JP2015019647A - 養殖水中に含まれるアンモニアの除去方法及び除去装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】養殖水に含まれるアンモニアを分解除去するにあたり、残留オゾンやオキシダントを発生させることなく養殖水に含まれるアンモニアを分解除去する方法及び除去装置を提供すること。【解決手段】養殖水の少なくとも一部に対してオゾン処理を行ってORPの変化を測定し、ORPが450mV以上であり、かつ予め定められた第1の変化率以下となるORP曲線1上の最初の点を第1点5と、その次に予め定められた第2の変化率以上となるORP曲線1上の点を第2点6とし、前記第1点5から前記第2点6までの範囲にある任意のORPを規定値として設定する第1ステップと、養殖水の少なくとも一部に対してORPが前記規定値に上昇するまでオゾン処理を行う第2ステップとを有するアンモニアの除去方法である。【選択図】図2
Description
本発明は、魚介類の養殖や蓄養における養殖水中に含まれるアンモニアを除去する方法及び除去装置に関する。
養殖場、蓄養場や水族館の養殖水では、魚介類から出た排泄物、残餌などが水中で微生物により分解され、水中にアンモニア性窒素(以下、単に「アンモニア」という。)が残留する。水中のアンモニアは生物毒性が高いため、魚介類に深刻な呼吸障害を引き起こす。長期間の飼育や高密度養殖などの場合には、容易に養殖水槽内にアンモニアが蓄積するため、大きな問題となっている。
養殖水中のアンモニアを除去する最も簡単な方法は、養殖水槽に新鮮な海水を掛け流し、アンモニアを含む養殖水と交換することである。しかしながら、その排水は環境負荷が高いこと、換水にコストが必要となることなどの点で問題が多い。養殖水を循環利用すればこれらの問題を生じないが、その場合には、養殖水に含まれるアンモニアを養殖施設内で分解除去しなければならない。
産業排水処理分野では、排水中に含まれるアンモニアを分解する方法として、アンモニアストリッピング法、ブレークポイント法、生物処理法などが行われている。アンモニアストリッピング法は、被処理水のpHを強アルカリにしてアンモニウムイオン(NH4 +)をアンモニア(NH3)に変化させ、曝気により空気中に放出させるものである。また、ブレークポイント法は、被処理水に塩素を注入してNH4 +と反応させて処理する。しかしながら、この二つの方法では、被処理水の水質は魚介類の生存条件環境から著しく逸脱しているため、養殖水への適用はできない。
生物処理法は、微生物の代謝を利用した方法であり、魚介類に害を与えないこと、高度な施設や運転技術が不要なことから、養殖においては最も多く用いられている方法である。この方法では、好気性のアンモニア硝化細菌によりアンモニアを亜硝酸、硝酸へと変えた後、嫌気性の脱窒細菌により硝酸を亜硝酸、窒素へと変化させて空気中へと放出させるものである。
しかしながら、この生物処理法にも、水中のアンモニアを十分に分解できるアンモニア硝化菌を繁殖させるのに必要な期間が数週間から数か月と非常に長いこと、水温が低い場合にはアンモニア硝化菌の活性が著しく低下し、アンモニアの分解能力が低下すること、アンモニア硝化菌の硝化能力は他の細菌に比べ比較的低く、十分な接触時間又は広大な処理槽が必要となること、脱窒素処理は無酸素状態で行われるため、確実な制御を行わない場合には毒性を持つ硫化水素が発生するとともに、無酸素状態の養殖水が養殖槽に送られてしまい、魚介類が全滅となるおそれがあること、処理槽の目詰まりによる流速低下を解消するため、定期的に生物処理槽を洗浄する必要があること等の問題がある。
しかしながら、この生物処理法にも、水中のアンモニアを十分に分解できるアンモニア硝化菌を繁殖させるのに必要な期間が数週間から数か月と非常に長いこと、水温が低い場合にはアンモニア硝化菌の活性が著しく低下し、アンモニアの分解能力が低下すること、アンモニア硝化菌の硝化能力は他の細菌に比べ比較的低く、十分な接触時間又は広大な処理槽が必要となること、脱窒素処理は無酸素状態で行われるため、確実な制御を行わない場合には毒性を持つ硫化水素が発生するとともに、無酸素状態の養殖水が養殖槽に送られてしまい、魚介類が全滅となるおそれがあること、処理槽の目詰まりによる流速低下を解消するため、定期的に生物処理槽を洗浄する必要があること等の問題がある。
近年、これらの問題がなく、効率よく養殖水中のアンモニアを分解除去する方法として、オゾンを用いた方法が提案されている。養殖において、オゾンは養殖水の殺菌方法として広く用いられているが、海水にオゾンを溶解させた場合、海水中に存在する臭化物イオンがオゾンにより酸化され、次亜臭素酸イオン(BrO−)や臭素酸イオン(BrO3 −)などのオキシダントを生成する。これらのオキシダントは強力な殺菌力を持ち、ほとんど全ての細菌、ウイルス、寄生虫等の病原微生物を殺菌することができる。オキシダントは殺菌作用を持つ反面、人体や魚介類に対しても毒性を示すため、流通しているオゾン殺菌装置には、海水にオゾン溶解させるためのオゾン反応槽の他にオゾンを除去するための曝気槽や活性炭槽を備えているのが普通である。
オゾンを用いた養殖水中のアンモニアの分解は、オゾン溶解により生成された次亜臭素酸イオン(BrO−)がアンモニアと反応してアンモニアを直接窒素ガスに変え、空気中に排出する方法である。この方法は、海水中に約65mg/L存在する臭素イオンをそのまま利用できるので簡便である。河川水などの淡水や人工海水を用いた養殖では、それらの水中には臭素イオンが存在しないため、人為的に臭素化合物を添加して臭素イオンを発生させて利用する。アンモニアとの反応に必要な量を超えたオゾンを被処理水中に注入した場合には、余剰オゾンとアンモニアと反応しきれなかったオゾンによる次亜臭素酸イオンが魚介類に直接影響を与えてしまうため、この場合もオゾン殺菌と同様に、活性炭槽を取り付ける対策をとらなければならない。
オゾンによるアンモニアの分解状況の把握、及び過剰なオゾンの注入を避けるため、オゾン投入量と関係のある被処理水の酸化還元電位(以下、単に「ORP」という。)を測定することが知られており、今までに、ORPを測定することによって水中のアンモニア濃度を検知し、オゾン注入量を制御してオキシダントの発生を抑制する飼育施設や制御方法、制御値に関する技術が提案されている。
特許文献1には、アンモニアをほぼ完全に分解処理するため、オゾン接触塔の出口付近にオゾン処理した海水のORPを測定する酸化還元電位測定電極を設け、そのORPが450〜650mVの範囲に入るようにオゾン供給を制御することを特徴とする海水を用いた魚介類の飼育施設が開示されており、アンモニア濃度と次亜臭素酸イオン濃度をゼロに近づけるためには、オゾン処理した海水のORPが550〜650mVの範囲であることが好ましいと記載されている。
特許文献2には、オゾン処理槽を用いてアンモニア性窒素含有排水に臭素イオンの存在下においてオゾンを添加することにより、排水中のアンモニア性窒素を除去する排水処理方法において、オゾン処理槽内水中又はオゾン処理槽流出水中の溶存オゾン濃度を2mg/L以下に制御し、かつオゾン処理槽内水又はオゾン処理槽流出水のORPをそのORP指示曲線の第1変曲点近傍と第2変曲点近傍との間の値に制御することを特徴とするアンモニア性窒素含有排水の処理方法が開示されている。
