JP2015023978A - 液体投与具 - Google Patents

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Abstract

【課題】液体の投与を低侵襲で行うことができる液体投与具を提供すること。【解決手段】液体投与具100は、液体を充填可能な内筒3と、先端に鋭利な先端側針先711を有する両頭針71を有する穿刺針7と、液体を両頭針71から吐出させる吐出操作を行なう操作部材5と、少なくとも先端側針先711を覆う位置(A)と、先端側針先711が露出する位置(B)との間を移動可能なカバー部材6と、カバー部材6が位置(B)に移動するまでの間、操作部材5の移動を禁止し、カバー部材6が位置(B)に位置しているときに回転して、操作部材5の移動の禁止を解除する外筒4と、外筒4が回転した際、その回転力が穿刺針7に伝達されるのを防止する回転力伝達防止機構10とを有している。【選択図】図6

Description

本発明は、液体投与具に関するものである。
従来から、無菌的に薬液が充填され、その薬液を投与可能なプレフィルドシリンジが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載のプレフィルドシリンジは、薬液が充填されたシリンジ外筒(管状本体)と、シリンジ外筒の先端部に設けられ、管状本体内と連通し得る両頭針と、管状本体内に挿入され、シリンジ外筒内を摺動し得るガスケット(第2のストッパ)と、該ガスケットを押圧するプランジャとを備えている。このプレフィルドシリンジを用いて薬液を投与する際には、両頭針をシリンジ外筒の先端部に装着して、両頭針の基端とシリンジ外筒内とを連通させる。この連通状態で、両頭針の先端を生体に穿刺し、この穿刺状態のまま、プランジャを押圧操作する。これにより、生体内に薬液の投与を行うことができる。
さて、近年では、両頭針の基端がシリンジ外筒内と連通するまでの間、押圧操作を禁止するため、プレフィルドシリンジには、両頭針を支持する回転部材が設けられている。この回転部材は、両頭針の基端がシリンジ外筒内と連通し、両頭針の先端が生体を穿刺した後、所定角度回転する。回転部材が回転する前は、例えば、回転部材とプランジャと係合することにより、押圧操作が禁止されている。回転部材が回転した後は、前記係合が解除され、押圧操作を行うことができる。このような構成によれば、両頭針の先端が生体を穿刺する前に押圧操作が行われ、薬液が不本意に吐出してしまうのを防止することができる。
しかしながら、両頭針は回転部材に支持されているため、回転部材が回転する際、穿刺状態の両頭針も回転することとなる。その結果、使用者は、回転する両頭針によって、過剰な侵襲を受ける場合がある。
特表2010−540122号公報
本発明の目的は、液体の投与を低侵襲で行うことができる液体投与具を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(11)の本発明により達成される。
(1) 液体を充填可能な内筒と、
前記内筒の先端部に配置され、先端に鋭利な針先を有し、前記内筒と連通可能な針管と、前記針管を支持する支持部材とを有する穿刺部材と、
先端方向に向かって移動することにより、前記針管と前記内筒とが連通した状態で前記液体を前記針管から吐出させる吐出操作を行なう操作部材と、
少なくとも前記針先を覆う位置(A)と、前記針先が露出する位置(B)との間を移動可能なカバー部材と、
前記内筒の外周側に配置され、前記カバー部材に対して前記内筒の中心軸を回転軸として、回転可能に設けられ、前記カバー部材が前記位置(B)に移動するまでの間、前記操作部材の移動を禁止し、前記カバー部材が前記位置(B)に位置しているときに回転して、前記操作部材の移動の禁止を解除する外筒と、
前記外筒が回転した際、その回転力が前記針管に伝達されるのを防止する回転力伝達防止機構とを有していることを特徴とする液体投与具。
(2) 前記支持部材は、筒状をなし、前記外筒に対して回転可能に設けられ、
前記回転力伝達防止機構は、前記外筒および前記支持部材うちの一方に設けられ、その周方向に延在する横溝を有するカム溝と、他方から突出して形成され、前記外筒の回転に伴って、前記横溝内を移動するフォロア部とを有している上記(1)に記載の液体投与具。
(3) 前記支持部材は、前記外筒に対して前記回転軸方向に前記針管とともに移動可能に設けられ、その移動によって、前記針管を前記内筒と連通させるものであり、
前記回転力伝達防止機構は、前記横溝と連通して設けられ、前記回転軸方向に延在し、前記支持部材の前記回転軸方向の移動に伴って、前記フォロア部が移動する縦溝を有する上記(2)に記載の液体投与具。
(4) 前記針管と前記内筒とが未だ連通していない状態では、前記フォロア部と前記縦溝とが係合することにより前記外筒から前記支持部材が離脱するのを防止する上記(3)に記載の液体投与具。
(5) 前記支持部材は、筒状をなし、前記外筒に対して回転可能に設けられ、
前記回転力伝達防止機構は、前記支持部材および前記カバー部材のうちの一方に、前記回転軸から偏心して設けられた凸部と、他方に設けられ、前記カバー部材が前記位置(B)に位置しているとき、前記凸部が挿入される凹部とを有している上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の液体投与具。
(6) 前記凹部は、その内径が前記凸部側に向って拡径したテーパ部を有している上記(5)に記載の液体投与具。
(7) 前記支持部材は、筒状をなし、前記回転軸方向に移動可能に設けられており、外周部から突出形成された係合部を有し、
前記吐出操作が未だ行われていない初期状態では、前記針管と前記内筒とが連通していない非連通状態となっており、
前記針先が生体を穿刺するとき、前記係合部が前記外筒と係合することにより、前記非連通状態を一時的に維持する上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の液体投与具。
(8) 前記係合部は、ドーム状をなしている上記(7)に記載の液体投与具。
(9) 前記外筒は、その周方向に沿って設けられ、前記外筒が回転する際、前記係合部が移動する係合溝を有している上記(7)または(8)に記載の液体投与具。
(10) 前記内筒に対して前記カバー部材を先端方向に向って付勢する付勢部材を有し、
前記カバー部材と前記操作部材とが係合することにより、前記付勢部材の付勢力による前記カバー部材の前記操作部材に対する先端方向への移動が防止される上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の液体投与具。
(11) 前記操作部材は、前記カバー部材の外周側に配置され、前記操作部材を操作するときに把持される把持部を備え、
前記把持部は、前記カバー部材の基端部を視認可能な窓部を有し、
前記吐出操作中に、前記窓部を介して視認されるカバー部材の基端部の位置が、前記液体の投与の状態を示すよう構成されている上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の液体投与具。
本発明によれば、回転力伝達防止機構により外筒が回転する際の回転力が針管に伝達されるのを防止することができる。これにより、針管が生体内に挿入されているとき、針管が回転するのを防止することができる。よって、使用者は、液体の投与を低侵襲で行うことができる。
特に、回転力伝達防止機構が外筒に設けられたカム溝と、支持部材に設けられたフォロア部を有している場合、外筒が回転する際、カム溝内をフォロア部が移動することにより、外筒の回転力が針管に伝達されるのを確実に防止することができる。
さらに、回転力伝達防止機構が支持部材に設けられた凸部と、カバー部材に設けられ、カバー部材が位置(B)に位置しているとき、凸部が挿入される凹部とを有している場合、外筒が回転する際、回転しないカバー部材と支持部材とは、回転しないように固定される。これにより、外筒の回転力が針管に伝達されるのをより確実に防止することができる。
