JP5566189B2 - 薄刃ブレード - Google Patents

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Description

本発明は、薄刃ブレードに関するものである。
従来から、センサなどに用いられるセラミック材や磁性材料(被切断材)に深溝加工を施したり、切断することによって個片化したりする加工には、高精度が要求されており、このような溝加工や切断加工など(以下、「切断加工」と省略する。)には、円形薄板状の薄刃ブレードが使用されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1の薄刃ブレード(電着ブレード)は、ニッケルなどの母体金属にダイヤモンドなどの超砥粒を電着して形成したものである。
特開2000−144477号公報
しかしながら、特許文献1の薄刃ブレードのように、ブレードの基体を硬質金属で形成すると、ブレード自体の強度は確保できるが、砥石として作用させるためには硬すぎるため、自生発刃作用が起きにくくなるという問題がある。つまり、切断加工に薄刃ブレードを用いるに当たって、その性能を維持し続けることができないという問題がある。
そこで、本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、ブレード自体の強度を確保しつつ、自生発刃作用を有した薄刃ブレードを提供するものである。
上記の課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
すなわち、本発明に係る薄刃ブレードは、WC−Coからなるボンド材に超砥粒が分散されてなる円形薄板状のメタル基材と、該メタル基材の外周縁部に形成された切刃と、を有し、前記メタル基材が軸周りに回転されるとともに、前記切刃で被切断材を切断加工する薄刃ブレードであって、前記メタル基材は、径方向内側に形成された内周部と、該内周部の径方向外側に形成され、前記切刃が形成された外周部と、を備え、前記外周部を構成する外周側ボンド材が、前記内周部を構成する内周側ボンド材よりも低い密度で形成されていることを特徴としている。
本発明に係る薄刃ブレードによれば、内周部を構成する内周側ボンド材により薄刃ブレードの剛性を確保することができ、外周部を構成する外周側ボンド材は適度な軟らかさで形成されているため自生発刃性を有することができる。結果として、直進性に優れた性能を有する薄刃ブレードを提供することができる。
また、本発明に係る薄刃ブレードにおいて、前記メタル基材が、粉末冶金法にて作製されていることを特徴としている。
本発明に係る薄刃ブレードによれば、ボンド材の粉末を押し固めた後、焼成することで所望のメタル基材を製造することができるため、容易に製造することができ、歩留まりを向上することができる。また、脆性材料を用いても高品位に加工することができる。
また、本発明に係る薄刃ブレードにおいて、前記外周部が、前記外周側ボンド材の真比重の60%以上になるように形成されていることを特徴としている。
本発明に係る薄刃ブレードによれば、外周部の耐摩耗性が確保され、超砥粒が容易に脱落するのを抑制することができる。したがって、所望の自生発刃作用を有した外周部を形成することができる。
また、本発明に係る薄刃ブレードにおいて、前記外周部の径方向肉厚が、前記メタル基材の径方向肉厚の1/3以下であることを特徴としている。
本発明に係る薄刃ブレードによれば、内周側ボンド材によりメタル基材の剛性を確実に確保することができる。したがって、所望の自生発刃作用を有しつつ、剛性が確保されたメタル基材を提供することができる。
また、本発明に係る薄刃ブレードにおいて、前記外周側ボンド材と前記内周側ボンド材とが同一の材料で形成されていることを特徴としている。
本発明に係る薄刃ブレードによれば、一種類のボンド材料を用い、内周側ボンド材により薄刃ブレードの剛性を確保することができ、外周側ボンド材は適度な軟らかさで形成されているため自生発刃性を有することができる。つまり、直進性に優れた性能を有する薄刃ブレードを一種類のボンド材料だけで容易に製造することができる。結果として、歩留まりが向上した高品位な薄刃ブレードを提供することができる。
また、本発明に係る薄刃ブレードにおいて、前記内周部および前記外周部の少なくともいずれか一方に、前記ボンド材と異なるメタル材料が溶浸されていることを特徴としている。
本発明に係る薄刃ブレードによれば、内周部および外周部の少なくともいずれか一方に、ボンド材料と異なる材料のメタル材料が溶浸されているため、よい高品位な薄刃ブレードを提供することができる。