特許文献3には、海水が満たされた畜養水槽内で海水魚を畜養し、海水中に蓄積される海水魚の排泄物であるアンモニアをオゾン反応槽内でオゾンにより分解する方法において、オゾン反応槽内でアンモニアがオゾンにより処理されたときに、海水中に残留する次亜塩素酸イオンあるいは次亜臭素酸イオンなどのオキシダント濃度を計測し、このオキシダント濃度があらかじめ定められた濃度を上回るときにはオゾン供給量を減少させ、かつ下回るときにはオゾン供給量を増加させるオゾンによるアンモニアの浄化方法が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載された飼育施設では、養殖水のORPを450〜600mVの範囲に保つようにオゾン注入量を制御するが、一般に魚介類による養殖水中のアンモニアの発生量は魚種や養殖環境によって大きく変化し、処理対象となる養殖水の水質の違いにより幅があるため、単に養殖水のORPを450〜600mVの範囲に保つようにオゾン注入量を制御するだけでは、様々な飼育環境や水質に対応して効果的にアンモニアを分解除去することができない。
特許文献2に記載されたアンモニア含有排水の処理方法では、被処理水のオゾン処理時のORPを850〜1050mVの範囲に制御することが好ましいとされているが、一度上昇したORPが自然に下がることはないのに対し、魚介類が生存可能なORPの範囲は200〜400mVであるため、この処理方法によりアンモニアを分解した養殖水には、魚介類が生存することができない。
特許文献3に記載されたアンモニアの浄化方法では、オゾン反応槽内でアンモニアがオゾン処理されたときに海水中に残留する次亜塩素酸イオンあるいは次亜臭素酸イオンなどのオキシダント濃度を計測してオゾン供給量を制御しているが、オキシダントの発生が微量であっても養殖水循環型の養殖ではオキシダントが養殖水中に蓄積し、やがて魚介類の致死量に至るおそれがあるため、この浄化方法では安定的に魚介類を養殖することができない。
本発明者等は、これらの従来例を前提に、養殖水に含まれるアンモニアをオゾンにより分解処理するに際し、被処理水のORPを測定することによりオゾン注入量を制御する処理方法の実用化に向け、様々な実験及び検討を行ってきた。その結果、次に述べる知見を得るとともに、従来の処理方法には多くの問題点が存在することを見出したので、以下にその点を示す。
図1において、本発明者等が行ったオゾン処理によるアンモニア分解実験結果の一例を示す。この実験では、アンモニアを含む海水の養殖水を模して、50リットルの人工海水(20℃)に、塩化アンモニウム(NH4Cl)を5g、臭化ナトリウム(NaBr)を4g、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)を25g添加後、水酸化ナトリウム(NaOH)にてpHを8.5に調整した試水を作成し、この試水を循環させながらオゾン処理を行った。
図1によると、試水へのオゾン供給が進むに従い、試水に含まれたアンモニアが分解され、試水に含まれたアンモニアの濃度がゆっくりと減少していく。試水のORPは、オゾンの供給開始時には約210mVであったが、オゾンの供給が進むに従って上昇し、一旦520mV付近で安定する。その後、アンモニアの分解が進行し、試水中のアンモニアの濃度が0mg/Lに近づくに従ってORPは再び急激に上昇し、試水中のアンモニアが完全に分解されると830mV付近で安定した。また、臭素酸はオゾンの供給開始時には試水中に存在していないが、試水に含まれるアンモニアが少なくなり、試水のORPが830mV付近に達した時点では、既に存在していると思われる。
また、試水のNH4Clの濃度を変えるなどした追実験の結果、試水に含まれるアンモニアが分解されるときの試水のORPは、450m〜550mVの範囲であることが分かった。
図2において、上述した試験結果を基に作成した、アンモニアを含む養殖水をオゾン処理した場合における処理時間に対する養殖水のORPの変化状況を示すORP曲線1を模式的に示す。アンモニアを含む養殖水にオゾンを供給すると、最初は養殖水に含まれている有機物の分解処理が行われる。魚介類が生息している養殖水には、魚介類の代謝による有機物及び餌に由来する有機物、並びにこれらが原因となるアンモニアが混在しており、養殖水に対してオゾン処理を行うと最初にこれらの有機物が分解される。ここで、この有機物の分解が行われる段階を「有機物分解ステージ」2と呼ぶ。実際には、養殖水中の有機物には、餌、魚種及び生育環境により大きく異なる様々な成分が含まれているため、有機物分解ステージ2での被処理水のORPには幅がある。
有機物分解ステージ2が終了に近づくと同時に、被処理水に含まれるアンモニアの分解が始まり、被処理水のORPは変化率の大きい点A3を経由して急激に上昇し、有機物の分解は完了する。
有機物分解ステージ2が終了すると、次に、被処理水中のアンモニアが分解される段階に移行する。ここで、このアンモニアの分解が行われる段階を「アンモニア分解ステージ」4と呼ぶ。アンモニアの分解が始まると、被処理水のORPは点A3から急激に上昇し、ORPの変化率が著しく小さくなる点B5を超え、500mV付近に達する。その後、被処理水のORPは略一定値を示し、臭素酸が発生し始めるORPの変化率が大きい点C6を超えた後に急激に上昇し、アンモニアの分解は完了する。
アンモニア分解ステージ4が終了すると、被処理水中に臭素酸が盛んに生成される段階に移行する。ここで、この臭素酸が生成される段階を「臭素酸生成ステージ」7と呼ぶ。臭素酸の生成が始まると、被処理水のORPは点C6から急激に上昇してORPの変化率が著しく小さくなる点D8を経由し、830mV付近に達して安定し、盛んに臭素酸を生成する。
このように、アンモニアを含む養殖水のオゾン処理では、有機物分解ステージ2、アンモニア分解ステージ4及び臭素酸生成ステージ6の3段階が存在し、各段階は被処理水のORPの変化状況を示すORP曲線1から読み取ることができる。すなわち、被処理水のORP曲線1上で、処理開始から点B5までが有機物分解ステージ2、点A3から点D8までがアンモニア分解ステージ4、及び点C6以降が臭素酸生成ステージ6であり、各ステージは若干重複している。なお、図1に示した実験結果は、点A3以降のORP曲線1の変化に相当する。
前述の実験において確認した養殖水中のアンモニアをオゾン処理する場合における最も大きな問題は、図1に示すように、養殖水中のアンモニアの分解が完了する直前に微量の臭素酸が発生することである。臭素酸は微量であっても魚介類に対する毒性が高く、養殖水循環型の飼育では養殖水槽内に臭素酸が蓄積するため、最終的には魚介類に重大な被害の発生が予想されるので、養殖水中のアンモニアのオゾン処理にあたっては、臭素酸の発生防止が重要になる。
また、オゾンによるアンモニアの分解除去は、被処理水のORPが450mVから550mVの範囲にある段階で行われるが、オゾン処理後、被処理水のORPが自然に低下することはない。魚介類の生存に適する水中のORPは魚介類の種類によって異なり、海水魚では350〜400mV、淡水魚では200〜260mV、無脊椎動物では350〜400mVであり、自然界の海の平均値は350mV程度であることが広く知られているが、前述のようにオゾン処理後の養殖水はORPが800mVを超えるので、魚介類の生存に適していない。
本発明は、上記の課題点を解決するために開発したものであり、その目的とするところは、養殖水に含まれるアンモニアの分解状況をORPにより見極め、ORPを指標としてオゾン注入を制御することにより、残留オゾンやオキシダントを発生させることなく養殖水に含まれるアンモニアを分解除去する方法及び除去装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、魚介類の養殖や畜養における養殖水に含まれるアンモニアを分解除去する方法であって、養殖水のORPを測定することによってオゾン注入を制御するに際して、養殖水の少なくとも一部に対してオゾン処理を行ってORPの変化を測定し、ORPが450mV以上であり、かつ予め定められた第1の変化率以下となるORP曲線上の最初の点を第1点と、その次に予め定められた第2の変化率以上となるORP曲線上の点を第2点とし、前記第1点から前記第2点までの範囲にある任意のORPを規定値として設定する第1ステップと、養殖水の少なくとも一部に対してORPが前記規定値に上昇するまでオゾン処理を行う第2ステップとを有するアンモニアの除去方法である。
