JP2002335811A - 養殖用海水循環装置 - Google Patents

養殖用海水循環装置

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JP2002335811A
JP2002335811A JP2001148181A JP2001148181A JP2002335811A JP 2002335811 A JP2002335811 A JP 2002335811A JP 2001148181 A JP2001148181 A JP 2001148181A JP 2001148181 A JP2001148181 A JP 2001148181A JP 2002335811 A JP2002335811 A JP 2002335811A
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aquaculture
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浩嗣 伊達
Yuji Nakagawa
裕二 中川
Hiroshi Takatomi
廣志 高富
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 海水中のアンモニア等を効率よく分解し、処
理水量の増加に容易に対応可能であると共に、装置の自
動制御を実現することができる、養殖用海水循環装置を
提供する。 【解決手段】 本発明は、魚介類を養殖している養殖槽
内の海水を循環利用する養殖用海水循環装置であって、
前記海水1aを循環させる循環経路L1中に、前記海水
1a中のアンモニアの分解処理等を行う電解手段5と、
前記電解槽5の上流側に設けられた濾過手段3とを備え
たことを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、魚介類を養殖する
ための装置に関し、詳しくは、陸上において魚介類を養
殖するために用いられる養殖用海水循環装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】海水(ここで、「海水」とは、天然海水
のみではなく人工海水をも含む概念である。以下、同
様。)を利用した魚介類の陸上養殖に関する装置として
は、従来から、微生物等を用いて海水の浄化を行う装置
が知られている。この従来技術にかかる装置は、通常、
魚介類を有する水槽内の海水を循環すべく構成されてお
り、この海水を循環する過程において、微生物等を用い
て海水中の排泄物・残餌の除去等が行われている。
【0003】この従来技術にかかる装置は、具体的に
は、飼育水槽内の海水を循環させる際の循環経路に、沈
殿槽、泡沫分離槽、硝化槽、および脱窒槽等を設けて構
成されている。そして、沈殿槽においては、海水中にお
ける魚介類の排泄物・残餌等の除去、泡沫分離装置にお
いては、タンパク質および浮遊物の除去、硝化槽におい
ては、微生物を用いて海水中に溶けているアンモニア等
の分解除去、脱窒槽においては、海水中からの硝酸性窒
素の除去が行われている。
【0004】以上のように、従来技術にかかる装置は、
飼育水槽内の海水を魚介類の養殖を行うのに適した状態
に保つべく、海水を循環させて微生物を用いた浄化処理
等を行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術において
は、アンモニア等の分解を行うために、微生物を用いて
いる。このように微生物を用いる方法は、し尿処理や下
水処理には有効であるが、海水中(いわゆる食塩濃度が
高い場合)での処理には適していない。つまり、上記従
来技術においては、海水(塩水)中にて微生物を用いた
処理を行うように構成されているが、海水中における微
生物のアンモニア等の分解処理能力は低いため、アンモ
ニア等に対して高い浄化能力を期待できないという問題
があった。また、処理水量の増加等に対して、即座に微
生物を増殖等させるのは困難である。したがって、従来
技術にかかる装置においては、処理水量の変動に容易に
対応できないという問題があった。さらに、従来技術に
おいては、微生物等を用いているため、海水の濃度等に