本発明の液体投与具の第1実施形態を示す側面図である。 図1に示す液体投与具の使用時の作動状態を順に示す側面図である。 図1に示す液体投与具の使用時の作動状態を順に示す側面図である。 図1に示す液体投与具の使用時の作動状態を順に示す側面図である。 図1に示す液体投与具の使用時の作動状態を順に示す側面図である。 図1に示す液体投与具の使用時の作動状態を順に示す縦断面図である。 図1に示す液体投与具の使用時の作動状態を順に示す縦断面図である。 図1に示す液体投与具の使用時の作動状態を順に示す縦断面図である。 図1に示す液体投与具の使用時の作動状態を順に示す縦断面図である。 図1に示す液体投与具の使用時の作動状態を順に示す縦断面図である。 図1に示す液体投与具の使用時の回転力伝達防止機構の作動状態を示す斜視図である。 図1に示す液体投与具の使用時の回転力伝達防止機構の作動状態を示す斜視図である。 図1に示す液体投与具のフォロア部がカム溝を移動する過程を順に示す図であって、(a)は、初期状態を示す図、(b)は、連通状態を示す図、(c)は、投与可能状態を示す図である。 図1に示す液体投与具の外筒の基端側部材の斜視図である。 図1に示す液体投与具の外筒の先端側部材の斜視図である。 図1に示す液体投与具のカバー部材の斜視図である。 図1に示す液体投与具の押し子の斜視図である。 図1に示す液体投与具の操作部材の頭部の斜視図である。 図1に示す液体投与具の穿刺針の斜視図である。 図1に示す液体投与具の外筒の先端側部材の斜視図である。 本発明の液体投与具の第2実施形態の使用時の作動状態を示す縦断面図である。 本発明の液体投与具の第2実施形態の使用時の作動状態を示す縦断面図である。 本発明の液体投与具の第2実施形態のカバー部材を示す斜視図である。 本発明の液体投与具の第3実施形態の使用時の作動状態を示す側面図である。 本発明の液体投与具の第3実施形態の使用時の作動状態を示す側面図である。 本発明の液体投与具の第3実施形態の使用時の作動状態を示す側面図である。
<第1実施形態>
図1は、本発明の液体投与具の第1実施形態を示す側面図、図2〜図5は、図1に示す液体投与具の使用時の作動状態を順に示す側面図、図6〜図10は、図1に示す液体投与具の使用時の作動状態を順に示す縦断面図、図11および図12は、図1に示す液体投与具の使用時の回転力伝達防止機構の作動状態を示す斜視図、図13は、図1に示す液体投与具のフォロア部がカム溝を移動する過程を順に示す図であって、(a)は、初期状態を示す図、(b)は、連通状態を示す図、(c)は、投与可能状態を示す図、図14は、図1に示す液体投与具の外筒の基端側部材の斜視図、図15は、図1に示す液体投与具の外筒の先端側部材の斜視図、図16は、図1に示す液体投与具のカバー部材の斜視図、図17は、図1に示す液体投与具の押し子の斜視図、図18は、図1に示す液体投与具の操作部材の頭部の斜視図、図19は、図1に示す液体投与具の穿刺針の斜視図、図20は、図1に示す液体投与具の外筒の先端側部材の斜視図である。なお、以下では、図1〜図20中の上側を「基端(後端)」または「上(上方)」、下側を「先端」または「下(下方)」、上下方向を「軸(回転軸)方向」または「長手方向」として説明を行う。
図1〜図10に示す液体投与具100は、液体を生体に投与する(注入する)際に用いられる医療器具である。なお、液体としては、その使用目的に応じて適宜選択されるが、例えば、造血剤、ワクチン、ホルモン製剤、抗リウマチ剤、抗ガン剤、麻酔剤、血液凝固防止剤、ゲル状製剤等、主に皮下注射される薬液が挙げられる。
液体投与具100は、内側構造体(構造体)1と、ガスケット8と、操作部材5と、内側構造体1の外周側に配置されたカバー部材6と、カバー部材6を先端方向に向って付勢する付勢部材であるコイルバネ13と、補助機構40と、回転力伝達防止機構10とを備えている。
図6に示すように、内側構造体1は、内筒3と外筒4とで構成された筒体2と、両頭針(針管)71と支持部材72とで構成された穿刺針7と、内筒3(筒体2)内に設置され、内筒3の中心軸方向に沿って摺動し得るガスケット8とを備えている。
図6に示すように、内筒3は、内筒本体31を有している。内筒本体31は、先端部に底部32、底部32の縁部から立設した側壁33、基端部に開口部を有する部材、すなわち、有底筒状をなす部材で構成されている。そして、内筒3の内部には、液体が充填可能である。また、内筒本体31の先端部、すなわち、底部32の中央部には、内筒本体31の側壁33の部位に対し縮径し、液体が通過する口部34が一体的に突出形成されている。この口部34からは、液体が吸入または排出される。
また、内筒3は、内筒本体31の口部34を液密に封止する封止部材(封止部)11と、封止部材11をその先端側から固定する固定部材12とを有している。
封止部材11は、弾性体で構成され、その基端面に凸部が形成されており、この凸部を口部34に液密に嵌合することにより、口部34を液密に封止している。
固定部材12は、筒状をなす部材である。この固定部材12は、封止部材11および口部34の外周側から嵌合し、封止部材11を内筒本体31に固定している。これにより、封止部材11の内筒本体31からの離脱が確実に防止される。なお、固定部材12の固定方法としては、その他、接着による方法や溶着による方法であってもよい。
また、内筒本体31、固定部材12、外筒4、カバー部材6、支持部材72、操作部材5の構成材料としては、特に限定されず、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、ポリカーボネート、アクリル樹脂、アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリアミド(例えば、ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン6・10、ナイロン12)のような各種樹脂が挙げられるが、その中でも、成形が容易であるという点で、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン、ポリエステル、ポリ−(4−メチルペンテン−1)のような樹脂が好ましい。
また、封止部材11、ガスケット8を構成する弾性材料としては、特に限定されず、例えば、天然ゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、シリコーンゴムのような各種ゴム材料や、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、オレフィン系、スチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、あるいはそれらの混合物等の弾性材料が挙げられる。
内筒3の外周側に、外筒4が内筒3と同心的に配置されている。図11、図12、図15に示すように、外筒4の全体形状は、両端がそれぞれ開口した筒状をなしており、その長さが内筒3よりも長いものである。また、外筒4は、内筒3に対し、その中心軸を回転軸として回動可能になっている。
外筒4は、基端側に配置された図14に示す基端側部材4aと、先端側に配置された図15に示す先端側部材4bとで構成されている。先端側部材4bの基端側には、互いに対向するように配置された1対の孔部41bが形成されている。また、基端側部材4aの先端側には、弾性を有し、互いに対向するように配置された1対の腕部41aが先端方向に突出形成されており、各腕部41aの先端部には、それぞれ、外側に向かって突出する爪42aが形成されている。各爪42aは、先端側部材4bの基端側の内側より各孔部41bに挿入され、各爪42aと各孔部41bとが係合し、基端側部材4aと先端側部材4bとが連結されている。
なお、基端側部材4aと先端側部材4bとを連結する方法は、これに限定されず、例えば、接着剤や溶剤等による接着熱融着、高周波融着、超音波融着等の融着等が挙げられる。
また、外筒4は、胴部41と、胴部41の先端側に形成され、その胴部41に対して縮径した縮径部42bと、胴部41の基端部に形成され、その胴部41に対して縮径した縮径部45aとを有している。
また、先端側部材4bの胴部41には、1対の溝43bと、胴部41を貫通する1対の長孔44bとが形成されている。各溝43bは、互いに対向するように配置され、同様に、各長孔44bも互いに対向するように配置されている。なお、各溝43bは同じ形状であるため、以下、代表的に、一方の溝43bを説明する。同様に、各長孔44bも同じ形状であるため、以下、代表的に、一方の長孔44bを説明する。なお、本実施形態では溝43bは、有底であるが、胴部41を貫通してもよく、この場合も同じ効果が得られる(図示せず)。また、本実施形態では長孔44bは、胴部41を貫通しているが、貫通せず窪んでいてもよく、この場合も同じ効果が得られる(図示せず)。
また、溝43b、長孔44bは、胴部41の周方向に沿って並設されている。なお、本実施形態では、図15に示すように、溝43bが長孔44bの左側に配置されている。