従って、養殖水に含まれるアンモニアをオゾン等で分解除去するにあたり、第1ステップとして、先ず実際にオゾン処理の対象となる養殖水の少なくとも一部を取り出し、オゾン分解除去を行う除去装置でオゾン処理を行い、処理時間に対する被処理水のORPの変化を計測するので、被処理水に含まれるアンモニアの分解が開始される時点及び完了する時点、並びに臭素酸の発生開始時点に関する正確なデータを取得することができる。そして、その後の養殖水の少なくとも一部を取り出して行う第2ステップの処理にあたっては、その被処理水のORPを計測しながら第1ステップの処理で取得したデータに基づいてオゾンの供給を制御することにより、被処理水に含まれるアンモニアを十分に分解することができるとともに、有害な臭素酸等のオキシダントが発生する以前にオゾンの供給を確実に停止し、オキシダントの発生を防止することができる。
請求項2に係る発明は、魚介類の養殖や畜養における養殖水に含まれるアンモニアを分解除去する方法であって、養殖水のORPを測定することによってオゾン注入を制御するに際して、養殖水の少なくとも一部に対してオゾン処理を行ってORPの変化を測定し、
ORPが450mV以上であり、かつ予め定められた第1の変化率以下となるORP曲線上の最初の点を第1点、その次の予め定められた第2の変化率以上となるORP曲線上の点を第2点とし、前記第2点よりも前の任意の点を基準点として設定し、前記基準点から前記第2点までのOPRの値の上昇分を記憶する第1ステップと、養殖水の少なくとも一部に対して、前記基準点としたORPの値に到達してからのORP上昇分が前記第1ステップで記憶したORPの上昇分よりも低い上昇分となるようにオゾン処理を行う第2ステップとを有するアンモニアの除去方法である。
ORPが450mV以上であり、かつ予め定められた第1の変化率以下となるORP曲線上の最初の点を第1点、その次の予め定められた第2の変化率以上となるORP曲線上の点を第2点とし、前記第2点よりも前の任意の点を基準点として設定し、前記基準点から前記第2点までのOPRの値の上昇分を記憶する第1ステップと、養殖水の少なくとも一部に対して、前記基準点としたORPの値に到達してからのORP上昇分が前記第1ステップで記憶したORPの上昇分よりも低い上昇分となるようにオゾン処理を行う第2ステップとを有するアンモニアの除去方法である。
従って、第2ステップの養殖水の処理にあたっては、基準点としたORPの値に到達してからのORP上昇分が第1ステップで記憶したORPの上昇分よりも低い上昇分となるようにオゾン処理をすることにより、被処理水中に含まれるアンモニア以外の成分(有機物等)の影響を排除してオゾン処理を停止すべき時点を判断することができる。また、このORPの上昇分を第1ステップで記憶した上昇分よりも低く設定することにより、被処理水に含まれるアンモニアを十分に分解することができるとともに、オキシダントの発生を抑制することができる。なお、被処理水のORPの上昇分の計測を開始する基準点を450mVとした場合には、被処理水のオゾン処理をより簡便に行うことができる。
請求項3に係る発明は、ORPの上昇分よりも低い上昇分は、前記ORPの上昇分の70〜95%であることを特徴とする養殖水に含まれるアンモニアの除去方法である。
従って、第2ステップの養殖水の処理において、被処理水に含まれるアンモニアを十分に分解することができるとともに、オキシダントの発生を効果的に抑制することができる。
請求項4に係る発明は、魚介類の養殖や畜養における養殖水に含まれるアンモニアを分解除去する方法であって、養殖水のORPを測定することによってオゾン注入を制御するに際して、養殖水の少なくとも一部に対してオゾン処理を行ってORPの変化を測定し、ORPが450mV以上であり、かつ予め定められた第1の変化率以下となるORP曲線上の最初の点を第1点、その次の予め定められた第2の変化率以上となるORP曲線上の点を第2点とし、前記第2点よりも前の任意の点を基準点として設定し、前記基準点から前記第2点までの経過時間を記憶する第1ステップと、養殖水の少なくとも一部に対して、前記基準点としたORPの値に到達してからの処理時間が前記第1ステップで記憶した経過時間よりも短くなるようにオゾン処理を行う第2ステップとを有するアンモニアの除去方法である。
従って、第2ステップの養殖水の処理において、基準点としたORPの値に到達してからの処理時間が第1ステップで記憶した経過時間よりも短くなるようにオゾン処理をすることにより、被処理水中に含まれるアンモニア以外の成分(有機物等)の影響を排除してオゾン処理を停止すべき時点を判断することができる。また、この処理時間を第1ステップで記憶した処理時間よりも短く設定することにより、被処理水に含まれるアンモニアを十分に分解することができるとともに、オキシダントの発生を抑制することができる。なお、被処理水のオゾン処理時間の計測を開始する基準点を450mVとした場合には、被処理水のオゾン処理をより簡便に行うことができる。
請求項5に係る発明は、経過時間よりも短くなる処理時間は、前記経過時間の70〜95%であることを特徴とする養殖水に含まれるアンモニアの除去方法である。
従って、第2ステップの養殖水の処理において、被処理水に含まれるアンモニアを十分に分解することができるとともに、オキシダントの発生を効果的に抑制することができる。
請求項6に係る発明は、第2ステップを複数回実施する毎に第1ステップを実施し、ORP上昇分又は経過時間のデータを更新して第2ステップを行うことを特徴とする養殖水に含まれるアンモニアの除去方法である。
従って、養殖水に含まれるアンモニアの状況は給餌などにより随時変化するとともに、ORPの測定に使用する電極の表面に魚介類の代謝物や餌などの有機物が付着することによりORPの測定値は変動するが、養殖水のオゾン処理において、第2ステップを数回実施する毎に第1ステップを実施して被処理水のORP曲線を新たに取得し、新たに取得したORP曲線から得たデータに更新して第2ステップを行うことにより、より確実にアンモニアを分解除去するとともにオキシダントの発生を防止することができる。
請求項7に係る発明は、魚介類の養殖や畜養における養殖水に含まれるアンモニアを分解除去する装置であって、養殖水のORPを測定することによってオゾン注入を制御するに際して、養殖水の少なくとも一部に対してオゾン処理を行ってORPの変化を測定し、
ORPが450mV以上であり、かつ予め定められた第1の変化率以下となるORP曲線上の最初の点を第1点と、その次の予め定められた第2の変化率以上となるORP曲線上の点を第2点とし、前記第1点から前記第2点までの範囲にあるORPを規定値として設定する第1ステップと、養殖水の少なくとも一部に対してORPが前記規定値に上昇するまでオゾン処理を行う第2ステップとを行うアンモニアの除去装置である。
ORPが450mV以上であり、かつ予め定められた第1の変化率以下となるORP曲線上の最初の点を第1点と、その次の予め定められた第2の変化率以上となるORP曲線上の点を第2点とし、前記第1点から前記第2点までの範囲にあるORPを規定値として設定する第1ステップと、養殖水の少なくとも一部に対してORPが前記規定値に上昇するまでオゾン処理を行う第2ステップとを行うアンモニアの除去装置である。
