JP2015025178A - 多孔質焼結体 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い硬度を有するとともに高い曲げ強度を有し、内部構造が凝集体のない連続した網目構造である多孔質焼結体及びその製造方法並びに高い硬度を有するとともに高い曲げ強度を有し、かつ表面全体にわたって均一の吸着力を示す吸着テーブルを提供する。【解決手段】平均粒子径が1〜20μmの範囲内であり、全サーメット粒子における平均粒子径?50%の範囲の粒子の含有量が60質量%以上である均一粒子のサーメットからなるサーメット粒子と、結合材からなる結合材粒子とを、結合材粒子の含有量が0.1〜3質量%となるように混合して得られた混合物の加圧成形体を、前記サーメットと結合材との共晶温度以上の温度で焼結することにより、流体を透過可能な気孔11aを有する多孔質焼結体11を得る。吸着テーブル1の吸着板として多孔質焼結体11を用いる。【選択図】図1

Description

本発明は、多孔質焼結体に関する。さらに詳しくは、本発明は、高い硬度及び高い曲げ強度の両方を有することが求められる用途に有用な多孔質焼結体及びその製造方法並びに半導体ウエハ等を製造する際の被加工物の加工に有用な吸着テーブルに関する。
半導体、発光ダイオード等に用いられる基板の製造に際しては、インゴットから切り出されたウエハの研削及び研磨が行なわれている。かかるウエハの研削及び研磨には、被加工物を負圧によって吸着して保持する吸着テーブルを備えた加工装置が用いられている。前記吸着テーブルとして、例えば、セラミックス製の多孔質体からなる吸着テーブル(例えば、特許文献1等を参照)、ステンレス製の吸着テーブル等が提案されている。
しかし、セラミックス製の吸着テーブルは、剛性が小さく、脆く欠けやすいため、発光ダイオードの基板に用いられるサファイア、シリコンカーバイド、ガリウムナイトライド等からなる被加工物を吸着して保持させた場合に変形しやすく、しかも圧痕が残りやすい傾向にある。そのため、セラミックス製の吸着テーブルを備えた加工装置を用いた場合には、高い平面度を有する基板を得ることができないことがある。
また、通常、吸着テーブルが目詰まりした場合、当該吸着テーブルの吸着面とは反対側の面側から流体(空気、水等)を噴射させて、目詰まりした被加工物の削り屑や破片を吹き飛ばすようにされている。ところが、吸着テーブルの剛性や曲げ強度が小さいと、前記流体の噴射圧を上げた際に吸着テーブルの破壊が起こるため、流体の噴射圧を高めることが困難である。したがって、セラミックス製の吸着テーブルは、上記のように剛性や曲げ強度が小さく、脆く欠けやすいため、被加工物の削り屑や破片が前記吸着テーブルに目詰まりしたり、突き刺さったりした場合、取り除くことが困難であるという欠点がある。
一方、ステンレス鋼製の吸着テーブルは、硬度が低いことから、当該吸着テーブルの製造の際に生じるバリが表面に残りやすい。そのため、ステンレス鋼製の吸着テーブルは、表面の平面度が低くなりやすく、表面全体にわたって均一の吸着力を示し難いことから、高い平面度を有する基板を得ることができないことがある。また、ステンレス鋼は、一般的に熱膨張係数が大きいため、ステンレス鋼製の吸着テーブルを備えた加工装置を用いた場合には、加工の際に使用する切削水の温度変化により、当該吸着テーブルの変形が発生し、表面全体にわたって均一の吸着力を示し難いことから、高い平面度を有する基板を得ることができないことがある。
特開2011−44472号公報
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、高い硬度を有するとともに高い曲げ強度を有し、内部構造が凝集体のない連続した網目構造である多孔質焼結体及びその製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、高い硬度を有するとともに高い曲げ強度を有し、かつ表面全体にわたって均一の吸着力を示す吸着テーブルを提供することを目的とする。
本発明の多孔質焼結体は、サーメットからなるサーメット粒子と、結合材からなる結合材粒子との混合物の加圧成形体を、前記サーメットと結合材との共晶温度以上の温度で焼結することによって得られ、流体を透過可能な気孔を有しており、前記混合物中の結合材粒子の含有量が0.1〜3質量%であり、前記サーメット粒子が、下記条件:前記サーメット粒子の平均粒子径が1〜20μmの範囲内であり、かつ全サーメット粒子における平均粒子径±50%の範囲の粒子の含有量が60質量%以上であることを満たす均一粒子であることを特徴とする。
