JP3880977B2 - 真空チャック - Google Patents

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Description

本発明は、半導体ウエハ等の被吸着体を吸着し、例えば、該被吸着体の加熱処理、研削処理、研磨処理、CVD処理、スパッタリング等のPVD処理等を行うために用いられる真空チャックに関する。より詳細には、特に、半導体ウエハ等の表面の研磨に好適に用いられる真空チャックに関する。
一般に、半導体製品を製造する際には、単結晶シリコンインゴットを薄くスライスした後、その表面を研削、ラッピング、ポリッシングすることにより、鏡面に研磨されたシリコンウエハを得ることができる。
このシリコンウエハの研磨工程は、精密な半導体製品(半導体チップ)を製造するために必要不可欠な重要な工程であり、このようなシリコンウエハの研磨工程では、シリコンウエハを固定して研磨を行うウエハ研磨装置が必要となる。そこで、従来から様々な種類のウエハ研磨装置が提案されている。
従来のウエハ研磨装置として、接着剤を用い、半導体ウエハをウエハ保持治具の保持面に貼り付けて、研磨を行う装置が用いられていた(例えば、特許文献1参照)。
図4は、上記ウエハ研磨装置の一例を模式的に示した部分拡大断面図である。
図4に示した通り、このウエハ研磨装置200では、半導体ウエハ15を下向きに保持し、この半導体ウエハ15をテーブル225の研磨面225aに当接させた後、回転させることにより半導体ウエハ215の表面を研磨するように構成された円板状のウエハ保持治具201と、研磨面225aを有し、回転が可能なテーブル225とから構成されている。
ウエハ保持治具201の保持面221の反対側面の中心部には、プッシャ棒224が固定されており、このプッシャ棒224は図示しない駆動手段に連結され、この駆動手段を駆動させると、プッシャ棒224及びウエハ保持治具201が回転するようになっている。また、半導体ウエハ15は、ウエハ保持治具201の保持面221に形成された熱可塑性ワックス等からなる接着層を介して貼着、保持されている。
半導体ウエハ15の研磨を行う際には、ウエハ保持治具201とテーブル225とを回転させ、次に、ウエハ保持治具201又はテーブル225を上下動させ、半導体ウエハ15とテーブル225の研磨面225aとを摺接させることにより半導体ウエハ15の研磨を行っていた。
しかしながら、このようなウエハ研磨装置200では、半導体ウエハ15を貼り付けたり、剥がしたりする工程を行う必要があり、工程数が多くなるとともに、これらの工程で半導体ウエハ15に傷等がはいるおそれがあるという問題があった。また、半導体ウエハ15と保持面21との間に介在する接着層を均一の厚さにするのが難しく、半導体ウエハ15が傾きやすいという問題があった。
そこで、半導体ウエハの脱着を容易に行うことができる真空チャックを用いた研磨装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
この真空チャックを用いた研磨装置では、半導体ウエハを保持するための吸着体として多孔質体を用いているため、半導体ウエハの脱着が容易であるのみでなく、半導体ウエハと吸着体の保持面との間に介在物が存在しないため、半導体ウエハが傾くことがなく均一な研磨を行い易いという利点がある。
しかしながら、従来の多孔質体を吸着体とした真空チャックにおいては、吸着体の平均気孔径が小さすぎたため、真空引きが困難で吸着面における単位面積当たりの吸着力が弱いものであった。そのため、一定以上の吸着力を得ようとすれば、その厚さを薄くするか、又は、吸着体の内側に有底孔等を形成し、この有底孔を介して被吸着体を吸引せざるを得ないが、このような吸着体は機械的強度が低くなり、クラックや反り等が発生し易くなるという問題があった。
また、気孔分布が広く、径の小さな気孔の占める割合が高かったため、吸着力がなかなか高くならず、さらに、吸着力も吸着体の吸着面の場所によって異なるため、吸着力が不均一となり、例えば、被吸着体の研磨等を行うと、研磨状態が均一にならない等の種々の不都合が発生した。
一方、吸着体の平均気孔径を大きくすると真空引きは容易となるため、その厚さを厚くすることができるが、表面の気孔が存在する部分と気孔が存在しない部分との吸着力の差が大きくなり、その結果、気孔が被吸着体に転写された形態の研磨面が形成され、均一な研磨面が形成されず、被吸着体の研磨面の平面度が低下するという問題があった。
特開平11−320394号公報 特開2000−15573号公報
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、吸着力が高く、また、吸着力が全体的に均一であるとともに、吸着力分布が改善され、研磨装置として用いた場合には、被吸着体の均一な研磨を実現することができる真空チャックを提供することを目的とする。