従って、養殖水に含まれるアンモニアをオゾン等で分解除去するにあたり、第1ステップとして、先ず実際にオゾン処理の対象となる養殖水の少なくとも一部を取り出してオゾン処理を行い、処理時間に対する被処理水のORPの変化を計測して被処理水に含まれるアンモニアの分解が開始される時点及び完了する時点、並びに臭素酸の発生開始時点に関する正確なデータを取得し、その後の養殖水の少なくとも一部を取り出して行う第2ステップの処理にあたっては、その被処理水のORPを計測しながら第1ステップの処理で取得したデータに基づいてオゾンの供給を制御するので、被処理水に含まれるアンモニアを十分に分解することができるとともに、有害な臭素酸等のオキシダントが発生する以前にオゾンの供給を確実に停止し、オキシダントの発生を防止することができる。
本発明によると、養殖水に含まれるアンモニアの分解状況をORPの変化から把握し、オゾン注入量を制御することにより、残留オゾンや臭素酸を発生させることなくアンモニアを分解除去することができ、特に、臭素酸ステージに移行する前にオゾン処理を停止し、臭素酸を発生させることを回避でき得るため、魚介類の養殖水中のアンモニアを除去する方法として顕著な効果を有する除去方法及び除去装置を提案することが可能となる。
本発明は、養殖水に含まれるアンモニアをオゾンにより分解除去するにあたり、臭素酸ステージに移行する前にオゾンの供給を停止し、臭素酸の発生を抑制しながらアンモニアを分解除去しようとする処理方法と除去装置に関するものである。
上記の処理を実施する上で、オゾンの供給を停止する時期をどのように判断するかについては、二通りの態様を考えることができる。第1の態様は、第1ステップの結果から、確実にアンモニア分解ステージに移行している時点のORPの値を規定値として初めに認定したら、その後に実施する第2ステップの処理では、単にORPがその規定値に達するまでオゾン供給を行うものである。従って、規定値の設定時である第1ステップの処理では、アンモニア分解ステージの始点と終点の目安である第1点と第2点とをピンポイントで特定する必要がある一方、その後に実施する第2ステップの処理においては、ORPの計測値のみを確認すればよい。
他方、第2の態様は、アンモニア分解ステージの終点(第2点)よりも前の任意の時点を基準点とし、第1ステップにおいて、この基準点からアンモニア分解ステージの終点(第2点)までのORPの上昇分又は経過時間を求めておき、次回以降の第2ステップでは、基準点を確認してからのORPの上昇分又は処理時間に基づいてオゾン供給の停止時点を判断する。前記基準点は、第2点までのORP上昇分又は処理時間を計測するための起点であり、一定の範囲内であれば任意に設定することができる。
上記の処理を実施する上で、オゾンの供給を停止する時期をどのように判断するかについては、二通りの態様を考えることができる。第1の態様は、第1ステップの結果から、確実にアンモニア分解ステージに移行している時点のORPの値を規定値として初めに認定したら、その後に実施する第2ステップの処理では、単にORPがその規定値に達するまでオゾン供給を行うものである。従って、規定値の設定時である第1ステップの処理では、アンモニア分解ステージの始点と終点の目安である第1点と第2点とをピンポイントで特定する必要がある一方、その後に実施する第2ステップの処理においては、ORPの計測値のみを確認すればよい。
他方、第2の態様は、アンモニア分解ステージの終点(第2点)よりも前の任意の時点を基準点とし、第1ステップにおいて、この基準点からアンモニア分解ステージの終点(第2点)までのORPの上昇分又は経過時間を求めておき、次回以降の第2ステップでは、基準点を確認してからのORPの上昇分又は処理時間に基づいてオゾン供給の停止時点を判断する。前記基準点は、第2点までのORP上昇分又は処理時間を計測するための起点であり、一定の範囲内であれば任意に設定することができる。
アンモニアの分解除去にあたっては、養殖水槽から処理水槽に取り出した被処理水にオゾンを供給し、被処理水のORPの上昇状況を測定しながらオゾン処理を行い、計測したORPに基づき、有機物分解ステージ終了時点である点B及び臭素酸生成開始時点である点Cを制御器で演算して決定する。図2に示すように、点B5は、ORP曲線1における、450mV以上で最初にORP変化率が著しく小さくなる部分の終点付近の点であり、オゾン処理による有機物の分解の完了付近の時点である。点B5を設定するための「予め定められた第1の変化率」は、例えば、「0.01〜10,000mV/分の範囲内」、「0.1〜1,000mV/分の範囲内」、「10mV/秒」等に設定することができる。また、点C6はORP曲線における、点B5以降では最初にORP変化率が著しく大きくなる部分の始点付近の点であり、オゾン処理によるアンモニアの分解が完了する手前の時点である。点C6を設定するための「予め定められた第2の変化率」も、上述した「予め定められた第1の変化率」と同様の考え方で設定することができる。
ORP曲線1のノイズ等の影響により、点C6の判別が困難な場合には、養殖水のpHの変化から点C6を見極めることもできる。すなわち、図1に示すように、オゾン等によるアンモニアの分解処理においては、僅かではあるが被処理水のpHが変動する。海水又は人工海水のpHは8.5程度であるが、アンモニアの分解が進むにつれてpHは7〜8程度まで僅かに減少する。そして、点Cが表れるのとほほ同時にpHの値は極小になり、処理時間が更に経過すると再び増加して元のpHの値へと近づいていく。従って、このpHの計測値からpHの極小点を見出すことにより、点Cを決めることができる。
第1の変化率及び第2の変化率は、オゾン注入量と処理水槽中の処理水量に応じて変化する。市販されている産業用オゾナイザのオゾン発生量の範囲は、1g/h〜1,000g/hであり、この範囲のオゾン発生量のオゾナイザを用いた場合には、オゾン供給量が一定の時には処理水槽の容量が大きくなるとORPの上昇速度が遅くなるため変化率は低くなり、処理水槽の容量が小さくなるとORPの上昇速度が速くなるため変化率は大きくなる。従って、第1の変化率及び第2の変化率は、オゾン注入量と処理水槽中の処理水量に応じて適宜設定する必要がある。なお、養殖環境により養殖水の状況が変わるため、点B5及び点C6とも、予め実際に魚介類の飼育が行われている養殖水を用いて最終的に決定するのが望ましい。また、これらのORP曲線をPID制御で予想演算して求めても構わない。
初回の被処理水の処理(第1ステップ)において、図2に示す第1点(点B)5及び第2点(点C)6となるORPを求めることができたので、これ以後の処理(第2ステップ)においては、この第1点(点B)5及び第2点(点C)6のORPを使用してオゾンの供給を制御することができる。
具体的には、第1の態様では、第2ステップにおいて、第1点5から第2点6までの範囲にある任意のORPを規定値とし、被処理水のORPが規定値に達するまでオゾンを供給することにより、被処理水に含まれるアンモニアを十分に分解するとともに、有害な臭素酸等のオキシダントの発生を抑制することができる。なお、被処理水のORPが第2点に達した時点では、微量ではあるが既に有害な臭素酸等のオキシダントが被処理水中に発生しているので、これらの発生を完全に防止する必要がある場合には、規定値を第2点6でのORPよりも小さい値(例えば、80〜90%)に設定することが好ましい。
第2の態様では、ORPの上昇分又は処理時間の計測を行う基準点を第2点より手前の任意の時点に設定し、この基準点からのORPの上昇分又は処理時間に基づいてオゾン処理の終了時点を判断していることに第1の態様との違いがある。