応じた装置の自動制御を行うことが困難であるという問
題があった。
【0006】そこで、本発明は、上記従来技術にかかる
問題を解決するためになされたものであって、海水中の
アンモニア等を効率よく分解し、処理水量の増加に容易
に対応可能であると共に、装置の自動制御を実現するこ
とができる、養殖用海水循環装置を提供することを課題
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記従来技術
の課題を解決するためになされたもので、魚介類を養殖
している養殖槽内の海水を循環利用する養殖用海水循環
装置であって、前記海水を循環させる循環経路中に、前
記海水中のアンモニアの分解処理等を行う電解手段を備
えたことを特徴としている。
【0008】このように構成された養殖用海水循環装置
であれば、従来技術のごとく海水中のアンモニアの分解
処理等に微生物を用いず、前記電解手段による電気分解
を行っているため、海水中にて強い酸化還元反応が起こ
るため、アンモニアを完全に分解することができる。ま
た、このように強い酸化還元反応によってアンモニアを
分解すれば、魚介類にとって有害な亜硝酸が生じないの
で、養殖に適した海水を得ることができる。さらに、前
記電解手段を用いているため、海水濃度あるいは処理水
量等に増減が生じたとしても、前記電解手段に供給され
る電流量を制御することによって、その増減に対して容
易に対応可能である。また、このように前記電解手段は
電流を可変するだけで、前記電解手段におけるアンモニ
アの分解能力を調整可能であるため、濃度センサあるい
は流量計等と組み合わせて、容易に自動化を実現するこ
とができる。つまり、本発明によれば、前記電解手段を
用いることにより、アンモニアの分解等を効率よく行
い、処理水量の増加等に容易に対応でき、装置の自動制
御を実現できる養殖用海水循環装置を得ることができ
る。
【0009】また、本発明にかかる養殖用海水循環装置
においては、前記電解手段の下流側に、気液分離器が設
けられている構成が好ましい。
【0010】前記電解手段によって海水中のアンモニア
が分解されると、その反応の結果として窒素ガスが生ず
る。したがって、この好ましい構成のごとく、前記電解
手段の下流側に前記気液分離器を設ければ、前記気液分
離器を介して、海水中から窒素ガスを効果的に排出でき
るため、海水中に窒素ガスを残存させることなく、アン
モニアを完全に分解除去することができる。
【0011】また、本発明にかかる養殖用海水循環装置
においては、前記電解手段の上流側に、濾過手段が設け
られている構成が好ましい。
【0012】この好ましい構成によれば、前記電解手段
における電気分解処理において障害となる浮遊物等を前
記濾過手段にて除去するので、前記電解手段によって効
率よく電気分解処理を行い、アンモニアの分解等を適切
に行うことができる。
【0013】また、本発明にかかる養殖用海水循環装置
においては、前記電解手段にて電解処理を受けた海水の
一部が、前記濾過手段の上流側から前記濾過手段に注入
されている構成が好ましい。
【0014】この好ましい構成によれば、海水(いわゆ
る遊離塩素を含む溶液)の一部を前記濾過手段の上流側
に戻しているため、この海水が、濾過手段において目詰
まりの原因となっていたスライム状の有機物質破壊し、
微量の沈殿物を残すだけの溶液状態とすることができ
る。つまり、この構成によれば、海水の一部を前記濾過
手段に戻すことにより、前記濾過手段の目詰まり等を解
消することができる。このことから、この構成によれ
ば、濾過手段の能力を最大限に生かすことができ、濾過
手段の再生回数を大幅に削減することが可能となると共
に、濾過手段の耐久性を向上させることができる。な
お、上記のように濾過手段の能力を最大限に生かすこと
ができるため、このように海水の一部を戻す構成によれ
ば、比較的小型の濾過手段を用いて養殖用海水循環装置
を実現することが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の実施
の形態について説明する。図1は、本発明の実施形態に
かかる養殖用海水循環装置の概略構成図を示したもので
ある。
【0016】図1に示すように、本実施形態にかかる養