第一の本発明の真空チャックは、多孔質セラミックからなり、被吸着体を吸着、保持するための保持面を有する吸着体と、上記吸着体の保持面と吸引孔対応部とを除いた面のほぼ全体を封止するための封止体とを含んで構成される真空チャックであって、
上記吸着体の細孔分布を水銀圧入法により測定した際、平均気孔径が10〜40μmで、上記平均気孔径の0.7〜1.2倍の気孔径を有する細孔の全細孔容積に対する割合が75%以上であり、上記平均気孔径の0.7倍未満の気孔径を有する細孔の全細孔容積に対する割合が15%以下であり、上記平均気孔径の1.2倍を超える気孔径を有する細孔の全細孔容積に対する割合が10%以下であることを特徴とする。
第二の本発明の真空チャックは、多孔質セラミックからなり、被吸着体を吸着、保持するための保持面を有するとともに、上記保持面と吸引孔対応部とを除いた面のほぼ全体を封止するための封止層が形成された吸着体を含んで構成される真空チャックであって、
上記吸着体の細孔分布を水銀圧入法により測定した際、平均気孔径が10〜40μmで、上記平均気孔径の0.7〜1.2倍の気孔径を有する細孔の全細孔容積に対する割合が75%以上であり、上記平均気孔径の0.7倍未満の気孔径を有する細孔の全細孔容積に対する割合が15%以下であり、上記平均気孔径の1.2倍を超える気孔径を有する細孔の全細孔容積に対する割合が10%以下であることを特徴とする。
本発明の真空チャックは、上述した構成を有しており、上記吸着体の気孔径は、適切な大きさに設定されており、気孔径のバラツキが殆どないため、吸着力が高く、吸着力が全体的に均一であるとともに、吸着力の分布が殆どなく、研磨装置として用いた場合には、気孔分布の転写等の現象が発生せず、被吸着体の均一な研磨を実現することができる。
まず、第一の本発明の真空チャックについて説明する。
第一の本発明の真空チャックは、多孔質セラミックからなり、被吸着体を吸着、保持するための保持面を有する吸着体と、上記吸着体の保持面と吸引孔対応部とを除いた面のほぼ全体を封止するための封止体とを含んで構成される真空チャックであって、
上記吸着体の細孔分布を水銀圧入法により測定した際、平均気孔径が10〜40μmで、上記平均気孔径の0.7〜1.2倍の気孔径を有する細孔の全細孔容積に対する割合が75%以上であり、上記平均気孔径の0.7倍未満の気孔径を有する細孔の全細孔容積に対する割合が15%以下であり、上記平均気孔径の1.2倍を超える気孔径を有する細孔の全細孔容積に対する割合が10%以下であることを特徴とする真空チャックである。
第一の本発明の真空チャックは、多孔質セラミックからなる吸着体と封止体とを含んで構成されている。
上記吸着体の材料としては特に限定されず、例えば、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化チタン等の窒化物セラミック、炭化珪素、炭化ジルコニウム、炭化チタン、炭化タンタル、炭化タングステン等の炭化物セラミック、アルミナ、ジルコニア、コージュライト、ムライト等の酸化物セラミック等を挙げることができるが、これらのなかでは、高い熱伝導率を有するとともに、塩酸、硝酸、硫酸、フッ酸、フッ硝酸及び水酸化ナトリウム等に対する耐薬品性に優れる炭化珪素が望ましい。なお、上記セラミックに金属珪素を配合した珪素含有セラミックや、珪素や珪酸塩化合物で結合されたセラミックも用いることができる。
第一の本発明の真空チャックにおいて、上記吸着体の細孔分布を水銀圧入法により測定した際、平均気孔径の下限は10μmであり、上限は40μmである。上記平均気孔径は、下限が20μm、上限が35μmであることが望ましく、下限が25μm、上限が30μmであることがより望ましい。
上記吸着体の平均気孔径が10μm未満であると、本発明の真空チャックを用いた真空引きが困難となるため、上記吸着体の厚さを薄くする必要があり機械的強度を充分に確保することができなくなる。一方、平均気孔径が40μmを超えると、表面の気孔が存在する部分と気孔が存在しない部分との吸着力の差が大きくなり、その結果、気孔が被吸着体に転写された形態の研磨面が形成され、均一な研磨面が形成されず、被吸着体の研磨面の平面度が低下する。
なお、上記吸着体の平均気孔径を測定する方法は、上記水銀圧入法のほか、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)による測定等従来公知の方法により測定してもよい。
また、第一の本発明の真空チャックにおいて、上記吸着体は、上記平均気孔径の0.7〜1.2倍の気孔径を有する細孔(以下、主細孔ともいう)の全細孔容積に対する割合が75%以上である。即ち、上記吸着体は、平均気孔径が10〜40μmの細孔が大部分を占めており、その気孔径分布のピークが非常にシャープで気孔径のバラツキが小さい。