ORP曲線1上で最初に予め定められた第3の変化率以上となる時点である第3点(点A)3では、有機物分解ステージ2がほぼ完了し、アンモニア分解ステージ4に移行しつつある。第2の態様における基準点は、第2点より手前の任意の時点であるが、オゾン処理による有機物の分解の完了に近い時点に設定することが好ましい。この基準点は、ORPの値が450mVの点、又は、第1点5の前後の範囲内の時点とすることができる。第1点5の前後の範囲としては、ORP曲線1において第1点5の手前でORP変化率が著しく大きくなる部分の始点付近の点である第3点(点A)3と第1点5との間の第1変曲点9と、第1点5と第2点6との間の第2変曲点10との間の範囲が挙げられる。第3点(点A)3は、予め定められた変化率(第3の変化率)によって決定することができ、この第3の変化率は、前述した「予め定められた第1の変化率」及び「予め定められた第2の変化率」と同様の考え方で設定することができる。
点A3以降のアンモニア分解ステージ4では、既にアンモニア以外の成分(有機物等)の大半が分解され、オゾン処理によるORPの上昇の殆んどがアンモニアの分解だけに依存し、他の条件によってそれほど影響されない。このため、例えば、たまたま被処理水中に魚介類の糞、餌などのアンモニア以外の有機物が多く含まれていたような場合であっても、これらアンモニア以外の有機物の分解がほぼ終了し、被処理水に含まれる有機物が略アンモニアのみとなった時点を基準点としてオゾン処理の停止時点を判断することができるので、第1の態様よりもより確実にアンモニアを分解し、オキシダントの発生を抑制することができる。
ORP曲線1上で最初に予め定められた第3の変化率以上となる時点である第3点(点A)3では、有機物分解ステージ2がほぼ完了し、アンモニア分解ステージ4に移行しつつある。第2の態様における基準点は、第2点より手前の任意の時点であるが、オゾン処理による有機物の分解の完了に近い時点に設定することが好ましい。この基準点は、ORPの値が450mVの点、又は、第1点5の前後の範囲内の時点とすることができる。第1点5の前後の範囲としては、ORP曲線1において第1点5の手前でORP変化率が著しく大きくなる部分の始点付近の点である第3点(点A)3と第1点5との間の第1変曲点9と、第1点5と第2点6との間の第2変曲点10との間の範囲が挙げられる。第3点(点A)3は、予め定められた変化率(第3の変化率)によって決定することができ、この第3の変化率は、前述した「予め定められた第1の変化率」及び「予め定められた第2の変化率」と同様の考え方で設定することができる。
点A3以降のアンモニア分解ステージ4では、既にアンモニア以外の成分(有機物等)の大半が分解され、オゾン処理によるORPの上昇の殆んどがアンモニアの分解だけに依存し、他の条件によってそれほど影響されない。このため、例えば、たまたま被処理水中に魚介類の糞、餌などのアンモニア以外の有機物が多く含まれていたような場合であっても、これらアンモニア以外の有機物の分解がほぼ終了し、被処理水に含まれる有機物が略アンモニアのみとなった時点を基準点としてオゾン処理の停止時点を判断することができるので、第1の態様よりもより確実にアンモニアを分解し、オキシダントの発生を抑制することができる。
第2の態様で用いる「基準点」は、「450mV」又は「点A3から点B5の間の第1変曲点9と点B5から点C6の間の第2変曲点10の間の任意の点」であるが、有機物分解ステージ2からアンモニア分解ステージ4に移り変わる時点の近傍とすることが好ましく、前記の点B5とすることがより好ましい。この基準点は、第1ステップの結果に基づいて、オキシダントの発生を効果的に抑制するために最適な値に設定することが好ましい。
第2の態様の第2ステップでは、第1ステップで計測した点B5から点C6までのORP上昇分の70〜95%に相当する上昇分(好ましくは、80〜95%に相当する上昇分)、又は経過時間の70〜95%に相当する処理時間(好ましくは、80〜95%に相当する処理時間)の点を点C’として算出し、第1ステップよりも短い時間、又は初回のORPの上昇分より少ない上昇分だけORPが上昇するまでの間オゾン処理を行う。これにより、第2ステップでの臭素酸の発生を防止することができ、臭素酸の蓄積を十分に小さくしてアンモニアの分解除去を行うことができる。
また、基準点から点CまでのORPの上昇分又は処理時間に関し、第2ステップの処理において短縮する割合は、オゾナイザのオゾン発生量、処理水槽中の水量、養殖水の水質、養殖水槽中の養殖魚介類の種類や大きさ、ポンプの送水速度などに依存するので、それらの条件を適宜設定することができる。
また、基準点から点CまでのORPの上昇分又は処理時間に関し、第2ステップの処理において短縮する割合は、オゾナイザのオゾン発生量、処理水槽中の水量、養殖水の水質、養殖水槽中の養殖魚介類の種類や大きさ、ポンプの送水速度などに依存するので、それらの条件を適宜設定することができる。
なお、養殖している魚介類の種類により過度に臭素酸に敏感になる必要がない場合には、第2ステップの処理であっても第1ステップと同様の処理を行い、それ以上の臭素酸の生成を防止することが必要となった時点以降の処理において、基準値からのORPの上昇分又は処理時間に基づいてオゾン供給の停止時点を判断する第2ステップの処理に移行することもできる。また、第1及び第2のステップでは、養殖水槽から養殖水の一部を抜き出してオゾン処理するのではなく、養殖水の全部を抜き出してオゾン処理を行うようにしてもよい。水の無い環境でも一定期間生存できるような生物であれば、そのような方法でも問題なく養殖水中のアンモニア除去を行うことが可能であり、一度に効率よく養殖水を浄化できる場合がある。
養殖水中の有機物量やアンモニア発生量は、魚介類の魚種や大きさ、飼育数量、給餌量などの違いにより異なるだけでなく、絶えず変化している。また、被処理水のORPを測定するセンサの電極は、魚介類の代謝物や餌などの有機物が付着すると測定値が変動し、これらの付着物を除去しなければ正確なORPを測定することができない。このため、例えば第2ステップのオゾン処理を10回行う毎に第1ステップの処理を行ってORP曲線を新たに求め、点B、C、C’を再算出し、オゾン処理する養殖水の水質等の状況に適合してオゾン供給を制御することにより、これらの影響を排除することができる。
オゾン処理によりアンモニアを分解除去した結果、ORPが上昇した被処理水に対しては、養殖水槽に返送する際に魚介類の生育できる水質に戻して生物安全性を確保しなければならない。魚介類の生育できる水質に戻すためには、被処理水に養殖水槽内の養殖水を加えて希釈するか、ORPを低下させるORP調整剤のような薬剤の添加を行ってから養殖水槽へ返送する。養殖水には、魚介類の代謝物や餌などの成分が含まれているため、ORPが上昇した被処理水に養殖水を加えると、被処理水のORPを低下させることができる。なお、このとき養殖水に含まれるアンモニアが被処理水に加えられてしまうが、養殖水は循環処理されるため、オゾン処理を継続することにより養殖水全体としてはアンモニアが分解除去される方向に向かう。
また、オゾン処理後の被処理水のpHが養殖水槽内の養殖水のpHと異なった場合には、酸性又はアルカリ性の薬剤を添加し、被処理水の水質が養殖水槽内の養殖水の水質と同程度になるようにする。さらにpHの安定性(緩衝性)を維持するために適宜な時間間隔で処理槽内の被処理水のアルカリ度を測定し、必要によりpH緩衝効果を持つpH緩衝剤を滴下して、被処理水の水質を養殖水槽内の養殖水又は海水に近い水質条件に調整することで、魚介類への安全性を確保する。