本発明の多孔質焼結体は、前記条件を満たす均一粒子のサーメットからなるサーメット粒子と、結合材からなる結合材粒子とが、結合材粒子の含有量が0.1〜3質量%となるように混合された混合物の加圧成形体を、前記サーメットと結合材との共晶温度以上の温度で焼結することによって得られたものである。前記加圧成形体の焼結の際、サーメットと結合材の界面において液相が生じ、前記液相を介して粒子同士が接触点で強固に結合する。したがって、本発明の多孔質焼結体は、高い硬度を有するとともに高い曲げ強度を有しており、内部構造が凝集体のない連続した網目構造である。
また、本発明の多孔質焼結体において、前記結合材は、鉄族に属する金属、又は貴金属からなるものであることが好ましい。
さらに、本発明の多孔質焼結体において、前記サーメットは、元素の周期律表の第4族元素、第5族元素及び第6族元素からなる群より選択された少なくとも1種の元素と、炭素、酸素、窒素、ホウ素及びケイ素からなる群より選ばれた少なくとも1種の元素とを含む化合物であることが好ましい。
本発明の多孔質焼結体の製造方法は、(A)平均粒子径が1〜20μmの範囲内であり、かつ全サーメット粒子における平均粒子径±50%の範囲の粒子の含有量が60質量%以上である均一粒子のサーメットからなるサーメット粒子と、結合材からなる結合材粒子とを、当該サーメット粒子と結合材粒子との混合物における結合材粒子の含有量が0.1〜3質量%となるように混合する工程、(B)前記工程(A)で得られた混合物を加圧成形する工程、及び(C)前記工程(B)で得られた加圧成形体を、前記サーメットと結合材との共晶温度以上の温度で焼結する工程を含むことを特徴とする。
本発明の多孔質焼結体の製造方法は、前記均一粒子のサーメットからなるサーメット粒子と、結合材からなる結合材粒子とを、当該サーメット粒子と結合材粒子との混合物における結合材粒子の含有量が0.1〜3質量%となるように混合した混合物の加圧成形体を、前記サーメットと結合材との共晶温度以上の温度で焼結する操作が採用されているので、前記液相を介して粒子同士を接触点で強固に結合させることができ、高い硬度を有するとともに高い曲げ強度を有し、内部構造が凝集体のない連続した網目構造である多孔質焼結体を得ることができる。
本発明の吸着テーブルは、吸引力によって被加工物を上面に吸着して保持する吸着板を備えた吸着テーブルであって、前記吸着板が前述した多孔質焼結体からなることを特徴とする。
本発明の吸着テーブルは、前述した多孔質焼結体からなる吸着板を備えているため、高い硬度を有するとともに高い曲げ強度を有し、かつ表面全体にわたって均一の吸着力を示す。
本発明によれば、高い硬度を有するとともに高い曲げ強度を有し、内部構造が凝集体のない連続した網目構造である多孔質焼結体及びその製造方法並びに高い硬度を有するとともに高い曲げ強度を有し、かつ表面全体にわたって均一の吸着力を示す吸着テーブルを提供することができる。
本発明の一実施形態に係る吸着テーブルの要部の構成を示す概略説明図である。 図1に示される吸着テーブルのテーブル本体の構成を示す概略説明図である。 図1に示される吸着テーブルの固定部の構成を示す概略説明図である。 本発明の一実施形態に係る多孔質焼結体の構成を示す概略説明図である。 本発明の多孔質焼結体の変形例を示す概略説明図である。 本発明の一実施形態に係る多孔質焼結体の製造方法の手順を示す工程図である。 実施例2、実施例3及び比較例1で得られた多孔質焼結体の組織構造を観察した結果を示す図面代用写真である。
(吸着テーブル)
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係る吸着テーブルを詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態に係る吸着テーブルの構成を示す概略説明図、図2は図1に示される吸着テーブルのテーブル本体の構成を示す概略説明図、図3は図1に示される吸着テーブルの固定部の構成を示す概略説明図である。なお、図1及び図2においては、気孔を誇張して記載している。