上記主細孔の全細孔容積に対する割合が75%未満であると、上記吸着体の気孔径のバラツキが大きく、被吸着体の吸着力にバラツキが発生してしまい、例えば、本発明の真空チャックを用いて被吸着体の研磨等を行おうとすると、部分的に吸着力に差が生じるため、被吸着体の研磨状態が均一にならない。
上記主細孔の全細孔容積に対する割合は80%以上であることが望ましく、85%以上であることがより望ましい。
また、上記吸着体は、上記平均気孔径の0.7倍未満の気孔径を有する細孔(以下、微細孔ともいう)の全細孔容積に対する割合が15%以下であり、上記平均気孔径の1.2倍を超える気孔径を有する細孔(以下、巨細孔ともいう)の全細孔容積に対する割合が10%以下である。即ち、上記吸着体は、上記主細孔よりも小さな細孔(微細孔)及び上記主細孔よりも大きな細孔(巨細孔)が、略均等に存在している。
上記微細孔の全細孔容積に対する割合が15%を超えると、例えば、上記主細孔の全細孔容積に対する割合が75%以上であるがその平均気孔径が10μm程度と小さい場合、吸着体に存在する微小な細孔の割合が高くなり、本発明の真空チャックを用いた真空引きが困難となるため、上記吸着体の厚さを薄くする必要があり機械的強度を充分に確保することができなくなる。一方、上記巨細孔の全細孔容積に対する割合が、10%を超えると、例えば、上記主細孔の全細孔容積に対する割合が75%以上であるがその平均気孔径が40μm程度と大きい場合、吸着体に存在する巨大な細孔の割合が高くなり、本発明の真空チャックを用いて被吸着体の研磨等を行う際、部分的に吸着力に差が生じるため、被吸着体の研磨状態が均一にならない。
上記微細孔及び巨細孔の全細孔容積に対する割合は、それぞれ10%以下、5%以下であることが望ましい。
第一の本発明の真空チャックにおいて、上記吸着体の気孔率の下限は20%であり、上限は50%であることが望ましい。気孔率が20%未満であると、被吸着体の吸引力が弱くなり、本発明の真空チャックを用いて被吸着体の研磨等を行う際、被吸着体が移動したり、剥がれたりすることがある。一方、気孔率が50%を超えると、吸着体の強度が低下するため、破壊されやすく、それを防止するためには吸着体の厚さを厚くする必要が生じ、本発明の真空チャックが大型化してしまうとともに、高価になってしまう。
上記気孔率の下限は25%であり、上限は45%であることがより望ましく、下限は30%であり、上限は40%であることがさらに望ましい。
なお、上記気孔率は、水銀圧入法、アルキメデス法、走査型電子顕微鏡(SEM)による測定等、従来公知の方法により測定することができる。
また、上記吸着体の平均粒径の下限は30μmであり、上限は70μmであることが望ましい。このように平均粒径の比較的大きめの粒子が望ましいのは、一般に、熱が粒子の内部を伝導する効率は、熱が粒子間を伝導する効率に比べて高いため、平均粒径が大きいほど熱伝導率が高くなり、また、気孔径が揃い易いからである。
上記吸着体の形状としては特に限定されず、円板状であってもよく、直径の大きな円板と直径の小さな円板とが一体的に積層形成された形状であってもよい。さらに、平面視楕円形の板状であってもよく、直方体形状や立方体形状であってもよい。
上記吸着体の機械的強度としては特に限定されないが、例えば、JIS R 1601に準拠した三点曲げ試験において、20MPa以上であることが望ましい。20MPa未満であると、上記吸着体に反りやクラック等が発生し易くなる。
上記吸着体の熱伝導率は、50W/m・K以上であることが望ましい。例えば、本発明の真空チャックを用いて半導体ウエハの研磨加工を行うと、上記吸着体が摩擦熱により高温になりやすいため、冷媒による冷却を行う場合があるが、この冷媒による冷却効果を向上させるために、熱伝導率の高い材料が好ましいからである。
また、上記吸着体の厚さは、該吸着体の平均気孔径や平均気孔率、構成する材料の熱伝導率等を考慮して適宜決定されるが、例えば、上記吸着体が炭化珪素から構成されている場合、5〜60mmであることが望ましい。吸着体の厚さが5mm未満であると、その直径に対して薄くなりすぎ、吸着体に反りが発生しやすく、また、強度が低下して破損しやすくなる。一方、吸着体の厚さが60mmを超えると、重量が増し真空チャックの大型化を招く。
また、第一の本発明の真空チャックにおいて、上記吸着体は、被吸着体を吸着、保持するための保持面を有しており、該保持面の形状は、通常、吸着体の形状に依存して変化するが、保持面のみが特定の形状に形成されていてもよい。また、保持面は、精度のよい平面状に仕上げられていることが望ましく、上記保持面の平面度の望ましい上限は、10μmであり、より望ましい上限は、5μmである。
上記保持面の平面度が10μmを超えると、被吸着体の研磨を行った際、研磨面の平坦度が低下してしまう。