また、溝43b、長孔44bは、それぞれ、胴部41の軸に沿って延在している。そして、溝43bは、先端側部材4bの先端から基端まで形成されており、先端側部材4bの先端および基端にそれぞれ開放している。また、長孔44bの基端側の端面は、溝43bの基端よりも先端側に位置し、その長孔44bの基端側の端面は、胴部41の軸に対して垂直に設定されている。
また、胴部41における溝43bおよび長孔44bの基端側の部位には、空間45bが形成されている。
また、胴部41の長孔44bと空間45bとの間の部位の肉厚は、先端側から基端側に向って漸減しており、これにより、その胴部41の外周面にテーパ面が形成されている。これにより、カバー部材6の突起613が空間45bから長孔44bに円滑に移動することができる。
また、基端側部材4aの縮径部45aの基端側には、互いに対向するように配置された1対の突出部40aが形成されている。各突出部40aは、それぞれ、縮径部45aの内周面から内側に向って、すなわち、中心軸に向って突出形成されている。
また、各突出部40aの中心軸側の端部(先端部)には、それぞれ、突起(第2の係合部)49aが基端方向に向って突出形成されている。
各突起49aは、回転機構として、後述する各段差部516が当接する傾斜面491aを有している。回転機構は、係合状態にある段差部516と突起49aとを相対的に内側構造体1の中心軸回りに回転させて、解除状態とするものである。傾斜面491aは、図示の構成では平面である。この傾斜面491aは、平面視で、内側構造体1の中心軸を中心とし、傾斜面491aを通る円の接線方向を向いている。これにより、段差部516が傾斜面491aに沿って、突起49aに対して相対的に移動することにより、外筒4が操作部材5に対して外筒4の中心軸回りに相対的に回転する。
また、傾斜面491aの傾斜角度θは、特に限定されず、諸条件に応じて適宜設定されるものであるが、5〜85°であることが好ましく、20〜70°であることがより好ましい。
なお、傾斜面491aの形状は、平面に限らず、湾曲面であってもよい。また、各突出部40aの数は、それぞれ、2つに限らず、例えば、1つでもよく、また、3つ以上でもよい。また、傾斜面491aに代えて平坦面にしてもよい。
また、基端側部材4aの縮径部45aの基端側には、弾性を有し、互いに対向するように配置された1対の腕部46aが基端方向に突出形成されており、各腕部46aの先端部には、それぞれ、内側に向かって突出する爪47aが形成されている
また、内筒3は、外筒4の各突出部40aと、縮径部42bとの間に設置され、基端側部材4aと先端側部材4bとで上下から挟み込まれることにより、外筒4に対する内筒3の軸方向の移動が阻止される。
また、図1、図15および図20に示すように、外筒4の胴部41の外周面には、カバー部材6の後述する1対の突起63が挿入される1対の溝42が形成されている。本実施形態では、各溝42は、それぞれ、胴部41の壁部を貫通するように形成されているが、これに限らず、胴部41の壁部を貫通していなくてもよい。なお、各溝42は同様であるので、以下、代表的に、一方の溝42を説明する。
溝42は、胴部41の外周面に、外筒4の軸方向に延在し、直線状に形成された直線溝(第2の溝)421と、外筒4の軸線に対して所定角度傾斜するように形成された傾斜溝(第1の溝)422と、外筒4の軸方向に延在し、直線状に形成された直線溝(第3の溝)423とで構成されている。直線溝423の先端部は、直線溝421の先端部よりも基端側に位置し、直線溝423の基端部は、直線溝421の基端部よりも基端側に位置している。また、傾斜溝422は、1周よりも短く形成されている。
これら直線溝421と、傾斜溝422と、直線溝423とは、図1中左側から右側に向って連続的に形成されている。そして、直線溝421の基端部と、傾斜溝422の先端部(図1中の左側の端部)とが連通し、傾斜溝422の基端部(図1中の右側の端部)と、直線溝423の基端部とが連通している。
この溝42およびカバー部材6の突起63により、カバー部材6が外筒4の軸方向に移動すると、外筒4がカバー部材6および内筒3に対して図1中右側に所定角度回転する。すなわち、突起63が傾斜溝422に沿って、カバー部材6に対して相対的に移動することにより、外筒4は、カバー部材6に対して中心軸回りに相対的に回転し、これにより、外筒4は、操作部材5に対して外筒4の中心軸回りに相対的に回転する。したがって、突起63および傾斜溝422により、回転機構が構成される。
また、カバー部材6が後述する位置(A)にあるときは、突起63は、直線溝421に挿入され、これにより、外筒4は、カバー部材6に対して中心軸回りに相対的に回転することが阻止され、これにより、外筒4は、操作部材5に対して相対的に回転することが阻止されている。したがって、突起63および直線溝421により、係合状態で、段差部(第1の係合部)516と突起(第2の係合部)49aとの内側構造体1の中心軸回りの相対的な回転を阻止する回転阻止機構が構成される。
なお、溝は、カバー部材6設けられ、突起は、外筒4に設けられていてもよい。
図6〜図10に示すように、筒体2の先端部には、穿刺針7が配置されている。穿刺針7は、両頭針71と、両頭針71を支持、固定する支持部材72とで構成されている。
両頭針71は、中空の針管であり、先端に鋭利な先端側針先(針先)711を有し、基端にも鋭利な基端側針先712を有する。この両頭針71は、先端側針先711で生体を穿刺することができ、基端側針先712で内筒3の封止部材11を刺通することができる。
両頭針71の内腔部(中空部)は、基端側針先712が内筒3の封止部材11を刺通した状態で、内筒3と連通しており、内筒3からの液体が通過する流路として機能する。
両頭針71の先端側針先711で生体を皮膚から所定の深さまで穿刺した後、基端側針先712が内筒3の封止部材11を刺通し、体内にその両頭針71の流路を介して液体が注入される。
なお、両頭針71の構成材料としては、特に限定されず、例えば、ステンレス鋼、アルミニウムまたはアルミニウム合金、チタンまたはチタン合金のような金属材料が挙げられる。
このような構成の両頭針71は、支持部材72を介して外筒4(筒体2)の先端部、すなわち、縮径部42bに、外筒4の軸方向に沿って移動可能に装着されている。支持部材72は、両頭針71を外筒4に対し、その軸方向および周方向に沿って移動可能に支持するものである。この支持部材72は、有底筒状をなしている。そして、両頭針71は、その途中の部位において、支持部材72の底部に支持、固定されている。
支持部材72の隣り合う突起721と突起721との間には、支持部材72の軸方向に延在し、基端方向に開放する1つまたは複数の長孔(図示せず)が形成されている。これにより、支持部材72の基端側の部位は、弾性変形して、縮径または拡径することができる。
また、支持部材72の外周部には、4つの係合部723が突出形成されている。各係合部723は、支持部材72の周方向に沿って、等間隔に配置されている。各係合部723は、同様の構成であるため、以下、それらのうちの1つの係合部723について代表的に説明する。
係合部723は、外形形状がドーム状をなし、その突出量は、突起721よりも小さい。係合部723は、突起721よりも先端側(下方)に位置している。また、係合部723は、突起721と周方向の位置が同じである。
図6に示すように、係合部723は、両頭針71が生体を穿刺するとき、縮径部42bの先端開口421bの縁部と係合する。なお、穿刺針7が生体を穿刺する際には、穿刺針7は、生体から受ける抵抗力によって、外筒4に対して基端側に向って移動しようとする。しかしながら、前記係合により、穿刺針7が外筒4に対して基端側に向って移動するのを防止することができる。よって、穿刺針7は、生体を確実に穿刺することができる。
また、穿刺針7が生体を穿刺した後、さらに押圧操作を行うと、ドーム状をなす係合部723は、縮径部42bの管壁を乗り越える。これにより、前記係合が解除され、支持部材72は、外筒4に対して基端側に向って移動することができる。この移動によって、両頭針71の基端側針先712は、封止部材11を穿刺し、両頭針71と内筒3は連通することができる。
このように、係合部723によれば、両頭針71による生体の穿刺が完了するまでの間、一時的に、両頭針71と内筒3とが未だ連通していない非連通状態を確実に維持することができる。よって、両頭針71による生体の穿刺が完了するまでの間、両頭針71からの液体の不本意な漏出を防止することができる。
図6〜図10に示すように、カバー部材6は、外筒4(筒体2)の外周側に配置されている。
このカバー部材6は、穿刺針7と同様に、外筒4(筒体2)に対しその軸方向に沿って移動可能に支持されている。これにより、カバー部材6は、その先端面622が生体と接触した後、両頭針71の先端側針先711が皮膚から生体の所定の深さまで穿刺される。
