカット刃高調整溝141の掘込み深さD141の差の値βは60ミクロンとなるように形成されている。
なお、刃型100の構成に関するその他の説明は、上述した第1の実施形態の刃型1の場合と同様であり、その作用効果も同様である。
次に、図7〜図8を参照しつつ本発明の第3の実施形態に係る刃型200について説明する。なお、図8については、図7と上下が逆に表示されており、また、理解を容易にするために構成する部材の縮尺を変化させて表示されている。
図7に示すように、本実施形態に係る刃型200は、複数のハーフカット刃206と、これら複数のハーフカット刃206の外側にこれらを囲んで配置される全抜き刃205と、これら複数のハーフカット刃206及び全抜き刃205を固定する刃固定部202とから概略形成されている。この刃固定部202は、ベース材203と裏板204とが互いに重畳状態で固着されて構成されている。また、このベース材203には、切り欠きにより形成された刃型固定具用係止部233がその外縁の各辺に設けられている。この刃型固定具用係止部233には、刃型固定具であるエコマグ(登録商標、株式会社フナミズ刃型製版品、図示せず)が係合可能である。これにより、刃型200を簡単かつ迅速にチェースに固定し、チェースから取り外しすることができる。
図7〜図8を参照しつつ、刃型200に埋め込まれている全抜き刃205及び複数のハーフカット刃206について説明する。この全抜き刃205及び6つのハーフカット刃206は、帯状の薄い鋼板からなり、短手方向の一端側に刃先を有する刃材料を所望の形状に曲げることにより形成される。本実施形態においては、図7に示すように、各全抜き刃205と各ハーフカット刃206とは、その上面から見た平面形状が互いに異なる大きさの矩形形状となるように、4隅がそれぞれ折り曲げられて形成されている。このように、1つの刃型200に複数のハーフカット刃206を設けることが可能である。また、シール材の外周のみならず中央部分も全抜き加工されたドーナツ形状のようなラベルシールを製造する際には、全抜き刃を複数設けた刃型とすることも可能である。
次に、図8を参照しつつ、上述の全抜き刃205及び複数のハーフカット刃206を固定支持するベース材203及び裏板204からなる刃固定部202について説明する。ベース材203と裏板204とは、互いに重畳状態で固着されている。ベース材203はその表面から全抜き刃205及び複数のハーフカット刃206の刃先を突出させた状態でこれら全抜き刃205及びハーフカット刃206を貫通させている。ベース材203には、ベース材203の厚さ方向に貫通する全抜き刃貫通溝(全抜き刃用スリット)230とハーフカット刃貫通溝(ハーフカット刃用スリット)231とがそれぞれ形成されている。一方、裏板204には、裏板204の厚さ方向に掘り込みされた全抜き刃高調整溝240と複数のハーフカット刃高調整溝241とがそれぞれ形成されている。これらの刃高調整溝240及び241は、全抜き刃205及びハーフカット刃206の形状と対応した形状にそれぞれ形成されており、ベース材203の全抜き刃貫通溝230を貫通した全抜き刃205が全抜き刃高調整溝240に、ベース材203の各ハーフカット刃貫通溝231を貫通したハーフカット刃206が各ハーフカット刃高調整溝241にそれぞれ嵌入されるように形成されている。
図8に示すように、本実施形態の全抜き刃高調整溝240と複数のハーフカット刃高調整溝241とは、全抜き刃205がシート状基材208を構成するシール材280及び剥離材281を同時に切断する際に、複数のハーフカット刃206が同時にシール材280のみを切断し、剥離材281は切断しない掘り込み深さで形成されている。すなわち、剥離材の厚みT281に相当する長さ分、全抜き刃205とハーフカット刃206のベース材203表面からの突出高さに差が設けられるように、全抜き刃高調整溝240及びハーフカット刃高調整溝241の溝底面までの掘り込み深さが設定されている。ここで、複数備えられているハーフカット刃206のベース材203表面からの突出高さは、全て互いに同一となるように調整される。調整方法としては、具体的には、全抜き刃の刃高さH205から調整対象とするハーフカット刃の刃高さH206を差し引いて得られた値αに、調整対象とするハーフカット刃高調整溝241の溝底面までの掘込み深さD241から全抜き刃高調整溝240の溝底面までの掘込み深さD240を差し引いて得られた値βを足した値(α+β)が、実質的に剥離材281の厚みT281の値となるように設計されている。このとき、全抜き刃の刃高さH205と、そのハーフカット刃の刃高さH206とが同じである場合には、これらの刃高調整溝240及び241の溝底面までの掘り込み深さは、ハーフカット刃高調整溝の掘込み深さD241から全抜き刃高調整溝の掘込み深さD240を差し引いて得られた値が、実質的に剥離材の厚みT281の値となるように設計される。これにより、全抜き刃205及び各ハーフカット刃206のいずれの部分においても、剥離材の厚みT281に相当する長さ分、全抜き刃205のベース材203表面からの突出高さよりもハーフカット刃206のベース材203表面からの突出高さが低い刃型200が得られる。