本明細書において、吸着体の保持面の平面度とは、保持面のうち、気孔が形成されておらず、粒子が存在する部分について、その高さをプロットしていき、その一番高い点と低い点との間の差(距離)とする。これにより、保持面の起伏の大きさを評価することが可能である。このように規定したのは、保持面の粒子が存在する部分により被吸着体を支持するため、この部分の起伏の大きさの程度により、研磨を行う際の被吸着体の研磨面の凹凸が影響を受けるからである。なお、吸着体は、多孔質セラミックからなるため、保持面の表面には、上述したように、粒子が存在する部分と気孔が存在する部分とがあり、これに起因して細かな凹凸が形成されているが、この凹凸の大きさは、細孔分布等により評価を行うことができる。
第一の本発明の真空チャックを研磨装置、特に半導体ウエハ表面を研磨する研磨装置として用いる場合には、保持面の形状は、円形状であることが望ましい。
上記保持面の大きさは特に限定されるものではなく、被吸着体の大きさに応じてその寸法を決定するが、例えば、半導体ウエハ等の被吸着体を保持した際、該吸着体の保持面の外縁から0.1〜15mm内側に上記被吸着体の外縁が位置する形状、寸法となるように構成されていることが望ましい。吸着力が高く、かつ、吸着体の吸着力が全体的に均一であるため、研磨装置として用いた場合には、被吸着体の均一な研磨を実現することができるからである。
上記被吸着体を吸着、保持した際、被吸着体が上記吸着体の保持面の外縁から内側に0.1mm入った位置よりも外側にくるするように構成されている場合、すなわち、被吸着体の外縁と吸着体の外縁との距離が0.1mmよりも小さくなるように設定されている場合、半導体ウエハを載置する際の精度との関係で、被吸着体と封止体とが接触しやすい。このため、研磨時に半導体ウエハが封止体に接触して浮き上がってしまう場合がある。
このような場合、例えば、本発明の真空チャックを半導体ウエハの研磨装置として使用すると、半導体ウエハの縁部付近が余計に研磨されてしまい、研磨状態が不均一になってしまう。
一方、上記被吸着体を保持した際、該吸着体の保持面の外縁から15mmよりもさらに内側に上記被吸着体の外縁が位置するように構成されている場合、被吸着体と封止体との間に大きな隙間が空いてしまうため、その隙間から空気が多量に吸い込まれ、被吸着体外周の吸着力が低下して浮き上がり、やはりそのため半導体ウエハの縁部付近が余計に研磨されてしまう。
吸着体の保持面が円形である場合、その直径としては、研磨対象物である半導体ウエハ等の直径等を考慮して適宜決定されるが、100〜330mmであることが望ましい。
上記封止体は、上記吸着体の保持面を除いた面のほぼ全体を封止するために設けられており、上記吸着体の保持面以外の部分から空気が漏れないようになっている。また、その一部に吸引部が設けられており、この吸引部を介して封止体の内部(吸着体内部)を吸引することにより、吸着体内部を減圧状態とし、被吸着体を吸着可能とするようになっている。
上記封止体及び固定ベースの材料は特に限定されるものではなく、SUS、鋼、アルミニウム合金等の金属であってよく、窒化ケイ素、炭化ケイ素、アルミナ等のセラミックであってもよいが、一定以上の機械的強度を有する緻密体であることが望ましい。減圧(真空)に耐え得る機械的特性を有する必要があり、また、封止体からの空気の漏れをなくす必要があるからである。
図1(a)は、第一の本発明の真空チャックの一例を模式的に示した斜視図であり、(b)は、その断面図である。
図1に示したように、真空チャック10は、吸着体11と封止体12とから構成されており、円板上に筒状体が一体的に形成された形態の封止体12の上記筒状体の内部に、円板状の吸着体11が固定され、上記構成の真空チャック10の下には固定ベース30が設けられている。
また、封止体12は、等間隔に設置された4本のボルト31を用いて固定ベース30に固定されており、この固定ベース30の中央部分に吸着体11の下面に通じる吸引孔13aを有する吸引部13が設けられ、この吸引孔13aより吸着体11内部の空気を吸引することができるようになっている。なお、この真空チャック10は、吸引部13の中心軸を中心として回転を可能にする回転機構を備えていてもよい。
そして、真空チャック10を組み立てた後、吸引部13を適当な管状部材等を介して真空ポンプ等に接続し、この吸引孔13aから空気を吸引することにより、吸着体11の保持面14に載置した半導体ウエハ15を吸着・保持することができるようになっている。
なお、図1に示した吸着体11には、溝等が形成されていないが、吸引速度を速めるために、例えば、保持面14の反対側の面に種々の形状の溝が形成されていてもよい。
そして、研磨面を有する研磨テーブルと保持面に吸着された半導体ウエハ15とが平行になった状態で、研磨テーブルを回転させるか、真空チャック10自体を回転させるか、又は、両者を回転させ、両者を接触させることにより、半導体ウエハ15表面の研磨等を行うことができる。なお、上記研磨テーブルには、研磨クロスを貼り付けることにより粗化面が形成されていてもよく、ダイヤモンド砥粒等を用いて粗化面が形成されていてもよい。