このカバー部材6は、使用前から使用後までの間に、後述するように5つの段階(位置)をとる。この5つの位置は、使用前の状態でカバー部材6が両頭針71の先端側針先711より先端側に突出した第1の位置(位置(A))(図1、図6、図11参照)と、第1の位置からカバー部材6が基端方向に退避し、外筒4がカバー部材6および内筒3に対して回転する前の第2の位置(図2参照)と、外筒4がカバー部材6および内筒3に対して所定角度回転した第3の位置(図3、図7、図12参照)と、操作部材5の先端部がカバー部材6の先端部まで達して投与が完了した第4の位置(図4、図8)と、第4の位置(第3の位置)からカバー部材6が先端方向に移動し、そのカバー部材6が両頭針71の先端側針先711より先端側に突出し、投与完了後のセーフティ機構が作動したセーフティ機構作動状態である第5の位置(図5、図9、図10参照)である。
なお、本実施形態では、カバー部材6が第1の位置にある際に、カバー部材6の先端面622が両頭針71の先端側針先711より先端側に突出し、カバー部材6により、両頭針71の先端側針先711が覆われている。これにより、カバー部材6が、第1の位置から基端側に移動するまで、両頭針71の先端側針先711が露出しないため、使用者が穿刺前に両頭針71の先端側針先711で誤刺することや、その先端側針先711を傷めてしまうことを防止することができる。また、カバー部材6が第2から第4の位置(位置(B))にある際は、カバー部材6の先端から両頭針71の先端側針先711が露出する。
なお、前述した穿刺針7は、カバー部材6が第1の位置にあるときには、カバー部材6の先端部より基端側に位置する離間状態にある。一方、カバー部材6が第2の位置に移動する時には、当該カバー部材6が両頭針71を(両頭針71を支持部材72ごと)基端方向に向かって押圧移動させ、両頭針71の基端側針先712は筒体2の封止部材11を刺通し、また、両頭針71の先端側針先711は生体に穿刺されている。しかし、カバー部材6が第2の位置にあるときには、両頭針71の基端側針先712の封止部材11の刺通は完了しておらず、支持部材72の内側上端面と、外筒4の先端側部材4bの縮径部42bの先端面とが少し離間した状態である。そして、外筒4がカバー部材6および内筒3に対して回転した第3の位置で、両頭針71の基端側針先712の封止部材11の刺通は完了し、支持部材72の内側上端面と、外筒4の先端側部材4bの縮径部42bの先端面とが、接触した状態となる。
カバー部材6は、先端部に配置された板状の先端壁部62と、当該先端壁部62から基端方向に立設した側壁61とで構成されている、すなわち、有底筒状をなす部材で構成されている。また、カバー部材6は、先端に先端面622を有している。
先端壁部62の中心部には、当該中心部を貫通する開口部621が形成されている。図6〜図10に示すように、カバー部材6が第2から第4の位置にあるとき、両頭針71の先端側針先711が開口部621から突出する(露出する)。
図16に示すように、側壁61は、形状が円筒状をなしている。側壁61の基端部の外周面には、外側に向かって突出し、互いに対向するように配置された1対のリブ614が形成されている。各リブ614は、それぞれ、カバー部材6の軸方向に延在している。
また、側壁61の途中には、弾性を有し、互いに対向するように配置された1対の腕部612が基端方向に突出形成されており、各腕部612の基端部には、それぞれ、内側に向かって突出する突起613が形成されている。各突起613は、側壁61の基端よりも先端側に配置されている。なお、カバー部材6の軸方向から見たとき、腕部612および突起613と、リブ614は、カバー部材6の周方向に沿って、それぞれ、略等間隔で配置されている。
また、側壁61の基端部の内周面には、内側に向かって突出し、互いに対向するように配置された1対の突起63が形成されている(図1、図16参照)。各突起63は、それぞれ、外筒4の各溝42に挿入される、すなわち、各溝42と係合する。一連の動作における突起63と、外筒4の各溝42との関係は後述する。
未使用状態(初期状態)では、カバー部材6の各突起613は、それぞれ、外筒4の各溝43bに挿入されている。そして、カバー部材6が外筒4の軸方向に移動し、外筒4の溝42およびカバー部材6の突起63により、外筒4がカバー部材6に対して所定角度回転すると、カバー部材6の各突起613は、それぞれ、外筒4の各空間45bにおける各長孔44bの基端側の位置に移動する。
図6〜図10に示すように、カバー部材6の内側には、コイルバネ(圧縮コイルバネ)13が圧縮状態で収納されている。このコイルバネ13は、その先端部がカバー部材6の内部の先端壁部62に当接し、前記コイルバネ13の基端部が外筒4の胴部41の先端側内部に当接している。そして、未使用状態での圧縮状態は、コイルバネ13は外筒4の先端にかかる重量により、圧縮されている程度である。なお、コイルバネ13は、コイルバネ13の先端部がカバー部材6の内部の先端壁部62に当接し、コイルバネ13の基端部が外筒4の胴部41の先端側内部に当接していれば、圧縮されてなくてもよい。このコイルバネ13により、例えばカバー部材6を第2の位置から第1の位置へ向かう方向に付勢(先端方向に向って付勢)することができる。このようなコイルバネ13の付勢力により、液体投与具100を使用するまで、カバー部材6の先端面622を両頭針71の先端側針先711より先端側に突出させておくことができ、よって、その先端側針先711による誤穿刺を確実に防止することができる。
なお、コイルバネ13の構成材料としては、特に限定されず、例えば、ステンレス鋼、銅等のような金属材料を用いることができる。
ガスケット8は、内筒3(筒体2)内に、内筒3の軸方向に沿って摺動可能に収納されている。なお、このガスケット8と内筒3とで囲まれた空間には、液体が予め充填されている。そして、ガスケット8が先端方向に向かって移動することにより、内筒3内の液体を、当該内筒3に連通した状態の両頭針71から押し出すことができる。
このガスケット8は、外形形状が円柱状をなし、その外周部に3つの突部81が形成されている。隣り合う突部81と突部81とは、ガスケット8の軸方向に沿って離間している。また、各突部81は、それぞれ、ガスケット8の周方向に沿ったリング状をなし、その外径は、外力を付与しない自然状態で、内筒3の内径よりも若干大きい。これにより、各突部81は、それぞれ、内筒3の側壁33の内周部に対し密着しつつ摺動することができ、よって、液密性を確実に保持するとともに、摺動性の向上が図れる。
また、ガスケット8の基端面には、操作部材5の押し子51の本体部511が挿入されて(嵌合して)連結する凹部82が開口している。
図1および図6に示すように、操作部材5は、頭部53と、把持部(最外筒)52と、ガスケット8の基端側に連結され、ガスケット8を先端方向に向かって押圧する押し子51とを有している。頭部53と押し子51と把持部52とは、連結されている。この操作部材5は、押し子51を先端方向に移動し、これによりガスケット8を先端方向に向かって移動することで、内筒3内の液体を両頭針71から吐出させる押圧操作(吐出操作)を行なう部材である。
図17に示すように、押し子51は、横断面が、例えば十文字状または円形状をなす棒状の本体部511を有しており、この本体部511の先端にガスケット8が固定されている。本体部511の基端には、円盤状のフランジ512が形成されている。
本体部511の先端部は、ガスケット8の凹部82の形状に対応した形状を有しており、その先端部がガスケット8の凹部82に挿入されることにより、押し子51(操作部材5)とガスケット8とが連結される。なお、本体部511にガスケット8を固定する方法は、これに限定されず、この他、例えば、本体部511に雄ネジを形成し、ガスケット8に、その雄ネジに螺合する雌ネジを形成し、その両者を螺合させる方法等が挙げられる。なお、本実施形態では、操作部材5はガスケット8の基端側に連結されているが、連結されていなくてもよい。
また、押し子51のフランジ512の基端面の外周部には、弾性を有し、互いに対向するように配置された1対の腕部514が先端方向に突出形成されており、各腕部514の先端部には、それぞれ、外側に向かって突出する爪515が形成されている。
また、フランジ512には、その中心を介して互いに対向するように配置された1対の孔部517と、中心を介して互いに対向するように配置された1対の孔部518とが形成されている。また、孔部517と孔部518とは交互に配置されている。