本発明に係る薄刃ブレードによれば、内周部を構成する内周側ボンド材により薄刃ブレードの剛性を確保することができ、外周部を構成する外周側ボンド材は適度な軟らかさで形成されているため自生発刃性を有することができる。結果として、直進性に優れた性能を有する薄刃ブレードを提供することができる。
本発明の実施形態における薄刃ブレードの正面図である。 図1のA−A線に沿う断面図である。 図2のB部拡大図である。
次に、本発明の実施形態を図1〜図3に基づいて説明する。
図1は、薄刃ブレードの正面図である。図2は、図1のA−A線に沿う断面図である。図3は、図2のB部拡大図である。
図1に示すように、薄刃ブレード10は、軸線Oを中心とした円環形状を有しており、厚さ0.03mm〜0.5mm程度の薄肉板状をなしている。薄刃ブレード10は、円環形状のメタル基材11と、メタル基材11の外周縁に形成された切刃13と、を備えている。メタル基材11は、粉末冶金法にて作製されている。また、薄刃ブレード10には、被切断材を切断など加工するための超砥粒21が配されている。
また、薄刃ブレード10は、円環薄板状の内周部15と、該内周部の径方向外側に位置する円環薄板状の外周部17と、を備えている。内周部15の径方向内側に形成された貫通孔19は、図示しない加工装置の主軸に挿入されて、該加工装置に取り付けられる。そして、軸線O回りに回転されつつ、該軸線Oに垂直な方向に送り出されることにより、外周部17の外周縁に形成された切刃13によって、例えば半導体チップなどの電子部品の切断や溝入れなどの超精密加工に使用される。
ここで、本実施形態のメタル基材11は、内周部15を構成する内周側ボンド材16と、外周部17を構成する外周側ボンド材18と、が同一の材料で構成されており、例えば、炭化タングステン−コバルト(WC−Co)で形成されている。
また、外周部17の径方向肉厚d1は、内周部15および外周部17を合わせたメタル基材11の径方向肉厚d2に対して1/3以下となるように、内周部15および外周部17の大きさが設定されている。
また、外周部17は、外周側ボンド材18の真比重の60%以上となっている。具体的には、外周部17には気孔23が形成されており、例えば、外周側ボンド材18の真比重の60%以上95%以下になるように形成されている。なお、気孔23は、内周側ボンド材16および外周側ボンド材18の原料となる金属の粉末を押し固める際に、押圧する圧力を調整することにより、外周部17のみに気孔23を形成することができる。
本実施形態の薄刃ブレード10によれば、内周部15を構成する内周側ボンド材16により薄刃ブレード10の剛性を確保することができ、外周部17は気孔を形成して外周側ボンド材18が低密度で配されるように構成して適度な軟らかさで形成されているため自生発刃性を有することができる。結果として、直進性に優れた性能を有する薄刃ブレード10を提供することができる。
また、メタル基材11を粉末冶金法にて作製した。つまり、ボンド材16,18の粉末を押し固めた後、焼結することで所望のメタル基材11を製造したため、容易に製造することができ、歩留まりを向上することができる。また、脆性材料からなるワーク材料(被切断材)に対しても高品位に加工することができる。
また、外周部17に気孔を形成して、外周側ボンド材18の真比重の60%以上になるように形成したため、外周部17の耐摩耗性が確保され、超砥粒21が容易に脱落するのを抑制することができる。したがって、所望の自生発刃作用を有した外周部17を形成することができる。一方、外周側ボンド材18の真比重の95%以下になるように外周部17を形成したため、外周部17が硬くなりすぎるのを抑制することができ、自生発刃性を有する薄刃ブレード10を構成することができる。
また、外周部17の径方向肉厚d1が、メタル基材11の径方向肉厚d2の1/3以下になるように構成したため、内周側ボンド材16によりメタル基材11の剛性を確実に確保することができる。したがって、所望の自生発刃作用を有しつつ、剛性が確保されたメタル基材11を提供することができる。
また、外周側ボンド材18および内周側ボンド材16を同一の材料で形成したため、一種類のボンド材料(例えば、WC−Co)を用い、内周側ボンド材16により薄刃ブレード10の剛性を確保することができ、外周側ボンド材18は適度な軟らかさで形成されているため自生発刃性を有することができる。つまり、直進性に優れた性能を有する薄刃ブレード10を一種類のボンド材料だけで容易に製造することができる。結果として、歩留まりが向上した高品位な薄刃ブレード10を提供することができる。
実施例1では、粒度♯1000のダイヤモンド超砥粒を、WC−40Coからなる金属結合層に均一に分散したベースブレードを作製した。このベースブレードの各寸法は、外径58mm、内径40mm、厚さ0.05mmである。