封止体12の形状は、図1に示した形状に限定されるものではなく、例えば、吸着体11の保持面14の反対側の面全体に空洞が形成されていてもよい。また、封止体下部12aの保持面14の反対側の面に当接している部分が厚く形成され、その部分に吸引孔に吸引した空気を吸引孔に導くための溝または孔が形成されていてもよい。
第一の本発明の真空チャックの用途は特に限定されず、上述したように、被吸着体の加熱処理、研削処理、研磨処理、CVD処理、スパッタリング等のPVD処理を行うために用いられてもよい。
以上説明した通り、第一の本発明の真空チャックは、吸着体の細孔分布を水銀圧入法により測定した際、平均気孔径が10〜40μmで、上記平均気孔径の0.7〜1.2倍の気孔径を有する細孔の全細孔容積に対する割合が75%以上であり、上記平均気孔径の0.7倍未満の気孔径を有する細孔の全細孔容積に対する割合が15%以下であり、上記平均気孔径の1.2倍を超える気孔径を有する細孔の全細孔容積に対する割合が10%以下であり、上記吸着体の気孔径は、適切な大きさに設定されており、気孔径のバラツキが殆どないため、吸着力が高く、吸着力が全体的に均一であるとともに、吸着力の分布が殆どなく、研磨装置として用いた場合には、気孔分布の転写等の現象が発生せず、被吸着体の均一な研磨を実現することができる。
次に、第一の本発明の真空チャックの製造方法について簡単に説明する。
まず、初めに吸着体を製造する。
吸着体を製造するには、少なくともセラミック粉末とバインダーと分散媒液とを含む混合組成物を調製する。
上記セラミック粉末(粗粉末)は、平均粒径のバラツキが小さくなるように、予めその粒径をある程度揃えておくことが望ましい。セラミック粉末の平均粒径のバラツキが大きいと、製造する吸着体の気孔径にバラツキが発生することがあるからである。上記セラミック粉末の粒径を揃える方法としては特に限定されず、例えば、セラミック粉末を密度の高い塊状等の成形体とした後、該成形体を破砕、解砕及び整粒する方法等公知の方法を挙げることができる。
上記セラミック粉末は、平均粒径の0.7〜1.2倍の粒径を有するセラミック粉末の全セラミック粉末に対する割合が75%以上となるように調整されることが望ましい。
上記セラミック粉末は、平均粒径5〜100μmの粗粉末100重量部に対して、平均粒径0.1〜1.0μmの微粉末10〜100重量部を均一に混合することが望ましい。
上記バインダーとしては特に限定されず、例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることができる。
上記バインダーの配合量は、通常、セラミック粉末100重量部に対して、1〜10重量部程度が望ましい。
上記分散媒液としては特に限定されず、例えば、ベンゼン等の有機溶媒;メタノール等のアルコール、水等を挙げることができる。
上記分散媒液は、混合組成物の粘度が一定範囲内となるように、適量配合される。
これらセラミック粉末、バインダー及び分散媒液は、アトライター等で混合した後、ニーダー等で充分に混練し、さらに、スプレードライ法等により顆粒状の粉末を製造する。そして、この顆粒を金型に入れて成形することにより、生成形体を作製する。
この生成形を、不活性ガス(アルゴン)雰囲気下、400〜650℃程度に加熱することで脱脂し、バインダー等を分解、消失させ、略セラミック粉末のみを残留させる。
そして、上記脱脂処理を施した後、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下、1400〜2300℃程度に加熱することで焼成し、セラミック粉末を焼結させて吸着体を製造する。
上記吸着体の製造方法は、上述した方法に限定されず、例えば、予め粒径をある程度揃えたセラミック粉末、該セラミック粉末を結合する結合剤として金属シリコン、バインダー及び分散媒液等からなる原料を用いて上述した生成形体を作製し、その後、生成形体を焼成することにより上記金属シリコンで上記セラミック粉末を結合し、吸着体を製造する方法や、上記混合組成物のバインダーに澱粉が含まれたものを使用し、この澱粉含有混合組成物を用いて吸着体を製造する方法等が挙げられる。
その後、図1を用いて説明したような方法で真空チャックを組み立てる。
次に、第二の本発明の真空チャックについて説明する。
第二の本発明の真空チャックは、多孔質セラミックからなり、被吸着体を吸着、保持するための保持面を有するとともに、上記保持面と吸引孔対応部を除いた面のほぼ全体を封止するための封止層が形成された吸着体を含んで構成される真空チャックであって、
上記吸着体の細孔分布を水銀圧入法により測定した際、平均気孔径が10〜40μmで、上記平均気孔径の0.7〜1.2倍の気孔径を有する細孔の全細孔容積に対する割合が75%以上であり、上記平均気孔径の0.7倍未満の気孔径を有する細孔の全細孔容積に対する割合が15%以下であり、上記平均気孔径の1.2倍を超える気孔径を有する細孔の全細孔容積に対する割合が10%以下であることを特徴とする。