また、フランジ512の基端側の中央部には、フランジ512の径方向に延在するリブ513が形成されている。このリブの両端部には、それぞれ、溝5131が形成されている。
また、押し子51の本体部511は、長手形状をなす板状の部位を有しており、1対の突起(第2の係合部)49aと係合し得る第1の係合部として、その板状の部位の幅が変化した1対の段差部516を有している。すなわち、押し子51の本体部511の先端側には、互いに対向するように配置された1対の段差部(第1の係合部)516が形成されている。各段差部516および各突起49aにより、段差部516と突起49aとが係合するときに、押圧操作を阻止する係合状態を取り、その係合状態が解除されたときに、押圧操作を可能とする解除状態を取る係合機構が構成される。
なお、段差部(第1の係合部)516の数は、それぞれ、2つに限らず、例えば、1つでもよく、また、3つ以上でもよい。
また、段差部(第1の係合部)が内側構造体1に設けられ、突起(第2の係合部)が操作部材5に設けられていてもよい。
未使用状態(初期)では、押し子51の各段差部516は、外筒4の各突起49aと係合、又は係合しうる位置にあり、これにより、筒体2に対する押し子51の先端方向への移動が阻止されている(図1、図2参照)。そして、カバー部材6が外筒4の軸方向に移動し、外筒4の溝42およびカバー部材6の突起63により、外筒4がカバー部材6に対して所定角度回転できる位置に移動すると、押し子51の各段差部516は、外筒4の各突起49aからずれた位置に移動し、各段差部516と各突起49aとの係合が外れ、これにより、筒体2に対する押し子51の先端方向への移動が可能な投与可能状態になる(図3、図7、図13(c)参照)。
このように外筒4は、カバー部材6が第4の位置に移動するまでの間、操作部材5の移動を禁止し、カバー部材6が第4の位置に位置しているときに回転して、操作部材5の移動の禁止を解除する機能を有している。
把持部52は、内側構造体1およびカバー部材6の外周側に配置されている。この把持部52は、円筒状をなしており、使用時に把持される部位である。
また、把持部52の基端部には、互いに対向するように配置された1対の孔部521が形成されている。そして、把持部52の内側から押し子51の各爪515が各孔部521に挿入され、各爪515と各孔部521とが係合することにより、把持部52と押し子51とが連結されている。
また、把持部52の内周面には、互いに対向するように配置された1対の溝(図示せず)が形成されている。各溝は、把持部52の軸方向に沿って延在している。そして、各溝には、カバー部材6の各リブ614が挿入されている。これにより、把持部52に対するカバー部材6の回転が防止される。
頭部53は、把持部52および押し子51のフランジ512の基端側に設置されている。図1〜図5、図18に示すように、この頭部53は、すり鉢状をなしている。そして、頭部53の基端面、すなわち外面は、その中央部が平坦であり、その周囲は、基端側が凸となるように湾曲している。頭部53が湾曲面を有することにより、操作部材5を片手で容易に把持することができる。また、頭部53の中央部に平坦面が形成されていることにより、両手で押圧操作を行う場合、その押圧操作を容易に行うことができる。
また、図18に示すように、頭部53の先端面、すなわち内面の外周部には、弾性を有し、互いに対向するように配置された1対の腕部531が先端方向に突出形成されており、各腕部531の先端部には、それぞれ、内側に向かって突出する爪532が形成されている。
そして、頭部53の各腕部531の各爪532が各孔部518に挿入され、各爪532と各孔部518とが係合することにより、頭部53と押し子51とが連結されている。
補助機構40は、操作部材5の押し子51を介してガスケット8を押圧する補助力(押圧力)を発生する機能を有している。図6〜図10に示すように、本実施形態では、補助機構40は、単一のコイルバネ9で構成されている。また、コイルバネ9は、伸長した状態で用いられる引張バネである。このコイルバネ9は、コイルバネ本体90と、コイルバネ本体90の先端部に設けられ、内側構造体1に取り付けられる第1の取付部であるフック91と、コイルバネ本体90の基端部に設けられ、操作部材5に取り付けられる第2の取付部であるフック92とを有している。
フック91、92の形状は、それぞれ、特に限定されないが、本実施形態では、U字状をなしている。なお、他の形状としては、例えば、V字状、コの字状等が挙げられる。
また、コイルバネ9の軸方向から見たとき、コイルバネ9の内側に押し子51が配置され、コイルバネ9は、押し子51の外周に沿って巻かれている、すなわち、押し子51の外周側にその押し子51および筒体2と同心的に配置されている。そして、図6、図7に示すように、コイルバネ9は、伸長した状態で、フック91が外筒4の棒状をなす支持部43に掛けられ、フック92が押し子51のリブ513の溝5131に掛けられている。
これにより、コイルバネ9は、内側構造体1と操作部材5とを互いに接近する方向に付勢する。すなわち、コイルバネ9は、操作部材5の押し子51を介してガスケット8を先端方向に押圧する補助力を発生する。これにより、押圧操作の際、操作部材5を先端方向に容易に移動させることができる。
なお、コイルバネ9の構成材料としては、特に限定されず、例えば、コイルバネ13の構成材料と同様の材料を用いることができる。
さて、液体投与具100は、外筒4が回転した際、その回転力が両頭針71に伝達されるのを防止する回転力伝達防止機構10を備えている。回転力伝達防止機構10は、第1の回転力伝達防止部10Aと、第2の回転力伝達防止部10Bとを有している。
第1の回転力伝達防止部10Aは、先端側部材4bのカム溝15と、支持部材72の突起(フォロア部)721とで構成されている。まず、カム溝15について説明する。
図20に示すように、カム溝15は、縮径部42bの内周部に4つ形成されている。各カム溝15は、縮径部42bの周方向に沿って等間隔で配置されている。各カム溝15は、それぞれ同様の構成であるため、以下、それらのうちの1つのカム溝15について代表的に説明する。
カム溝15は、縮径部42bの内側からみたとき、L字状をなしており、支持部材72の突起721が挿入される部分である。このカム溝15は、横溝16と、該横溝16と連通する縦溝17とに分けることができる。
横溝16は、縮径部42bの周方向に沿って延在しており、その長さは、縮径部42bの内周面の1周よりも短い。横溝16は、その長手方向の全長にわたって、基端側に開放している。
この横溝16の図13(a)〜(c)中右側の端部は、縦溝17と連通しており、横溝16および縦溝17が交差する交差部18となっている。
縦溝17は、直線状をなし、横溝16の図13(a)〜(c)中右側の端部から、先端方向に延在している。この縦溝17の長さは、縮径部42bの軸方向の長さよりも短い。また、縦溝17の先端は、先端側に開放しておらず、縦溝17の内周部の先端には、先端内側面171が形成されている(図11、図12、図13(a)〜(c)および図20参照)。縦溝17の基端部は、前述した交差部18となっている
横溝16および縦溝17の幅および深さは、突起721が挿入され、内側を移動し得る程度の大きさとなっている。なお、本実施形態では、横溝16および縦溝17は、縮径部42bの内周から縮径部42bの管壁の厚さ方向の途中まで形成されているが、縮径部42bの管壁を内周から外周まで貫通して形成されていてもよい。
次に、突起721について説明する。
図19に示すように、突起721は、支持部材72の基端外周部に4つ設けられている。また、各突起721は、支持部材72の周方向に沿って等間隔で配置されている。各突起721は、それぞれ同様の構成であるため、以下、それらのうちの1つの突起721について代表的に説明する。
突起721は、外形形状が四角柱状をなし、外側に突出して形成されている。また、突起721は、カム溝15に挿入されている。この突起721は、初期状態では、縦溝17内に挿入されており、縦溝17の先端内側面171と当接(係合)している。これにより、初期状態で、穿刺針7が筒体2(先端側部材4b)の先端部から離脱するのが防止される。
また、突起721は、初期状態から連通状態となるまでの間、支持部材72の軸方向の移動に伴って、縦溝17内を、基端側に向って移動する。このとき、突起721は、縦溝17の内側面のうちの、幅方向に対向する一対の内側面172によって、周方向の移動が規制されている。これにより、初期状態から連通状態となるまでの間、穿刺針7がその軸回りに回転するのを防止することができる。よって、両頭針71の基端側針先712が封止部材11を貫通する際に、コアリングを防止することができる。