殖用海水循環装置は、養殖槽1内の海水1aを循環して
浄化処理を行うべく構成されている。具体的には、養殖
槽1内の海水1aを、養殖槽1から取り出した後に、種
々の処理を行って再び養殖槽1に注入すべく循環させる
循環経路L1中に、循環ポンプ2、濾過装置3(本発明
の「濾過手段」に相当)、泡沫分離槽4、電解槽5(本
発明の「電解手段」に相当)、エアレーション部6、殺
菌装置7、および滞留槽8を設けて、養殖用海水循環装
置が構成されている。養殖槽1内の海水1aは、循環ポ
ンプ2を用いて養殖槽1の外部に取り出され、この循環
ポンプ2の吐出圧力によって、濾過装置3、泡沫分離槽
4、電解槽5、エアレーション部6、殺菌装置7、滞留
槽8の順番に各装置等に送られ、各装置等において後述
する種々の処理が行われた後に、養殖槽1に再度注入さ
れる。
【0017】養殖槽1は、その内部が魚介類が健康に育
つ環境を維持すべく構成されているが、コストの面等か
ら、養殖槽1内には、できるだけ多くの魚介類を投入し
なければならない場合がある。このように、養殖槽1内
に多くの魚介類が投入されると、魚同士の接触は避けら
れず、これによって、魚の鱗の表面を覆い保護膜として
の役目を成す「ぬめり物質」が剥離して、浮遊物(S
S)、スライム等が養殖槽1内に生成され、養殖槽1内
の汚染の要因となる。また、養殖槽1内においては、残
餌や排泄物等の腐敗によって、魚介類にとっては非常に
毒性の高いアンモニア(NH3)が発生し、養殖槽1内
の魚介類に大きなダメージを与える場合がある。
【0018】本実施形態にかかる養殖用海水循環装置
は、養殖槽1内の海水1aを循環させ、その循環過程に
おいて、上記浮遊物等を除去すると共にアンモニア等を
分解除去等することにより、養殖槽1内の海水を魚介類
の養殖を行うのに適した状態に保持すべく構成されたも
のである。以下、各構成要素について具体的に説明す
る。
【0019】循環ポンプ2は、養殖槽1内の海水1aを
吸い出して、この吸い出した海水1aを循環ポンプ2の
下流側に吐出すべく構成されたものである。本実施形態
にかかる養殖用海水循環装置においては、この循環ポン
プ2の駆動状態に応じて海水1aの循環量が定められ、
循環ポンプ2の吐出圧によって装置を構成する循環経路
L1中を海水1aが循環する。
【0020】濾過装置3(本発明の「濾過手段」に相
当)は、養殖槽1から取り出された海水1aの濾過処理
を行う装置である。養殖槽1の海水1a中には、浮遊
物、残餌、および排泄物等の腐敗によって、多くの汚泥
が生成される。これらの汚泥を有したままの海水1aに
対して種々の処理を施すと、各装置等が適切な処理を行
うことができない。特に、後述する電解槽5において
は、このような汚泥を有したままでは、適切にアンモニ
ア等の分解処理を行うことが困難となる。そこで、本実
施形態においては、海水1aに対して種々の処理を行う
際の第一の工程として、濾過装置3を用いた濾過処理を
行っている。
【0021】また、本実施形態にかかる養殖用海水循環
装置を構成する濾過装置3は、連続運転が行われるた
め、わずかな時間(2〜3分)を利用して逆洗を行って
濾過装置3の再生処理を行い、耐久性を向上させるべく
構成されている。しかし、この濾過装置3にて濾過され
るのは、ぬめり物質等のスライム状の物質であるため、
逆洗を行うだけでは、濾過装置3の濾過性能を復帰させ
ることができない場合がある。つまり、この濾過装置3
を用いた濾過の際には、海水1a中のスライム状の物質
等が、濾過装置3を構成する濾過助剤の表面を覆い、延
いては濾過助剤間の隙間に付着することとなるため、濾
過作用面積を増大させるために用いられる濾過助剤
(砂、珪藻土等)そのものが機能しなくなり、このよう
な状態になったものを、逆洗のみで再生することは困難
である。
【0022】そこで、本実施形態においては、上記問題
を解決するために、電解槽5にて電解処理された海水の
一部を、一部循環経路L2を用いて、濾過装置3の上流
側から濾過装置3に注入すべく構成されている。
【0023】通常、上記スライム状の物質等は有機物質
であり、しかもその表面は表面積が大きく、遊離塩素を
含む溶液と接触させると簡単にスライム状態が壊れる。