第二の本発明の真空チャックを構成する吸着体(多孔質セラミック)は、保持面を除いた面のほぼ全体を封止するための封止層が形成されている以外、その材料、特性等は、第一の本発明の真空チャックを構成する吸着体と同様であるので、上記の異なる事項についてのみ、説明することとする。
図2(a)は、第二の本発明の真空チャックの一例を模式的に示した斜視図であり、(b)は、その断面図である。図3(a)は、第二の本発明の真空チャックの別の一例を模式的に示した斜視図であり、(b)は、その断面図である。
図2及び3に示したように、真空チャック20は、その上部に形成された保持面24及び吸引孔23に対応する部分(吸引孔対応部)を除いた面の全体に封止層22が形成された吸着体21からなり、その下に封止層22が形成された吸着体22を支持、固定するための固定ベース40が設けられている。また、吸着体21は円板状体からなる吸着体下部21aの上により小さな直径の円板状体からなる吸着体上部21bが中心軸を共有するように一体的に形成された形状をなしており、この吸着体下部21aに等間隔に固定用の貫通孔が形成されている。
そして、吸着体下部21aの貫通孔にボルト41が挿通されて固定ベース40に固定されるとともに、貫通孔内部に封止剤25を充填することにより、吸着体22の貫通孔部分が封止されており、固定ベース40の中央には、吸着体21の下面に通じる吸引孔23aを有する吸引部23が設けられている。
そして、この真空チャック20においても、真空チャック10の場合と同様に、吸引孔23aから空気を吸引することにより、吸着体21の保持面24に載置した半導体ウエハ15を吸着・保持することができるようになっている。
封止層22は、図2及び3に示しているように、吸着体21の保持面24と吸引孔対応部26を除く面に、液状の高分子、高分子を形成するための原料、又は、ガラス組成物等を塗布等により付着させることにより形成することができる。
封止層22は、吸着体21の内部に原料を浸透させて固化させることにより形成した内部固化層22aであってもよく、吸着体21の内部に原料を浸透させず、表面で固化させることにより形成した被覆層22bであってもよく、図2に示しているような、吸着体21の内部に原料を一部浸透させて固化させることにより形成した内部固化層22aと被覆層22bとからなる複合層であってもよい。
また、封止層22としては、内部固化層22a、被覆層22b、及び、上記複合層からなる群より選択される2以上の層が併用されてもよく、例えば、図3に示しているように、吸着体上部21bに被覆層22bを形成し、吸着体下部21aに内部固化層22aを形成してもよい。
このように、封止層22を形成することにより、保持面24以外の面から空気が吸引されるのを防止しつつ、吸引孔対応部26から吸引孔23aを介して吸着体21内部の空気を吸引することができる。
また、吸着体21の固定ベース40と接する面については、側面でなければ封止層22を省略してもよく、例えば、吸着体21の保持面24の反対側の面に溝が形成され、その部分から吸引することができるように構成されていてもよく、保持面24の反対側の面に形成された封止層22に、吸引孔対応部のほかに、別の開口が形成され、その部分から吸引することができるように構成されていてもよい。
なお、吸着体21の形状は、図2及び3に示したような直径の異なる円板を一体的に積み重ねた形状に限られず、図1に示したような円板状であってもよく、そのほかの形状であってもよい。
この真空チャック20は、吸引部の中心軸を中心として回転を可能にする回転機構を備えていてもよい。
固定ベース40の材料は、第一の本発明で説明した固定ベース30と同様のものでよい。なお、吸着体21の保持面24の反対側の面に溝が形成された場合や封止層22に開口が形成された場合には、当然、固定ベース40の該当部分には、吸引した空気等を吸引孔23aに導くための溝又は孔が形成されることとなる。
封止層22を構成する材料は特に限定されるものではなく、例えば、樹脂、ガラス、金属、セラミック等が挙げられるが、比較的容易に封止層を形成することができる点から樹脂が好ましい。
上記樹脂は、加熱硬化性樹脂であっても熱可塑性樹脂であってもよい。上記加熱硬化性樹脂としては特に限定されるものではないが、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド、キシレン樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、不飽和ボリエステル樹脂、ユリア樹脂等が挙げられる。これら熱硬化性樹脂を用いる場合には、例えば、高分子化する前の液状の樹脂を塗布した後、加熱することにより硬化させればよい。
上記熱可塑性樹脂としては特に限定されず、ABS樹脂、AS樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル等が挙げられる。これら熱可塑性樹脂は、溶剤に溶解した状態で塗布を行い、封止層22となるものを形成し、その後、溶剤を飛散させて硬化させてもよく、加熱して粘度を下げた後、吸着体に圧入し、封止層22を形成してもよい。