図13(b)に示すように、両頭針71と内筒3とが連通したとき、突起721は、縦溝17の基端部(交差部18)に位置しており、交差部18で待機した状態となっている。
また、カバー部材6が、第2の位置から第3の位置に移動するとき、すなわち、外筒4が回転するとき、穿刺針7も外筒4とともに回転しそうになる。しかしながら、外筒4が回転する際、突起721は、外筒4の回転に伴って横溝16内を図13(b)に示す位置から図13(c)に示す位置まで移動する。これにより、外筒4の回転力が穿刺針7に伝達されるのを防止することができる。よって、穿刺針7が外筒4とともに同じ方向に回転するのを防止することができる、すなわち、穿刺針7を外筒4に対して非回転状態とすることができる。特に、外筒4が回転するとき、両頭針71は、生体を穿刺した状態となっている。液体投与具100では、穿刺針7が回転しないよう構成されていることで、両頭針71の先端側針先711が生体内で回転するのが防止される。その結果、使用者は、液体の投与を低侵襲で行うことができる。
なお、図13(a)に示すように、初期状態では、係合部723は、縦溝17の先端側に位置している。初期状態から穿刺針7が基端側に向って移動すると、係合部723は、縦溝17に入り込み、突起721とともに、縦溝17内を基端側に向って、図13(b)に示す位置まで移動する。さらに、外筒4の回転に伴って、図13(c)に示す位置まで突起721とともに横溝16内を移動する。これにより、外筒4が回転する際、係合部723と縮径部42bとが干渉するのを防止することができ、よって、外筒4の回転を阻害するのを防止することができる。なお、図11および図12に示すように、外筒4が回転する際には、係合部723は、横溝16内の深さが突起721が挿入される部分よりも浅くなっている部分である係合溝161内を移動する。
次に、第2の回転力伝達防止部10Bについて説明する。
第2の回転力伝達防止部10Bは、支持部材72に設けられた突起722と、カバー部材6に設けられた孔部(凹部)623で構成されている。
図19に示すように、突起722は、支持部材72の周方向に沿って、等間隔で4つ並設されている。各突起722は、円柱状をなし、支持部材72の先端面724から先端側に突出して設けられている。各突起722は、支持部材72の中心軸から偏心した位置に設けられている。
図6、図7に示すように、孔部623は、カバー部材6の先端壁部62に、その周方向に沿って、等間隔で4つ設けられている。各孔部623は、カバー部材6の中心軸方向からみたとき、円形をなしており、先端壁部62の厚さ方向に貫通して形成されている。各孔部623は、少なくとも基端側(突起722側)に開放していればよく、先端壁部62の厚さ方向の途中まで形成されていてもよい。
また、各孔部623は、穿刺針7の支持部材72の各突起722に対応する位置に配置されている。各突起722は、カバー部材6が第2の位置に移動したとき、すなわち、連通状態となったとき、各孔部623に挿入される。この挿入状態では、各突起722と各孔部623とは、カバー部材6の中心軸から偏心した位置で係合する。これにより、カバー部材6に対して、穿刺針7がその軸回りに回転するのを防止することができる。このように、回転しないカバー部材6に穿刺針7を固定することで、穿刺針7の非回転状態を確実に維持することができる。
なお、カバー部材6が第2の位置に移動した際、突起722は、その軸方向の途中までが孔部623に挿入されている。また、カバー部材6が第2の位置から第3の位置に移動したとき、各突起722の、各孔部623への挿入が完了する
また、液体投与具100では、第1の回転力伝達防止部10Aと第2の回転力伝達防止部10Bとの相乗効果で、両頭針71が生体を穿刺しているとき、穿刺針7が回転するのをより確実に防止することができる。
また、図6および図7に示すように、各孔部623は、その内径が基端側(突起722側)に向って拡径したテーパ部624を有している。これにより、突起722は、孔部623に挿入される際、テーパ部624によって案内される。なお、突起722がテーパ部624に案内される際には、突起722は、テーパ部624に臨む傾斜した内側面上を先端側に向って摺動して、孔部623内に至る。このように、テーパ部624は、突起722を孔部623内に案内する案内部として機能する。
次に、液体投与具100の使用方法と、その使用時の作動状態とについて、図1、図2、図10〜図23を参照しつつ説明する。
[1] 図1および図6に示すように、未使用状態(初期状態)の液体投与具100を用意する。この未使用状態の液体投与具100では、カバー部材6は、第1の位置にあり、両頭針71の先端側針先711を覆っている。なお、この未使用状態では、コイルバネ13の付勢力により、カバー部材6で両頭針71の先端側針先711が覆われた状態が維持されている。これにより、両頭針71の先端側針先711による誤穿刺を確実に防止することができる。
また、穿刺針7は、両頭針71の基端側針先712が筒体2の内筒3の封止部材11から離間しており、封止部材11を未だ刺通していない。これにより、薬液の投与が開始されるまで、液体の無菌状態を維持することができる。
また、カバー部材6の各突起63は、外筒4に対して図1に示す位置に位置している。
また、カバー部材6の各突起613は、外筒4の先端部の溝43bの基端側に位置している。
また、押し子51の各段差部516が外筒4の各突起49aの傾斜面491aに当接又は当接しうる位置(使用前は離間していてもよい)、すなわち、各突起49aと係合又は係合しうる位置にあり、これにより、内側構造体1(筒体2)に対する操作部材5の先端方向への移動が阻止されている。
また、突起63は、直線溝421に挿入されており、これにより、外筒4は、カバー部材6に対して回転することが阻止され、これにより、外筒4は、操作部材5に対して回転することが阻止されている。
また、穿刺針7の突起721は、図11および図13(a)に示すように、縦溝17の先端部に位置している。
[2] 次に、図2に示すように、未使用状態の液体投与具100の操作部材5を把持して、カバー部材6の先端壁部62を生体に当接させ、操作部材5を先端方向に向かって押圧する。これにより、カバー部材6は、コイルバネ13の付勢力に抗して、操作部材5および内側構造体1に対して基端方向、すなわち、第1の位置から第2の位置へ移動する。また、その移動過程で、カバー部材6の先端壁部62が穿刺針7の支持部材72を基端部側に移動させる。
このとき、両頭針71の先端側針先711が、カバー部材6の先端壁部62の開口部621から突出して、その先端側針先711での生体に対する穿刺が行なわれる。前述したように、各係合部723が、縮径部42bの先端開口421bの縁部と係合することにより、生体に両頭針71を穿刺するのを確実に行うことができる。
また、先端壁部62が穿刺針7の支持部材72を基端方向に向かって押圧する。これにより、両頭針71の基端側針先712で、内筒3の封止部材11を刺通することができ、よって、生体を穿刺した両頭針71と、内筒3とが連通する。
このとき、カバー部材6の突起63は、直線溝421に沿って、外筒4に対して相対的に基端方向に移動する。そして、カバー部材6が第2の位置にあるとき、カバー部材6の突起63は、外筒4に対して図15に示す位置に位置している。
また、このときカバー部材6の各突起613は、外筒4の各溝43bに沿って基端方向に移動し、各溝43bの基端側の各空間45bに位置した状態である。
また、穿刺針7の各突起722は、カバー部材6の各孔部623に挿入され、これにより、穿刺針7が周方向に回動することが防止される。
また、突起63は、直線溝421の基端部に位置し、これにより、外筒4は、カバー部材6に対して回転することが可能となり、よって、外筒4は、操作部材5に対して回転することが可能となる。
また、支持部材72の突起721は、図13(b)に示すように、横溝16と縦溝17との交差部18に位置している。
[3] 次に、図2に示す状態から操作部材5を先端方向に向かって押圧し続けると、図3および図7に示すように、カバー部材6は、第3の位置に到達する。これは、外筒4の溝42およびカバー部材6の突起63により、外筒4がカバー部材6および内筒3に対して所定角度回転し終わった状態である。
このとき、押し子51の段差部516が突起49aの傾斜面491aに沿って移動し、この際、外筒4は、回転方向の推進力を得る。さらに、コイルバネ9の回転方向の付勢力により、外筒4は、回転方向の推進力を得る。これにより、容易に、外筒4を回転させることができる。