本発明による発明品1〜3、並びに発明品1〜3と比較するための比較品4,5は、内周部15および外周部17のボンド材として、それぞれWC−40Coを用い、発明品1は外周部17のボンド材料の密度を95%として形成し、発明品2は外周部17のボンド材料の密度を80%として形成し、発明品3は外周部17のボンド材料の密度を60%として形成した。一方、比較品4は外周部17のボンド材料の密度を97%として形成し、比較品5は外周部17のボンド材料の密度を55%として形成した。
(剛性評価試験1)
剛性評価試験1では、上記実施例1におけるベースブレード、発明品1〜3、比較品4,5(以下、サンプル品という。)を用いて剛性値を評価する試験を行い、この試験によって得られた剛性値を表1に示す。
Figure 0005566189
この表1に示すように、比較品5の剛性値がベースブレードを含む他のサンプル品の剛性値よりも小さくなっており、ボンド密度が高くなるほど剛性値が大きくなっていることが理解できるが、曲げ強度は大きな相違がなく、低密度であっても剛性値は維持されている。
(切断試験1)
切断試験1では、上記各サンプル品のブレードを使用して、ワークの切断加工を行った。なお、ワークとしては、直径3インチ(76.2mm)、厚さ1.0mmのAl203−TiCを用いた。
この切断加工において、直進性は切断加工される部材の切断中における最大曲がり量を計測したものである。また、チッピングの大きさを工具顕微鏡で確認した。さらに、切断加工中に、主軸電流値を測定した。
なお、切断装置は、各ブレードを外径52mmのフランジによってその主軸を狭着して、主軸回転数30000min−1、送り速度3mm/secとして切断加工を行った。この切断試験1によって得られた直進性、チッピングの大きさ、主軸電流値を表2に示す。
Figure 0005566189
表2に示すように、直進性については、ベースブレード、比較品4、比較品5、発明品1、発明品3、発明品2の順で小さくなることが理解される。また、チッピングおよび主軸電流値については、ベースブレード、比較品4,5に対して発明品1〜3が小さくなることが理解される。
上記の結果より、本発明に係る発明品1〜3は、ベースブレード、比較品4,5と比較して、直進性における最大曲がり量およびチッピングが小さく抑えられるとともに、主軸電流値も小さく、すなわち低い抵抗で切断可能であることが理解される。
(切断試験2)
切断試験2では、上記の切断試験1の送り速度を10mm/secに変更して切断試験1と同様の試験を行った。表3に、切断試験2の結果を示す。
Figure 0005566189
表3に示すように、発明品1〜3は、上記の切断試験1と同様に、直進性における最大曲がり量およびチッピングが小さく抑えられるとともに、主軸電流値も小さく、すなわち低い抵抗で切断可能であることが理解される。また、ベースブレードは、焼付けによりワークを切断することができなかった。比較品4,5はともに、直進性およびチッピングが発明品よりもかなり大きくなっており、外周部のボンド密度が性能に左右されることが理解できる。
実施例2では、粒度♯800のダイヤモンド超砥粒を、WC−40Coからなる金属結合層に均一に分散したベースブレードを作製した。このベースブレードの各寸法は、外径58mm、内径40mm、厚さ0.07mmである。
本発明による発明品1〜3、並びに発明品1〜3と比較するための比較品4は、内周部15および外周部17のボンド材として、それぞれWC−40Coを用い、発明品1は外周部17のボンド材料の密度を85%として形成するとともに径方向肉厚を1mmとして形成し、発明品2は外周部17のボンド材料の密度を85%として形成するとともに径方向肉厚を2mmとして形成し、発明品3は外周部17のボンド材料の密度を85%として形成するとともに径方向肉厚を3mmとして形成した。一方、比較品4は外周部17のボンド材料の密度を85%として形成するとともに径方向肉厚を4mmとして形成した。
(剛性評価試験2)
剛性評価試験2では、上記実施例2におけるベースブレード、発明品1〜3、比較品4(以下、サンプル品という。)を用いて剛性値を評価する試験を行い、この試験によって得られた剛性値を表4に示す。
Figure 0005566189
この表4に示すように、剛性値は、ベースブレード、発明品1、発明品2、発明品3、比較品4の順で小さくなることが理解される。つまり、低密度な外周部が大きくなるほど剛性値は小さくなることが理解できるが、大きな相違がなく、低密度であっても剛性値は維持されている。
(切断試験3)
切断試験3では、上記各サンプル品のブレードを使用して、ワークの切断加工を行った。なお、ワークとしては、長さ100mm、幅100mm、厚さ0.7mmのセラミックグリーンシートを用いた。