刃型200の構成に関するその他の説明は、上述した第1の実施形態の刃型1の場合と同様であり、その作用効果も同様である。なお、本実施形態においては、上述した第1の実施形態と同様に、抜き加工の対象であるシート状基材208の剥離材281の厚みT281が、通常の状態においても、ハーフカット加工時にハーフカット刃206で押圧された状態においても、ほとんど変わらない場合について説明したが、第2の実施形態で説明したように、ハーフカット加工時にハーフカット刃206でシール材280を介して押圧されることにより、剥離材281自体の厚みが減少するような場合には、上述した(α+β)の値が、ハーフカット刃206がシート状基材208のうちのシール材280のみを打ち抜く際に、ハーフカット刃206で押圧された際の剥離材281の厚みの値となるように設計することもできる。
次に、本実施形態における刃型200の使用方法について説明する。図8に示すように、本実施形態における刃型200は、通常使用される平圧機等に取り付けて使用される。シート状基材208を打ち抜き加工する際には、全抜き刃205がシート状基材208を構成するシール材280及び剥離材281を同時に打ち抜く際に、6つのハーフカット刃206が剥離材281を切断せずにシール材280のみを打ち抜くことができる。さらに、本実施形態に係る刃型200の使用方法に係るその他の説明は、上述した第1の実施形態の場合と同様であり、その作用効果も同様である。
本発明は、上記の実施形態に限定されるものでなく、特許請求の範囲に記載された発明の要旨を逸脱しない範囲内での種々、設計変更した形態も技術的範囲に含むものである。
1、100、200 刃型
2、102、202 刃固定部
3、103、203 ベース材
30、130、230 全抜き刃貫通溝
31、131、231 ハーフカット刃貫通溝
32 ビス孔
233 刃型固定具用係止部
4、104、204 裏板
40、140、240 全抜き刃高調整溝
D40、D140、D240 全抜き刃高調整溝の掘り込み深さ
41、141、241 ハーフカット刃高調整溝
D41、D141、D241 ハーフカット刃高調整溝の掘り込み深さ
42 ビス孔
5、105、205 全抜き刃
H5、H105、H205 全抜き刃の刃高さ
6、106、206 ハーフカット刃
H6、H106、H206 ハーフカット刃の刃高さ
7、207 ビス
8、108、208 シート状基材
80、180、280 シール材
T80、T180、T280 シール材の厚み
81、181、281 剥離材
T81、T181、T281 剥離材の厚み
T181´ ハーフカット刃で押圧された際の剥離材の厚み
9、109、209 基台
α 全抜き刃の刃高さからハーフカット刃の刃高さを差し引いた値
β ハーフカット刃高調整溝の掘込み深さから全抜き刃高調整溝の掘込み深さを差し引いた値

Claims (5)

  1. 全抜き刃と、ハーフカット刃と、前記全抜き刃及び前記ハーフカット刃の根元を固定するための刃固定部とを備え、
    前記刃固定部は互いに重畳及び固着されたベース材と裏板とを有しており、
    前記全抜き刃は、前記ベース材に形成された全抜き刃貫通溝を貫通すると共に前記裏板に形成された全抜き刃高調整溝に嵌入され該全抜き刃高調整溝の溝底面に支持されており、
    前記ハーフカット刃は、前記ベース材に形成されたハーフカット刃貫通溝を貫通すると共に前記裏板に形成されたハーフカット刃高調整溝に嵌入され該ハーフカット刃高調整溝の溝底面に支持されており、
    前記全抜き刃がシート状基材を厚さ方向に打ち抜く際に、前記ハーフカット刃が前記シート状基材の一部深さまでハーフカットするように、前記全抜き刃高調整溝の前記溝底面までの掘込み深さと前記ハーフカット刃高調整溝の前記溝底面までの掘込み深さとが調整されていることを特徴とする刃型。
  2. 前記シート状基材は、少なくともシール材及び剥離材が積層されてなり、
    前記全抜き刃がシート状基材を厚さ方向に打ち抜く際に、前記ハーフカット刃が前記シート状基材のうちの前記シール材のみを打ち抜くように、前記全抜き刃高調整溝の前記掘込み深さと前記ハーフカット刃高調整溝の前記掘込み深さとは、前記全抜き刃の刃高さから前記ハーフカット刃の刃高さを差し引いた値に、前記ハーフカット刃高調整溝の前記掘込み深さから前記全抜き刃高調整溝の前記掘込み深さを差し引いた値を足した値が、前記剥離材の厚み以下の値となるように調整されていることを特徴とする請求項1に記載の刃型。
  3. 前記剥離材の厚み以下の値は、前記ハーフカット刃が前記シート状基材のうちの前記シール材のみを打ち抜く際に、前記ハーフカット刃で押圧された際の剥離材の厚みの値であることを特徴とする請求項2に記載の刃型。
  4. 前記全抜き刃の刃高さと前記ハーフカット刃の刃高さとは略同じであることを特徴とする請求項2又は3に記載の刃型。
  5. 前記全抜き刃の刃高さと前記ハーフカット刃の刃高さとが互いに異なることを特徴とする請求項2又は3に記載の刃型。
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