これにより、押し子51の各段差部516は、外筒4の各突起49aからずれた位置に移動し、各段差部516と各突起49aとの係合が外れた状態である。これにより、筒体2に対する操作部材5の先端方向への移動が可能になる。これ以降は、各段差部516と各突起49aとの係合が外れた状態を維持するので、以降の本説明は省略する。
なお、1つの連続した動作として、両頭針71の生体への穿刺動作と、外筒4の回転動作と、後述する操作部材5の押圧操作とを円滑に行なうことができる。
また、カバー部材6の突起63は、傾斜溝422に沿って、外筒4に対して相対的に斜め上方方向に移動する。そして、カバー部材6が第3の位置にあるとき、カバー部材6の突起63は、外筒4に対して図3に示す位置に位置している。
また、このときカバー部材6の各突起613は、回転し、各空間45bにおける各長孔44bの基端側の位置に移動した状態である。
なお、外筒4が回転する際、支持部材72の突起721は、横溝16内で、図13(b)に示す位置から、図13(c)に示す位置に移動する。すなわち、支持部材72と、外筒4とは、相対的に回転する。これにより、外筒4の回転力が穿刺針7に伝達されるのを防止することができる。よって、両頭針71が、生体を穿刺した状態で外筒4とともに回転するのを防止することができる。
さらに、支持部材72の突起722がカバー部材6の孔部623に挿入されることで、穿刺針7は、外筒4に対して回転しないカバー部材6に固定される。これにより、外筒4の回転力が穿刺針7に伝達されるのをより確実に防止することができる。
[4] 図3、図7および図12に示すように、カバー部材6が第3の位置に位置している状態で、使用者の押圧力と、コイルバネ9の付勢力、すなわち、補助力(押圧力)により、操作部材5が先端方向に移動し、これにより、ガスケット8が先端方向に向かって移動することが可能となる。すなわち、前述した押圧操作が行なわれ、よって、液体の投与を行なうことができる。そして、図4および図8に示すように、ガスケット8が内筒3の底部32に当接し、液体の投与が完了し、カバー部材6が第4の位置に位置する。
このとき、カバー部材6の突起63は、外筒4に対して図4に示す位置に位置したままである。
また、カバー部材6の各突起613も、各空間45bにおける各長孔44bの基端側の位置に位置したままである。
また、外筒4の各腕部46aの各爪47aは、押し子51の各孔部517に挿入され、各孔部517と係合する。この際、各腕部46aは、一端、湾曲し、各爪47aが各孔部517から基端方向に突出した瞬間、その弾性力により元の形状に戻り、各腕部46aから音(可聴音)および振動(クリック感)が発生する。これにより、使用者は、液体の投与が完了したことを認識することができる。
また、使用後に外筒4と操作部材5とは、各爪47aと各孔部517との係合により固定される。これにより、使用後の操作部材5の作動を規制することができるとともに、使用者は、投与完了状態であることを認識することができる。
[5] 次に、図5、図9および図10に示すように、操作部材5を先端方向に向かって押圧するのを止め、カバー部材6の先端壁部62を生体から離間させ、両頭針71を生体から抜去する。
これにより、コイルバネ13の付勢力により、カバー部材6が先端方向、すなわち、カバー部材6は第5の位置に移動し、カバー部材で両頭針71の先端側針先711が覆われる。
また、カバー部材6の各突起613が長孔44bの基端部に係合することにより、カバー部材6が外筒4に対して基端方向への移動が阻止され、その結果カバー部材6で両頭針71の先端側針先711が覆われた状態が維持される。これにより、カバー部材6が基端方向へ移動できなくなるため、使用後の針刺し事故を防ぐセーフティ機構として機能する。
また、外筒4がカバー部材6に対して相対的に回転することで、カバー部材6の各突起613が外筒4の溝43b(初期状態)から長孔44bに係合し、セーフティ機構が機能することにより、直進型よりも初期状態に戻りにくく、使用前後の状態がわかりやすいため、再使用を防止できる。さらに、使用された液体投与具100を安全に、使用前の液体投与具100と間違うことなく確実に廃棄することができる。
また、カバー部材6の突起63は、直線溝423に沿って、カバー部材6に対して相対的に先端方向に移動し、カバー部材6が第5の位置にあるとき、カバー部材6の突起63は、外筒4に対して図5に示す位置に位置している。
このように、液体投与具100によれば、外筒4が回転した際、その回転力が穿刺針7に伝達されるのを確実に防止することができる。これにより、両頭針71が生体を穿刺した状態で回転するのを防止することができる。よって、使用者は、生体組織を損傷することなく液体の投与を行うことができる。
また、コイルバネ9の付勢力、すなわち補助力により、操作部材5の先端方向への移動を補助することができる。これにより、例えば、比較的細い両頭針71を用いたり、比較的粘度の高い液体を投与する場合でも容易かつ確実に液体を投与することができ、また、例えば、力の弱い高齢者や女性、手指に痛みや変形があるリウマチ患者等、操作部材5を押圧操作することが困難な使用者でも容易かつ確実に液体を投与することができる。
<第2実施形態>
図21、図22は、本発明の液体投与具の第2実施形態の使用時の作動状態を示す縦断面図、図23は、本発明の液体投与具の第2実施形態のカバー部材を示す斜視図、である。なお、以下では、図21〜図23中の上側を「基端(後端)」または「上(上方)」、下側を「先端」または「下(下方)」、上下方向を「軸方向」または「長手方向」として説明を行う。
以下、第2実施形態について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図23に示すように、第2実施形態の液体投与具100では、カバー部材6の基端外周部には、一対のアーム615が、カバー部材6の中心軸を介して対向配置されている。各アーム615は、同様の構成であるため、以下、一方のアーム615について代表的に説明する。
アーム615は、長尺状をなし、基端側に突出形成されている。アーム615の基端部には、互いに対向する一対の爪部616が設けられている。爪部616は、内側に向って突出形成されている。また、アーム615の先端部は、カバー部材6の側壁61との境界部が段差部617となっている。
また、操作部材5の把持部52の先端内周部には、内側に向って突出したリブ522が設けられている。このリブ522は、把持部52の内周部の全周にわたって形成されている。このリブ522は、図21に示す初期状態では、カバー部材6の段差部617と係合する。これにより、カバー部材6が操作部材5から離脱するのを防止することができる。
さらに、頭部53の内周部には、先端側に向って突出した一対の係合腕533が設けられている。各係合腕533は、同様の構成であるため、以下、一方の係合腕533について代表的に説明する。
係合腕533は、長尺状をなし、その先端部には、外側に向って突出した係合爪534が形成されている。この係合爪534は、図22に示すセーフティ機構作動状態では、カバー部材6の爪部616と係合する。これにより、図22に示すセーフティ機構作動状態から、コイルバネ13の付勢力によるカバー部材6の操作部材5に対する先端方向への移動が防止される。よって、カバー部材6が操作部材5から離脱するのを防止することができる。その結果、セーフティ機構作動状態を確実に維持することができる。
<第3実施形態>
図24〜図26は、本発明の液体投与具の第3実施形態の使用時の作動状態を示す側面図である。なお、以下では、図24〜図26中の上側を「基端(後端)」または「上(上方)」、下側を「先端」または「下(下方)」、上下方向を「軸方向」または「長手方向」として説明を行う。
以下、第3実施形態について、前述した第2実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図24〜図26に示すように、第3実施形態の液体投与具100では、操作部材5の把持部52の外周部に、液体投与具100の内部を視認可能な一対の窓部523が形成されている。この窓部523は、把持部52の側面視で、その中心軸方向を長手方向とする長方形をなしている。窓部523は、把持部52の内周から外周まで貫通した貫通孔で構成されている。窓部523の基端は、把持部52の基端と略一致しており、窓部523の先端は、把持部52の先端部に位置している。
また、窓部523は、カバー部材6の一対のアーム615(基端部)に対応する位置に形成されている。これにより、使用者は、窓部523を介して、液体の投与状況に伴って移動するカバー部材6を視認することができる。