以下、本発明における魚介類の養殖水中のアンモニアを除去する方法を図3及び図4に示す除去装置により説明する。
図3は、小水量向け養殖水除去装置の一例を示す図である。本装置11は、魚介類を飼育する養殖水槽12、養殖水13の懸濁物を除去する泡沫分離装置14、養殖水13の一部を取り出した被処理水15に含まれるアンモニアを除去するためのアンモニア処理水槽(以下、「処理水槽」という。)16、鱗や残餌などから発生する固形物や溶解物を分離する各種フィルタ17、オゾンガスを発生させるためのオゾナイザ18、原料ガスである空気から窒素を分離して濃縮酸素をオゾナイザ18に供給するための酸素濃縮器(PSA:Pressure Swing Adsorption)19、オゾナイザ18から発生したオゾンガスを被処理水15へ溶解させるためのミキシングポンプ20、溶解したオゾンとアンモニアを反応させるためのオゾン反応槽21、残留したオゾンを分解して無害化するためのUV反応槽22、被処理水15の水質を測定する水質測定槽23、これらを連結する各種配管24、バルブ類25、ポンプ類26、ORP計、pH計、溶存酸素濃度(DO)計、水位センサなどの各種センサ27の他に、処理水槽16にORP調整剤28、pH調整剤29、pH緩衝剤30などの薬剤を添加するための滴定ポンプ31と薬液タンク32によって構成されている。図には示していないが、センサ類からの信号によってオゾナイザ18、酸素濃縮器19、UVランプ(図示せず)、バルブ25やポンプ20、26を制御するマイクロコンピュータ等の制御機器(図示せず)も接続されている。
図3は、小水量向け養殖水除去装置の一例を示す図である。本装置11は、魚介類を飼育する養殖水槽12、養殖水13の懸濁物を除去する泡沫分離装置14、養殖水13の一部を取り出した被処理水15に含まれるアンモニアを除去するためのアンモニア処理水槽(以下、「処理水槽」という。)16、鱗や残餌などから発生する固形物や溶解物を分離する各種フィルタ17、オゾンガスを発生させるためのオゾナイザ18、原料ガスである空気から窒素を分離して濃縮酸素をオゾナイザ18に供給するための酸素濃縮器(PSA:Pressure Swing Adsorption)19、オゾナイザ18から発生したオゾンガスを被処理水15へ溶解させるためのミキシングポンプ20、溶解したオゾンとアンモニアを反応させるためのオゾン反応槽21、残留したオゾンを分解して無害化するためのUV反応槽22、被処理水15の水質を測定する水質測定槽23、これらを連結する各種配管24、バルブ類25、ポンプ類26、ORP計、pH計、溶存酸素濃度(DO)計、水位センサなどの各種センサ27の他に、処理水槽16にORP調整剤28、pH調整剤29、pH緩衝剤30などの薬剤を添加するための滴定ポンプ31と薬液タンク32によって構成されている。図には示していないが、センサ類からの信号によってオゾナイザ18、酸素濃縮器19、UVランプ(図示せず)、バルブ25やポンプ20、26を制御するマイクロコンピュータ等の制御機器(図示せず)も接続されている。
養殖水槽12に設置されている泡沫分離装置14は、魚介類の飼育により発生する蛋白質、脂質、細菌等の細かい懸濁物を除去するために用いる。泡沫分離装置14は、様々な物質が気泡の気液界面に吸着する性質を利用し、気泡をフィルタとして液体中より目的物質を分離、除去する装置である。泡沫分離装置14を設置することで、以後のオゾン処理における有機物分解ステージ2の処理時間を短くすることができるため、オゾン発生に係るエネルギーの低減に役立つ。
フィルタ17は、いくつかの濾過サイズの異なるフィルタを組み合わせて使用する。まず、養殖水槽12内の魚介類が吸い込まれないようなネット等のフィルタと、養殖水13に含まれる鱗、残餌や糞などの比較的大きなサイズの固形物を濾過するためのストレーナやスクリーンフィルタ、ドラムフィルタ、ディスクフィルタ、メッシュフィルタ、次にこれより小さいサイズの固形物を濾過するためのサイクロンフィルタや不織布のフィルタ、さらに細かい固形物を濾過する必要があれば、カートリッジフィルタや中空糸膜フィルタなどを用いる。これらのフィルタ17の使用も、前述の泡沫分離装置14と同様にオゾン発生に係るエネルギーの低減に役立つ。
オゾナイザ18の原料ガスには空気を用いることが多いが、原料ガスに空気を用いると、オゾナイザ18で硝酸が生成され、被処理水15に溶解して硝酸性窒素の濃度を上昇させ、被処理水15のpHを低下させるとともに、機器の腐食が発生する。また、この硝酸性窒素の魚介類に対する毒性は低いものの、養殖水循環型の養殖での長期間飼育における濃縮は問題となる。そのため、本装置11では、酸素濃縮器19を使用し、原料ガスの空気から窒素分を取り除いてからオゾナイザ18に供給し、硝酸の発生を防止するとともに、オゾン濃度を上昇させる処理時間の短縮を図っている。
オゾナイザ18によって発生されたオゾンガスは、ミキシングポンプ20によって被処理水15と混ぜられて溶解する。なお、ミキシングポンプ20の代わりとして、安価なエゼクタを用いることもできる。ミキシングポンプを用いた場合でも、エゼクタを用いた場合でも、オゾンガスに変化しなかった酸素が被処理水15中に溶解して溶存酸素量を増加させるため、被処理水15を養殖水槽12に戻した際に養殖水13内の溶存酸素が増え、養殖水槽12の散気量を減らせることになる。
養殖水槽12に取り付けられたセンサ(溶存酸素濃度計)27により、養殖水13中の溶存酸素量を監視し、飼育に適切な酸素量であることを確認することが望ましい。もし溶存酸素量が魚介類の飼育に不十分となった場合には、制御機器から警報を発するとともに、別途養殖水槽に取付けられた散気装置(図示せず)で空気や酸素を溶解させて必要な酸素量を確保する。
一方、溶存酸素量が過剰になった場合には、飼育している魚介類がガス病となる危険が生じる。ガス病とは、鰓を通して血液中に入り込んだ酸素や窒素が血管中などで遊離し、気泡となって血管を詰まらせることにより、異常行動が発生したり死亡したりする病気である。この場合には、警報を発するとともに、散気装置で空気を散気して過剰な溶存酸素を気化させて安全を確保する。このように、飼育中は、常時、養殖水13に空気を散気しておくことで、これらの状況を解消することができる。
養殖水槽12に取り付けられたセンサ(溶存酸素濃度計)27により、養殖水13中の溶存酸素量を監視し、飼育に適切な酸素量であることを確認することが望ましい。もし溶存酸素量が魚介類の飼育に不十分となった場合には、制御機器から警報を発するとともに、別途養殖水槽に取付けられた散気装置(図示せず)で空気や酸素を溶解させて必要な酸素量を確保する。
一方、溶存酸素量が過剰になった場合には、飼育している魚介類がガス病となる危険が生じる。ガス病とは、鰓を通して血液中に入り込んだ酸素や窒素が血管中などで遊離し、気泡となって血管を詰まらせることにより、異常行動が発生したり死亡したりする病気である。この場合には、警報を発するとともに、散気装置で空気を散気して過剰な溶存酸素を気化させて安全を確保する。このように、飼育中は、常時、養殖水13に空気を散気しておくことで、これらの状況を解消することができる。
オゾン反応槽21は、オゾンと被処理水15を接触させる役割を持つだけでなく、気液分離器としてオゾンガスと一緒に送り込まれた酸素や空気を除去する。オゾンガスの溶解には、ミキシングポンプ20とオゾン反応槽21の組み合わせではなく、通常の水処理で用いられている散気管や泡沫分離装置を用いても良い。散気管を用いた場合には、マイクロバブルやナノバブルを発生させた方がオゾン反応槽21内の気泡の滞留時間を長くすることができるため、オゾンの溶解量を著しく増加させることができる。なお、前述の泡沫分離装置14は、通常、空気の気泡を使っても良いが、オゾンガスを用いた方がより好ましい。オゾンガスを用いた場合には空気を用いた場合よりも細かい気泡となるため、オゾン反応槽21内の気泡の滞留時間が長くなり、オゾンの溶解量が増加し、オゾン処理時間を短縮させることができる。