このようにスライム状態が壊れると、スライム状の物質
は、微量の沈殿物を残すだけの溶液状態となり、濾過助
剤の目詰まりには至らないこととなる。つまり、本実施
形態の構成によれば、上記一部循環経路L2を介して注
入された海水の一部によって、濾過装置3内のスライム
状物質のスライム状態が壊され、濾過助剤に目詰まりが
生じないこととなるため、濾過装置3の能力を最大限に
生かすことが可能となり、濾過装置3の再生回数を大幅
に削減すると共に、濾過装置3の耐久性を向上させるこ
とができる。
【0024】また、上述したように、濾過装置3に海水
の一部(遊離塩素を含む溶液)を注入してスライム状物
質が分解されて削減されることとなるため、このように
一部循環経路L2を設ける構成によれば、比較的小さな
濾過装置を用いて養殖用海水循環装置を実現することが
可能となる。
【0025】次に、泡沫分離槽4は、循環処理される海
水1aの泡の除去を行うために設けられたものである。
本実施形態において処理される、養殖槽1内の海水1a
中には、上述したようにぬめり物質を有する有機物が存
在しているため、海水1aは発泡が起こりやすい。そこ
で、この発泡を除去すべく、この泡沫分離槽4が設けら
れている。なお、上述した一部循環経路L2を有する構
成によれば、この一部循環経路L2を介して戻され、濾
過装置3の上流側に注入される海水によって、ぬめりが
除去される。このような場合には、海水1aの発泡が抑
制されるため、必要に応じて(例えば、海水の戻し量に
基づくぬめりの除去状態等に応じて)、この泡沫分離槽
4を省略することも可能である。
【0026】次に、電解槽5について説明する。ここで
図2は、本実施形態において用いられる電解槽の一例を
示したものである。本実施形態にかかる養殖用海水循環
装置を構成する電解槽5は、図2に示すように、二つの
ケーシング51,52を用いて本体部50が構成されて
おり、これらのケーシング51,52はガスケット53
を介して組み立てられている。また、第一ケーシング5
1には、泡沫分離槽4にて処理された海水を電解槽5内
部に導入するための流入口51aが形成されており、こ
の流入口51aは循環経路L1に接続されている。さら
に、第二ケーシング52には、電解槽5にて処理された
海水を電解槽5から流出させるための流出口52aが形
成されており、この流出口52aは、気液分離器59を
介して循環経路L1に接続されている。この気液分離器
59には、循環経路L1の他に、N2等のガスを排出す
るためのガス排出管L3が接続されている。
【0027】さらに、本体部50内には、一対の電極
(陽極54,陰極55)が設けられている。本実施形態
においては、この一対の電極54,55に対して、制御
部(図示省略)からの制御信号に応じて、適切な電流が
供給される。つまり、電解槽5内にて処理される海水の
流量変化等を制御部にて制御・管理して、この処理水量
の変化に対応すべく、電解槽5中の電極54,55に電
流が供給される。ここで、例えば、陽極54は、金属チ
タンの表面に白金属類のPt、Ir、Pd、Ru等の酸
化物を焼成コートしたものが使用される。また、陰極5
5は、Fe、SUS、Ni等を用いて構成されている。
そして、陽極54の電流密度は、1〜200A/dm2
の範囲内で設定されることが好ましい。これは、前記範
囲内であれば、限界電流密度まで通電可能だからであ
る。ただし、この設定範囲は、濃度等の条件によって最
適電流密度が決定されるものであって、より好ましく
は、10〜100A/dm2の範囲内で設定されること
である。電流密度は、あまりに高く設定すると、電極の
寿命が短くガスの発生量も多くなるので、効率が悪くな
る。また、あまりに低くすると、適切に分解処理を行う
ことができない。そこで、必要に応じて、上述した範囲
内で適切な設定を行う。
【0028】さて、この電解槽5内に導入された海水に
対して行われる電解(電気分解)処理は、本実施形態に
かかる養殖用海水循環装置にて行われる種々の処理の中
でも重要な工程の一つであって、具体的には、この電解
槽5内に導入された海水に電気分解を行うことによっ
て、アンモニアの分解処理および脱色等が行われる。そ
して、この電解槽5においては、アンモニアを分解して