ガラス、金属、セラミック等は、これらの材料をその融点近くまで加熱し、溶融させるか、粘度を下げて吸着体の内部に浸透させるか又は圧入する。
吸着体の保持面近傍の封止層22は、内部固化層22aの厚さを薄くして、被覆層22bの厚さを厚くすることが好ましい。吸着体の保持面近傍の封止層22は、上記吸着体の表面に形成された被覆層22bであることがより好ましい。上記保持面近傍において、内部固化層22aの厚さを厚くすると、研磨熱、膨潤等により保持面近傍の内部固化層が膨張して、被着体と接触しやすくなると推定され、研磨が不均一になりやすいからである。
上記保持面近傍では、内部固化層22aの厚さは、5mm以下が望ましく、被覆層22bの厚さは、15mm以下が望ましい。
第二の本発明の真空チャックは、第一の本発明の真空チャックと同様に、吸着体の細孔分布を水銀圧入法により測定した際、平均気孔径が10〜40μmで、上記平均気孔径の0.7〜1.2倍の気孔径を有する細孔の全細孔容積に対する割合が75%以上であり、上記平均気孔径の0.7倍未満の気孔径を有する細孔の全細孔容積に対する割合が15%以下であり、上記平均気孔径の1.2倍を超える気孔径を有する細孔の全細孔容積に対する割合が10%以下であり、上記吸着体の気孔径は、適切な大きさに設定されており、気孔径のバラツキが殆どないために吸着力が高く、吸着力が全体的に均一であるとともに、吸着力の分布が殆どなく、研磨装置として用いた場合には、気孔分布の転写等の現象が発生せず、被吸着体の均一な研磨を実現することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
予め平均粒径の0.7〜1.2倍の粒径を有する炭化珪素粉末の全炭化珪素粉末に対する割合が90%以上となるように粒径を調整した、平均粒径60μmのα型炭化珪素粉末90重量%と、平均粒径1μmのα型炭化珪素粉末10重量%とを湿式混合し、得られた混合物100重量部に対して、有機バインダー(メチルセルロース)を5重量部、水を10重量部加えて混練した後、スプレードライを行い、顆粒状の粉末を得た。
この顆粒状の粉末を金型に入れ、冷間静水圧(CIP)を利用する成形機を用いて、50MPaの圧力で、5分間保持して円板形状の炭化珪素成形体を作製した。
次に、上記炭化珪素成形体を脱脂炉に搬入し、アルゴンガス雰囲気下、600℃で2時間加熱することにより炭化珪素成形体の脱脂を行った。
次に、脱脂された炭化珪素成形体を温度:2200℃で焼成し、多孔質炭化珪素焼結体からなり、直径210mm、厚さ10mmの吸着体11を製造した。
この吸着体の特性として、水銀圧入法により測定した気孔率、細孔分布及び平均気孔径を表1に示す。
次に、図1(b)に示すように、得られた吸着体11を封止体に固定し、真空チャック10の製造を終了した。
(実施例2〜4)
炭化珪素粉末の平均粒径の異なるものを使用し、吸着体の特性が表1に示したものとなるようにしたほかは、実施例1と同様にして吸着体を製造した。なお、各炭化珪素粉末は、いずれも予め平均粒径の0.7〜1.2倍の粒径を有する炭化珪素粉末の全炭化珪素粉末に対する割合が75%以上となるように粒径を調整した。
その後、各吸着体を用いて実施例1と同様に真空チャックを製造した。
(実施例5)
炭化珪素粉末の平均粒径の異なるものを使用し、吸着体の形状や特性が表1に示したものとなるようにしたほかは、実施例1と同様にして吸着体を製造した。吸着体21の形状は、図2に示すような直径240mm、厚さ10mmの吸着体下部21aに、それより直径の小さな直径210mm、厚さ10mmの吸着体上部21bが一体的に形成された形状とした。なお、各炭化珪素粉末は、いずれも予め平均粒径の0.7〜1.2倍の粒径を有する炭化珪素粉末の全炭化珪素粉末に対する割合が75%以上となるように粒径を調整した。
その後、この吸着体21を用いて図2に示したような構成の真空チャック20を製造した。なお、封止層22を構成する樹脂として、エポキシ樹脂を使用し、外周及び底面(吸引孔対応部を除く)を塗布、乾燥することにより封止層22を形成した。内部固化層22aの厚さは、2mmであり、被覆層22bの厚さは、2mmであった。
(実施例6)
実施例5と同様にして製造した吸着体21を用いて図3に示したような構成の真空チャック20を製造した。
なお、封止層22の形成に際しては、吸着体上部21bの外周に、エポキシ樹脂を塗布、乾燥して被覆層22bを厚さ2mmにして形成し、吸着体下部21aの外周及び底面(吸引孔対応部を除く)に、エポキシ樹脂を塗布、吸引、乾燥して内部固化層22aを厚さ2mmにして形成した。
(実施例7〜16)