オゾン反応槽21に続くUV反応槽22aでは、被処理水15中に含まれる雑菌やウイルスを殺滅するだけでなく、被処理水15中に残留するオゾンを分解する。これは、UV反応槽22a内の図示しない紫外線ランプにより照射される紫外線により、オゾンがヒドロキラジカルへと変化することを利用している。このヒドロキラジカルは、オゾンより高い酸化性を持つため、アンモニアだけでなく、フミン酸やフルボ酸、2−MIBやジオスミン、その他の難分解性物質を分解することができ、脱臭、脱色、無害化作用を持つ。また、魚介類に毒性の高いオキシダントも分解できるため、さらに魚介類に対する安全性を高めることができる。UV反応槽22aに酸化チタンなどの光触媒や、過酸化水素(H2O2)を投入すると、より多くのヒドロキシラジカルが発生するため、より効果的な処理が可能となる。
処理水槽16内の被処理水15のpHやORPが養殖水槽12内の養殖水13のpHやORPと異なる場合には、被処理水15を養殖水槽12に返送する前に、被処理水15のpHやORPが養殖水13のpHやORPと同程度になるように、養殖水槽12の養殖水13を処理水槽16に注水することにより、魚介類にとって安全な状態を確保することができる。
養殖水13を注水しても被処理水15のORPが低下しない場合、又は低下しにくい場合には、処理水槽16に設置された滴定ポンプ31でORP調整剤28を添加する。ORP調整剤28は、例えば、ビタミンCとその誘導体、ビタミンPとその誘導体、アミノ酸、ポリフェノール、フラボノイド、カテキン、ジカルボン酸、没子食酸、クエン酸などのヒドロキシ酸とその誘導体、またはそれらの混合物がよい。これらの酸化防止剤は水溶性であり、しかも毒性が懸念される工業用還元剤ではないため、魚介類にとっても悪影響はない。
養殖水13を注水しても被処理水15のpHが養殖水13のpHと異なる場合には、処理水槽16にpH調整剤29を添加し、被処理水15のpHを養殖水13のpHと同じにする。pH調整剤29としては、酸性からアルカリ性に調整する場合には、水酸化ナトリウム(NaOH)や水酸化カリウム(KOH)を、アルカリ性から酸性に調整する場合には、塩酸(HCl)や硫酸(H2SO4)を使用する。これらの薬剤は海水の主成分で構成されており、魚介類に対して毒性はない。
また、養殖水13のpHが直ぐに低下してしまう場合には、養殖水13のアルカリ度の低下が考えられる。海水中にはpH緩衝機能を持つ炭酸イオンが多量に存在するが、養殖水循環型の飼育では繰り返しオゾン処理されることにより炭酸イオンがオゾンと反応して消費されるため、pHの低下が起こり易い。このため、多くの養殖場においては貝殻などを浸漬させて炭酸成分を補給するが、養殖水循環型の飼育の場合には、水の停滞が起こるような浸漬物は雑菌の温床となり得るため、できるだけ浸漬物を排除することが重要になる。そこで、養殖水13のアルカリ度の低下に対処するため、定期的にアルカリ度試薬を用いて被処理水15のアルカリ度を測定し、必要により炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)や炭酸水素カルシウム(Ca(HCO3)2)等のpH緩衝剤30を適量添加してpHを調整する。
アンモニア分解処理後に養殖水槽12へ被処理水15が返送される前にはUV反応槽22bを設置し、最終的な残留オゾンの除去とオキシダントの分解を行い、魚介類への毒性を除去してさらに安全性を確保する。UV反応槽22bには酸化チタンなどの光触媒を挿入することで、さらに効率よく殺菌、分解を行うことが可能となる。
図示しないシーケンサなどの制御機器では、センサの信号や装置の動作状況をモニタするとともに、予め入力されたフローに従い、演算して各種機器を制御する。また、制御信号や装置の運転状況のモニタ、記録も行う。養殖水13の水質や装置運転の異常を検出した場合には、登録された場所へ非常通報を発信する。特に、養殖水槽12で溶存酸素増加のために行われているバブリングが停止すると魚介類に致命的な影響を与えるため、この機能は重要である。
オゾンによるアンモニアの分解除去においては、臭素イオンが重要な役割を果たす。海水には65ppm程度の臭素イオンが含まれている。養殖水循環型の飼育の場合には、魚介類の体内に微量の臭素イオンが残ることにより、養殖水中の臭素イオンが僅かに減少していくが、特に臭素イオンを追加投入する必要性はない。しかしながら、養殖水として人工海水や淡水の河川水、地下水を使用する場合には、臭化ナトリウム(NaBr)や臭化カリウム(KBr)などの適量のイオンを添加する必要がある。なお、臭素イオンは魚介類に対して毒性がないので、このように添加することができる。
次に、本装置11の運転方法について前記の第2の態様に基づいて説明する。最初に、以下の手順で第1ステップの被処理水のオゾン処理を行う。
先ず、魚介類の飼育によりアンモニアが含まれた養殖水槽12内の養殖水13の一部を規定量に達するまでポンプ26aで処理水槽16へ移送する。
処理水槽16内の被処理水15をポンプ26bでオゾン反応槽21、UV反応槽22a、水質測定槽23、再び処理水槽16の順に循環させる。循環中にオゾナイザ18からミキシングポンプ20により被処理水15にオゾンを供給し、被処理水15のオゾン処理を行い、被処理水15に含まれる有機物及びアンモニアの分解を行う。この時、養殖水槽12内の養殖水13のORP、処理水槽16内の被処理水15のORP、及び循環中の水質測定槽23内の被処理水15のORPを常にセンサ27でモニタするとともに、制御機器に記憶してORP曲線1上の点B(第1点)5を決定する。
次に、処理水槽16内の被処理水15のORPからORP曲線1上の点C(第2点)6を決定し、点C’を算出した時点でオゾンの供給を停止する。
オゾンの供給を停止した後、処理水槽16内の被処理水15のORPと養殖水槽12内の養殖水13のORPが等しくなるまで養殖水槽12の養殖水13を処理水槽16に注水する。被処理水15のORPが養殖水13のORPと等しくなる前に処理水槽16が満水となるか又は規定水位に達した場合には、被処理水15のORPを低下させるために滴定ポンプ31によりORP調整剤28を滴下する。同様に、被処理水15のpHも養殖水13のpHと同じになるように滴定ポンプ31によりpH調整剤29を滴下する。
オゾン処理が終了し、ORP及びpHの調整が行われた処理水槽16内の被処理水15をポンプ26bにより配管24を経由させて養殖水槽12に戻すと、第1ステップのアンモニア分解除去は完了する。
第2ステップでは、第1ステップで得られたORP曲線上の点Bと点C’を考慮してオゾン処理を行うが、これ以外は第1ステップと同じ動作となる。第2ステップの処理では、被処理水15のORPをセンサ27で測定するとともに制御機器で記憶しながら、被処理水15のORPが基準点から新たに設定された点C’に上昇するまでオゾン処理を行う。または、第1ステップの結果から求めた、被処理水15のORPが基準点から点C’に上昇するのに必要な処理時間のオゾン処理を行う。
それ以降の処理では、第2ステップの処理を繰り返すが、魚介類の魚種や大きさ、飼育数量、給餌量などの違いにより、養殖水13に含まれる有機物量やアンモニアの発生量は僅かながら変化するため、例えば、第2ステップのオゾン処理を10回繰り返す毎に第1ステップの処理を行うなどして、被処理水15の新たなORP曲線を求めることにより点C’を再算出し、養殖水槽12内の養殖水13の水質等の状況に適合してオゾン供給を制御することが好ましい。