窒素ガス(N2)とし、この窒素ガスを気液分離器59
およびガス排出管L3を介して放出することによって、
アンモニアを完全に分解させている。以下、アンモニア
(NH3)の分解のメカニズムを具体的に説明する。
【0029】電解槽5内において、アンモニア(N
3)を分解する際の反応式は次式の通りである。 2NH3+3NaClO → 3H2O+3NaCl+N
2
【0030】上記反応式においては、次亜塩素酸ナトリ
ウムとアンモニアとの反応で表記したが、あくまでも電
解槽5内でのアンモニアの分解反応は、発生基の酸素
(O)あるいは塩素(Cl2)酸化によって強力な反応
が進行するものと考えられる。つまり、上記電解槽5を
用いれば、強い酸化還元反応によってアンモニアを完全
に分解することができる。
【0031】なお、従来技術にかかる、いわゆる微生物
を応用した装置においては、アンモニアが簡単に完全に
分解された例はなく、上述した反応とは異なる弱い酸化
還元反応を起こさせる場合には、魚介類にとって非常に
毒性の高い亜硝酸(NO2)が生成され、魚介類に障害
を与えることとなる。因みに亜硝酸の影響は、3mg/
Lで魚は餌を食べなくなり、15mg/Lで魚は死亡し
てしまう。
【0032】アンモニアが完全に分解され窒素が放出さ
れた海水は、電解槽5における処理が終了した後、次い
で、エアレーション部6に導入される。このエアレーシ
ョン部6においては、海水中に空気を吹き込んで、窒素
ガス等の追い出しを図ると共に、海水中の溶存酸素の増
加を図る。なお、先の電解槽5において、海水中のガス
抜きを十分に行うことができれば、このエアレーション
部6については、小型化等を実現することが可能であ
る。
【0033】次いで、殺菌装置7においては、紫外線等
を用いて海水中の殺菌処理が行われる。ただし、本実施
形態においては、電解槽5を用いているため、この殺菌
装置7についても小型化が可能であり、場合によっては
省略も可能である。
【0034】次いで、滞留槽8においては、海水中の残
存遊離塩素を還元剤を用いて還元し、遊離塩素の除去を
行う。還元剤(脱塩素剤)としては、亜硫酸ナトリウム
や過酸化水素があげられる。この滞留槽8における遊離
塩素の除去については、残留塩素計等を用いて、薬品注
入コントロールを行うことが可能である。すなわち、こ
の残留塩素計にて得られた測定値に基づいて、適切な還
元剤を投入可能なように構成することによって、滞留槽
8の遊離塩素の除去についての自動化を実現することが
できる。
【0035】そして、滞留槽8にて遊離塩素の除去が行
われた海水は、再び養殖槽1内に注入される。つまり、
養殖槽1内の海水1aは、本実施形態にかかる養殖用海
水循環装置を用いて、海水中の汚泥、アンモニア等の除
去が行われた後に、再度養殖槽1内に戻され、魚介類の
養殖のために使用される。
【0036】本実施形態にかかる養殖用海水循環装置
は、以上のように構成されているため、次のような効果
を得ることができる。
【0037】まず、本実施形態にかかる養殖用海水循環
装置は、アンモニア等の分解を行うために電解槽5を用
いているため、海水の汚染状態(例えばアンモニア濃
度)あるいは海水流量等に変動があった場合であって
も、電解槽5を構成する電極54,55に供給する電流
を変更させることによって、その変動に対して容易に対
応可能である。また、電解槽5に供給する電流を可変す
るだけで簡単に制御を行うことが可能であるため、濃度
センサ等と組み合わせて容易に自動制御を行うことがで
きる。さらに、本実施形態にかかる電解槽5を用いた電
解処理によれば、非常に酸化力が強いので、アンモニア
を完全に窒素に分解することが可能となり、その窒素を
放出することによって、海水中のアンモニアを完全に分
解除去することができる。また、長期間の使用によって
若干の硝酸が発生したとしても、酸化力が強力であるた
め、魚介類に悪影響を及ぼす亜硝酸が生成されることは
ない。
【0038】また、本実施形態にかかる養殖用海水循環
装置においては、電解槽5にて処理された海水の一部を
濾過装置3の上流側に戻し、濾過装置3に注入すべく構
成されているため、先に説明したように、スライム状物
質の分解を行うことが可能となり、濾過装置3の目詰ま