切断試験3の送り速度を200mm/secとすること、チッピングの代わりにブレードへの切り屑の付着、すなわちダストを目視で測定すること、および摩耗量を測定すること以外は、上記切断試験1と同一の条件で切断加工を行った。
この切断試験3によって得られた直進性、ダストの付着、主軸電流値、摩耗量を表5に示す。
Figure 0005566189
表5に示すように、直進性における最大曲がり量は、ベースブレード、比較品4、発明品2、発明品1、発明品3の順で小さくなっていることが理解される。また、主軸電流値も、ベースブレード、比較品4に対して発明品1〜3が小さくなっていることが理解される。
また、表5に示すように、各サンプル品に付着するダストは、ベースブレードおよび比較品4に多少の付着が認められた。しかしながら、発明品1〜3には、ダストの付着が認められなかった。
また、摩耗量については、比較品4、発明品3、発明品2、発明品1、ベースブレードの順で小さくなっていることが理解できる。つまり、低密度の外周部が大きいほど、強度が若干低くなるため、ブレード側面からの摩耗が進行していると理解できる。
実施例3では、粒度♯600のダイヤモンド超砥粒を、WC−40Coからなる金属結合層に均一に分散したベースブレードを作製した。なお、このベースブレードは、WC−40Coの密度が85%で、溶浸なしのものである。また、このベースブレードの各寸法は、外径58mm、内径40mm、厚さ0.12mmである。
本発明による発明品1〜3は、内周部15および外周部17のボンド材として、それぞれWC−40Coを用い、発明品1は外周部17のボンド材料の密度を85%として形成するとともに5%Cuを溶浸させて形成し、発明品2は外周部17のボンド材料の密度を85%として形成するとともに10%Cuを溶浸させて形成し、発明品3は外周部17のボンド材料の密度を85%として形成するとともに15%Cuを溶浸させて形成した。
(剛性評価試験3)
剛性評価試験3では、上記実施例3におけるベースブレード(溶浸なし)、発明品1〜3(以下、サンプル品という。)を用いて剛性値を評価する試験を行い、この試験によって得られた剛性値を表6に示す。
Figure 0005566189
この表6に示すように、剛性値は、ベースブレード、発明品1、発明品2、発明品3の順で大きくなることが理解される。つまり、溶浸するCuが多くなるほど剛性値は大きくなることが理解できる。
(切断試験4)
切断試験4では、上記各サンプル品のブレードを使用して、ワークの切断加工を行った。なお、ワークとしては、長さ100mm、幅100mm、厚さ1.0mmのAl203を用いた。
この切断加工において、直進性は切断加工される部材の切断中における最大曲がり量を計測したものである。また、チッピングの大きさを工具顕微鏡で確認した。さらに、切断加工中に、主軸電流値を測定した。そして、切断加工中の外周部の摩耗量を測定した。
なお、切断装置は、各ブレードを外径52mmのフランジによってその主軸を狭着して、主軸回転数21000min−1、送り速度10mm/secとして切断加工を行った。この切断試験4によって得られた直進性、チッピングの大きさ、主軸電流値、摩耗量を表7に示す。
Figure 0005566189
表7に示すように、直進性における最大曲がり量は、ベースブレード(溶浸なし)および発明品1〜3で同じ結果になっていることが理解される。また、主軸電流値も、ベースブレードおよび発明品1〜3でほぼ同じ結果になっていることが理解される。
また、チッピングについては、ベースブレード、発明品1,2はほぼ同じ大きさになっており、発明品3は小さくなっていることが理解される。
また、摩耗量については、ベースブレード、発明品1、発明品2、発明品3の順で小さくなっていることが理解できる。
つまり、Cuを溶浸すると、切断品位を劣化させることなくブレードの剛性を向上させることができ、かつ、ブレードの長寿命化を図ることができる。
(切断試験5)
切断試験5では、上記の切断試験4の送り速度を30mm/secに変更して切断試験4と同様の試験を行った。表8に、切断試験5の結果を示す。
Figure 0005566189
表8に示すように、直進性、チッピングおよび主軸電流値は、ベースブレードおよび発明品1〜3との間でほぼ同一の結果が得られた。
また、摩耗量については、ベースブレード、発明品1、発明品2、発明品3の順で小さくなっていることが理解できる。
つまり、Cuを溶浸すると、送り速度を上げても切断試験4と略同一の性能を発揮することができる。
実施例4では、粒度♯600のダイヤモンド超砥粒を、Cu−10Sn−50Coからなる金属結合層に均一に分散したベースブレードを作製した。なお、このベースブレードは、Cu−10Sn−50Coの密度が85%で、溶浸なしのものである。また、このベースブレードの各寸法は、外径58mm、内径40mm、厚さ0.12mmである。