次に、大容量向けアンモニア分解装置51の概略を図4に示す。大容量向けアンモニア分解装置51と図3に示した小容量向けアンモニア分解装置11との相違点は、処理水槽16を二つ設け、処理水槽16内の被処理水15を交互に処理した後、養殖水槽12に返送することである。オゾン処理の開始や終了のタイミングは、小容量向けアンモニア分解装置11と同様であり、共通する構造、部品が多いので、異なる部分についてのみ説明する。
この装置51では、一の処理水槽16aがオゾン処理を行っている間に、他の処理水槽16bでオゾン処理後の被処理水15のORPの調整(養殖水槽からの養殖水の注水、ORP調整剤の投入)、pH調整、オゾン処理済みの被処理水15の養殖水槽12への送水、オゾン処理すべき養殖水13の養殖水槽12からの注水を行う。
この装置51では、各々の処理水槽16a、16b毎に第1ステップを実施して取得したORP曲線毎に点B、点C、点C’を求めることもできるが、毎回、一の処理水槽16aで第1ステップの処理を実施して得られたORP曲線から点B、点C、点C’を求め、他の処理水槽16bでその点C’を使用して第2ステップの処理を行うことも可能である。
二つの処理水槽16a、16bでオゾン処理工程を交互に行うことで、調整、注水及び送水に関する時間を事実上なくすことができるため、オゾナイザ18やその他の機器の負荷を減らすことができるだけでなく、経済的に処理を行うことができる。さらに大容量の養殖水を処理する場合には、処理水槽16を複数箇設け、上記と同様な時系列処理を行うことにより対応することができる。
なお、本発明による養殖水中に含まれるアンモニアの除去方法と通常の生物処理槽を用いたアンモニアの硝化・脱窒処理方法との併用は可能であるが、生物処理ができるのは生物が活性を示すことのできる温度が必要となるため、周囲環境が低温の場合や養殖水の水温が低い場合には、本発明による方法のみを用いるのが有効である。
以上説明したように、本発明による養殖水中に含まれるアンモニアの除去方法は、既存の生物処理によるアンモニアの除去方法に比べ、生物処理槽のような広い敷地面積を必要とせずにコンパクトであり、微生物に依存せずに電気的に制御が可能なために安定した処理効果を持つだけでなく、生物処理で必要なノウハウや経験を必要とせずに、安定した養殖水の水質を維持できるのである。しかも、アンモニアの分解状況を被処理水のORPの変化から把握し、オゾン注入量を制御することで、残留オゾンや臭素酸を発生させずにアンモニアを分解除去することができる。このため、活性炭素槽や曝気槽等の施設が不要となる。
養殖水の水質により、アンモニアが分解されるORPの範囲が多少異なるが、オゾン注入に伴うORPの変化を監視してオゾン注入量を制御しているために、様々な水質の養殖水に対応することができる。このようなことから、煩雑な作業なく、安定して魚介類の養殖が可能となるので、その価値は非常に大きいものがある。
1 ORP曲線
2 有機物分解ステージ
3 点A(第3点)
4 アンモニア分解ステージ
5 点B(第1点)
6 点C(第2点)
7 臭素酸生成ステージ
11 小容量向けアンモニア除去装置
12 養殖水槽
13 養殖水
14 泡沫分離装置
15 被理水
16 処理水槽
18 オゾナイザ
21 オゾン反応槽
22 UV反応槽
23 水質測定槽
51 大容量向けアンモニア除去装置
2 有機物分解ステージ
3 点A(第3点)
4 アンモニア分解ステージ
5 点B(第1点)
6 点C(第2点)
7 臭素酸生成ステージ
11 小容量向けアンモニア除去装置
12 養殖水槽
13 養殖水
14 泡沫分離装置
15 被理水
16 処理水槽
18 オゾナイザ
21 オゾン反応槽
22 UV反応槽
23 水質測定槽
51 大容量向けアンモニア除去装置
Claims (7)
- 魚介類の養殖や畜養における養殖水に含まれるアンモニアを分解除去する方法であって、養殖水のORPを測定することによってオゾン注入を制御するに際して、養殖水の少なくとも一部に対してオゾン処理を行ってORPの変化を測定し、ORPが450mV以上であり、かつ予め定められた第1の変化率以下となるORP曲線上の最初の点を第1点と、その次に予め定められた第2の変化率以上となるORP曲線上の点を第2点とし、前記第1点から前記第2点までの範囲にある任意のORPを規定値として設定する第1ステップと、養殖水の少なくとも一部に対してORPが前記規定値に上昇するまでオゾン処理を行う第2ステップとを有するアンモニアの除去方法。
- 魚介類の養殖や畜養における養殖水に含まれるアンモニアを分解除去する方法であって、養殖水のORPを測定することによってオゾン注入を制御するに際して、養殖水の少なくとも一部に対してオゾン処理を行ってORPの変化を測定し、ORPが450mV以上であり、かつ予め定められた第1の変化率以下となるORP曲線上の最初の点を第1点、その次の予め定められた第2の変化率以上となるORP曲線上の点を第2点とし、前記第2点よりも前の任意の点を基準点として設定し、前記基準点から前記第2点までのOPRの値の上昇分を記憶する第1ステップと、養殖水の少なくとも一部に対して、前記基準点としたORPの値に到達してからのORP上昇分が前記第1ステップで記憶したORPの上昇分よりも低い上昇分となるようにオゾン処理を行う第2ステップとを有するアンモニアの除去方法。
- 前記請求項2におけるORPの上昇分よりも低い上昇分は、前記ORPの上昇分の70〜95%であることを特徴とする養殖水に含まれるアンモニアの除去方法。
- 魚介類の養殖や畜養における養殖水に含まれるアンモニアを分解除去する方法であって、養殖水のORPを測定することによってオゾン注入を制御するに際して、養殖水の少なくとも一部に対してオゾン処理を行ってORPの変化を測定し、ORPが450mV以上であり、かつ予め定められた第1の変化率以下となるORP曲線上の最初の点を第1点、その次の予め定められた第2の変化率以上となるORP曲線上の点を第2点とし、前記第2点よりも前の任意の点を基準点として設定し、前記基準点から前記第2点までの経過時間を記憶する第1ステップと、養殖水の少なくとも一部に対して、前記基準点としたORPの値に到達してからの処理時間が前記第1ステップで記憶した経過時間よりも短くなるようにオゾン処理を行う第2ステップとを有するアンモニアの除去方法。
- 前記請求項4における経過時間よりも短くなる処理時間は、前記経過時間の70〜95%であることを特徴とする養殖水に含まれるアンモニアの除去方法。
- 請求項1から請求項5の何れか1項に記載した養殖水に含まれるアンモニアの除去方法であって、第2ステップを複数回実施する毎に第1ステップを実施し、ORP上昇分又は経過時間を更新して第2ステップを行うことを特徴とする養殖水に含まれるアンモニアの除去方法。
- 魚介類の養殖や畜養における養殖水に含まれるアンモニアを分解除去する装置であって、養殖水のORPを測定することによってオゾン注入を制御するに際して、養殖水の少なくとも一部に対してオゾン処理を行ってORPの変化を測定し、ORPが450mV以上であり、かつ予め定められた第1の変化率以下となるORP曲線上の最初の点を第1点と、その次の予め定められた第2の変化率以上となるORP曲線上の点を第2点とし、前記第1点から前記第2点までの範囲にあるORPを規定値として設定する第1ステップと、養殖水の少なくとも一部に対してORPが前記規定値に上昇するまでオゾン処理を行う第2ステップとを行うアンモニアの除去装置。
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