図1に示される吸着テーブル1は、吸引力が付与されることによって被加工物を吸着して保持するテーブル本体10と、テーブル本体10を支持するとともに当該テーブル本体10に吸引力を付与する支持部15とを備えている。吸着テーブル1は、基板の加工装置、例えば、研削装置、研磨装置、テープ貼り付け装置、剥離装置等の吸着テーブルとして用いられるものである。
テーブル本体10は、吸着板としての多孔質焼結体11と、この多孔質焼結体11を上下方向及び水平方向に移動しないように固定する第1及び第2の固定部12,13とから構成されている(図1及び2参照)。
多孔質焼結体11は、流体としての空気を透過可能な気孔11aを有している。多孔質焼結体11は、円板状に形成されている。多孔質焼結体11は、高い硬度を有するとともに高い曲げ強度を有する。したがって、吸着テーブル1を基板の加工装置の吸着テーブルとして用いた場合には、基板の削り屑又は破片に起因する当該吸着テーブルの摩耗及び破損を抑制することができる。多孔質焼結体11は、ネジ等によって第1及び第2の固定部12,13の間に固定されている。
第1の固定部12は、多孔質焼結体11の下方から当該多孔質11を固定する円板状の部材である。また、第1の固定部12は、空気を給排する空気給排口101aと空気を流通可能な溝部102とを有している。空気給排口101aは、固定部本体103の中央部に形成されている。この空気給排口101aは、溝部102及び後述の支持部15の空気給排流路101bと連通している。溝部102は、図3に示されるように、第1の固定部12の固定部本体103の上面には、同心円状及び放射線状に形成されている。
第2の固定部13は、多孔質焼結体11の上方から当該多孔質焼結体11を固定する円環状の部材である。
支持部15は、テーブル本体10を支持するとともに当該テーブル本体10に吸引力を付与する。テーブル本体10の中央部には、図示しない真空ポンプに接続された空気給排流路101bが形成されている。なお、前記テーブル本体10上に被加工物を吸着して加工した後、空気吸排流路101bから空気を供給することで、吸着破壊によりテーブル本体10から被加工物を容易に取り除くことができる。さらに、前記空気吸排流路101bを通じてテーブル本体10に空気を噴射させることで当該テーブル本体10に目詰まりした基板の削り屑や破片も容易に取り除くことができる。また、空気に代えて水等の液体を噴射するようにしても良い。
(多孔質焼結体及びその製造方法)
本発明の一実施形態に係る多孔質焼結体は、サーメットからなるサーメット粒子と、結合材からなる結合材粒子との混合物の加圧成形体を、前記サーメットと結合材との共晶温度以上の温度で焼結することによって得られ、流体を透過可能な気孔を有しており、前記混合物中の結合材粒子の含有量が0.1〜3質量%あり、前記サーメット粒子が、下記条件:前記サーメット粒子の平均粒子径が1〜20μmの範囲内であり、かつ全サーメット粒子における平均粒子径±50%の範囲の粒子の含有量が60質量%以上であることを満たす均一粒子であることを特徴とする。
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係る多孔質焼結体及びその製造方法を詳細に説明する。
図4は、本発明の一実施形態に係る多孔質焼結体の構成を示す概略説明図である。図4に示される多孔質焼結体11は、流体としての空気が透過可能な無数の連続気孔(図4中、気孔11a1、気孔11a2参照)を有している。これらの気孔は、均一な大きさの気孔径を有しており、多孔質焼結体11の表面に均一に分布している。
多孔質焼結体11の気孔率は、多孔質焼結体の用途、用いられるサーメットの種類、用いられる結合材の種類等によって異なることから、多孔質焼結体の用途、用いられるサーメットの種類、用いられる結合材の種類等に応じて適宜決定することが好ましい。前記気孔率は、通常、18〜45%であるが、好ましくは30〜40%である。なお、基板の加工装置の吸着テーブルとして前記多孔質焼結体11を用いる場合、気孔率を上げ過ぎると研磨屑等の目詰まりが多くなり、気孔率を下げ過ぎると反った基板の吸着が不十分となる問題がある。
多孔質焼結体11の曲げ強度は、多孔質焼結体の用途、用いられるサーメットの種類、用いられる結合材の種類等によって異なることから、多孔質焼結体の用途、用いられるサーメットの種類、用いられる結合材の種類等に応じて適宜決定することが好ましい。前記曲げ強度は、例えば、多孔質焼結体を吸着テーブルに用いる場合、好ましくは100MPa以上、より好ましくは200MPa以上である。なお、前記曲げ強度は、CIS−026にしたがって求められた値である。