り等を防止することができる。さらに、このような構成
によれば、スライム状物質が削減されることとなるた
め、濾過装置3の小型化を実現することができる。ま
た、この海水の一部を循環させる際のスライム状物質の
削減によって海水の発泡が抑制されるので、泡沫分離槽
4の小型化、あるいは省略を図ることができる。
【0039】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、上
述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。
例えば、図1等を用いて説明した本実施形態において
は、循環ポンプ2、濾過装置3、泡沫分離槽4、電解槽
5、エアレーション部6、殺菌装置7、および滞留槽8
を用いて養殖用海水循環装置を構成する場合について説
明したが、本発明はこの構成に限定されるものではな
い。つまり、先に説明したように、泡沫分離槽、エアレ
ーション部、および殺菌装置は、他の要素との関係等か
ら省略することも可能であるので、例えば、循環ポン
プ、濾過装置、電解槽、および滞留槽を用いて養殖用海
水循環装置を構成してもよい。
【0040】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、アンモ
ニアの分解等に電解手段(電解槽)を用いているため、
海水中のアンモニア等を効率よく分解し、処理水量の増
加に容易に対応可能であると共に、装置の自動制御を実
現することができる、養殖用海水循環装置を得ることが
できる。また、電解手段を用いることによって、上述し
たように従来技術において必須であった構成要素を削除
することも可能であるため、養殖用海水循環装置全体の
小型化、省スペース化を実現することができる。さら
に、微生物等に左右されずに処理を行うことができるの
で、運転管理が容易で且つ安定した運転を実現可能な養
殖用海水循環装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかる養殖用海水循環装置
の概略構成図
【図2】本実施形態にかかる養殖用海水循環装置を構成
する電解槽の概略図
【符号の説明】 1…養殖槽 2…循環ポンプ 3…濾過装置 4…泡沫分離槽 5…電解槽 6…エアレーション部 7…殺菌装置 8…滞留槽 59…気液分離器 L1…循環経路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/20 C02F 1/46 ZABZ 1/46 ZAB B01D 35/02 C (72)発明者 高富 廣志 大阪市中央区南船場2丁目4番8号第百生 命ビル 株式会社タクミナ内 Fターム(参考) 2B104 CB41 EA01 ED01 EF01 4D011 AA01 AA15 4D037 AA09 AB12 BA23 BB05 CA04 4D061 DA06 DB19 DC15 EA02 EB14 EB19 EB30 EB31 FA03 FA13 4D064 BD11 BD18

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 魚介類を養殖している養殖槽内の海水を
    循環利用する養殖用海水循環装置であって、 前記海水を循環させる循環経路中に、前記海水中のアン
    モニアの分解処理等を行う電解手段を備えたことを特徴
    とする養殖用海水循環装置。
  2. 【請求項2】 前記電解手段の下流側に、気液分離器が
    設けられている請求項1に記載の養殖用海水循環装置。
  3. 【請求項3】 前記電解手段の上流側に、濾過手段が設
    けられている請求項1または2に記載の養殖用海水循環
    装置。
  4. 【請求項4】 前記電解手段にて電解処理を受けた海水
    の一部が、前記濾過手段の上流側から前記濾過手段に注
    入されている請求項3に記載の養殖用海水循環装置。
JP2001148181A 2001-05-17 2001-05-17 養殖用海水循環装置 Pending JP2002335811A (ja)

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