本発明による発明品1〜3は、内周部15および外周部17のボンド材として、それぞれCu−10Sn−50Coを用い、発明品1は外周部17のボンド材料の密度を85%として形成するとともに5%Alを溶浸させて形成し、発明品2は外周部17のボンド材料の密度を85%として形成するとともに10%Alを溶浸させて形成し、発明品3は外周部17のボンド材料の密度を85%として形成するとともに15%Alを溶浸させて形成した。なお、ベースブレードおよび発明品1〜3を、サンプル品という。
(切断試験6)
切断試験6では、上記各サンプル品のブレードを使用して、ワークの切断加工を行った。なお、ワークとしては、長さ100mm、幅100mm、厚さ1.0mmの水晶を用いた。
この切断加工において、チッピングの大きさを工具顕微鏡で確認した。さらに、切断加工中に、主軸電流値を測定した。そして、切断加工中の外周部の摩耗量を測定した。
なお、切断装置は、各ブレードを外径52mmのフランジによってその主軸を狭着して、主軸回転数21000min−1、送り速度10mm/secとして切断加工を行った。この切断試験6によって得られたチッピングの大きさ、主軸電流値、摩耗量を表9に示す。
Figure 0005566189
表9に示すように、チッピングについては、ベースブレード(溶浸なし)、発明品1,2はほぼ同じ大きさになっており、発明品3は小さくなっていることが理解される。
また、主軸電流値は、ベースブレードおよび発明品1〜3でほぼ同じ結果になっていることが理解される。
さらに、摩耗量については、ベースブレード、発明品1、発明品2、発明品3の順で小さくなっていることが理解できる。
つまり、Alを溶浸すると、切断品位を劣化させることなくブレードの剛性を向上させることができ、かつ、ブレードの長寿命化を図ることができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、実施形態で挙げた具体的な構造や形状などはほんの一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
例えば、本実施形態では、メタル基材11として、一種類のメタル材料(WC−Co)を用い、粉末冶金法にて形成した場合の説明をしたが、さらに、内周側15および外周側17に用いたボンド材料と異なるメタル材料を溶浸してもよい。このように構成することにより、よい高品位な薄刃ブレード10を提供することができる。
また、本実施形態では、外周部のみに気孔を形成した場合の説明をしたが、内周部に気孔が形成されていてもよい。この場合は、内周部の気孔密度が外周部の気孔密度よりも小さくなっていれば、略同一の作用効果を得ることができる。
10…薄刃ブレード 11…メタル基材 13…切刃 15…内周部 16…内周側ボンド材 17…外周部 18…外周側ボンド材 21…超砥粒 O…軸線(軸) d1…外周部の径方向肉厚 d2…メタル基材の径方向肉厚

Claims (6)

  1. WC−Coからなるボンド材に超砥粒が分散されてなる円形薄板状のメタル基材と、
    該メタル基材の外周縁部に形成された切刃と、を有し、
    前記メタル基材が軸周りに回転されるとともに、前記切刃で被切断材を切断加工する薄刃ブレードであって、
    前記メタル基材は、径方向内側に形成された内周部と、該内周部の径方向外側に形成され、前記切刃が形成された外周部と、を備え、
    前記外周部を構成する外周側ボンド材が、前記内周部を構成する内周側ボンド材よりも低い密度で形成されていることを特徴とする薄刃ブレード。
  2. 前記メタル基材が、粉末冶金法にて作製されていることを特徴とする請求項1に記載の薄刃ブレード。
  3. 前記外周部が、前記外周側ボンド材の真比重の60%以上になるように形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の薄刃ブレード。
  4. 前記外周部の径方向肉厚が、前記メタル基材の径方向肉厚の1/3以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の薄刃ブレード。
  5. 前記外周側ボンド材と前記内周側ボンド材とが同一の材料で形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の薄刃ブレード。
  6. 前記内周部および前記外周部の少なくともいずれか一方に、前記ボンド材と異なるメタル材料が溶浸されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の薄刃ブレード。
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