なお、本発明においては、多孔質焼結体の用途に応じて、例えば、図5に示される多孔質焼結体21のように、多孔質焼結体上に気孔が疎な部分と気孔が密な部分とが設けられていてもよい。多孔質焼結体21は、円板状であり、厚さ方向上部に形成された気孔22aが密に存在する層22と、厚さ方向下部に形成された気孔23aが疎に存在する層23とを有している。多孔質焼結体21を吸着テーブルの吸着板として用いた場合、被加工物を効率よく吸着することができる。
つぎに、添付の図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係る多孔質焼結体の製造方法を説明する。図6は、本発明の一実施形態に係る多孔質焼結体の製造方法の手順を示す工程図である。
まず、混合工程において、サーメットからなるサーメット粒子と、結合材からなる結合材粒子とを混合する(図6中、(a)参照)。
本明細書において、「サーメット」とは、元素の周期律表の第4族元素、第5族元素及び第6族元素からなる群より選択された少なくとも1種の元素と、炭素、酸素、窒素、ホウ素及びケイ素からなる群より選ばれた少なくとも1種の元素とを含む化合物をいう。本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。前記サーメットの具体例としては、炭化タングステン、炭化チタン、窒化チタン、炭窒化チタン、炭化ニオブ、炭化タンタル、酸化ジルコニウム等が挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのサーメットのなかでは、高い硬度を確保する観点から、炭化タングステンが好ましい。表1に各種材料の硬度表を示す。このように炭化タングステン、炭化チタン等をサーメットとして用いることで、得られる多孔質焼結体も高い硬度を確保することができる。
前記サーメット粒子は、下記条件:前記サーメット粒子の平均粒子径が1〜20μmの範囲内であり、かつ全サーメット粒子における平均粒子径±50%の範囲の粒子の含有量が60質量%以上であることを満たす均一粒子である。
前記サーメット粒子の平均粒子径は、均一な気孔径の気孔を均一に分布した状態で形成させる観点から、1〜20μm、好ましくは5〜20μm、より好ましくは10〜20μmである。なお、本明細書において、「平均粒子径」とは、レーザー回折・散乱法で測定されたものをいう。
全サーメット粒子における平均粒子径±50%の範囲の粒子の含有量は、均一な気孔径の気孔を均一に分布した状態で形成させる観点から、60質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは100質量%である。
前記結合材は、前記サーメットからなるサーメット粒子同士を結合させることができる物質からなる。前記結合材としては、例えば、鉄族に属する金属;貴金属等が挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。前記鉄族に属する金属としては、例えば、コバルト、ニッケル、鉄等が挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。本明細書において、「貴金属」とは、銅、金、銀、白金、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウム及びオスミウムの総称を意味する。これらの結合材のなかでは、サーメット粒子同士を強固に結合させる観点から、鉄族に属する金属が好ましく、コバルトがより好ましい。
前記サーメット粒子と結合材粒子との混合物における結合材粒子の含有量は、サーメット粒子同士を強固に結合させて焼結する観点から、0.1質量%以上、好ましくは1質量%以上であり、多孔質焼結体の組織の過剰な緻密化を抑えるとともに均一な気孔径の気孔を均一に分布した状態で形成させる観点から、3質量%以下、好ましくは2.5質量%以下である。
つぎに、成形工程において、前記混合工程で得られた混合物(図6中、110参照)を金型201に充填し、混合物110を加圧して成形することによって成形体を得る(図6中、(b)参照)。
混合物110に加えられる圧力は、成形体を得るのに十分な圧力であればよい。
その後、焼結工程において、前記成形工程で得られた成形体を焼結する(図6中、(c)参照)。