炭化珪素粉末の平均粒径及び粒径のバラツキの異なるものを使用し、吸着体の特性が表1に示したものとなるようにしたほかは、実施例1と同様にして吸着体を製造した。なお、各炭化珪素粉末は、いずれも予め平均粒径の0.7〜1.2倍の粒径を有する炭化珪素粉末の全炭化珪素粉末に対する割合が75%以上となるように粒径を調整した。
その後、各吸着体を用いて実施例1と同様に真空チャックを製造した。
(比較例1〜51)
炭化珪素粉末の平均粒径及び粒径のバラツキの異なるものを使用し、吸着体の特性が表2に示したものとなるようにしたほかは、実施例1と同様にして吸着体を製造した。
その後、各吸着体を用いて実施例1と同様に真空チャックを製造した。
実施例及び比較例に係る真空チャックに、直径200mmの半導体ウエハを載置し、該半導体ウエハを圧力10KPaで吸着し、上記半導体ウエハの研磨処理を10回行い、このときの半導体ウエハの研磨面の平坦度を評価した。なお、研磨処理は、半導体ウエハを吸着・保持した真空チャックを、回転しているフェルト状の研磨クロスを貼り付けたテーブルと接触させることにより行った。テーブルの回転数は1.2s−1とした。
研磨面の平坦度は、平面度測定器(黒田精工社製、ナノメトロ)により評価した。なお、研磨面の平坦度は、研磨面の最も高い点と低い点との差(距離)である。また、水銀圧入法による細孔分布測定装置(島津製作所社製、オートポアIII 9420)を用い、水銀圧入法により細孔直径0.2〜600μmの範囲で細孔分布を測定し、そのときの平均細孔径を(4V/A)として算出した。
評価結果を下記の表1、2に示した。
Figure 0003880977
Figure 0003880977
表1に示した結果から明らかなように、実施例に係る吸着体は、平均気孔径が10〜40%の範囲内であり、平均気孔径の0.7〜1.2倍の気孔径を有する細孔の全細孔容積に対する割合が75%以上であり、さらに、平均気孔径の0.7倍未満の気孔径を有する細孔の全細孔容積に対する割合が15%以下であり、平均気孔径の1.2倍を超える気孔径を有する細孔の全細孔容積に対する割合が10%以下であった。そのため、研磨処理された半導体ウエハの表面の平坦度は、0.3μm以下と極めて小さく、精度よく、かつ、均一に研磨処理されていた。
一方、表2に示した結果から明らかなように、比較例に係る吸着体は、上記した範囲外の粒度分布を示しており、研磨処理された半導体ウエハの表面の平坦度は、1.0μm以上と平坦度が大きく低下しており、均一な研磨を行うことができなかった。
(a)は、第一の本発明の真空チャックを模式的に示す斜視図であり、(b)は、その縦断面図である。 (a)は、第二の本発明の真空チャックの一例を模式的に示す斜視図であり、(b)は、その縦断面図である。 (a)は、第二の本発明の真空チャックの別の一例を模式的に示す斜視図であり、(b)は、その縦断面図である。 従来のウエハ研磨装置の一例を模式的に示した部分拡大断面図である。
符号の説明
10、20 真空チャック
11、21 吸着体
21a 吸着体下部
21b 吸着体上部
12 封止体
13、23 吸引部
13a、23a 吸引孔
14、24 保持面
15 半導体ウエハ
22 封止層
22a 内部固化層
22b 被覆層
30、40 固定ベース

Claims (4)

  1. 多孔質セラミックからなり、被吸着体を吸着、保持するための保持面を有する吸着体と、前記吸着体の保持面と吸引孔対応部とを除いた面のほぼ全体を封止するための封止体とを含んで構成される真空チャックであって、
    前記吸着体の細孔分布を水銀圧入法により測定した際、平均気孔径が10〜40μmで、前記平均気孔径の0.7〜1.2倍の気孔径を有する細孔の全細孔容積に対する割合が75%以上であり、
    前記平均気孔径の0.7倍未満の気孔径を有する細孔の全細孔容積に対する割合が15%以下であり、
    前記平均気孔径の1.2倍を超える気孔径を有する細孔の全細孔容積に対する割合が10%以下であることを特徴とする真空チャック。
  2. 多孔質セラミックからなり、被吸着体を吸着、保持するための保持面を有するとともに、前記保持面と吸引孔対応部とを除いた面のほぼ全体を封止するための封止層が形成された吸着体を含んで構成される真空チャックであって、
    前記吸着体の細孔分布を水銀圧入法により測定した際、平均気孔径が10〜40μmで、前記平均気孔径の0.7〜1.2倍の気孔径を有する細孔の全細孔容積に対する割合が75%以上であり、
    前記平均気孔径の0.7倍未満の気孔径を有する細孔の全細孔容積に対する割合が15%以下であり、
    前記平均気孔径の1.2倍を超える気孔径を有する細孔の全細孔容積に対する割合が10%以下であることを特徴とする真空チャック。
  3. 吸着体の保持面近傍の封止層は、前記吸着体の表面に形成された被覆層である請求項1又は2に記載の真空チャック。
  4. 吸着体の気孔率は、20〜50%である請求項1〜3のいずれかに記載の真空チャック。
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