例えば、図24に示す初期状態では、カバー部材6の一対のアーム615の基端は、頭部53の係合腕533から離間した状態となっている。図25に示す投与可能状態では、頭部53の係合腕533の先端とカバー部材6のアーム615は、重なった状態となっている。図26に示す投与完了状態では、カバー部材6のアーム615の基端は、頭部53の先端と重なっている。
このように、本実施形態の液体投与具100では、各窓部523を介して視認される各カバー部材6の位置が、液体の投与の状態を示すよう構成されている。これにより、使用者は、容易に液体の投与の状況を把握することができる。
以上、本発明の液体投与具を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。
また、本発明は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
なお、前記各実施形態では、支持部材にフォロア部が設けられ、先端側部材にカム溝が設けられているが、本発明ではこれに限定されず、支持部材にカム溝が設けられ、先端側部材にフォロア部が設けられていてもよい。
また、前記各実施形態では、支持部材に凸部が設けられ、カバー部材に凹部が設けられているが、本発明ではこれに限定されず、支持部材に凹部が設けられ、カバー部材に凸部が設けられていてもよい。
また、前記各実施形態では、回転力伝達防止機構は、第1の回転力伝達防止部と第2の回転力伝達防止部との双方を有するものであるが、本発明ではこれに限定されず、第1の回転力伝達防止部および第2の回転力伝達防止部のうちの一方が省略されていてもよい。
また、前記第3実施形態では、窓部は貫通孔で構成されているが、本発明では特に限定されず、例えば、把持部が内部を視認し得る程度の光透過性を有する光透過性材料で構成されていてもよい。この場合、少なくとも貫通孔に対応する部分が光透過性材料で構成されていればよく、把持部全体が光透過性材料で構成されていてもよい。
また、前記第3実施形態では、窓部の縁部に、その長手方向に沿って、目盛りを付してもよい。
また、各実施形態では、穿刺針は、両頭針である針管を有するものであるが、本発明では、これに限定されず、基端側の針先が省略された針管を有するものであってもよい。
また、各実施形態では、筒体内に予め液体が充填されているが、本発明では、これに限らず、例えば、当初は筒体内に液体が充填されておらず、後から筒体内に液体を充填して使用するようになっていてもよい。
また、各実施形態では、付勢部材は、圧縮バネであるが、本発明では、これに限らず、例えば、引っ張りバネ等でもよく、また、バネ以外のものであってもよい。
また、各実施形態では、内側でガスケットが摺動する筒体は、内筒と外筒との2部材で構成されていたが、本発明では、これに限定されず、例えば、1部材で構成されていてもよい。
また、本発明では、ガスケットが省略されていてもよい。この場合は、例えば、押し子の先端部がガスケットとして機能するように構成する。
100 液体投与具
1 内側構造体
2 筒体
3 内筒
31 内筒本体
32 底部
33 側壁
34 口部
4 外筒
41 胴部
42 溝
421、423 直線溝
422 傾斜溝
43 支持部
4a 基端側部材
40a 突出部
41a 腕部
42a 爪
45a 縮径部
46a 腕部
47a 爪
49a 突起
491a 傾斜面
4b 先端側部材
41b 孔部
42b 縮径部
421b 先端開口
43b 溝
44b 長孔
45b 空間
5 操作部材
51 押し子
511 本体部
512 フランジ
513 リブ
5131 溝
514 腕部
515 爪
516 段差部
517、518 孔部
52 把持部
521 孔部
522 リブ
523 窓部
53 頭部
531 腕部
532 爪
533 係合腕
534 係合爪
6 カバー部材
61 側壁
612 腕部
613 突起
614 リブ
615 アーム
616 爪部
617 段差部
62 先端壁部
621 開口部
622 先端面
623 孔部
624 テーパ部
63 突起
7 穿刺針
71 両頭針
711 先端側針先
712 基端側針先
72 支持部材
721 突起(フォロア部)
722 突起(凸部)
723 係合部
724 先端面
8 ガスケット
81 突部
82 凹部
9 コイルバネ
90 コイルバネ本体
91、92 フック
10 回転力伝達防止機構
10A 第1の回転力伝達防止部
10B 第2の回転力伝達防止部
11 封止部材
12 固定部材
13 コイルバネ
15 カム溝
16 横溝
161 係合溝
17 縦溝
171 先端内側面
172 内側面
18 交差部
40 補助機構

Claims (11)

  1. 液体を充填可能な内筒と、
    前記内筒の先端部に配置され、先端に鋭利な針先を有し、前記内筒と連通可能な針管と、前記針管を支持する支持部材とを有する穿刺部材と、
    先端方向に向かって移動することにより、前記針管と前記内筒とが連通した状態で前記液体を前記針管から吐出させる吐出操作を行なう操作部材と、
    少なくとも前記針先を覆う位置(A)と、前記針先が露出する位置(B)との間を移動可能なカバー部材と、
    前記内筒の外周側に配置され、前記カバー部材に対して前記内筒の中心軸を回転軸として、回転可能に設けられ、前記カバー部材が前記位置(B)に移動するまでの間、前記操作部材の移動を禁止し、前記カバー部材が前記位置(B)に位置しているときに回転して、前記操作部材の移動の禁止を解除する外筒と、
    前記外筒が回転した際、その回転力が前記針管に伝達されるのを防止する回転力伝達防止機構とを有していることを特徴とする液体投与具。
  2. 前記支持部材は、筒状をなし、前記外筒に対して回転可能に設けられ、
    前記回転力伝達防止機構は、前記外筒および前記支持部材うちの一方に設けられ、その周方向に延在する横溝を有するカム溝と、他方から突出して形成され、前記外筒の回転に伴って、前記横溝内を移動するフォロア部とを有している請求項1に記載の液体投与具。
  3. 前記支持部材は、前記外筒に対して前記回転軸方向に前記針管とともに移動可能に設けられ、その移動によって、前記針管を前記内筒と連通させるものであり、
    前記回転力伝達防止機構は、前記横溝と連通して設けられ、前記回転軸方向に延在し、前記支持部材の前記回転軸方向の移動に伴って、前記フォロア部が移動する縦溝を有する請求項2に記載の液体投与具。
  4. 前記針管と前記内筒とが未だ連通していない状態では、前記フォロア部と前記縦溝とが係合することにより前記外筒から前記支持部材が離脱するのを防止する請求項3に記載の液体投与具。
  5. 前記支持部材は、筒状をなし、前記外筒に対して回転可能に設けられ、
    前記回転力伝達防止機構は、前記支持部材および前記カバー部材のうちの一方に、前記回転軸から偏心して設けられた凸部と、他方に設けられ、前記カバー部材が前記位置(B)に位置しているとき、前記凸部が挿入される凹部とを有している請求項1ないし4のいずれか1項に記載の液体投与具。
  6. 前記凹部は、その内径が前記凸部側に向って拡径したテーパ部を有している請求項5に記載の液体投与具。
  7. 前記支持部材は、筒状をなし、前記回転軸方向に移動可能に設けられており、外周部から突出形成された係合部を有し、
    前記吐出操作が未だ行われていない初期状態では、前記針管と前記内筒とが連通していない非連通状態となっており、
    前記針先が生体を穿刺するとき、前記係合部が前記外筒と係合することにより、前記非連通状態を一時的に維持する請求項1ないし6のいずれか1項に記載の液体投与具。
  8. 前記係合部は、ドーム状をなしている請求項7に記載の液体投与具。
  9. 前記外筒は、その周方向に沿って設けられ、前記外筒が回転する際、前記係合部が移動する係合溝を有している請求項7または8に記載の液体投与具。
  10. 前記内筒に対して前記カバー部材を先端方向に向って付勢する付勢部材を有し、
    前記カバー部材と前記操作部材とが係合することにより、前記付勢部材の付勢力による前記カバー部材の前記操作部材に対する先端方向への移動が防止される請求項1ないし9のいずれか1項に記載の液体投与具。
  11. 前記操作部材は、前記カバー部材の外周側に配置され、前記操作部材を操作するときに把持される把持部を備え、
    前記把持部は、前記カバー部材の基端部を視認可能な窓部を有し、
    前記吐出操作中に、前記窓部を介して視認されるカバー部材の基端部の位置が、前記液体の投与の状態を示すよう構成されている請求項1ないし10のいずれか1項に記載の液体投与具。
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