焼結温度は、サーメット粒子を構成するサーメットと、結合材粒子を構成する結合材との共晶温度以上の温度である。このように、成形体を、サーメットと結合材との共晶温度以上の焼結温度で焼結するため、焼結時に液相下でサーメット及び結合材の移動が生じ、わずかな量の結合材を介してサーメット粒子同士をより強固に結合させることができる。したがって、本実施形態に係る多孔質焼結体の製造方法によれば、高い硬度を有するとともに高い曲げ強度を有し、内部構造が凝集体のない連続した網目構造である多孔質焼結体を得ることができる。
焼結時間は、成形体の焼結を行なうのに十分な温度であればよく、通常1時間である。
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1〜4)
コバルト粒子0.1質量%(実施例1)1質量%(実施例2)、2.5質量%(実施例3)又は3質量%(実施例4)と、平均粒子径が10μmであり、平均粒子径±50%(粒子径5〜15μm)の範囲の粒子の含有量が75質量%である均一粒子の炭化タングステン粒子残部とを含む混合粉末を、それぞれ100MPaで加圧成形した。得られた加圧成形体を炭化タングステン及びコバルトの共晶温度以上に加熱して焼結させ、多孔質焼結体を得た。
(比較例1)
コバルト4.0質量%と、平均粒子径が10μmであり、平均粒子径±50%(粒子径5〜15μm)の範囲の粒子の含有量が75質量%である均一粒子の炭化タングステン粒子96.0質量%とを含む混合粉末を、100MPaで加圧成形した。得られた加圧成形体を炭化タングステン及びコバルトの共晶温度以上に加熱して焼結させ、多孔質焼結体を得た。
(比較例2)
コバルト5.0質量%と、平均粒子径が10μmであり、平均粒子径±50%(粒子径5〜15μm)の範囲の粒子の含有量が75質量%である均一粒子の炭化タングステン粒子95.0質量%とを含む混合粉末を、100MPaで加圧成形した。得られた加圧成形体を炭化タングステン及びコバルトの共晶温度以上に加熱して焼結させ、多孔質焼結体を得た。
(試験例1)
実施例1〜4及び比較例1〜2で得られた多孔質焼結体の気孔率及び曲げ強度の測定、内部の組織構造の観察並びに吸着テーブルとしての使用の可否の評価を行なった。吸着テーブルとしての使用の可否の評価の評価基準は、以下のとおりである。
<評価基準>
AA: 曲げ強度、硬度及び内部の組織の状態のすべてがバランスよく良好であり、吸着テーブルとして使用するのにきわめて好適である。すなわち、曲げ強度が200MPa以上であり、組織の局部的な緻密化が見られず、凝集体のない連続した網目構造を有する。
A: 吸着テーブルとして使用するのに好適である。すなわち、曲げ強度が50MPa以上200MPaであり、組織の局部的な緻密化がほとんど見られず、凝集体のない連続した網目構造を有する。
B: 吸着テーブルとして十分に使用することができる。すなわち、組織の局部的な緻密化がわずかに見られ、凝集体をわずかに伴う内部構造を有する。
C: 吸着テーブルとして使用するのに不適である。すなわち、組織の局部的な緻密化が見られ、凝集体を伴う内部構造を有する。
実施例1〜4及び比較例1〜2で得られた多孔質焼結体のコバルト含有量、気孔率、曲げ強度の測定及び吸着テーブルとしての使用の可否の評価の結果を表2に示す。
表2に示された結果から、コバルト粒子の含有量が0.1質量%(実施例1)、1.0質量%(実施例2)、2.5質量%(実施例3)及び3.0質量%(実施例4)である多孔質焼結体は、粒子同士が接触点で強固に結合しており、吸着テーブルに用いるのに十分な曲げ強度(50MPa以上)を有しており、組織の局部的な緻密化が見られず、表面にほぼ同じ気孔径の気孔が均一に分布しており、凝集体のない連続した網目構造を有していることがわかる。なかでも、コバルト粒子の含有量が1.0質量%(実施例2)及び2.5質量%(実施例3)である多孔質焼結体は、高い曲げ強度を有していることができることがわかる。また、コバルト粒子の含有量が0.1質量%(実施例1)である多孔質焼結体は、実施例2及び3で得られた多孔質焼結体と比べて曲げ強度(82MPa)が劣っているものの、組織の局部的な緻密化が見られず、しかも多孔質焼結体の表面にほぼ同じ気孔径の気孔が均一に分布していることがわかる。したがって、これらの結果から、コバルトの含有量が0.1質量%未満である多孔質焼結体は、十分な曲げ強度を有しないことが示唆される。これに対し、コバルト粒子の含有量が4.0質量%(比較例1)及び5.0質量%(比較例2)である多孔質焼結体は、コバルト含有量が過剰であるため、組織の局部的な緻密化が生じ、多孔質焼結体の表面に大きさが異なる種々の気孔が存在していることがわかる。したがって、これらの結果から、多孔質焼結体のコバルト粒子の含有量が3.0質量%を超えると、組織の局部的な緻密化及び多孔質焼結体の表面における大きさが異なる種々の気孔の形成により、多孔質焼結体の表面の平面度が著しく低くなることが示唆される。そのため、コバルト粒子の含有量が3.0質量%を超える多孔質焼結体を吸着テーブルとして用いた場合には、高い平面度を有する製品を得ることができないことが示唆される。
(試験例2)
実施例2、実施例3及び比較例1で得られた多孔質焼結体の組織構造を走査型電子顕微鏡で観察した。実施例2、実施例3及び比較例1で得られた多孔質焼結体の組織構造を観察した結果を図7に示す。図中、(a)は実施例2で得られた多孔質焼結体の内部を観察した結果、(b)は実施例3で得られた多孔質焼結体の内部を観察した結果、(c)は比較例1で得られた多孔質焼結体の内部を観察した結果を示す。また、図中、スケールバーは20μmを示す。
図7に示された結果から、コバルト粒子の含有量が1.0質量%(実施例2)及び2.5質量%(実施例3)である多孔質焼結体は、組織の局部的な緻密化が見られず、凝集体のない連続した網目構造を有していることがわかる。これに対し、コバルト粒子の含有量が4.0質量%(比較例1)である多孔質焼結体は、組織の局部的な緻密化(図7のA参照)が生じ、凝集体を有する内部構造を有していることがわかる。
以上の結果から、平均粒子径が1〜20μmの範囲内であり、かつ全サーメット粒子における平均粒子径±50%の範囲の粒子の含有量が60質量%以上である均一粒子のサーメットからなるサーメット粒子と、結合材からなる結合材粒子とを、当該サーメット粒子と結合材粒子との混合物における結合材粒子の含有量が0.1〜3質量%となるように混合した混合物を加圧成形し、得られた加圧成形体を、前記サーメットと結合材との共晶温度以上の温度で焼結することにより、高い硬度を有するとともに高い曲げ強度を有し、内部構造が凝集体のない連続した網目構造である多孔質焼結体が得られることが示唆される。
1 吸着テーブル
10 テーブル本体
11 多孔質焼結体
11a 気孔
11a1 気孔
11a2 気孔
12 第1の固定部
13 第2の固定部
15 支持部
21 多孔質焼結体
22a 気孔
23a 気孔
110 混合物

Claims (5)

  1. サーメットからなるサーメット粒子と、結合材からなる結合材粒子との混合物の加圧成形体を、前記サーメットと結合材との共晶温度以上の温度で焼結することによって得られ、流体を透過可能な気孔を有しており、前記混合物中の結合材粒子の含有量が.0.1〜3質量%であり、
    前記サーメット粒子が、下記条件:
    前記サーメット粒子の平均粒子径が1〜20μmの範囲内であり、かつ全サーメット粒子における平均粒子径±50%の範囲の粒子の含有量が60質量%以上であること
    を満たす均一粒子であることを特徴とする多孔質焼結体。
  2. 前記結合材が、鉄族に属する金属、又は貴金属からなる請求項1に記載の多孔質焼結体。
  3. 前記サーメットが、元素の周期律表の第4族元素、第5族元素及び第6族元素からなる群より選択された少なくとも1種の元素と、炭素、酸素、窒素、ホウ素及びケイ素からなる群より選ばれた少なくとも1種の元素とを含む化合物である請求項1又は2に記載の多孔質焼結体。
  4. (A) 平均粒子径が1〜20μmの範囲内であり、かつ全サーメット粒子における平均粒子径±50%の範囲の粒子の含有量が60質量%以上である均一粒子のサーメットからなるサーメット粒子と、結合材からなる結合材粒子とを、当該サーメット粒子と結合材粒子との混合物における結合材粒子の含有量が0.1〜3質量%となるように混合する工程、
    (B) 前記工程(A)で得られた混合物を加圧成形する工程、及び
    (C) 前記工程(B)で得られた加圧成形体を、前記サーメットと結合材との共晶温度以上の温度で焼結する工程
    を含むことを特徴とする多孔質焼結体の製造方法。
  5. 吸引力によって被加工物を上面に吸着して保持する吸着板を備えた吸着テーブルであって、前記吸着板が請求項1〜3のいずれかに記載の多孔質焼結体からなることを特徴とする吸着テーブル。
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